JP3021389B2 - 高純度窒素ガス製造装置 - Google Patents

高純度窒素ガス製造装置

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JP3021389B2
JP3021389B2 JP9113928A JP11392897A JP3021389B2 JP 3021389 B2 JP3021389 B2 JP 3021389B2 JP 9113928 A JP9113928 A JP 9113928A JP 11392897 A JP11392897 A JP 11392897A JP 3021389 B2 JP3021389 B2 JP 3021389B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、高純度窒素ガス
製造装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】一般に、窒素ガスは深冷液化分離装置に
より製造されている。この種の窒素ガス製造装置は、例
えば、特公昭52−41232号公報に示されるよう
に、圧縮機で圧縮された圧縮空気を熱交換するための熱
交換器の冷媒冷却用に、膨脹タービンを用い、これを精
留塔内に溜る液体空気(深冷液化分離により低沸点の窒
素はガスとして取り出され、残部が酸素リッチな液体空
気となって溜る)から蒸発したガスの圧力で駆動するよ
うになっている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところが、膨脹タービ
ンは回転速度が極めて大(数万回/分)であり、負荷変
動に対する追従運転が困難であるため、製品窒素ガスの
需要量の変動に速やかに対応することができないという
欠点を備えている。 【0004】また、この種の窒素ガス製造装置では、精
留塔の精留棚の数の増加により、かなり高純度の窒素ガ
スを製造することができるが、最近における超高純度窒
素ガスの要求に応えることができない。すなわち、上記
の窒素ガス製造装置によって得られた製品窒素ガス中に
は、酸素が不純分として混在するため、これをそのまま
使用することは、その需要分野、特に超高純度窒素ガス
を必要とする電子工業分野においては不都合なことが多
い。 【0005】不純酸素の除去方法としては、(1)Pt
触媒を使用し、窒素ガス中に微量の水素を添加して不純
酸素と200℃程度の温度雰囲気中で反応させ水として
除去する方法、および(2)Ni触媒を使用し、窒素ガ
ス中の不純酸素を200℃程度の温度雰囲気においてN
i触媒と接触させ、下記に示す反応を起こさせて除去す
る方法がある。 【0006】 【化1】Ni+1/2O2 →NiO 【0007】しかしながら、これらの方法は、いずれも
窒素ガスを高温にして触媒と接触させなければならない
ため、その装置を、超低温系である窒素ガス製造装置中
には組み込めない。したがって、窒素ガス製造装置とは
別個に精製装置を設置しなければならず、全体が大形に
なるという欠点がある。そのうえ、前記(1)の方法で
は、水素の添加量の調整に高精度が要求され、不純酸素
量と丁度反応するだけの量の水素を添加しないと、酸素
が残存したり、また、添加した水素が残存して不純分と
なってしまうため、操作に熟練を要するという問題があ
る。また、前記(2)の方法では、不純酸素との反応で
生じたNiOの再生(下記に示す反応)をする必要が生
じ、再生用H2 ガス設備が必要となって精製費の上昇を
招いていた。 【0008】 【化2】NiO+H2 →Ni+H2 O 【0009】したがって、需要量の変動に対応でき、し
かも全体が小形で操作に熟練を要さず、かつ製品窒素ガ
スを安価に製造しうる窒素ガス製造装置の提供が望まれ
ている。 【0010】この発明は、このような事情に鑑みなされ
たもので、上記のような性能を備えた高純度窒素ガス製
