JP3017658B2 - トナー用樹脂およびこれを用いた電子写真用トナー - Google Patents

トナー用樹脂およびこれを用いた電子写真用トナー

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JP3017658B2 JP7107786A JP10778695A JP3017658B2 JP 3017658 B2 JP3017658 B2 JP 3017658B2 JP 7107786 A JP7107786 A JP 7107786A JP 10778695 A JP10778695 A JP 10778695A JP 3017658 B2 JP3017658 B2 JP 3017658B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真用トナーに関
し、特に熱ロール定着を採用している複写機又はプリン
ター用のトナーに使用される樹脂およびそれを用いた電
子写真用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真方式を用いた複写機およ
びプリンターは、一般家庭等を含めてその普及が広まる
にともない、複写機またはプリンターの多機能化を主な
目的とした低エネルギー化(消費電力の削減)、印刷機
と複写機との境に位置するいわゆるグレイエリアへの普
及を目的とした高速化、あるいは機械コストを下げるた
めの定着ロールの簡素化のための低ロール圧力化が望ま
れている。また、複写機の高級化にともない両面コピー
機能や原稿自動送り装置の搭載された複写機が広く普及
されてきたため、複写機およびプリンターに使用される
電子写真用トナーには定着温度が低く、耐オフセット性
が優れて、且つ両面コピー時の汚れや、原稿自動送り装
置における汚れの発生を防止するため転写紙への定着強
度の優れたものが要求されている。
【0003】上記の要求に対して従来技術では、結着樹
脂の分子量や分子量分布を改良したもの等の提案がなさ
れている。具体的には、結着樹脂を低分子量化し、定着
温度を低くしようとする試みがなされていた。しかしな
がら、低分子量化することにより融点は低下したが同時
に粘度も低下したため定着ロールへのオフセット現象が
発生する問題が生じていた。このオフセット現象を防ぐ
ため、該結着樹脂の分子量の低分子量領域と高分子量領
域を調整し、分子量分布を広くする方法や、あるいは高
分子部分を架橋させたりすることが行われていた。しか
しながら、この方法では定着性を充分にもたせるために
は、樹脂のガラス転移温度(Tg)を低くせざるを得ず
トナーの保存性を損なうことが避けられなかった。ま
た、結着樹脂の低分子量部分を多くするとトナー自体が
脆くなり、両面コピー時の汚れや、原稿自動送り装置に
おける汚れが発生していた。さらにまた、上記オフセッ
ト現象を防ぐためにポリオレフィン系の離型剤を含有さ
せる方法もある。しかしながら、該離型剤を含有させる
とトナーの融点が高くなり、従って低い温度で定着した
場合、転写紙への充分な定着強度を得ることができない
という問題があった。
【0004】トナーの融点を下げ低温定着性を向上させ
る手段としては、カルナウバワックス、キャンデリラワ
ックス、ライスワックスなどの低融点のエステルワック
スを混合する方法が知られている。しかしながら低融点
のワックスを結着樹脂とともに溶融混練すると、両者の
溶融粘度が極端に異なるために低融点ワックスの分散が
悪く、粉砕分級して微粒子化すると低融点ワックスの脱
離や微粒子中の低融点ワックス含有量の不均一からトナ
ー特性が悪くなるという問題があった。また添加量を結
着樹脂100重量部に対して5重量部以上添加すると融
点が下がりすぎて、高温オフセットが悪くなるという問
題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は低い定
着温度で定着することができ、非オフセット性において
も実用上何ら問題を発生せず、転写紙への定着強度と画
像特性の優れた電子写真用トナーを提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明はエステルワック
スの存在下に官能基を有するビニル系樹脂を架橋させる
ことにより、該架橋ビニル系樹脂が該エステルワックス
中に微細に分散された構造を有することを特徴とするト
ナー用樹脂およびそれを用いた電子写真用トナーであ
る。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
