JP2002146465A - 金属抵抗体及びこの金属抵抗体を有するヒータ並びにガスセンサ - Google Patents

金属抵抗体及びこの金属抵抗体を有するヒータ並びにガスセンサ

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JP2002146465A
JP2002146465A JP2000337468A JP2000337468A JP2002146465A JP 2002146465 A JP2002146465 A JP 2002146465A JP 2000337468 A JP2000337468 A JP 2000337468A JP 2000337468 A JP2000337468 A JP 2000337468A JP 2002146465 A JP2002146465 A JP 2002146465A
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heater
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resistance
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Masaki Mizutani
正樹 水谷
Yoshiro Suematsu
義朗 末松
Yoshiro Noda
芳朗 野田
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Niterra Co Ltd
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NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特定の金属を含有する金属抵抗体、この金属
抵抗体を発熱体として有するヒータ、及びこのヒータを
備えるガスセンサを提供する。 【解決手段】 タングステンと、モリブデン及び白金族
元素のうちの少なくとも1種とからなる金属抵抗体2を
得る。白金族元素としては、ロジウムとルテニウムが好
ましい。タングステンと、モリブデン及びロジウム等と
の合計量を100質量%とした場合に、モリブデンは1
0〜80質量%、特に10〜20質量%であり、ロジウ
ム等は1〜10質量%、特に2〜10質量%であること
が好ましい。また、発熱体は、金属抵抗体ペーストをセ
ラミックグリーンシートに塗布した後、一体に焼成する
ことにより形成することができ、セラミック基体として
は、アルミナ、ステアタイト及びムライト等を使用する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抵抗温度係数が小
さく、且つ耐久性に優れ、低コストの金属抵抗体、及び
この金属抵抗体を発熱体として有するヒータに関する。
また、本発明は、このヒータを備えるガスセンサに関す
る。本発明のヒータは、車両用の各種センサ、或いはデ
ィーゼルエンジンのグロープラグの加熱及び半導体基板
の加熱の他、温水ヒータ、便座ヒータ、石油ファンヒー
タ等における石油の気化等の加熱源などとして使用する
ことができる。更に、本発明のガスセンサは、酸素セン
サ等、車両用の各種センサとして用いることができる。
【0002】
【従来の技術】タングステン等の融点の高い金属を含有
する導電体は、高温環境に対応した導電体として利用さ
れている。しかし、タングステン等の高融点の物質は、
抵抗温度係数が大きく、低温環境下と高温環境下では抵
抗値が大きく変化する。そのため、大電流を流したり、
高精度の電圧調整が必要とされる金属抵抗体として利用
されることはなかった。また、この金属抵抗体を発熱体
として使用した場合は、昇温とともに発熱体の抵抗値が
上昇し、それによって電流値が急激に減少するため、昇
温速度が低下し、ある温度以上に昇温させることができ
なかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この抵抗温度係数はタ
ングステン等に白金族元素又はレニウム等を含有させる
ことにより低下させることができる。しかし、抵抗温度
