JP3020497B2 - 回転衝撃を補償する装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、内燃機関の回転衝撃を補償する装置であっ
て、特に少なくとも作用的に互いに相対的に回動可能な
２つの運動質量体間に配置された減衰装置を有してお
り、第１の運動質量体が内燃機関に、かつ第２の運動質
量体が伝動装置の入力部分に結合されている形式のも
の、さらに、 内燃機関の回転衝撃を補償する装置であって、軸線方向
の内側の付加部を備えていてクランク軸に結合された第
１の運動質量体、及び第１の運動質量体に対して同軸的
に配置されかつ軸受を介して第１の運動質量体に支承さ
れた第２の運動質量体を有しており、両方の運動質量体
間に弾性的なトーション減衰装置、滑りカップリング及
び摩擦装置を配置してあり、滑りカップリングが半径方
向で前記トーション減衰装置の内側にかつ該トーション
減衰装置に対して直列に配置されていて、前記トーショ
ン減衰装置の蓄力器のための切欠きを備えた中間プレー
ト装置、皿ばね並びに摩擦ライニングを有している形式
のもの、 内燃機関の回転衝撃を補償する装置であって、分割され
て互いに同軸的に回転可能に配置された２つの運動質量
体間に配置された摩擦装置、弾性的なトーション減衰装
置、及び滑りカップリング装置を有している形式のも
の、並びに、 内燃機関の回転衝撃を補償する装置であって、互いに同
軸的に配置されて蓄力器を介して互いに駆動連結された
２つの運動質量体を有しており、一方の運動質量体が内
燃機関に結合されており、他方の運動質量体が駆動系に
結合されている形式のものに関する。 従来の技術 内燃機関の回転衝撃を補償する前記形式の装置は、例
えば米国特許第4274524号明細書により公知である。こ
の公知の装置においては、スリツプカツプリング及びこ
のスリツプカツプリングと直列に接続された弾性的な回
転振動減衰装置が設けられており、振動減衰装置はコイ
ルばねの形の蓄力器及び蓄力器に並列的に作用する摩擦
装置を有している。この場合、スリツプカツプリングは
１つの滑り摩擦カツプリングから成つており、滑り摩擦
カツプリングの滑りモーメントはコンスタントであつて
かつ内燃機関によつて生ぜしめられる最大の定格トルク
よりも著しく大きくなつており、その結果滑り摩擦カツ
プリングは極めて高いトルク変動に際して始めて滑るよ
うになる。 発明が解決しようとする問題点 このような装置は伝達系の負荷の軽減並びに騒音発生
及び走行快適性に関連した改善を可能にするが、多くの
使用にとつて満足する運転特性を内燃機関の回転数範囲
全体にわたつて維持するためには十分ではない。すなわ
ち、公知の装置の大きな欠点は、すでに述べたように滑
り摩擦カツプリングが内燃機関によつて生ぜしめられる
定格トルクの上側に位置する著しく高いトルク変動に際
してのみ始めて応働することにある。さらに、公知の装
置においては内燃機関の低い回転数範囲でも滑り摩擦カ
ツプリングによつて高いトルクが伝達され、その結果内
燃機関の低い回転数範囲の小さなトルク変動が取除かれ
ない。 本発明の課題は、冒頭に述べた装置を改良し、この装
置が従来公知の装置に比べて、特に振動減衰容量に関連
する改善された機能を有するようにすることである。さ
らに、装置が特に簡単かつ安価な形式で製作されたい。
さらに、装置の構造が装置を形成する構成部材の申し分
のない相対的なセンタリングを可能にし、ひいては不釣
合の問題を避けたい。 問題点を解決するための手段 前記課題を解決するために１番目の本発明の手段で
は、両方の運動質量体間に少なくとも３つの作用的に直
列接続された減衰装置、すなわち回動角の制限された第
１の滑りカップリング、弾性的なトーション減衰装置及
び第２の滑りカップリングが設けられており、 ２番目の本発明の手段では、中間プレート装置が唯一の
中間プレートを有しており、滑りカップリングが１つの
摩擦ライニングを前記中間プレートの一方の側に配置し
かつ別の摩擦ライニング及びプレート並びに皿ばねを前
記中間プレートの他方の側に配置して構成されており、 ３番目の本発明の手段では、トーション減衰装置と摩擦
装置とが互いに並列的に作用するようになっており、滑
りカップリング装置が第１及び第２の滑りカップリング
から成っており、両方の滑りカップリングが互いに異な
るトルク伝達力を有していて、周方向で所定の回動角度
に亙って互いに相対的に運動するようになっており、ト
ーション減衰装置、第１の滑りカップリング及び第２の
滑りカップリングが直列に接続されており、さらに、 ４番目の本発明の手段では、蓄力器の、一方の運動質量
体に配設された対向支承部が第１のプレートに配置され
ており、第１のプレートが一方の運動質量体に、相対的
な回動の制限なしに力伝達可能に駆動結合されており、
第１のプレートと一方の運動質量体との間の伝達力の大
きさが機関の最大のトルクよりも大きくなっており、蓄
力器の、他方の運動質量体に配設された対向支承部が第
２のプレートに配置されており、第２のプレートが他方
の運動質量体に力伝達可能に、しかし制限された範囲で
運動可能に結合されており、第２のプレートと他方の運
動質量体との間の伝達力の大きさが一方の運動質量体と
第１のプレートとの間の伝達力よりも小さい値である。 １番目の本発明において、回動角の制限された第１の
滑りカップリングは有利には、蓄力器の戻し力の影響を
少なくともほぼ回動角全体にわたつて受けない摩擦装置
若しくは滑り摩擦カツプリングによって形成されてい
る。しかしながら多くの使用例にとつて有利には滑り摩
擦カツプリングの回動角の少なくとも終端範囲で蓄力器
が作用するようになつている。蓄力器は、回動角の制限
された滑り摩擦カツプリングの入力部分及び出力部分に
設けられたストツパ間若しくは制限手段間の衝撃的な若
しくは硬いストツパ作用を避ける。この場合、蓄力器は
滑り摩擦カツプリングの入力部分と出力部分との間の回
動角の比較的にわずかな距離にわたつて戻し力を生ぜし
めるように構成されている。制限された滑り摩擦カツプ
リングの残りの回動角にわたつては戻し力は生ぜしめら
れない。第２の滑りカツプリングは回動角を制限されて
いない。 内燃機関若しくは駆動系の振動特性への適合並びに減
衰装置に対する調節を行なつた場合、回動角の制限され
た第１の滑りカツプリング並びに回動角の制限されてい
ない第２の滑りカツプリングを弾性的なトーシヨン減衰
装置と組み合わせて使用することによつて、振動振れの
不当に高い振れのエネルギ崩壊に基づく抑制が可能であ
る。 装置を駆動系若しくは内燃機関の振動特性に申し分な
く適合させるために、有利には第１の滑りカツプリング
の滑りモーメントが第２の滑りカツプリングの滑りモー
メントよりも小さくなつている。 本発明に基づく装置においては、申し分のない機能並
びに安価な構造を得るために、有利には回転弾性的なト
ーシヨン減衰装置が作用的に直列に第１の滑りカツプリ
ングと第２の滑りカツプリングとの間に配置されてい
る。 装置の特にスペースのわずかなかつ機能的に有利な構
造が、第１の滑りカツプリング、弾性的なトーシヨン減
衰装置及び第２の滑りカツプリングを少なくともほぼ同
じ軸線方向の高さに配置することによつて得られる。こ
の場合、多くの使用例にとつて有利には第２の滑りカツ
プリングが半径方向で弾性的なトーシヨン減衰装置の外
側にかつ第１の滑りカツプリングが内側に配置されてい
る。しかしながら、別の使用例にとつて有利には第１の
滑りカツプリングが半径方向で弾性的なトーシヨン減衰
装置の外側に、かつ第２の滑りカツプリングが内側に配
置されている。 特に有利には、装置の伝達可能なトルクが−内燃機関
の回転数範囲で見て−変動可能になつている。有利な形
式では、少なくとも一方の滑りカツプリングの伝達可能
なトルクが変動可能になつている。伝達可能なトルクの
前述の変動は有利な形式で内燃機関の回転数に関連して
