JP3019615U - ねじ部材 - Google Patents

ねじ部材

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松博 奥本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 反復使用する場合においても緩み止め機能を
保持でき、それでいて締め付け力も高めることができる
ねじ部材を得ることを目的とする。 【構成】 ナット1のねじ山13における両側のフラン
ク14,15のうち、締め付け状態において遊び側とな
るフランク15にのみ外方に膨出する緩み止め膨出部1
6を設けた。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は緩み止め機能を備えたねじ部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば雄ねじと雌ねじとによる締め付け構造において、これらの緩みを 防止する雄ねじ部材として、例えば実開昭63−176810号公報に開示され たものがある。
【0003】 この雄ねじ部材は、図8に示したように軸部50の外周に雄ねじ51が形成さ れたねじ山52の頂部が、一定の厚みを有するようにねじ山52の両側のフラン ク53,54におけるねじ山頂部側にそれぞれ外方に膨出する膨出部55,56 を設けて、該頂部側部分にほゞ矩形断面形状を呈する緩み止め部57を形成した 構成となっている。そして、この雄ねじ部材をナットもしくは被締結部材70に 形成された雌ねじ71にねじ込む際に、上記緩み止め部57の両膨出部55,5 6を、上記雌ねじのねじ山における谷部に干渉させて食い込ませ、その食い込み 部分における摩擦抵抗により雄ねじ部材の緩みを防止するようにしたものである 。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
ところが、上記した従来の緩み止め機能を有する雄ねじ部材にあっては、ねじ 山52における両側のフランク53,54のねじ山頂部側にそれぞれ膨出部55 ,56を設けた構成であるから、該ねじ部材をナットもしくは被締結部材70に 強固に締め付けた状態においては、ねじ山52の圧接側となるフランク54に設 けた膨出部56に、ナットもしくは被締結部材70のねじ山72における圧接側 フランク73からの大きな締め付け荷重が局部的に集中してかかることになる。 そのため、上記緩み止め部57を構成する膨出部55,56のうち、一方の膨出 部56のほゞ全体が塑性変形することになる。その結果、初回においては大きな 緩み止めトルクが得られる反面、雄ねじ部材を1度使用すると、反復使用する場 合、つまり雄ねじ部材を再度ナットもしくは被締結部材に形成された雌ねじにね じ込む場合に、上記緩み止め部57における膨出部55の上記雌ねじのねじ山に おける谷部への食い込みが得られなくなり、緩み止め部の緩み止め作用がほとん ど失われて反復使用できなくなるといった問題がある。
【0005】 そこで本考案は、従来における上記のような実情に対処するもので、反復使用 する場合においても緩み止め機能を保持でき、それでいて締め付け力も高めるこ とができるねじ部材を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために、本考案は次のように構成したことを特徴とする。
【0007】 すなわち、本願の請求項1に係る考案(以下、第1考案という)は、雄ねじ又 は雌ねじのねじ山における両側のフランクのうち、締め付け状態において遊び側 となるフランクにのみ外方に膨出する緩み止め膨出部を設けたことを特徴とする 。
【0008】 また、請求項2に係る考案(以下、第2考案という)は、緩み止め膨出部を、 フランクにおけるねじ山頂部側に設けたことを特徴とする。
【0009】 また、請求項3に係る考案(以下、第3考案という)は、ねじ部材が、ナット であることを特徴とする。
【0010】 また、請求項4に係る考案(以下、第4考案という)は、ねじ部材が、ボルト であることを特徴とする。
【0011】 また、請求項5に係る考案(以下、第5考案という)は、雄ねじの所定範囲を 除く部位に、正規のねじ山形状を有する正規ねじ山部が形成されていると共に、 上記雄ねじの所定範囲に、緩み止め膨出部が設けられていることを特徴とする。
