JP2014037893A - ねじ部品 - Google Patents

ねじ部品 Download PDF

Info

Publication number
JP2014037893A
JP2014037893A JP2013248128A JP2013248128A JP2014037893A JP 2014037893 A JP2014037893 A JP 2014037893A JP 2013248128 A JP2013248128 A JP 2013248128A JP 2013248128 A JP2013248128 A JP 2013248128A JP 2014037893 A JP2014037893 A JP 2014037893A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thread
screw
flank
angle
flank surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013248128A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Sakamoto
裕行 阪本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Seiko Co Ltd
Original Assignee
Nitto Seiko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Seiko Co Ltd filed Critical Nitto Seiko Co Ltd
Priority to JP2013248128A priority Critical patent/JP2014037893A/ja
Publication of JP2014037893A publication Critical patent/JP2014037893A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Connection Of Plates (AREA)

Abstract


【課題】ねじ込みトルクを高くすることなく設定軸力が正確に得られるとともに、めねじ成形屑の発生を極力少なくしたねじ部品を得る。
【解決手段】本発明のねじ部品におけるねじ山10は、谷部11からねじ山頂部側に向かって所定のフランク角(α/2)に構成された第1の進み側フランク面13と、所定高さ(h)でフランク角が変化するように構成された追い側フランク面12,14と、これらフランク面が接続される稜線部20とから構成される。稜線部20は、第2の進み側フランク面23および第2の追い側フランク面22を有し、これらフランク面が形成するねじ山角度(β)が100°〜130°の範囲となるよう設定されている。この構成により、ねじ込み時のめねじ成形屑の発生を低減できるとともに、締結によって強固な軸力を得ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ワークに所定の締結力でねじ込まれるねじであって、特に、ワークの下穴あるいは雌ねじにねじ込む際に、ねじ山により下穴や雌ねじを削ることなくワークの塑性変形やねじ山の倣い作用によりねじ込み可能にするとともにねじ込み時における成形屑の発生を抑制し、これの飛散・落下を極力少なくしたねじ部品に関する。
近年多く普及している携帯電話、パソコン及び携帯型音楽プレーヤ等の電気製品や自動車部品等においては、その軽量化、薄型化及び小型化等から比較的軽量の材料、例えばアルミニウム合金、マグネシウム合金あるいは樹脂材をワークとして採用し、これに電子配線基板や制御基板等の部品が固定されている。また、この他に冷間圧延鋼板(SPCC板)等鉄系のワークも使用されている。このような部品をワークに固定する構造では、主としてねじが採用されており、このねじのねじ山110は、図8に示すような一般に普及している形状が採用されている。これは、ねじ山110の先端のフランク角が60°に形成されたタッピンねじ101であり、通常、ワーク140にあらかじめ形成されている下穴141に雌ねじ142を成形しながらねじ込むようになっているねじがある。
また、図10はもう一つの従来技術で、これは特開平10−176709号公報として開示されている。これには、ねじ山210を雄ねじの基部側が45°で、先端側を60°に設定した雄ねじが示してあり、ナット240に螺合されるねじ201とナット240とが離散しないようにしたものである。そして、このように基部側のねじ山角度が先端側のねじ山角度より小さく成形されているのは、転造前の軸部が細いためにねじ山を所定量高くする必要があるからである。更に、成形屑の飛散・落下を防止するための従来技術として、特開2008−175253号公報に示すようなものが近年使用されている。これは、従来からのねじのねじ山表面に粘着樹脂からなる下層を形成し、この下層の表面に非粘着樹脂からなる上層を形成したものである。このねじをワークの下穴にねじ込むことで、雌ねじが形成されるとともに前記上層が破れて下層が露出し、雌ねじ成形時に発生する成形屑をこの下層に捕捉するようにしたものである。
