JP3012604B2 - 施肥装置付き田植機 - Google Patents

施肥装置付き田植機

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JP3012604B2
JP3012604B2 JP10248344A JP24834498A JP3012604B2 JP 3012604 B2 JP3012604 B2 JP 3012604B2 JP 10248344 A JP10248344 A JP 10248344A JP 24834498 A JP24834498 A JP 24834498A JP 3012604 B2 JP3012604 B2 JP 3012604B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、苗の植え付けに伴って
肥料を圃場に送り込んでいくように構成される施肥装置
を備えた施肥装置付き田植機に関する。
【0002】
【従来の技術】前述のような施肥装置付き田植機におい
ては所定位置に施肥装置を固定して、この所定位置を肥
料を圃場に送り込む為の施肥装置の作業位置として設定
し、作業位置に固定された施肥装置から、肥料を圃場に
送り込むように構成されたものが多くある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述のような施肥装置
付き田植機における施肥装置の作業位置には、近くに他
の装置が配置されていることが多いので、作業位置での
施肥装置や近くの他の装置のメンテナンス作業が行い難
いことがある。本発明は施肥装置付き田植機において、
施肥装置や近くの他の装置のメンテナンス作業が行い易
くなるように構成することを目的としており、施肥装置
への伝動も精度良く行われるようにすることを目的とし
ている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明による特徴は施肥
装置付き田植機において、次のように構成することにあ
る。苗の植え付けに伴って肥料を圃場に送り込んでいく
施肥装置を、機体左右方向に配置された横フレームに支
持させて、肥料を圃場に送り込む為の作業位置と作業位
置から上方に離れた非作業位置とに亘り、作業位置での
姿勢を維持した状態で、施肥装置を移動自在に支持する
昇降機構を備えると共に、施肥装置とは別の出力部から
施肥装置に動力を伝達する伝動機構を備えて、伝動機構
からの動力を受け取る施肥装置の入力部を、横フレーム
の近傍に配置してある。
【0005】
【作用】[I] 請求項1の特徴によると、作業位置に位置する施肥装置
を昇降機構により、作業位置から上方に離れた非作業位
置に移動させることができる。このように、施肥装置を
作業位置から上方に離れた非作業位置に離すことによっ
て、作業位置の近くに配置されている他の装置に邪魔さ
れることなく、施肥装置のメンテナンス作業を容易に行
うことができる。又、作業位置の近くにメンテナンスの
必要な装置が配置されている場合には、この装置のメン
テナンス作業も、施肥装置に邪魔されることなく容易に
行うことができる。
【0006】請求項1の特徴によると、昇降機構により
施肥装置を作業位置と上方に離れた非作業位置とに亘る
上下方向に移動操作できるので、上方に離れた非作業位
置への移動操作によって、施肥装置付き田植機の範囲か
ら施肥装置が大きく横方向に出るようなことがない。
【0007】請求項1の特徴によると、昇降機構により
作業位置と上方に離れた非作業位置とに亘って施肥装置
を移動操作する場合、作業位置での姿勢を維持した状態
で施肥装置を移動操作することができるので、施肥装置
を移動操作する際に、施肥装置のホッパーの肥料がこぼ
れ落ちるようなことがなく、移動操作の為に施肥装置の
ホッパーから肥料を取り出す必要がない。
【0008】[II] 複数の植付条に沿って肥料を送り込む複数条型式の施肥
装置の場合、全体が機体左右方向に幅広になるので、機
体左右方向に配置された横フレームに施肥装置を支持さ
せて、施肥装置の全体を充分な強度で支持するように構
成することがある。
【0009】これにより、施肥装置とは別の出力部から
施肥装置に動力を伝達する伝動機構を備えた場合、請求
項1の特徴によると、伝動機構からの動力を受け取る施
肥装置の入力部を横フレームの近傍に配置している。こ
のように充分な強度を持つ横フレームの近傍に施肥装置
の入力部を配置することによって、伝動機構からの動力
により施肥装置の入力部に振動が伝えられても、施肥装
置の入力部の位置がずれたりすることが少なく、伝動機
構からの動力が誤差少なく施肥装置に伝達されて、施肥
装置から肥料が精度良く繰り出されて圃場に送り込まれ
ていく。
【0010】
【発明の効果】請求項1の特徴によると施肥装置付き田
植機において、施肥装置を作業位置から上方に離れた非
作業位置に移動操作できるように構成することにより、
施肥装置や、作業位置の近くに配置されているメンテナ
ンスの必要な装置のメンテナンス作業を、容易に行うこ
とができるようになって、施肥装置付き田植機の作業性
を向上させることができた。
【0011】請求項1の特徴によると、施肥装置を大き
く横方向に出すことなく、支障なく上方に離れた非作業
位置に移動操作することができるので、施肥装置付き田
植機の作業性をさらに向上させることができた。請求項
