JP2006316971A - 締着具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】互いに螺合可能な雄ネジと雌ネジ4とから成り、雄ネジもしくは雌ネジのいずれか一方のネジ部が、他方のネジ部と螺合可能な山部と谷部を有する通常ネジ部5と、この通常ネジ部の終端部に螺設された圧接ネジ部6とによって形成されている。圧接ネジ部は、通常ネジ部と同じ角度の山部を有するとともに通常ネジ部側に僅かに倒れ込んだ斜面を持つことによりネジピッチが僅かに小さく形成されている。そして、圧接ネジ部が形成されたネジのネジ本体部には、圧接ネジ部の近傍に、他方のネジ部と接触したときに圧接ネジ部のネジ山が材料の粘弾性によって外方に撓み変形して他方のネジ部との螺合を許容させる環状溝などの逃げ空間部8が形成されている。
【選択図】
図1
Description
物理的手段の一般的な例として、締付けナットとロックナットの2つのナットを用いるダブルナット(例えば特許文献1)や、ボルト、ナットの座面と締付け面との間に突っ張った力をかけるバネ座金がある。また、ナットのネジ終端面に3個の内向き舌片を有するリング状の緩止め片を組込み、この緩止め片の舌片内端によってボルトのネジ山を押え付けるようにしたものも知られている。ナットに組み込むことなく、ナットから突出したボルト先端部のネジ谷部に嵌合可能なリング状の緩止め部材を用いた例もある(例えば特許文献2)
接着剤によるものとして、例えばナットの内面に円環状の凹所を設け、この凹所に回り止め用の充填剤を充填して、ナットの緩止めを図ったものがある(例えば特許文献3)。
また、本発明の別の目的は、ネジの締付け力が調整可能な状態で緩み止め作用を確実に発揮する、締着具を提供することにある。
すなわち、請求項1に係る発明は、互いに螺合可能な雄ネジと雌ネジとから成り、雄ネジもしくは雌ネジのいずれか一方のネジ部が、他方のネジ部と螺合可能な山部と谷部を有する通常ネジ部と、この通常ネジ部の終端部に螺設された圧接ネジ部とによって形成されている。圧接ネジ部は、通常ネジ部と同じ角度の山部を有するとともに通常ネジ部側に僅かに倒れ込んだ斜面を持つことによりネジピッチが僅かに小さく形成されている。そして、圧接ネジ部が形成されたネジのネジ本体部には、圧接ネジ部の近傍に、他方のネジ部と接触したときに圧接ネジ部のネジ山が材料の粘弾性によって外方に撓み変形して他方のネジ部との螺合を許容させる逃げ空間部が形成されている。
圧接ネジ部は、例えばネジ終端部にほぼワンピッチ分形成される。場合によっては、半ピッチあるいは1.5ピッチなどワンピッチより少ないあるいはワンピッチを超えて形成されるようにしても良い。
ネジ山が螺旋を形成することから、押圧されて内側方向に倒れ込んだ圧接ネジ部の斜面は、傾斜がきつくなり、圧接ネジ部の山頂部は通常ネジ部の山頂部よりも中心軸線寄りになり、この部分での雌ネジの内径は僅かに小さくなる。
また、環状溝の場合、ナット本体のヘッド面に、連続もしくは不連続の状態で雌ネジの終端部開口を囲むように形成される。環状溝の外周壁は、外側に傾斜するように形成されるのが望ましい。
雄ネジを雌ネジに螺入させたときに、ネジピッチが小さく形成された圧接ネジ部は、侵入した相手方ネジ部のネジ山に圧接しながら逃げ空間部の方向に撓み変形して両ネジのネジ部の螺合を許容するが、相手方ネジ部のネジ山の斜面に対して圧接ネジ部のネジ山斜面が強く当接されることになるので、他部材を使用することなしに、単に両ネジを螺合させるだけで確実な緩止め作用を持つ締着具を提供できる。
