JP3016669B2 - セラミックヒータ - Google Patents

セラミックヒータ

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JP3016669B2
JP3016669B2 JP4354770A JP35477092A JP3016669B2 JP 3016669 B2 JP3016669 B2 JP 3016669B2 JP 4354770 A JP4354770 A JP 4354770A JP 35477092 A JP35477092 A JP 35477092A JP 3016669 B2 JP3016669 B2 JP 3016669B2
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ceramic heater
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rhenium
heater
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康司 松尾
圭三 古崎
義昭 黒木
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セラミック焼結体中に
高融点金属厚膜抵抗体パターンを埋設したセラミックヒ
ータ、特に内燃機関の排気管に装着されて排気ガス中の
酸素濃度を検出する酸素センサを加熱するための、長期
間連続して高温で使用されるのに適したセラミックヒー
タに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り用いられているセラミックヒータとして、未焼成のア
ルミナ(Al23)基材上に、タングステン(W)等の
高融点金属がペースト印刷法等で厚膜抵抗体パターンに
形成され、さらにその上にアルミナのグリーンシートが
積層され、これらを一体焼成してなるものが知られてい
る。この場合、グリーンシートは焼成後においてパター
ンの保護層となる。
【0003】しかし、この種のセラミックヒータは高温
に長期間さらされる酸素センサの加熱に使用した場合、
発熱部の抵抗が増大してパターンが断線すると共に、保
護層にクラックが発生し、最悪の場合にはそれが崩壊
し、ヒータ寿命が低下する問題を有する。この場合、外
観的にはパターンの陰極に近い部分は黒ずみ、いわゆる
黒色化現象を生じる。
【0004】このため、使用条件を検知して必要な時だ
け通電することにより耐久寿命を維持することが行われ
ているが、検知手段および通電制御手段が別途必要とな
って装置が複雑化する他検知手段等の故障による新たな
寿命低下原因を生じ根本的な解決策とはなり得ない。
【0005】別途手段の外的付与を必要とせず、セラミ
ックヒータ自体の改良によってヒータ寿命を長期化でき
るセラミックヒータを提供するするために、本発明者
は、先ず高温下で使用されるときのセラミックヒータ劣
化要因を分析し、従来セラミックヒータの断線現象のメ
カニズムを考察した。その結果は、既に特開平1−22
5087にも開示されている様に、以下の通りである。
【0006】先ず、従来のセラミックヒータの断線発生
後の状態について、EPMA(元素分析)による分析結
果を模式的に図6(A),(B)に示す。又、セラミッ
クヒータを1000℃の大気雰囲気中におき、直流17
Vで連続印加することにより通電し、パターンの抵抗値
の変化を調べた結果を図7に示す。これらの結果から次
の現象〜が認められた。
【0007】パターンの陰極に近い発熱部、即ち陰極
側第1パターン(PN1)ないしはそれにつながるリー
ド部パターンの部分が局部的に白色(アルミナの通常
色)から黒色に変化していること。
【0008】パターンの陽極に近い発熱部、即ち陽極
側第1パターン(PP1)ないしはそれにつながるリー
ド部パターンの部分が局部的にクラックを生じているこ
と。
