JP3021879B2 - 媒体発行装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、銀行等で使用される通
帳等の媒体発行装置に係り、特に一括記帳処理される媒
体の収容部を装置前面に配置した媒体発行装置に関する
ものである。

【０００２】近来、銀行等の金融機関において、通帳や
証書に取引データを記帳する記帳機に、複数種類の新規
媒体が発行できる機能を持たせた媒体発行装置が利用さ
れている。

【０００３】更に中小金融機関では、渉外係が複数の顧
客から預かった持帰り通帳処理の割合が高いことや、記
帳処理は特定の期間に集中する傾向にあり、記帳専用機
では稼働効率が悪いので、媒体発行装置に持ち帰り通帳
等を一括投入して記帳処理する機能が付加されるように
なってきた。

【０００４】しかし媒体発行装置の複数種類の新規媒体
を種類別に並べた収容箱の後方に、一括記帳処理の媒体
の収容箱が配置されているために、オペレータの媒体投
入操作が面倒であり、しかも装置が大型になりコストも
高いので、小型、低価格で処理性能を向上させた装置が
望まれている。

【０００５】

【従来の技術】図３に通帳発行装置の内部側面図を示
す。図に示すように、筺体2a、挿入口3a、収容箱4a〜4
d,5a 、リードライト (以下Ｒ／Ｗという）部６、読取
センサＳ、プリンタ部7a、スタッカ8a,9a 、リジェクト
ボックス11及び搬送路12ａで構成されている。搬送路12
ａには要部に送りローラＲが設けられ、分岐点にはゲー
トＧが設けられ、後述する制御部の指令で分岐点の搬送
方向が切り替えられる。

【０００６】挿入口3aは筺体2aの上面前方に設けられ、
通帳1aが一冊ずつ挿入されて処理される。収容箱4a〜4d
は筺体2aの下段に設けられ、複数種類の新規通帳（実際
には普通預金通帳、総合預金通帳、積立預金通帳、定期
預金証書等の種類があり通帳だけではないが、ここでは
複数種類の通帳として説明する) 10ａが種類別に収容さ
れている。

【０００７】収容箱5aは収容箱4a〜4dの後方に配置さ
れ、複数の持帰り通帳1b (上記の挿入口3aから挿入され
る通帳1aと同じものであるが、一括取扱いで処理が異な
るので区別するために異なる符号で説明する) が収容さ
れる。収容箱4a〜4d及び収容箱5aの下部には収容された
新規通帳10ａ及び持帰り通帳1bを繰り出す繰出機構R1〜
R5が設けられている。

【０００８】収容箱4a〜4d及び収容箱5aは図中２点鎖線
で示すように、ユニットに構成されて、筺体2aの背面の
扉20を開けて引き出すことができ、更に図中破線で示す
ように、収容箱5aだけ単独に同様に引き出すことができ
るようになっている。

【０００９】Ｒ／Ｗ部６は筺体2aの上部のプリンタ部7a
の前段に設けられ、通帳1a及び持帰り通帳1bの磁気スト
ライプ（以下ＭＳという）の記録データの読取り／書込
み、及び新規通帳10ａのＭＳに記録データの書込みをす
る。

【００１０】読取センサＳは通帳1a、持帰り通帳1b及び
新規通帳10ａのページ及び既印字行を読み取る。プリン
タ部7aは印字ヘッド及びプラテンを備え、通帳1a、持帰
り通帳1b及び新規通帳10ａに記帳データを印字する。

【００１１】スタッカ8aが筺体2aの上面に配置され、収
容箱4a〜4dから繰り出された新規通帳10ａ及び挿入口3a
から挿入された通帳1aが記帳処理後に送出される。スタ
ッカ9aは筺体2aの前面に配置され、通帳1bが記帳処理後
に送出される。

【００１２】またリジェクトボックス11は収容箱4a〜4d
の前方に設けられ、種類が異なる新規通帳10ａが混入し
ていた場合に、繰り出された異種通帳をリジェクトして
収容する。リジェクト通帳は筺体2aの図面に対して垂直
方向の側面の扉を開いて回収するようになっている。

