JP3320939B2 - ナット - Google Patents

ナット

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JP3320939B2
JP3320939B2 JP06492995A JP6492995A JP3320939B2 JP 3320939 B2 JP3320939 B2 JP 3320939B2 JP 06492995 A JP06492995 A JP 06492995A JP 6492995 A JP6492995 A JP 6492995A JP 3320939 B2 JP3320939 B2 JP 3320939B2
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和雄 北浦
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有限会社ユース北浦
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、螺合部の緩み止めおよ
び螺合部の間隙によるナットと雄ねじとの間のガタ止め
を図ることができるナットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より螺合部の緩み止めを図るナット
および螺合構造は多数提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
緩み止めナットおよび螺合構造は、 (a)緩み止め機能が十分でなかったり、 (b)コストが高くなったり、 (c)締め付けたときにナットおよび雄ねじのねじ山が
大きく損傷したり、 (d)締結作業に手間がかるようになったり(例えば、
ダブルナットによる緩み止めの場合、ナットを2個締結
する必要がある)、する等の問題を有していた。
【0004】また、従来のナットは、雄ねじと螺合する
際、最初にナットの軸線と雄ねじの軸線とを合わせるの
に手間が掛かるという問題があった。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、本発明の一つの目的は、螺合部の緩み止めお
よびガタ止めを効果的に図ることができるナットを提供
することにある。
【0006】本発明の他の目的は、緩み止めおよびガタ
止めを効果的に図ることができて、しかも製造コストを
安価にすることができるナットを提供することにある。
【0007】本発明の他の目的は、緩み止めおよびガタ
止めを効果的に図ることができて、しかも、ナットおよ
び雄ねじのねじ山を損傷させないか、または損傷させて
もその損傷を小さくすることができるナットを提供する
ことにある。
【0008】本発明の他の目的は、緩み止めおよびガタ
止めを効果的に図ることができて、しかも締付作業に手
間が掛からないナットを提供することにある。
【0009】本発明の他の目的は、ナットと雄ねじと螺
合する際、ナットの軸線と雄ねじの軸線とを速やかに合
致させ、両者を速やかに螺合することができるナットを
提供することにある。
【0010】本発明のさらに他の目的は以下の説明から
明らかになろう。
【0011】
【課題を解決するための手段】
【0012】発明によるナットは、ねじ穴を設けられ
たナット本体と、このナット本体の一方の座面側に設け
られた凹部と、前記凹部内に収容された係合部材と、前
記係合部材に設けられた弾性を有する複数の板状の係合
片とを有してなり、前記ねじ穴の一端は前記凹部の底部
に開口しており、初期状態では、前記係合部材の一部が
前記凹部外に突出されており、前記係合部材は、前記凹
部の底部側に一定以上強く押されると、前記係合片が前
記凹部の内面に押し付けられることにより、該係合片の
先端が前記ねじ穴の中心側に移動するように変形される
ものである。
【0013】
【作用】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】発明のナットにおいては、雄ねじを係合
部材の係合片の先端間に貫通するとともに該雄ねじをナ
ット本体の雌ねじに螺合し、ナット本体を締め付けて行
