JP3018594B2 - 高温用半導体素子の電極の製造方法 - Google Patents

高温用半導体素子の電極の製造方法

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JP3018594B2 JP3154104A JP15410491A JP3018594B2 JP 3018594 B2 JP3018594 B2 JP 3018594B2 JP 3154104 A JP3154104 A JP 3154104A JP 15410491 A JP15410491 A JP 15410491A JP 3018594 B2 JP3018594 B2 JP 3018594B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高温雰囲気中にて各種
物理量の検出に用いられる半導体素子の電極構造及びそ
の製造方法に関するものであり、例えば、内燃機関の燃
焼圧測定に好適な高温用圧力検出器に用いることができ
る。
【0002】
【従来技術】従来、高温用半導体素子である、例えば、
圧力検出素子としては、所謂SOI(Silicon On I
nsulator)構造にて構成されている。この構造は、拡散
ゲージ型構造のようにPN接合部を有していないので、
高温雰囲気中でリーク電流が発生せず、 200℃以上の高
温雰囲気中での圧力検出を可能としている。上記SOI
構造には、単結晶シリコン基板上に絶縁層を介して単結
晶シリコン又は多結晶シリコンを形成したもの、又、単
結晶サファイヤ基板上に単結晶シリコンを気相成長させ
た、所謂SOS(Silicon On Sapphire )などがあ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述のSOI構造の圧
力検出素子を高温雰囲気中で使用するには、そのハウジ
ングも高温耐久性の良い金属などにて構成する必要があ
る。そして、上記圧力検出素子は上記ハウジングに接合
して用いられ、その時の接合温度は高温を要する。例え
ば、上記SOSを金属ハウジングにろう付けするには約
850℃×1分間の熱処理が必要である。このような高温
の熱処理においては、現在、半導体製造技術におけるI
Cチップに広範に用いられているアルミ糸電極は耐える
ことができない。上記アルミ糸電極以外の電極材料で高
温耐久性に優れたものとしては、白金(Pt),金(Au)
又はニッケル(Ni)が存在している。ところが、上述の
約 850℃となる高温雰囲気中においては、上記3つの金
属のうち何れの金属から成る電極も全てシリコン(Si)
と反応してしまうため、上記電極はシリコンとのコンタ
クト部でその抵抗が増大するという問題があった。
【0004】本発明は、上記の課題を解決するために成
されたものであり、その目的とするところは、SOI構
造のシリコンの電極となる金属である白金、金又はニッ
ケルが、例えば、約 850℃の雰囲気中における熱処理で
シリコンと反応するのを防止することである。そして、
シリコンとのコンタクト部における上記金属の抵抗値が
変化することのない高温用半導体素子の電極構造及びそ
の製造方法を提供することである。
【0005】
【0006】
【課題を解決するための手段】 上記課題を解決するため
の発明における第1 の特徴は、絶縁基板上に形成された
単結晶シリコン又は多結晶シリコンから成り高温雰囲気
中にて各種物理量の検出に用いられる半導体素子の電極
の製造方法であって、該半導体素子のコンタクト部上に
高融点金属又は高融点金属珪化物を形成し、該高融点金
属又は該高融点金属珪化物上に高融点金属窒化物を形成
し、該高融点金属窒化物を形成した後、該高融点金属窒
化物表面の酸化物を除去し、該高融点金属窒化物上に白
金、金又はニッケルの何れか一つの金属を形成すること
を特徴とする。
【0007】又、第2の特徴は、絶縁基板上に形成され
た単結晶シリコン又は多結晶シリコンから成り高温雰囲
気中にて各種物理量の検出に用いられる半導体素子の電
