JP3012387U - 棚の取付装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 棚の取付部における体裁を良好にして動揺が
なく安定した強固な棚の取付けができ、移設が容易な棚
の取付装置を提供すること。 【構成】 棚の取付座を棚本体と別体で設け、その取付
座の上下両端部に斜め前方へ突出する両傾斜片を対設
し、前記取付座の上下両傾斜片に係合する上下両係合片
を設けた係着板を棚の基板背部に設けて取付座に係合
し、基板の下端部から係着板下端係合片を経て押螺子を
螺挿し、該押螺子の上端を取付座の下傾斜片の下面に当
接する。 【効果】 棚の基板で取付座前面を覆うので取付部の体
裁が良好であり、基板が壁面に密着状になって取付座の
上下部に係着するから棚が動揺することなく安定する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】 この考案は、壁面に取付ける棚の取付装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】 従来、この種の棚を壁面へ取付ける場合には、棚の基部（背 部）に取付座を固着し、該取付座を螺子止め又は接着等により壁前面に固着する 手段を採用していた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】 ところで、前記従来の棚の取付手段におい ては、取付部において取付座の前面に螺子頭などが露出し体裁が悪くしかも安定 感がなく、かつ、棚が壁面に固着されるので棚の取外しや移設に困難性が伴う。 そこで、本考案においては、棚の取付部の体裁を良好にしてその取付部に動
揺 がなく安定した強固な取付けができると共に、棚の取外し、移設を容易にしたも のを提供するを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】 第１の手段は、棚の基部に基板を設け、該基 板の背部に係着板を重設し、別体で壁面に固着する取付座を設けて該取付座に基 板背部の係着板を係脱操作して棚を着脱可能に取付けるよう構成するものであっ て、前記取付座の上下両端部に斜め前方向きに突出する上下両傾斜片を対設し、 該取付座の上下両傾斜片に係合する上下両係合片を対設した係着板を棚の基板の 背部に重合して基板と共に棚の基部に螺着し、係着板を取付座に対向させて上下 両係合片により係合させ、基板の下端から係着板の下係合片を経て取付座の下傾 斜片に向って押螺子を螺挿することにより係合部を固定し、基板を取付座の前面 部に嵌合して取付座を覆うよう構成する。

【０００５】 前記課題解決の第２の手段として、棚の基部に基板を設けたものにおいて、溝 形材の左右両側板の上端部に直角長孔を対設し、背板の下端に弾性係合曲片を形 成した取付座と、別体で溝形材の左右両側板の上端部に軸孔を対設し、前面板の 上下部に螺子挿通孔を対設した係着板とを向合い状に配置して上端部の直角長孔 と軸孔とを合致し回転軸を挿通して前後揺動自在に軸着し、係着板を棚の基板の 背部に重合して上下両螺子挿通孔と螺子により基板と共に棚の基部に螺着し、基 板の下端縁を取付座の弾性係合曲片に係脱させて基板を取付座に嵌脱自在に嵌合 するよう構成する。

【０００６】

【作用】 第一の手段においては、基板の背部に重合して螺着した係着板の上下両係合 片が取付座の上下両傾斜片に係合した上で、基板の下端から係着板の下係合
片 を経て取付座の下傾斜片に向って押螺子を螺挿して締付けることにより、係
着 板を下方へ引き付けるので、係着板の上係合片の係合部が更に深くなって強
固 になり、下端部で押螺子の上端が取付座の下傾斜片の下面に圧着係止するか
ら 、下部における係合も強固であって、上下両端部の強い係合力により基板を
取 付座に対して強力に係着させる。そして、押螺子の締付けを緩めると基板を
取 付座から離脱させることができる。 第２の手段においては、係着板の上端部において取付座の上端部と軸着され て回動自在に結合し、下端部において基板の下端縁と取付座の弾性係合曲片
と の弾性的な係合により下端部を固定し、基板が取付座に対して係脱自在に係
嵌 され、嵌合状態において壁面に密着状となって棚を安定させる。 取付座上端の直角長孔に沿って回転軸をその前端から後端下部へ移動させる ことにより、基板の後端縁を壁面に密着させて棚を安定させる。

【０００７】

【実施例】 本考案の実施例を図示した添付図面各図につき順次に説明する。 図１は、本考案における棚の取付装置を基部に備えた小物棚Ａを示す斜視図
で あって、この棚Ａは、平面コの字形の鋼管製三方枠の枠内で三本の鋼管製棚桟２ …を左右方向で前後並列状に配して架着し、三方枠の下側方適宜間隔平行状に前 後幅が三方枠より小なるコの字形鋼管製の曲杆３を配置し、三方枠１と曲杆３の 両側基端部に縦長矩形箱状の基板４を固着することにより三方枠と曲杆を一体的 に結合して棚を構成したものであって、左右両基板４，４により壁面へ取付け、 棚桟上には小物品を載置し、曲杆にはタオル等を掛け吊して使用する。 前記基板４の背部側に取付装置を内蔵してあり、その取付装置の詳細な構成を 以下の各図により説明する。