行われる。特に有利にはトルクの変動は遠心力に関連し
て行われ、多くの使用例にとつてトルクは回転数の増大
と共に上昇させられる。 さらに有利には、少なくとも一方の滑りカツプリング
の伝達可能なトルクが少なくともほぼコンスタントな値
を有している。この場合特に有利には、回動角の制限さ
れた第１の滑りカツプリングが少なくともほぼコンスタ
ントな滑りモーメントを有しており、かつ第２の滑りカ
ツプリングが変動可能な滑りモーメントを有している。 さらに本発明の装置において、最適な機能を得るため
に有利には、両方の滑りカツプリングの滑りモーメント
が互いに異なる大きさである。特に、第１の滑りカツプ
リングが小さな滑りモーメントを有している。 遠心力若しくは回転数に関連した滑りカツプリングを
使用した場合、有利にはこの滑りカツプリングは常に最
小トルクを伝達する。この最小トルクに有利な形式で変
動するトルクがオーバラツプされる。 各滑りカツプリングはそれぞれの滑りモーメントを得
るために少なくとも１つの固有の蓄力器を有している。
この場合、有利には少なくとも一方の滑りカツプリング
がプレストレスを掛けて組み込まれた皿ばねを有してお
り、皿ばねが滑りモーメントを変動させるために遠心力
を受けて変動可能なばね力を生ぜしめるように構成され
ている。特に有利には、皿ばねが回転数の増大と共に力
を増大させるように構成されており、その結果滑りカツ
プリング若しくは滑りカツプリングの摩擦装置によつて
伝達可能なトルクが回転数の増大と共に大きくなる。 半径方向で弾性的なトーシヨン減衰装置の外側に配置
された滑りカツプリングが遠心力に関連した滑りモーメ
ントを有し、かつ外側に配置された滑りカツプリングが
少なくともほぼ変らない滑りモーメントを有している
と、装置の特に有利な構造が得られる。 さらに、装置の簡単かつ安価な構造を得るために、有
利には回動角の制限されていない第２の滑りカツプリン
グが両方の運動質量体に対して回動不能な円形リング状
の２つの摩擦面を有しており、この摩擦面間に、対向摩
擦面を保持する出力部分が半径方向に係合しかつ軸線方
向で締め込まれていて、かつ同時に弾性的なトーシヨン
減衰装置の入力部分を形成しており、この入力部分が蓄
力器の作用に抗してトーシヨン減衰装置の出力部分に対
して所定の限度内で回動可能であり、トーシヨン減衰装
置の出力部分が第１の滑りカツプリングの入力部分を形
成されており、第１の滑りカツプリングの出力部分が別
の運動質量体に保持されている。特に有利には、対向摩
擦面が第２の滑りカツプリングの出力部分に取り付けら
れた摩擦ライニングによつて構成されている。さらに有
利には、第２の滑りカツプリングの摩擦面が内燃機関に
結合された第１の運動質量体に配置されている。 装置の特に有利なかつ安価な構造を得るために、第２
の滑りカツプリングの出力部分が２つのプレートによつ
て構成されており、プレートが半径方向外側の区分で以
て第２の滑りカツプリングの摩擦面間に半径方向に係合
しており、プレートの半径方向内側の区分が軸線方向に
互いに間隔を置いて位置し、この間隔内に、弾性的なト
ーシヨン減衰装置の出力部分並びに第１の滑りカツプリ
ングの入力部分を形成する中間プレートを受容してい
る。この場合特に有利には、弾性的なトーシヨン減衰装
置の入力部分を形成する２つのプレート、並びにこのプ
レート間に受容された中間プレートが、ばねのような蓄
力器を受容する切欠きを有している。このような構成に
おいて有利には、弾性的なトーシヨン減衰装置の入力部
分を形成する２つのプレートが互いに回動不能であつ
て、かつ軸線方向で第２の滑りカツプリングの摩擦面間
に締め込まれた半径方向外側の区分で互いに接触してい
る。 さらに装置の有利なかつ安価な構造を可能にするため
に、第２の滑りカツプリングの出力部分が中間プレート
によつて形成されており、中間プレートが半径方向外側
の区分で以て第２の滑りカツプリングの摩擦面間に締め
込まれており、中間プレートの半径方向内側のリング状
の区分が２つのプレートによつてはさまれており、この
プレートが弾性的なトーシヨン減衰装置の出力部分並び
に第１の滑りカツプリングの入力部分を形成している。
特に有利には、弾性的なトーシヨン減衰装置の出力部分
を形成する２つのプレート、並びにこのプレート間に受
容された中間プレートが蓄力器を受容するための切欠き
を有している。このような構造において有利には、２つ
のプレートが互いに相対的に回動不能であつて、かつ第
１の滑りカツプリングの出力部分と協働する半径方向内
側の区分で互いに接触している。 弾性的な減衰装置の入力部分若しくは出力部分を形成
する少なくとも一方のプレートが他方のプレートに向け
て皿形に構成すると、装置の特に有利なかつ安価な構造
が可能になり、装置の構造に応じて一方のプレートの半
径方向外側の区分が半径方向内側の区分に対して軸線方
向で他方のプレートに向けてずらされ若しくは一方のプ
レートの半径方向内側の区分が半径方向外側の区分に対
して軸線方向で他方のプレートに向けてずらされてい
る。特に有利な構造では、両方のプレートが鏡面対称的
若しくは同じに構成されており、両方のプレートの互い
に回動不能な結合がリベツト止めによつて行われる。 さらに装置の構造にとつて有利には、弾性的なトーシ
ヨン減衰装置の出力部分の半径方向内側の区分が一方の
運動質量体に対して回動不能な２つの摩擦面間に締め込
まれており、この摩擦面が第１の滑りカツプリングの出
力部分を形成する構成部分によつて保持されている。 第１の滑りカツプリングの回動角を制限するために、
第１の滑りカツプリングの入力部分が、回動を制限する
ために対向ストツパと協働するストツパを有しており、
対向ストツパが第１の滑りカツプリングの出力部分を保
持する運動質量体に配置されている。滑りカツプリング
の入力部分のストツパが有利な形式では入力部分自体の
内側の輪郭に配置され若しくは一体成形されたブラケツ
トを有しており、ブラケツトが遊びを以つて対向ストツ
パ間に係合している。このようなブラケツトは歯の形に
構成されていてよい。 装置の構造にとつて特に有利には、第１の滑り摩擦カ
ツプリングの出力部分が、それぞれ１つの摩擦面を有し
かつ一方の運動質量体に対して回動不能な２つのプレー
トによつて形成されている。特に有利には、第１の滑り
カツプリングの出力部分の一方のプレートが軸線方向で
一方の運動質量体に固定されており、他方のプレートが
前記一方の運動質量体に対して軸線方向に移動可能にな
つている。さらに、第１の滑りカツプリングの出力部分
を形成するプレートと入力部分の、プレート間に受容さ
れた区分との間に摩擦ライニングが設けられている。摩
擦ライニングは有利には第１の滑りカツプリングの入力
部分に取付けられている。 さらに、本発明に基づく装置においては有利には、第
１の滑りカツプリングの出力部分を形成するプレートが
ピンを介して対応する運動質量体に固定されている。こ
の場合有利には、ピンが第１の滑りカツプリングの出力
部分の軸線方向で不動のプレートを固定するためにも役
立つており、この場合固定はプレートとピンとをリベツ
ト止めすることによつて行われる。このような構造にお
いて有利には、第１の滑りカツプリングの出力部分の軸
線方向に移動可能なプレートが、ピンを軸線方向に貫通
させるノツチ若しくは孔を有している。 第１の滑りカツプリングの回動角を制限するために有
利には、第１の滑りカツプリングの入力部分が内側の輪
郭に半径方向のブラケツトを有しており、このブラケツ
トが遊びを以てピン間に係合している。 回動角の制限された第１の滑りカツプリングの摩擦モ
ーメント若しくは滑りモーメントを得るために有利に
は、この滑りカツプリングの出力部分の軸線方向に移動
可能なプレートが皿ばねによつて負荷されている。皿ば
ねは軸線方向で一方の運動質量体の半径方向のフランジ
と軸線方向に移動可能なプレートとの間に緊定されてい