【0009】パターンの陽極側第1パターン(PP
1)部の抵抗が陽極側第2、第3パターン部に比して著
しく増大していること。
【0010】上記現象を解明するための理論的考察は次
の通りである。
【0011】セラミックヒータを構成するアルミナ基材
は主成分としてのアルミナの他、焼結促進成分として種
々の金属酸化物が含有されて焼結され、これら金属酸化
物は焼結体においてはアルミナ粒界のガラス相として存
在する。こうしたセラミックヒータを高温下にて直流通
電させるとガラス相中に存在するマグネシウム(M
g)、カルシウム(Ca)原子が陽イオンとなって陰極
側に移動する一方、該成分の近傍に存在する酸素(O)
原子が電気的中性を維持するため酸素イオンとなり陽極
側に移動する。そのため、マグネシウム、カルシウム成
分が単体又は酸化物等として陰極端子付近に堆積し、そ
の部位の黒色化をもたらす。
【0012】即ち直流印加によりアルミナ粒界のガラス
相中のフラックス成分が電気分解を受けるものと考えら
れる(現象)。又、陽極側に移動した酸素イオンによ
りパターン材料、例えばタングステンが酸化され、その
部位の抵抗値を増大させる(現象)。又、この酸化反
応によってパターンは体積膨張を起こし、パターンに断
線を生ずると共に、保護層に応力が加わり、クラックを
生ずる(現象)。なお、酸化したパターン材料はその
一部が拡散により保護層、更には外界へ移動し、この意
味でもパターンの抵抗値を増大させる(現象)。
【0013】その後、こうしたセラミックヒータが高温
にさらされ続けると、保護層のクラックから侵入した外
気酸素により、爆発的に抵抗体パターン材料が酸化さ
れ、より一層の体積膨張を起こし、保護層の剥離、崩壊
に至る。
【0014】即ち、パターンの断線メカニズムの要点
は、酸素イオンの高電位側への移動によりパターン材
料、例えばタングステン(W)が酸化されることにある
と考えられるに至った。
【0015】即ち、本発明者等は上記ヒータ断線のメカ
ニズムの考察結果に基づき、厚膜抵抗体パターン材料、
例えばタングステンの酸化を効果的に抑制するべく高融
点金属でしかも耐酸化性に優れたレニウム(Re)をパ
ターン材料に添加することを着想した。なお、タングス
テンへのレニウムの添加は、先に特公昭63−3589
5において、セラミックグロープラグ内部の高融点金属
の発熱線にレニウムを5〜30重量%添加することによ
り、発熱線の比抵抗を増加方向に調整してグロープラグ
の発熱効率を向上させる技術が開示されており、また、
本発明者等は、レニウムの優れた耐酸化性に着目し、ア
ルミナを主成分とするセラミックヒータの寿命向上を果
たすべく研究を重ね、レニウムの添加量が10重量%以
上を含有する時、上記セラミックヒータの寿命が著しく
向上され、しかも耐熱衝撃についても満足されることを
見出し、先に出願した(平成4年11月18日出願)。
【0016】本発明では、さらに、上記セラミックヒー
タの改良として、雰囲気温が低温の時には、急速にパタ
ーン先端側が昇温し、逆に高温の時には発熱が抑制さ
れ、ヒータ寿命の劣化を招かず、ヒータ寿命をさらに長
期化できるセラミックヒータを提供することを目的とし
ている。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記研究
の過程において、タングステンへのレニウムの添加wt
%により、パターンの抵抗の温度変化(温度係数)に差
が生じることを利用し(図8のタングステン中のレニウ
ムの添加量を変えた場合の抵抗−温度特性を参照)、パ
ターンの発熱部(発熱側)には、低温時のヒータ電圧印
加の際、突入電流を極力抑え、かつ先端部に発熱が集中
し昇温が速くなるように、常温(25℃)抵抗が大きく
抵抗の温度変化の小さいレニウム(Re)を10%以上
含むタングステン等を使用し、一方パターンの端部(端
子側)には、使用雰囲気温が低温時にはこの部での電圧
降下を小さくし、かつ高温になった時、抵抗が増大し、