くと、被締付体により係合部材が凹部の底部側に一定以
上強く押される。すると、係合部材が、係合片の先端が
ねじ穴の中心側に移動するように変形され、係合片の先
端が雄ねじの谷に食い込むとともに、係合片の他の部分
が外側に膨らんで凹部の内面に強く押圧される(このと
き、場合によっては係合部材の他の部分も凹部の内面に
強く押圧される)ので、係合部材がナット本体に対し強
固に固定された状態となる。したがって、極めて強固
に、ナットと雄ねじとの間の緩み止めおよびガタ止めが
図られる。
【0019】そして、ナット本体の雌ねじは通常のナッ
トの雌ねじと全く同様の形態とすることができるととも
に、係合部材の方もプレス加工により安価に製造できる
ので、製造コストを比較的に安くすることができる。
【0020】また、上述のように、弾性を有する係合片
が雄ねじの谷に係合することにより、緩み止めおよびガ
タ止めが図られるので、ナットおよび雄ねじのねじ山が
損傷することがないか、損傷を生じてもその損傷を小さ
くできる。
【0021】
【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて
説明する。
【0022】図1〜5は、本発明の第一実施例を示す。
この第一実施例において、ナット1はナット本体2と係
合部材3とからなっている。前記ナット本体2は、鋼鉄
等の金属からなり、六角ナット状とされており、その中
心部にねじ穴4を設けられている。前記ナット本体2の
一方の座面5側には、ねじ穴4と同軸に凹部6が設けら
れており、ねじ穴4の一端はこの凹部6の底部6aに開
口されている。
【0023】前記係合部材3は、鋼板、ステンレス鋼
板、バネ鋼板等の適当な弾性を有する金属板材をプレス
成形することにより構成されており、基部7と複数の係
合片8とを一体的に有している。前記基部7は、全体
に、ナット本体2の外形に対応する六角形状とされてい
て、側壁部7aと、座面部7bとを有しており、側壁部
7aをナット本体2の外側面に、座面部7bをナット本
体2の座面5にそれぞれ沿わされるようにして、ナット
本体2の座面5付近に外側から被せられた上、側壁部7
aをナット本体2にスポット溶接またはプロジェクショ
ン溶接されることにより、ナット本体2に固定的に取り
付けられている(9はスポット溶接部を示している)。
【0024】前記係合片8は、基部7から先端を前記ね
じ穴4の軸線側に向けて放射状に突出されている。図2
に示されるように、縦断面で見ると、これらの係合片8
は、凹部6の座面5側の開口に対し凹に湾曲しながら、
基部7からねじ穴4の軸線に対し斜め方向に凹部6内に
侵入している。
【0025】次に、本実施例の作動を図5を用いて説明
する。ナット1を雄ねじ10に螺合するには、最初は雄
ねじ10に対してナット1を相対的に回転することな
く、雄ねじ10が係合片8の先端間に侵入するように雄
ねじ10に対してナット1を相対的に直線的に移動する
と、係合片8が弾性曲げ変形することにより、係合片8
の先端が雄ねじ10のねじ山を越えて行く。このように
してねじ穴4の凹部6側の一端が雄ねじ10のねじ山に
当接し、雄ねじ10に対してそれ以上ナット1を相対的
に直線移動できなくなると、係合片8の先端が雄ねじ1
0の谷に係合した状態となる。このような状態になった
ならば、ナット1を雄ねじ10に対し締付方向(ねじ込
み方向)に相対的に回転すると、ねじ穴4の雌ねじと雄
ねじ10とが螺合する一方、係合片8の先端はナット1
と雄ねじ10との間の相対回転に従って雄ねじ10の谷
に沿って相対的に移動する。
【0026】このナット1においては、ナット1のねじ
穴4の雌ねじと雄ねじ10とが螺合されると同時に係合
片8の先端が雄ねじ10の谷に係合した状態となるの
で、ナット1と雄ねじ10との間の緩み止めおよびガタ
止めが図られる。
【0027】また、このナット1においては、その雌ね
じを通常のナットの雌ねじと全く同様の形態とすること
ができるとともに、係合部材3の方もプレス加工により
安価に製造できるので、製造コストを比較的に安くする
ことができる。
【0028】また、上述のように、弾性を有する係合片