1の特徴によると、作業位置と上方に離れた非作業位置
とに亘って施肥装置を移動操作する場合に、施肥装置の
ホッパーの肥料がこぼれ落ちるようなことがないので、
移動操作の為に施肥装置のホッパーから肥料を取り出す
と言う手間が不要で、肥料の無駄がなく、こぼれ落ちた
肥料が金属製の部分に付着することによる錆等の発生も
未然に防止される。
【0012】請求項1の特徴によると、充分な強度を持
つ横フレームの近傍に施肥装置の入力部を配置すること
によって、伝動機構からの動力が誤差少なく施肥装置に
伝達され、施肥装置から肥料が精度良く繰り出されて圃
場に送り込まれていくようになって、施肥装置の施肥性
能を向上させることができた。
【0013】
【実施例】以下、実施例を図面に基いて説明する。図1
に施肥装置付き田植機の後部を示している。この施肥装
置付き田植機は、図外の走行機体の後部にリンク機構
(図示せず)を介して苗植付装置2を昇降自在に連結
し、苗植付装置2の後方に施肥装置3を装着して構成さ
れている。苗植付装置2は、フレーム兼用の植付伝動ケ
ース4に対して一定ストロークで往復横移動する苗のせ
台5、苗のせ台5の下端部から苗を一株ずつ取り出して
圃場に植付ける植付機構6、及び複数の整地フロート7
等を備えて構成されている。
【0014】図1及び図3に示すように植付機構6は、
横軸芯周りで回転駆動される回転ケース8の両端部に、
先端に植付爪9を備えた植付アーム10を相対回動自在
に支持し、回転ケース8の回転駆動に伴って、ギヤ機構
(図示せず)により植付爪9が側面視で略楕円軌跡を描
きながら、植付作動を行うように構成されている。
【0015】図1及び図2に示すように苗のせ台5の苗
載置面5aにおける下方側箇所に、苗の浮き上がりを阻
止する苗押さえステー11が、苗載置面5aに近接する
作用姿勢と上方外方に離間する退避姿勢とに亘り、後部
の横軸芯X1周りで切り換え揺動自在に設けられてい
る。苗のせ台5の各植付条の仕切り部に立設したブラケ
ットに亘って架設した支軸11aに、苗押さえステー1
1が固定されており、支軸11aを操作具11bにより
回動操作することで、苗押さえステー11の姿勢の切換
操作を行うように構成されている。
【0016】図1及び図3に示すように施肥装置3は、
上部に粉粒状の肥料を貯溜するホッパー12を2条毎に
備え、ホッパー12の下方に各植付条の繰り出し機構1
3を備えて、繰り出されてきた肥料を作溝器14により
圃場面に作成された溝内に流下案内させる流下パイプ1
5を備えて構成されている。繰り出し機構13は、繰り
出しケース16内に、外周面に肥料入り込み用の凹部を
形成した繰り出しロール17を備え、繰り出しロール1
7を駆動軸18により回動させて、凹部内に溜められた
肥料だけを下方に流下パイプ15を介して流下するよう
に構成されている。
【0017】図1及び図3に示すように、植付機構6に
おける各植付アーム10の横側に亘り架設した支持部材
19(出力部に相当)に、回転ケース8の回転軸芯と偏
芯した位置に駆動ロッド20(伝動機構に相当)が接続
され、駆動ロッド20の上端部が駆動軸18に接続され
て、駆動軸18が回動駆動されるように構成されてい
る。この場合、図1,2,3に示すように、後述する横
フレーム25の近傍に、駆動ロッド20から駆動軸18
への動力の入力部が配置されている。
【0018】施肥装置3は全ての植付条の部分が、一体
的に植付機構6の上方側に近接して配備される作業位置
と、作業位置から上方に離れた非作業位置とに亘り、移
動自在に支持されている。図1及び図3に示すように、
植付伝動ケース4の後部側から左右一対の支持レール2
3(昇降機構に相当)が立設されて、各植付条の施肥装
置3を支持アーム24を介して一体的に連結固定した横
フレーム25が、機体左右方向に配置されて左右一対の
可動フレーム26に連結され、左右の可動フレーム26
が上下一対のガイドローラー27により移動自在に支持
レール23に支持されている。
【0019】図8,3,4に示すように可動フレーム2
6の各々に、支持レール23に形成された係合孔28に
入り込む係合作用位置と、上方に揺動して係合が解除さ
れるスライド操作位置とに切り換え揺動自在、並びに係
合側にバネ(図示せず)により付勢されたロック具29
が備えられている、支持レール23には、下方の作業位
置に施肥装置3を保持する位置と、最大上昇させた非作
業位置に保持する位置の各々に係合孔28が形成されて
おり、上方の非作業位置に移動させると、自動的に係合
保持されるように構成されている。非作業位置に施肥装
置3を上昇させると、苗押さえステー11の退避姿勢へ
の切換操作に際して、施肥装置3が邪魔にならないよう
に設定されている(図2参照)。
【0020】植付機構6及び作溝器14は位置固定状態
に設けられており、前述のように施肥装置3が非作業位
置に移動操作されるのに伴って、連係が解除されるよう
に構成されている。図1,2,3,4に示すように、肥
料の流下経路の途中部分に分離部30が形成され、分離
部30の下部側がラッパ状に形成されて、流下パイプ1
5への差し込み装着、並びに上方への分離が容易に行え
るように構成されている。
【0021】駆動ロッド20においては、植付機構6側
の端部の連結が容易に解除できるように構成されてい
る。図6及び図7(イ)(ロ)に示すように、駆動ロッ
ド20の端部に設けられるボールジョイント31の連結