【０００８】 図２は、前記基板４とその背部側に内蔵した取付装置の各部材を分解して示し た斜視図であって、基板４の前面４ａの上下部には棚Ａの三方枠１の基端部１ａ と曲杆３の基端部３ａとに嵌着する円形凹部４ｂ，４ｂを前面から押圧形成し、 両円形凹部の中心に螺子挿通孔イを設け、該螺子挿通孔イに対応させて設けた螺 孔ロを中心部に螺設した栓体１ｂ，３ｂを前記三方枠の基端部１ａと曲杆の基端 部３ａとの内部に挿設してある。また、基板４の下端面４ｃには、下方から挿通 する押螺子５の貫通孔ハをやや大きく穿設してある。

【０００９】 前記基板４と別体で設けた取付座６は、背面板６ａの上下両端部に夫夫斜め前 方向きに突出する上下両傾斜片６ｂ，６ｃを対設すると共に、背面板６ａの左右 両側部を前方へ折曲げた側片６ｄを対設し、背面板６ａの上中下に三個の螺子挿 通孔ニ…を設け、該螺子挿入孔から木螺子７…を挿入して壁面へ螺入するよう設 けてある。しかし、この取付座の背面板を接着剤により壁面へ接着する手段もあ るが、取付強度を考えれば木螺子による取付け手段が好ましい。

【００１０】 前記基板４と取付座６との間に介在させるよう設けた係着板８は、取付座６の 上下両傾斜片６ｂ，６ｃに係合させるよう、前面板８ａの上端部から後方へ斜め 下向きの係合片８ｂと、下端部から後方へ水平状の係合片８ｃとを対設し、前面 板両側部から後方へ左右両側片８ｄ，８ｄ´を曲成し、前面板８ａの上下部に螺 子挿通孔ホを対設し、下係合片８ｃの中心部に螺孔ヘを設けてある。 前記螺子挿通孔ホから螺子９を挿入し基板４の螺子挿通孔イを経て三方枠基端 部１ａ内の栓体１ｂと曲杆基端部３ａ内の栓体３ｂとの各螺孔ロへ螺入すること により、係着板８を基板４の内部へ内蔵すると共に基板４と重合させて棚Ａの基 部に螺着固定する。

【００１１】 図３は、棚Ａの取付け状態における基板４及び係着板８と取付座６との係合状 態を示す縦断面図であって、壁Ｗの前面へ木螺子７により取付座６が固着されて あり、取付座６の前側に係着板８を配し上係合片８ｂを取付座の上傾斜片６ｂ上 に係合して下係合片８ｃを取付座の下傾斜片６ｃの下側に挿入した後、押螺子５ を基板４の下端面の貫通孔ハから挿入して係着板８の下係合片８ｃの螺孔ヘに螺 挿し、押螺子５の上端を取付座６の下傾斜片６ｃの下面に押当てて締付けること により、係着板８を下方へ引下げ上係合片８ｂと取付座６の上傾斜片６ｂとの係 合を深くかつ強力にすると共に、下方部における下傾斜片６Ｃと押螺子５の上端 との圧着係合も強力となり、基板４の後端縁が壁面に密着状態になって棚Ａが安 定して係着できる。 図４は、前記係合部における上下中央部横断面を示した横断面図であって、基 板４の左右両側板の後端縁が壁面に密着している。

【００１２】 図５は、前記基板４に内蔵させる係着板と取付座につき他の実施例を示した分 解斜視図であって、基板４は、前記実施例のものと同一箱状体の上端面４ｄの両 側部に切込み溝トを対設してあり、取付座１０と係着板１１とを各上端部におい て回転軸１２で前後揺動自在に軸着して一体的に連結するものであって、前記取 付座１０は、溝形曲板の開口面を前面に配した背面板１０ａの左右両側から前向 きの左側板１０ｂと右側板１０ｃとを各上端部を背面板上端から突出させて設け 、該両側板の上端突出部にＬ形の直角長孔チを対設してあり、背面板１０ａの下 端部に前向きに曲成した弾性係合曲片１０ｄを設け、背面板１０ａの上下部に木 螺子挿通孔リを対設してある。

【００１３】 前記係着板１１は、溝形曲板の開口面を後面に配した前面板１１ａの上下部に 螺子挿通孔ヌを対設し、左側板１１ｂと右側板１１ｃとの各上端部に軸孔ルを対 設してある。そして前記取付座１０の上端部の直角長孔チの内側に係着板１１の 上端部の軸孔ルを合致させて両孔に回転軸１２を挿通させることにより、取付座 １０に対して係着板１１を前後揺動自在に軸着する。 なお、係着板１１と基板４とを螺子９で三方枠と曲杆の基端部へ螺着する手段 は、前記実施例のものに準じて行う。