係数を十分に低下させるためには相当量の白金族元素を
含有させる必要があり、金属抵抗体のコスト上昇の一因
になっている。更に、通電した場合に断線に至るまでの
時間が短くなり、耐久性が低下するという問題もある。
一方、レニウムはセラミックスに拡散してヒータ表面に
析出し、ヒータ表面が黒変して外観不良となる。また、
端子部にリード線引き出し用端子を接合するために施さ
れるめっきが、ヒータ表面に析出したレニウムにも付着
し、端子間が短絡することがある。更に、発熱体に含有
されるべきレニウムが拡散してしまうため、抵抗温度係
数を精度よく制御することができないこともある。
【0004】本発明は、上記の問題点を解決するもので
あり、抵抗温度係数が小さく、この抵抗温度係数を精度
よく制御することができ、且つ高温まで昇温させること
ができ、耐久性にも優れた金属抵抗体を提供することを
目的とする。また、これを使用した抵抗変化の小さい発
熱体、及びこの発熱体を有し、外観に優れ、昇温特性の
よいヒータを提供することを目的とする。更に、このヒ
ータを備え、優れたセンサ特性を有するガスセンサを供
給することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、タングス
テン、モリブデン及び少なくとも1種の白金族元素を含
有する金属抵抗体であって、タングステン、モリブデン
及び白金族元素の合計量を100質量%とした場合に、
モリブデンを10〜80質量%とし、白金族元素を1〜
10質量%とすることにより達成される。この金属抵抗
体では、抵抗温度係数を低下させるために配合される白
金族元素の一部がモリブデンにより置き換えられてお
り、十分に小さい抵抗温度係数が維持され、且つ通電時
の耐久性が向上し、コストを低下させることもできる。
【0006】白金族元素は、周期表の8、9及び10族
の第5及び6周期の元素であり、ルテニウム、ロジウ
ム、パラジウム、オスミウム、イリジウム及び白金であ
る。これらの元素を、タングステン及びモリブデンと組
み合わせることにより、金属抵抗体の抵抗温度係数を大
きく低下させることができる。また、抵抗温度係数を低
下させるという観点からは特にロジウム及びルテニウム
が好ましい。
【0007】タングステンに、5〜45質量%のモリブ
デンと2〜10質量%のロジウム及びルテニウムの少な
くとも一方(以下、「ロジウム等」という。)を含有さ
せることにより、抵抗温度係数が1400〜1600p
pm/℃と十分に小さい金属抵抗体とすることができ
る。モリブデンの含有量が多くなるとともに抵抗温度係
数が大きくなる傾向にあるが、モリブデンが85質量%
以下であって、2質量%以上のロジウム等が含有されて
おれば、抵抗温度係数を2000ppm/℃以下と小さ
くすることができる。また、ロジウム等の含有量の低下
とともに抵抗温度係数は大きくなるが、モリブデンの含
有量が30質量%以下、特に20質量%以下と少なく、
1質量%以上のロジウム等が含有されておれば、200
0ppm/℃以下と抵抗温度係数の小さい金属抵抗体と
することができる。
【0008】一方、断線に至る時間で評価される耐久性
は、モリブデンの含有量が多くなるとともに向上し、ロ
ジウム等の白金族元素の含有量が少ない場合はより向上
する。モリブデンが10質量%以上であり、ロジウム等
が2〜10質量%であれば、十分な耐久性を有する金属
抵抗体とすることができ、モリブデンが15質量%以上
であり、ロジウム等が2質量%未満であれば、耐久性は
500時間以上になる。尚、この場合に、タングステン
は15質量%以上含有されていることが好ましく、タン
グステンが過少であると抵抗温度係数が大きくなるため
好ましくない。
【0009】このようにモリブデン及びロジウム等の量
比を変化させることにより、金属抵抗体の抵抗温度係数
と耐久性とを所望の範囲に調整することができ、これら
の金属抵抗体を発熱体に用いると、抵抗温度係数が小さ
く、昇温速度が大きく、且つ十分な耐久性を有する発熱
体を製造することができる。
【0010】この金属抵抗体を発熱体等として利用する
場合は、基体に接して又は埋設されて配設される形態に
することが好ましい。金属抵抗体は脆いため、それ自体