用軸部32に、支持部材19に対して相対回動自在に嵌
合する筒体33が装着され、支持部材19に取り付けら
れたストッパー部材34により、筒体33の抜け止めを
行うように構成されている。ストッパー部材34をピン
35及び長孔36の係合により、抜け止め係合位置と係
合解除位置とにスライド自在に設け、ストッパー部材3
4をスライドさせて筒体33を抜いて外すことにより、
駆動ロッド20の植付機構6側の端部の連結が容易に解
除できるように構成されている。
【0022】連結が解除された駆動ロッド20は、施肥
装置3が上方の非作業位置に移動操作された際に、邪魔
にならないように構成されている。図1に示すように、
施肥装置3の後方側の横軸芯X2周りに揺動開閉自在な
蓋体45で、繰り出し機構13が覆われるように構成さ
れており、蓋体45に係止フック46が設けられてい
る。図2及び図9に示すように、蓋体45が開放された
状態で係止フック46に駆動ロッド20を係止させるこ
とにより、苗のせ台5の上方を開放させた姿勢で駆動ロ
ッド20が保持される。
【0023】図4及び図5に示すように、左右の支持レ
ール23の上部に亘って横支持杆37が架設連結され、
横支持杆37に横方向に沿って、ブラケット38(図3
参照)を介してガススプリング39が支持されている。
左右の可動フレーム26の下部の各々にワイヤ40の一
端が接続され(図3参照)、ワイヤ40が横支持杆37
の左右両側部に支持されたプーリー41,42、中間部
に支持されたプーリー43、並びにガススプリング39
の移動ロッド39aの先端部に支持された可動プーリー
44に巻回されて、横支持杆37にワイヤ40の各々の
他端が接続されている。
【0024】ガススプリング39の付勢力による可動プ
ーリー44の横移動付勢力により、ワイヤ40における
可動フレーム26の上方への持ち上げ方向に、補助的な
付勢力が付与される。従って、施肥装置3を下方の作業
位置から上方の非作業位置に移動操作する際に、人為操
作により持ち上げ操作しても、この人為操作が軽く行え
る。
【0025】施肥装置3を上方の非作業位置に移動させ
た状態で、苗のせ台5に残る苗を取り出す作業を行う場
合、施肥装置3が誤って支持レール23に沿って下方に
移動するのを阻止するロック機構が備えられている。図
10(イ)(ロ)に示すように、苗押さえステー11の
支軸11aの近傍に、苗押さえステー11が作用姿勢か
ら退避姿勢に切り換わることを検出する検出スイッチS
Wが設けられており、検出スイッチSWが検出状態にな
ると、施肥装置3が非作業位置に保持されている状態で
ガイドローラー27に係止して保持する電磁ソレノイド
SLが、支持レール23に取り付けられている。電磁ソ
レノイドSLは、苗押さえステー11が作用姿勢に戻し
操作されて検出スイッチSWが非作動状態になると、保
持状態を解除して施肥装置3の下方への移動を許容する
ように構成されている。
【0026】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
容易にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】苗植付装置及び施肥装置の全体側面図
【図2】施肥装置が上方の非作業位置に移動操作された
状態を示す側面図
【図3】下方の作業位置での施肥装置の背面図
【図4】施肥装置が上方の非作業位置に移動操作された
状態を示す背面図
【図5】ガススプリング付近の平面図
【図6】駆動ロッドの支持部材に対する連結及び連結解
除状態を示す背面図
【図7】駆動ロッドの支持部材に対する連結及び連結解
除状態を示す側面図
【図8】ロック具付近の側面図
【図9】蓋体における係止フック付近の背面図
【図10】非作業位置の施肥装置が誤って下方の作業位
置に移動する状態を阻止する構造を示す側面図
【符号の説明】
3 施肥装置 19 出力部 20 伝動機構 23 昇降機構 25 横フレーム
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−63311(JP,A) 実開 昭54−39308(JP,U) 実開 昭63−186120(JP,U) 実開 平3−22616(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01C 15/00 - 23/04 A01C 11/00 302

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 苗の植え付けに伴って肥料を圃場に送り
    込んでいく施肥装置(3)を、機体左右方向に配置され
    た横フレーム(25)に支持させて、 肥料を圃場に送り込む為の作業位置と前記作業位置から
    上方に離れた非作業位置とに亘り、前記作業位置での姿
    勢を維持した状態で、前記施肥装置(3)を移動自在に
    支持する昇降機構(23)を備えると共に、 前記施肥装置(3)とは別の出力部(19)から前記施
    肥装置(3)に動力を伝達する伝動機構(20)を備え
    て、前記伝動機構(20)からの動力を受け取る前記施
    肥装置(3)の入力部を、前記横フレーム(25)の近
    傍に配置してある施肥装置付き田植機。
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