【0012】
【作用】
上記の構成によれば、次のような作用が得られる。
【0013】 まず、第1考案によれば、雄ねじ又は雌ねじのねじ山における両側のフランク のうち、締め付け状態において遊び側となるフランクにのみ外方に膨出する緩み 止め膨出部を設けたから、該雄ねじ又は雌ねじを正規のねじ山形状の雌ねじ又は 雄ねじにねじ込む場合、上記緩み止め膨出部が正規の雌ねじ又は雄ねじのねじ山 に干渉して、緩み止めのための摩擦抵抗を与えることになる。そして、上記雄ね じ又は雌ねじを正規の雌ねじ又は雄ねじに締め付けたとき、その締め付けにより 発生する大きな締め付け荷重は、上記緩み止め膨出部を備えた雄ねじ又は雌ねじ のねじ山における圧接側フランクと、正規の雌ねじ又は雄ねじのねじ山における 圧接側フランクとの広い面接触部分で発生することになる。これにより上記緩み 止め膨出部には、締め付け荷重が作用せず、この締め付け荷重による緩み止め膨 出部の塑性変形が回避されることになる。加えて、緩み止め膨出部には上記締め 付け荷重に較べて小さな緩み止めのための摩擦抵抗を与えるだけでよいことから 、緩み止め膨出部をほとんど塑性変形させたりすることなく弾性変形させるだけ で緩み止めのための摩擦抵抗を与えることが可能となる。従って、従来例のよう に緩み止め部を構成する膨出部のうち、一方の膨出部に締め付け荷重がかかって 該膨出部のほゞ全体が塑性変形するといったことがなく、緩み止め膨出部の塑性 変形を最小限に抑制しながら緩み止めのための摩擦抵抗を与えることが可能とな り、これにより、反復使用が可能で、その反復使用においても緩み止め機能が十 分に保持されることになる。
【0014】 その上、緩み止め膨出部が正規の雌ねじ又は雄ねじのねじ山における遊び側フ ランクに干渉して弾性変形したとき、該緩み止め膨出部の弾性変形に伴う反力に より緩み止め膨出部を備えた雄ねじ又は雌ねじのねじ山に、その圧接側フランク が正規の雌ねじ又は雄ねじのねじ山における圧接側フランクに当接するように押 し出す作用が働くことになる。これにより、締め付け状態において、着座面側か ら1巻き〜2巻き目のごく限られたねじ山の圧接側フランク部分にのみ偏って締 め付け荷重が作用するといったことなく、この締め付け荷重を螺合する部分全体 に均等状に分散させることが可能となり、これに伴って高い締め付け荷重を得る ことが可能となる。
【0015】 また、第2考案によれば、第1考案の作用に加えて、緩み止め膨出部を、最も 肉薄となるねじ山の頂部側に設けたことにより、緩み止め膨出部が雌ねじ又は雄 ねじのねじ山における遊び側フランクに干渉して弾性変形したとき、該弾性変形 に伴う反力を利用してねじ山をより一層正規の雌ねじ又は雄ねじのねじ山におけ る圧接側フランクに当接するように押し出すことが可能となる。その結果、締め 付け荷重を螺合する部位の全体に亙ってより一層均等状に分散させることが可能 となり、これに伴ってより高い締め付け荷重を発生させることが可能となる。
【0016】 また、第3考案によれば、第1考案又は第2考案の緩み止め及び締め付け作用 を有するナットが得られることになる。
【0017】 また、第4考案によれば、第1考案又は第2考案の緩み止め及び締め付け作用 を有するボルトが得られることになる。
【0018】 さらに、第5考案によれば、緩み止め膨出部を雄ねじの所定範囲、つまりボル トが締め付けられた状態でナットもしくは被締結部材のねじ穴と螺合する部位の みとしたので、ボルトの締め込み途中においては、正規のねじ山形状を有する雄 ねじ部分がねじ穴に対してスムーズにねじ込まれていくことになり、従って、か かるボルトのねじ込み途中におけるねじ込み抵抗が殊更に増大することがない。
【0019】
【実施例】
以下、本考案の実施例について説明する。
【0020】 図1ないし図3は、本考案の第1実施例に係る緩み止めナットを示す。このナ ット1は、座付きナットで、座部11を有するナット本体10の中心穴に雌ねじ 12が形成されている。そして、雌ねじ12のねじ山13における両側のフラン ク14,15のうち、締め込み状態において遊び側となるフランク15のねじ山 頂部側に雌ねじ12の全長に亙る緩み止め膨出部16が設けられている。また、 2は軸部21の外周に上記ナット1の雌ねじ12に螺合する正規のねじ山形状の 雄ねじ22が形成されたねじ軸である。尚、上記ナット1のねじ山13における フランク角は正規のねじ軸12ねじ山のフランク角と同一に形成されている。ま た、上記緩み止め膨出部16は雌ねじ12の全長に亙って設ける他、部分的に設 けたり或は断続的に設けてもよい。
