JP3015671U - 段ボール製通い箱 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 形状，構造とも簡単で、極めて小型，薄型
に、かつ整然と折り畳むことができ、しかも使用時には
強力に保型でき、そして折り畳みおよび保型とも簡単に
行い得る段ボール製通い箱を提供すること。 【構成】 少なくとも両妻板２，４と、両側板３，５
と、底板と、蓋板とを連結して構成し、各妻板２，４に
は底板の上面に重ね合わせて補強する妻板側底板２０，
２１を設け、妻板側底板２０，２１間には切欠部２２，
２４；２３，２５を設けて掛け止め溝を形成し、各側板
３，５には当該側板の内側に折り曲げて補強する側板用
補強板１４，１５を設け、側板用補強板１４，１５には
掛け止め溝に嵌合させて止める突片１６，１７を設け、
突片１６と側板用補強板１４と側板３と底板の一半部７
とにわたって幅方向の中央部に折り線３６を施し、突片
１７と側板用補強板１５と側板５と底板の他半部８とに
わたって幅方向の中央部に折り線３６を施し、この折り
線３６，３６の個所で内部に向かってひだ折りし、全体
としてほぼ妻板２，４の大きさに折り畳み可能に構成し
た。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、衣類，雑貨，食品，化粧品等の物品を収容し、保管しまたは搬送し た後、空の箱体を折り畳んで保管しまたは回送するために有効な段ボール製通い 箱に関する。

【０００２】

【従来の技術】

この種段ボール製通い箱は、従来から色々な形状，構造のものが提案され、汎 用されている。

【０００３】 図１３は従来使用されている段ボール製通い箱の一例を示すもので、底板側か ら見た斜視図、図１４は図１３に示す段ボール製通い箱を折り畳んだ状態の斜視 図である。

【０００４】 その図１３に示す従来の段ボール製通い箱は、一方の妻板５１と、一方の側板 ５２と、他方の妻板５３と、他方の側板５４と、第１，第２，第３および第４の 構成部分５５，５６，５７，５８を組むようにした底板と、蓋板（図示せず）と を箱体に組み立てて構成されている。

【０００５】 なお、底板にハッチングを施した部分は、接着剤で貼り合わせた部分を示す。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、前記従来の段ボール製通い箱は底板の第１〜第４の構成部分５５〜５ ８や蓋板を箱体の内部に折り込み、扁平状に折り畳んだ状態においても、図１４ に示すように、妻板の面積Ｓ1 と、側板の面積Ｓ2 とを合わせた大きさにしか折 りたためず、折り畳んで保管する場合や回送する場合に、必ずしも満足すべき大 きさにはならないという問題があった。

【０００７】 本考案の目的は、前記従来技術の問題を解決し、形状，構造とも簡単で、極め て小型，薄型に、かつ整然と折り畳むことができ、しかも使用時には強力に保型 でき、そして折り畳みおよび保型とも簡単に行い得る段ボール製通い箱を提供す ることにある。

【０００８】 また、本考案の他の目的は１枚の段ボール製原紙を有効に利用し、合理的な型 板を簡単に打ち抜いて形成可能な段ボール製通い箱を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するため、少なくとも両妻板と、両側板と、底板と、蓋板とを 連結して構成した段ボール製箱体において、各妻板には側板側底板の上面に重ね 合わせる妻板側底板を設け、両妻板側底板間には妻板側底板を重ね合わせた状態 で、各側板側に平面から見て細長いほぼコ字型の掛け止め溝を形成し、各側板に は当該側板の内側に折り曲げて補強する側板用補強板を設け、各側板用補強板に は当該側板の内側に折り曲げた状態における下端部に、前記両妻板側底板間に形 成された掛け止め溝に嵌合する突片を設け、前記側板側底板を各側板の底辺から 折り曲げられた一半部と他半部とを並べて構成し、前記側板側底板の一半部と他 半部の一側部には連結板を設け、側板側底板の一半部を連結板を介して一方の妻 板側底板の一部分に、また側板側底板の他半部を連結板を介して他方の妻板側底 板の一部分に連結し、箱体に組み立てた状態で、側板側底板上に重ね合わされた 両妻板側底板の各側板側に形成された掛け止め溝に、当該側板の内側に折り曲げ られた側板用補強板の端部に設けられた突片を掛け止めることにより、強固な箱 体を形成して、前記蓋板を開け、かつ各側板用補強板を当該側板の内側から上方 に引き出し、あるいは、更にこれを外側に折り曲げたうえで、側板側底板の一半 部と一方の妻板側底板の組と、側板側底板の他半部と他方の妻板側底板の組とを それぞれ、側板側底板の一半部または他半部と連結板との境の折り線で折りなが ら、箱体の内部で上方に引き上げて、側板側底板の一半部とこれに設けられた連 結板と一方の妻板側底板の組と、側板側底板の他半部とこれに設けられた連結板 と他方の妻板側底板の組とを箱体の内部に折り込み、さらに一方の側板と当該側 板用補強板と側板側底板の一半部の組と、他方の側板と当該側板用補強板と側板 側底板の他半部の組とをそれぞれ長さ方向の中央部に施された折り線の個所で箱 体の内部にひだ折りし、折り畳み可能に構成している。

