JP2002089532A - ナット - Google Patents

ナット

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JP2002089532A
JP2002089532A JP2000282773A JP2000282773A JP2002089532A JP 2002089532 A JP2002089532 A JP 2002089532A JP 2000282773 A JP2000282773 A JP 2000282773A JP 2000282773 A JP2000282773 A JP 2000282773A JP 2002089532 A JP2002089532 A JP 2002089532A
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nut
casing
hole
plate
neck portion
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JP2000282773A
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English (en)
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Hideshi Fukaya
秀史 深谷
Akira Sugiyama
晃 椙山
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MITSUTOMO KK
Mitsuchi Corp
Original Assignee
MITSUTOMO KK
Mitsuchi Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 部材の連結が容易なナットを提供する。 【解決手段】 ケーシング2内にテーパ穴4を形成す
る。該テーパ穴4に、周方向に複数に分割したナットセ
グメント6を配置する。各ナットセグメント6をテーパ
穴4の小径側へ付勢する。前記ケーシング2側には前記
ナットセグメント6間に位置してガイド片5を突設す
る。このようなナット1のケーシング2の基部3に筒状
の首部14を一体形成する。この首部14の外径は、前
記ケーシング2の外径より小さく、かつ、この首部14
を定着する被連結板16の定着穴17より小径に形成す
る。更に、首部14の長さLを被連結板16の板厚tよ
り長く形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ナットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ボルトに対し、締め付け位置まで
回転することなく挿入し、締め付け位置で若干回転する
ことにより完締めできるナットが知られている(例えば
実公昭55−48171号公報)。
【0003】このナットは、図18に示すように、ナッ
ト100を構成するケーシング101内に、テーパ穴1
02を形成し、このテーパ穴102内に、周方向に複数
に分割されたナットセグメント103を軸方向に摺動可
能に配置して、該各ナットセグメント103の軸方向移
動によりこれらナットセグメント103で形成されるね
じ穴104が拡縮するようにし、更に、該各ナットセグ
メント103をテーパ穴102の小径側へ付勢するスプ
リング105が設けられている。また、前記各ナットセ
グメント103間に位置してガイド片109がケーシン
グ101より突出して設けられている。
【0004】そして、前記のナット100を図18
(c)に示すように、他方の被連結部材107に挿通し
たボルト106に対して矢印A方向へ圧入すると、その
ボルト106のねじ山によりナット100の各ナットセ
グメント103がスプリング105の付勢力に抗してテ
ーパ穴102の大径側へ移動してねじ穴104が拡径
し、そのナット100を回転することなくボルト106
へ挿入できる。
【0005】そして、締め付けられる被連結部材107
Aの面108にナット100が当ると、スプリング10
5の付勢力により各ナットセグメント103がテーパ穴
102の小径側へ押し移動されて各ナットセグメント1
03の雌ねじ部がボルト106の雄ねじ部に嵌合するた
め、その後、ナット100を締め方向へ少量回転するの
みでナット100の完締めができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記従来のナットにお
