JP3021617B2 - ポリエステル複合交絡糸の製造方法 - Google Patents

ポリエステル複合交絡糸の製造方法

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JP3021617B2 JP2304606A JP30460690A JP3021617B2 JP 3021617 B2 JP3021617 B2 JP 3021617B2 JP 2304606 A JP2304606 A JP 2304606A JP 30460690 A JP30460690 A JP 30460690A JP 3021617 B2 JP3021617 B2 JP 3021617B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,表面にループが存在してソフトな風合を有
するとともに,優れた易染性の織編物を得るのに好適な
ポリエステル複合交絡糸の製造方法に関するものであ
る。
(従来の技術) 従来より,ポリエステル中配向未延伸糸条(POY)に
流体攪乱処理を行い,糸条にループ毛羽を形成させてス
パンライクな加工糸を製造する方法は,数多く提案され
ている。
しかしながら,これらの方法で得られる加工糸は,伸
度が大きいため,撚糸あるいは製編織工程で受ける張力
によって,ループが低減あるいは消失するばかりでな
く,糸条自身が伸びて取扱い難いという問題があった。
上記の問題を解決するために,例えば,特開昭63−15
2433号公報には,POYの添糸として延伸糸(FDY)を使用
して加工糸を製造する方法が提案されている。
しかしながら,この方法で得られる加工糸は,POYより
染着性の低い延伸糸を使用するために,加工糸の染着性
が悪いという欠点があった。
また,本発明者らも,ポリエステルPOYを用いてルー
プ毛羽を有するスパンライク加工糸を製造する方法につ
いて研究を行い,特開昭62−191531号公報において,配
向度,結晶化度の低い特定のポリエステルPOYと,配向
度の高いFDYとを同一の流体噴射ノズルに供給して流体
攪乱処理を施し,糸条にループ,交絡を形成したスパン
ライク加工糸を得る方法を提案した。
しかしながら,この方法も,POYとFDYを使用している
ため,前記と同様な問題点を内在していた。また,この
方法では,嵩高性を強調させるために糸条表面に多量の
ループ毛羽を形成させるものであるため,捲糸体からの
糸解舒性が悪く,このため製編織性が低下しやすいとい
う問題もあった。
さらに,特開昭59−76934号公報には,複屈折率が0.0
2〜0.15の範囲にある2本のポリエステル糸条を同一の
流体噴射ノズルに供給して流体攪乱処理を施し,次いで
仮撚加工を施す嵩高加工糸の製造方法が提案されてい
る。
しかしながら,この方法には,2本の糸条間に熱水収縮
率の差を積極的につけて,後処理でループ毛羽を形成さ
せたり,そのために,一方の糸条として,6,000m/分以上
の高速で紡糸して得られる低伸度で,かつ低収縮率の糸
条を用いるという技術思想は全くなく,前記と同様な欠
点があった。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は,上記した従来の問題点を解消し,捲糸体か
らの糸解舒性が極めてよく,優れた易染性を示し,ソフ
トな風合を有する織編物とすることができるポリエステ
ル複合交絡糸の製造方法を提供することを技術的な課題
とするものである。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは,濃染化が可能で,従来より一層ソフト
な織編物とすることができ,しかも工程通過性の優れた
加工糸を開発するために鋭意研究を重ねてきた。その結
果,6,000m/分以上で高速紡糸されたポリエステル高配向
未延伸糸条(HOY)が,低伸度,低熱収率で高い染着性
を有することに着目し,このポリエステルHOYの有する
特性を,高熱収率で高い染着性を有するポリエステルPO
Yとの関連において巧みに活用することによって,複合
糸に極めて優れた濃染性とソフト性を付加することがで
き,しかも糸条の段階ではループ毛羽を多量に形成する
ことなく,布帛にした後の染色加工工程において布帛表
面に多量のループを形成する複合交絡糸を製造できるこ
とを知見して本発明に到達した。
すなわち,本発明は,紡糸速度が6,000m/分以上で紡
糸され,単糸織度が1デニール以下のフイラメントから
なり,実質的に非集束性のポリエステル高配向未延伸糸