【００１０】 また、前記目的を達成するため、本考案では段ボール製原紙の長さ方向に、折 り線を介して一方の妻板と一方の側板と他方の妻板と他方の側板とを連設すると ともに、一方の妻板または他方の側板の端部に連結片を付設し、前記原紙の長さ 方向と直交する幅方向において、各妻板の一辺には折り線を介して妻板側底板を 設け、各妻板側底板には長さ方向の両端部に、側板側底板上で両妻板側底板を重 ね合わせた状態において各側板側に平面から見て細長いほぼコ字型の掛け止め溝 を形成するための切欠部を設け、一方の妻板の他の一辺には折り線を介して蓋板 の一半部を、また他方の妻板の他の一辺には折り線を介して蓋板の他半部を設け 、一方の側板の一辺には折り線を介して側板側底板の一半部を、また他方の側板 の一辺には折り線を介して側板側底板の他半部を設け、各側板の他の一辺には折 り線を介して当該側板用補強板を設け、各側板用補強板には幅方向の外側端部に 、箱体に組み立てた状態で前記両妻板側底板間に形成された掛け止め溝に嵌合す る突片を設け、かつ、各側板用補強板と各側板との間には、平坦な蓋板用の載置 部を設け、一方の側板用補強板と当該側板と側板側底板の一半部の組、および他 方の側板用補強板と当該側板と側板側底板の他半部の組には、それぞれ長さ方向 の中央部に折り線を施し、側板側底板の一半部と他半部の一側部にはそれぞれ折 り線を介して連結板を設け、前記一方の妻板または他方の側板に付設された連結 片を他方の側板または一方の妻板に連結し、さらに前記側板側底板の一半部と他 半部に設けられた連結板を当該妻板側底板の一部分に連結し、側板側底板の一半 部と他半部を箱体の底部に並べて底板を構成し、この底板の上に各妻板に設けら れた妻板側底板を重ね合わせて補強し、各側板の内側に当該側板用補強板を折り 曲げて補強し、側板側底板上に重ね合わせた両妻板側底板間に形成された掛け止 め溝に、当該側板用補強板に設けられた突片を掛け止めて保型し、蓋板用の載置 部に蓋の縁が載るように構成している。

【００１１】

【作用】

本考案では、両妻板と、両側板と、各側板の底辺から折り曲げられた一半部と 他半部とを並べて構成した側板側底板と、蓋板と、各妻板に設けられかつ側板側 底板の上面に重ね合わせて補強する２枚の妻板側底板と、各側板に設けられかつ 当該側板の内側に折り曲げて補強する側板用補強板と、各妻板側底板の長さ方向 の両端部に切欠部を設けかつ箱体に組み立てた状態で、側板側底板上に重ね合わ された両妻板側底板底の各側板側に前記切欠部により形成された掛け止め溝と、 各側板用補強板の幅方向の外側端部に設けられかつ各側板用補強板を当該側板の 内側に折り曲げた状態で前記掛け止め溝に掛け止める突片と、側板側底板の一半 部と他半部の一側部に設けられかつ当該妻板側底板の一部分に連結する連結板と により構成しているので、形状，構造とも簡素で、型板の製作，箱体の組み立て とも簡単に行うことができて、しかも、掛け止め溝と突片との係合によって、た とえば、下から力が加わっても底が浮き上がらず、外力に強い堅固な箱体が得ら れる。

【００１２】 また、本考案では両妻板に側板側底板上で重ね合わせて補強する妻板側底板を 設け、各側板には当該側板の内側に折り曲げて補強する側板用補強板を設け、両 妻板側底板間には各側板側に、細長いほぼコ字型の掛け止め溝を形成し、かつ各 側板用補強板には箱体に組み立てた状態で前記掛け止め溝に嵌合する突片を設け ており、これらの補強部材により、箱体を組み立てた状態において堅固に補強し 、保型することができ、蓋板用の載置部に蓋の縁が載るようにしたから、蓋と本 体との隙間がなく、また、内部に落ち込んだりすることもない。