極の製造方法であって、該半導体素子のコンタクト部上
に高融点金属又は高融点金属珪化物を形成し、該高融点
金属又は該高融点金属珪化物上に高融点金属窒化物を形
成し、該高融点金属窒化物上に白金を形成し、該白金を
微細加工した後、該白金をエッチング用マスクとして前
記高融点金属又は前記高融点金属珪化物と前記高融点金
属窒化物とを浸食することを特徴とする。
【0008】
【作用及び効果】第1の特徴の作用及び効果としては、
先ず、高融点金属又は高融点金属珪化物が、絶縁基板上
に形成された単結晶シリコン又は多結晶シリコンから成
り高温雰囲気中にて各種物理量の検出に用いられる半導
体素子のコンタクト部上に形成されている。これによ
り、電極は良好なオーミック接触を保ち低抵抗な接続が
可能となる。又、高融点金属窒化物が上記高融点金属又
は上記高融点金属珪化物上に形成されている。そして、
白金、金又はニッケルの何れか一つの金属が上記高融点
金属窒化物上に形成されている。上記高融点金属窒化物
は、 850℃程度の高温雰囲気中で熱処理を施した場合、
上記シリコンがその上層に形成された上記白金、金又は
ニッケルの何れか一つの金属と反応しその金属中に拡散
することを防止するためのバリア層となる。従って、上
記白金、金又はニッケルの何れか一つの金属は、半導体
素子のコンタクト部において、そのコンタクト抵抗を低
いまま維持することが可能となる。
【0009】更に、上述の作用及び効果に加えて、高融
点金属窒化物表面の酸化物が除去されることによりその
高融点金属窒化物とその上に形成された白金、金又はニ
ッケルの何れか一つの金属とのコンタクト抵抗を低減す
ることができる。
【0010】第2の特徴の作用及び効果としては、第1
の特徴の作用及び効果と同様に、先ず、高融点金属又は
高融点金属珪化物が、絶縁基板上に形成された単結晶シ
リコン又は多結晶シリコンから成り高温雰囲気中にて各
種物理量の検出に用いられる半導体素子のコンタクト部
上に形成されている。これにより、電極は良好なオーミ
ック接触を保ち低抵抗な接続が可能となる。又、高融点
金属窒化物が上記高融点金属又は上記高融点金属珪化物
上に形成されている。そして、白金が上記高融点金属窒
化物上に形成されている。上記高融点金属窒化物は、 8
50℃程度の高温雰囲気中で熱処理を施した場合、上記シ
リコンがその上層に形成された上記白金と反応しその金
属中に拡散することを防止するためのバリア層となる。
従って、上記白金は、半導体素子のコンタクト部におい
て、そのコンタクト抵抗を低いまま維持することが可能
となる。更に、上記白金を微細加工した後、その白金を
エッチング用マスクとして利用して、上記高融点金属又
は上記高融点金属珪化物と上記高融点金属窒化物とを浸
食することができる。即ち、この方法による浸食ではレ
ジスト等の工程が省略できると共に白金の耐蝕性を利用
し高精度なパターン形成が実現できることになる。
【0011】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説
明する。図1は本発明に係る高温用半導体素子の電極構
造を用いて構成された半導体圧力検出素子10の電極構
造を示した縦断面図である。絶縁基板である単結晶サフ
ァイヤより成るサファイヤ基板11上に単結晶シリコン
より成る半導体層12を形成し、SOI構造としてい
る。上記サファイヤ基板11上の半導体層12のコンタ
クト部12a上以外には酸化物又は窒化物より成る絶縁
層13が形成されている。そして、上記半導体層12の
コンタクト部12a上には逐次、高融点金属であるチタ
ン(Ti)14、高融点金属窒化物である窒化チタン(T
iN)15、そして、白金(Pt)16の各層から成る電極
が形成されている。図2は図1の電極構造に対する比較
例としての電極構造の縦断面図である。ここで、同じ構
成から成るものについては同じ符号にて示してある。つ
まり、図2では図1の構成における高融点金属窒化物で
ある窒化チタン15が形成されていないことのみが異な
っている。
【0012】図3は上述の図1及び図2の電極構造にお