8が雄ねじ10の谷に係合することにより、緩み止めお
よびガタ止めが図られるので、締め付けても、ナット1
および雄ねじ10のねじ山が損傷することがないか、損
傷を生じてもその損傷を小さくできる。
【0029】また、雄ねじ10と螺合する際、雄ねじ1
0の先端を凹部6の開口に大体合わしさえすれば、係合
片8が雄ねじ10の先端をナット1の軸線に向かって案
内するガイドとして機能するので、ナット1の軸線と雄
ねじ10の軸線とを速やかに合致させ、ナット1と雄ね
じ10とを速やかに螺合することができる。
【0030】なお、ナット1と雄ねじ10とを螺合する
際、最初からナット1を雄ねじ10に対して相対的に回
転してもよく、その場合は、係合片8の先端は最初から
雄ねじ10の谷に沿って相対的に移動して行く。なお、
この場合は、ナット1と雄ねじ10との螺合に若干時間
がかかるようになる。
【0031】図6は、本発明の第二実施例を示す。本実
施例においては、スポット溶接またはプロジェクション
溶接ではなく、かしめにより係合部材3をナット本体2
に固定的に取り付けている。すなわち、係合部材3の基
部7をナット本体2の座面5付近に外側から被せた上、
側方からピン等により係合部材3の側壁部の適当な部分
を強く押して、該部分をナット本体2の該部分に重なる
部分とともに陥没させることにより(11はこの陥没部
分を示している)、係合部材3とナット本体2とをかし
めている。他の構成は前記図1〜5の第一実施例と同様
である。
【0032】本実施例においても、前記第一実施例の場
合と同様の作用効果を得ることができる。
【0033】図7〜9,13は本発明の第三実施例を示
す。本実施例において、ナット本体2は、後述するかし
めのための塑性変形部分14を除いて前記図1〜5の第
一実施例の場合と同様の形状とされている。
【0034】係合部材3は、鋼板、ステンレス鋼板、バ
ネ鋼板等の適当な弾性を有する金属板材をプレス成形す
ることにより構成されており、基部7と複数の係合片8
とを一体的に有しており、全体を凹部6内に収容されて
いる。前記基部7は、大略のところ、ナット本体2に設
けられた凹部6の径に対応する径を有する円筒状をなし
ている。前記係合片8は、基部7の凹部6の底部と反対
側の端部から先端をねじ穴4の軸線側に向けて放射状に
突出されている。図8に示されるように、縦断面で見る
と、これらの係合片8は、凹部6のねじ穴4と反対側の
開口に対し凹に湾曲しながら、基部7から凹部6の底部
6a側に向かってねじ穴4の軸線に対し斜め方向に延び
ている。
【0035】前記係合部材は、図10〜12に示される
ようなかしめ作業によってナット本体2にかしめられる
ことにより、凹部6内においてナット本体2に固定的に
取り付けられている。すなわち、これらの図において1
2はかしめ作業を行う金型を示しており、下方にナット
本体2の外周に対応する大きさの横断面六角形状の凹部
13を有している。この凹部13の開口周縁部およびこ
の凹部13の周面と天井面との交差部はそれぞれRを付
けられてR部13a,13bとされている。図10およ
び11のように係合部材3をナット本体2の凹部6内に
収容した状態で、金型12の凹部13の天井面でナット
本体2の外側面と凹部6との間の周壁部分の先端を押圧
すると、該先端付近の部分が内側に塑性変形し(14は
この塑性変形部分を示す)、係合部材3をかしめ、係合
部材3を凹部6内に固定する。なお、本実施例では、前
記塑性変形部分14の外面がナット本体2の座面5を形
成することになる。
【0036】図13は本実施例の使用状態の一例を示し
ており、本実施例においても、前記各実施例の場合と同
様の作用効果を得ることができる。その上、本実施例で
は、係合部材3全体がナット本体2の凹部6内に収容さ
れており、係合部材3がナット本体2外に露出しないの
で、係合部材3の存在が螺合作業等に支障を生じさせる
ことがない。
【0037】なお、このように係合部材3全体を凹部6
内に収容する場合も、かしめによらず、スポット溶接ま
たはプロジェクション溶接等により係合部材3をナット
本体2に固定してもよい。
【0038】図14は、本発明の第四実施例を示す。本