使用するエステルワックスは合成エステルワックスおよ
びまたは天然エステルワックスを用いることができる。
合成エステルワックスの例としては、長鎖直鎖飽和脂肪
酸と長鎖直鎖飽和アルコールから合成されるモノエステ
ルワックスが挙げられる。長鎖直鎖飽和脂肪酸は一般式
2n+1COOHで表わされ、n=5〜28程度
のものが好ましく用いられる。また長鎖直鎖飽和アルコ
ールはC2n+1OHで表わされn=5〜28程度
のものが好ましく用いられる。ここで長鎖直鎖飽和脂肪
酸の具体例としては、カプリン酸,ウンデシル酸,ラウ
リン酸,トリデシル酸,ミリスチン酸,ペンタデシル
酸,パルミチン酸,ヘプタデカン酸,テトラデカン酸,
ステアリン酸,ノナデカン酸,アラモン酸,ベヘン酸,
リグノセリン酸,セロチン酸,ヘプタコサン酸,モンタ
ン酸およびメリシン酸等が挙げられる。一方長鎖直鎖飽
和アルコールの具体例としては、アミルアルコール,ヘ
キシールアルコール,ヘプチールアルコール,オクチル
アルコール,カプリルアルコール,ノニルアルコール,
デシルアルコール,ウンデシルアルコール,ラウリルア
ルコール,トリデシルアルコール,ミリスチルアルコー
ル,ペンタデシルアルコール,セチルアルコール,ヘプ
タデシルアルコール,ステアリルアルコール,ノナデシ
ルアルコール,エイコシルアルコール,セリルアルコー
ルおよびヘプタデカンオール等が挙げられる。なお、
かかる脂肪酸およびアルコールは、炭素数5以上の直鎖
状の構造を有していれば、本発明における効果を損なわ
ない範囲で、例えば低級アルキル基、アミノ基、ハロゲ
ン等の置換基を有していてもよい。上記の如きモノエス
テルワックスは、例えば長鎖直鎖飽和脂肪酸1モルに対
し長鎖直鎖飽和アルコール2モルを攪拌機、コンデンサ
ーを備えた丸底フラスコに投入し、少量の硫酸を加えて
約130℃で4時間加熱還流させた後、過剰のアルコー
ルを除去し、残査をメチルエーテルなどで精製して得ら
れる。また合成エステルワックスの別の例として、硼酸
と長鎖直鎖飽和アルコールから合成されるトリエステル
ワックスが挙げられる。該硼酸は無水硼酸または3塩化
硼素が用いられる。硼酸トリエステルの合成方法は例え
ば無水硼酸1モルに対して、長鎖直鎖飽和アルコール3
モルを攪拌機を備えた丸底フラスコに投入し、通常約1
20℃以上で反応を行い製造する。その後残査をアルコ
ール、エーテルなどで精製して得られる。
【0008】さらにまた、合成エステルワックスの別の
例としてネオペンチル型ポリオールとジカルボン酸と長
鎖直鎖飽和脂肪酸から合成されるオリゴエステルワック
スが挙げられる。該ネオペンチル型ポリオールの例とし
てはネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。これらの
ネオペンチル型ポリオールの中ではペンタエリスリトー
ルが最も保存性が良好となり好ましい。また、ジカルボ
ン酸の例としてはシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グル
タル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼラ
イン酸、セバシン酸などの脂肪族飽和ジカルボン酸類、
マレイン酸、フマル酸などの脂肪族不飽和ジカルボン酸
類、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの芳香
族ジカルボン酸類などが挙げられる。これらのジカルボ
ン酸類のなかではシュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フ
マル酸などの短鎖脂肪族ジカルボン酸が融点が低くな
り、定着性が向上するために好ましい。該オリゴエステ
ルワックスの合成方法はネオペンチル型ポリオールとジ
カルボン酸と長鎖直鎖飽和脂肪酸とを攪拌機、コンデン
サーを備えた丸底フラスコに投入し、少量の硫酸を加え
て約130℃で4時間加熱還流させる。残査をメチルエ
ーテルなどで精製して得られる。また、天然エステルワ
ックスの例としてはキャンデリラワックス、カルナウバ
ワックス、ライスワックス、木ろう、ホホバ油、蜜ろ
う、ラノリン、カスターワックス等が挙げられる。上記
の如きエステルワックスは単独で用いても良いし、複数
種を混合して用いても良い。本発明でいうエステルワッ
クスは、前記各ワックスの中でも特に請求項4〜7で特
定するワックスが下記に述べる示差熱分析によるピーク
温度が40℃未満になく、そのためトナーの保存性が良
