JP5735905B2 - 抜け止め具、締結方法および締結構造 - Google Patents

抜け止め具、締結方法および締結構造 Download PDF

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Description

本発明は、抜け止め具、締結方法および締結構造に係り、特に、締結構造において被締結体からのボルト、小ねじ等の雄ねじ体の抜け出しを防止する抜け止め具、締結方法および締結構造に関する。
従来より、締結構造において、被締結体からボルト、小ねじ等の雄ねじ体が抜けてしまうのを防止する簡単な方法としては、締め付け後に雄ねじ体の軸部の先端部を潰す方法が知られている。
また、特許文献1は、ナイロン等の弾性板からなり、中央の大円形孔の周りに適数の小半円形孔を等間隔に設けた抜け止めワッシャーを提案している。
さらに、従来より、締結構造における緩み止め防止具として、大略リング状の形状をなし、内周に雌ねじを有するものが多数提案されている(例えば、特許文献2および3)。これらの緩み止め防止具は、該緩み止め防止具自体が有する弾性により、その内周の雌ねじを雄ねじ体の雄ねじ部に押圧することによって、雄ねじ体との間に作用する摩擦力を大きくして、緩み止めを図ろうとするものである。
実開昭58−116812号公報 実開平2−69111号公報 特開昭55−115613号公報
しかしながら、前述の締め付け後に雄ねじ体の軸部の先端部を潰す抜け止め方法は、その後、締結構造を分解することができなくなるという問題があった。
また、前記特許文献1が提案している抜け止めワッシャーは、雄ねじ体の軸部のうちの被締結体の厚さに応じた軸方向位置に、環状の溝を設けておき、その環状の溝に大円形孔の内周付近を嵌合する必要があるので、汎用の雄ねじ体を用いることができず、雄ねじ体のコストが増大するという問題があった。
また、前記大略リング状の形状をなし、内周に雌ねじを有する緩み止め防止具は、そもそもこのようなリング状の部材が発生できる弾性力の大きさは最大でもたかだか知れた大きさであるので、どんなにそれらの構造を工夫したところで、所詮十分な緩み止め効果は得られるはずがないという問題があった。
また、前記大略リング状の形状をなし、内周に雌ねじを有する緩み止め防止具は、通常のナットと同様に緩んで雄ねじ体から抜け落ちてしまうが虞があるので、抜け止め防止効果は得られないという問題があった。
さらに、前記大略リング状の形状をなし、内周に雌ねじを有する緩み止め防止具は、必ずナットの外側において雄ねじ体に螺合する必要があり、ナットと被締結体との間に介装して座金としての機能を果たさせることはできなかった。
本発明は、このような従来の事情に鑑みてなされたもので、本発明の目的の一つは、締結構造における雄ねじ体を抜け止めすることができ、なおかつ、必要なときは、抜け止め状態を解除して締結構造を分解することを可能とする抜け止め具、締結方法および締結構造を提供することにある。
本発明の他の目的は、ボルト、小ねじ等の雄ねじ体の方には特別な加工を施すことなく、雄ねじ体を抜け止めすることができる抜け止め具、締結方法および締結構造を提供することにある。
本発明の他の目的は、ナットの脱落防止およびナットの緩み止めも図ることができる抜け止め具、締結方法および締結構造を提供することにある。
本発明の他の目的は、ナットと被締結体との間に介装して、雄ねじ体を抜け止めすると同時に座金としての機能を果たさせることもできる抜け止め具、締結方法および締結構造を提供することにある。
本発明の他の目的は、ナットは使用せず、単独に雄ねじ体に装着して雄ねじ体を抜け止めすることもできる抜け止め具、締結方法および締結構造を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、以下の説明から明らかになろう。
請求項1に係る本発明の抜け止め具は、
外周に雄ねじ部を設けられた軸部を有する雄ねじ体に装着される抜け止め具であって、
中央部に設けられた貫通穴と、当該抜け止め具が前記貫通穴を取り囲んで全周に渡って連続することとはならないようにする、外周から前記貫通穴にまで至る切れ目と、前記貫通穴の内周に形成された大略1ピッチ分の1条の雌ねじのねじ山とを有してなり、
前記雌ねじのねじ山が前記雄ねじ体の雄ねじ部の谷に螺合されている状態において、前記雌ねじおよび前記雄ねじ部の軸方向に対し垂直な面により前記軸方向に相対的に押圧されると、一端部側の前記雌ねじのねじ山が前記雄ねじ部の谷から該雄ねじ部のねじ山を乗り越えて該雄ねじ部の谷のうちの大略1ピッチ分前記軸方向にずれた部分に入り込み、前記雌ねじのねじ山が全体として非螺旋状になって前記雄ねじ部のねじ山に跨がった状態となり、工具を用いて大きな回転力を作用させない限り、当該抜け止め具が前記雄ねじ体に対して緩み方向に回転できなくなるようになっているものである。
また、請求項7に係る本発明の締結方法は、
中央部に設けられた貫通穴と、当該抜け止め具が前記貫通穴を取り囲んで全周に渡って連続することとはならないようにする、外周から前記貫通穴にまで至る切れ目と、前記貫通穴の内周に形成された大略1ピッチ分の1条の雌ねじのねじ山とを有してなり、前記雌ねじのねじ山が雄ねじ体の軸部の外周に設けられた雄ねじ部の谷に螺合されている状態において、前記雌ねじおよび前記雄ねじ部の軸方向に対し垂直な面により前記軸方向に相対的に押圧されると、一端部側の前記雌ねじのねじ山が前記雄ねじ部の谷から該雄ねじ部のねじ山を乗り越えて該雄ねじ部の谷のうちの大略1ピッチ分前記軸方向にずれた部分に入り込み、前記雌ねじのねじ山が全体として非螺旋状になって前記雄ねじ部のねじ山に跨がった状態となり、工具を用いて大きな回転力を作用させない限り、当該抜け止め具が前記雄ねじ体に対して緩み方向に回転できなくなるようになっている抜け止め具を用意する段階と、
被締結体に雄ねじ体の軸部を挿通する段階と、
前記雄ねじ体の前記軸部の外周に設けられた雄ねじ部にナットを螺合し、このナットと前記雄ねじ体の頭部との間に前記被締結体を締め付ける段階と、
前記雄ねじ体の前記雄ねじ部の谷に前記抜け止め具の前記雌ねじのねじ山を螺合し、前記抜け止め具が前記ナットの前記被締結体とは反対側の端面に押圧されるように前記抜け止め具を締め付け方向に相対的に回転して行き、前記抜け止め具の一端部側の前記雌ねじのねじ山が前記雄ねじ部の谷から該雄ねじ部のねじ山を乗り越えて該雄ねじ部の谷のうちの大略1ピッチ分前記軸方向にずれた部分に入り込み、前記雌ねじのねじ山が全体として非螺旋状になって前記雄ねじ部のねじ山に跨がった状態となるようにする段階とを有してなるものである。