特開平10−176709号公報 特開2008−175253号公報
しかしながら、これら従来からの技術において、先に示した技術では、前記タッピンねじは先端が60°あるいはそれ以下の鋭角に形成されていることから、このねじをねじ込んで雌ねじを成形する際にねじ山先端が切り込み作用を生じ、そのため、ワークに亀裂が生じやすい。また、この先端には、成形時の応力が集中することから摩擦によるワークの剥離が発生し、ワークの下穴が貫通穴の場合、これが屑となって電子基板上に飛散・落下し、電子回路のショートを誘発する原因ともなっている。更に、これら屑に加えて、ねじ山と雌ねじとの間でも摩耗粉やねじ山の鍍金剥離粉等も発生し、これらもねじ込み時に発生する成形屑となっている。その上、ワークとの間の摩擦熱によりねじが完全にねじ込まれない状態、即ち、ねじ浮き現象も生じたりしている。しかも、このねじのねじ込み時には比較的大きな摩擦抵抗が生じるため、滑らかなねじ込み作用や大きな軸力を得ることができず、ねじが弛みやすい。特に、部品の締結はねじの軸力で管理されることが多く、これにより一定の締結品質を確保していることから大きな摩擦抵抗が生じると、軸力での締結品質管理が損なわれている。
一方、一旦ねじ込まれたねじを緩めて取り外し、再度、前回のねじ込みで既に雌ねじが形成されている雌ねじ穴にねじ込む場合、図9に示すように、既に形成されている雌ねじ142に倣いながらねじ込まれることは難しく、例えば、雌ねじ穴の中心線(A)に対して、角度(θ)だけねじの中心線(B)が傾斜してねじ込まれると、ねじ込み初期にこれが修正されず、タッピンねじ101のねじ山110が雌ねじの側面に食い込み、そのため、雌ねじを削ったりしている。このことは、繰り返し再ねじ込みを行うと、やがては十分な強度を持たない雌ねじとなり、部品の強固な締結が不可能になっている。
また、もう一つの従来技術の場合でも、ねじ山先端のフランク角が60°であるため、依然として前記と同様の問題が生じている。更に、既存のねじに粘着樹脂を塗布し、これにより前記成形屑を捕捉するものがあるが、この場合、一般的に普及している通常のねじ山に使用した場合は、最初のねじ込みでは成形屑を捕捉可能であるが、繰り返し使用すると、この粘着樹脂がねじ込み時に掻き落とされて、捕捉作用が急速に衰える等の課題がある。
本発明の目的は、このような課題を解消するとともにねじ込みトルクを高くすることなく設定軸力が正確に得られるとともに、再ねじ込み作業においてもねじ山と雌ねじとの間での成形屑の発生を極力少なくなるようにしたねじ部品を得ることである。
上記目的を達成するために本発明は、駆動部が形成された頭部とこれと一体の脚部とから構成され、この脚部にワークにねじ込まれるねじ山が形成されたねじ部品であって、前記ねじ山は、これの稜線に直交する断面において、谷部からねじ山頂部側に向かって所定のフランク角に構成された第1の進み側フランク面と、谷部から所定高さまで前記進み側フランク角と等しいフランク角に構成される第1の追い側フランク面と、この第1の追い側フランク面のフランク角より小さいフランク角に構成され、第1の追い側フランク面に接続されてねじ山頂部側に向かう急峻な追い側フランク面と、前記第1の進み側フランク面および急峻な追い側フランク面が接続されてねじ山の頂部を構成する稜線部とから構成され、前記稜線部は、前記ねじ山の稜線となる頂点を境に幅の狭い第2の進み側フランク面および第2の追い側フランク面を有し、これらフランク面が形成する第2のねじ山角度は前記第1の進み側フランク面および第1の追い側フランク面で規定される第1のねじ山角度より大きい角度であって、100°〜130°の範囲内に設定されている。
前記脚部は、粘着性と潤滑性を兼ね備えたコーティング剤で覆ってもよく、またねじ山は、脚部先端にワークの下穴に嵌入するガイド部を有し、続いて脚部を一周する程度の雌ねじ成形部が形成され、この雌ねじ成形部と頭部との間に連続した同一ねじ山径の締結部を形成し、前記雌ねじ成形部は締結部のねじ山外径より僅かに大きい外径を有していることが好ましい。このようなねじ山とすることで、ワークの下穴へめねじを成形しながらねじ込む時の摩擦抵抗を低減できる。さらに前記コーティング剤は、アクリル系ポリマーを主成分とする粘着剤とポリオキシアルキレン系ノニオン活性剤とポリエチレンワックス系潤滑剤とから構成し、これを塗布後160℃前後の温度で乾燥処理することが望ましい。このようなコーティング剤で脚部を覆うことにより、ねじ込み時に比較的摩擦抵抗が低くなり、ねじ込み完了後に正確且つ比較的大きなねじの軸力が得られる。