【００１３】 さらに、本考案では蓋板を開け、かつ各側板用補強板を各側板用補強板を側板 の内側から上方に引き出し、あるいは、更にこれを外側に折り曲げたうえで、側 板側底板の一半部と一方の妻板側底板の組と、側板側底板の他半部と他方の妻板 側底板の組とを箱体の内部上方に引き上げるに伴い、側板側底板の一半部とこれ に設けられた連結板と一方の妻板側底板の組と、側板側底板の他半部とこれに設 けられた連結板と他方の妻板側底板の組とが箱体の内部に折り込まれるし、その 後一方の側板と当該側板用補強板と側板側底板の一半部の組と、他方の側板と当 該側板用補強板と側板側底板の他半部の組とを長さ方向の中央部に施された折り 線の個所で箱体の内部にひだ折りするだけで、簡単にかつほぼ妻板の大きさに相 当する極めて小型に、しかも極く薄型に、整然と折り畳むことができるし、前述 の手順と逆の手順を追うことによって、使用状態に極めて簡単に保型することが できる。

【００１４】 しかも、本考案では段ボール製原紙の長さ方向に、折り線を介して一方の妻板 と一方の側板と他方の妻板と他方の側板とを連設するとともに、一方の妻板また は他方の側板の端部に連結片を付設し、前記原紙の長さ方向と直交する幅方向に おいて、各妻板の一辺には折り線を介して妻板側底板を設け、各妻板側底板には 長さ方向の両端部に、側板側底板上で両妻板側底板を重ね合わせた状態において 各側板側に平面から見て細長いほぼコ字型の掛け止め溝を形成するための切欠部 を設け、一方の妻板の他の一辺には折り線を介して蓋板の一半部を、また他方の 妻板の他の一辺には折り線を介して蓋板の他半部を設け、一方の側板の一辺には 折り線を介して側板側底板の一半部を、また他方の側板の一辺には折り線を介し て側板側底板の他半部を設け、各側板の他の一辺には折り線を介して当該側板用 補強板を設け、各側板用補強板には幅方向の外側端部に、箱体に組み立てた状態 で前記両妻板側底板間に形成された掛け止め溝に嵌合する突片を設け、一方の側 板用補強板と当該側板と側板側底板の一半部の組、および他方の側板用補強板と 当該側板と側板側底板の他半部の組には、それぞれ長さ方向の中央部に折り線を 施し、側板側底板の一半部と他半部の一側部にはそれぞれ折り線を介して連結板 を設け、前記一方の妻板または他方の側板に付設された連結片を他方の側板また は一方の妻板に連結し、さらに前記側板側底板の一半部と他半部に設けられた連 結板を当該妻板側底板の一部分に連結し、側板側底板の一半部と他半部を箱体の 底部に並べて底板を構成し、この底板の上に各妻板に設けられた妻板側底板を重 ね合わせて補強し、各側板の内側に当該側板用補強板を折り曲げて補強し、底板 上に重ね合わせた両妻板側底板間に形成された掛け止め溝に、当該側板用補強板 に設けられた突片を掛け止めて保型するように構成しており、図１からも分かる ように、ほぼ長方形の１枚の段ボール製原紙を有効に使って箱体を構成できるし 、合理的な形状の型板を簡単に打ち抜いて成形することができる。

【００１５】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

【００１６】 図１〜図９は本考案の第１の実施例を示すもので、図１は箱体の展開図であっ て型板を示す図、図２は使用状態を示す斜視図、図３は図２のＡ−Ａ線断面図、 図４は蓋板と側板用補強板を開いた状態の斜視図、図５は組み立てた状態で箱体 の上部を切断して示した斜視図、図６は同じく箱体の底部から見た斜視図、図７ ，図８は箱体を折り畳むときの過程を示す斜視図、図９は折り畳んだ状態の斜視 図である。

【００１７】 これらの図に示す第１の実施例では、箱体の型板１は図１に示すように、段ボ ール製の原紙の長さ方向ｙに折り線３１を介して一方の妻板２と、一方の側板３ と、他方の妻板４と、他方の側板５とが連設されている。また、この実施例では 一方の妻板２の端部に折り線３１を介して連結片６が設けられているが、この連 結片６は他方の側板５の端部に設けてもよい。

【００１８】 前記一方の側板３の幅方向ｘの一辺には、側板側底板の一半部７と、連結板９ とが連設され、他の一辺には蓋板用の載置部１２と、側板用補強板１４と、突片 １６とが連設されている。前記側板側底板の一半部７は、ほぼ台形に形成され、 一方の側板３に折り線３２を介して設けられている。前記連結板９は、前記側板 側底板の一半部７の一側部に折り線３３を介して設けられている。前記蓋板用の 載置部１２は、所定間隔をおいて施された折り線３４，３５間に形成されていて 、一方の側板３に折り線３４を介して設けられている。前記側板用補強板１４は 、折り線３５を介して前記載置部１２に連設されている。前記突片１６は、側板 用補強板１４の幅方向ｘの外側端部に一体に設けられていて、切欠部１８，１８ により所定長さに設定されている。この突片１６の長さ方向ｙのほぼ中間部には 、折り畳むときに指を掛ける半円形の切り欠き１９が形成されている。