【００１３】送りローラＲは図示省略したモータに連結
されており、Ｒ／Ｗ部６、読取センサＳ、プリンタ部7
a、繰出機構R1〜R5、モータ及びゲートＧは図示省略し
た制御部に接続されている。

【００１４】このような構成を有するので、次に通帳1
a、持帰り通帳1b及び新規通帳10ａの記帳手順を説明す
る。 １）通帳1aの記帳処理 通帳1aを挿入口3aから挿入すると、図示省略したセンサ
によって先端が検出されて、送りローラＲの駆動により
搬送路12ａを搬送され、Ｒ／Ｗ部６でＭＳが読み取られ
て、読取センサＳによってページ及び既印字行が読み取
られて、印字可能行がプリンタ部7aにセットされる。

【００１５】すると、図示していないホストコンピュー
タ (以下ホストという) から記帳データが送信されて印
字が行われる。印字が終了すると、預金残高等がＲ／Ｗ
部６でＭＳに書き込まれて、通帳1aはスタッカ8aへ送出
される。

【００１６】２）持帰り通帳1bの一括記帳処理 筺体2aの背面の扉20を開いて、収容箱5aを引き出して、
複数冊の持帰り通帳1bを投入して、再び収容箱5aをセッ
トし、図示省略した一括記帳指示釦を押下すると、収容
箱5aから持帰り通帳1bが一冊繰り出されて、Ｒ／Ｗ部６
へ搬送されて、１）と同様に記帳、ＭＳ書込み処理され
て、スタッカ9aに送出される。

【００１７】続いて次の持帰り通帳1bが繰り出されて、
同様に記帳処理され、収容された持帰り通帳1bがなくな
るまで継続される。 ３）新規通帳10ａの発行 通帳1a及び持帰り通帳1bの記帳処理において、最終ペー
ジの記帳が満了になった時、或いは新規口座開設時にホ
ストからの指令によって、収容箱4a〜4dの何れか指定さ
れた種類の新規通帳10ａが繰り出されて、Ｒ／Ｗ部６へ
搬送されて、１）と同様に記帳、ＭＳ書込み処理され
て、スタッカ8aに送出される。

【００１８】この時、収容箱4a〜4dの何れかから繰り出
された新規通帳10ａがＭＳの読み取りで種類が異なる時
は、その新規通帳10ａをリジェクトボックス11へ送って
収容し、再び該当する収容箱4a〜4dの何れかから新規通
帳10ａを繰り出して記帳処理する。

【００１９】このように通帳発行装置は通帳1aを一冊ず
つ挿入する記帳処理、持帰り通帳1bの一括記帳処理、及
び種類別の新規通帳10ａの発行処理の機能を備えてい
る。

【００２０】

【発明が解決しようとする課題】上記従来方法によれ
ば、一括記帳処理の持帰り通帳を収容する収容部が装置
の後部に設けられているので、繰り出した通帳の搬送距
離が長く、搬送時間が長く掛かり、一括記帳処理する通
帳の処理速度が遅くなる。

【００２１】また一括処理通帳を収容箱に収容する操作
時に、オペレータがその都度装置後部へ回る必要があっ
て面倒で操作性が悪く、また装置の後部に収容部のスペ
ースを設け、更に一括処理通帳の記帳後のスタッカが装
置前面に突き出ているので、装置が大型になり、且つコ
ストが高いという問題点がある。

【００２２】本発明は、小型、低価格で処理性能を向上
させた通帳発行装置を提供することを目的としている。

【００２３】

【課題を解決するための手段】図１は本発明の原理図で
ある。図において、1Aは第３の媒体、２は装置筺体、10
は第１の媒体、1Bは一括処理される複数の第２の媒体、
10は複数種類の第１の媒体、３は装置筺体２の前面に配
置され、第３の媒体1Aが挿入される挿入口、４は装置筺
体２の下段に配置され、第１の媒体10を種類別に収容す
る複数の第１の収容部、５は装置筺体２の前面に配置さ
れ、第２の媒体1Bが収容される第２の収容部、12は第１
の収容部４から繰り出された第１の媒体10、第２の収容
部５から繰り出された第２の媒体1B及び挿入口３から挿
入された第３の媒体1Aを夫々搬送する搬送路、７は装置
筺体２の上段に配置され、搬送された第１の媒体10、第
２の媒体1B及び第３の媒体1Aに記帳データを印字するプ
リンタ部、８は装置筺体２の上面に配置され、プリンタ
部７で印字された第１の媒体10及び第３の媒体1Aが送出
される第１のスタッカ、９は装置筺体２の上面に配置さ
れ、プリンタ部７で印字された第２の媒体1Bが送出され
る第２のスタッカである。