る。 さらに装置の構造にとつて有利には、第１の滑りカツ
プリングが一方の運動質量体の第１のシリンダ状の付加
部の周囲に配置されている。運動質量体の付加部は同時
に前記一方の運動質量体を他方の運動質量体に対して回
転可能に支承するために役立つている。さらにこの付加
部の周囲が半径方向に突出する対向ストツパを形成する
ように構成されており、対向ストツパが第１の滑りカツ
プリングの回動角を制限するためにこの滑りカツプリン
グの入力部分のストツパと協働するようになつている。 本発明の有利な実施態様では、第２の滑りカツプリン
グの摩擦面が内燃機関のクランク軸に取付けられた第１
の運動質量体に配置されており、この場合一方の摩擦面
が運動質量体に対して回動不能ではあるが軸線方向に移
動可能なプレートに保持されているのに対して、他方の
摩擦面が軸線方向で運動質量体に対して不動である。こ
の場合、摩擦モーメント若しくは滑りモーメントを得る
ために有利には、軸線方向に移動可能なプレートが皿ば
ねによつて負荷されている。皿ばねは半径方向外側の円
形リング状の基礎部分を有しており、この基礎部分から
半径方向内側に向かつて延びる舌状片が基礎部分に対し
て軸線方向に折り曲げられている。この場合、皿ばねは
有利には基礎部分の半径方向外側の区分を介して一方の
運動質量体の軸線方向のシリンダ状の付加部に支えられ
ており、皿ばねを軸線方向で支持するためにシリンダ状
の付加部の溝に受容された止めリングが設けられてい
る。 装置の構造にとつて特に有利には、回動角の制限され
た第１の滑りカツプリングが第２の運動質量体に保持さ
れており、この運動質量体が切り替え可能な摩擦クラツ
チを介して伝動装置に結合されており、これに対して回
動角の制限されていない第２の滑りカツプリングが内燃
機関に結合された第１の運動質量体に保持されている。 発明の利点 本発明に基づく装置においては、互いに相対的に運動
可能、特に回動可能な構成部分の大部分が申し分なくセ
ンタリング機能を有しており、このようなセンタリング
機能は個々の減衰装置、すなわち回動角の制限された滑
りカツプリング、弾性的なトーシヨン減衰装置及び回動
角の制限されていない滑り摩擦カツプリングに有利に作
用する。装置の本発明に基づく構造によつて、特に第１
の滑りカツプリングの構成部分が一方の運動質量体に対
してセンタリングされ、第２の滑りカツプリングの構成
部分が他方の運動質量体に対してセンタリングされる。
両方の運動質量体が互いに相対的に１つの支承部、例え
ばころがり軸受を介してセンタリングされることによつ
て、両方の滑りカツプリングの構成部分も互いに相対的
にセンタリングされる。 実施例 第１図及び第２図に示した回動衝撃を補償するための
装置１ははずみ車２を有しており、はずみ車は２つの運
動質量体3,4に分割されている。運動質量体３は固定ね
じ６を用いて内燃機関（図示せず）のクランク軸５に固
定されている。運動質量体４には切り替え可能な摩擦ク
ラツチ７が取り付けられている。摩擦クラツチ７の圧力
プレート８と運動質量体４との間にはクラツチプレート
９が設けられている。クラツチプレートは伝動装置（図
示せず）の入力軸10に受容されている。摩擦クラツチ７
の圧力プレート８はクラツチカバー11に旋回可能に支承
された皿ばね12によつて運動質量体４の方向に負荷され
ている。摩擦クラツチ７の操作によつて運動質量体４、
ひいては入力軸10のはずみ車２は接続及び遮断される。
運動質量体３と運動質量体４との間には弾性的なトーシ
ヨン減衰装置13並びに直列に接続された２つの滑りカッ
プリング（図示の実施例では、摩擦式の滑りカップリン
グ［以下、滑り摩擦カップリングと呼ぶ］）14,14aが設
けられている。滑り摩擦カツプリング14,14aは、滑り摩
擦カツプリングによつてそれぞれ伝達可能なトルクの越
えられる際に両方の運動質量体3,4間の相対運動を可能
にする。半径方向で弾性的なトーシヨン減衰装置13の外
側に配置された滑り摩擦カツプリング14は両方の運動質
量体3,4間の無制限の回動を可能にするのに対して、半
径方向で弾性的なトーシヨン減衰装置の内側に配置され
た滑り摩擦カツプリング14aはもつぱら運動質量体3,4間
の制限された回動を可能にする。 両方の運動質量体3,4は支承部15を介して互いに相対
的に回動可能に支承されている。支承部15は分割された
内輪19を有する２列式の傾斜玉軸受の形のころがり軸受
16である。ころがり軸受の外輪17は運動質量体４の孔18
内に、かつ内輪19は運動質量体３のクランク軸５から軸
線方向に延びて孔18内に突入する円筒形の中央のピン20
に配置されている。 内輪19は軸線方向で止め板21によつて確保されてお
り、止め板はピン20の端面に固定されている。止め板21
と内輪19との間には、軸受リング（内輪及び外輪）の転
動軌道間の玉を緊定する皿ばね22が配置されている。 ころがり軸受16は、軸線方向で運動質量体４の肩部25
と運動質量体４に固定されたプレート26との間に緊定す
ることによつて運動質量体４に対して軸線方向で確保さ
れている。 運動質量体３は半径方向外側にリング状の軸方向の付
加部27を有し、半径方向で付加部の内側に弾性的なトー
ション減衰装置13、半径方向で該トーション減衰装置の
外側に位置し該トーション減衰装置を取り囲む滑り摩擦
カツプリング14並びに半径方向で内側に位置する滑り摩
擦カツプリング14aを受容している。両方の滑り摩擦カ
ツプリング14,14aは最大の滑りトルクの段階的な形成を
可能にする。滑り摩擦カツプリング14、弾性的なトーシ
ヨン減衰装置13及び滑り摩擦カツプリング14aは半径方
向で重なり合つて、同軸的にかつ軸線方向の少なくとも
ほぼ同じ高さに配置されている。滑り摩擦カツプリング
14は、互いに軸線方向の間隔をおいて位置し運動質量体
３に対して回動不能な２つの摩擦面28,29を有してお
り、この摩擦面を介して内燃機関のトルクが滑り摩擦カ
ツプリング14に導かれる。図示の実施例では摩擦面29は
直接に運動質量体３に形成されているのに対して、摩擦
面28はプレート30に保持されている。プレート30は外側
の周囲に半径方向の突起部31を有しており、突起部は運
動質量体３に対するプレート30の回動防止のために半径
方向で適当に形成された凹所32若しくは切欠き内に係合
している。凹所32及び突起部31は、プレート30と運動質
量体３、ひいては摩擦面29との間の軸線方向の相対移動
を可能にするように互いに構成若しくは規定されてい
る。軸線方向で両方の摩擦面28,29間には滑り摩擦カツ
プリング14の出力部分33の外側の円形リング状の縁部区
分33aが締め込まれている。このために、皿ばね34が半
径方向外側の縁部区分35を以て軸線方向でリング状の付
加部27に支えられて、半径方向内側の区分36を以てプレ
ート30を軸線方向に摩擦面29に向けて負荷している。外
側の縁部区分33aと両方の摩擦面28,29との間には摩擦ラ
イニング37,38が設けられている。摩擦ライニングは中
間プレートに回動不能に結合されていてよい。 環状の閉じた摩擦ライニング37,38を用いる場合に
は、摩擦ライニングは外側の縁部部分33aとそれぞれの
摩擦面28,29との間にルーズに挿入される。摩擦ライニ
ング37,38を摩擦面28,29に接着することも可能であり、
従つて、摩擦は摩擦ライニング37,38と滑り摩擦カツプ
リング14の出力部分33との間で生じる。 軸線方向でプレストレスの掛けられた皿ばね34は外側
に円形リング状の区分39を有しており、この区分から半
径方向内側へ延びる舌状片40が区分36で以つてプレート
30を負荷している。皿ばねの舌状片40は、円形リング状
の区分39から出発して−装置１の軸線方向で見て−まず
急勾配に折れ曲がり、所定の区分41にわたつて延びて、
この区分41に次いでプレート30に対して支持する区分36
を形成するために再び折れ曲がり、同時に、円形リング