【００１９】 前記突片１６と、側板用補強板１４と、一方の側板３と、側板側底板の一半部 ７とにわたって、長さ方向ｙの中央部に、折り畳むときの折り線３６が施されて いる。

【００２０】 前記他方の側板５の幅方向ｙの一辺には、側板側底板の他半部８と、連結板１ ０とが連設され、他の一辺には蓋板用の載置部１３と、側板用補強板１５と、突 片１７とが連設されている。前記側板側底板の他半部８も、ほぼ台形に形成され 、他方の側板５に折り線３２を介して設けられている。前記連結板１０は、前記 側板側底板の他半部８の一側部に折り線３３を介して設けられている。前記蓋板 用の載置部１３は、所定の間隔をおいて施された折り線３４，３５間に形成され ていて、他方の側板５に折り線３４を介して設けられている。前記側板用補強板 １５は、折り線３５を介して前記載置部１３に連設されている。前記突片１７は 、側板用補強板１５の幅方向ｘの外側端部に一体に設けられており、切欠部１８ ，１８により所定長さに設定されている。この突片１７の長さ方向ｙのほぼ中間 部にも、折り畳むときに指を掛ける半円形の切り欠き１９が形成されている。

【００２１】 前記突片１７と、側板用補強板１５と、他方の側板５と、側板側底板の他半部 ８とにわたって、長さ方向ｙの中央部に、折り畳むときの折り線３６が施されて いる。

【００２２】 前記一方の妻板２の幅方向ｘの一辺には、妻板側底板２０が設けられており、 他の一辺には蓋板の一半部２９が設けられている。前記妻板側底板２０は、折り 線３２を介して一方の妻板２に設けられている。この妻板側底板２０には、長さ 方向ｙの両端部にかぎ型の切欠部２２，２３が形成されている。前記蓋板の一半 部２９は、折り線３４を介して一方の妻板２に設けられている。

【００２３】 前記他方の妻板４の幅方向ｘの一辺には、妻板側底板２１が設けられており、 他の一辺には蓋板の他半部３０が設けられている。前記妻板側底板２１は、折り 線３２を介して他方の妻板４に設けられている。この妻板側底板２１の長さ方向 ｙの両端部には、かぎ型の切欠部２４，２５が形成されている。前記蓋板の他半 部３０は、折り線３４を介して他方の妻板４に設けられている。

【００２４】 前記妻板側底板２０，２１を側板側底板上に重ね合わせた状態において、妻板 側底板２０，２１に形成された切欠部２２，２４により、一方の側板３の内側に 折り曲げられた側板用補強板１４に設けられた突片１６を嵌合する掛け止め溝２ ６が形成され、また妻板側底板２０，２１に形成された切欠部２３，２５により 、他方の側板５の内側に折り曲げられた側板用補強板１５に設けられた突片１７ を嵌合する掛け止め溝２７が形成されるようになっている。 掛け止め溝２６，２７の長さは、突片１６，１７の幅よりも僅か長く、また、 掛け止め溝２６，２７の幅は、載置部１２，１３の幅とほぼ等しくしてある。

【００２５】 前記蓋板の一半部２９と他半部３０とは、この実施例では図２から分かるよう に、箱体の開口部の幅寸法の半分よりも広く形成され、蓋をしたときに蓋板の一 半部２９と他半部３０とが一部重なるようになっている。

【００２６】 側板側底板の一半部７と連結板９および他半部８と連結板１０のそれぞれの境 の折り線３３の原紙上での傾き、妻板側底板２０，２１の形状等は、以下に説明 する箱体の折り畳み、組み立てに適したものを実験的に選択するとよい。

【００２７】 ところで、前記型板１を箱体に組み立てるには、折り線３１の個所で一方の妻 板２、一方の側板３、他方の妻板４および他方の側板５をそれぞれ直角に折り曲 げ、この実施例では一方の妻板２の端部に設けられた連結片６を折り線３１で折 り曲げ、他方の側板５の内側に接着または点綴して連結する。側板側底板の一半 部７と妻板側底板２０、および側板側底板の他半部８と妻板側底板２１を接着ま たは点綴して連結した部分を、図６および図７にハッチングを施して示している 。