ける成膜直後から熱処理後〔窒素ガス(N2)雰囲気中で
850℃×1時間〕までのコンタクト抵抗(Ω)の変化を
コンタクト幅 200μm でそれぞれ測定した結果を示して
いる。尚、図3では図1の電極構造に対するコンタクト
抵抗の変化が実線、図2の電極構造に対するコンタクト
抵抗の変化が一点鎖線にて示されている。図1及び図2
の電極構造における成膜直後におけるコンタクト抵抗は
約 2.5Ωでほぼ等しい値を示している。ところが、上述
の熱処理後におけるコンタクト抵抗は図1の電極構造で
は約0.95Ωとなり、図2の電極構造では約 420Ωと極端
に大きくなっている。図1の電極構造では、チタン14
により半導体層12のコンタクト部12aにおいて良好
なオーミック接触を保ち低抵抗な接続が可能となる。
又、図1の電極構造では、窒化チタン15により半導体
層12のシリコンが上層の白金16と反応し拡散するこ
とが防止できる。この時、白金16は本来の耐熱性を有
し、上述のように、そのコンタクト抵抗は増大するどこ
ろか逆に減少している。尚、この理由としては、上述の
熱処理により白金16の結晶化が進んでその抵抗が下が
ったためと推察される。
【0013】次に、本発明の高温用半導体素子の電極構
造の製造方法における手順について、図4及び図5を参
照して詳細に説明する。 (半導体歪みゲージ素子等から成る半導体層形成工程)
図4(a) に示したように、サファイヤ基板11上に気相
成長させた単結晶シリコンを微細加工し、後述の半導体
歪みゲージ素子等から成る半導体層12を構成する。 (絶縁層形成及びその微細加工工程)次に、図4(b) に
示したように、上記サファイヤ基板11及び半導体層1
2上に絶縁層13をCVD、スパッタリング等で形成す
る。この後、半導体層12におけるコンタクト部12a
となる部分などの上記絶縁層13に対してホトリソグラ
フィによる微細加工が行われ、半導体層12のコンタク
ト部12aの上層にある絶縁層13が取り除かれる。 (チタン層形成工程)次に、図4(c) に示したように、
図4(b) の工程における上層にチタン14を約 400℃で
CVD、スパッタリング等により形成する。 (窒化チタン層形成工程)そして、図4(d) に示したよ
うに、図4(c) の工程における上層に更に、窒化チタン
15を形成する。この窒化チタン15は約 600℃でCV
D、スパッタリング等による直接形成方法と、上記チタ
ン14を形成した後、その表面を約 800℃で窒化させる
ことによって形成する方法とがある。上記窒化チタン1
5の膜厚は半導体層12のシリコンの拡散を確実に防止
するためには50nm以上が必要である。 (表面酸化膜除去工程)次に、図5(e) の工程に移行す
る直前に、窒化チタン15と白金16とのコンタクト抵
抗の減少のために必要な工程として、上述の図4(d) の
工程で形成された窒化チタン15上の表面酸化膜を除去
する。この窒化チタン15上の表面酸化膜はドライエッ
チングであるRIE(Reactive Ion Etching:反応
性イオンエッチング)や浸食で除去することができる。 (白金層形成工程)そして、図5(e) に示したように、
上述の図4(d) の工程で形成された窒化チタン15の上
層に白金16を約 300℃でスパッタリング、蒸着等によ
り形成する。 (白金層微細加工工程)次に、図5(f) に示したよう
に、上述の図5(e) の工程で形成された白金16を上記
RIEや浸食で半導体層12の電極となるように微細加
工する。 (チタン層及び窒化チタン層エッチング工程)そして、
図5(g) に示したように、上述の図5(f) の工程で微細
加工された白金16をエッチング用マスクとして窒化チ
タン15及びチタン14を浸食し微細加工する。この工
程では、微細加工された白金16をエッチング用マスク
としているため、従来の浸食工程におけるフォトレジス
トを用いる必要がないばかりか、その露光工程や現像工
程などを省略することができる。又、耐薬品性に優れた
白金16をエッチング用マスクとして用いているため、
フッ化水素(HF)やキャロス〔硫酸(H2SO4)を3