造装置の提供をその目的とする。 【0011】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明の高純度窒素ガス製造装置は、外部より取
り入れた空気を圧縮する空気圧縮手段と、この空気圧縮
手段によって圧縮された圧縮空気中の炭酸ガスと水分と
を除去する除去手段と、この除去手段を経た圧縮空気を
超低温に冷却する熱交換手段と、この熱交換手段により
超低温に冷却された圧縮空気の一部を液化して底部に溜
め窒素のみを気体として上部側から取り出す精留塔を備
えた窒素ガス製造装置において、上記精留塔の還流液生
成用の分縮器と、上記精留塔の底部の貯溜液体空気を還
流液生成用の寒冷として上記分縮器中に導く液体空気導
入パイプと、上記分縮器中で生じた気化液体空気を外部
に放出する放出パイプと、上記放出パイプの気化液体空
気を利用して冷熱を発生し生成冷熱を上記熱交換手段に
送り冷却する膨脹器と、装置外から液体窒素の供給を受
けこれを貯蔵する液体窒素貯蔵手段と、この液体窒素貯
蔵手段内の液体窒素を圧縮空気液化用の寒冷として上記
精留塔内に導く導入路と、上記精留塔から気体として取
り出される窒素および上記精留塔内において寒冷源とし
ての作用を終え気化した上記液体窒素を上記熱交換手段
を経由させその内部を通る圧縮空気と熱交換させること
により温度上昇させ製品窒素ガスとする窒素ガス取出路
と、上記精留塔に対する上記液体窒素貯蔵手段からの液
体窒素の供給量を制御することにより上記分縮器内の液
面を所定レベルに制御する制御手段とを備えたという構
成をとる。 【0012】すなわち、この発明の高純度窒素ガス製造
装置は、膨脹タービンの発生寒冷のみでなく、液体窒素
貯槽の液体窒素をも寒冷として用いるため、製品窒素ガ
スの需要量の変動、特に大幅な重要量の変動に迅速に対
応できるようになる。すなわち、膨脹タービンを定常運
転させて所定量の製品窒素ガスを常時一定量製造するよ
うにし、さらに需要変動分を液体窒素貯槽からの液体窒
素で補うようにすることにより、膨脹タービンの回転速
度等を変えることなく、迅速に需要量の変動に対応でき
るようになる。より詳しく述べると、膨脹タービンは高
速回転器であり、製品窒素ガスの取出量の変化に応じて
膨脹タービンに対する廃ガスの供給量を迅速に変化させ
ることが困難であり、必ず時間遅れを生じる。この発明
は、このような時間遅れを生じる膨脹タービンと、液体
窒素貯槽からの液体窒素の供給とを併用し、膨脹タービ
ンを一定速度で回転させることにより一定量の寒冷を生
成させ、寒冷の残部(変動分も含む)を液体窒素でまか
なうことにより需要量の変動に迅速に対応しうることが
できる。この場合、液体窒素貯槽からの液体窒素は液体
であり、その供給量の調節は迅速かつ精密に行うことが
でき、かつ液体窒素は直接精留塔に供給されるため、そ
の供給量の調節の効果は迅速に現れる。この発明の装置
は、昼間と夜間の製品窒素ガスの需要量の変動が大幅に
異なる(昼間が多い)ような場合に特に有効である。す
なわち、膨脹タービンによって夜間の寒冷の全部をまか
なう(深夜電力は安価である)ようにし、昼間における
寒冷の不足分は液体窒素貯槽からの液体窒素で補うよう
にすることにより、昼間と夜間の需要量の著しい変動に
対応でき、しかも製品窒素ガスの需要変動にも対応でき
るようになる。また、この発明の高純度窒素ガス製造装
置は、製品窒素ガスの需要量の変動にもとづく液体窒素
の供給量の調節に関して、制御手段によって上記精留塔
に対する液体窒素貯蔵手段からの液体窒素の供給量を制
御して分縮器の液体空気の液面を所定レベルに制御する
ため、需要変動に対し極めて迅速にかつ精密に対応する
ことができ、製品窒素ガスの純度ばらつきを全く生じさ
せることがない。 【0013】 【発明の実施の形態】つぎに、この発明の実施の形態を
図面にもとづいて説明する。 【0014】図1はこの発明の一実施の形態を示す構成
図である。図において、1は空気圧縮機、2はドレン分