集中発熱部への電流を抑制し、ひいてはパターンの高温
での劣化を抑制できるように、抵抗の温度変化の大き
い、レニウムを5%以下しか含まないタングステン等を
使用することによって、雰囲気温が低温の時には、急速
にパターン先端側が昇温し、逆に高温の時には発熱が抑
制され、ヒータ寿命の劣化を招かない、理想的なセラミ
ックヒータになることを見出し、本発明を想到するに至
った。
【0018】即ち本発明のセラミックヒータでは、セラ
ミック基材上に、発熱体として厚膜抵抗体が形成された
セラミックヒータにおいて、上記厚膜抵抗体の発熱部に
添加するレニウム(Re)の添加量を、上記厚膜抵抗体
の端部に添加するレニウム(Re)の添加量より大きく
することを課題解決の手段とした。
【0019】厚膜抵抗体パターンとしては、レニウムの
他に、残部としてタングステン(W)、タングステンカ
ーバイト(WC)、モリブデン(Mo)等の高融点金属
を用いることができる。なお、抵抗特性に悪影響を与え
ない限りにおいて若干酸化物等が存在していても良い。
厚膜抵抗体パターンは一般的には、高抵抗性の発熱部
と、電源との接続に供される比較的低抵抗性の端部(接
続部)とからなり、発熱部はセンサ等の被加熱体の状況
に応じて所定の大きさ、形状に形成することができる。
【0020】また、上記厚膜抵抗体の発熱部におけるレ
ニウム(Re)の添加量は10wt%以上であり、上記
厚膜抵抗体の端部におけるレニウム(Re)の添加量は
5wt%以下であることが好ましい。
【0021】上記発熱部におけるレニウム(Re)の添
加量が10wt%未満では、発熱部の抵抗体自体の耐酸
化性が不足する。また、上記端部におけるレニウム(R
e)の添加量が5wt%を越えると、室温抵抗が大きく
かつ抵抗の温度変化が小さくなり、使用雰囲気温が低温
時にはこの部での電圧降下が大きくなり、かつ高温にな
った時、集中発熱部への電流を抑制できなくなる。
【0022】また、上記発熱部は、レニウム(Re)を
10wt%以上含有する、タングステン(W)、タング
ステンカーバイト(WC)またはモリブデン(Mo)で
形成し(Re100%の場合も含む)、上記端部は、レ
ニウム(Re)を5wt%以下含有する、タングステン
(W)、タングステンカーバイト(WC)またはモリブ
デン(Mo)で形成するのが好ましい。なお、上記端部
は、レニウム(Re)を全く含有しない、タングステン
(W)、タングステンカーバイト(WC)またはモリブ
デン(Mo)で形成しても良い。
【0023】本発明のセラミックヒータに使用されるセ
ラミック基材とは、広く、厚膜抵抗体が形成されている
下の部分をいう。従って、例えば、グリーンシート上に
厚膜抵抗体を形成して焼成した場合は焼成されたグリー
ンシートの部分を指し、支持体上に直接厚膜抵抗体を形
成した場合は支持体の部分を指し、支持体上にグリーン
シートを介在させて厚膜抵抗体を形成した場合には支持
体とグリーンシート部分の双方を指す。
【0024】上記基材としては、アルミナ又はアルミナ
を主体とするセラミックが通常最も好ましいが、その他
にも、ムライト、スピネル又はそれらを主体とするセラ
ミック等のアルミナ類似セラミック等の高温高強度セラ
ミックも用いることができる。
【0025】主成分としてのアルミナ等は、平均結晶粒
径10μm以下、相対理論密度94%以上であることが
熱伝導特性に優れた高温高強度材料とするため好まし
い。
【0026】またセラミック基材の形状は、被加熱体例
えばセンサの状況に応じて棒状、板状、管状等種々のも
のを採用できる。
【0027】さらに、セラミックヒータの表面には、発
熱体を高温環境下において高融点金属を保護し、また基
材と発熱パターンの接合性を向上させるために、少なく
とも発熱体パターンを包含するように一旦グリーンシー
トで挟んで積層圧着し、その後必要に応じてこの積層圧
着体を更に支持体との接合に供するようにし、しかるの
ち一体焼成することにより発熱体パターンを緻密な保護
層で包み込むようにすることが望ましい。