いては、例えば図18(c)に示すように、締め付けら
れる一方の被連結部材107側から矢印Bのようにボル
ト106を挿通し、他方の被連結部材107A側からナ
ット100を矢印A方向へ押し込まなければならない。
そのため、例えば、プレハブ住宅のパネル相互の連結や
自動車の車体等の金属板相互の連結において、前記のナ
ット100が一方の部材107Aの裏側で作業者の手が
入らない位置に配置される場合には、そのナット100
の締着ができない問題がある。
【0007】更に、前記のナット100においては、締
着後、そのナット100を締め方向と逆の方向に回転す
ると、そのナット100がボルト106より外れるた
め、いたずら防止や盗難防止を必要とする場合には適用
できない問題があった。
【0008】そこで本発明は、前記の問題を解決するナ
ットを提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めに、請求項1記載の第1の発明は、ケーシング内にテ
ーパ穴を形成し、該テーパ穴に、周方向に複数に分割し
たナットセグメントを配置するとともに該各ナットセグ
メントをテーパ穴の小径側へ付勢し、かつ、前記ケーシ
ング側には前記ナットセグメント間に位置してガイド片
を突設し、前記テーパ穴の小径側からボルトを挿入する
ことにより各ナットセグメントが大径側へ移動して各ナ
ットセグメントで形成されるねじ穴が拡径するようにし
たナットにおいて、前記ナットにおけるケーシングの基
部側に、ケーシングの外径よりも縮径した首部を突設
し、該首部はボルト挿入穴を有する筒状で、かつ、その
首部の外径は全長にわたって、この首部を定着する被連
結板の定着穴より小径に形成されていることを特徴とす
るものである。
【0010】請求項2記載の第2の発明は、ケーシング
内にテーパ穴を形成し、該テーパ穴に、周方向に複数に
分割したナットセグメントを配置するとともに該各ナッ
トセグメントをテーパ穴の小径側へ付勢し、かつ、前記
ケーシング側には前記ナットセグメント間に位置してガ
イド片を突設し、前記テーパ穴の小径側からボルトを挿
入することにより各ナットセグメントが大径側へ移動し
て各ナットセグメントで形成されるねじ穴が拡径するよ
うにしたナットにおいて、前記ナットにおけるケーシン
グの基部側に、ケーシングの外径よりも縮径した首部を
突設し、該首部はボルト挿入穴を有する筒状で、かつ、
その首部の外径は全長にわたって、この首部を定着する
被連結板の定着穴より小径に形成され、その首部を被連
結板の定着穴に挿入して外側へかしめて、そのナットを
被連結板に離脱不能に定着することを特徴とするもので
ある。
【0011】この第1及び第2の発明においては、ナッ
トの首部を被連結板に形成した定着穴に挿通してその首
部を外側へかしめて塑性変形させ、そのナットを被連結
板に回転可能或いは回転不能に、かつ、離脱不能に定着
する。
【0012】そして、このナット内へボルトを圧入する
と、各ナットセグメントがテーパ穴の大径側へ押し移動
されてねじ穴が拡径し、ナットを回転することなくボル
トを挿入でき、ボルトの挿入が停止されると、各ナット
セグメントが縮径方向に移動して螺合される。
【0013】したがって、例えばナットが定着された一
方の被連結板とボルトが定着された他方の被連結部材
を、ボルトがナット内へ挿入されるように相互に近づけ
るのみで被連結部材の連結が行える。
【0014】そのため、ナットが、一方の被連結板の裏
側で作業者の手が入らない位置に配置される場合におい
ても、容易に被連結部材の連結が行える。
【0015】更に、前記の連結状態においてナットを締
め付け方向と逆の方向に回転した場合においても、各ナ
ットセグメントがボルトと螺着する方向へ付勢されてい
るため、ナットがボルトより外れることがない。
【0016】請求項3記載の第3の発明は、軸方向に貫
通する貫通穴を有するケーシング内に、環状の板材であ
ってその内周に、周方向に複数個の係止爪を有し、かつ
その係止爪がケーシングの軸方向に弾性を有する板状ナ
ットを備え、ケーシングの基部側から貫通穴内へボルト
を挿入することにより、そのボルトの外周に前記板状ナ
ットの係止爪が係止して相互に固定されるようにし、前
記ケーシングの基部側に、ケーシングの外径よりも縮径
した首部を突設し、該首部はボルト挿入穴を有する筒状
で、かつ、その首部の外径は全長にわたって、この首部
を定着する被連結板の定着穴より小径に形成されている
ことを特徴とするものである。