図1は、本発明の圧接ネジ部をナットの雌ネジに適用した場合の一実施例を示す緩止めナットの縦断面図である。
図中符合1は、ナット本体、2はナット本体の座面、3は座面と反対側のヘッド面である。
雌ネジ4のネジ部は、ヘッド面3へと抜ける終端部に形成された圧接ネジ部6と、座面側の始端部から圧接ネジ部6にかけて形成された通常のピッチと山形状の通常ネジ部5とから成っている。
また、ナット本体1のヘッド面3には、終端開口7を取囲むように環状溝8が形成されている。
図3に、図2の二点鎖線円内の部分拡大図を示す。圧接ネジ部6のネジ山自体の角度αは、通常ネジ部5の山の角度(通常ネジ部のネジ山自体の角度あるいは谷の角度)βと同じである。直前の通常ネジ部5のネジ山斜面5aとこれに連続する圧接ネジ部6のネジ山斜面(後方斜面)6aとが成す谷の角度θは、圧接ネジ部6のネジ山自体の角度αや通常ネジ部5の山の角度βとは異なり、これらの角度α,βよりも小さい。
環状溝8は、圧接ネジ部6の始端付近までの深さを有する。環状溝8の外壁8aは、ナット本体の外方にやや傾斜している。
雄ネジ10を座面側の雌ネジ始端開口から螺入すると、雄ネジ10のネジ部は、圧接ネジ部6に到達するまで雌ネジの通常ネジ部5に案内されてほとんどの抵抗を生じることなく侵入する。雄ネジのネジ部先端10aが雌ネジ4の圧接ネジ部6に至ると、図3に示す圧接ネジ部直下の谷部の角度θが雄ネジのネジ山の山の角度γ(雌ネジの角度αあるいはβと同じ)よりも小さいために、図4に見られるように雄ネジのネジ部先端10aが圧接ネジ部6の後方斜面6aに突き当たる。
圧接ネジ部は、例えば次のようにして形成可能である。
先ず、通常ネジ部15が貫通形成された図7に見られる一般的なナットを用意する。このナット本体11のヘッド面(雌ネジの終端側の面)13の所定位置に前記した環状溝18を穿設するとともに環状溝18からナット本体11の外周縁に至る部分を所要厚み分だけさらい低位面13aを形成する(図8参照)。低位面13aを形成した結果、環状溝18から雌ネジ14の終端開口17に至る部分が上方に突出する。
この実施例では、ナット本体21のヘッド面23に環状溝ではなく、段差部28を形成してある。
段差部28は、雌ネジ24の内径よりもやや外側の位置からナット本体21の外周端にかけて、圧接ネジ部26と通常ネジ部25との境界部に至る深さで形成され、圧接ネジ部26がヘッド面あるいは段差面から上方に突出する。
この実施例においても、圧接ネジ部26は上記した実施例と同じ構造を有し、雄ネジが螺合したときに段差部28が形成する逃げ空間方向に撓み変形しつつ雄ネジのネジ斜面に強い圧接力を作用させる。
図中符合130は、機械構成部材Mの所定位置に形成した部品の取付け用ネジ孔で、内周に雌ネジ104が螺設されている。雌ネジ104は、所定ピッチで山と谷が連続する通常ネジ部として形成されている。
本実施例に述べた雄ネジに関する本発明は、シャフトに所定の部材を取付けてその回り止めを図る埋入ネジについても同様に適用可能である。
2 座面
3,13,23 ヘッド面
4 雌ネジ
5 通常ネジ部
6,26 圧接ネジ部
7 終端開口
8,18 環状溝
10 ボルト
28 段差部
110 プラグネジ
115 通常ネジ部
116 圧接ネジ部
130 凹所
Claims (9)
- 互いに螺合可能な雄ネジと雌ネジとから成り、
上記雄ネジもしくは雌ネジのいずれか一方のネジ部を、他方のネジ部と螺合可
能な山部と谷部を有する通常ネジ部と、この通常ネジ部の終端部に螺設された圧接ネジ部とによって形成し、