【００２４】

【作用】第２の収容部５を装置筺体２の前面に配置する
ことにより、第２の媒体1Bを第２の収容部５に収容する
時に装置筺体２の前面から操作ができ、また第１及び第
２のスタッカ8,９が装置筺体２の上面に配置されたの
で、第１のスタッカ８に送出された第１及び第３の媒体
10,1A 、及び第２のスタッカ９に送出された第２の媒体
1Bを装置筺体２の何方側からも取り出すことができて操
作性が向上する。

【００２５】更に第２のスタッカ９が装置筺体２の前面
に突き出ることがなく、しかも装置筺体２の収容部５が
複数の第１の収容部４の後方からなくなったので、スペ
ースが縮小して装置筺体２が小型化されてコストも改善
される。

【００２６】しかも第２の収容部５からプリンタ部７ま
での搬送路12の距離が短縮されたので、一括処理される
複数の第２の媒体1Bの搬送時間が短縮して処理速度が速
くなり処理性能の向上を図ることができる。

【００２７】

【実施例】以下、従来例で説明した通帳発行装置に本発
明を適用した実施例を図２を参照して説明する。図３と
同一符号は同一対象物を示す。

【００２８】図２の通帳1a、持帰り通帳1b、筺体2b、収
容箱4a〜4d、収容箱5b、スタッカ8b、スタッカ9b及び新
規通帳10ａは、図１の第３の媒体1A、第２の媒体1B、装
置筺体２、収容部４、収容部５、第１のスタッカ８、第
２のスタッカ９及び第１の媒体10に夫々対応している。

【００２９】図２に示すように、筺体2bの上面にスタッ
カ8b,9b が配置され、筺体2bの前面に挿入口3b、収容箱
5b及びリジェクトボックス11ａが配置されている。挿入
口3bからプリンタ部7aまでの搬送路12ｂは水平に直線的
に構成され、また収容箱5bは挿入口3bの上方直近の位置
に配置されている。

【００３０】筺体2bの前面に図中破線で示すように扉21
が設けられ、扉21を開けて収容箱5bに一括記帳処理され
る持帰り通帳1bが複数冊纏めて収容し、またリジェクト
ボックス11ａに収容されたリジェクト通帳を回収するこ
とができる。搬送路12ｂには要部に送りローラＲが配置
され、分岐点にはゲートＧが設けられている。

【００３１】このような構成を有するので、次に通帳1a
及び持帰り通帳1bの記帳処理、及び新規通帳10ａの発行
処理を説明する。なお記帳処理及び発行処理の手順は従
来例の説明と同様であるので細部は省略している。

【００３２】通帳1aに記帳処理する時は、挿入口3bに一
冊ずつ通帳1aを挿入すると、図示省略したセンサによっ
て通帳1aの先端が検出され、通帳1aは直線的な搬送路12
ｂを搬送されて、Ｒ／Ｗ部６及びプリンタ部7aで記帳処
理後、通帳1aはスタッカ8bへ送出される。

【００３３】持帰り通帳1bに一括記帳処理する時は、筺
体2bの前面の扉21を開いて収容箱5bに複数冊の持帰り通
帳1bを纏めて投入してセットして図示省略した一括処理
指示釦を押下すると、持帰り通帳1bの一冊が繰り出さ
れ、搬送路12ｂを搬送されてＲ／Ｗ部６及びプリンタ部
7aで記帳処理後、通帳1bはスタッカ9bへ送出される。