離器、3はフロン冷却器、4は2個1組の吸着筒であ
る。吸着筒4は内部にモレキュラーシーブが充填されて
いて空気圧縮機1により圧縮された空気中のH2 Oおよ
びCO2 を吸着除去する作用をする。13はH2 O,C
2 が吸着除去された圧縮空気を送る圧縮空気供給パイ
プである。38は熱交換器であり、吸着筒4によりH2
OおよびCO2 が吸着除去された圧縮空気が送り込まれ
る。10は精留塔であり、図2に示すように、塔頂に凝
縮器15a内蔵の分縮器15を備えており、熱交換器3
8(図1)により超低温に冷却され、パイプ16を経て
送り込まれる圧縮空気をさらに冷却し、その一部を液化
し液体空気36として底部に溜め、窒素のみを気体状態
で上部天井部に溜めるようになっている。図1におい
て、7は装置外から液体窒素の供給を受けこれを貯蔵す
る液体窒素貯槽であり、内部の液体窒素(高純度品)
を、導入路パイプ40を経由させ精留塔10の上部側に
送入し、精留塔10内に供給される圧縮空気の寒冷源に
する。ここで上記精留塔10についてより詳しく説明す
ると、上記精留塔10は、図2に示すように、天井板2
0の上側に分縮器15を備えており、この分縮器15内
の凝縮器15aには、精留塔10の上部に溜る窒素ガス
の一部が第1の還流液パイプ15bを介して送入され
る。この分縮器15内は、精留塔10内よりも減圧状態
になっており、精留塔10の底部の貯留液体空気
(N2 ;50〜70%,O2 ;30〜50%)36が膨
脹弁18a付きパイプ37を経て送り込まれ、気化して
内部温度を液体窒素の沸点以下の温度に冷却するように
なっている。この冷却により、精留塔10から第1の還
流液パイプ15bを介して凝縮器15a内に送入された
窒素ガスが液化する。23は液面計であり、分縮器15
内の液体空気の液面が一定レベルを保つようその液面に
応じてバルブ24を制御し液体窒素貯槽7からの液体窒
素の供給量を制御する。精留塔10の上部側の部分に
は、上記分縮器15内の凝縮器15aで生成した液体窒
素が第2の還流液パイプ15cを通って流下供給される
とともに、液体窒素貯槽7から液体窒素が導入路パイプ
40を経て供給され、これらが液体窒素溜め39を経て
精留塔10内を下方に流下し、精留塔10の底部から上
昇する圧縮空気と向流的に接触し冷却してその一部を液
化するようになっている。この過程で圧縮空気中の高沸
点成分(酸素)は液化されて精留塔10の底部に溜り、
低沸点成分の窒素ガスが精留塔10の上部に溜る。41
は精留塔10の上部天井部に溜った窒素ガスを製品窒素
ガスとして取り出す取出パイプで、超低温の窒素ガスを
熱交換器38内に案内し、そこに送り込まれる圧縮空気
と熱交換させて常温にしメインパイプ9に送り込む作用
をする。11は3Å,4Åもしくは5Åの細孔径をもつ
合成ゼオライト3A,4Aもしくは5A(モレキュラー
シーブ3A,4A,5A、ユニオンカーバイト社製)を
充填した酸素等の不純分を吸着する吸着筒であり、上記
取出パイプ41の途中に設けられ上記超低温の窒素ガス
中の酸素および一酸化炭素を選択吸着除去する。また、
上記の合成ゼオライト3A,4A,5Aに代えて上記U
C社製の合成ゼオライト13Xを用いることも行われ
る。このように、−150℃程度の温度域において酸素
および一酸化炭素のみが選択吸着除去されるため、超低
温窒素ガスが高純度のものになる。この場合、吸着筒1
1内へ導入される超低温窒素ガス中の不純酸素および一
酸化炭素量が精留塔10を経ることによりすでに低レベ
ルになっているため、吸着される酸素および一酸化炭素
量は微量である。したがって、吸着筒11も1基のみで
足り、ゼオライトの再生も年1回で充分なのである。な
お、上記精留塔10内における最上部には、窒素ガスと
ともに、沸点の低いHe(−269℃),H2 (−25
3℃)が溜りやすいため、取出パイプ41は、精留塔1
0の最上部よりかなり下側に開口しており、He,H2
の混在しない純窒素ガスのみを製品窒素ガスとして取り