本発明によれば、ねじ山は基部側のフランク面で形成される第1のねじ山角度(α)よりねじ山先端側の第2のねじ山角度(β)が大きい鈍角になっているので、雌ねじを成形する際にねじ山先端が切り込み作用を生じ難いとともに、ワークの下穴に雌ねじを滑らかに成形することから、ワークに亀裂を発生させることがなくなる。また、この先端は、成形時の応力集中が低減されるから、摩擦によるワークの剥離の発生が少なくなり、剥離片等の成形屑が電子基板上に落下し、電子回路のショートを誘発するといったことも減少する。更に、ねじ山と雌ねじとの間でも摩耗粉やねじ山の鍍金剥離粉等も少なくなり、ねじ込み時に発生する成形屑の発生が抑制される。しかも、ねじ山の基部側は所定高さまで第1の追い側フランク面と第1の進み側フランク面とが脚部の軸線に直交する垂線との間で夫々なす角(α/2)が等しくなっているので、ねじ山基部に大きな軸力が加わってもこの部分からのねじ山破壊は生じない。また、第2のねじ山角度(β)は最も好適な角度である120°を含んだ最小100°〜最大130°超の範囲に設定されているので、この範囲より小さいあるいは大きい角度のねじ山に比べて粉状以外の具体的には、細い長短帯状の成形屑の発生が最も少ない。
しかも、追い側フランク面は途中から急峻な斜面となっているので、ねじ込み完了時に大きな軸力が発生することになり、強固な締結が可能になる。その上、一旦ねじ込まれたねじを緩めて取り外し、再度、同じ雌ねじ穴にねじ込んだ場合に、既に形成されている雌ねじに対してねじ山が食い込むことなく正確に雌ねじに倣いながらねじ込まれるので、同じ雌ねじへの繰り返しねじ込みが可能になりその耐久性が向上する。このことは、部品の交換等において十分な部品固定が維持されることになる。一方、これらねじ部品の少なくとも脚部から頭部座面にかけては粘着剤と潤滑剤とを混合したコーティング剤で覆われているので、ねじ込み時には潤滑作用が生じて摩擦抵抗が低減される。このため、ねじ込み時のねじ込みトルクを低くできるとともにねじ込み完了後の軸力を大きくすることができる。これにより、ワークに部品を固定する締結力がねじの軸力で管理されている製品においては信頼性の高い軸力が得られ、締結品質の向上に繋がる等の特有の効果が得られる。
本発明の実施の形態を示す要部拡大部分断面正面図である。 本発明を採用したタッピンねじの全体正面図である。 図2の右側面図である。 本発明の要部を説明する拡大断面図である。 本発明のねじ込み開始状態を示す要部拡大断面図である。 本発明のねじ山稜線部の変形例を示すものであり、(イ)は第2のねじ山角度(β)が90°を示し、(ロ)は第2のねじ山角度(β)が150°を示したねじ山の拡大断面図であり、これらの図の二点鎖線は第2のねじ山角度(β)が120°の場合を示している。 本発明の再ねじ込み開始状態を示す要部断面拡大図である。 本発明の従来例を示す要部断面図である。 図8におけるねじの再ねじ込み状態を示す要部断面図である。 もう一つの従来例によるねじ込み開始状態を示す要部断面図である。
以下、本発明について最良の実施の形態を図1乃至図7に基づき説明する。図1及び図2において、1は頭部2とこれに一体に形成された脚部3とからなる雌ねじ成形機能付きねじの一例としてのタッピン機能を有するタッピンねじであり、頭部2にはねじ1にドライバビット(図示せず)からねじ込み駆動力が伝達される駆動穴4が形成されている。この頭部2と一体の前記脚部3にはねじ山10が頭部2の座面5の近くから脚部3の先端にかけて形成してあり、この脚部3は図3に示すように、円形形状となっている。しかも、この脚部3の先端部分はその二山から三山程度が完全ねじ部となっている後述の締結部のねじ山10の高さより低くなっており、この先端部分のねじ山高さはワーク40に形成されている下穴41に合わせてこれに嵌入するか僅かに下穴41に接する程度の外径となって不完全ねじ部を構成している。この不完全ねじ部はねじ込み開始時に下穴41へのねじ込みを案内するガイド部10aとなっており、これにより、ねじ込み開始時には下穴41にこのガイド部10aが進入したとき、タッピンねじ1が大きく傾斜しない構成となっている。
このガイド部10aの頭部側にはねじ山10が一山程度の雌ねじ成形部10bが設けてあり、この雌ねじ成形部10bはこれより頭部側にかけて連続して形成されている同一ねじ山径からなる締結部10cより僅かにその直径が大きくなっている。これは、下穴41へのねじ込み時におけるねじ山10とこれにより成形される雌ねじ42との間に発生する摩擦抵抗が脚部3のねじ山10全体に生じないようにするためであり、具体的には、締結部10cのねじ山10の高さ即ち、これのねじ山10の谷部11から稜線21までの高さ(H)より0.01mm程度半径方向に大きくするだけで十分である。
これら雌ねじ成形部10b及び締結部10cのねじ山10は脚部3の全長に渡って図4に示すように、ねじ山10のリード線に直交する断面において、第1の追い側フランク面12と第1の進み側フランク面13とから構成される第1のねじ山角度(α)が等角となった形状であり、通常、この第1のねじ山角度(α)はJISに規定されているタッピンねじあるいは小ねじのフランク角と同じかそれ以下に設定してあり、この実施例では60°に設定されている。この第1のフランク角による第1の追い側フランク面12の高さ(h)はねじ山10の谷部11からの高さである(H)の0.2倍に設定してあり、これよりねじ山稜線側にかけて急峻な追い側フランク面14となるようその角度(γ)が前記第1のフランク角(α)を構成する追い側フランク角(α/2)より小さい角度に設定されており、この位置からねじ山稜線側は不等角山形状となっている。これにより、ねじ込み後のねじの軸力は大きくなる構成である。