実施例においては、ナット本体2の凹部6内に係合部材
3を収容した上、ナット本体2の凹部6側の端部に座金
状部材26を溶接、スポット溶接、またはかしめ等によ
って固定して一体化することにより、座金状部材26で
係合部材3を凹部6外に脱出できないように拘束するこ
とにより、係合部材3を凹部6内に固定的に取り付けて
いる。他の構成は前記図7〜9,13の第三実施例と同
様である。なお、本実施例では、座金状部材26の表面
がナット本体2の座面5を構成することになる。
【0039】本実施例においても、前記第三実施例と同
様の作用効果を得ることができる。
【0040】図15〜19,23は、本発明の第五実施
例を示す。本実施例において、鋼鉄等の金属からなるナ
ット本体2は、前記図7〜9,13の第三実施例の場合
と同様の形状とされている。すなわち、ナット本体2
は、六角ナット状とされており、その中心部にねじ穴4
を設けられている。前記ナット本体2の一方の座面5側
には、ねじ穴4と同軸な凹部6が設けられており、この
凹部6の底部6a付近はRを付けられることにより座面
5から離れるほど径が小さくなるようにされている。ね
じ穴4の一端は前記凹部6の底部6aに開口されてい
る。ナット本体2の外側面と凹部6との間の周壁部分の
先端付近の部分は、後で詳しく説明するかしめのため
に、内側に塑性変形されている(14はこの塑性変形部
分を示す)。
【0041】係合部材3は、鋼板、ステンレス鋼板、バ
ネ鋼板等の適当な弾性を有する金属板材をプレス成形す
ることにより構成されており、基部7と複数の係合片8
とを一体的に有している(図18,19は係合部材3の
みを取り出して示している)。前記基部7は、ナット本
体1の塑性変形部分14の内径より小さい径を有する円
筒状部7cと、この円筒状部7cの一端から外側に広が
る肩部7dとからなっており、肩部7dの外径は塑性変
形部分14の内径より大きくされている。前記係合片8
は、肩部7dから若干内側に湾曲しながら凹部6の底部
6a側に延びている。
【0042】図20〜22は、本実施例の製造工程にお
いて、凹部6内に係合部材を収容する作業工程を示して
いる。これらの図において、12はプレス金型を示して
おり、下方にナット本体2の外周に対応する大きさの横
断面六角形状の凹部13を有している。この凹部13の
開口周縁部およびこの凹部13の周面と天井面との交差
部はそれぞれRを付けられてR部13a,13bとされ
ている。前記凹部13の天井面の中央部には、係合部材
3の円筒状部7cを変形させないようにするための逃げ
部15が設けられている。
【0043】図20および21のように係合部材3をナ
ット本体2の凹部6内に収容した状態で、金型12の凹
部13の天井面でナット本体2の外側面と凹部6との間
の周壁部分の先端を押圧すると、該先端付近の部分が内
側に塑性変形し(14はこの塑性変形部分を示す)、係
合部材3の肩部7dをかしめ、係合部材3を一応凹部6
内に固定した状態としている。そして、この状態(初期
状態)では、円筒状部7cの一部がナット本体2外に若
干突出している。なお、本実施例では、前記塑性変形部
分14の外面がナット本体2の座面5を形成することに
なる。
【0044】図23は、本実施例のナット1の使用状態
を示しており、雄ねじ10を被締付体17に設けられた
ねじ挿通穴18に挿通するとともに、ナット本体2のね
じ穴4の雌ねじに螺合する(このとき雄ねじ10は係合
部材3の係合片8の先端間を貫通する)。このようにし
て、ナット本体2を締め付けて行き、被締付体17が円
筒状部7c先端に当接すると、係合部材3は、凹部6の
底部6a側に一定以上強く押され、係合片8が凹部6の
内面に押し付けられる。すると、係合片8が内側に湾曲
されている上、凹部6の底部6a付近がRを付けられる
ことにより座面5から離れるほど径が小さくなるように
されているので、該係合片8の先端がねじ穴4の中心側
に移動するように変形される。これにより、係合片8の
先端が雄ねじ10の谷に食い込むとともに、係合片8の
他の部分が外側に膨らんで凹部6の内面に強く押圧され
る(このとき、場合によっては係合部材3の基部7も凹