に対して過酸化水素(H22)を1の割合とした混合溶
液〕などの腐食性の高いエッチング液を使用することが
できる。
【0014】図6は、上述の実施例に係る半導体層12
及びチタン14、窒化チタン15、白金16の各層から
成る電極が形成された半導体圧力検出素子(以下、セン
シングエレメントという)10を用いて構成された高温
用圧力検出器100の主要部縦断面図である。右端部を
大径とした筒状のハウジング30には、本体外周に取り
付け用ネジ部30aが形成されている。又、左端開口に
は、一端閉鎖の筒状より成るエレメントホルダ31が挿
通配設され、溶接により密着固定されている。上記エレ
メントホルダ31は、熱膨張係数の小さいFe-Ni-Co
系合金で構成されており、エレメントホルダ31内は圧
力導入ポートを成している。又、圧力導入ポートの側壁
には、開口部31aが設けられている。エレメントホル
ダ31には、ハウジング30への溶接固定前にセンシン
グエレメント10が、開口部31aを塞ぐべくその内部
(図6では上方)に、予めろう付けにより強固に接合覆
着してある。又、開口部31aの中心直上のセンシング
エレメント10には、薄肉となった凹部が設けられてお
り、これを受圧ダイヤフラム21としている。
【0015】次に、センシングエレメント10の詳細を
図7に示す。尚、図7(a) はセンシングエレメント10
の平面図、図7(b) は図7(a) のA−A線に沿った縦断
面図である。センシングエレメント10は、上述したよ
うにサファイヤ基板11で構成されており、サファイヤ
基板11を凹形状で薄肉に加工した受圧ダイヤフラム2
1を有している。尚、受圧ダイヤフラム21は、直方体
形状のセンシングエレメント10において、その長手方
向の一端部に形成されている。又、このセンシングエレ
メント10の他端部は、リード取り出し領域として構成
されている。このリード取り出し領域の詳細な構成につ
いては、後述する。又、センシングエレメント10は、
サファイヤ基板11の表面の4箇所に、シリコンを気相
成長させ、不純物をドープしたP形単結晶シリコン薄膜
から成る半導体歪みゲージ素子22a,22bを有して
いる。これら半導体歪みゲージ素子22a,22bの面
方位は、(100)面であり、半導体歪みゲージ素子2
2a,22bの長手方向は、(100)面の〔110〕
方向で、図7(a) におけるセンシングエレメント10の
長手方向となっている。又、半導体歪みゲージ素子22
a,22bは、受圧ダイヤフラム21の周縁部直上に配
設され、同じくサファイヤ基板11に形成した単結晶シ
リコン薄膜から成る半導体層12で接続されている。こ
の単結晶シリコン薄膜から成る半導体層12上には前述
のチタン14、窒化チタン15、白金16の各層から成
る電極が形成されている。この電極は、上述のリード取
り出し領域を構成するセンシングエレメント10の他端
部まで平行に配線されており、配線の終端には、パッド
部25が配設されている。そして、センシングエレメン
ト10の表面には、パッシベーション用の表面保護膜2
6が被着されている。
【0016】そして、図6において、センシングエレメ
ント10の表面の右端には、リード取り出し領域が構成
され、パッド部25とワイヤ線27によって、ボンディ
ングされる信号処理用のICチップ28が接着固定され
ている。このICチップ28増幅回路及び温度補償回路
とから構成され、リード線29を介して外部と接続され
ている。尚、この温度補償回路は、受圧ダイヤフラム2
1の温度変化に伴って変化する半導体歪みゲージ素子2
2a,22bの抵抗値特性を補償するものである。更
に、ハウジング30には筒状のカバー32が溶接固定さ
れ、カバー32とハウジング30とに接着固定されたホ
ルダ部材33により、ハウジングエレメント10がその
右端部において支えられている。又、センシングエレメ
ント10裏面とエレメントホルダ31との接触面は、図
8に示したように、チタン(Ti)等のメタライズ層18
a、モリブデン(Mo)等のメタライズ層18b、ニッケ
ル(Ni)等のメタライズ層18cが形成されている。そ