出すようになっている。35は分縮器15内の気化液体
空気を膨脹タービン34の駆動部に送り込む放出パイプ
であり、気化液体空気の圧力により膨脹タービン34
(図1参照)を駆動し、冷媒を矢印Bの経路で送り、熱
交換器38内へ送り込まれる圧縮空気を超低温に冷却し
て精留塔10へ送り込むようになっている。 【0015】この装置は、つぎのようにして製品窒素ガ
スを製造する。すなわち、空気圧縮機1により空気を圧
縮し、ドレン分離器2により圧縮された空気中の水分を
除去してフロン冷却器3により冷却し、その状態で吸着
筒4に送り込み、空気中のH 2 OおよびCO2 を吸着除
去する。ついで、H2 O,CO2 が吸着除去された圧縮
空気を、精留塔10からパイプ35を経て送り込まれる
製品窒素ガスおよび膨脹タービン34から矢印Bの経路
で送り込まれる冷媒によって冷やされている熱交換器3
8に送り込んで超低温に冷却し、その状態で精留塔10
の下部内に投入する。ついで、この投入圧縮空気を、液
体窒素貯槽7から導入路パイプ40を経由して精留塔1
0内に送り込まれた液体窒素および液体窒素溜め39か
らの溢流液体窒素と接触させて冷却し、一部を液化して
精留塔10の底部に液体空気36として溜める。この過
程において、窒素と酸素の沸点の差(酸素の沸点−18
3℃,窒素の沸点−196℃)により、圧縮空気中の高
沸点成分である酸素が液化し、窒素が気体のまま残る。
ついで、この気体のまま残った窒素を取出パイプ41か
ら取り出して熱交換器38に送り込み、常温近くまで昇
温させメインパイプ9から製品窒素ガスとして送り出
す。他方、精留塔10の下部に溜った液体空気36につ
いては、これを分縮器15内に送り込み凝縮器15aを
冷却させる。この冷却により、精留塔10の上部から凝
縮器15aに送入された窒素ガスが液化して精留塔10
用の還流液となり、第2の還流液パイプ15cを経て精
留塔10に戻る。そして、凝縮器15aを冷却し終えた
液体空気36は、気化し放出パイプ35により熱交換器
38に送られその熱交換器38を冷やしたのち、空気中
に放出される。なお、液体窒素貯槽7から導入路パイプ
40を経由して精留塔10内に送り込まれた液体窒素
は、圧縮空気液化用の寒冷源として作用し、それ自身は
気化して取出パイプ41から製品窒素ガスの一部として
取り出される。 【0016】この高純度窒素ガス製造装置は、膨脹ター
ビン34の発生寒冷のみでなく、液体窒素貯槽7の液体
窒素をも寒冷として用いるため、製品窒素ガスの需要量
の変動、特に大幅な重要量の変動に迅速に対応できるよ
うになる。すなわち、膨脹タービン34を定常運転させ
て所定量の製品窒素ガスを製造するようにし、さらに需
要変動分を液体窒素貯槽7からの液体窒素で補うように
することにより、膨脹タービン34の回転速度等を変え
ることなく、迅速に需要量の変動に対応できるようにな
る。より詳しく述べると、膨脹タービン34の回転数の
変動には長時間かかるところ、液体窒素貯槽7からの液
体窒素の供給量の変動は迅速に行うことができるため、
需要量の変動に迅速に対応できるようになる。しかも、
昼間と夜間の製品窒素ガスの需要量の変動が大幅に異な
るような場合には、膨脹タービン34によって夜間の寒
冷をまかなうようにし、昼間における寒冷の不足分を液
体窒素貯槽7からの液体窒素で補うようにすることによ
り、昼間と夜間の需要量の著しい変動にも迅速にかつ正
確に対応できるようになる。さらに、この装置によれば
高純度の製品窒素ガスが得られるため、従来例のような
精製装置が不必要になり、装置全体の大形化や操作に熟
練を要するというような不都合も生じず、また、製品窒
素ガスのコストアップを招くということもない。特に、
この高純度窒素ガス製造装置は、精留塔10の上部に凝
縮器15a内蔵型の分縮器15を設け、上記凝縮器15
a内へ精留塔10内の窒素ガスの一部を常時案内して液
化するため、凝縮器15a内へ液化窒素が所定量溜まっ