状の閉じた区分39に対して軸線方向にずれた舌状区分42
を形成している。 運動質量体３の付加部27は、軸線方向で見て、厚さの
減少された端部区分27aを有しており、端部区分の半径
方向内側の周壁面27b内に半径方向の溝43が形成されて
いる。この半径方向の溝43内には止めリング44が受容さ
れている。止めリング44は半径方向内側に突出してお
り、止めリングに皿ばね34の半径方向外側の端部区分35
が支持されている。止めリング44は軸線方向の段部を有
しており、段部の軸線方向に延びる区分が皿ばね34の外
側の周面を取囲んでおり、これによつて止めリング44が
皿ばね34によつて半径方向で確保され、溝43内に保持さ
れている。 滑り摩擦カツプリング14の出力部分33は、互いに回動
不能に結合された２つの薄板状のプレート（以下、薄板
プレートと呼ぶ）45,46から成つている。薄板プレート
間の結合は、例えば両方の薄板プレート45,46を互いに
接触する外側の縁部区分33aの範囲でリベツト止め若し
くは点溶接することによつて行われる。薄板プレート4
5,46の半径方向で摩擦ライニング37,38間を延びる外側
の円形リング状の区分45a,46aは、半径方向内側にしか
も互いに軸線方向の間隔を置いて位置しこれによつて軸
線方向の空間47を形成する幅広の円形リング状の区分45
b,46bに対して軸線方向で互いに内側にずらされ、互い
に接触している。第１図から明らかなように、両方の薄
板プレート45,46が鏡面対称的にかぶさり合うように構
成され、すなわち一方の薄板プレートの円形リング状の
外側の区分が同じ薄板プレートの円形リング状の内側の
区分に対して軸線方向で他方の薄板プレートに向けてず
らされている。 滑り摩擦カツプリング14の出力部分33の円形リング状
の内側の区分45b,46bは弾性的なトーション減衰装置13
は出力部分として薄板プレート間に配置された別のプレ
ート（以下、中間プレートと呼ぶ）48を有しており、該
プレート、即ち中間プレート48は薄板プレート45,46の
円形リング状の内側の区分45b,46b間の軸線方向の空間4
7を半径方向に延びている。薄板プレートの内側の区分4
5b,46b並びに中間プレート48の、薄板プレートの内側の
区分45b,46b間に位置する区分には、コイルばね52の形
の蓄力器を受容する切欠き49,50,51が形成されている。
蓄力器52は中間プレート48と両方の薄板プレート45,46
との間の相対的な回動に抗して作用する。出力部分33若
しくは両方の薄板プレート45,46はその外周を介して軸
線方向の付加部27の内側の周壁面27cに案内されかつ運
動質量体３に対してセンタリングされる。 半径方向でさらに内側に位置する滑り摩擦カツプリン
グ14a（これは作用的に運動質量体４と減衰装置13との
間に配置されている）は互いに軸線方向の間隔を置いて
配置された２つのリング状の摩擦面53,54を有してお
り、この摩擦面は運動質量体４に対して回動不能であつ
て、この運動質量体を介して、内燃機関によつて生ぜし
められたトルクの少なくとも一部分を伝達可能である。
図示の実施例では摩擦面53がプレート26の半径方向外側
の円形リング状の縁部区分によつて形成されている。摩
擦面54は別のプレート（摩擦プレート）55若しくはリン
グによつて保持されている。プレート55は内側の周囲
に、運動質量体４にリベツト止めされプレート55を運動
質量体４に対して固定するために適合させられたピン57
を軸線方向に貫通させるノツチ56を有している。ノツチ
56とピン57は、運動質量体４、ひいては摩擦面53に対す
るプレート55の軸線方向の移動運動を可能にするように
構成、若しくは互いに規定されている。ピン57はさらに
プレート26を軸線方向で運動質量体４に対して固定する
ためにも役立つている。このためにピン57はプレート26
にリベツト止めされている。 軸線方向で両方の摩擦面53,54間若しくはプレート26
とプレート55との間に中間プレート48の半径方向内側の
区分が締め込まれている。このために、皿ばね58が半径
方向外側の縁部区分で以つて軸線方向で運動質量体４の
半径方向のフランジ4aに支えられかつ半径方向内側の区
分で以つてプレート55を軸線方向で摩擦面53の方向へ負
荷している。中間プレート48と両方の摩擦面53,54若し
くはプレート26及びプレート55との間には摩擦ライニン
グ59,60が設けられている。摩擦ライニング59,60は中間
プレート48に対して回動不能であつてよい。摩擦ライニ
ング59,60を摩擦面53,54に接着することも可能であり、
この場合には摩擦は摩擦ライニング59,60と中間プレー
ト48との間で生じる。 第２図から明らかなように、中間プレート48は内側の
縁部区分に、内側に向かつて開いたノツチ61を有してお
り、このノツチをピン57が軸線方向に貫通している。ノ
ツチ61は半径方向で内側に向いた歯62を形成しており、
この歯は−周方向で見て−ピン57間に係合し、滑り摩擦
カツプリング14aの角度振れの制限のためのストツパと
してピン57と協働する。特に第１図から分るように、中
間プレート48は弾性的なトーシヨン減衰装置13の出力部
分並びに回動角の制限された滑り摩擦カツプリング14a
の入力部分を形成している。滑り摩擦カツプリング14a
は運動質量体４の軸線方向のスリーブ状の付加部63の周
囲に配置されている。運動質量体４の付加部63は運動質
量体３の付加部としてのピン20に対して軸線方向で逆に
向いており、半径方向で付加部63とピン20との間にはこ
ろがり軸受16が配置されている。 さらに第１図から明らかなように、両方の滑り摩擦カ
ツプリング14,14aの一方で摩擦面29と53とが、かつ他方
で摩擦面28と54とが少なくともほぼ、同じ半径方向の面
内に配置されている。 皿ばね34と58とは、皿ばね34によつてプレストレスに
基づき生ぜしめられる軸線方向の基準ばね力が皿ばね58
によつて生ぜしめられる軸線方向ばね力よりも大きくな
るように構成されている。運動質量体3,4間にはさらに
摩擦装置64が設けられている。摩擦装置64はコイルばね
52に対して並列的に接続されて、ピン20の周囲にそれも
プレート26と運動質量体３の半径方向に延びる区分3aと
の間に配置されている。摩擦装置64は皿ばね65を有して
おり、この皿ばねはプレート26と圧力リング66との間に
緊定されている。軸線方向で圧力リング66と半径方向の
区分3aとの間には摩擦リング67が配置されている。圧力
リング66は半径方向外側に軸線方向に延びるブラケツト
68を有しており、ブラケツトはプレート26の切欠き69を
軸線方向に貫通しており、これによつて圧力リング66と
プレート26とが周方向で固定される。トーション減衰装
置13の入力部分（即ち、滑り摩擦カップリング14の出力
部分33）と中間プレート48との間の回動角の制限は、少
なくともいくつかのコイルばね52をロツクさせ、すなわ
ちコイルばね52の巻条を互いに接触させ、これによつて
コイルばねの引き続く圧縮をもはや不可能にすることに
よつて行われる。 第３図及び第４図に示した本発明に基づく装置は、第
１図に示した装置と類似の構造を有しており、従つて、
機能的に同じ構成部材の大部分は同じ符号で示してあ
る。この実施例では、滑り摩擦カツプリング14の出力部
分はフランジ状の中間プレート133によつて形成されて
おり、中間プレートの半径方向外側の円形リング状の縁
部区分133aが軸線方向で両方の摩擦面28,29間に締め込
まれている。半径方向外側の縁部区分133aには摩擦ライ
ニング37,38が取付けられている。摩擦ライニングは摩
擦面28,29と摩擦係合している。 滑り摩擦カツプリングの出力部分を形成する中間プレ
ート133は、同時に弾性的なトーシヨン減衰装置13のフ
ランジ状の入力部分を成している。弾性的なトーシヨン