して、センシングエレメント10裏面とエレメントホル
ダ31とはろう付け層18dで接合固定されている。
尚、エレメントホルダ31のろう付け部分にも、ニッケ
ルメッキ層31aが形成されており、ろう付けによる接
合は強固なものになっている。
【0017】次に、上記構成における作動を図6及び図
7に基づいて説明する。センシングエレメント10に設
けられた受圧ダイヤフラム21に高温流体の流体圧が作
用すると、受圧ダイヤフラム21にはその流体圧に応じ
た応力が働くことになる。受圧ダイヤフラム21を変形
せしめ、変形歪み、即ち、作用した応力値に応じた出力
信号が半導体歪みゲージ素子22a,22bより発せら
れる。この出力信号は、電極を構成するチタン14、窒
化チタン15、白金16及びそのパッド部25、更に、
ワイヤ線27を介してICチップ28に入力され、増幅
及び温度補償が行われた後、リード線29を介して外部
に取り出される。ここで、センシングエレメント10の
電極としては、単結晶シリコン薄膜上にチタン14、窒
化チタン15、白金16が逐次形成されており、 850℃
×1時間の熱処理を施してもセンシングエレメント10
の抵抗は増大せず、逆に小さくなっている。このよう
に、センシングエレメント10の抵抗値を低い値に抑え
ることができるため、その出力のバラツキを小さくする
ことができる。又、センシングエレメント10の電極部
の抵抗値を小さくできることは、その電極部の電圧降下
による出力電圧の目減りを小さくすることができるた
め、結果として、高温用圧力検出器100の出力電圧を
大きくすることができる。
【0018】次に、半導体歪みゲージ素子22a,22
bの出力信号の発生原理について、図9を参照して説明
する。図9は、本実施例における半導体歪みゲージ素子
22a,22bの配置図である。半導体歪みゲージ素子
22aには、この長手方向に対しては、受圧ダイヤフラ
ム21の接線方向の応力σt が働き、この長手方向に垂
直な方向に対しては、受圧ダイヤフラム21の半径方向
の応力σr が働く。一方、半導体歪みゲージ素子22b
には、この長手方向に対しては応力σr が、長手方向に
垂直な方向に対しては応力σt が働くことになる。ここ
で、P形単結晶シリコンの(100)面の〔110〕方
向のピエゾ抵抗係数πl ,πs には、 πl≒−πs (但し、πl は縦係
数、πs は横係数) という関係があり、半導体歪みゲージ素子22a,22
bの応力に応じた抵抗変化の割合は、それぞれ次のよう
に表される。尚、Ra,b はそれぞれ半導体歪みゲージ
素子22a,22bの抵抗値である。 ΔRa/Ra=πlσr+πsσt≒πlσr−πlσt ΔRb/Rb=πlσt+πsσr≒πlσt−πlσr 即ち、半導体歪みゲージ素子22aと22bとの抵抗変
化は逆向きとなり、全ブリッジ回路(図示略)を構成し
たとき、印加された応力に応じた半導体歪みゲージ素子
22a,22bの抵抗変化によって、この全ブリッジ回
路のバランスが変化する。全ブリッジ回路には、定電流
或いは定電圧が印加されているので、この抵抗変化が信
号出力として発生されることになる。このようにして検
出された出力信号、即ち、圧力信号は信号処理用のIC
チップ28で増幅され、温度補償されてリード線29を
介して外部に取り出される。
【0019】本実施例に係る応用デバイスとして高温流
体の圧力検出に用いる高温用圧力検出器100について
説明したが、これ以外の応用デバイスとしては、高温用
加速度検出器や高温用磁気検出器等があり、それらの高
温用半導体素子の電極構造及びその製造方法にも応用で
きる。又、本実施例の電極としては、チタン14、窒化
チタン15及び白金16の各層を逐次形成して用いてい
るが、チタン14の代わりにモリブデン等の高融点金属
やTiSi2,MoSi2 等の金属珪化物を用いても良い。窒
化チタン15の代わりとしては、窒化ジルコニウム(Z
rN)等の金属窒化物、又、白金16の代わりには、金や
ニッケルを用いることができる。以上述べた一連の実施
例においては、高温用半導体素子のSOI構造としてS