【0021】 斯く構成されたナット1を使用すれば、このナット1を座部11側からねじ軸 2にねじ込むとき、図3に示すように、ナット1の雌ねじ12のねじ山13にお ける遊び側フランク15に設けた膨出部16がねじ軸2の雄ねじ22におけるね じ山23の遊び側フランク25に干渉して緩み止めのための摩擦抵抗を与えるこ とになる。そして、上記ナット1をねじ軸2に締め付けたとき、該ナット1のね じ山13における圧接側フランク14がねじ軸2のねじ山23における圧接側フ ランク24とが面接触して広い面積で締め付けが行われることになる。これによ り、その締め付けにより発生する大きな締め付け荷重は、ナット1のねじ山13 における圧接側フランク14と、ねじ軸2のねじ山23における圧接側フランク 24との広い面接触部分で作用することになる。その結果、上記緩み止め膨出部 16には、締め付け荷重が作用せず、この締め付け荷重による緩み止め膨出部1 6の塑性変形が回避されることになる。加えて、上記緩み止め膨出部16には締 め付け荷重に較べて小さな摩擦抵抗を与えるだけでよいことから、緩み止め膨出 部16をほとんど塑性変形させたりすることなく弾性変形させるだけで緩み止め のための摩擦抵抗を与えることが可能となる。従って、緩み止め膨出部16の塑 性変形を最小限に抑制しながら緩み止めのための摩擦抵抗を与えることが可能と なり、これにより、反復使用が可能で、その反復使用においても緩み止め機能が 十分に保持されることになる。
【0022】 また、緩み止め膨出部16が雄ねじ22のねじ山23における遊び側フランク 24に干渉して弾性変形したとき、該緩み止め膨出部16の弾性変形に伴う反力 によりねじ山13を、その圧接側フランク14が雌ねじ22のねじ山23におけ る圧接側フランク24に当接するように押し出す作用が働くことになる。これに より、締め付け状態において、着座面側から1巻き〜2巻き目のごく限られたね じ山13の圧接側フランク14部分にのみ偏って締め付け荷重が作用するといっ たことなく、締め付け荷重を螺合する部位の全体に均等状に分散させることが可 能となり、これに伴って高い締め付け荷重を得ることが可能となる。その場合、 上記緩み止め膨出部16を、最も肉薄となるねじ山13の頂部側に設けることに より、緩み止め膨出部16の弾性変形に伴う反力を利用してより一層ねじ山13 を圧接側方向に弾性変形させることが可能となる。その結果、締め付け荷重をよ り一層螺合する部位の全体に亙って均等状に分散させることが可能となり、高い 締め付け荷重を発生させることが可能となる。
【0023】 また、以上の実施例では緩み止め膨出部16を、雌ねじ12のねじ山13にお ける遊び側フランク15のねじ山頂部側に設けたけれども、図4に示すように上 記フランク15におけるねじ有効径Dの近傍位置に設けてもよい。斯く構成した 場合にも同様の緩み止め効果が得られる。
【0024】 次に図5〜図7は本考案の第2実施例に係る緩み止めボルトを示す。このボル ト3は、六角形の頭部30と、該頭部30に続く軸部31とからなり、この軸部 31の外周に雄ねじ32が形成されている。そして、上記軸部31における頭部 30側の所定範囲aを除く残りの部位bは、図5に示すように、雄ねじ32が、 正規のねじ山形状を有する正規ねじ部とされており、上記所定範囲bは、図6に 示すように正規ねじ部bと同形のねじ山33における両側のフランク34,35 のうち、締め付け状態において遊び側となるフランク35にのみ外方に膨出する 緩み止め膨出部36が所定範囲に亙り連続して形成されている。
【0025】 また、4は緩み止めボルト3の雄ねじ32に螺合する正規の雌ねじ(以下ねじ 穴と称す。)41が形成された被締結部材である。