【0028】次に、セラミック基材としてアルミナを用
いたセラミックヒータの製法について説明する。
【0029】原料として主成分アルミナからなる粉末を
湿式混合したものを用意する。緻密な高温高強度体とす
るために粉末としては純度90%以上の高純度粉末を用
い、その粒径は2μm以下にする。なお、焼結促進成
分、即ちシリカ(SiO2)、マグネシア(MgO)、
カルシア(CaO)、ベリリア(B23)等は焼成過程
において酸化物、ひいては所定の網目構造となりうるも
の、例えば水酸化物、塩(例えば炭酸塩等)として配合
しても良い。
【0030】配合粉末の成形は加圧成形(例えば静水圧
成形、ドクターブレード成形)、押出成形など種々の方
法で行い得る。成形にあたり、所定の溶剤および結合剤
等を適時配合する。
【0031】抵抗体パターンの形成はメッキ、気相析出
法、例えばスパッタリング、蒸着など種々の手段が採れ
るが、特には、金属ペーストを第1のグリーンシート上
に例えばスクリーン印刷によって所定形状の厚膜パター
ンに印刷形成し、このグリーンシートのパターン印刷面
側に第2のグリーンシートを重ねて圧着してパターンを
被覆した後、例えば棒状、管状等の異形状の支持体との
接合に供するとよい。パターンを直接支持体に接合する
ようにすると相互密着性が不十分となり、気孔発生に基
づくパターン成分の酸化原因(断線原因)を招くおそれ
があるからである。
【0032】焼結は、基材および各層の相互密着性を高
めるため同時焼成することが好ましい。焼結方法として
は型加圧(HP,HIP)焼結、雰囲気加圧焼結、反応
焼結等種々のものを採用でき、その焼結温度は1450
〜1600℃の範囲から選択すると良い。雰囲気は不活
性ガス(例えばAr,N2)、酸化性雰囲気(例えば大
気)、還元雰囲気(例えばH2)のいずれであっても良
く、抵抗体材料に合わせて適宜選択する。
【0033】こうして得られたセラミックヒータは、そ
のパターン接続側の露出する末端の近傍をメタライズ処
理して端末部を形成し、電源からのリード線を例えばロ
ー付けで接続できるようにすることができる。
【0034】本発明のセラミックヒータはその特徴を備
える限りにおいて、ヒータ要素の外に他の要素例えばセ
ンサ素子要素を併設させても良い。
【0035】また本発明のセラミックヒータは、特に高
温下で長期間使用される内燃機関の空燃比制御用酸素セ
ンサを加熱するためのヒータとして好適である。この場
合セラミックヒータは、棒状に形成して試験管型固体電
解質酸素センサ素子の中空部内に挿入してもよいし、板
状に形成して板状酸素センサ素子に並設しても良いし、
又セラミックヒータの中、例えば基材の間にセンサ素子
を組み込んでも良いことは勿論である。
【0036】
【実施例】以下、図面を参照して本発明のセラミックヒ
ータについてさらに詳しく説明する。
【0037】図1に本発明のセラミックヒータの一例に
ついて示す。
【0038】このセラミックヒータでは、円筒状の支持
体11上に、厚膜抵抗体14を含んだ発熱層17が形成
されている。この発熱層17は、アルミナ等のセラミッ
ク層2層で厚膜抵抗体14を挟んだ構造となっている。
【0039】上記厚膜抵抗体14は、発熱部141と端
部142と重ね部143とを有しており、上記発熱部1
41におけるレニウム(Re)の添加量は10wt%以
上であり、上記端部142におけるレニウム(Re)の
添加量は5wt%以下に形成されている。また、端部1
42の先端は図示しないスルーホールを介して端子部1
23と接続され、更にリード線引出用端子線15と接合
されている。
【0040】以下上記セラミックヒータの製造方法につ
いて図2を参考にして説明する。
【0041】(a)原料粉末の混合 平均粒径1.5μm、純度99.9%のアルミナ粉末、
焼結促進剤として平均粒径2μm、純度98%のシリカ
粉末、平均粒径2μm、純度90%のマグネシア粉末、
平均粒径2μm、純度90%のカルシア粉末を、97.