上記圧接ネジ部は、通常ネジ部と同じ角度の山部を有するとともに通常ネジ部側に僅かに倒れ込んだ斜面を持つことによりネジピッチが僅かに小さく形成され、
圧接ネジ部近傍のネジ本体部には、他方のネジ部と接触したときに圧接ネジ部のネジ山が材料の粘弾性によって外方に撓み変形して他方のネジ部との螺合を許容させる逃げ空間部が形成されている、
ことを特徴とする締着具。 - 互いに螺合可能な雄ネジと雌ネジとから成り、
ナット本体を貫通する雌ネジを、雄ネジと螺合可能な山部と谷部とを有するとともに座面側の雌ネジ始端からヘッド面側の雌ネジ終端部近傍にかけて螺設された通常ネジ部と、この通常ネジ部に連続して雌ネジの終端部に螺設され、通常ネジ部と同じ角度の山部を有するとともに通常ネジ部側に僅かに倒れ込んだ圧接ネジ部とによって形成し、
雌ネジ終端側に位置するナット本体のヘッド面に、雌ネジ終端開口と所要の距離をおくとともにこれに沿って環状溝もしくは段差部を設け、
上記環状溝もしくは段差部は、雄ネジが雌ネジの圧接ネジ部と接触したときに圧接ネジ部がナット本体を形成する材料の粘弾性によって雄ネジのネジ山に圧接しながら外方に撓み変形して雌ネジへの雄ネジの螺入を許容させる位置と深さに形成されている、
ことを特徴とする締着具 - 互いに螺合可能な雄ネジと雌ネジとから成り、
雌ネジに螺入される雄ネジの先端から基端近傍にかけて、雌ネジと螺合可能な山部と谷部とを有する通常ネジ部を形成し、
雄ネジの基端部に、通常ネジ部と同じ角度の山部を有するとともに通常ネジ部側に僅かに倒れ込んだ斜面を持つ圧接ネジ部を上記通常ネジ部に連続して形成し、
雄ネジの基端面には、雌ネジのネジ部と接触したときに圧接ネジ部のネジ山が材料の粘弾性によって外方に撓み変形して他方のネジ部との螺合を許容させる凹所が形成されている、
ことを特徴とする締着具。 - 前記圧接ネジ部は、ネジ終端部にほぼワンピッチ分形成されている、
請求項1から3のいずれかに記載の締着具。 - 前記圧接ネジ部は、通常ネジ部方向に倒れ込んでいて直前の通常ネジ部のネジ山斜面との間の谷の角度が通常ネジ部の谷の角度よりも僅かに小さい、
請求項1から3のいずれかに記載の締着具。 - 前記圧接ネジ部は、通常ネジ部から成るネジの終端部に上方から圧力を加えてほぼワンピッチ分のネジ部を倒れ込み変形させて形成された、
請求項1から3のいずれかに記載の締着具。 - 前記環状溝は、雌ネジの内径よりもやや外側に位置し、ヘッド面から圧接ネジ部と通常ネジ部との境界部に至る深さを有する、
請求項2記載の締着具。 - 前記環状溝は、外周面が外側に傾斜している、
請求項2記載の締着具。 - 前記段差部は、雌ネジの内径よりもやや外側の位置からナット本体の外周端にかけて、圧接ネジ部と通常ネジ部との境界部に至る深さで形成されている、
請求項2記載の締着具。
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JP2016205558A (ja) * | 2015-04-24 | 2016-12-08 | 株式会社三和技研 | 緩み止めナット及びその製造方法 |
JP2020165526A (ja) * | 2019-03-29 | 2020-10-08 | 大阪フォーミング株式会社 | ゆるみ止めナット |
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- 2005-05-16 JP JP2005142795A patent/JP2006316971A/ja active Pending
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