更に、このねじ山10の最もねじ山稜線側には前記ねじ山基部側の第1の追い側フランク面12と第1の進み側フランク面13とのなす第1のねじ山角度(α)より大きく且つねじ山中心線に対して等角で鈍角をなす第2のねじ山角度(β)を有する稜線部20が形成されている。この稜線部20は前記第1の追い側フランク面12に接続されている前記急峻なフランク面14と第1の進み側フランク面13とに夫々接続され、稜線部20が前記急峻な追い側フランク面14と第1の進み側フランク面13とに接続する稜線部20の幅(L)はねじ山10のピッチを(P)とすると、L=P/3.5で表される関係を有する構成となっており、前記ねじ山稜線21までの高さ(H)は前記ねじ山ピッチ(P)の1/1.5に設定されている。尚、このねじ山10のピッチ(P)はJISにおける小ねじのピッチと同等に設定してあり、これらの関係数値は多くの実験及び経験から導き出されたものであり、ねじの最適強度及びワーク40の下穴41へのねじ込み時に発生するワーク40の肉の流れ(ファイバーフロー)状態を考慮した結果等から得られたものである。
また、前記稜線部20はその連続する頂点が形成する稜線21を境に両側に幅の狭い第2の追い側フランク面22及び第2の進み側フランク面23を有し、これら互いのフランク面22、23が形成する前記第2のねじ山角度(β)は90°以上の鈍角であればよいが、その最適角度としては、100°〜120°に設定すればよい。この設定値は、この第2のねじ山角度(β)が90°以下であれば、ねじ山10の稜線部20の角がきつくなり、下穴41に亀裂を発生させる恐れが高く、一方、120°より大きい角度であれば、第1のフランク面12、13と第2のフランク面22、23との接続個所の角がきつくなり、この部分が雌ねじ42のフランク面に食い込む恐れがあることから最適な値として決定されたものである。しかしながら、これ以上であっても第1の追い側及び急峻なフランク面12、14と第2の追い側及び進み側フランク面22、23との接続部24を円弧で接続することにより、前記食い込み作用は解消されるものであり、このように第1の追い側及び急峻なフランク面12、14と第2のフランク面22、23との角を円弧形状にすれば、第2のねじ山角度(β)が120°を超えてもよい。しかも、この第1の追い側及び急峻なフランク面12、14と第2のフランク面22、23とを円弧で接続する構成は特にこの角度に限定するものではなく、反対に前記角度である120°より小さくてもよい。
更に、前記最適角度を詳細に検討したのでそれを示す。表1は本発明における第2のねじ山角度(β)のみを形成し、その他の形状は通常のねじ山形状としたねじ1において、90°、120°、150°とした三種類をサンプルとして夫々3本宛準備し、これらを夫々ワーク40の下穴41に初めてねじ込んだときと初めてねじ込んだときに成形された雌ねじを有する下穴41に二回、三回と再ねじ込みしたときのねじ山10との摩擦により発生する夫々の成形屑の量(あるいは数)を20倍の投影機に写し、これを目視で確認して比較したものである。このときのタッピンねじ1とワーク40の測定条件を示すと、タッピンねじ1の呼び寸法は、呼び径がM3、脚長が12mmで、ねじのメッキは三価クロメートである。またワークは、厚み1.2mmの冷間圧延鋼板、下穴径2.8mmで、このタッピンねじを電動ドライバで締め付ける締め付けトルクは0.8N・mである。
Figure 2014037893
このような前記測定条件に基づき、得られたデータを比較すると、第2のねじ山角度(β)が120°の場合は、成形屑の発生が何れの場合でも最も少ないことがわかる。即ち、この測定に使用されたタッピンねじ1のねじ山10は図4に示す形状であり、前記ねじ山高さは三種類とも同じで前記稜線部の幅(L)も三種類とも同じに設定してあり、第2のねじ山角度(β)は90°、120°、150°に設定したもので、これから明らかなように、図6(イ)に示すように、幅(L)の範囲において稜線部20の断面長さは角90°に設定したものが最も長く、次に長いのは図4に示した、角120°に設定した場合即ち、図6に二点鎖線で示されているねじ山で、最も稜線部20の短いものは図6(ロ)に示すように、角150°に設定したものである。
しかも、第2のねじ山角度(β)が90°、120°、150°夫々の平均値を見ると、ワーク40の下穴41に雌ねじ42を成形しながらねじ込んだ場合は、第2のねじ山角度(β)が120°のタッピンねじ1が最も成形屑の発生量が少ない。また、このタッピンねじ1を緩めて再び同じ雌ねじ穴に二回、三回と繰り返しねじ込んだ場合もねじ込み時に発生する成形屑の量は第2のねじ山角度(β)120°のタッピンねじ1が最も少ないという測定結果が得られた。このことは前記第2のねじ山角度(β)の角度により得られる稜線部20の面積の差異、稜線部20の斜面がワークに作用する応力の分力の大小等の要素が総合的に作用することから得られ、第2のねじ山角度(β)が120°のものが最も好適であることを示している。これにより、この第2のねじ山角度(β)は120°±10%の許容範囲にすることが最も好ましい。以上のこれらの説明で明らかなように、ねじ山10の互いのフランク面の接続を角が無いようにすることで、最適角度は最大100°〜130°に設定することも可能である。