2:2.5:0.1:0.1の割合で配合し、ボールミルで2
0〜60時間湿式混合した後、脱水乾燥した。
【0042】(b)支持体の作成 前記(a)で得た配合粉末にメチルセルロース1%、マ
クセロン(商品名)15%、水10%を添加し、混練し
た。次に、押出成形法で円筒状に成形し、所定寸法に切
断後、1200℃で仮焼して外径約2.3mm、長さ7
0mmの支持体11を得た。
【0043】(c)第1グリーンシート12、第2グリ
ーンシート13、および発熱体パターン14の製作 前記(a)で得た配合粉末にポリビニルブチラール8
%、DBP4%、メチルエチルケトン、トルエン70%
を添加し、ボールミルで混合してスラリー状とした。減
圧脱泡後、ドクターブレード法により、厚さ0.2〜
0.4mmの第1グリーンシート12を作った。次に、
このシート12の表面にレニウムとタングステンとを、 発熱部141:W−Re10%以上 端部142 :W(Re5%以下) になるように、種々の割合で混合調整したペーストを厚
膜印刷法により幅約0.25mm、厚み約20μmにス
クリーン印刷して図示した形状のパターン14を形成し
た。
【0044】ここで、発熱部141の長さXは約5.4
mm、端部142の長さYは65mm、発熱部141の
要部の幅aは約0.2mmに設定されている。
【0045】更に、この印刷表面に第1グリーンシート
12と同様の方法にて成形してなる厚さ0.05mmの
第2グリーンシート13を圧着した。なお、第1グリー
ンシート12の所定位置にはスルーホール121,12
1、端子接続部122,122及び端子部123,12
3を上記ペーストの充填ないし印刷により形成してお
く。
【0046】(d)支持体11と、第1グリーンシート
12、パターン14及び第2グリーンシート13の積層
体との一体化 前記(c)で得られた積層体シートの第2グリーンシー
ト13側表面に、前記(a)で得た配合粉末にポリビニ
ルブチラール25%、DBP8%、ブチルカルビドール
30%を添加してなるペーストを塗布した。次に、この
塗布面を支持体11との接合に供するようにして、支持
体11の周囲にグリーンシート等を一重に巻き付け、加
圧密着させた。次に、250℃で樹脂抜きした後、水素
炉雰囲気中にて1500〜1600℃で焼成して、一体
化焼結されたセラミックヒータ16を得た。
【0047】なお、このセラミックヒータ16の端子部
123をNiメッキし、ロー材を用いてリード線引出用
端子線15,15を接合した。
【0048】このようにして製造されたセラミックヒー
タでは、発熱部141におけるレニウム(Re)の添加
量が10wt%以上であり、端部142におけるレニウ
ム(Re)の添加量は5wt%以下に形成されているの
で、雰囲気温が低温の時には、急速に発熱部側が昇温
し、逆に高温の時には発熱が抑制され、ヒータ寿命の劣
化を招かず、ヒータ寿命を最高度に長期化することがで
きる。
【0049】(実験例)下表のように、発熱部と端子部
とでReの量を変えたセラミックヒータ16を6種類
(内実験例5、比較例1)を製造した。
【0050】
【表1】
【0051】さらに、別途比較例として全パターンを単
一の材料で製作したもの2種類(比較例2:Re32
%、比較例3:Re0%)のヒータも製造し、これらを
用いて高温耐久試験を実施した。(但し、これらの各ヒ
ータのパターンの全抵抗値は全てほぼ3.5Ω(20
℃)に調整した。)
【0052】ここで、図2に示す発熱部パターンの要部
の長さZを4.2mmを中心として、各ペースト毎に適
宜変更して抵抗値を調整した。つまりReの含有が少な
いペーストでは導電率が低くなるためパターン長は長
く、又Reの含有が多いペーストではパターン長Zは短
くなる。
【0053】高温耐久試験は1000℃の大気加熱雰囲
気下で直流17Vの連続通電を350時間まで行い、そ
の間の発熱体抵抗値の変化率[(耐久中の抵抗値−初期
抵抗値)/初期抵抗値]を測定することにより実施し
た。この高温耐久試験結果を図3、図4に示す。
【0054】これらの図から明かなように、比較例1、
比較例2のヒータでは350時間経過後の抵抗変化率が
100%近くになり(図3、図4)、また比較例3のヒ
ータでは100時間で断線が生じる(図4)のに対し、
本実験例のヒータでは、350時間経過後も発熱体の抵
抗変化がほとんどみられないことが判った(図3)。
【0055】さらに、上記実験例2、3と比較例2、3
のセラミックヒータの基板の先端に薄い熱電対を張り付
け、室温無風条件にて各ヒータに14Vを印加し、ヒー
タ電圧印加時の昇温特性を比較した結果を図5に示す。
【0056】この結果、実験例2、3のヒータにおいて
は、Reの含有量に基づき、室温での導電率が変化する
ので、発熱部抵抗が端子部抵抗に比べて非常に大きく、