また、請求項8に係る本発明の締結方法は、
中央部に設けられた貫通穴と、当該抜け止め具が前記貫通穴を取り囲んで全周に渡って連続することとはならないようにする、外周から前記貫通穴にまで至る切れ目と、前記貫通穴の内周に形成された大略1ピッチ分の1条の雌ねじのねじ山とを有してなり、前記雌ねじのねじ山が雄ねじ体の軸部の外周に設けられた雄ねじ部の谷に螺合されている状態において、前記雌ねじおよび前記雄ねじ部の軸方向に対し垂直な面により前記軸方向に相対的に押圧されると、一端部側の前記雌ねじのねじ山が前記雄ねじ部の谷から該雄ねじ部のねじ山を乗り越えて該雄ねじ部の谷のうちの大略1ピッチ分前記軸方向にずれた部分に入り込み、前記雌ねじのねじ山が全体として非螺旋状になって前記雄ねじ部のねじ山に跨がった状態となり、工具を用いて大きな回転力を作用させない限り、当該抜け止め具が前記雄ねじ体に対して緩み方向に回転できなくなるようになっている抜け止め具を用意する段階と、
被締結体に雄ねじ体の軸部を挿通する段階と、
前記雄ねじ体の前記軸部の外周に設けられた雄ねじ部の谷に前記抜け止め具の前記雌ねじのねじ山を螺合し、前記抜け止め具を締め付け方向に相対的に回転して行き、前記抜け止め具を前記被締結体に接触させる段階と、
前記雄ねじ体の前記雄ねじ部にナットを螺合し、このナットと前記雄ねじ体の頭部との間に前記被締結体および前記抜け止め具を締め付け、前記抜け止め具の一端部側の前記雌ねじのねじ山が前記雄ねじ部の谷から該雄ねじ部のねじ山を乗り越えて該雄ねじ部の谷のうちの大略1ピッチ分前記軸方向にずれた部分に入り込み、前記雌ねじのねじ山が全体として非螺旋状になって前記雄ねじ部のねじ山に跨がった状態となるようにする段階とを有してなるものである。
また、請求項9に係る本発明の締結方法は、
中央部に設けられた貫通穴と、当該抜け止め具が前記貫通穴を取り囲んで全周に渡って連続することとはならないようにする、外周から前記貫通穴にまで至る切れ目と、前記貫通穴の内周に形成された大略1ピッチ分の1条の雌ねじのねじ山とを有してなり、前記雌ねじのねじ山が雄ねじ体の軸部の外周に設けられた雄ねじ部の谷に螺合されている状態において、前記雌ねじおよび前記雄ねじ部の軸方向に対し垂直な面により前記軸方向に相対的に押圧されると、一端部側の前記雌ねじのねじ山が前記雄ねじ部の谷から該雄ねじ部のねじ山を乗り越えて該雄ねじ部の谷のうちの大略1ピッチ分前記軸方向にずれた部分に入り込み、前記雌ねじのねじ山が全体として非螺旋状になって前記雄ねじ部のねじ山に跨がった状態となり、工具を用いて大きな回転力を作用させない限り、当該抜け止め具が前記雄ねじ体に対して緩み方向に回転できなくなるようになっている抜け止め具を用意する段階と、
被締結体に雄ねじ体の軸部を挿通する段階と、
前記雄ねじ体の前記軸部の外周に設けられた雄ねじ部の谷に前記抜け止め具の前記雌ねじのねじ山を螺合し、前記抜け止め具が前記被締結体に押圧されるように前記抜け止め具を締め付け方向に相対的に回転して行き、前記抜け止め具の一端部側の前記雌ねじのねじ山が前記雄ねじ部の谷から該雄ねじ部のねじ山を乗り越えて該雄ねじ部の谷のうちの大略1ピッチ分前記軸方向にずれた部分に入り込み、前記雌ねじのねじ山が全体として非螺旋状になって前記雄ねじ部のねじ山に跨がった状態となるようにする段階と、
前記雄ねじ体の前記雄ねじ部にナットを螺合し、このナットと前記雄ねじ体の頭部との間に前記被締結体および前記抜け止め具を締め付ける段階とを有してなるものである。
また、請求項10に係る本発明の締結方法は、
中央部に設けられた貫通穴と、当該抜け止め具が前記貫通穴を取り囲んで全周に渡って連続することとはならないようにする、外周から前記貫通穴にまで至る切れ目と、前記貫通穴の内周に形成された大略1ピッチ分の1条の雌ねじのねじ山とを有してなり、前記雌ねじのねじ山が雄ねじ体の軸部の外周に設けられた雄ねじ部の谷に螺合されている状態において、前記雌ねじおよび前記雄ねじ部の軸方向に対し垂直な面により前記軸方向に相対的に押圧されると、一端部側の前記雌ねじのねじ山が前記雄ねじ部の谷から該雄ねじ部のねじ山を乗り越えて該雄ねじ部の谷のうちの大略1ピッチ分前記軸方向にずれた部分に入り込み、前記雌ねじのねじ山が全体として非螺旋状になって前記雄ねじ部のねじ山に跨がった状態となり、工具を用いて大きな回転力を作用させない限り、当該抜け止め具が前記雄ねじ体に対して緩み方向に回転できなくなるようになっている抜け止め具を用意する段階と、
被締結体に雄ねじ体の軸部を挿通する段階と、
前記雄ねじ体の前記軸部の外周に設けられた雄ねじ部の谷に前記抜け止め具の前記雌ねじのねじ山を螺合し、前記抜け止め具が前記被締結体に押圧されるように前記抜け止め具を締め付け方向に相対的に回転して行き、前記抜け止め具の一端部側の前記雌ねじのねじ山が前記雄ねじ部の谷から該雄ねじ部のねじ山を乗り越えて該雄ねじ部の谷のうちの大略1ピッチ分前記軸方向にずれた部分に入り込み、前記雌ねじのねじ山が全体として非螺旋状になって前記雄ねじ部のねじ山に跨がった状態となるようにする段階とを有してなるものである。
本発明の請求項11に係る締結構造は、
被締結体と、
外周に雄ねじ部を設けられた軸部を有し、前記軸部を前記被締結体に挿通された雄ねじ体と、
前記雄ねじ体の前記雄ねじ部に螺合され、前記雄ねじ体の頭部との間に前記被締結体を締め付けているナット
中央部に設けられた貫通穴と、当該抜け止め具が前記貫通穴を取り囲んで全周に渡って連続することとはならないようにする、外周から前記貫通穴にまで至る切れ目と、前記貫通穴の内周に形成された大略1ピッチ分の1条の雌ねじのねじ山とを有してなり、前記雌ねじのねじ山を前記雄ねじ体の雄ねじ部の谷に螺合された後、前記ナットの前記被締結体とは反対側の端面に押圧されるように締め付け方向に相対的に回転されることにより、一端部側の前記雌ねじのねじ山が前記雄ねじ部の谷から該雄ねじ部のねじ山を乗り越えて該雄ねじ部の谷のうちの大略1ピッチ分前記軸方向にずれた部分に入り込み、前記雌ねじのねじ山が全体として非螺旋状になって前記雄ねじ部のねじ山に跨がった状態となり、工具を用いて大きな回転力を作用させない限り、当該抜け止め具が前記雄ねじ体に対して緩み方向に回転できなくなっている抜け止め具とを有してなるものである。
本発明の請求項12に係る締結構造は、
被締結体と、
外周に雄ねじ部を設けられた軸部を有し、前記軸部を前記被締結体に挿通された雄ねじ体と、
中央部に設けられた貫通穴と、当該抜け止め具が前記貫通穴を取り囲んで全周に渡って連続することとはならないようにする、外周から前記貫通穴にまで至る切れ目と、前記貫通穴の内周に形成された大略1ピッチ分の1条の雌ねじのねじ山とを有してなり、前記貫通穴に前記雄ねじ体の軸部を挿通されている抜け止め具と、