部6の内面に強く押圧される)ので、係合部材3がナッ
ト本体2に対し強固に固定された状態となる。したがっ
て、極めて強固に、ナット1と雄ねじ10との間の緩み
止めおよびガタ止めが図られる。
【0045】また、本実施例においても、ナット本体2
の雌ねじは通常のナットの雌ねじと全く同様の形態とす
ることができるとともに、係合部材3の方もプレス加工
により安価に製造できるので、ナット1の製造コストを
比較的に安くすることができる。
【0046】また、上述のように、弾性を有する係合片
8が雄ねじ10の谷に係合することにより、緩み止めお
よびガタ止めが図られるので、ナット1および雄ねじ1
0のねじ山が損傷することがないか、損傷を生じてもそ
の損傷を小さくできる。
【0047】なお、前記実施例では、初期状態(係合部
材3が凹部の底部側に強く押される前の状態)において
係合部材3がナット本体2に一応固定されているが、初
期状態において係合部材3がナット本体2に対しある程
度動けるようにしておいてもよい。
【0048】図24は、本発明の第六実施例を示す。本
実施例においては、係合部材3の係合片8は、初期状態
においては内側に湾曲されておらず、ストレートに延び
ている。他の構成は前記図15〜19,23の第五実施
例の場合と同様である。
【0049】本実施例においても、凹部6の底部6a付
近がRを付けられることにより座面5から離れるほど径
が小さくなるようにされているので、初期状態では係合
片8がストレート状に延びていても、係合部材3が凹部
6の底部6a側に一定以上強く押されると、内側に湾曲
して、係合片8の先端がねじ穴4の中心側に移動するよ
うに変形され、係合片8の先端が雄ねじ10の谷に食い
込むので、前記第五実施例と同様の作用効果を得ること
ができる。
【0050】図25は、本発明の第七実施例を示す。本
実施例においては、凹部6の底部6aは平らにされてい
る。他の構成は前記図15〜19,23の第五実施例の
場合と同様であり、係合片8は内側に湾曲されている。
【0051】本実施例においても、係合片8が内側に湾
曲されているので、凹部6の底部6aが平らにされてい
ても、係合部材3が凹部6の底部6a側に一定以上強く
押されると、係合片8の先端がねじ穴4の中心側に移動
するように係合片8がより大きく内側に湾曲して、係合
片8の先端が雄ねじ10の谷に食い込むので、前記第五
実施例および第六実施例と同様の作用効果を得ることが
できる。
【0052】図26は本発明の第八実施例を示し、図2
7および28は該第八実施例における係合部材のみを取
り出して示したものである。本実施例においては、ナッ
ト本体2は前記図15〜19,23の第五実施例の場合
と基本的に同様の構成となっているが、ナット本体2の
外側面と凹部6との間の周壁部分の先端付近の部分が内
側に塑性変形されておらず、その代わりに、該周壁部分
の互いに180度をなす位置に、側方からピン等により
強く押すことにより、内側に突出する突起部19が設け
られている。
【0053】係合部材3は、鋼板、ステンレス鋼板、バ
ネ鋼板等の適当な弾性を有する金属板材をプレス成形す
ることにより構成されており、円筒形の基部7と複数の
係合片8とを一体的に有している。前記係合片8は、基
部7の一端から若干内側に湾曲しながら凹部6の底部6
a側に延びている。前記係合片8には、互いに180度
をなす位置において、基部7から係合片8にまで軸線方
向と平行方向に延びる長穴20が設けられており、これ
らの長穴20は突起部19に嵌合されている。そして、
初期状態(係合部材3が凹部の底部側に強く押される前
の状態)では、突起部19は長穴20の、凹部6の底部
6a側の端部に位置している。また、初期状態では、基
部7の一部がナット本体2外に若干突出している。
【0054】なお、本実施例においても、初期状態にお
いては、係合部材3は突起部19と凹部6の底部6aと
の間に拘束されることにより、ナット本体2に一応固定
されているが、係合部材3がナット本体2に対しある程
度動けるようにしてもよい。
【0055】本実施例においても、前記図15〜19,
23の第五実施例の場合と同様の作用効果を得ることが