一方、前記稜線部20の幅(L)の設定は、この幅があまり大きいと、下穴41へのタッピンねじ1のねじ込み時に大きなねじ込み抵抗が発生することになり、反対にこの幅(L)が狭いと、ねじ山10の先端の稜線部分に応力集中が発生しやすいことになることに鑑み、ねじ込み時に僅かな傾斜を生じてもねじ山10が雌ねじ42のフランク面に食い付きにくい形状にするために設定されたものである。そして、前記のような関係式にすることで、タッピンねじ1の呼び及びピッチに応じて適切に稜線部の幅(L)を求めることが可能になり、これにより、タッピンねじ1の呼び寸法が変わってねじ山10の高さ(H)が変更されてもその作用はほとんど変化するものではない。
また、このタッピンねじ1は全体にコーティング剤30で覆われている。具体的には、このコーティング剤30は耐候性及び酸化劣性に優れたアクリル系ポリマーを主成分とする粘着剤と金属との密着性に優れたポリオキシアルキレン系ノニオン活性剤と潤滑性に優れたポリエチレンワックス系潤滑剤とから構成され、これらを液状に混合し、この後、これらの混合溶液中にタッピンねじ1を浸すことで全体にコーティング剤30を塗布し、その後、これを160°±20℃の温度で5分間乾燥処理することで得られている。この乾燥処理により、タッピンねじ1の表面に塗布されているコーティング剤30の表面には潤滑成分の多くが浮上して覆うことになり、粘着成分は内包され表面には粘着性が除かれることになる。尚、このタッピンねじ1には全体にコーティング剤30を塗布しているが、このようにねじ全体ではなく少なくともねじ山10が形成されている脚部3の先端から頭部2の座面5かけて塗布されているものであってもよい。
更に、上記説明では、急峻な追い側フランク面14と第1の進み側フランク面13とを前記稜線部20において第2のねじ山角度(β)を有する平坦な斜面の第2の追い側フランク面22と第2の進み側フランク面23とで直線状に接続した構成としたが、この稜線部20の第2のフランク面22、23に代えて、これを円弧形状とした弧状面(図示せず)としてその両端が急峻な追い側フランク面14と第1の進み側フランク面13とに夫々接続される構成としてもよい。また、この他に、前記平坦な斜面の接続部分を全て円弧で接続してもよく、これらによっても十分にその作用が得られる。
このように構成されたタッピンねじ1のねじ山10をあらかじめワーク40に形成されている下穴41に図5に示すようにねじ込むと、脚部3の先端のねじ山10が最初にこの下穴41に嵌り、これをねじ込んでいくと、下穴41にねじ山10の雌ねじ成形部10bで雌ねじ42が徐々に形成されながらねじ込まれる。このとき、ねじ山10により下穴41の内周にねじ山10の稜線部20が徐々に進入していくことになり、このため、下穴41のワーク40の肉をねじ山10の谷部11に入り込むように押し退けながら塑性変形させて雌ねじ42は成形される。このときの雌ねじ42を形成する肉はねじ山10の雌ねじ成形部10bにより押し退けられて形成されるが、下穴径が脚部3のガイド部10aの外径とほぼ同径に設定されているので、ねじ山10の谷部11に充満しないようになっている。これにより雌ねじ42を成形しながらタッピンねじ1がねじ込まれると、ねじ山10の谷部11と雌ねじ42との間には隙間が生じ、この隙間にはねじに塗布されているコーティング剤30が溜まることになる。そして、ねじ込み時に発生する成形屑はこれに吸着捕捉される。しかも、このコーティング剤30には潤滑剤が含まれているので、滑らかなねじ込みが持続し、ねじ込み直後にタッピンねじ1には締結部10c、雌ねじ成形部10b及び座面5の作用により大きな軸力が発生し、部品締結に必要な締結トルクと軸力が正確に得られることになる。
一方、このタッピンねじ1を緩めた場合、雌ねじ42は既に成形されて塑性変形した状態となっており、これに再度、同一のタッピンねじ1をねじ込むと、図7に示すように、タッピンねじ1のねじ山10はその稜線部20が第2の追い側フランク面22と第2の進み側フランク面23を有していることから、ねじ込み開始時に既に形成されている雌ねじ42に嵌り、この雌ねじ42を削ることなく、雌ねじ42にねじ山10が倣いながらねじ込まれることになる。これにより、タッピンねじ1の中心線(B)が既に雌ねじ42が形成された下穴41の中心線(A)に対して角度(θ)だけ傾斜した状態(図7において、実線で示された状態)でねじ込まれても、この傾斜が修正(図7において、二点鎖線で示された状態)されながらねじ込まれるから、ねじ込み時において、成形屑の発生が極端に減少する。
また、本発明の実施例を脚部3の軸線に直交する断面が円形形状のタッピンねじ1により説明したが、これに限定されるものではなく、脚部3の断面が略三角形状となっていても同様の作用効果が得られるものである。
1 タッピンねじ
2 頭部
3 脚部
4 駆動穴
5 座面
10 ねじ山
10a ガイド部
10b 雌ねじ成形部
10c 締結部
11 谷部
12 第1の追い側フランク面
13 第1の進み側フランク面
14 急峻な追い側フランク面
20 稜線部
21 稜線
22 第2の追い側フランク面
23 第2の進み側フランク面
24 接続部
30 コーティング剤
40 ワーク
41 下穴
42 雌ねじ