【0026】 斯く構成された緩み止めボルト3を使用すれば、このボルト3をその先端側か ら被締結部材4のねじ穴41にねじ込むとき、ボルト3のねじ込み途中において は、正規のねじ山形状を有する正規ねじb部分がねじ穴41に対してスムーズに ねじ込まれていくことになる。その後さらにボルト3を被締結部材4にねじ込む ことにより、図7に示すように、ボルト3の雄ねじ32のねじ山33における遊 び側フランク35に設けた膨出部36が被締結部材4のねじ穴41のねじ山43 における遊び側フランク45に干渉して緩み止めのための摩擦抵抗を与えること になる。
【0027】 そして、上記ボルト3を被締結部材4に締め付けたとき、図7に示すように、 ボルト3のねじ山33における圧接側フランク35が被締結部材4のねじ山43 における圧接側フランク44と面接触して広い面積で締め込みが行われることに なる。これにより、その締め付けにより発生する大きな締め付け荷重は、ボルト 3のねじ山33における圧接側フランク34と、被締結部材4のねじ山43にお ける圧接側フランク44との広い面接触部分で作用することになる。その結果、 上記緩み止め膨出部36には、締め付け荷重が作用せず、この締め付け荷重によ る緩み止め膨出部36の塑性変形が回避されることになる。加えて、緩み止め膨 出部36には締め付け荷重に較べて小さな緩み止めのための摩擦抵抗を与えるだ けでよいことから、緩み止め膨出部36をほとんど塑性変形させたりすることな く弾性変形させるだけで緩み止めのための摩擦抵抗を与えることが可能となる。 従って、緩み止め膨出部36の塑性変形を最小限に抑制しながら緩み止めのため の摩擦抵抗を与えることが可能となり、これにより、反復使用が可能で、その反 復使用においても緩み止め機能が十分に保持されることになる。
【0028】 また、緩み止め膨出部36がねじ穴41のねじ山43における遊び側フランク 45に干渉して弾性変形したとき、該緩み止め膨出部36の弾性変形に伴う反力 によりねじ山33を、その圧接側フランク34がねじ穴41のねじ山43におけ る圧接側フランク44に当接するように押し出す作用が働くことになる。これに より、締め付け状態において、着座面側から1巻き〜2巻き目のごく限られたね じ山33の圧接側フランク34部分にのみ偏って締め付け荷重が作用するといっ たことなく、締め付け荷重を螺合する部位の全体に均等状に分散させることが可 能となり、これに伴って高い締め付け荷重を得ることが可能となる。
【0029】 また、緩み止め膨出部36を雄ねじの所定範囲、つまりボルトが締め付けられ た状態で被締結部材4のねじ穴と螺合する部位のみとしたので、ボルト3の被締 結部材4への締め込み途中においては、正規のねじ山形状を有する正規ねじ部b がねじ穴41に対してスムーズにねじ込まれていくことになり、従って、かかる 緩み止めボルト3のねじ込み途中におけるねじ込み抵抗が殊更に増大することが なく、ねじ込み操作が楽に行える。
【0030】 また、以上の第2実施例では緩み止め膨出部36を、雄ねじ32のねじ山33 の遊び側フランク35の頂部位置に設けたけれども、上記フランク35における ねじ有効径Dの近傍位置に設けてもよい。さらに、上記軸部31における頭部3 0側の所定範囲aに緩み止め膨出部36を設けたけれども、例えば、緩み止め膨 出部36を設ける位置は、ボルトが締め付けられた状態で被締結部材4或はナッ ト等のねじ穴と螺合する部位に設けてもよいことは勿論である。
【0031】
【考案の効果】
以上のように第1考案によれば、雄ねじ又は雌ねじのねじ山における両側のフ ランクのうち、締め付け状態において遊び側となるフランクにのみ外方に膨出す る緩み止め膨出部を設けたから、該雄ねじ又は雌ねじを正規のねじ山形状の雌ね じ又は雄ねじにねじ込む際に、上記緩み止め膨出部を雌ねじ又は雄ねじのねじ山 に干渉させて、緩み止めのための摩擦抵抗を与えることができながら、上記雄ね じ又は雌ねじを正規のねじ山形状の雌ねじ又は雄ねじに締め付けたときには、そ の締め付けにより発生する大きな締付荷重を、雄ねじ又は雌ねじのねじ山におけ る圧接側フランクと、雌ねじ又は雄ねじのねじ山における圧接側フランクとの広 い面接触部分で発生させることが可能となる。その結果、上記緩み止め膨出部に は、締め付け荷重が作用せず、この締め付け荷重による緩み止め膨出部の塑性変 形が回避されることになると共に、上記緩み止め膨出部には締付荷重に較べて小 さな緩み止めのための摩擦抵抗を与えるだけでよいことから、緩み止め膨出部を ほとんど塑性変形させたりすることなく弾性変形させるだけで緩み止めのための 摩擦抵抗を与えることが可能となる。従って、緩み止め膨出部の塑性変形を最小 限に抑制しながら緩み止めのための摩擦抵抗を与えることが可能となり、これに より、反復使用が可能で、その反復使用においても緩み止め機能が十分に保持さ れることになる。