できる。すなわち、ナット本体2を締め付けて行き、被
締付体(17)が基部7の先端に当接すると、係合部材
3は、凹部6の底部6a側に一定以上強く押され、係合
片8が凹部6の内面に押し付けられる。すると、該係合
片8の先端がねじ穴4の中心側に移動するように変形さ
れる(このとき、突起部19は相対的に長穴20に沿っ
て移動する)。これにより、係合片8の先端が雄ねじ
(10)の谷に食い込むとともに、係合片8の他の部分
が外側に膨らんで凹部6の内面に強く押圧される(この
とき、場合によっては係合部材3の基部7も凹部6の内
面に強く押圧される)ので、係合部材3がナット本体2
に対し強固に固定された状態となる。したがって、極め
て強固に、ナット1と雄ねじ(10)との間の緩み止め
およびガタ止めが図られる。
【0056】図29は、本発明の九実施例を示す。本実
施例においては、ナット本体2の凹部6内に係合部材3
を収容した上、ナット本体2の凹部6側の端部に座金状
部材26を溶接、スポット溶接、またはかしめ等によっ
て固定して一体化することにより、座金状部材26で係
合部材3を凹部6外に脱出できないように拘束してい
る。他の構成は前記図15〜19,23の第五実施例と
同様である。なお、本実施例では、座金状部材26の表
面がナット本体2の座面5を構成することになる。
【0057】本実施例においても、前記第五,六,七お
よび八実施例と同様の作用効果を得ることができる。
【0058】図30および31は本発明の第十実施例を
示す。これまで述べた実施例では、係合部材3が最初か
らナット本体1に取り付けられていたが、本実施例の螺
合構造では、最初は係合部材3がナット1から分離して
いる。
【0059】本実施例において、ナット1は、前記図1
5〜19,23の第五実施例のナット本体2と同様の構
成とされている。係合部材3も前記第五実施例のそれと
同様の構成とされているが、その大きさはナット1の外
部から凹部6内に侵入させることができる大きさとされ
ている。そして、係合部材3が凹部6内に収容されたと
き、係合部材3の円筒状部7cの先端側がナット1外に
突出するようになっている。
【0060】本実施例においても、前記図15〜19,
23の第五実施例の場合と同様の作用効果を得ることが
できる。すなわち、雄ねじ(10)を係合部材3に挿通
した状態でナット1を雄ねじ(10)に螺合し、ナット
1を締め付けて行き、被締付体(17)が基部7の先端
に当接すると、係合部材3は、凹部6の底部6a側に一
定以上強く押され、係合片8が凹部6の内面に押し付け
られる。すると、該係合片8の先端がねじ穴4の中心側
に移動するように変形される。これにより、係合片8の
先端が雄ねじ(10)の谷に食い込むとともに、係合片
8の他の部分が外側に膨らんで凹部6の内面に強く押圧
される(このとき、場合によっては係合部材3の基部7
も凹部6の内面に強く押圧される)ので、係合部材3が
ナット本体2に対し強固に固定された状態となる。した
がって、極めて強固に、ナット1と雄ねじ(10)との
間の緩み止めおよびガタ止めが図られる。
【0061】なお、本実施例のように、最初は係合部材
3がナット1から分離している場合において、ナット1
と被締付体等との間に座金を介装し、この座金により係
合部材3を凹部6内に拘束するようにしてもよい。
【0062】また、前記第五、六、七、八、九および十
実施例では、初期状態では、係合部材3の一部がナット
本体2(またはナット1)外に突出されるようになって
いるが、締付時に係合部材3を押す凸部を被締付部材1
7側に設けたり、締付時に係合部材を押す部材を被締付
部材17とナット本体2(またはナット1)との間に介
在させる等の手段を講じれば、初期状態から係合部材3
全体が凹部6内に収容されるようにしてもよい。
【0063】
【発明の効果】以上のように本発明は、 (イ)緩み止めおよびガタ止めを効果的に図ることがで
きる、 (ロ)製造コストを安価にすることができる、 (ハ)ナットおよび雄ねじのねじ山を損傷させないか、
または損傷させてもその損傷を小さくすることができ
る、 (ニ)締付作業に手間が掛からない、 (ホ)ナットと雄ねじと螺合する際、ナットの軸線と雄