Claims (4)

  1. 駆動部が形成された頭部とこれと一体の脚部とから構成され、この脚部にワークにねじ込まれるねじ山が形成されたねじ部品であって、
    前記ねじ山は、これの稜線に直交する断面において、谷部からねじ山頂部側に向かって所定のフランク角に構成された第1の進み側フランク面と、谷部から所定高さまで前記進み側フランク角と等しいフランク角に構成される第1の追い側フランク面と、この第1の追い側フランク面のフランク角より小さいフランク角に構成され、第1の追い側フランク面に接続されてねじ山頂部側に向かう急峻な追い側フランク面と、前記第1の進み側フランク面および急峻な追い側フランク面が接続されてねじ山の頂部を構成する稜線部とから構成され、
    前記稜線部は、前記ねじ山の稜線となる頂点を境に幅の狭い第2の進み側フランク面および第2の追い側フランク面を有し、これらフランク面が形成する第2のねじ山角度は前記第1の進み側フランク面および第1の追い側フランク面で規定される第1のねじ山角度より大きい角度であって、100°〜130°の範囲内に設定されていることを特徴とするねじ部品。
  2. 脚部を粘着性と潤滑性を兼ね備えたコーティング剤で覆ったことを特徴とする請求項1に記載のねじ部品。
  3. ねじ山は脚部先端にワークの下穴に嵌入するガイド部を有し、続いて脚部を一周する程度の雌ねじ成形部が形成され、この雌ねじ成形部と頭部との間に連続した同一ねじ山径の締結部を形成し、前記雌ねじ成形部は締結部のねじ山外径より僅かに大きい外径を有していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のねじ部品。
  4. コーティング剤はアクリル系ポリマーを主成分とする粘着剤とポリオキシアルキレン系ノニオン活性剤とポリエチレンワックス系潤滑剤とから構成され、塗布後160℃前後の温度で乾燥処理されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のねじ部品。
JP2013248128A 2013-11-29 2013-11-29 ねじ部品 Pending JP2014037893A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013248128A JP2014037893A (ja) 2013-11-29 2013-11-29 ねじ部品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013248128A JP2014037893A (ja) 2013-11-29 2013-11-29 ねじ部品