【００１４】 図６は、棚Ａの取付時において取付座１０を壁Ｗの前面に木螺子７で固着し、 基板４を前方へ回動して引き上げた状態を示した縦断面図であって、この状態に 棚を上げて壁Ｗの前面に固着された取付座１０の上端部で係着板１１の左側板１ １ｂの上端部が回転軸１２により直角長孔チの前端部に回動自在に軸着されてあ って、直角長孔チにより棚Ａ全体を壁Ｗに向って回動して下げると基板４が壁に 密着できるよう構成されている。 また、基板４の上端面４ｄに設けた切込み溝ト（図５参照）が取付座１０の側 板上端に食い込むことにより基板４が上方へ回動できる。

【００１５】 図７は、図６の状態から棚Ａを下方へ回動させて基板４の後端縁を壁Ｗの前面 に密着させた状態を示した縦断面図であって、棚Ａを下方向きに回動した時に上 端の軸着部において回転軸１２を直角長孔チの前端部から後端へ移動しそれを直 角部に沿って下端まで引き下げることにより、基板４の後端縁が壁Ｗの前面に密 着する。また、基板４の下端部においては、下端面４ｃが取付座１０の下端の弾 性係合曲片１０ｄの下側へ弾性的に係合圧接して固定する。 図８は、前記図７に示す係着状態における上下中央部の断面図であり、基板４ の左右両側板の後端縁が壁Ｗの前面に密着して左右方向の振れを防止し棚を安定 させている。

【００１６】

【考案の効果】 棚の基板が取付座の前面と周囲を塞ぎ覆って係着されるので、棚の取付部の 体裁が良好であり、基板が壁面に密着状に固定できるから棚の取付部が動揺
し なく、棚が安定して取付けられる 請求項１における棚の取付装置においては、基板と共に棚に螺着した係着板 の上下両端部が取付座の上下両傾斜片に係合し、基板の下端から押螺子で下
端 係合部を締付けるから、係着板と取付座との係合力を強化してそれを持続
し、 係合部が離脱し難く棚の取付けが強力である。そして、押螺子の締付けを緩
め ると上下部の係合を解除できて棚の取外しが容易である。 請求項２における棚の取付装置においては、基板と共に棚に螺着した係着板 が上端部で取付座の上端部と揺動自在に軸着されているので、棚を上方へ回
動 して取付座を壁面に当接して固着でき、取付座との結合が確実であって、基
板 の下端部を取付座の下端の弾性係合曲片へ弾性的に係合させることにより基
板 が固定し、取付座の前面と周囲を覆って壁面に密着して棚を安定させる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る取付装置を備えた小物棚を示す斜
視図

【図２】前記小物棚の基部に備えた取付装置の各部材を
分解して示した拡大分解斜視図

【図３】前記棚の取付け状態における取付装置の各部材
間の係合状態を示す拡大縦断面図

【図４】前記図３の各部材係合状態における拡大横断面
図

【図５】棚の基部に設けた基板に内蔵させる係着板と取
付座の他の実施例を示す拡大分解斜視図

【図６】棚の取付時における各部材の配置状態を示す拡
大縦断面図

【図７】図６の状態から棚を下方へ回動させて取付けた
状態を示す拡大縦断面図

【図８】図７に示す状態における拡大横断面図

【符号の説明】

Ａ…棚 Ｗ…壁 １…三方枠 ２…棚桟 ３…曲杆 ４…基板 ５…押螺子 ６…取付座 ６ａ…背面板 ６ｂ…上傾斜片 ６ｃ…下傾斜片 ６ｄ…側片 ７…木螺子 ８…係着板 ８ａ…前面板 ８ｂ…上係合片 ８ｃ…下係合片 ８ｄ…右側片 ８ｄ´…左側片 ９…螺子 １０…取付座 １０ａ…背面板 １０ｂ…左側板 １０ｃ…右側板 １０ｄ…弾性係合曲片 １１…係着板 １１ａ…前面板 １１ｂ…左側板 １１ｃ…右側板 １２…回転軸

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 取付座の上下両端部に斜め前方向きに突
   出する上下両傾斜片を対設し、取付座の上下両傾斜片に
   係合する上下両係合片を対設した係着板を棚の基板の背
   部に重合して基板と共に棚の基部に螺着し、係着板を取
   付座に対向させて上下両係合片により係合させ、基板の
   下端から係着板の下係合片を経て取付座の下傾斜片に向
   って押螺子を螺挿して基板を取付座の前面部に嵌着する
   よう構成した棚の取付装置。
2. 【請求項２】 溝形材の左右両側板の上端部に長孔を対
   設し、背板の下端に弾性係合曲片を形成した取付座と、
   別体で溝形材の左右両側板の上端部に軸孔を対設し、前
   面板の上下部に螺子挿通孔を対設した係着板とを向合い
   状に配置して上端部の長孔と軸孔とを合致し回転軸を挿
   通して前後揺動自在に軸着し、係着板を棚の基板の背部
   に重合して基板と共に棚の基部に螺着し、基板の下端縁
   を取付座の弾性係合曲片に係脱させて基板を取付座に嵌
   脱するよう構成した棚の取付装置。