ねじの軸線とを速やかに合致させ、ナットと雄ねじとを
速やかに螺合することができる、等の優れた効果を得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例を示す平面図である。
【図2】図2のII−II線における断面図である。
【図3】前記第一実施例を示す側面図である
【図4】前記第一実施例を示す底面図である。
【図5】前記第一実施例の使用状態を示す断面図である
【図6】本発明の第二実施例を示す縦断面図である。
【図7】本発明の第三実施例を示す平面図である。
【図8】図7のVIII−VIII線における断面図で
ある。
【図9】前記第三実施例を示す底面図である。
【図10】前記第三実施例のナットの製造工程における
かしめ作業直前の状態を示す断面図である。
【図11】前記第三実施例のナットの製造工程における
かしめ作業完了時の状態を示す断面図である。
【図12】前記第三実施例のナットの製造工程における
かしめ作業用のプレス金型を示す底面図である。
【図13】前記第三実施例の使用状態を示す断面図であ
【図14】本発明の第四実施例を示す縦断面図である。
【図15】本発明の第五実施例を示す平面図である。
【図16】図2のXVI−XVI線における断面図であ
る。
【図17】前記第五実施例を示す側面図である
【図18】前記第五実施例における係合部材を示す平面
図である。
【図19】前記第五実施例における係合部材を示す正面
図である。
【図20】前記第五実施例のナットの製造工程における
かしめ作業直前の状態を示す断面図である。
【図21】前記第五実施例のナットの製造工程における
かしめ作業完了時の状態を示す断面図である。
【図22】前記第五実施例のナットの製造工程における
かしめ作業用のプレ金型を示す底面図である。
【図23】前記第五実施例の使用状態を示す断面図であ
【図24】本発明の第六実施例を示す縦断面図である。
【図25】本発明の第七実施例を示す縦断面図である。
【図26】本発明の第八実施例を示す縦断面図である。
【図27】前記第八実施例における係合部材を示す底面
図である。
【図28】前記第八実施例における係合部材を示す側面
図である。
【図29】本発明の第九実施例を示す縦断面図である。
【図30】本発明の第十実施例を示す縦断面図である。
【図31】前記第十実施例において係合部材がナット内
に収容された状態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 ナット 2 ナット本体 3 係合部材 4 ねじ穴 5 座面 6 凹部 7 基部 8 係合片 10 雄ねじ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−129416(JP,A) 実開 昭59−37417(JP,U) 実開 昭61−124713(JP,U) 実開 平4−80913(JP,U) 実開 昭51−55164(JP,U) 実開 平3−26817(JP,U) 特公 昭30−7810(JP,B1) 実公 昭45−27155(JP,Y1) 実公 昭44−4009(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16B 39/00 - 39/38

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ねじ穴を設けられたナット本体と、この
    ナット本体の一方の座面側に設けられた凹部と、前記凹
    部内に収容された係合部材と、前記係合部材に設けられ
    弾性を有する複数の板状の係合片とを有してなり、 前記ねじ穴の一端は前記凹部の底部に開口しており、 初期状態では、前記係合部材の一部が前記凹部外に突出
    されており、 前記係合部材は、前記凹部の底部側に一定以上強く押さ
    れると、前記係合片が前記凹部の内面に押し付けられる
    ことにより、該係合片の先端が前記ねじ穴の中心側に移
    動するように変形されることを特徴とするナット。
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