【００２８】 そして、折り線３２の個所で妻板側底板２０、側板側底板の一半部７、妻板側 底板２１および側板側底板の他半部８をそれぞれ折り曲げ、箱体の底面上に側板 側底板の一半部７と他半部８とを配置する。ついで、側板側底板の一半部７に設 けられた連結板９を妻板側底板２０，２１の一方に接着または点綴して連結し、 側板側底板の他半部８に設けられた連結板１０を妻板側底板２０，２１の他方に 接着または点綴して連結し、図４，図５および図６から分かるように、一半部７ と他半部８とを配置して構成された側板側底板上に、妻板側底板２１，２０の順 に重ね合わせ、底板を補強すると同時に、妻板側底板２０，２１に形成された切 欠部２２，２４により一方の側板３側に掛け止め溝２６を、また切欠部２３，２ ５により他方の側板４側には掛け止め溝２７を形成する。そして、図３，図４お よび図５から分かるように、各側板３，５に設けられた蓋板用の載置部１２，１ ３をそれぞれ折り線３４の個所で当該側板３，５の内側に直角に折り曲げる。さ らに、蓋板用の各載置部１２，１３に連設された側板用補強板１４，１５をそれ ぞれ折り線３５の個所で当該側板３，５の内側に、しかも当該側板３，５とほぼ 平行に折り曲げる。ついで、各側板用補強板１４，１５に設けられた突片１６， １７を、前記妻板側底板２０，２１の切欠部２２，２４；２３，２５により形成 された当該掛け止め溝２６，２７に嵌合して掛け止める。

【００２９】 突片１６，１７は掛け止め溝２６，２７にぴったり嵌合するから、箱の中が空 の状態でも側板用補強板１４，１５が弾力で戻ることもなく安定し、載置部１２ ，１３の幅を保って側板３，５とほぼ平行に保たれる。突片１６，１７の先端は 、側板側底板の一半部７，他半部８に当たり、切欠部１８の縁が妻板側底板２０ ，２１に当たって、それぞれを押えるから、箱体の底から外力が加わっても底が 浮き上がることもなく，強固な組付状態になる。 以上により、箱体を使用可能な状態に、簡単に組み立てることができる。

【００３０】 この状態で、箱体の内部に衣類，雑貨，食品，化粧品等の物品を詰め、蓋板の 一半部２９と他半部３０とをそれぞれ折り線３４の個所で折り曲げ、各側板３， ５の上端部に設けられた載置部１２，１３上に、蓋板をその一半部２９と他半部 ３０の順、または他半部３０と一半部２９の順に重ね合わせて載置した後、この 実施例ではバンド，紐または粘着テープ等により蓋板の一半部２９と他半部３０ とを止め、図２および図３に示すようにまとめる。

【００３１】 この使用状態では、箱体の底板は連結板９，１０により連結されかつ側板側底 板上に重ね合わせて敷かれた妻板側底板２０，２１により補強され、折り畳み時 に折り線３６の個所でひだ折りされる両側板３，５は、当該側板３，５の内側に 折り曲げられかつ突片１６，１７を掛け止め溝２６，２７に掛け止めた側板用補 強板１４，１５により補強されているので、強力に保型された状態で使用するこ とが可能となる。

【００３２】 前記箱体を折り畳むときは、次のようにする。 すなわち、図２に示す状態から蓋板の一半部２９と他半部３０を開け、箱体の 内部に収容された物品を取り出した後、半円形の切り欠き１９に指を掛け、各側 板用補強板１４，１５を引き上げ、掛け止め溝２６，２７から突片１６，１７を 外す。蓋板２９，３０と側板用補強板１４，１５とはこのまま上に引き上げた状 態で次の折り畳み工程に入ってもよく、あるいは、さらに、図４および図７に示 すように、側板用補強板１４，１５および蓋板用の載置部１２，１３を当該側板 ３，５の外側に折り曲げる。

【００３３】 次に、図７に示すように、大番の妻板側底板２０を引き起こすと、妻板側底板 ２０と側板側底板の一半部７が、また、妻板側底板２１と側板側底板の他半部８ がそれぞれ連結されているので、妻板２，４、側板３，５が菱形にゆがめられな がら、妻板側底板２０と側板側底板の一半部７、妻板側底板２１と側板側底板の 他半部８が一緒に持ち上げられる。 妻板側底板２０と側板側底板の一半部７、妻板側底板２１と側板側底板の他半 部８を妻板２，側板３，妻板４、側板５に沿うまで持ち上げ（このとき、菱形は ほとんど潰れる）、折り線３６で折って、図９のように扁平状に折り畳む。 このとき、蓋板３９，４０と側板用補強版１４，１５を折り畳まず、上に上げ たままにしておいてもよく、その場合、側板用補強版１４，１５の折り線３６は 逆側に折り曲げられる。また、箱を折り畳んだ面積は図９の約２倍になる。