前記雄ねじ体の前記雄ねじ部に螺合され、前記雄ねじ体の頭部との間に前記被締結体および前記抜け止め具を締め付けているナットとを有してなり、
前記抜け止め具は、前記雌ねじのねじ山を前記雄ねじ体の雄ねじ部の谷に螺合されている状態から、前記ナットの一端面または前記被締結体に相対的に押圧されることにより、一端部側の前記雌ねじのねじ山が前記雄ねじ部の谷から該雄ねじ部のねじ山を乗り越えて該雄ねじ部の谷のうちの大略1ピッチ分前記軸方向にずれた部分に入り込み、前記雌ねじのねじ山が全体として非螺旋状になって前記雄ねじ部のねじ山に跨がった状態となり、工具を用いて大きな回転力を作用させない限り、当該抜け止め具が前記雄ねじ体に対して緩み方向に回転できなくなっているものである。
本発明の請求項13に係る締結構造は、
被締結体と、
外周に雄ねじ部を設けられた軸部を有し、前記軸部を前記被締結体に挿通された雄ねじ体と、
中央部に設けられた貫通穴と、当該抜け止め具が前記貫通穴を取り囲んで全周に渡って連続することとはならないようにする、外周から前記貫通穴にまで至る切れ目と、前記貫通穴の内周に形成された大略1ピッチ分の1条の雌ねじのねじ山とを有してなり、前記雌ねじのねじ山を前記雄ねじ体の雄ねじ部の谷に螺合された後、前記被締結体に押圧されるように締め付け方向に相対的に回転されることにより、一端部側の前記雌ねじのねじ山が前記雄ねじ部の谷から該雄ねじ部のねじ山を乗り越えて該雄ねじ部の谷のうちの大略1ピッチ分前記軸方向にずれた部分に入り込み、前記雌ねじのねじ山が全体として非螺旋状になって前記雄ねじ部のねじ山に跨がった状態となり、工具を用いて大きな回転力を作用させない限り、当該抜け止め具が前記雄ねじ体に対して緩み方向に回転できなくなっている抜け止め具とを有してなるものである。
本発明においては、最初に抜け止め具を雄ねじ体の雄ねじ部に螺合した状態では、抜け止め具の雌ねじのねじ山は螺旋状をなしていて、対応する螺旋状をなしている雄ねじ体の雄ねじ部の谷に螺合されている。
このように雌ねじのねじ山が雄ねじ体の雄ねじ部の谷に螺合されている状態において、抜け止め具が雌ねじおよび雄ねじ部の軸方向に対し垂直な面に前記軸方向に相対的に押圧されると、抜け止め具の一端部側の前記雌ねじのねじ山が前記雄ねじ部の谷から該雄ねじ部のねじ山を乗り越えて該雄ねじ部の谷のうちの大略1ピッチ分前記軸方向にずれた部分に入り込み、前記雌ねじのねじ山が全体として非螺旋状になって前記雄ねじ部のねじ山に跨がった状態となる。
このような状態になると、抜け止め具は、最早「雌ねじ」ではなくなり、工具を用いて大きな回転力を作用させない限り、雄ねじ体に対して緩み方向に回転できなくなる。したがって、被締結体からの雄ねじ体の抜け止めが実現される。
そして、工具を用いて抜け止め具に緩み方向に大きな回転力を作用させると、非螺旋状になって雄ねじ部のねじ山に跨がった状態になっていた抜け止め具の雌ねじのねじ山が、再び螺旋状に戻って雄ねじ体の雄ねじ部の谷に螺合されている状態に戻るので、緩み方向に回転できるようになる。したがって、必要なときは、前記抜け止め状態を解除して、締結構造を分解することができる。
また、請求項7および11に係る締結方法および締結構造におけるように、ナットの外側において抜け止め具を雄ねじ体に装着すれば、前記のように抜け止め具の雌ねじのねじ山が全体として非螺旋状になって雄ねじ部のねじ山に跨がった状態となり、抜け止め具が雄ねじ体に対して回転できない状態となることにより、雄ねじ体の抜け止めが実現されると同時に、ナットの緩み止めおよびナットの脱落防止が実現される。
また、請求項8,9および12に係る締結方法および締結構造におけるように、抜け止め具をナットと被締結体との間に介装すれば、雄ねじ体を抜け止めすると同時に抜け止め具に座金としての機能を果たさせることができる。
さらに、請求項10および13に係る締結方法および締結構造におけるように、抜け止め具を被締結体に押圧されるように抜け止め具を締め付け方向に相対的に回転して行き、抜け止め具の一端部側の雌ねじのねじ山が雄ねじ部の谷から該雄ねじ部のねじ山を乗り越えて雄ねじ部の谷のうちの大略1ピッチ分前記軸方向にずれた部分に入り込み、雌ねじのねじ山が全体として非螺旋状になって前記雄ねじ部のねじ山に跨がった状態となるようにすれば、ナットを用いなくても、被締結体を締結するとともに、被締結体から雄ねじ体を抜け止めすることができる。
本発明の抜け止め具、締結方法および締結構造は、
(イ)締結構造における雄ねじ体を抜け止めすることができ、なおかつ、必要なときは、抜け止め状態を解除して締結構造を分解することができる、
(ロ)雄ねじ体の方には特別な加工を施すことなく、抜け止めすることができる、
(ハ)ナットの外側において抜け止め具を雄ねじ体に装着すれば、雄ねじ体を抜け止めすることができると同時に、ナットの脱落防止およびナットの緩み止めも図ることができる、
(ニ)抜け止め具をナットと被締結体との間に介装すれば、雄ねじ体を抜け止めすると同時に抜け止め具に座金としての機能を果たさせることができる、
(ホ)ナットを用いることなく、被締結体を締結するとともに、被締結体から雄ねじ体を抜け止めすることもできる、
等の優れた効果を得られるものである。
本発明の実施例1における抜け止め具を示す斜視図である。 前記抜け止め具を示す平面図である。 前記抜け止め具を示す正面図である。 前記抜け止め具を示す側面図である。 図2のV−V線における断面図である。 実施例1において、ナットを締め付け後、抜け止め具を雄ねじ体に螺合した状態を示す正面図である。 図6の螺合状態を示す拡大縦断面図である。 実施例1において、抜け止め具を締め付けて行き、抜け止め具の一端部がナットの端面に接触し始めた状態を示す正面図である。 図8の状態を示す要部拡大正面図である。 実施例1において、抜け止め具を締め付けて行き、抜け止め具の雌ねじのねじ山をそれまでの螺旋状から雄ねじ部のねじ山に跨がる非螺旋状に移行させた状態を示す正面図である。 図10の状態を示す要部拡大正面図である。 図10および11の状態を裏側から見て示す要部拡大背面図である。 本発明の実施例2において、雄ねじ体を被締結体に挿通した後、抜け止め具を雄ねじ体に螺合した状態を示す正面図である。 実施例2において、抜け止め具を被締結体に接触するまで締め付け方向に回転した後、雄ねじ体にナットを螺合した状態を示す正面図である。 実施例2において、ナットを締め付け方向に回転して行き、ナットが抜け止め具に接触し始めた状態を示す正面図である。 実施例2において、ナットをさらに締め付けて行き、抜け止め具の雌ねじのねじ山をそれまでの螺旋状から雄ねじ部のねじ山に跨がる非螺旋状に移行させた状態を示す正面図である。 本発明の実施例3において、抜け止め具を締め付け方向に回転して行き、抜け止め具を被締結体に押圧し、抜け止め具の雌ねじのねじ山をそれまでの螺旋状から雄ねじ部のねじ山に跨がる非螺旋状に移行させた状態を示す正面図である。 本発明の実施例4における締結方法および締結構造を示す正面図である。 本発明の実施例5における抜け止め具を示す平面図である。 本発明の実施例6における抜け止め具を示す平面図である。 本発明の実施例7における抜け止め具を示す平面図である。 本発明の実施例8における抜け止め具を示す縦断面図である。