条(糸条A)と,紡糸速度が5,000m/分以下で紡糸さ
れ,単糸繊度が1〜5デニール,熱水収縮率が15%以上
のポリエステル中配向未延伸糸条(糸条B)とを,糸条
Aの供給率を5%以下,かつ糸条A,B間の供給率差を5
%以下にして同一の流体噴射ノズルに供給し,流体攪乱
処理を施して糸条に交絡を付与することを特徴とするポ
リエステル複合交絡糸の製造方法を要旨とするものであ
る。
以下,本発明について詳細に説明する。
本発明の目的は,高速紡糸によって得られるポリエス
テルフイラメント糸条を供給糸として用いて流体攪乱処
理を施すことにより,染着性に優れたスパンライクな加
工糸を得ることにあるが,この場合,6,000m/分以上で紡
糸された,好ましくは伸度40〜50%,熱水収縮率2.5〜
3.0%のポリエステル高配向未延伸糸条(HOY)と,5,000
m/分以下で紡糸された熱水収縮率が15%以上の中配向未
延伸糸条(POY)を同時に用いることが必要である。
すなわち,本発明は,このポリエステルHOYが,低伸
度,低熱収縮性で,かつ高い染着性を有することに着目
し,このような特性を高熱収縮性で高い染着性を有する
ポリエステルPOYとの関連において巧みに活用したもの
であり,上述したように,複合交絡糸を構成する一方の
糸条として低伸度のHOYを用い,しかもこの糸の供給率
を低くすることによって,得られる複合交絡糸は,撚糸
や製編織工程において伸張されることなく,糸形態を保
持することが可能になる。このように,得られる複合交
絡糸の形態保持性を向上させるには,HOYの供給率を5%
以下にする必要のあることが判明した。
また,HOYとPOYの供給率は何れが大きくてもよいが,
両糸条の供給率差を5%以下に設定する必要がある。こ
れにより,糸条段階では交絡のみを付与してループ毛羽
の発生を抑えるか又は表面に形成されるループ毛羽量を
極力少なくして,糸解舒性と外力に対する形態堅牢性を
ともに向上させることができる。両糸条の供給率差が5
%を上回ると,糸解舒性や形態堅牢性が低下し,製編織
工程でのトラブルや製品品位の低下等の問題を誘発す
る。
本発明によって得られる複合交絡糸は,糸条段階では
ループ形成を極力抑え,製編織後の染色加工段階では、
HOYとPOYの収縮率の差による異収縮効果によって布帛表
面に低収縮糸,つまりHOYを構成するフイラメントによ
るループを多量に形成させることを特徴とするものであ
り,したがって,POYは,少なくとも15%以上の熱水収縮
率のものを使用する必要がある。POYの熱水収縮率が15
%を下回ると,布帛表面へのループの出現が少なくな
り,良好な風合が得られない。
また,本発明で使用するHOYは,単糸繊度が1デニー
ル以下のフイラメントで構成されたものを使用する必要
がある。前述したように,本発明で得られる複合交絡糸
は,布帛とした後,その表面にHOYを構成するフイラメ
ントによるループを多量に形成させるものであるが,ル
ープを形成するフイラメントを1デニール以下の極細糸
とすることによって,布帛に優れたソフト性を付与する
ことができる。
そして,このHOYは,実質的に非集束性である必要が
ある。これにより,流体攪乱処理において単フイラメン
ト個々の開繊性を高め,HOY,POY両糸条間の交絡形成を容
易にすることができる。
ここで,実質的に非集束性とは,上記フイラメントの
開繊性を損なうような集束処理(加撚,交絡処理)が施
されていないことを意味し,具達的には,無撚で,交絡
も全く施されていないものが最も好ましいが,本発明者
らの実験によれば,10個/m以下の加撚数,10個/m以下の交
絡数であれば,いずれも何ら支障はないことが判明し
た。
さらに,POYの単糸繊度は,1〜5デニールであることが
必要である。これにより,流体攪乱処理において,交絡
性,ループ形成性を高めることができるとともに,製編
織して得られる布帛に張り,腰を付与することができ
る。ここでPOYの単糸繊度が1デニール未満の場合,得
られる布帛は張り,腰に欠けたものとなる。また,単糸
繊度が5デニールを上回ると,粗硬感が強くなり,いず
れの場合も好ましい風合が得られない。
本発明によって得られる複合交絡糸を使用した布帛製
品は,その表面に極細フイラメントからなるループが多
量に形成されるのであるが,このループはHOYのフイラ
メントで形成されるので,FDYの極細糸によるループ毛羽
特有の「白茶けて見える」という欠点を解消することが
できる。これは,HOYの染着性が高いからであり,この理
由は,HOYはPOYに比べ配向性が高いにもかかわらず,無