【００３４】 以上のように、この実施例では箱体を使用状態から扁平状態に簡単に折り畳む ことができるし、ほぼ妻板２，４の大きさに、しかも極めて薄型に折り畳んで保 管または回送することが可能となる。

【００３５】 箱体を折り畳んだ状態から再び使用状態に形造る場合には、前述の折り畳む場 合と逆の手順を追って行う。

【００３６】 そして、保型された箱体の内部に物品を入れ、蓋板の一半部２９と他半部３０ とを閉める。

【００３７】 次に、図１０〜図１２は本考案の第２の実施例を示すもので、図１０は箱体の 展開図であって型板を示す図、図１１は使用状態を示す斜視図、図１２は蓋板と 側板用補強板を開いた状態の斜視図である。

【００３８】 これらの図に示す第２の実施例では、妻板２の他の一辺に、折線３４を介して 蓋板の一半部３９が設けられ、妻板４の他の一辺には折線３４を介して蓋板の他 半部４０が設けられている。前記蓋板の一半部３９および他半部４０は、箱体の 開口部の幅寸法のほぼ半分に形成されていて、観音開き型に設けられている。ま た、前記蓋板の一半部３９と他半部４０には折線４３を介して差し込み片４１， ４２が連設されている。

【００３９】 一方、側板３に連設された蓋板用の載置部１２と側板用補強板１４とにわたっ て、差し込み穴４４が形成されている。また、側板４に連設された蓋板用の載置 部１３と側板用補強板１５にも、同様に差し込み穴４４が形成されている。各差 し込み穴４４は、前記蓋板の一半部３９と他端部４０とに設けられた差し込み片 ４１，４２を合わせて差し込み得る大きさに形成されている。

【００４０】 そこで、この第２の実施例では前記第１の実施例と同様の手順で箱体に組み立 て、内部に目的物を収容した後、蓋板の一半部３９と他半部４０とをそれぞれ折 り線３４の個所で折り曲げ、また差し込み片４１，４２をそれぞれ折り線４３の 個所で折り曲げ、箱体の開口部に蓋板の一半部３９と他半部４０を被せるととも に、差し込み片４１，４２を重ね合わせ、蓋板用の載置部１２と側板用補強板１ ４の組、および載置部１３と側板用補強板１５の組に形成された差し込み穴４４ に差し込んで止める。

【００４１】 この第２の実施例において、他の構成は前記第１の実施例と同様であり、作用 および効果も第１の実施例と同様である。

【００４２】

【考案の効果】

以上説明した本考案の請求項１記載の考案によれば、両妻板と、両側板と、各 側板の底辺から折り曲げられた一半部と他半部とを並べて構成した側板側底板と 、蓋板と、各妻板に設けられかつ底板の上面に重ね合わせて補強する２枚の妻板 側底板と、各側板に設けられかつ当該側板の内側に折り曲げて補強する側板用補 強板と、各妻板側底板の長さ方向の両端部に切欠部を設けかつ箱体に組み立てた 状態で、側板側底板上に重ね合わされた両妻板側底板の各側板側に前記切欠部に より形成された掛け止め溝と、各側板用補強板の幅方向の外側端部に設けられか つ各側板用補強板を当該側板の内側に折り曲げた状態で前記掛け止め溝に掛け止 める突片と、側板側底板の一半部と他半部の一側部に設けられかつ当該妻板側底 板の一部分に連結する連結板とにより構成しているので、形状，構造とも簡素で 、型板の製作，箱体の組み立てとも簡単に行い得る効果がある。

【００４３】 また、本考案では両妻板に側板側底板上で重ね合わせて補強する妻板側底板を 設け、各側板には当該側板の内側に折り曲げて補強する側板用補強板を設け、両 妻板側底板間には各側板側に、細長いほぼコ字型の掛け止め溝を形成し、かつ各 側板用補強板には箱体に組み立てた状態で前記掛け止め溝に嵌合する突片を設け ており、これらの補強部材により、箱体を組み立てた状態において堅固に補強し 、保型し得る効果もある。

【００４４】 さらに、本考案では蓋板を開け、かつ各側板用補強板を当該側板の外側に折り 曲げ、側板側底板の一半部と一方の妻板側底板の組と、側板側底板の他半部と他 方の妻板側底板の組とを箱体の内部上方に引き上げるに伴い、側板側底板の一半 部とこれに設けられた連結板と一方の妻板側底板の組と、側板側底板の他半部と これに設けられた連結板と他方の妻板側底板の組とが箱体の内部に折り込まれる し、その後一方の側板と当該側板用補強板と側板側底板の一半部の組と、他方の 側板と当該側板用補強板と側板側底板の他半部の組とを長さ方向の中央部に施さ れた折り線の個所で箱体の内部にひだ折りするだけで、簡単に、かつ、必要に応 じて、ほぼ妻板の大きさに相当する極めて小型に、あるいは、その倍程のサイズ に、しかも極く薄型に、整然と折り畳み得る効果を有する外、前述の手順と逆の 手順を追うことによって、使用状態に極めて簡単に保型し得る効果もある。