減衰装置の出力部分は一組のプレート145,146によつて
形成されており、一組のプレート145,146は同時に回動
角の制限された滑り摩擦カツプリング14aの入力部分を
形成している。 プレート145,146は互いに皿形を成し、それぞれ半径
方向内側の円形リング状の区分145a,146aを有してお
り、これらの区分は軸線方向で互いに接触している。 プレート145,146の半径方向外側に位置する区分145b,
146bは軸線方向で互いに離れて、軸線方向の空間147を
形成しており、この空間をフランジ状の中間プレート13
3が半径方向に延びている。 プレート145,146の半径方向外側の円形リング状の区
分145b,146b内並びにフランジ状の中間プレート133の、
プレート145,146の前記区分145b,146b間に位置する区分
133b内に切欠き149,150,151が形成されており、切欠き
内にコイルばね52の形の蓄力器が受容されている。コイ
ルばね52は中間プレート133と両方のプレート145,146と
の間の相対回動に抗して作用する。 半径方向内側に位置する滑り摩擦カツプリング14a
は、互いに軸線方向の間隔を置いて配置されたリング状
の２つの摩擦面153,154を有しており、この摩擦面は運
動質量体４に対して回動不能である。摩擦面153はプレ
ート126に設けられており、このプレートはリベツト結
合部157を用いて運動質量体４の軸線方向の付加部163の
端面に取付けられている。摩擦面154は別のプレート
（摩擦プレート）155若しくはリングに保持されてお
り、該プレート若しくはリングは運動質量体４に対して
回動不能ではあるが、運動質量体４の軸線方向の付加部
163に軸線方向移動可能に支承されている。軸線方向で
両方の摩擦面153,154間には両方のプレート145,146の半
径方向内側の区分145a,146aが締め込まれている。この
ために皿ばね58が第１図の実施例と類似の形式で運動質
量体４とプレート155との間に軸線方向のプレストレス
を掛けられている。軸線方向で区分145a,146aと両方の
プレート155,126との間には同じく摩擦面59,60が設けら
れている。 第3a図から明らかなように、運動質量体４の軸線方向
の付加部163は外側の周囲に半径方向外側へ突出する歯
状の成形部163aを有しており、この成形部は滑り摩擦カ
ツプリング14aの回動角を制限するためのストツパとし
て役立つ。プレート145,146は半径方向内側の周囲に半
径方向内側へ向いた歯状の突起部162を有しており、こ
の突起部は周方向の遊びを以つて運動質量体４の軸線方
向の付加部163の成形部163a間に係合している。成形部1
63aに対する突起部162のぶつかりによつて滑り摩擦カツ
プリング14aの角度振れが制限される。プレート155は半
径方向内側の周囲に半径方向内側へ向いたブラケツト15
5aを有しており、このブラケツトはプレート155と運動
質量体４との間の相対回動を防止するために軸線方向の
付加部163の成形部163aの側面に係合している。 次に第１図から第3a図までに示す装置の機能について
第４図を用いて説明する。 第４図の線図では、横軸に両方の運動質量体3,4間の
回動角が、縦軸に滑り摩擦カツプリング14,14a並びに弾
性的なトーシヨン減衰装置13によつて伝達可能なトルク
がプロツトしてある。この場合、滑り摩擦カツプリング
によつて伝達可能なトルクが遠心力の関連に基づき可変
であることは考慮されている。さらに第４図において
は、突起部62がピン57に若しくは突起部162が成形部163
aに両方の運動質量体3,4間の相対回動の開始に際して当
接し、その結果滑り摩擦カツプリング14aの相対回動角
が通過されるところから出発している。 両方の運動質量体3,4の静止位置から出発して、両方
の運動質量体3,4間の相対回動に際してトーシヨン減衰
装置13の少なくともいくつかのコイルばね52が圧縮さ
れ、コイルばねによつて生ぜしめられたトルクが滑り摩
擦カツプリング14aの滑りモーメントを上回るようにな
る。これは両方の運動質量体3,4間の回動角範囲72を通
過する場合である。同じ方向への引き続く回動に際し滑
り摩擦カツプリング14aが滑り、突起部62が対応する回
動方向で相対して位置するピン57に若しくは突起部162
が成形部163aに当接する。滑り摩擦カツプリング14aの
滑り角は第４図に回動角範囲73によつて示されている。
回動角範囲73は設定された要求に応じて任意に変えられ
る。しかしながら、多くの使用例にとつて有利には、回
動角範囲は10度から120度の間に位置している。同じ方
向への引き続く回動及び回動角範囲73の通過に際し、滑
り摩擦カツプリング14によつて伝達可能な高い摩擦トル
クに基づきコイルばね52がさらに圧縮され、回動角範囲
74を通過した後に少なくともいくつかのコイルばね52が
ロツクし、すなわちコイルばねの巻条が互いに接触し、
その結果弾性的なトーシヨン減衰装置13が両方の運動質
量体3,4間の引き続く相対回動を許さなくなる。両方の
運動質量体3,4間の引き続く相対運動は、内燃機関によ
つて運動質量体３に生ぜしめられるトルクが例えば強い
変動に基づき滑り摩擦カツプリング14によつて伝達可能
なトルクよりも大きくなつた場合に可能になる。このト
ルクは内燃機関の回転数に関連していて、第４図では符
号75で示してある。図示の特性曲線では滑り摩擦カツプ
リング14の滑りモーメント75は弾性的なトーシヨン減衰
装置13をロツクさせるモーメント76よりも大きくなつて
いる。しかしながら、滑り摩擦カツプリング14によつて
伝達可能なトルクが所定の回転数まで弾性的なトーシヨ
ン減衰装置13をロツクさせるモーメントよりも小さくな
つていると有利である。滑り摩擦カツプリング14によつ
て伝達可能なトルクを越える際に、両方の運動質量体3,
4は制限なく互いに相対的に回動可能であり、すなわち
このことは両方の運動質量体3,4間に相対回動を制限す
るストツパの存在していないことを意味している。 図示の実施例にとつて、滑り摩擦カツプリング14の第
４図にプロツトした滑りモーメント75は滑り摩擦カツプ
リング14によつて伝達可能な最小のトルクに相応してお
り、すなわち滑りモーメント75に相応するトルクは回転
数０の場合にも滑り摩擦カツプリング14によつて伝達さ
れる。 第５図に示す線図では、横軸に内燃機関の回転数がか
つ縦軸に滑り摩擦カツプリング14aによつて伝達可能な
トルクがプロツトしてある。すでに述べたように、滑り
摩擦カツプリング14は内燃機関の静止状態で、プレスト
レスの掛けられた皿ばね34によつて生ぜしめられた力に
基づき基準トルク75を伝達できる。皿ばねが軸線方向に
ずらされた区分41,42を有していることに基づき、これ
らの区分41,42は内燃機関の回転に際し遠心力を受けて
モーメントを皿ばねの基礎部分に生ぜしめる。皿ばねの
舌状片40が区分36で以つてプレート30に軸線方向で支え
られているので、遠心力に基づくモーメントは受け止め
られ、これによつて軸線方向の力がプレート30に伝達さ
れる。この軸線方向の力は内燃機関の回転数と共に増大
し、これは滑り摩擦カツプリング14によつて伝達可能な
放物線状に上昇する瞬間トルク経過曲線77から明らかで
ある。舌状片40は、瞬間トルク経過曲線77が常に内燃機
関の瞬間トルク経過曲線の上側を延びるように構成され
ている。これは滑り摩擦カツプリング14によつて伝達可
能なトルクが常に内燃機関の回転数範囲にわたつて内燃
機関によつて生ぜしめられるトルクよりも大きくなつて
いなければならないことを意味する。 滑り摩擦カツプリング14、特に摩擦ライニング37,38
内の製作誤差、摩擦値誤差、並びに摩耗を考慮するため
に、滑り摩擦カツプリング14が内燃機関の静止状態で滑
り摩擦カツプリングによつて伝達可能なトルクを内燃機
関によつて生ぜしめられる定格トルクよりも大きくする