定形領域の分子鎖の充填密度が疎であるためと認められ
る。
本発明において使用する流体噴射ノズルは,一般に市
販のインターレースノズルや,例えば,特公昭60−2209
3号公報,特公昭63−46178号公報,特開昭57−143537号
公報等に記載されたループ形成ノズル等,フイラメント
を交絡させる能力を有するものであればいずれでもよ
い。
次に,本発明を図面に基づいて説明する。
第1図は,本発明の製造工程の一実施態様を示す概略
工程図である。
紡糸速度6,000m/分以上で紡糸され,単糸繊度が1デ
ニール以下のフイラメントからなり,実質的に非集束性
のポリエステルHOY(A)は,ケーク1より引き出さ
れ,フイードローラ3を経て流体噴射ノズル5に供給さ
れる。
一方,紡糸速度5,000m/分以下で紡糸されたポリエス
テルPOY(B)はケーク2より引き出され,フイードロ
ーラ4を経て流体噴射ノズル5に供給される。これらの
両糸条は,流体噴射ノズル5によって流体攪乱処理が施
され,両糸条を構成する各々のフイラメントが交絡され
る。
このようにして得られた複合交絡糸は,デリベリロー
ラ6を経て捲取ローラ7によりパツケージ8に捲取られ
る。
(実施例) 次に,本発明を実施例により具体的に説明する。
なお,熱水収縮率は,JIS−L−1090,B法に準じて測定
した値である。
実施例1 紡糸速度7,000m/分で紡糸された75d/150fのポリエス
テルHOY(単糸繊度0.5d,熱水収縮率2.5%,伸度40%)
と,紡糸速度3,500m/分で紡糸された75d/36fのポリエス
テルPOY(単糸繊度2d,熱水収縮率52%,伸度106%)と
を,特公昭63−46178号公報に記載の流体噴射ノズルを
使用し,第1図に示す工程に従って,第1表に示す条件
で流体攪乱処理し,複合交絡糸を製造した。
次いで,得られた複合交絡糸を経糸及び緯糸に用い
て,経密度が105本/2.54cm,緯密度が75本/2.54cmの平組
織で製織し,通常の染色加工を行った。
製織準備工程において,捲糸体からの糸解舒性は極め
てよく,また,得られた織物は,表面が白茶けて見える
という極細糸によるループ特有の欠点は全くなく,極め
て良好な品位を呈するとともに,ソフトタツチの嵩高な
ものであった。
(発明の効果) 本発明によれば,熱水収縮率の異なる2種類の糸条を
用いることにより,得られる複合交絡糸を布帛にした後
の熱処理で嵩高性を強調することができるので,加工糸
の段階ではループを抑えることによって,製編織時やそ
の準備工程において工程通過性を良好にすることができ
る。
また,熱処理後に複合交絡糸の鞘側を占める低収縮糸
として,紡糸速度6,000m/分以上で紡糸されたポリエス
テル高配向未延伸糸の極細糸を用いるので,染着性がよ
く,かつ,極めてソフトな風合を呈する織編物製品を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は,本発明の一実施態様を示す概略工程図であ
る。 1,2……ケーク 5……流体噴射ノズル 8……パツケージ A……ポリエステル高配向未延伸糸 B……ポリエステル中配向未延伸糸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−152433(JP,A) 特開 昭62−191531(JP,A) 特開 昭52−66758(JP,A) 特開 平2−289138(JP,A) 特開 昭60−81311(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D02G 1/00 - 3/48 D02J 1/00 - 13/00 Fタームテーマコード(4L036)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紡糸速度が6,000m/分以上で紡糸され,単
    糸繊度が1デニール以下のフイラメントからなり,実質
    的に非集束性のポリエステル高配向未延伸糸条(糸条
    A)と,紡糸速度が5,000m/分以下で紡糸され,単糸繊
    度が1〜5デニール,熱水収縮率が15%以上のポリエス
    テル中配向未延伸糸条(糸条B)とを,糸条Aの供給率
    を5%以下,かつ糸条A,B間の供給率差を5%以下にし
    て同一の流体噴射ノズルに供給し,流体攪乱処理を施し
    て糸条に交絡を付与することを特徴とするポリエステル
    複合交絡糸の製造方法。
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