によって支持すると機械的衝撃に対して十分に耐えられ
ないからである。そこで、基体に配設することで、耐衝
撃性を高めることができる。
【0011】金属抵抗体を300℃以上の高温下、或い
は湿度の高い環境下において使用する場合は、金属抵抗
体の酸化を防止するため、金属抵抗体が基体の内部に埋
設されていることが好ましい。また、金属抵抗体をヒー
タに用いる発熱体として利用する場合も、高温になるた
め、発熱体を基体に埋設して酸化を防止することが好ま
しい。一方、電子部品の配線パターン等で使用する場合
のように、環境温度が300℃未満であるとか、比較的
湿度が低い環境で使用する場合は、金属抵抗体を基体の
表面に配設してもよい。
【0012】金属抵抗体をヒータに用いる発熱体として
利用する場合は、発熱体の抵抗温度係数は2000pp
m/℃以下であることが好ましい。抵抗温度係数が20
00ppm/℃以下、特に1600ppm/℃以下であ
れば、温度上昇にともなう抵抗値変化がヒータの昇温に
及ぼす影響を十分に軽減することができる。
【0013】金属抵抗体をヒータに用いる発熱体として
利用する場合は、基体の主成分としてセラミックスを用
いることが好ましい。セラミックスは融点が高く、高温
における機械的強度が大きいからである。このセラミッ
クスとしては、アルミナ、ステアタイト及びムライトの
うちの少なくとも1種を用いることが好ましい。これら
のセラミックスは融点が高く、熱伝導率も比較的大き
く、ヒータに適しているだけでなく、タングステン及び
モリブデンと同時に焼成しても、これらの金属と反応せ
ず、且つ良好な気密状態で発熱体を埋設することができ
る。
【0014】尚、セラミックスを基体として用いた場合
は、未焼成セラミックスの表面に、金属粉末、バインダ
及び溶媒を含有する印刷用ペーストを印刷して金属抵抗
体パターンを形成し、これらを同時焼成することで金属
抵抗体を基体に配設する方法が効率的であって好まし
い。また、ペーストには基体と同質のセラミック成分が
含有されていることが好ましく、このようにすれば基体
と金属抵抗体とを強く接合することができる。尚、この
同時焼成においては金属抵抗体を形成する金属がセラミ
ックスに拡散しないことが重要である。例えば、白金族
元素に代えてレニウムを用いた場合は、レニウムがセラ
ミックスに拡散して基体の表面が黒変することがある。
一方、白金族元素はセラミックスと同時焼成してもセラ
ミックスに拡散せず、レニウムのような問題が生じない
ため好ましい。
【0015】ヒータとしてはシート状の基体に発熱体を
配設した平板状の形態、或いは発熱体が配設されたシー
ト状の基体を芯材の周面に巻回した棒状の形態のもの等
が挙げられる。これらのヒータでは、発熱体を構成する
基体がシート状であるため、発熱体を印刷法等により基
体の表面に面状に形成することができ、発熱面積が広
く、効率的に発熱するヒータとすることができる。ま
た、基体を支持する芯材を用いた場合は、それのみでは
必ずしも十分ではない基体の機械的強度を高めることが
できる。このようなヒータを検出素子の加熱に用いたガ
スセンサでは、ヒータの昇温速度が大きく、電源投入か
ら検出素子が活性化されるまでの時間を短縮することが
でき、検出特性に優れたガスセンサとすることができ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明のヒー
タを更に詳しく説明する。本発明のヒータは、特に、セ
ラミックスを基体とするセラミックヒータであり、平板
状及び丸棒状等、種々の形状のものとすることができ
る。ここでは主に丸棒状のセラミックヒータの構造及び
その製造方法について説明する。
【0017】[1]セラミックヒータの構造 (1)丸棒状セラミックヒータの構造 図1は、丸棒状セラミックヒータを分解して示す斜視図
である。セラミック基板1aと1bとが一体となって形
成されるセラミック基体の内部に、タングステンとモリ
ブデンとを主成分とする金属抵抗体2が埋設され、この
金属抵抗体が埋設されたセラミック基体が芯材である碍
管3の周面に巻回され、接合されてセラミックヒータが
形成されている。金属抵抗体の先端側(図の左側)が発
熱部21として機能し、この発熱部にリード部22a、