【００４５】 また、本考案の請求項２記載の考案によれば、段ボール製原紙の長さ方向に、 折り線を介して一方の妻板と一方の側板と他方の妻板と他方の側板とを連設する とともに、一方の妻板または他方の側板の端部に連結片を付設し、前記原紙の長 さ方向と直交する幅方向において、各妻板の一辺には折り線を介して妻板側底板 を設け、各妻板側底板には長さ方向の両端部に、側板側底板上で両妻板側底板を 重ね合わせた状態において各側板側に平面から見て細長いほぼコ字型の掛け止め 溝を形成するための切欠部を設け、一方の妻板の他の一辺には折り線を介して蓋 板の一半部を、また他方の妻板の他の一辺には折り線を介して蓋板の他半部を設 け、一方の側板の一辺には折り線を介して側板側底板の一半部を、また他方の側 板の一辺には折り線を介して側板側底板の他半部を設け、各側板の他の一辺には 折り線を介して当該側板用補強板を設け、各側板用補強板には幅方向の外側端部 に、箱体に組み立てた状態で前記両妻板側底板間に形成された掛け止め溝に嵌合 する突片を設け、一方の側板用補強板と当該側板と側板側底板の一半部の組、お よび他方の側板用補強板と当該側板と側板側底板の他半部の組には、それぞれ長 さ方向の中央部に折り線を施し、側板側底板の一半部と他半部の一側部にはそれ ぞれ折り線を介して連結板を設け、前記一方の妻板または他方の側板に付設され た連結片を他方の側板または一方の妻板に連結し、さらに前記側板側底板の一半 部と他半部に設けられた連結板を当該妻板側底板の一部分に連結し、側板側底板 の一半部と他半部を箱体の底部に並べて底板を構成し、この底板の上に各妻板に 設けられた妻板側底板を重ね合わせて補強し、各側板の内側に当該側板用補強板 を折り曲げて補強し、側板側底板上に重ね合わせた両妻板側底板間に形成された 掛け止め溝に、当該側板用補強板に設けられた突片を掛け止めて保型するように 構成しており、ほぼ長方形の１枚の段ボール製原紙を有効に使って箱体を構成で きるし、合理的な形状の型板を簡単に打ち抜いて成形し得る効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１の実施例を示すもので、箱体の展
開図であって型板を示す図である。

【図２】同第１の実施例において、使用状態を示す図で
ある。

【図３】図２のＡ−Ａ線断面図である。

【図４】第１の実施例において、蓋板と側板用補強板を
開いた状態の斜視図である。

【図５】同第１の実施例において、組み立てた状態で箱
体の上部を切断して示した斜視図である。

【図６】同第１の実施例において、箱体の底部から見た
斜視図である。

【図７】同第１の実施例において、箱体を折り畳むとき
の過程を示す斜視図である。

【図８】図７に続いて箱体を折り畳むときの過程を示す
斜視図である。

【図９】第１の実施例において、箱体を折り畳んだ状態
を示す斜視図である。

【図１０】本考案の第２の実施例を示すもので、箱体の
展開図であって型板を示す図である。

【図１１】同第２の実施例において、使用状態を示す図
である。

【図１２】同第２の実施例において、蓋板と側板用補強
板を開いた状態の斜視図である。

【図１３】従来の段ボール製通い箱の一例を示すもの
で、底面側から見た斜視図である。

【図１４】図１３に示す段ボール製通い箱を折り畳んだ
状態の斜視図である。

【符号の説明】

１ 型板 ｘ 原紙の長さ方向 ｙ 原紙の幅方向 ２ 一方の妻板 ３ 一方の側板 ４ 他方の妻板 ５ 他方の側板 ６ 連結片 ７ 側板側底板の一半部 ８ 側板側底板の他半部 ９，１０ 連結板 １２，１３ 蓋板用の載置部 １４，１５ 側板用補強板 １６，１７ 掛け止め溝に嵌合する突片 ２０，２１ 妻板側底板 ２２〜２５ 妻板側底板に形成された切欠部 ２６，２７ 切欠部で形成された掛け止め溝 ２９ 蓋板の一半部 ３０ 蓋板の他半部 ３１〜３６ 折り線 ３９ 蓋板の一半部 ４０ 蓋板の他半部 ４１，４２ 差し込み片 ４３ 折り線 ４４ 差し込み穴