【００３４】次いで収容箱5bから次の持帰り通帳1bが繰
り出されて記帳処理され、収容した持帰り通帳1bがなく
なるまで継続される。また新規通帳10ａを発行処理する
時は、収容箱4a〜4dの何れかから繰り出された新規通帳
10ａが搬送路12ｂを搬送されて、Ｒ／Ｗ部６及びプリン
タ部7aで帳処理後にスタッカ8bに送出される。

【００３５】このようにして、収容箱5bを筺体2bの前面
に配置されているので、持帰り通帳1bを収容箱5bに収容
する時、及びリジェクト通帳を回収する時に、筺体2bの
前面から操作することができるばかりでなく、スタッカ
8b,9b が筺体2bの上面に配置されたので、スタッカ8bへ
送出された通帳1A及び新規通帳10ａを、またスタッカ9b
へ送出された持帰り通帳1bを筺体2bの何方側からも取り
出すことができて操作性が向上する。

【００３６】また従来例のようにスタッカ9bが筺体2bの
前面に突き出ることがなく、しかも筺体2bの収容箱5bが
収容箱4a〜4dの後方からなくなったので、スペースが縮
小して筺体2bが小型化されてコストも改善され、更に挿
入口3b及び収容箱5bからプリンタ部7aまでの搬送路12ｂ
の距離が短縮されたので、処理頻度の高い通帳1a及び一
括処理される複数の持帰り通帳1bの搬送時間が短縮して
処理速度が速くなり処理性能の向上を図ることができ
る。

【００３７】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、第
１の媒体を種類別に収容する複数の第１の収容部と、一
括処理する複数の第２の媒体を収容する第２の収容部
と、第３の媒体を挿入する挿入口と、第１の媒体、第２
の媒体及び第３の媒体を搬送する搬送路と、第１媒体、
第２の媒体及び第３の媒体に記帳データを印字するプリ
ンタ部と、第１の媒体及び第３の媒体を送出する第１の
スタッカと、第２の媒体を送出する第２のスタッカとを
備え、複数の第１の収容部を装置筺体の下段に、プリン
タ部を装置筺体の上段に、第１のスタッカ及び第２のス
タッカを装置筺体の上面に夫々配置し、挿入口及び第２
の収容部を装置筺体の前面に配置したことにより、 第２の媒体を第２の収容部に収容する時に、装置筺体
の前面から操作することができ、また第１のスタッカに
送出された第１の媒体及び第３の媒体や、第２のスタッ
カに送出された第２の媒体を装置筺体の何方側からも取
り出すことができて操作性が向上する。 第２の媒体が送出される第２のスタッカが従来例のよ
うに装置筺体の前面に突き出ることがなく、しかも第２
の収容部５が複数の第１の収容部４の後方からなくなっ
たので、スペースが縮小して装置筺体２が小型化されて
コストも改善される。 第２の収容部からプリンタ部までの搬送路の長さが短
縮されたので、一括処理される複数の第２の媒体の搬送
時間が短縮して処理速度が速くなり処理性能の向上を図
ることができる。 という効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の原理図

【図２】 本発明の実施例を示す構成図

【図３】 従来例の通帳発行装置を示す構成図

【符号の説明】

1Aは第３の媒体、 1aは通帳、 1Bは
第２の媒体、1bは持帰り通帳、 ２は装置筺体、
2a,2b は筺体、３,3a,3bは挿入口、 ４
は第１の収容部、 4a〜4d,5a,5bは収容箱、５は第
２の収容部、 ７,7a はプリンタ部、８は第１のス
タッカ、8a,8b,9a,9b はスタッカ、９は第２のスタッ
カ、 10は第１の媒体、10ａは新規通帳、

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 種類別に収容された複数の媒体収容部か
   ら搬送された媒体、又は、挿入口から挿入された媒体に
   所定の記帳データを印字して、スタッカーに排出する媒
   体発行装置において、一括投入して記帳処理を行う 複数の媒体が収容される収
   容部を装置筐体の前面に配置し、該収容部から搬送され
   て所定の記帳データを印字した媒体が排出されるスタッ
   カを装置筐体の上面に配置したことを特徴とする媒体発
   行装置。