22bが延設され、それぞれのリード部の末端側(図の
右側)の外面には外部から電力を供給するための陽極側
端子部24aと陰極側端子部24bとが形成されてい
る。そして、リード部の末端部23a、23bと各々の
端子部とは、それぞれ基体に穿設されたスルーホール1
a1、1a2により接続されている。基体及び碍管はア
ルミナを主成分とするセラミックスからなり、このセラ
ミックヒータは未焼成の段階で一体に形成され、同時焼
成されている。
【0018】(2)平板状セラミックヒータの構造 平板状セラミックヒータの構造は、基本的には丸棒状セ
ラミックヒータにおける金属抵抗体が埋設されたセラミ
ック基体と同様である。また、基体の末端側に穿設され
たスルーホールによって、金属抵抗体の末端部と基体の
外面に形成された端子部とが接続されている点も同様で
ある。但し、芯材による強化がないため、各々のセラミ
ック基板は、例えば、スルーホールが穿設される基板が
0.4mm、他方が0.25mmと、丸棒状の場合に比
べて相当に厚く、所要の機械的強度を有する基体となっ
ている。
【0019】[2]丸棒状セラミックヒータの製造方法 (1)焼成によりセラミック基板1a、1bとなるグリ
ーンシートの作製 Al23粉末(純度;99.9%、平均粒径;1.5μ
m)と、焼結助剤であるSiO2粉末(純度;99.9
%、平均粒径;1.4μm)、CaOとなるCaCO3
粉末(純度;99.9%、平均粒径;3.2μm)、M
gOとなるMgCO3粉末(純度;99.9%、平均粒
径;4.1μm)及び必要に応じて微量添加されるY2
3等の粉末と、を所定の量比で配合した配合物100
質量部に対して、ポリビニルブチラールを10質量部、
ジブチルフタレートを5質量部、メチルエチルケトンと
トルエンとを合計で70質量部添加し、ボールミルによ
って混合してスラリー状とした。
【0020】その後、減圧脱泡してアルミナペーストと
し、ドクターブレード法によって、焼成後、セラミック
基板1aとなる厚さ0.2mmの一のグリーンシート及
びセラミック基板1bとなる厚さ0.05mmの他のグ
リーンシートを作製した。尚、厚さ0.05mmのグリ
ーンシートは非常に破損し易いため、他の部材と圧着す
るまではポリエステルフィルムを貼着した状態で取り扱
った。
【0021】(2)金属抵抗体パターン用インクの調合 タングステン粉末(純度;99.9%、平均粒径;0.
2μm)及びモリブデン粉末(純度;99.9%、平均
粒径;1.5μm)に、表1に記載のRh、Ru又はR
eを配合し配合物とした。この配合物100質量部に対
して、樹脂系バインダを6質量部、トルエンを100質
量部及びブチルカルビトールを70質量部添加し、ポッ
トで混合してスラリー状とした。その後、減圧脱泡し、
トルエンを蒸発させて、金属抵抗体パターン用インクを
調合した。尚、表1のRh、Ru又はReの純度はそれ
ぞれ99.9%以上であり、平均粒径は1.4〜10μ
mである。
【0022】(3)金属抵抗体パターンの形成 (2)で調合した金属抵抗体パターン用インクを、厚膜
印刷法によって、一のグリーンシートの一表面に印刷
し、焼成後、発熱部21及びリード部22a、22b並
びに末端部23a、23bとなる厚さ25μmのパター
ンを形成して、乾燥させた。その後、このグリーンシー
トの所定位置に穿設されたスルーホール1a1、1a2
の内側にも(2)の金属抵抗体パターン用インクを充填
して乾燥させた。次いで、このグリーンシートの他表面
のスルーホールの上面に、(2)の金属抵抗体パターン
用インクを印刷して、焼成後、陽極側端子部24a、陰
極側端子部24bとなるパターンを形成し、乾燥させ
た。
【0023】(4)未焼成成形体の作製 一のグリーンシートの金属抵抗体パターンが形成された
面に、他のグリーンシートのポリエステルフィルムが貼
着されていない面を重ね合わせ、これらを圧着装置によ
って加熱状態で加圧して圧着した。その後、他のグリー
ンシートに貼着されたポリエステルフィルムを剥がし、
その全面に各グリーンシートと同組成のアルミナペース
トを塗布した。次いで、この塗布面が、焼成後、碍管3
となるアルミナを主成分とする仮焼体に接合されるよう