昇温時での発熱集中効果が大きくなる。又、その後にお
いては、発熱部に比べ端子部での抵抗温度係数が大きい
ため、電流が端子部より抑制されるので、発熱部の温度
上昇が緩やかになり約800℃で安定することが判明し
た。
【0057】一方比較例2のヒーターでは、室温での発
熱部抵抗と端子部抵抗との差が実験例に比べ縮まってい
るため、発熱集中効果は減少し、その分昇温速度は遅く
なる。又端子部での抵抗温度係数が小さいため、その後
温度は上昇し続けるので寿命が低下する。
【0058】又比較例3のヒーターでは、発熱パターン
Zが長いため先端部での発熱が分散し、昇温が遅く、又
発熱部、端子部の抵抗温度係数が共に大きいため、安定
する温度も低くなっている。なお、もし安定温度を高め
るために発熱パターン長Zを長くせず、パターン密度を
上昇させると、図5中の一点鎖線で示す参考の如く電圧
印加時での突入電流の関係からオーバーシュートを発生
する性質を内在するものである。
【0059】以上の結果、本実験例のヒータでは、高温
での耐久性、低温での昇温〜加熱効果が共にすぐれ、セ
ラミックヒータとして理想的であることが判った。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように本発明のセラミック
ヒータは、厚膜抵抗体の発熱部(発熱側)に添加された
レニウム(Re)の添加量が、上記厚膜抵抗体の端部
(端子側)に添加されたレニウム(Re)の添加量より
大きくされているので、厚膜抵抗体の発熱部では、低温
時のヒータ電圧印加の際、突入電流を極力抑え、かつ発
熱部に発熱が集中し昇温が速くなり、一方厚膜抵抗体の
端部では、使用雰囲気温が低温時にはこの部での電圧降
下を小さくし、かつ高温になった時、抵抗が増大し、集
中発熱部への電流を抑制し、ひいてはパターンの高温で
の劣化を抑制することができる。
【0061】従って本発明のセラミックヒータによれ
ば、ヒータ寿命の劣化を招かず、ヒータ寿命を最高度に
長期化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセラミックヒータの一実施例を示す斜
視図である。
【図2】本発明のセラミックヒータの製造方法を示す斜
視図である。
【図3】高温耐久試験の結果を示すグラフである。
【図4】高温耐久試験の結果を示すグラフである。
【図5】ヒータ電圧印加時の昇温特性を比較した結果を
示すグラフである。
【図6】従来のセラミックヒータを示す図であり、
(A)は斜視図、(B)は(A)のB−B断面図であ
る。
【図7】直流電圧を連続印加した場合の従来のセラミッ
クヒータの抵抗値変化を示すグラフである。
【図8】レニウムの添加量を変化させた場合の抵抗−温
度特性を示すグラフである。
【符号の説明】
11 支持体 14 厚膜抵抗体(パターン) 141 発熱部 142 端部
フロントページの続き (72)発明者 黒木 義昭 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特 殊陶業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−179086(JP,A) 特開 平4−329291(JP,A) 特開 平1−313362(JP,A) 特開 平1−157084(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05B 3/14 G01N 27/409 H01C 7/00 H05B 3/20

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミック基材上に、発熱体として厚膜抵
    抗体が形成されたセラミックヒータにおいて、 上記厚膜抵抗体の発熱部に添加されたレニウム(Re)
    の添加量が、上記厚膜抵抗体の端部に添加されたレニウ
    ム(Re)の添加量より大きいことを特徴とするセラミ
    ックヒータ。
  2. 【請求項2】上記発熱部におけるレニウム(Re)の添
    加量が10wt%以上であり、上記端部におけるレニウ
    ム(Re)の添加量が5wt%以下であることを特徴と
    する請求項1記載のセラミックヒータ。
  3. 【請求項3】上記発熱部がレニウム(Re)を10wt
    %以上含有する、タングステン(W)、タングステンカ
    ーバイト(WC)またはモリブデン(Mo)からなり、
    上記端部がタングステン(W),タングステンカーバイ
    ト(WC)またはモリブデン(Mo)からなることを特
    徴とする請求項1記載のセラミックヒータ。
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