以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて説明する。
図1〜12は本発明の実施例1を示し、このうち図1〜5は本実施例における抜け止め具1、図6〜12は本実施例における締め付け工程を示している。
次に、まず図1〜5を用いて本実施例における抜け止め具1を説明すると、抜け止め具1は、ステンレスばね鋼、ステンレス鋼、ばね鋼、鋼鉄等の金属板を加工してなり、全体として偏平な形状をなしており、その外周は角部を丸めた正六角形状とされ、中央部に貫通穴2を設けられている。そして、外周から前記貫通穴2にまで至る切れ目3を設けられることにより、全体として大略C字状とされ、当該抜け止め具1が貫通穴2を取り囲んで全周に渡って連続することはないようにされている。
前記貫通穴2の内周には、大略1ピッチ分の1条の雌ねじのねじ山4が形成されている。この雌ねじのねじ山4およびその付近に比べ、抜け止め具1の他の部分は厚みを厚くされている。また、図5および7によく示されるように、雌ねじのねじ山4は、通常のナットの雌ねじのねじ山の山形(三角または台形)とは異なり、矩形状の山形をなしている。この抜け止め具1は、自由な状態では、雌ねじのねじ山4が螺旋状となるように成形されており、これにより図3によく示されるようように、切れ目3を挟む両端部1a,1bは軸方向(図3における上下方向)に関しずれた位置にある。
なお、前記の雌ねじのねじ山4は、自由な状態にあるときから完全な螺旋状であることが好ましいが、自由な状態では必ずしも完全な螺旋状でなくてもよい。後述するように雄ねじ体5(図6〜12参照)の軸部6の外周に設けられた雄ねじ部7の谷に螺合されたとき、抜け止め具1が弾性変形することにより雄ねじ部7の螺旋に従って十分な螺旋状となるからである。
次に、図6〜12を用いて本実施例における締結方法および締結構造を説明する。まず、図6のように被締結体8,9に雄ねじ体5の軸部6を挿通し、雄ねじ体5の雄ねじ部7にナット10を螺合し、ナット10を締め付け方向に回転して行き、ナット10と雄ねじ体5の頭部11との間に被締結体8,9を締め付ける。
続いて、同図のように、雄ねじ体5の雄ねじ部7に抜け止め具1を螺合する。図7は、図6の抜け止め具1と雄ねじ体5の雄ねじ部7との螺合状態を示す拡大縦断面図であり、抜け止め具1の雌ねじのねじ山4が螺旋状をなした状態で雄ねじ体5の雄ねじ部7の谷に螺合している。
次に、抜け止め具1を指またはスパナ等の工具(図示せず)を用いて締め付け方向に回転して行くと、図8のようにまず抜け止め具1の締め付け回転方向先頭側の端部1aがナット10の被締結体8,9とは反対側の端面10aに接触する。図9は、図8の要部の拡大図である。
図8および9の状態からさらに工具を用いて抜け止め具1を締め付け方向に回転して行くと、抜け止め具1の締め付け回転方向先頭側の端部1aはそれ以上軸方向ナット10側に移動できなくなり、次に説明する理由により、抜け止め具1の締め付け回転方向先頭側の端部1a側または締め付け回転方向後尾側の端部1b側の雌ねじのねじ山4が雄ねじ部7の谷から該雄ねじ部7のねじ山7aを乗り越えて雄ねじ部7の谷のうちの大略1ピッチ分軸方向にずれた部分に入り込み、図10〜12に示されるように、雌ねじのねじ山4が全体として非螺旋状になって雄ねじ部7のねじ山7aに跨がった状態となる。図11は、図10の要部の拡大図、図12は図10および11の状態を裏側から見て示す要部拡大背面図である。
本発明者の観察によれば、前述のように、雌ねじのねじ山4が全体として非螺旋状になって雄ねじ部7のねじ山7aに跨がった状態に移行するに際しては、(i)抜け止め具1の締め付け回転方向先頭側の端部1a側の雌ねじのねじ山4が雄ねじ部7のねじ山7aを乗り越える場合と、(ii)その反対側の締め付け回転方向後尾側の端部1b側の雌ねじのねじ山4が雄ねじ部7のねじ山7aを乗り越える場合とがあるようである。
確率的には(i)の場合が圧倒的に多いようであり、この(i)の場合が生じる理由は、次のように考えられる。図8および9の状態からさらに抜け止め具1を締め付け方向に回転して行き、抜け止め具1の締め付け回転方向先頭側の端部1aがそれ以上軸方向ナット10側に移動できなくなると、同端部1a側の雌ねじのねじ山4は回転を続けながら雄ねじ部7のフランクを登って行き、雄ねじ部7の谷から該雄ねじ部7のねじ山7aを乗り越えて該雄ねじ部7の谷のうちの大略1ピッチ分軸方向にずれた部分(図10〜12では上方にずれた部分)に入り込み、雌ねじのねじ山4が全体として非螺旋状になって雄ねじ部7のねじ山7aに跨がった状態となると考えられる。図11の一点鎖線1′は、抜け止め具1の締め付け回転方向先頭側の端部1a側の雌ねじのねじ山4が螺旋状のままであった場合の位置を参考のために示している。
(ii)の場合が生じる確率は少ないようであるが、この(ii)の場合が生じる理由は、次のように考えられる。製造時の抜け止め具1の加工精度のばらつき、雄ねじ体5に対して傾いて螺合されている等の何らかの事情により、抜け止め具1の締め付け回転方向先頭側の端部1a側の雌ねじのねじ山4の端部が雄ねじ部7の谷に引っ掛かった状態となり、該雄ねじ部7の谷から抜け出ることができないこともあると考えられる。このような場合、締め付け回転方向先頭側の端部1a側の雌ねじのねじ山4の端部は締め付け回転方向にもそれ以上進行することができないので、抜け止め具1を締め付け方向に回転させようとする力が、抜け止め具1を両端部1a,1b間の間隔が大きくなるように広がらせようとするように作用するようになる。これにより、抜け止め具1の螺旋形状成形によるねじれを解消させるような力が同時に作用し、締め付け回転方向後尾側の端部1b側の雌ねじのねじ山4が雄ねじ部7のフランクを登って行き、雄ねじ部7の谷から該雄ねじ部7のねじ山7aを乗り越えて該雄ねじ部7の谷のうちの大略1ピッチ分軸方向にずれた部分(図10〜12では下方にずれた部分)に入り込み、雌ねじのねじ山4が全体として非螺旋状になって雄ねじ部7のねじ山7aに跨がった状態となると考えられる。図11の一点鎖線1″は、締め付け回転方向後尾側の端部1b側の雌ねじのねじ山4が螺旋状のままであった場合の位置を参考ために示している。なお、このような現象は、工具の操作態様を原因として生ずることもあり得ると考えられる。