に巻き付け、その外周を押圧し、焼成によりセラミック
ヒータとなる未焼成成形体を作製した。
【0024】(5)未焼成成形体の焼成 (4)で作製した未焼成成形体を250℃に加熱して脱
脂し、その後、水素炉を用いて、1550℃で90分間
保持して焼成した。このようにして、セラミック基板1
a、1b、金属抵抗体2、陽極側及び陰極側端子部24
a、24b、並びにアルミナ製碍管3が一体となったセ
ラミックヒータを得た。次いで、各々の端子部にニッケ
ルメッキを施し、リード線引き出し用端子(図示せず)
をロー材によって接合した。
【0025】[3]セラミックヒータの評価 [2]で製造したセラミックヒータを、0℃と100℃
の恒温槽中、大気雰囲気下で抵抗値を測定し、温度と抵
抗値との相関より、それぞれの抵抗値から以下の関係式
を用いて100℃における抵抗温度係数(αt)を求め
た。 αt=(R100−R0)/[R0×(100−0)] R100;100℃における抵抗値、R0;0℃における抵
抗値 また、実施例、比較例の一部について、K熱電対により
測定した温度が1050℃になるように通電することに
よって断線に至る時間を測定し、耐久性を評価した。こ
れら抵抗温度係数と断線時間を表1に併記する。
【0026】
【表1】
【0027】表1の結果によれば、実施例1〜10では
抵抗温度係数は1400〜2150ppm/℃と小さ
く、特に2〜10質量%のRh又はRuを含有し、且つ
MoとRh又はRuとの合計量が20質量%である実施
例1〜4及び6では、抵抗温度係数が1400〜150
0ppm/℃と非常に小さいことが分かる。また、実施
例1の断線時間は500時間であり、比較例5のMoを
含有しない場合に比べて耐久性が大きく向上している。
尚、実施例1〜4及び6の結果から明らかなように、R
h又はRuが2質量%以上であれば、MoとRh又はR
uとの量比にかかわりなく小さな抵抗温度係数が安定し
て得られることが分かる。
【0028】一方、Rhに代えて2質量%のReを含有
させた比較例1では、抵抗温度係数は2900ppm/
℃であり、実施例1に比べて非常に劣っており、このR
eを10質量%とした比較例3でも、抵抗温度係数が2
350ppm/℃と相当に大きい。また、80質量%の
Wと20質量%のMoとを含有する比較例4では、耐久
性には優れるものの、抵抗温度係数が非常に大きく、同
様にRhもRuも含有しない比較例6、7でも抵抗温度
係数が相当に大きい。更に、Wに20質量%のRhを含
有させた比較例5では、抵抗温度係数は非常に小さいも
のの、耐久性に劣り、Wに23質量%のReを含有させ
た比較例8も、同様に耐久性が低い。
【0029】尚、実施例1乃至10のセラミックヒータ
は、抵抗温度係数が小さく、且つ十分な耐久性を有する
とともに、発熱体にReが含有されていないため、外観
に優れ、端子部が短絡することもなく、また、発熱抵抗
体の組成も安定しており、抵抗温度係数を精度よく制御
することができる。
【0030】[4]ガスセンサへの組み付け [2]で製造したセラミックヒータを組み付けたガスセ
ンサSを図2に示す。このガスセンサは、先端を閉じた
中空の固体電解質体4の中空部に本発明のセラミックヒ
ータHを内蔵したものであり、セラミックヒータ先端の
発熱部が固体電解質体を加熱する。本発明のガスセンサ
では、セラミックヒータの昇温速度が大きく、固体電解
質体も早期に昇温して活性化される。そのため、電源を
投入してからセンサ出力が得られるまでの時間を短縮す
ることができる。特に、このガスセンサを自動車の空燃
比制御に用いた場合は、空燃比制御を早期に開始するこ
とができ、エンジン始動時の有害ガスの排出を効率的に
低減することができる。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、白金族元素の一部をモ
リブデンに置き換えることにより、抵抗温度係数が小さ
く、且つこの抵抗温度係数を精度よく制御することがで
き、耐久性に優れ、コストの低い金属抵抗体とすること
ができる。また、この金属抵抗体はヒータとして有用で
あり、このヒータは特に金属抵抗体とセラミック基体が
一体に形成されてなるセラミックヒータであり、外観に