たのちは、それ以降生成する液化窒素が還流液として常
時精留塔10内に戻るようになる。したがって、凝縮器
15aからの還流液の流下供給の断続に起因する製品純
度のばらつき(還流液の流下の中断により上部精留棚で
は液がなくなりガスの吹抜け現象を招いて製品純度が下
がり、流下の再開時には一定純度に戻る)を生じず、常
時安定した純度の製品窒素ガスを供給することができ
る。そのうえ、この装置では、製品窒素ガスの需要量に
変動が生じても液面計23のような制御手段がバルブ2
4の開度等を制御し精留塔10に対する液体窒素の供給
量を制御することにより分縮器15内の液体空気の液面
を一定に制御するため、需要量の変動に迅速に対応で
き、かつこのときにも先に述べた理由により純度のばら
つきを生じない。すなわち、製品窒素ガスの需要量が多
くなると、生成窒素ガスの殆どが取出パイプ41から取
り出され、凝縮器15aに送られる窒素ガスの量が少な
くなって凝縮器15aで生成される還流液量が少なくな
り、その結果、精留塔底部の貯溜液体空気36の量が減
少し、そこから送られる液体空気の量が減少するため分
縮器15における液体空気の液面が下がる。これにより
液面計23が作動し精留塔10に対する液体窒素の供給
量を増加させ、その気化により迅速に製品窒素ガスを製
造し需要量の増大に素早く対応する。そして、この液体
窒素の供給量の増加により精留塔底部の貯溜液体空気量
が増大しそれに伴って分縮器15内の液面が回復する
と、液面計23によって精留塔10に対する液体窒素の
供給量が適正に減少制御される。製品窒素ガスの需要量
が少なくなると、上記とは逆に、分縮器15内の液面が
上昇するため、液面計23が作動して精留塔10に対す
る液体窒素の供給量を減少させ液体窒素の過剰供給にも
とづく不合理を排除する。このように、この装置は、純
度のばらつきを生じることなく迅速かつ合理的に製品窒
素ガスの需要量の変動に対応できるのである。そのう
え、吸着筒11の作用により、酸素および一酸化炭素等
の不純分が除去されるため、製品窒素ガスの一層の高純
度化を実現できるようになり、また空気圧縮機1から取
り込む原料空気として、工業地帯等において不純分が多
く含まれているものでも使用可能であり、それを用いて
も好結果を得ることができるようになる。 【0017】図3は他の実施の形態の構成図である。す
なわち、この実施の形態は、液体窒素貯槽7からメイン
パイプ9に延びるバックアップ系ライン12を設け、空
気圧縮系ラインが故障したときに、液体窒素貯槽7内の
液体窒素を蒸発器14により蒸発させて、メインパイプ
9に送り込み窒素ガスの供給が途絶えることのないよう
にする。また、メインパイプ9に不純物分析計27、弁
28,29を設け、メインパイプ9に送り出される製品
窒素ガスの純度を分析し、純度の低いときは弁29,2
8を作動させて、製品窒素ガスを矢印Aのように、外部
に逃気させるようにしている。それ以外の部分は、実質
的に図1の装置と同じであるから、同一部分に同一符号
を付している。 【0018】この装置も、図1の装置と同様の効果を奏
する外、空気圧縮系ラインが故障したときにも、製品窒
素ガスの供給に支障をきたさないという効果を奏する。 【0019】 【発明の効果】以上のように、この発明の高純度窒素ガ
ス製造装置は、膨脹タービンの発生寒冷のみでなく、液
体窒素貯槽の液体窒素をも寒冷として用いるため、製品
窒素ガスの需要量の変動、特に大幅な重要量の変動に迅
速に対応できるようになる。すなわち、膨脹タービンを
定常運転させて所定量の製品窒素ガスを常時一定量製造
するようにし、さらに需要変動分を液体窒素貯槽からの
液体窒素で補うようにすることにより、膨脹タービンの
回転速度等を変えることなく、迅速に需要量の変動に対
応できるようになる。より詳しく述べると、膨脹タービ
ンは高速回転器であり、製品窒素ガスの取出量の変化に
応じて膨脹タービンに対する廃ガスの供給量を迅速に変
化させることが困難であり、必ず時間遅れを生じる。こ