ように構成されている。 第１図から第3a図に示した滑り摩擦カツプリングの構
造においては滑り摩擦カツプリング14によつて伝達可能
なトルクは推力方向でも引張力方向でも少なくともほぼ
同じである。

【図面の簡単な説明】 図面は本発明の実施例を示すものであつて、第１図は第
１実施例の断面図、第２図は第１図の矢印IIの方向で見
た部分平面図、第３図は第２実施例の断面図、第3a図は
第２実施例の第２の運動質量体の軸線方向の付加部の横
断面図、第４図は回動角と伝達可能なトルクとの関係を
示す特性曲線図、第５図は回転数と伝達可能なトルクと
の関係を示す特性曲線図である。 １……装置、２……はずみ車、３及び４……運動質量
体、4a……フランジ、５……クランク軸、６……固定ね
じ、７……摩擦クラツチ、８……圧力プレート、９……
クラツチプレート、10……入力軸、11……クラツチカバ
ー、12……皿ばね、13……トーシヨン減衰装置、14及び
14a……滑り摩擦カツプリング、15……支承部、16……
ころがり軸受、17……外輪、18……孔、19……内輪、20
……ピン、21……止め板、22……皿ばね、25……肩部、
26……プレート、27……付加部、27a……端部区分、27b
及び27c……周壁面、28及び……摩擦面、30……プレー
ト、31……突起部、32……凹所、33……出力部分、33a
……縁部区分、34……皿ばね、35……縁部区分、36……
区分、37及び38……摩擦ライニング、39……区分、40…
…舌状片、41……区分、42……舌状区分、43……溝、44
……止めリング、45及び46……薄板プレート、45a,46a,
45b及び46b……区分、47……空間、48……プレート、4
9,50及び51……切欠き、52……コイルばね（蓄力器）、
53及び54……摩擦面、55……プレート、56……ノツチ、
57……ピン、58……皿ばね、59及び60……摩擦ライニン
グ、61……ノツチ、62……歯、63……付加部、64……摩
擦装置、65……皿ばね、66……圧力リング、67……摩擦
リング、68……ブラケツト、69……切欠き、133……中
間プレート、133a……縁部区分、145及び146……プレー
ト、145a及び146b……区分、147……空間、149,150及び
151……切欠き、153及び154……摩擦面、155……プレー
ト、157……リベツト結合部、162……突起部、163……
付加部、163a……成形部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 オスヴアルト・フリートマン ドイツ連邦共和国リヒテナウ・モーザー シユトラーセ 59 (56)参考文献 特開 昭60−136622（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 １．内燃機関の回転衝撃を補償する装置であって、特に
   少なくとも作用的に互いに相対的に回動可能な２つの運
   動質量体間に配置された減衰装置を有しており、第１の
   運動質量体が内燃機関に、かつ第２の運動質量体が伝動
   装置の入力部分に結合されている形式のものにおいて、
   両方の運動質量体間に少なくとも３つの作用的に直列接
   続された減衰装置、すなわち回動角の制限された第１の
   滑りカップリング（14a）、弾性的なトーション減衰装
   置（13）及び第２の滑りカップリング（14）が設けられ
   ていることを特徴とする、回転衝撃を補償する装置。 ２．第２の滑りカップリング（14）が回動角を制限され
   ていない特許請求の範囲第１項記載の装置。 ３．第１の滑りカップリング（14a）の滑りモーメント
   が第２の滑りカップリング（14）の滑りモーメントより
   も小さくなっている特許請求の範囲第１項又は第２項記
   載の装置。 ４．弾性的なトーション減衰装置（13）が作用的に直列
   に第１の滑りカップリング（14a）と第２の滑りカップ
   リング（14）との間に配置されている特許請求の範囲第
   １項から第３項までのいずれか１項記載の装置。 ５．第１の滑りカップリング（14a）、弾性的なトーシ
   ョン減衰装置（13）及び第２のカップリング（14）が少
   なくともほぼ、軸線方向の同じ高さに配置されている特
   許請求の範囲第１項から第４項までのいずれか１項記載
   の装置。 ６．第２の滑りカップリング（14）が半径方向で弾性的
   なトーション減衰装置（13）の外側に、かつ第１の滑り
   カップリング（14a）が半径方向で前記トーション減衰
   装置の内側に配置されている特許請求の範囲第１項から
   第５項までのいずれか１項記載の装置。 ７．第１の滑りカップリング（14a）が半径方向で弾性
   的なトーション減衰装置（13）の外側に、かつ第２の滑
   りカップリング（14）が半径方向で前記トーション減衰
   装置の内側に配置されている特許請求の範囲第１項から
   第５項までのいずれか１項記載の装置。 ８．少なくとも１つの滑りカップリング（14,14a）の伝
   達可能なトルク（77）が変動可能になっている特許請求
   の範囲第１項から第７項までのいずれか１項記載の装
   置。 ９．伝達可能な変動するトルク（77）が回転数に関連し
   ている特許請求の範囲第８項記載の装置。 １０．伝達可能な変動するトルク（77）が回転数の増大
   と共に上昇するようになっている特許請求の範囲第８項
   又は第９項記載の装置。 １１．少なくとも１つの滑りカップリング（14,14a）の
   伝達可能なトルクが少なくともほぼコンスタントな値を
   有している特許請求の範囲第１項から第７項までのいず
   れか１項記載の装置。 １２．第１の滑りカップリング（14a）が少なくともほ
   ぼコンスタントな滑りモーメントを有しており、第２の
   滑りカップリング（14）が変動可能な滑りモーメントを
   有している特許請求の範囲第１項から第11項までのいず
   れか１項記載の装置。 １３．両方の滑りカップリング（14,14a）の滑りモーメ
   ントが異なる大きさである特許請求の範囲第１項から第
   12項までのいずれか１項記載の装置。 １４．第１の滑りカップリング（14a）が小さい滑りモ
   ーメントを有している特許請求の範囲第13項記載の装
   置。 １５．回転数に関連した滑りカップリング（14）が常に
   最小トルク（75）を伝達するようになっている特許請求
   の範囲第１項から第14項までのいずれか１項記載の装
   置。 １６．各滑りカップリング（14,14a）が少なくとも１つ
   の固有の蓄力器（34,58）を有している特許請求の範囲
   第１項から第15項までのいずれか１項記載の装置。 １７．少なくとも１つの滑りカップリング（14）がプレ
   ストレスを掛けて組み込まれた皿ばね（34）を有してお
   り、皿ばねが遠心力を受けて変動可能な力を生ぜしめる
   ように構成されている特許請求の範囲第１項から第16項
   までのいずれか１項記載の装置。 １８．皿ばね（34）が半径方向の区分（39）を介して軸
   線方向で、対応する滑りカップリング（14）の摩擦装置
   の方向にプレストレスを掛けられていて、かつ前記区分
   （39）に対して軸線方向にずらされた区分（41＋42）を
   有しており、このずらされた区分が遠心力の作用下で力
   を増大させるようになっている特許請求の範囲第17項記
   載の装置。 １９．半径方向で弾性的なトーション減衰装置（13）の
   外側に配置された滑りカップリング（14）が遠心力に関
   連したトルク（77）を生ぜしめるようになっており、半
   径方向で弾性的なトーション減衰装置（13）の内側に配
   置された滑りカップリング（14a）が少なくともほぼ変
   わらない滑りモーメントを有している特許請求の範囲第