【0017】請求項4記載の第4の発明は、軸方向に貫
通する貫通穴を有するケーシング内に、環状の板材であ
ってその内周に、周方向に複数個の係止爪を有し、かつ
その係止爪がケーシングの軸方向に弾性を有する板状ナ
ットを備え、ケーシングの基部側から貫通穴内へボルト
を挿入することにより、そのボルトの外周に前記板状ナ
ットの係止爪が係止して相互に固定されるようにし、前
記ケーシングの基部側に、ケーシングの外径よりも縮径
した首部を突設し、該首部はボルト挿入穴を有する筒状
で、かつ、その首部の外径は全長にわたって、この首部
を定着する被連結板の定着穴より小径に形成され、その
首部を被連結板の定着穴に挿入して外側へかしめて、そ
のナットを被連結板に離脱不能に定着することを特徴と
するものである。
【0018】この第3及び第4の発明においても、ナッ
トの首部を被連結板に形成した定着穴に挿通してその首
部の先端部を外側へかしめて塑性変形させ、そのナット
を被連結板に回転可能で或いは回転不能に、かつ、離脱
不能に定着する。
【0019】そして、板状ナットの係止爪間の径より若
干大径のボルトを係止爪間に挿入すると、その係止爪が
その弾性によって変形し、そのナットをボルトに相対的
に嵌合できる。ナットを嵌合した状態から引き抜こうと
すると、各係止爪がボルトの外周面に係止してその引き
抜きが阻止される。
【0020】したがって、例えばナットが定着された一
方の被連結板とボルトが定着された他方の被連結部材
を、ボルトがナット内へ挿入されるように相互に近づけ
るのみで連結が行える。
【0021】そのため、ナットが、一方の被連結板の裏
側で作業者の手が入らない位置に配置される場合におい
ても、容易に被連結部材の連結が行える。
【0022】
【発明の実施の形態】図1乃至図17に示す実施例に基
づいて本発明の実施の形態について説明する。
【0023】図1乃至図6は第1実施例を示す。
【0024】ナット1を形成する金属製のケーシング2
の外周面2aは多角形の面に、図の例では六角面に形成
されている。更に、ケーシング2の内部には、図1に示
すように、先部側が拡径し、基部3側に向って漸次縮径
するテーパ面からなるテーパ穴4が形成されている。該
テーパ穴4の内面には、そのテーパ穴4の軸芯側へ突出
するガイド片5が、周方向に適宜間隔を有して複数個、
図の例では3個形成されている。
【0025】更に、前記テーパ穴4内には、周方向にお
いて複数個に、図の例では3個に分割されたナットセグ
メント6が軸方向に摺動可能に配置されている。この各
ナットセグメント6は前記ガイド片5間に配置されてい
る。該各ナットセグメント6の外周面は前記テーパ穴4
の面に沿ったテーパ状に形成され、内周面には雌ねじ7
が刻設されている。そして、各ナットセグメント6がテ
ーパ穴4の大径側(図1の上方側)へ移動することによ
り、各ナットセグメント6で形成されるねじ穴8が拡径
し、小径側(図1の下方側)へ移動することによりねじ
穴8が縮径するようになっている。
【0026】前記ケーシング2の先部側(図1の上方
側)には、中央部にボルト挿通穴9を形成するとともに
スプリング受け片10が設けられており、該スプリング
受け片10と前記各ナットセグメント6に共通して配置
したスプリング受け板11間に付勢手段であるスプリン
グ12が圧縮介在され、各ナットセグメント6を小径側
へ常時付勢している。
【0027】前記テーパ穴4の小径側におけるケーシン
グ2の基部3の内側には、ボルト挿通穴13が軸方向に
貫通形成されている。
【0028】前記基部3には、そのケーシング2の外径
よりも縮径した首部14が軸方向に一体に突出形成され
ている。該首部14は、前記ケーシング2のボルト挿通
穴13に連通するボルト挿通穴15を有する円筒状で、
かつ、その外径が前記ケーシング2の外径よりも小径に
形成されている。更に、該首部14の外径は、図4に示
すように、被連結板16の定着穴17よりも小径に形成
され、かつ、その首部14の軸方向の長さLは、被連結
板16の板厚tよりも長く形成されている。
【0029】前記被連結板16は金属薄板やその他の材
料からなる板であり、例えば、プレハブ住宅のパネルを
構成する板材や自動車の車体などを構成する鉄板や、更
には自動販売機の外板などである。
【0030】前記のナット1を被連結板16に定着する
方法は、先ず、被連結板16の所定の位置に定着穴17
を貫通形成しておき、この定着穴に、ナット1の首部1
4を図4に示すように挿通する。
【0031】次で、挿通した首部14の先端外周部を、