好に保たれるので、好適に使用される。
【0009】本発明においては、エステルワックスとし
てその示差熱分析(以下DSCという)による吸収熱量
のピーク温度は40〜90℃のものが好ましい。この温
度は低いほど低温定着性が良好となるが、40℃未満で
あるとトナーの保存性が、また90℃以上であると低温
での定着特性が悪化するおそれがあり好ましくない。エ
ステルワックスのトナー用樹脂に含有させる割合として
は10〜95重量%程度とされる。10重量%より少な
いと低温での定着性が悪くなり、95重量%より多いと
トナーの融点が低くなりすぎ高温オフセットが悪くなる
ので好ましくない。さらに低温定着性と耐オフセット性
を良好に保つためには、好ましくは20〜90重量%で
ある。ここでいうDSCによる吸収熱量のピーク温度の
測定方法は以下のように実施する。例えばセイコー電子
工業社製の示差走査熱量計SSC−5200を用い、測
定条件としては、モノエステルを約10mg計量してD
SCに載置し、1分間に50ミリリットルのN2 ガスを
吹き込む。そして、20〜150℃の間を1分間あたり
10℃の割合で昇温させ、次に150℃から20℃に急
冷させる過程を2回繰り返してそのとき(2回目)の吸
収熱量を測定するものである。
【0010】本発明のトナー用樹脂は、上記のエステル
ワックスの存在下に官能基を有するビニル系樹脂を架橋
させることにより、該架橋ビニル系樹脂が該エステルワ
ックス中に微細に分散された構造を有することを特徴と
する。官能基を有するビニル系樹脂の例としては、例え
ばグリシジル基を含有するグリシジル(メタ)アクリレ
ート樹脂、カルボキシル基を含有する(メタ)アクリレ
ート樹脂、水酸基を含有するヒドロキシ(メタ)アクリ
レート樹脂等のアクリル系樹脂、あるいは水酸基を含有
するアリルアルコール樹脂,ポリ塩化ビニル樹脂,ポリ
ビニルアルコール樹脂,ポリ酢酸ビニル樹脂,ポリブタ
ジエン樹脂,エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂等が挙
げられる。また、これらの官能基を有するビニル系モノ
マーとスチレンとの共重合樹脂も用いることができる。
例えば水酸基を含有するスチレン−アリルアルコール共
重合樹脂、スチレン−ヒドロキシ(メタ)アクリレート
共重合樹脂、グリジジル基を含有するスチレン−グリシ
ジル(メタ)アクリレート共重合樹脂、カルボキシル基
を含有するスチレン−(メタ)アクリレート共重合樹脂
等が挙げられる。これらの官能基を含有する樹脂は上記
の如き樹脂に限らず、そのTg、溶融粘度、官能基の数
の調整のために他のビニルモノマーを適宜共重合するこ
とが可能である。前記ビニル系樹脂の中でも特にスチレ
ンとビニル系モノマーとの共重合樹脂およびアクリル系
樹脂がトナーの帯電特性および耐湿性の点で好適に使用
される。
【0011】これらの官能基を有するビニル系樹脂は、
エステルワックスとの混合前に架橋構造を有すると、エ
ステルワックスとの混合性が悪化し、架橋反応後の樹脂
の均一性が悪くなるので、直鎖状の樹脂が好ましい。こ
れらの官能基を有するビニル系樹脂を架橋させる手段と
しては、一般的な架橋剤を用いることで達成可能であ
る。例えば水酸基を含有するビニル系樹脂の架橋剤とし
てはイソシアネート基、カルボキシル基を含有する化合
物が使用可能である。またグリシジル基を含有するビニ
ル系樹脂の架橋剤としては、アミノ基、カルボキシル基
を有する化合物が使用可能である。またカルボキシル基
を含有するビニル系樹脂の架橋剤としては、グリジジル
基、水酸基を含有する化合物、金属キレート化合物等が
使用可能である。
【0012】本発明のエステルワックスの存在下で官能
基を有するビニル系樹脂を架橋させる手段としては、ま
ずロールミル、バンバリーミキサー、加圧ニーダー等の
適当な混練機または攪拌機を備えた反応釜中でエステル
ワックスとビニル系樹脂を充分に溶融混合させ、均一に
混合させた段階で架橋剤を投入し、更に加温混合して反
応させることで達成可能である。
【0013】本発明の電子写真用トナーは少なくとも上
記の如きトナー用樹脂からなる結着樹脂と着色剤とを含
有するものであり、必要に応じて磁性体、帯電制御剤、
流動化剤などの特性改良剤が使用可能である。本発明の
電子写真用トナーに用いられる結着樹脂としては上記の
トナー用樹脂以外に、必要に応じて他のポリエステル樹
脂、スチレン系樹脂、スチレンアクリル共重合樹脂、エ
ポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウ
レタン樹脂等の樹脂を配合してもよい。なお、本発明に
おいては、上記トナー用樹脂は結着樹脂中に50重量%
以上含まれることが好ましい。50重量%未満であると
低温定着性、耐オフセット性が悪化するので好ましくな
い。
【0014】本発明の電子写真用トナーに用いられる着
色剤としては、カーボンブラック、ニグロシン染料、ア
ニリンブルー、カルコオイルブルー、クロムイエロー、
ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリ
ンイエロー、メチレンブルークロライド、フタロシアニ
ンブルー、マラカイトグリーンオクサレート、ランプブ
ラック、ローズベンガル、これらの混合物、その他を挙
げることができる。これらの着色剤は、十分な濃度の可
視像が形成されるに十分な割合で含有されることが必要
であり、通常結着樹脂100重量部に対して1〜20重
量部程度の割合とされる。
【0015】本発明の電子写真用トナーに用いられる磁
性体としては、フェライト、マグネタイトをはじめとす
る鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性を示す金属若し
くは合金又はこれらの元素を含む化合物、或いは強磁性
元素を含まないが適当な熱処理を施すことによって強磁
性を示すようになる合金、例えばマンガン−銅−アルミ
ニウム−、マンガン−銅−錫などのマンガンと銅とを含
むホイスラー合金と呼ばれる種類の合金、又は二酸化ク
ロム、その他を挙げることができる。これらの磁性体は
平均粒径0.1〜1ミクロンの微粉末の形で結着樹脂中
に均一に分散される。そしてその含有量は、トナー10
重量部当り20〜70重量部、好ましくは40〜70重
量部である。
【0016】本発明の電子写真用トナーは、上記の如き
組成よりなるものであり、特にその溶融開始温度が60
℃以上100℃未満のものが好ましい。100℃より高
いと定着性が十分でなく、60℃より低いとブロッキン
グ性が悪化し保存性に問題を生じるおそれがある。ここ
でいう溶融開始温度とは下記測定機および測定条件にお
けるプランジャーの降下開始温度のことをさすこととす
る。 測定機;島津製作所製 高化式フローテスターCF−500 測定条件; プランジャー:1cm2 ダイの直径 :1mm ダイの長さ :1mm 荷重 :20KgF 予熱温度 :50〜80℃ 予熱時間 :300sec 昇温速度 :6℃/min
【0017】本発明の電子写真用トナーは、フェライト
粉や鉄粉等より成るキャリアと混合されて二成分系現像
剤とされる。また磁性体が含有されるときはキャリアと
混合しないでそのまま一成分系現像剤として静電荷像の
現像に使用されるか、あるいはキャリアと混合されて二
成分系現像剤として使用してもよい。さらには非磁性1
成分の現像方法にも適用可能である。
【0018】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を説明する。な
お、実施例において部とは重量部を示す。 実施例1 テトラデカン酸1モルとヘプタデカン1オール2モルと
硫酸0.5モルを攪拌機、コンデンサーおよび窒素導入
管を備えた丸底フラスコに入れ、窒素ガス導入管から窒
素ガスを導入しながら130℃で4時間加熱還流させ
た。過剰のヘプタデカン1オールを除去した後、残査を
メチルエーテルで精製してモノエステルワックスを得
た。このエステルワックスの融点、すなわちDSCの吸
収熱量のピーク温度は65℃であった。このエステルワ
ックス100部を攪拌機、コンデンサーおよび窒素導入
管を備えた丸底フラスコに入れ、窒素ガス導入管から窒
素を導入しながら120℃に加温し完全に溶解した。さ
らに、スチレンアリルアルコール共重合樹脂20部(巴
工業社製 商品名;SAA−100)とテレフタル酸1
0部およびジブチル錫オキシド0.005部を添加し
た。その後160℃で2時間、180℃で2時間加熱攪
拌してモノエステル中に架橋スチレンアリルアルコール
共重合樹脂が均一に分散した本発明のトナー用樹脂を得
た。
【0019】 (三洋化成工業社製 商品名;ビスコール330P) 次に、上記の配合比からなる原料をスーパーミキサーで
混合し、二軸混練機で熱溶融混練後、ジェットミルで粉
砕し、その後乾式気流分級機で分級して平均粒子径が1
0μmの粒子を得た。そして、該粒子100部と疎水性
シリカ(キャボット社製 商品名:キャボシルTS−5
30)0.4部とをヘンシェルミキサー内で1分間攪拌