   １項から第18項までのいずれか１項記載の装置。 ２０．第２の滑りカップリング（14）が一方の運動質量
   体（３）に対して回動不能な２つの摩擦面（28,29）を
   有しており、摩擦面間に、対向摩擦面を保持する出力部
   分（33,133）が半径方向で係合していて、かつ同時に弾
   性的なトーション減衰装置（13）の入力部分を形成して
   おり、この入力部分が蓄力器（52）の作用に抗してトー
   ション減衰装置（13）の出力部分（48,145＋146）に対
   して所定の限度内で回動可能であり、トーション減衰装
   置の出力部分が第１の滑りカップリング（14a）の入力
   部分を形成しており、第１の滑りカップリングの出力部
   分（26＋55,126＋155）が別の運動質量体（４）に保持
   されている特許請求の範囲第１項から第19項までのいず
   れか１項記載の装置。 ２１．対向摩擦面が第２の滑りカップリング（14）の出
   力部分（33,133）に取り付けられた摩擦ライニング（3
   7,38）によって構成されている特許請求の範囲第20項記
   載の装置。 ２２．第２の滑りカップリング（14）の出力部分（33）
   が２つのプレート（45,46）によって構成されており、
   プレート（45,46）が半径方向外側の区分（45a,46a）で
   以て第２の滑りカップリング（14）の摩擦面（28,29）
   間に半径方向に係合しており、プレート（45,46）の半
   径方向内側の区分（45b,46b）が軸線方向に互いに間隔
   を置いて位置し、この間隔内に、弾性的なトーション減
   衰装置（13）の出力部分並びに第１の滑りカップリング
   （14a）の入力部分を形成する中間プレート（48）を受
   容している特許請求の範囲第20項又は第21項記載の装
   置。 ２３．弾性的なトーション減衰装置（13）の入力部分を
   形成する２つのプレート（45,46）、並びにこのプレー
   ト間に受容された中間プレート（48）が、コイルばねの
   ような蓄力器（52）を受容する切欠き（49,50,51）を有
   している特許請求の範囲第22項記載の装置。 ２４．２つのプレート（45,46）が互いに回動不能であ
   って、かつ半径方向外側の区分（45a,46a）で互いに接
   触している特許請求の範囲第22項又は第23項記載の装
   置。 ２５．第２の滑りカップリング（14）の出力部分が中間
   プレート（133）によって形成されており、中間プレー
   トが半径方向外側の縁部区分（133a）で以て第２の滑り
   カップリング（14）の摩擦面（28,29）間に締め込まれ
   ており、中間プレート（133）の半径方向内側のリング
   状の区分（133b）が２つのプレート（145,146）によっ
   てはさまれており、このプレート（145,146）が弾性的
   なトーション減衰装置（13）の出力部分並びに第１の滑
   りカップリング（14a）の入力部分を形成している特許
   請求の範囲第20項又は第21項記載の装置。 ２６．弾性的なトーション減衰装置（13）の出力部分を
   形成する２つのプレート（145,146）、並びにこのプレ
   ート間に受容された中間プレート（133）が蓄力器（5
   2）を受容するための切欠き（149,150,151）を有してい
   る特許請求の範囲第25項記載の装置。 ２７．２つのプレート（145,146）が互いに相対的に回
   動不能であって、かつ半径方向内側の区分（145a,146
   a）で互いに接触している特許請求の範囲第25項又は第2
   6項記載の装置。 ２８．一方のプレート（145,146）が他方のプレートに
   向かって皿形に構成されている特許請求の範囲第22項か
   ら第27項までのいずれか１項記載の装置。 ２９．両方のプレート（145,146）が互いに同じに構成
   されている特許請求の範囲第22項から第28項までのいず
   れか１項記載の装置。 ３０．両方のプレート（145,146）が互いにリベット止
   めされている特許請求の範囲第22項から第29項までのい
   ずれか１項記載の装置。 ３１．弾性的なトーション減衰装置（13）の出力部分の
   半径方向内側の区分が一方の運動質量体（４）に対して
   回動不能な２つの摩擦面（53,54;153,154）間に締め込
   まれており、この摩擦面が第１の滑りカップリング（14
   a）の出力部分を形成するプレート（26,55;126,155）に
   よって保持されている特許請求の範囲第22項から第30項
   までのいずれか１項記載の装置。 ３２．第１の滑りカップリング（14a）の入力部分が、
   回動を制限するために対向ストッパ（57,163a）と協働
   するストッパを有しており、対向ストッパが第１の滑り
   カップリング（14a）の出力部分を保持する運動質量体
   （４）に配置されている特許請求の範囲第22項から第31
   項までのいずれか１項記載の装置。 ３３．第１の滑りカップリングの入力部分が内側の輪郭
   にブラケットを有しており、ブラケットが遊びを以て対
   向ストッパ（57,163a）間に係合している特許請求の範
   囲第32項記載の装置。 ３４．第１の滑りカップリング（14a）の出力部分が、
   それぞれ１つの摩擦面を有しかつ一方の運動質量体
   （４）に対して回動不能な２つのプレート（26,55;126,
   155）によって形成されている特許請求の範囲第20項か
   ら第33項までのいずれか１項記載の装置。 ３５．第１の滑りカップリング（14a）の出力部分の一
   方のプレート（26,126）が軸線方向で一方の運動質量体
   （４）に固定されており、他方のプレート（55,155）が
   前記一方の運動質量体に対して軸線方向に移動可能にな
   っている特許請求の範囲第34項記載の装置。 ３６．第１の滑りカップリング（14a）の出力部分を形
   成するプレート（26,55;126,155）と、入力部分の、前
   記プレート（26,55;126,155）間に受容された区分との
   間に摩擦ライニング（59,60）が設けられている特許請
   求の範囲第20項から第35項までのいずれか１項記載の装
   置。 ３７．摩擦ライニング（59,60）が入力部分に取り付け
   られている特許請求の範囲第36項記載の装置。 ３８．第１の滑りカップリング（14a）の出力部分を形
   成するプレート（26,55;126,155）がピン（57,157）を
   介して対応する運動質量体（４）に固定されている特許
   請求の範囲第22項から第37項までのいずれか１項記載の
   装置。 ３９．第１の滑りカップリング（14a）の出力部分の軸
   線方向で不動のプレート（26,126）がピン（57,157）に
   リベット止めされている特許請求の範囲第35項から第38
   項までのいずれか１項記載の装置。 ４０．第１の滑りカップリング（14a）の出力部分の軸
   線方向に移動可能なプレート（55）が、ピン（57）を軸
   線方向に貫通させるノッチ（56）を有している特許請求
   の範囲第35項から第39項までのいずれか１項記載の装
   置。 ４１．第１の滑りカップリング（14a）の入力部分が内
   側の輪郭に半径方向のブラケットを有しており、このブ
   ラケットが遊びを以てピン（57）間に係合している特許
   請求の範囲第22項から第40項までのいずれか１項記載の
   装置。 ４２．第１の滑りカップリング（14a）の出力部分の軸
   線方向に移動可能なプレート（55,155）が皿ばね（58）
   によって負荷されている特許請求の範囲第34項から第41
   項までのいずれか１項記載の装置。 ４３．皿ばね（58）が軸線方向で一方の運動質量体