OSを用いたが、これ以外のSOI構造として、単結晶
シリコン基板上に絶縁層を介して単結晶シリコン又は多
結晶シリコンを形成した構造、金属基板上に絶縁層を介
して多結晶シリコンを形成した構造などを用いることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体的な一実施例に係る高温用半導体
素子の電極構造を用いて構成されたセンシングエレメン
トの電極構造を示した縦断面図である。
【図2】図1の電極構造に対する比較例としての電極構
造の縦断面図である。
【図3】図1及び図2の電極構造における成膜直後から
熱処理後までのコンタクト抵抗の変化を示した説明図で
ある。
【図4】同実施例に係るセンシングエレメントの電極構
造の製造方法を詳細に示した説明図である。
【図5】同実施例に係るセンシングエレメントの電極構
造の製造方法を詳細に示した図4に続く説明図である。
【図6】同実施例に係るセンシングエレメントを用いて
構成された高温用圧力検出器の主要部構造を示した縦断
面図である。
【図7】同実施例に係るセンシングエレメントを示した
詳細図である。
【図8】同実施例に係るセンシングエレメントとエレメ
ントホルダとの接合状態を示した部分縦断面図である。
【図9】同実施例に係るセンシングエレメントの受圧ダ
イヤフラム上の半導体歪みゲージ素子の配置を示した説
明図である。
【符号の説明】
10−半導体圧力検出素子(センシングエレメント) 11−サファイヤ基板(絶縁基板) 12−半導体層 12a−コンタクト部 13−絶縁層 14−チタ
ン(高融点金属) 15−窒化チタン(高融点金属窒化物) 16−白金 21−受圧ダイヤフラム 22a,22b−半導体歪
みゲージ素子 25−パッド部 26−表面保護膜 28−IC
チップ 30−ハウジング 31−エレメントホルダ 10
0−高温用圧力検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 21/28 301 H01L 21/28 301R 301T (56)参考文献 特開 平3−42541(JP,A) 特開 平1−199476(JP,A) 特開 昭63−237482(JP,A) 実開 昭58−29851(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 29/84 G01L 9/04 H01L 21/28

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁基板上に形成された単結晶シリコン
    又は多結晶シリコンから成り高温雰囲気中にて各種物理
    量の検出に用いられる半導体素子の電極の製造方法であ
    って、 前記半導体素子のコンタクト部上に高融点金属又は高融
    点金属珪化物を形成し、 前記高融点金属又は前記高融点金属珪化物上に高融点金
    属窒化物を形成し、 前記高融点金属窒化物を形成した後、該高融点金属窒化
    物表面の酸化物を除去し、 前記高融点金属窒化物上に白金、金又はニッケルの何れ
    か一つの金属を形成することを特徴とする高温用半導体
    素子の電極の製造方法。
  2. 【請求項2】 絶縁基板上に形成された単結晶シリコン
    又は多結晶シリコンから成り高温雰囲気中にて各種物理
    量の検出に用いられる半導体素子の電極の製造方法であ
    って、 前記半導体素子のコンタクト部上に高融点金属又は高融
    点金属珪化物を形成し、 前記高融点金属又は前記高融点金属珪化物上に高融点金
    属窒化物を形成し、 前記高融点金属窒化物上に白金を形成し、 前記白金を微細加工した後、該白金をエッチング用マス
    クとして前記高融点金属又は前記高融点金属珪化物と前
    記高融点金属窒化物とを浸食(ウエットエッチング)す
    ることを特徴とする高温用半導体素子の電極の製造方
    法。
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