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009068490A Division JP5462508B2 (ja) 2009-03-19 2009-03-19 ねじ部品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014037893A true JP2014037893A (ja) 2014-02-27

Family

ID=50286168

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013248128A Pending JP2014037893A (ja) 2013-11-29 2013-11-29 ねじ部品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014037893A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017048845A (ja) * 2015-09-01 2017-03-09 近江Oft株式会社 タッピングねじ
JP2018508728A (ja) * 2015-04-07 2018-03-29 テグワン・メタル・カンパニー・リミテッドDae Kwang Metal.Co.Ltd 緩み防止用ねじ山構造及びその加工工具
JP2019199937A (ja) * 2018-05-18 2019-11-21 株式会社青山製作所 ボルト及び締結構造
JP2019218993A (ja) * 2018-06-19 2019-12-26 株式会社八幡ねじ ゆるみ防止金属製雄ねじ
WO2024024533A1 (ja) * 2022-07-29 2024-02-01 株式会社スパインテック 骨螺子

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5919712A (ja) * 1982-07-22 1984-02-01 阪本 俊二 セ−フテイロツクねじ部材
JPS61181115U (ja) * 1985-04-30 1986-11-12
JP3019615U (ja) * 1995-06-19 1995-12-19 ユルソン株式会社 ねじ部材
JPH081340U (ja) * 1996-02-09 1996-09-03 日東精工株式会社 タッピンねじ
JP2001173627A (ja) * 1999-12-17 2001-06-26 Topura Co Ltd ボルト
JP2006183825A (ja) * 2004-12-28 2006-07-13 Nissei Technica:Kk 潤滑剤を内包のマイクロカプセルを含むねじ溝塗着用組成物と、その応用
WO2008141693A1 (de) * 2007-05-22 2008-11-27 Fischerwerke Gmbh & Co. Kg Gewindeschneidende betonschraube und anordnung mit einer solchen betonschraube