   （４）の半径方向のフランジ（4a）と軸線方向に移動可
   能なプレート（55,155）との間に緊定されている特許請
   求の範囲第42項記載の装置。 ４４．第１のカップリング（14a）が一方の運動質量体
   （４）の軸線方向のシリンダ状の付加部（63,163）の周
   囲に配置されている特許請求の範囲第１項から第43項ま
   でのいずれか１項記載の装置。 ４５．第２の滑りカップリング（14）の摩擦面（28,2
   9）が第１の運動質量体（３）に配置されており、この
   場合一方の摩擦面（28）が運動質量体（３）に対して回
   動不能ではあるが軸線方向に移動可能なプレート（30）
   に保持されているのに対して、他方の摩擦面（29）が軸
   線方向で運動質量体（３）に対して不動である特許請求
   の範囲第１項から第44項までのいずれか１項記載の装
   置。 ４６．軸線方向に移動可能なプレート（30）が皿ばね
   （34）によって負荷されている特許請求の範囲第45項記
   載の装置。 ４７．皿ばね（34）が半径方向外側の円形リング状の基
   礎部分を有しており、この基礎部分から半径方向内側に
   向かって延びる舌状片（40）が基礎部分に対して軸線方
   向に折り曲げられている特許請求の範囲第46項記載の装
   置。 ４８．第１の滑りカップリング（14a）が第２の運動質
   量体（４）に保持されており、この運動質量体が切り替
   え可能な摩擦クラッチ（７）を介して伝動装置に結合さ
   れている特許請求の範囲第１項から第47項までのいずれ
   か１項記載の装置。 ４９．内燃機関の回転衝撃を補償する装置であって、軸
   線方向の内側のピン（20）を備えていてクランク軸
   （５）に結合された第１の運動質量体（３）、及び第１
   の運動質量体（３）に対して同軸的に配置されかつ軸受
   （16）を介して第１の運動質量体に支承された第２の運
   動質量体（４）を有しており、両方の運動質量体（3,
   4）間に弾性的なトーション減衰装置（13）、滑りカッ
   プリング（14a）及び摩擦装置（64）を配置してあり、
   滑りカップリング（14a）が半径方向で前記トーション
   減衰装置（13）の内側にかつ該トーション減衰装置に対
   して直列に配置されていて、前記トーション減衰装置
   （13）の蓄力器（52）のための切欠き（51）を備えた中
   間プレート装置、皿ばね（58）並びに摩擦ライニング
   （59,60）を有している形式のものにおいて、中間プレ
   ート装置が唯一の中間プレート（48）を有しており、滑
   りカップリング（14a）が１つの摩擦ライニング（59）
   を前記中間プレート（48）の一方の側に配置しかつ別の
   摩擦ライニング（60）、プレート（55）並びに皿ばね
   （58）を前記中間プレート（48）の他方の側に配置して
   構成されていることを特徴とする、回転衝撃を補償する
   装置。 ５０．１つの摩擦ライニング（59）が軸線方向で中間プ
   レート（48）と第２の運動質量体（４）のプレート（2
   6）との間に配置されており、別の摩擦ライニング（6
   0）及びプレート（55）並びに皿ばね（58）が軸線方向
   で中間プレート（48）と第２の運動質量体（４）の半径
   方向のフランジ（4a）との間に配置されている特許請求
   の範囲第49項記載の装置。 ５１．軸線方向で中間プレート（48）と第２の運動質量
   体（４）の半径方向のフランジ（4a）との間に配置さた
   プレート（55）が第２の運動質量体（４）に回動不能に
   取り付けられている特許請求の範囲第49項又は第50項記
   載の装置。 ５２．摩擦ライニング（59,60）、皿ばね（58）、プレ
   ート（55）及び中間プレート（48）が軸線方向で第２の
   運動質量体（４）のプレート（26）と半径方向のフラン
   ジ（4a）との間に受容されている特許請求の範囲第49項
   から第51項までのいずれか１項記載の装置。 ５３．第２の運動質量体（４）が半径方向内側に軸線方
   向の付加部（63）を有しており、該付加部が滑りカップ
   リング（14a）を保持している特許請求の範囲第49項か
   ら第52項までのいずれか１項記載の装置。 ５４．内燃機関の回転衝撃を補償する装置であって、分
   割されて互いに同軸的に回転可能に配置された２つの運
   動質量体（3,4）間に配置された摩擦装置（64）、弾性
   的なトーション減衰装置（13）、及び滑りカップリング
   装置（14＋14a）を有している形式のものにおいて、ト
   ーション減衰装置（13）と摩擦装置（64）とが互いに並
   列的に作用するようになっており、滑りカップリング装
   置（14＋14a）が第１及び第２の滑りカップリング（14,
   14a）から成っており、両方の滑りカップリングが互い
   に異なるトルク伝達力を有していて、周方向で所定の回
   動角度（73）に亙って互いに相対的に運動するようにな
   っており、トーション減衰装置（13）、第１の滑りカッ
   プリング（14）及び第２の滑りカップリング（14a）が
   直列に接続されていることを特徴とする、回転衝撃を補
   償する装置。 ５５．一方の滑りカップリング（14）のトルク伝達力が
   内燃機関の最大のトルクよりも大きくなっており、他方
   の滑りカップリング（14a）のトルク伝達力がトーショ
   ン減衰装置（13）によって受け止められる最大のトルク
   （76）よりも小さくなっている特許請求の範囲第54項記
   載の装置。 ５６．一方の滑りカップリング（14）がトーション減衰
   装置（13）の半径方向外側に配置されており、他方の滑
   りカップリング（14a）がトーション減衰装置（13）の
   半径方向内側に配置されている特許請求の範囲第54又は
   第55項記載の装置。 ５７．内燃機関の回転衝撃を補償する装置であって、互
   いに同軸的に配置されて蓄力器（52）を介して互いに駆
   動連結された２つの運動質量体（3,4）を有しており、
   一方の運動質量体（３）が内燃機関に結合されており、
   他方の運動質量体（４）が駆動系に結合されている形式
   のものにおいて、蓄力器（52）の、一方の運動質量体
   （３）に配設された対向支承部が第１のプレート（45,4
   6）に配置されており、第１のプレートが一方の運動質
   量体（３）に、相対的な回動の制限なしに力伝達可能に
   駆動結合されており、第１のプレート（45,46）と一方
   の運動質量体との間の伝達力の大きさが機関の最大のト
   ルクよりも大きくなっており、蓄力器（52）の、他方の
   運動質量体（４）に配設された対向支承部が第２のプレ
   ート（48）に配置されており、第２のプレート（48）が
   他方の運動質量体（４）に力伝達可能に、しかし制限さ
   れた範囲で運動可能に結合されており、第２のプレート
   （48）と他方の運動質量体との間の伝達力の大きさが一
   方の運動質量体（３）と第１のプレート（45,46）との
   間の伝達力よりも小さい値であることを特徴とする、回
   転衝撃を補償する装置。 ５８．少なくとも一方のプレート（45,46;48）が所属の
   運動質量体（3,4）に、累進的に力伝達可能に結合され
   ている特許請求の範囲第57項記載の装置。 ５９．蓄力器の対向支承部を形成するリング状のプレー
   ト（145,146）が内周に例えば半径方向の突起部（162）
   を有しており、該突起部が周方向で遊びを以て他方の運
   動質量体（４）の成形部（163a）又は他方の運動質量体
   の軸線方向の付加部（163）に対してストッパとして作
   用するようになっている特許請求の範囲第57項又は第58
   項記載の装置。