いずれの経過を辿ったとしても、前述のように雌ねじのねじ山4が全体として非螺旋状になって雄ねじ部7のねじ山7aに跨がった状態になると、抜け止め具1は、最早「雌ねじ」ではなくなり、工具を用いて大きな回転力を作用させない限り、雄ねじ体5に対して緩み方向に回転できなくなる。したがって、ナット10が緩み止めされ、ナット10の脱落が防止されるとともに、被締結体8,9からの雄ねじ体5の抜け止めが実現される。
また、工具を用いて抜け止め具1に緩み方向に大きな回転力を作用させると、非螺旋状になって雄ねじ部7のねじ山7aに跨がった状態になっていた抜け止め具1の雌ねじのねじ山4が、再び螺旋状に戻って雄ねじ体5の雄ねじ部7の谷に螺合されている状態に戻るので、緩み方向に回転できるようになる。したがって、必要なときは、前記抜け止め状態を解除して、締結構造を分解することができる。
なお、図8〜12においては、図面製作の便宜上、抜け止め具1の締め付け回転方向先頭側の端部1aがナット10の端面に接触し始めたとき、丁度抜け止め具1の両端部1a,1bが正面位置に来ることとし、また雌ねじのねじ山4が全体として非螺旋状になって雄ねじ部7のねじ山7aに跨がった状態に移行したときも、抜け止め具1の両端部が正面位置に来るように描いているが、勿論、それぞれの時点において抜け止め具1の両端部1a,1bが必ず正面位置に来る訳ではない。あくまで、図面製作の便宜のためである。
また、図10〜12では、抜け止め具1の雌ねじのねじ山4が全体として非螺旋状になって雄ねじ部7のねじ山7aに跨がった状態においては、抜け止め具1が完全に一平面状になってナット10に対して全体的に着座しているように描ているが、実際には必ずしも常に完全に一平面状になってナット10に対して全体的に着座する訳ではなく、一平面状ではない状態で部分的に着座することもある。ただし、それでも上記ナット10の緩み止め、ナット10の脱落防止および被締結体8,9からの雄ねじ体5の抜け止めは実現される。
また、本発明の抜け止め具1は、特許文献2および3に開示されているような、従来の大略リング状の形状をなし、内周に大略1ピッチ分の雌ねじのねじ山を有する緩み止め防止具とは、根本的に技術思想を異にするものであることが注意されなければならない(特に特許文献2に開示されているナット緩み防止用ロックナットは、一見すると外観が本実施例に類似しているが、その本質は全く異なる発明であることに注意されたい)。
これらの従来の緩み止め防止具では、該緩み止め防止具の雌ねじのねじ山のフランクを雄ねじ体の雄ねじ部のフランクに強く弾圧することにより、緩み止めを図ろうと意図しているので、雌ねじのねじ山の山形を、通常のナットと同様に、雄ねじ体のねじ山の山形と同じ山形である三角山形とし、その上自由な状態における雌ねじのねじ山の螺旋形状が雄ねじ体の雄ねじ部の螺旋形状と大きく異なるようにして、緩み止め防止具の雌ねじのねじ山が雄ねじ体の雄ねじ部の谷に螺合されたときに、雌ねじのねじ山のフランクが雄ねじ体5の雄ねじ部のフランクにより強く弾圧されるようにしている。すなわち、特許文献2では、一方の端部から他方の端部に近づく程雌ねじのねじ山の高さが高くなるようにするとともに、同文献の第3図に示されているように、一点鎖線で示されている形状を有する中間製品の両端部付近を内側に押して塑性変形させて最終製品を得ることにより、雌ねじが軸方向に見ていびつな楕円状のような非正円形状になるようにしている。また、特許文献3では、緩み止め防止具の雌ねじのねじ山の螺旋の傾きを雄ねじ体の雄ねじ部の螺旋の傾きと大きく異なるようにしている。このような構成では、雄ねじ体の雄ねじ部の谷により雌ねじのねじ山が常に非常に強く拘束されてしまうので、本発明のように、抜け止め具1の一端部1aまたは1b側の雌ねじのねじ山4が雄ねじ部7の谷から該雄ねじ部7のねじ山7aを乗り越えて該雄ねじ部7の谷のうちの大略1ピッチ分軸方向にずれた部分に入り込み、雌ねじのねじ山4が全体として非螺旋状になって雄ねじ部7のねじ山7aに跨がった状態に移行するような現象は絶対に生じない。
本実施例においては、抜け止め具1の雌ねじのねじ山4の山形を雄ねじ体5の雄ねじ部7の山形と異なる形状とし、雄ねじ部7の谷に雌ねじのねじ山4が螺合している状態において、両者間に通常のナットの螺合構造の場合より大きな空隙が生じるようにしているので、雌ねじのねじ山4が全体として螺旋状をなして雄ねじ部7の谷に螺合している状態から非螺旋状になって雄ねじ部7のねじ山7aに跨がった状態に移行させることができるのである。
また、本実施例においては、抜け止め具1の外周を六角形状としているので、抜け止め具1をスパナ等の工具を用いて容易に回転させることができる。ただし、抜け止め具1の外周を六角形以外の、工具を用いて回転させやすい非円形形状としてもよい。
図13〜16は本発明の実施例2における締結方法および締結構造を示している。抜け止め具1は実施例1と同じものである。
本実施例においては、まず、図13のように被締結体8,9に雄ねじ体5の軸部6を挿通した後、抜け止め具1を雄ねじ体5の軸部6に螺合する。
次に、図14のように、指またはスパナ等の工具を用いて抜け止め具1を締め付け方向に回転して行き、抜け止め具1の締め付け回転方向先頭側の端部1aを被締結体8に接触させた後、雄ねじ体5の軸部6にナット10を螺合する。
次に、ナット10を締め付け方向に回転して行くと、図15のように、ナット10の座面10bが抜け止め具1の締め付け回転方向後尾側の端部1bを押圧して行く。
すると、ナット10の座面10bにより軸方向に押圧されることにより、締め付け回転方向後尾側の端部1b側の雌ねじのねじ山4が雄ねじ部7の谷から該雄ねじ部7のねじ山7aを乗り越えて該雄ねじ部7の谷のうちの大略1ピッチ分軸方向にずれた部分に入り込むか、または被締結体8,9から軸方向に受ける反力により、締め付け回転方向先頭側の端部1a側の雌ねじのねじ山4が雄ねじ部7の谷から該雄ねじ部7のねじ山7aを乗り越えて該雄ねじ部7の谷のうちの大略1ピッチ分軸方向にずれた部分に入り込み、図16のように抜け止め具1の雌ねじのねじ山4が全体として非螺旋状になって雄ねじ部7のねじ山7aに跨がった状態に移行する。これにより、実施例1の場合と同様に、抜け止め具1は、工具を用いて大きな回転力を作用させない限り、雄ねじ体5に対して緩み方向に回転できなくなる。したがって、万一ナット10が緩み、雄ねじ体5から脱落しても、被締結体8,9から雄ねじ体5を抜け止めすることができる。また、抜け止め具1に座金としての機能を果たさせることができる。