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5919712A (ja) * 1982-07-22 1984-02-01 阪本 俊二 セ−フテイロツクねじ部材
JPS61181115U (ja) * 1985-04-30 1986-11-12
JP3019615U (ja) * 1995-06-19 1995-12-19 ユルソン株式会社 ねじ部材
JPH081340U (ja) * 1996-02-09 1996-09-03 日東精工株式会社 タッピンねじ
JP2001173627A (ja) * 1999-12-17 2001-06-26 Topura Co Ltd ボルト
JP2006183825A (ja) * 2004-12-28 2006-07-13 Nissei Technica:Kk 潤滑剤を内包のマイクロカプセルを含むねじ溝塗着用組成物と、その応用
WO2008141693A1 (de) * 2007-05-22 2008-11-27 Fischerwerke Gmbh & Co. Kg Gewindeschneidende betonschraube und anordnung mit einer solchen betonschraube

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018508728A (ja) * 2015-04-07 2018-03-29 テグワン・メタル・カンパニー・リミテッドDae Kwang Metal.Co.Ltd 緩み防止用ねじ山構造及びその加工工具
US10871182B2 (en) 2015-04-07 2020-12-22 Dae Kwang Metal.Co.Ltd Screw thread structure for preventing being pulled out and tool for manufacturing same
JP2017048845A (ja) * 2015-09-01 2017-03-09 近江Oft株式会社 タッピングねじ
CN112105825A (zh) * 2018-05-18 2020-12-18 株式会社青山制作所 螺栓以及紧固构造
WO2019220989A1 (en) 2018-05-18 2019-11-21 Aoyama Seisakusho Co., Ltd. Bolt and fastening structure
JP2019199937A (ja) * 2018-05-18 2019-11-21 株式会社青山製作所 ボルト及び締結構造
JP7086470B2 (ja) 2018-05-18 2022-06-20 株式会社青山製作所 ボルト及び締結構造
CN112105825B (zh) * 2018-05-18 2022-07-05 株式会社青山制作所 螺栓以及紧固构造
US11988238B2 (en) 2018-05-18 2024-05-21 Aoyama Seisakusho Co., Ltd. Bolt and fastening structure
JP2019218993A (ja) * 2018-06-19 2019-12-26 株式会社八幡ねじ ゆるみ防止金属製雄ねじ
WO2019244759A1 (ja) * 2018-06-19 2019-12-26 株式会社八幡ねじ ゆるみ防止金属製雄ねじ
US11835080B2 (en) 2018-06-19 2023-12-05 Yahata Holdings Corporation Anti-loosening metallic externally threaded fastener
WO2024024533A1 (ja) * 2022-07-29 2024-02-01 株式会社スパインテック 骨螺子

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2014037893A (ja) ねじ部品
JP5269431B2 (ja) タッピンねじ
JP5122686B2 (ja) タッピンねじ
JP2013542381A (ja) ねじ締結具
CA3072757C (en) Sheet metal screw
JPH09155640A (ja) 盛上げタップ
JP5243906B2 (ja) ねじ部品におけるねじ山
JP5627951B2 (ja) ねじ
JP4490358B2 (ja) タッピンねじ
JP5027916B2 (ja) 緩み止めねじ
JP5462508B2 (ja) ねじ部品
TW201143943A (en) Thread-forming screw tap for thin wall material
JP2012013133A (ja) 緩み止めねじ
JP2007292131A (ja) 雌ねじ成形機能付きねじ
WO2016017189A1 (ja) 軟質金属用セルフタップねじ
JP2006305700A (ja) タップ及びタップの製造方法。
AU2015303305A1 (en) Drilling screw
JP2009101485A (ja) 太径雌ねじ加工用盛上げタップ
JP2009150534A (ja) 部品締結用タッピンねじ
JP2008275062A (ja) 高硬度アルミニウム合金製ねじ
JP2007100741A (ja) タッピンねじ
JP2007321930A (ja) 薄板締結用タッピンねじ
JP2004316875A (ja) ねじ込み性能の良いセルフタップ用ねじ
CN106133345B (zh) 自攻螺钉及其紧固结构
WO2020017173A1 (en) Coating film peeling nut

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20131209

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140926

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141006

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20150219