の発明は、このような時間遅れを生じる膨脹タービン
と、液体窒素貯槽からの液体窒素の供給とを併用し、膨
脹タービンを一定速度で回転させることにより一定量の
寒冷を生成させ、寒冷の残部(変動分も含む)を液体窒
素でまかなうことにより需要量の変動に迅速に対応しう
ることができる。この場合、液体窒素貯槽からの液体窒
素は液体であり、その供給量の調節は迅速かつ精密に行
うことができ、かつ液体窒素は直接精留塔に供給される
ため、その供給量の調節の効果は迅速に現れる。この発
明は、昼間と夜間の製品窒素ガスの需要量の変動が大幅
に異なる(昼間が多い)ような場合に特に有効である。
すなわち、膨脹タービンによって夜間の寒冷の全部をま
かなう(深夜電力は安価である)ようにし、昼間におけ
る寒冷の不足分は液体窒素貯槽からの液体窒素で補うよ
うにすることにより、昼間と夜間の需要量の著しい変動
に対応でき、しかも製品窒素ガスの需要変動にも対応で
きるようになる。また、この発明の高純度窒素ガス製造
装置は、製品窒素ガスの需要量の変動にもとづく液体窒
素の供給量の調節に関して、制御手段によって上記精留
塔に対する液体窒素貯蔵手段からの液体窒素の供給量を
制御して分縮器の液体空気の液面を所定レベルに制御す
るため、需要変動に対し極めて迅速にかつ精密に対応す
ることができ、製品窒素ガスの純度ばらつきを全く生じ
させることがない。
【図面の簡単な説明】 【図1】この発明の一実施の形態の構成図である。 【図2】上記実施の形態の要部の詳細図である。 【図3】この発明の他の実施の形態の構成図である。 【符合の説明】 4 吸着筒 7 液体窒素貯槽 9 メインパイプ 10 精留塔 11 酸素吸着筒 15 分縮器 15a 凝縮器 15b 第1の還流液パイプ 15c 第2の還流液パイプ 34 膨脹タービン 38 熱交換器 40 導入路パイプ 41 取出パイプ

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.外部より取り入れた空気を圧縮する空気圧縮手段
    と、この空気圧縮手段によって圧縮された圧縮空気中の
    炭酸ガスと水分とを除去する除去手段と、この除去手段
    を経た圧縮空気を超低温に冷却する熱交換手段と、この
    熱交換手段により超低温に冷却された圧縮空気の一部を
    液化して底部に溜め窒素のみを気体として上部側から取
    り出す精留塔を備えた窒素ガス製造装置において、上記
    精留塔の還流液生成用の分縮器と、上記精留塔の底部の
    貯溜液体空気を還流液生成用の寒冷として上記分縮器中
    に導く液体空気導入パイプと、上記分縮器中で生じた気
    化液体空気を外部に放出する放出パイプと、上記放出パ
    イプの気化液体空気を利用して冷熱を発生し生成冷熱を
    上記熱交換手段に送り冷却する膨脹器と、装置外から液
    体窒素の供給を受けこれを貯蔵する液体窒素貯蔵手段
    と、この液体窒素貯蔵手段内の液体窒素を圧縮空気液化
    用の寒冷として上記精留塔内に導く導入路と、上記精留
    塔から気体として取り出される窒素および上記精留塔内
    において寒冷源としての作用を終え気化した上記液体窒
    素を上記熱交換手段を経由させその内部を通る圧縮空気
    と熱交換させることにより温度上昇させ製品窒素ガスと
    する窒素ガス取出路と、上記精留塔に対する上記液体窒
    素貯蔵手段からの液体窒素の供給量を制御することによ
    り上記分縮器内の液面を所定レベルに制御する制御手段
    とを備えたことを特徴とする高純度窒素ガス製造装置。
JP9113928A 1997-05-01 1997-05-01 高純度窒素ガス製造装置 Expired - Lifetime JP3021389B2 (ja)

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