優れ、所定の温度にまで急速に昇温させることができ
る。更に、このセラミックヒータを組み付けた本発明の
ガスセンサでは、センサ出力が早期に得られ、空燃比制
御を早く開始することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】セラミックヒータを展開し、分解した状態を示
す斜視図である。
【図2】セラミックヒータを組み込んだガスセンサの模
式図である。
【符号の説明】
H;セラミックヒータ、1a、1b;セラミック基板、
1a1、1a2;スルーホール、2;金属抵抗体、2
1;発熱部、22a、22b;リード部、23a、23
b;末端部、24a;陽極側端子部、24b;陰極側端
子部、3;碍管、4;固体電解質体、S;ガスセンサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 3/14 H05B 3/48 3/48 G01N 27/58 B (72)発明者 野田 芳朗 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内 Fターム(参考) 2G004 BB01 BF11 BJ02 BM07 3K092 PP20 QA02 QB02 QB25 QB31 QB43 QB62 QB75 QB76 QC02 QC20 QC25 QC38 RA02 RD09 VV19 5E034 AA08 AA09 AB05 AC12 DA01 DE07 DE16

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タングステン、モリブデン及び少なくと
    も1種の白金族元素を含有し、該タングステン、該モリ
    ブデン及び該白金族元素の合計量を100質量%とした
    場合に、該モリブデンは10〜80質量%であり、該白
    金族元素は1〜10質量%であることを特徴とする金属
    抵抗体。
  2. 【請求項2】 上記モリブデンが10〜20質量%であ
    り、上記白金族元素が2〜10質量%であって、ロジウ
    ム及びルテニウムの少なくとも一方である請求項1記載
    の金属抵抗体。
  3. 【請求項3】 タングステン、モリブデン及び少なくと
    も1種の白金族元素を含有し、抵抗温度係数が2000
    ppm/℃以下であることを特徴とする金属抵抗体。
  4. 【請求項4】 K熱電対により測定した温度が1050
    ℃になるように通電した場合に、断線に至る時間が50
    0時間以上である請求項1乃至3のうちのいずれか1項
    に記載の金属抵抗体。
  5. 【請求項5】 絶縁性の基体に配設されている請求項1
    乃至4のうちのいずれか1項に記載の金属抵抗体。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のうちのいずれか1項に
    記載の金属抵抗体を発熱体として有することを特徴とす
    るヒータ。
  7. 【請求項7】 上記発熱体の抵抗温度係数が2000p
    pm/℃以下である請求項6記載のヒータ。
  8. 【請求項8】 上記発熱体は基体に埋設されている請求
    項6又は7に記載のヒータ。
  9. 【請求項9】 上記基体がセラミックスを主成分とする
    請求項8記載のヒータ。
  10. 【請求項10】 上記セラミックスがアルミナ、ステア
    タイト及びムライトのうちの少なくとも1種を主成分と
    する請求項9記載のヒータ。
  11. 【請求項11】 上記金属抵抗体は、金属粉末、バイン
    ダ及び溶媒を含有する印刷用ペーストを上記基体に印刷
    した後、焼成して形成されたものである請求項8又は9
    に記載のヒータ。
  12. 【請求項12】 上記印刷用ペーストには上記基体と同
    質のセラミック成分が含有されている請求項11記載の
    ヒータ。
  13. 【請求項13】 請求項6乃至12のうちのいずれか1
    項に記載のヒータを備えることを特徴とするガスセン
    サ。
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