し、該粒子の表面に疎水性シリカを付着させ本発明の電
子写真用トナーを得た。
【0020】実施例2 ペンタエリスリトール1モルとステアリン酸2モルとマ
レイン酸1モルとを攪拌機を備えた丸底フラスコに入れ
て130℃で4時間加熱させた。その後、残査をメチル
エーテルで精製してオリゴエステルワックスを得た。こ
のエステルワックスの融点、すなわちDSCの吸収熱量
のピーク温度は60℃であった。実施例1におけるエス
テルワックスを上記エステルワックスに変更した以外は
実施例1と同様にして本発明のトナー用樹脂および電子
写真用トナーを得た。
【0021】実施例3 無水硼酸1モルとステアリルアルコール3モルを攪拌機
を備えた丸底フラスコに入れて120℃で4時間加熱さ
せた。その後、残査をメチルエーテルで精製して硼酸ス
テアリルエステルを得た。このエステルの融点、すなわ
ちDSCの吸収熱量のピーク温度は55℃であった。実
施例1におけるエステルワックスを上記エステルワック
スに変更した以外は実施例1と同様にして本発明のトナ
ー用樹脂および電子写真用トナーを得た。
【0022】実施例4 実施例1におけるエステルワックスをカスターワックス
(小倉合成工業(株)社製 商品名;♯200(融点;
83℃))に変更した以外は実施例1と同様にして本発
明のトナー用樹脂および電子写真用トナーを得た。
【0023】実施例5 実施例1におけるスチレンアリルアルコール樹脂をグリ
シジル基含有アクリル樹脂(大日本インキ化学工業社製
商品名;FINEDIC A−229−30)に変更
した以外は実施例1と同様にして本発明のトナー用樹脂
および電子写真用トナーを得た。
【0024】実施例6 実施例1におけるテレフタル酸をブロックドイソシアネ
ート(ヒルス社製 商品名;BF−1540)に変更
し、ジブチル錫オキサイドを使用しない以外は実施例1
と同様にして本発明のトナー用樹脂および電子写真用ト
ナーを得た。
【0025】比較例1 エステルワックスを添加することなく、モノエステル中
に分散状態にない架橋スチレン−アリルアルコール共重
合樹脂をトナー用樹脂にしたこと以外は実施例1と同様
にして比較用の電子写真用トナーを得た。
【0026】比較例2 実施例1のモノエステルと比較例1のエステルワックス
を添加しない樹脂を下記の配合で用いて、すなわち架橋
ビニル系樹脂がエステルワックス中に微分散されること
なく両者が単に混合された比較用の電子写真用トナーを
得た。 (三洋化成工業社製 商品名;ビスコール330P) すなわち、上記の配合比からなる原料をスーパーミキサ
ーで混合し、二軸混練機で熱溶融混練後、ジェットミル
で粉砕し、その後乾式気流分級機で分級して平均粒子径
が10μmの粒子を得た。そして、該粒子100部と疎
水性シリカ(キャボット社製 商品名:キャボシルTS
−530)0.4部とをヘンシェルミキサー内で1分間
攪拌し、該粒子の表面に疎水性シリカを付着させ比較用
の電子写真用トナーを得た。
【0027】次に前記実施例及び比較例について下記の
項目の評価をおこなった。 (1)非オフセット温度領域 まず、前記実施例及び比較例で得た各電子写真用トナー
4部と樹脂被覆を施してないフェライトキャリア(パウ
ダーテック社製 商品名:FL−1020)96部とを
混合して二成分系現像剤を作製した。次に該現像剤を使
用して市販の複写機(シャープ社製 商品名:SF−9
800)にてA4の転写紙に縦2cm、横5cmの帯状
の未定着画像を複数作製した。次に、表層がフッ素樹脂
(デュポン社製 商品名:テフロン)で形成された熱定
着ロールと、表層がシリコーンゴムで形成された圧力定
着ロールが対になって回転する定着機をロール圧力が1
kg/cm2 及びロールスピードが50mm/secに
なるように調節し、該熱定着ロールの表面温度を5℃ご
とに段階的に変化させて、各表面温度において上記未定
着画像を有した転写紙のトナー像の定着を行なった。こ
の時余白部分にトナー汚れが生じるか否かの観察をし
て、汚れが生じない温度領域を非オフセット温度領域と
した。 (2)非オフセット温度幅 上記の非オフセット温度領域の最大値と最小値の差を非
オフセット温度幅とした。
【0028】(3)定着強度 前記定着機の熱定着ロールの表面温度を140℃に設定
し、前記未定着画像が形成された転写紙のトナー像の定
着をおこなった。そして、形成された定着画像に対して
綿パッドによる摺擦を施し、下記式によって定着強度を
算出し低エネルギー定着性の指標とした。画像濃度はマ
クベス社製の反射濃度計RD−914を使用した。 定着強度(%)=(摺擦後の定着画像の画像濃度/摺擦