図5に示すように、被連結板16の裏面側において定着
穴17よりも外側に膨出するようにかしめて係止部18
を形成する。このかしめは、プレス等、適宜手段で行
う。また、このかしめは、係止部18が被連結板16に
圧着されない程度に、すなわち、ナット1が回転できる
ようにかしめる。
【0032】このように係止部18を形成することによ
り、ナット1は、被連結板16に対し、回転可能で、か
つ離脱することなく定着される。
【0033】前記のようにナット1を被連結板16に定
着した後、図6に示すように、例えば他方の被連結板1
9に挿通したボルト20を、ナット1のボルト挿通穴1
5,13へ圧入する。
【0034】このボルト20の圧入により、ナット1に
おける分割された各ナットセグメント6は、スプリング
12の付勢力に抗してテーパ穴4の拡径側へ押されてね
じ穴8が拡径し、ナット1を回転することなくボルト2
0を挿入できる。そして、所定位置までボルト20が挿
通されてボルト20の挿入が停止すると、スプリング1
2の付勢力によって各ナットセグメント6が、テーパ穴
4の小径側へ戻ってその雌ねじ7がボルト20の雄ねじ
21に食い込み、ナット1とボルト20が螺合される。
そして、そのナット1又はボルト20を締め方向へわず
かに回転することにより完締めされる。
【0035】以上のようであるから、例えば、ナット1
を定着した側の被連結板16と、ボルト20を備えた他
方の被連結板19を相対的に近づけるのみで両板16,
19を連結できる。
【0036】以上のようであるから、例えば、プレハブ
住宅のパネル相互の連結や自動車の車体等の金属板相互
の連結において、ナット1が一方の被連結板16の裏側
で作業者の手が入らない位置に配置されていても容易に
部材を連結することができる。
【0037】また、前記の連結状態において、例えばナ
ット1が回転操作可能な外部に露出している場合に、そ
のナット1を、いたずら等により締め方向と逆の方向へ
回転した場合について説明する。ナット1を締め方向と
逆の方向へ回転すると、ナット1のケーシング2は被連
結板16に取り外し不可能に定着されてボルト20の軸
方向へは移動しないため、各ナットセグメント6がテー
パ穴4の拡径側(図6の上方側)へ移動して、そのナッ
トセグメント6の雌ねじ7がボルト20の雄ねじ21よ
り外側へ外れる。しかし、その雌ねじ7が雄ねじ21よ
り外れると、スプリング12の付勢力によって各ナット
セグメント6はテーパ穴4の小径側(図6の下方側)へ
戻されてその雌ねじ7が再びボルト20の雄ねじ21に
食い込む。したがって、ナット1を逆回転しても、その
ナット1はボルト21から抜ける方向へ移動することな
く、その締付位置で空回転する。そのため、いたずらや
盗難の防止に有効である。
【0038】なお、前記実施例では首部14の先端部
を、被連結板16に対して回転可能にかしめたが、前記
係止部18を、被連結板16に対してナット1が回転す
ることなく固着されるようにかしめてもよい。このよう
にすると、ボルト20をナット1に挿入した後に、ボル
ト20側を回転して完締めできる。
【0039】図7は前記首部14とそのかしめの変形例
を示す第2実施例である。
【0040】この図7の第2実施例は、前記首部14を
薄肉の円筒状に形成した首部14Aに形成し、被連結板
16の定着穴17Aを、ナット1が配置される側と反対
の側が拡径するテーパ穴に形成し、ナット1の首部14
Aを定着穴17Aに挿入した後に首部14Aを外側へか
しめ変形して、その係止部18Aによりナット1を被連
結板16に定着するようにしたものである。
【0041】なお、この首部14Aのかしめも、被連結
板16に対してナット1が回転可能に、または回転不能
にかしめるものである。
【0042】その他の構造は前記第1実施例と同様であ
るため、同一部分には同一符号を付してその説明は省略
する。
【0043】本第2実施例においても、前記第1実施例
と同様の作用、効果を発揮できる。更に、本実施例で
は、係止部18Aを被連結板16の裏面より突出しない
ように形成することができる。
【0044】図8は前記首部14とそのかしめの変形例
を示す第3実施例である。
【0045】この図8の第3実施例は、前記被連結板1
6の定着穴17におけるナット1が配置される側と反対
側に、先部が拡径したテーパ状の係止段部17bを形成
し、ナット1の首部14Bを定着穴17に挿入した後に
その首部14Bの先部を外側へかしめ変形し、その係止
部18Bを前記係止段部17bへ係止させてナット1を