【0032】 その上、緩み止め膨出部が雌ねじ又は雄ねじのねじ山における遊び側フランク に干渉して弾性変形することにより、該緩み止め膨出部の弾性変形に伴う反力に より雄ねじ又は雌ねじのねじ山を、その圧接側フランクが雌ねじ又は雄ねじのね じ山における圧接側フランクに当接するように押し出す作用が働くことになり、 これにより、締め付け状態において、着座面側から1巻き〜2巻き目のごく限ら れたねじ山の圧接側フランク部分にのみ偏って締め付け力が作用するといったこ となく、締め付け荷重を螺合する部位の全体に均等状に分散させることが可能と なり、高い締め付け力を発生させることが可能となる。
【0033】 また、第2考案によれば、第1考案の効果に加えて、緩み止め膨出部を、最も 肉薄となるねじ山の頂部側に設けたことにより、緩み止め膨出部が雌ねじ又は雄 ねじのねじ山における遊び側フランクに干渉して弾性変形したとき、該弾性変形 に伴う反力を利用してより一層ねじ山を圧接側方向に弾性変形させることが可能 となる。その結果、締め付け荷重をより一層螺合する部位の全体に亙って均等状 に分散させることが可能となり、高い締め付け力を発生させることが可能となる 。
【0034】 また、第3考案によれば、第1考案又は第2考案の緩み止め及び締め付け効果 を有するナットが得られることになる。
【0035】 また、第4考案によれば、第1考案又は第2考案の緩み止め及び締め付け効果 を有するボルトが得られることになる。
【0036】 さらに、第5考案によれば、緩み止め膨出部を雄ねじの所定範囲、つまりボル トが締め付けられた状態でナットもしくは被締結部材のねじ穴と螺合する部位の みとしたので、ボルトの締め込み途中においては、正規のねじ山形状を有する雄 ねじ部分がねじ穴に対してスムーズにねじ込まれていくことになり、従って、か かるボルトのねじ込み途中におけるねじ込み抵抗が殊更に増大することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案の第1実施例に係る緩み止めボルトの
正面図である。
【図2】 同緩み止めナットのねじ山の形状を示す要部
の拡大断面図である。
【図3】 同緩み止めナットのねじ軸への締め付け状態
を示す要部の拡大断面図である。
【図4】 緩み止め膨出部の別の実施例を示す断面図で
ある。
【図5】 本考案の第2実施例に係る緩み止めボルトの
要部の拡大正面図である。
【図6】 同緩み止めナットのねじ山の形状を示す要部
の拡大断面図である。
【図7】 同緩み止めナットの被締結部材のねじ穴への
締め付け状態を示す要部の拡大断面図である。
【図8】 従来例の説明図である。
【符号の説明】
1 ナット 3 ボルト 12 雌ねじ 13,33 ねじ山 14,34 圧接側フランク 15,35 遊び側フランク 16,36 緩み止め膨出部 32 雄ねじ

Claims (5)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 雄ねじ又は雌ねじのねじ山における両側
    のフランクのうち、締め付け状態において遊び側となる
    フランクにのみ外方に膨出する緩み止め膨出部が設けら
    れていることを特徴とするねじ部材。
  2. 【請求項2】 緩み止め膨出部が、フランクにおけるね
    じ山頂部側に設けられていることを特徴とする請求項1
    に記載のねじ部材。
  3. 【請求項3】 ねじ部材が、ナットであることを特徴と
    する請求項1又は請求項2に記載のねじ部材。
  4. 【請求項4】 ねじ部材が、ボルトであることを特徴と
    する請求項1又は請求項2に記載のねじ部材。
  5. 【請求項5】 雄ねじの所定範囲を除く部位に、正規の
    ねじ山形状を有する正規ねじ山部が形成されていると共
    に、上記雄ねじの所定範囲に、緩み止め膨出部が設けら
    れていることを特徴とする請求項4に記載のねじ部材。
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