なお、前記説明の場合は、ナット10と被締結体8,9との間に抜け止め具1を挟み付けるようにナット10を締め付けることにより、抜け止め具1を雌ねじのねじ山4が全体として非螺旋状になって雄ねじ部7のねじ山7aに跨がった状態に移行させているが、ナット10を螺合させる前に、抜け止め具1の締め付け回転方向先頭側の端部1aが被締結体8に接触した後もさらに抜け止め具1を締め付け方向に回転することにより、実施例1の場合と同様に抜け止め具1を雌ねじのねじ山4が全体として非螺旋状になって雄ねじ部7のねじ山7aに跨がった状態に移行させ、しかる後にナット10を雄ねじ体5に螺合し、該ナット10を抜け止め具1に着座するまで締め付けても同じ結果が得られる。
さらに、別の方法としては、雄ねじ体5の軸部6に対し抜け止め具1およびナット10を順に螺合し、抜け止め具1をナット10とともに締め付け方向に回転して行くことにより、最終的に抜け止め具1を雌ねじのねじ山4が全体として非螺旋状になって雄ねじ部7のねじ山7aに跨がった状態に移行させるとともに、ナット10を抜け止め具1を介して被締結体8,9に着座させることも可能である。
なお、抜け止め具1の全部分を同じ厚さとすると、抜け止め具1の全部分の厚さが使用対象の雄ねじ体5の雄ねじ部7のピッチ等の仕様により拘束を受け、厚さを自由に選択できなくなる。しかるに、本実施例でも使用している実施例1の抜け止め具1は、雌ねじのねじ山4およびその付近に比べ抜け止め具1の他の部分の厚みが厚くされているので、雌ねじのねじ山4およびその付近以外は厚さを自由に選択でき、本実施例のように座金としても機能させる場合等において要求される厚さとすることができるとともに、抜け止め具1の強度を大きくできる。
図17は本発明の実施例3における締結方法および締結構造を示している。抜け止め具1は実施例1と同じものである。
本実施例においては、ナット10は用いず、抜け止め具1のみを雄ねじ体5に装着する。被締結体8,9に雄ねじ体5の軸部6を挿通した後、抜け止め具1を雄ねじ体5の軸部6に螺合し、抜け止め具1の締め付け回転方向先頭側の端部1aが被締結体8に接触した後もさらに抜け止め具1を締め付け方向に回転し、実施例1の場合と同様に抜け止め具1を雌ねじのねじ山4が全体として非螺旋状になって雄ねじ部7のねじ山7aに跨がった状態に移行させる。
これにより、ナット10を用いる場合より締結力は小さいものの、ナット10を用いることなく、被締結体8,9を締結するとともに、被締結体8,9から雄ねじ体5を抜け止めすることができる。
図18は本発明の実施例4における締結方法および締結構造を示している。抜け止め具1は実施例1と同じものである。
本実施例においては、一つの抜け止め具1を実施例3と同様にして雄ねじ体5の雄ねじ部6に装着した後、該抜け止め具1を雌ねじのねじ山4が全体として非螺旋状になって雄ねじ部7のねじ山7aに跨がった状態となるように移行させた後、もう一つの抜け止め具1を雄ねじ体5の雄ねじ部6に装着し、先に装着した抜け止め具1の上に重なるようにして、やはり雌ねじのねじ山4が全体として非螺旋状になって雄ねじ部7のねじ山7aに跨がった状態となるように移行させている。これにより、実施例3のように一つの抜け止め具1のみを使用する場合より、締結力を大きくすることができる。なお、抜け止め具1をさらに3重以上に重ねて使用してもよい。
図19は本発明の実施例5における抜け止め具1を示している。本実施例においては、雌ねじのねじ山4は該ねじ山4の長さ方向(螺旋方向)に関し非連続とされており、抜け止め具1の両端部1a,1bおよび中点の内周にそれぞれ設けられた中心側に突出する凸部4a,4b,4cが非連続な雌ねじのねじ山4を構成している。他の構成は実施例1の場合と同様である。
実施例1の抜け止め具1では、雌ねじのねじ山4は該ねじ山4の長さ方向に関し連続していたので、全体として非螺旋状になって雄ねじ部7のねじ山7aに跨がった状態となったとき、雄ねじ部7のねじ山7aの上に雌ねじのねじ山4の実在する部分が載っかった状態となることにより、抜け止め具1が比較的に大きく広がった状態に変形することになっていた。
しかるに本実施例では、全体として非螺旋状になって雄ねじ部7のねじ山7aに跨がった状態となったとき、雄ねじ部7のねじ山7aの上に雌ねじのねじ山4の実在しない部分(凸部4a,4c間または凸部4b,4c間の部分)が来るようにし、抜け止め具1が大きく広がった状態に変形しないようにすることができる。これにより、抜け止め具1を雄ねじ体5の軸部6により安定に装着し、被締結体8,9からの雄ねじ体5の抜け止め、ナット10の緩み止めおよびナット10の脱落防止等をより良好に行うことができる。
図20は本発明の実施例6における抜け止め具1を示している。本実施例においても、雌ねじのねじ山4は該ねじ山4の長さ方向に関し非連続とされているが、雌ねじのねじ山4を構成する凸部4a,4b,4d,4e,4f,4gの数を実施例5より多くしている。他の構成は実施例1の場合と同様である。
本実施例においても、実施例6と同様の作用効果を得ることができる。
図21は本発明の実施例7における抜け止め具1を示している。本実施例においては、抜け止め具1の外周を円形状としている。他の構成は実施例5の場合と同様である。
本実施例の抜け止め具1を、例えば、実施例2において説明したように、ナット10と被締結体8,9との間に抜け止め具1を挟み付けるようにナット10を締め付けることにより、抜け止め具1を雌ねじのねじ山4が全体として非螺旋状になって雄ねじ部7のねじ山7aに跨がった状態に一旦移行させると、外周が円形であるため、工具を用いても抜け止め具1を取り外すのが極めて困難になる。したがって、いじり止め等の用途に有効である。
図22は本発明の実施例8における抜け止め具1を示している。本実施例においては、抜け止め具1の全体が同じ厚さとされている。
前述のように、このような構成では、抜け止め具1全体の厚さが使用対象の雄ねじ体5の雄ねじ部7のピッチ等の仕様により拘束を受け、厚さの選択の自由度がなくなるが、製造コストは安価とすることができる。
なお、前記各実施例においては、抜け止め具1の雌ねじのねじ山4は矩形状の山形をなしているが、本発明においては、所定の場合に雌ねじのねじ山4の一端部1aまたは1b側が雄ねじ部7の谷から該雄ねじ部7のねじ山7aを乗り越えて該雄ねじ部7の谷のうちの大略1ピッチ分軸方向にずれた部分に入り込み、雌ねじのねじ山4が全体として非螺旋状になって雄ねじ部7のねじ山7aに跨がった状態に移行するならば、抜け止め具1の雌ねじのねじ山4を他の形状としてもよい。