被連結板16に定着するようにしたものである。
【0046】なお、この係止部18Bのかしめも、被連
結板16に対してナット1が回転可能に、または回転不
能にかしめるものである。
【0047】その他の構造は前記第1実施例と同様であ
るため、同一部分には同一符号を付してその説明は省略
する。
【0048】本第3実施例においても、前記第1実施例
と同様の作用、効果を発揮できる。更に、本実施例で
は、係止部18Aを被連結板16の裏面より突出しない
ように形成することができる。
【0049】図9は前記首部14とそのかしめの変形例
を示す第4実施例である。
【0050】この図9の第4実施例は、首部14Cを薄
肉の円筒状に形成し、前記被連結板16の定着穴17に
おける、ナット1が配置される側と反対側に、定着穴1
7より大径の凹状の係止段部17cを形成し、ナット1
の首部14Cを定着穴17に挿入した後に、その先部を
外側へかしめ変形し、その係止部18Cを前記係止段部
17cへ係止させてナット1を被連結板16に定着する
ようにしたものである。
【0051】なお、この係止部18Cのかしめも、被連
結板16に対してナット1が回転可能に、または回転不
能にかしめるものである。
【0052】その他の構造は前記第1実施例と同様であ
るため、同一部分には同一符号を付してその説明は省略
する。
【0053】本第4実施例においても、前記第1実施例
と同様の作用、効果を発揮できる。更に、本実施例で
は、係止部18Aを被連結板16の裏面より突出しない
ように形成することができる。
【0054】図10乃至図13は第5実施例を示す。
【0055】この第5実施例において、ナット32を形
成するケーシング33の外周面33aは多角形の面に、
図の例では六角面に形成されている。ケーシング33の
内部にはボルトが挿通する貫通穴34が形成されてい
る。該貫通穴34の周囲には板状ナット35が嵌合固設
されている。
【0056】前記板状ナット35は図12に示すよう
に、環状の基部35aと、該基部35aの上端から内側
へ略直角に折曲形成された平坦な環状の板状部35b
と、該板状部35bの内端から所定の角度θで外方へ傾
斜した係止爪35cとからなり、該係止爪35cが板状
部35bの周方向に切欠部35dを介して適宜間隔を有
して複数分割的に配設され、該係止爪35cの内側に挿
通穴35eが形成されている。また、該板状ナット35
は金属板で形成され、その各係止爪35cがその表裏方
向(ケーシング33の軸方向)に弾性を有する。なお、
係止爪35cの前記角度θは約30°に設定されてい
る。また、対向する係止爪35cの内端間の距離、すな
わち挿通穴35eの常態での直径Dは、この挿通穴35
eに挿通されるボルトの山径よりも小さく設定されてい
る。なお、この板状ナットは一般にプッシュナットと称
されるものである。
【0057】そして、前記の板状ナット35が、図11
に示すように、その係止爪35cがケーシング33にお
けるボルトの挿入口36と反対側に向くようにしてケー
シング33内に配置固定されている。また、前記挿入口
36の内径及び出口37の内径は係止爪35c間の内径
Dよりも大きく設定されている。
【0058】このナット35は、図11の例では3枚積
み重ね的に配置されているが、この3枚に限るものでは
なく、必要数設けるもので、例えば1枚或いは4枚以上
設けてもよい。
【0059】前記ケーシング33の基部には、前記第1
実施例の首部14と同様の首部38が一体形成されてい
る。すなわち、該首部38は、ケーシング33の挿入口
36に連通するボルト挿入穴39を有する円筒状で、か
つ、外径がケーシング33の外径よりも小径に形成され
ている。更に、該首部38の外径は、図8に示すよう
に、被連結板16の定着穴17よりも小径に形成され、
かつ、その首部38の軸方向長Lは、被連結板16の板
厚tよりも長く形成されている。
【0060】前記のナット32を被連結板16に定着す
る方法は、先ず、被連結板16の所定の位置に定着穴1
7を貫通形成しておき、この定着穴17に、ナット32
の首部38を図8に示すように挿通する。
【0061】次で、挿通した首部38の先端外周部を図
13に示すように、被連結板16の裏面側において定着
穴17よりも外側に膨出するようにかしめて係止部40
を形成する。このかしめは、プレス等、適宜手段で行
う。また、このかしめは、係止部40が被連結板16に
圧着されない程度に、すなわち、ナット32が回転でき
るようにかしめる。
【0062】このように係止部40を形成することによ