前の定着画像の画像濃度)×100
【0029】(4)画像濃度 マクベス社反射濃度計RD−914による前記定着強度
の測定時の摺擦前の定着画像の画像濃度 (5)溶融開始温度 前記の測定機および方法による。上記項目の試験結果を
表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】表1の試験結果から明らかなように、本発
明の電子写真用トナーの非オフセット温度幅は75〜8
5℃という実用上十分な範囲を維持していることが確認
された。また、定着温度140℃における定着強度が9
0%以上あり実用上十分な定着強度を有することが確認
された。これに対して、比較例1では140℃における
定着強度が50%以下と低いものであることが確認され
た。比較例2ではオフセット温度幅が狭くまた画像濃
度も低く実用上問題のあるものであった。
【0032】また、前項(1)における各現像剤を使用
して市販の複写機(東芝社製 商品名:BD−380
1)で10000枚までの連続コピー試験をおこなった
結果、実施例1〜実施例6の全てにおいて、摩擦帯電量
が初期から10000枚までの間を−20μc/gから
−35μc/gの値で推移し、画像濃度も初期から10
000枚までの間を1.40から1.45までの値を推
移するもので実用上問題のないことが確認された。比較
例1は摩擦帯電量が−20μc/gから−30μc/g
の値で推移し、画像濃度が初期1.45から1.35ま
での値を推移するものであったが、比較例2は摩擦帯電
量が初期−38μc/gと高く、10000枚後には−
44μc/gまで上昇し、画像濃度も初期1.00から
10000枚後には0.90まで低下し実用上問題のあ
るものであった。なお、コピーした原稿は黒色部が6%
のA4のものであり、摩擦帯電量は東芝ケミカル社製の
ブローオフ摩擦帯電量測定装置を使用した。
【0033】
【発明の効果】本発明の電子写真用トナーは、十分な非
オフセット温度領域を維持し低い温度で定着することが
でき、かつ定着強度に優れていると共に十分画像濃度
を多数枚得ることができるという効果を奏する。

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エステルワックスの存在下に官能基を有
    するビニル系樹脂を架橋させることにより、該架橋ビニ
    ル系樹脂が該エステルワックス中に微細に分散された構
    造を有することを特徴とするトナー用樹脂。
  2. 【請求項2】 ビニル系樹脂がスチレンとビニル系モノ
    マーとの共重合樹脂であることを特徴とする請求項1記
    載のトナー用樹脂。
  3. 【請求項3】 ビニル系樹脂がアクリル系樹脂であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のトナー用樹脂。
  4. 【請求項4】 エステルワックスが長鎖直鎖飽和脂肪酸
    と長鎖直鎖飽和アルコールから得られるモノエステルワ
    ックスであることを特徴とする請求項1記載のトナー用
    樹脂。
  5. 【請求項5】 エステルワックスがネオペンチル型ポリ
    オールとジカルボン酸と長鎖直鎖飽和脂肪酸から得られ
    るオリゴエステルワックスであることを特徴とする請求
    項1記載のトナー用樹脂。
  6. 【請求項6】 エステルワックスが硼酸と長鎖直鎖飽和
    アルコールから得られるトリエステルワックスであるこ
    とを特徴とする請求項1記載のトナー用樹脂。
  7. 【請求項7】 エステルワックスが天然ワックスである
    ことを特徴とする請求項1記載のトナー用樹脂。
  8. 【請求項8】 少なくとも結着樹脂と着色剤を含有する
    トナーにおいて結着樹脂が請求項1に記載されたトナー
    用樹脂であることを特徴とする電子写真用トナー。
  9. 【請求項9】 エステルワックスのDSCによる吸収熱
    量のピーク温度が40〜90℃であることを特徴とする
    請求項1記載のトナー用樹脂。
  10. 【請求項10】 トナー用樹脂中のエステルワックスの
    含有量が10〜95重量%であることを特徴とする請求
    項1記載のトナー用樹脂。
  11. 【請求項11】 トナーの溶融開始温度が60℃以上1
    00℃未満であることを特徴とする請求項8記載の電子
    写真用トナー。
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