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 少なくとも両妻板と、両側板と、底板
   と、蓋板とを連結して構成した段ボール製箱体におい
   て、 各妻板には側板側底板の上面に重ね合わせる妻板側底板
   を設け、両妻板側底板間には妻板側底板を重ね合わせた
   状態で、各側板側に平面から見て細長いほぼコ字型の掛
   け止め溝を形成し、 各側板には当該側板の内側に折り曲げて補強する側板用
   補強板を設け、各側板用補強板には当該側板の内側に折
   り曲げた状態における下端部に、前記両妻板側底板間に
   形成された掛け止め溝に嵌合する突片を設け、 前記側板側底板を各側板の底辺から折り曲げられた一半
   部と他半部とを並べて構成し、前記側板側底板の一半部
   と他半部の一側部には連結板を設け、側板側底板の一半
   部を連結板を介して一方の妻板側底板の一部分に、また
   側板側底板の他半部を連結板を介して他方の妻板側底板
   の一部分に連結し、 箱体に組み立てた状態で、側板側底板上に重ね合わされ
   た両妻板側底板の各側板側に形成された掛け止め溝に、
   当該側板の内側に折り曲げられた側板用補強板の端部に
   設けられた突片を掛け止めることにより、強固な箱体を
   形成して、 前記蓋板を開け、かつ各側板用補強板を当該側板の内側
   から上方に引き出し、あるいは、更にこれを外側に折り
   曲げたうえで、側板側底板の一半部と一方の妻板側底板
   の組と、側板側底板の他半部と他方の妻板側底板の組と
   をそれぞれ、側板側底板の一半部または他半部と連結板
   との境の折り線で折りながら、箱体の内部で上方に引き
   上げて、側板側底板の一半部とこれに設けられた連結板
   と一方の妻板側底板の組と、側板側底板の他半部とこれ
   に設けられた連結板と他方の妻板側底板の組とを箱体の
   内部に折り込み、 さらに一方の側板と当該側板用補強板と側板側底板の一
   半部の組と、他方の側板と当該側板用補強板と側板側底
   板の他半部の組とをそれぞれ長さ方向の中央部に施され
   た折り線の個所で箱体の内部にひだ折りし、折り畳み可
   能に構成した、ことを特徴とする段ボール製通い箱。
2. 【請求項２】 段ボール製原紙の長さ方向に、折り線を
   介して一方の妻板と一方の側板と他方の妻板と他方の側
   板とを連設するとともに、一方の妻板または他方の側板
   の端部に連結片を付設し、 前記原紙の長さ方向と直交する幅方向において、各妻板
   の一辺には折り線を介して妻板側底板を設け、各妻板側
   底板には長さ方向の両端部に、側板側底板上で両妻板側
   底板を重ね合わせた状態において各側板側に平面から見
   て細長いほぼコ字型の掛け止め溝を形成するための切欠
   部を設け、 一方の妻板の他の一辺には折り線を介して蓋板の一半部
   を、また他方の妻板の他の一辺には折り線を介して蓋板
   の他半部を設け、 一方の側板の一辺には折り線を介して側板側底板の一半
   部を、また他方の側板の一辺には折り線を介して側板側
   底板の他半部を設け、各側板の他の一辺には折り線を介
   して当該側板用補強板を設け、各側板用補強板には幅方
   向の外側端部に、箱体に組み立てた状態で前記両妻板側
   底板間に形成された掛け止め溝に嵌合する突片を設け、
   かつ、各側板用補強板と各側板との間には、平坦な蓋板
   用の載置部を設け、 一方の側板用補強板と当該側板と側板側底板の一半部の
   組、および他方の側板用補強板と当該側板と側板側底板
   の他半部の組には、それぞれ長さ方向の中央部に折り線
   を施し、 側板側底板の一半部と他半部の一側部にはそれぞれ折り
   線を介して連結板を設け、 前記一方の妻板または他方の側板に付設された連結片を
   他方の側板または一方の妻板に連結し、さらに前記側板
   側底板の一半部と他半部に設けられた連結板を当該妻板
   側底板の一部分に連結し、側板側底板の一半部と他半部
   を箱体の底部に並べて底板を構成し、この底板の上に各
   妻板に設けられた妻板側底板を重ね合わせて補強し、各
   側板の内側に当該側板用補強板を折り曲げて補強し、側
   板側底板上に重ね合わせた両妻板側底板間に形成された
   掛け止め溝に、当該側板用補強板に設けられた突片を掛
   け止めて保型し、蓋板用の載置部に蓋の縁が載るように
   構成した、ことを特徴とする段ボール製通い箱。