り、ナット32は、被連結板16に対し、回転可能で、
かつ離脱することなく定着される。
【0063】前記のようにナット32を被連結板16に
定着した後、図13に示すように、例えば他方の被連結
板19に挿通したボルト20を、ナット32のボルト挿
通穴39へ圧入する。
【0064】ボルト20がナット3の貫通穴34内に圧
入されると、板状ナット35の各係止爪35cがボルト
20の山部20aで押し開かれ、ナット32を回転する
ことなくボルト20に嵌合できる。そして、ボルト20
が締付け位置まで挿入されると、板状ナット35の各係
止爪35cがボルト20の谷部20bに係止し、ナット
32の外れが阻止される。
【0065】そのため、例えば、プレハブ住宅のパネル
相互の連結や自動車の車体等の金属板相互の連結におい
て、ナット32が一方の被連結板16の裏側で作業者の
手が入らない位置に配置されていても容易に部材を連結
が行える。
【0066】図14乃至図17は第6実施例を示す。
【0067】本第6実施例は、前記第5実施例における
板状ナット35の変形例である。
【0068】すなわち、図14(a)に示すように、前
記の板状ナット35の一部に切れ目35fを形成し、板
状部35bを周方向において、一端35gから他端35
hに向って漸次表裏方向に傾斜するように螺旋状に傾斜
させ、一端35gと他端35hとに、相対的に表裏方向
の段差Hを設けたものである。なお、この段差は、一端
35gと他端35hとにおいて、ボルト20のねじピッ
チの段差と同等にしてある。これによって、1個の板状
ナット35の複数の係止爪35cが螺旋状に配列され、
その全ての係止爪35cがボルト20における1周する
螺旋状の谷部20bに一連的に嵌合する。
【0069】また、前記の段差Hが保持されるように、
図15乃至図17に示すような段差保持部材40を設け
るとよい。この段差保持部材40は、図15に示すよう
に、左右に前記の段差Hを有して差し込み溝41,42
が形成されており、図16に示すように、板状ナット3
5の前記一端35gを一方の差し込み溝41に嵌め、他
端35hを他方の差し込み溝42に嵌めて段差Hを確保
するようになっている。そして、この段差保持部材40
とともに板状ナット35を図17に示すように前記のケ
ーシング33内に備える。なお、この図14乃至図17
に示す板状ナット35は、前記のように螺旋状に傾斜さ
せるために、前記の基部35aを有しない。そのため、
図17に示すようなセパレータ43を設ける。
【0070】この板状ナット35は1個でもよく、また
図17に示すように複数個積み重ねてもよい。図14の
例では3個積み重ねている。
【0071】その他の構造は前記第5実施例と同様であ
るため、前記と同一部分には同一符号を付してその説明
を省略する。
【0072】本第6実施例においても、前記第5実施例
と同様の作用、効果を発揮する。
【0073】また、前記第5及び第6実施例において
も、その首部38と被連結板16の定着穴17の形状
を、前記図7乃至図9に示す第2乃至第4実施例と同様
に形成してかしめるようにしてもよい。
【0074】
【発明の効果】以上のようであるから、本発明のナット
によれば、該ナットを被連結板にかしめ作業で容易に定
着することができ、また、このようにナットを被連結部
材に定着したことと、ナットを回転することなくボルト
に締着できることにより、作業者の手が入らない側にナ
ットを配置する場合でも、被連結部材を容易に連結する
ことができる。
【0075】更に、ナットを被連結板に対して回転可能
に備えた場合においては、部材の連結状態において、ナ
ットを締め方向と逆の方向に回転しても、そのナットが
外れないため、いたずら防止や盗難防止を図ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のナットの第1実施例を示す縦断面図。
【図2】図1の平断面図。
【図3】図1の底面図。
【図4】図1のナットを被連結板の定着穴に挿入した状
態を示す縦断面図。
【図5】図4の状態からナットの首部の先端部をかしめ
て定着した縦断面図。
【図6】図5のナットに対するボルトの挿入を説明する
図。
【図7】本発明の第2実施例を示す平面図。
【図8】本発明の第3実施例を示す平面図。
【図9】本発明の第4実施例を示す平面図。
【図10】本発明の第5実施例を示す平面図。
【図11】図10におけるA−A線側断面図。
【図12】(a)は図10における板状ナットを示す平
面図、(b)は(a)のB−B線断面図。
【図13】図10のナットを被連結板にかしめて定着し