また、前記各実施例の説明においては、雄ねじ体に抜け止め具を装着する際に、抜け止め具の方を回転するものとして説明したが、場合によっては抜け止め具の方は回転できないようにして、雄ねじ体の方を抜け止め具に対して回転してもよいことは言うまでもない。
また、前記各実施例においては、抜け止め具1が金属によって構成されているが、本発明においては、抜け止め具をプラスチックやセラミック等の非金属材料で構成してもよい。
以上のように本発明による抜け止め具、締結方法および締結構造は、締結構造において被締結体からの雄ねじ体の抜け出しを防止する抜け止め具、締結方法および締結構造として有用である。
1 抜け止め具
1a 抜け止め具の締め付け回転方向先頭側の端部
1b 抜け止め具の締め付け回転方向後尾側の端部
2 貫通穴
3 切れ目
4 雌ねじのねじ山
4a〜4g 非連続な雌ねじのねじ山を構成する凸部
5 雄ねじ体
6 軸部
7 雄ねじ部
7a 雄ねじ部のねじ山
8,9 被締結体
10 ナット
10a ナットの端面
10b ナットの座面
11 雄ねじ体の頭部

Claims (13)

  1. 外周に雄ねじ部を設けられた軸部を有する雄ねじ体に装着される抜け止め具であって、
    中央部に設けられた貫通穴と、当該抜け止め具が前記貫通穴を取り囲んで全周に渡って連続することとはならないようにする、外周から前記貫通穴にまで至る切れ目と、前記貫通穴の内周に形成された大略1ピッチ分の1条の雌ねじのねじ山とを有してなり、
    前記雌ねじのねじ山が前記雄ねじ体の雄ねじ部の谷に螺合されている状態において、前記雌ねじおよび前記雄ねじ部の軸方向に対し垂直な面により前記軸方向に相対的に押圧されると、一端部側の前記雌ねじのねじ山が前記雄ねじ部の谷から該雄ねじ部のねじ山を乗り越えて該雄ねじ部の谷のうちの大略1ピッチ分前記軸方向にずれた部分に入り込み、前記雌ねじのねじ山が全体として非螺旋状になって前記雄ねじ部のねじ山に跨がった状態となり、工具を用いて大きな回転力を作用させない限り、当該抜け止め具が前記雄ねじ体に対して緩み方向に回転できなくなるようになっている抜け止め具。
  2. 前記雌ねじのねじ山の山形は前記雄ねじ体の雄ねじ部の山形と異なる形状とされている請求項1記載の抜け止め具。
  3. 前記雌ねじのねじ山は該ねじ山の長さ方向に関し非連続とされている請求項1または2記載の抜け止め具。
  4. 前記雌ねじのねじ山およびその付近に比べ、他の部分が厚みを厚くされている請求項1乃至3のいずれか1項に記載の抜け止め具。
  5. 外周を非円形状とされ、外周に工具を嵌合して回転できるようになっている請求項1乃至4のいずれか1項に記載の抜け止め具。
  6. 外周を円形状とされている請求項1乃至4のいずれか1項に記載の抜け止め具。
  7. 中央部に設けられた貫通穴と、当該抜け止め具が前記貫通穴を取り囲んで全周に渡って連続することとはならないようにする、外周から前記貫通穴にまで至る切れ目と、前記貫通穴の内周に形成された大略1ピッチ分の1条の雌ねじのねじ山とを有してなり、前記雌ねじのねじ山が雄ねじ体の軸部の外周に設けられた雄ねじ部の谷に螺合されている状態において、前記雌ねじおよび前記雄ねじ部の軸方向に対し垂直な面により前記軸方向に相対的に押圧されると、一端部側の前記雌ねじのねじ山が前記雄ねじ部の谷から該雄ねじ部のねじ山を乗り越えて該雄ねじ部の谷のうちの大略1ピッチ分前記軸方向にずれた部分に入り込み、前記雌ねじのねじ山が全体として非螺旋状になって前記雄ねじ部のねじ山に跨がった状態となり、工具を用いて大きな回転力を作用させない限り、当該抜け止め具が前記雄ねじ体に対して緩み方向に回転できなくなるようになっている抜け止め具を用意する段階と、
    被締結体に雄ねじ体の軸部を挿通する段階と、
    前記雄ねじ体の前記軸部の外周に設けられた雄ねじ部にナットを螺合し、このナットと前記雄ねじ体の頭部との間に前記被締結体を締め付ける段階と、
    前記雄ねじ体の前記雄ねじ部の谷に前記抜け止め具の前記雌ねじのねじ山を螺合し、前記抜け止め具が前記ナットの前記被締結体とは反対側の端面に押圧されるように前記抜け止め具を締め付け方向に相対的に回転して行き、前記抜け止め具の一端部側の前記雌ねじのねじ山が前記雄ねじ部の谷から該雄ねじ部のねじ山を乗り越えて該雄ねじ部の谷のうちの大略1ピッチ分前記軸方向にずれた部分に入り込み、前記雌ねじのねじ山が全体として非螺旋状になって前記雄ねじ部のねじ山に跨がった状態となるようにする段階とを有してなる締結方法。
  8. 中央部に設けられた貫通穴と、当該抜け止め具が前記貫通穴を取り囲んで全周に渡って連続することとはならないようにする、外周から前記貫通穴にまで至る切れ目と、前記貫通穴の内周に形成された大略1ピッチ分の1条の雌ねじのねじ山とを有してなり、前記雌ねじのねじ山が雄ねじ体の軸部の外周に設けられた雄ねじ部の谷に螺合されている状態において、前記雌ねじおよび前記雄ねじ部の軸方向に対し垂直な面により前記軸方向に相対的に押圧されると、一端部側の前記雌ねじのねじ山が前記雄ねじ部の谷から該雄ねじ部のねじ山を乗り越えて該雄ねじ部の谷のうちの大略1ピッチ分前記軸方向にずれた部分に入り込み、前記雌ねじのねじ山が全体として非螺旋状になって前記雄ねじ部のねじ山に跨がった状態となり、工具を用いて大きな回転力を作用させない限り、当該抜け止め具が前記雄ねじ体に対して緩み方向に回転できなくなるようになっている抜け止め具を用意する段階と、
    被締結体に雄ねじ体の軸部を挿通する段階と、
    前記雄ねじ体の前記軸部の外周に設けられた雄ねじ部の谷に前記抜け止め具の前記雌ねじのねじ山を螺合し、前記抜け止め具を締め付け方向に相対的に回転して行き、前記抜け止め具を前記被締結体に接触させる段階と、
    前記雄ねじ体の前記雄ねじ部にナットを螺合し、このナットと前記雄ねじ体の頭部との間に前記被締結体および前記抜け止め具を締め付け、前記抜け止め具の一端部側の前記雌ねじのねじ山が前記雄ねじ部の谷から該雄ねじ部のねじ山を乗り越えて該雄ねじ部の谷のうちの大略1ピッチ分前記軸方向にずれた部分に入り込み、前記雌ねじのねじ山が全体として非螺旋状になって前記雄ねじ部のねじ山に跨がった状態となるようにする段階とを有してなる締結方法。