た側断面図で、ボルト側も示す。
【図14】(a)は本発明の第6実施例を示す板状ナッ
トを示す平面図、(b)は(a)のC−C線断面図。
【図15】図14の板状ナットに使用する段差保持部材
を示す正面図。
【図16】図15の段差保持部材を使用した板状ナット
の平面図。
【図17】図15の段差保持部材を使用して板状ナット
を装着したナットを示す側断面図。
【図18】従来のナットを示すもので、(a)は側断面
図、(b)は平断面図、(c)は使用状態を示す側断面
図。
【符号の説明】
1 ナット 2 ケーシング 3 基部 4 テーパ穴 5 ガイド片 6 ナットセグメント 8 ねじ穴 12 スプリング 14,38 首部 15,39 ボルト挿入穴 16 被連結板 17,17A 定着穴 18,18A,18B,18C,40 係止部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシング内にテーパ穴を形成し、該テ
    ーパ穴に、周方向に複数に分割したナットセグメントを
    配置するとともに該各ナットセグメントをテーパ穴の小
    径側へ付勢し、かつ、前記ケーシング側には前記ナット
    セグメント間に位置してガイド片を突設し、前記テーパ
    穴の小径側からボルトを挿入することにより各ナットセ
    グメントが大径側へ移動して各ナットセグメントで形成
    されるねじ穴が拡径するようにしたナットにおいて、 前記ナットにおけるケーシングの基部側に、ケーシング
    の外径よりも縮径した首部を突設し、該首部はボルト挿
    入穴を有する筒状で、かつ、その首部の外径は全長にわ
    たって、この首部を定着する被連結板の定着穴より小径
    に形成されていることを特徴とするナット。
  2. 【請求項2】 ケーシング内にテーパ穴を形成し、該テ
    ーパ穴に、周方向に複数に分割したナットセグメントを
    配置するとともに該各ナットセグメントをテーパ穴の小
    径側へ付勢し、かつ、前記ケーシング側には前記ナット
    セグメント間に位置してガイド片を突設し、前記テーパ
    穴の小径側からボルトを挿入することにより各ナットセ
    グメントが大径側へ移動して各ナットセグメントで形成
    されるねじ穴が拡径するようにしたナットにおいて、 前記ナットにおけるケーシングの基部側に、ケーシング
    の外径よりも縮径した首部を突設し、該首部はボルト挿
    入穴を有する筒状で、かつ、その首部の外径は全長にわ
    たって、この首部を定着する被連結板の定着穴より小径
    に形成され、その首部を被連結板の定着穴に挿入して外
    側へかしめて、そのナットを被連結板に離脱不能に定着
    することを特徴とするナット。
  3. 【請求項3】 軸方向に貫通する貫通穴を有するケーシ
    ング内に、環状の板材であってその内周に、周方向に複
    数個の係止爪を有し、かつその係止爪がケーシングの軸
    方向に弾性を有する板状ナットを備え、ケーシングの基
    部側から貫通穴内へボルトを挿入することにより、その
    ボルトの外周に前記板状ナットの係止爪が係止して相互
    に固定されるようにし、前記ケーシングの基部側に、ケ
    ーシングの外径よりも縮径した首部を突設し、該首部は
    ボルト挿入穴を有する筒状で、かつ、その首部の外径は
    全長にわたって、この首部を定着する被連結板の定着穴
    より小径に形成されていることを特徴とするナット。
  4. 【請求項4】 軸方向に貫通する貫通穴を有するケーシ
    ング内に、環状の板材であってその内周に、周方向に複
    数個の係止爪を有し、かつその係止爪がケーシングの軸
    方向に弾性を有する板状ナットを備え、ケーシングの基
    部側から貫通穴内へボルトを挿入することにより、その
    ボルトの外周に前記板状ナットの係止爪が係止して相互
    に固定されるようにし、前記ケーシングの基部側に、ケ
    ーシングの外径よりも縮径した首部を突設し、該首部は
    ボルト挿入穴を有する筒状で、かつ、その首部の外径は
    全長にわたって、この首部を定着する被連結板の定着穴
    より小径に形成され、その首部を被連結板の定着穴に挿
    入して外側へかしめて、そのナットを被連結板に離脱不
    能に定着することを特徴とするナット。
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