  9. 中央部に設けられた貫通穴と、当該抜け止め具が前記貫通穴を取り囲んで全周に渡って連続することとはならないようにする、外周から前記貫通穴にまで至る切れ目と、前記貫通穴の内周に形成された大略1ピッチ分の1条の雌ねじのねじ山とを有してなり、前記雌ねじのねじ山が雄ねじ体の軸部の外周に設けられた雄ねじ部の谷に螺合されている状態において、前記雌ねじおよび前記雄ねじ部の軸方向に対し垂直な面により前記軸方向に相対的に押圧されると、一端部側の前記雌ねじのねじ山が前記雄ねじ部の谷から該雄ねじ部のねじ山を乗り越えて該雄ねじ部の谷のうちの大略1ピッチ分前記軸方向にずれた部分に入り込み、前記雌ねじのねじ山が全体として非螺旋状になって前記雄ねじ部のねじ山に跨がった状態となり、工具を用いて大きな回転力を作用させない限り、当該抜け止め具が前記雄ねじ体に対して緩み方向に回転できなくなるようになっている抜け止め具を用意する段階と、
    被締結体に雄ねじ体の軸部を挿通する段階と、
    前記雄ねじ体の前記軸部の外周に設けられた雄ねじ部の谷に前記抜け止め具の前記雌ねじのねじ山を螺合し、前記抜け止め具が前記被締結体に押圧されるように前記抜け止め具を締め付け方向に相対的に回転して行き、前記抜け止め具の一端部側の前記雌ねじのねじ山が前記雄ねじ部の谷から該雄ねじ部のねじ山を乗り越えて該雄ねじ部の谷のうちの大略1ピッチ分前記軸方向にずれた部分に入り込み、前記雌ねじのねじ山が全体として非螺旋状になって前記雄ねじ部のねじ山に跨がった状態となるようにする段階と、
    前記雄ねじ体の前記雄ねじ部にナットを螺合し、このナットと前記雄ねじ体の頭部との間に前記被締結体および前記抜け止め具を締め付ける段階とを有してなる締結方法。
  10. 中央部に設けられた貫通穴と、当該抜け止め具が前記貫通穴を取り囲んで全周に渡って連続することとはならないようにする、外周から前記貫通穴にまで至る切れ目と、前記貫通穴の内周に形成された大略1ピッチ分の1条の雌ねじのねじ山とを有してなり、前記雌ねじのねじ山が雄ねじ体の軸部の外周に設けられた雄ねじ部の谷に螺合されている状態において、前記雌ねじおよび前記雄ねじ部の軸方向に対し垂直な面により前記軸方向に相対的に押圧されると、一端部側の前記雌ねじのねじ山が前記雄ねじ部の谷から該雄ねじ部のねじ山を乗り越えて該雄ねじ部の谷のうちの大略1ピッチ分前記軸方向にずれた部分に入り込み、前記雌ねじのねじ山が全体として非螺旋状になって前記雄ねじ部のねじ山に跨がった状態となり、工具を用いて大きな回転力を作用させない限り、当該抜け止め具が前記雄ねじ体に対して緩み方向に回転できなくなるようになっている抜け止め具を用意する段階と、
    被締結体に雄ねじ体の軸部を挿通する段階と、
    前記雄ねじ体の前記軸部の外周に設けられた雄ねじ部の谷に前記抜け止め具の前記雌ねじのねじ山を螺合し、前記抜け止め具が前記被締結体に押圧されるように前記抜け止め具を締め付け方向に相対的に回転して行き、前記抜け止め具の一端部側の前記雌ねじのねじ山が前記雄ねじ部の谷から該雄ねじ部のねじ山を乗り越えて該雄ねじ部の谷のうちの大略1ピッチ分前記軸方向にずれた部分に入り込み、前記雌ねじのねじ山が全体として非螺旋状になって前記雄ねじ部のねじ山に跨がった状態となるようにする段階とを有してなる締結方法。
  11. 被締結体と、
    外周に雄ねじ部を設けられた軸部を有し、前記軸部を前記被締結体に挿通された雄ねじ体と、
    前記雄ねじ体の前記雄ねじ部に螺合され、前記雄ねじ体の頭部との間に前記被締結体を締め付けているナット
    中央部に設けられた貫通穴と、当該抜け止め具が前記貫通穴を取り囲んで全周に渡って連続することとはならないようにする、外周から前記貫通穴にまで至る切れ目と、前記貫通穴の内周に形成された大略1ピッチ分の1条の雌ねじのねじ山とを有してなり、前記雌ねじのねじ山を前記雄ねじ体の雄ねじ部の谷に螺合された後、前記ナットの前記被締結体とは反対側の端面に押圧されるように締め付け方向に相対的に回転されることにより、一端部側の前記雌ねじのねじ山が前記雄ねじ部の谷から該雄ねじ部のねじ山を乗り越えて該雄ねじ部の谷のうちの大略1ピッチ分前記軸方向にずれた部分に入り込み、前記雌ねじのねじ山が全体として非螺旋状になって前記雄ねじ部のねじ山に跨がった状態となり、工具を用いて大きな回転力を作用させない限り、当該抜け止め具が前記雄ねじ体に対して緩み方向に回転できなくなっている抜け止め具とを有してなる締結構造。
  12. 被締結体と、
    外周に雄ねじ部を設けられた軸部を有し、前記軸部を前記被締結体に挿通された雄ねじ体と、
    中央部に設けられた貫通穴と、当該抜け止め具が前記貫通穴を取り囲んで全周に渡って連続することとはならないようにする、外周から前記貫通穴にまで至る切れ目と、前記貫通穴の内周に形成された大略1ピッチ分の1条の雌ねじのねじ山とを有してなり、前記貫通穴に前記雄ねじ体の軸部を挿通されている抜け止め具と、
    前記雄ねじ体の前記雄ねじ部に螺合され、前記雄ねじ体の頭部との間に前記被締結体および前記抜け止め具を締め付けているナットとを有してなり、
    前記抜け止め具は、前記雌ねじのねじ山を前記雄ねじ体の雄ねじ部の谷に螺合されている状態から、前記ナットの一端面または前記被締結体に相対的に押圧されることにより、一端部側の前記雌ねじのねじ山が前記雄ねじ部の谷から該雄ねじ部のねじ山を乗り越えて該雄ねじ部の谷のうちの大略1ピッチ分前記軸方向にずれた部分に入り込み、前記雌ねじのねじ山が全体として非螺旋状になって前記雄ねじ部のねじ山に跨がった状態となり、工具を用いて大きな回転力を作用させない限り、当該抜け止め具が前記雄ねじ体に対して緩み方向に回転できなくなっている締結構造。
  13. 被締結体と、
    外周に雄ねじ部を設けられた軸部を有し、前記軸部を前記被締結体に挿通された雄ねじ体と、
    中央部に設けられた貫通穴と、当該抜け止め具が前記貫通穴を取り囲んで全周に渡って連続することとはならないようにする、外周から前記貫通穴にまで至る切れ目と、前記貫通穴の内周に形成された大略1ピッチ分の1条の雌ねじのねじ山とを有してなり、前記雌ねじのねじ山を前記雄ねじ体の雄ねじ部の谷に螺合された後、前記被締結体に押圧されるように締め付け方向に相対的に回転されることにより、一端部側の前記雌ねじのねじ山が前記雄ねじ部の谷から該雄ねじ部のねじ山を乗り越えて該雄ねじ部の谷のうちの大略1ピッチ分前記軸方向にずれた部分に入り込み、前記雌ねじのねじ山が全体として非螺旋状になって前記雄ねじ部のねじ山に跨がった状態となり、工具を用いて大きな回転力を作用させない限り、当該抜け止め具が前記雄ねじ体に対して緩み方向に回転できなくなっている抜け止め具とを有してなる締結構造。
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