JP3012307B2 - 耐熱容器 - Google Patents

耐熱容器

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JP3012307B2
JP3012307B2 JP28026090A JP28026090A JP3012307B2 JP 3012307 B2 JP3012307 B2 JP 3012307B2 JP 28026090 A JP28026090 A JP 28026090A JP 28026090 A JP28026090 A JP 28026090A JP 3012307 B2 JP3012307 B2 JP 3012307B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は耐熱容器の製造法に関し、更に詳しくは高結
晶性でなお且つ高温加熱雰囲気下で耐熱変形性に優れた
ポリエステル樹脂製耐熱容器に関するものである。
〔従来の技術とその課題〕
ポリエチレンテレフタレート(PET)に代表される芳
香族ポリエステルは、その樹脂シートから射出成形法や
真空成形、圧空成形等の熱成形法により容器を製造する
ことができ、耐薬品性や耐ガス透過性、耐熱性を生かし
た分野で近年、その用途が増えている。
しかしながら、無配向、非晶質のPETのシートは結晶
化が進まない温度で熱成形すれば一応透明性に優れた容
器に成形しうるが、斯かるPETより得た容器は耐熱性に
欠点があり、約80℃以上の加熱雰囲気下では変形し、又
その結晶性に由来して、加熱雰囲気下で使用する場合は
結晶化が進み、著しく熱収縮や透明性低下が起こるた
め、その用途が制限されている。一方、二軸延伸して結
晶化した透明PETシートは、その配向性のために熱成形
が容易でない。又、PET容器の耐熱性、機械的強度を向
上させるべく、容器の成形温度を高くした場合は、結晶
化が進行するため著しく白化し、透明度が極めて低くな
る。ここで共重合等により結晶性を無視すれば透明性の
向上した容器を得ることは可能であるが、この場合は機
械的特性、特に耐熱性が低下して高温使用に耐え得ない
ものとなる。
又、ポリブチレンテレフタレート(PBT)は更にその
高い結晶性のため、一般に透明の急冷シートを調製する
のが困難であり、熱成形における賦形性が著しく劣るた
め熱成形により透明性に優れた容器を得ることはできな
い。一方、PBTもポリマー自体に他の構成単位を導入
し、共重合体としてその結晶性を緩和することにより透
明性を高めることは可能であるが、該手法により得られ
た透明容器は加熱により結晶化が進んで透明度が極めて
低く、又、全く非晶性のものはPBT本来の特性が失わ
れ、特に強度と耐熱性が著しく劣るものとなる。
このように芳香族ポリエステルは、一般に結晶性に基
づく機械的性質や耐熱性と、透明性とを兼備することは
至難であり、その両立が切望されていた。
〔課題を解決するための手段〕
以上の課題を解決すべく本発明者らは鋭意検討を重ね
た結果、原料ポリエステルとしてポリプロピレンテレフ
タレート重合体(PPT)もしくはこれを主体とする共重
合体を使用し、特にこれより得たシートを特定条件で処
理し、成形加工することにより、透明性と高結晶性を兼
備し、加熱雰囲気下でもその透明性と耐熱性を保持した
容器を提供し得ることを見出し、本発明を完成するに至
ったものである。
即ち本発明は、繰り返し単位の80モル%以上が1,3−
プロパンジオールとテレフタル酸若しくはそのエステル
形成性誘導体とのエステル単位からなるポリエステル樹
脂を整形してなる耐熱容器に関するものである。
本発明に用いるポリエステル樹脂は、繰り返し単位の
80モル%以上が1,3−プロパンジオール若しくはそのエ
ステル形成性誘導体とテレフタル酸とのエステル単位か
らなるものである。
本発明に用いるポリエステル樹脂を形成するために必
要な原料化合物を順を追って説明すると、まずテレフタ
ロイル基を形成するために必要な原料化合物はテレフタ
ル酸又はそのエステル形成性誘導体であり、該誘導体と
しては例えばジアルキルエステル又はジアシル化物より
選ばれるものがあげられる。これらの内で好ましいもの
はテレフタル酸又はそのジアルキルエステルであり、特
に好ましいものはテレフタル酸ジメチルである。
又、該ポリエステル樹脂のプロピレンテレフタレート
ユニットを形成するジオールは、1,3−プロパンジオー
ルをモノマー原料として用いることで導入される。
本発明に使用されるポリエステル樹脂は、上記の必須
原料化合物を用いて製造されるポリプロピレンテレフタ
レート(PPT)のホモポリマーは勿論のこと、繰り返し
単位の80モル%以上がプロピレンテレフタレート単位で
あるポリプロピレンテレフタレートのコポリマーを包含
する。斯かるコポリマーを構成するための上記必須原料
化合物以外のコモノマーの原料としては、一価又は多価
カルンボン酸類とその誘導体、ヒドロキシカルボン酸類
とその誘導体、一価又は多価フェノール類とその誘導
体、一価又は多価脂肪族(脂環族を含む)アルコール類
とその誘導体、一価又は多価アミン類とその誘導体、ヒ
ドロキシアミン類とその誘導体、一価又は多価アミド類
とその誘導体、イソシアネート類とその誘導体、イソシ
アヌレート類とその誘導体等の一種又は二種以上が挙げ
られる。
特に一価又は多価カルボン酸類とその誘導体、一価又
は多価フェノール類とその誘導体、一価又は多価脂肪族
(脂環族を含む)アルコール類とその誘導体が好まし
く、その中でも二価カルボン酸類とその誘導体、二価フ
ェノール類とその誘導体、二価脂肪族(脂環族を含む)
アルコール類とその誘導体が好ましい。
二価カルボン酸類の例としては、イソフタル酸、オル
ソフタル酸、ジフェン酸、2,6−ナフタレンジカルボン
酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸
などの脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカ
ルボン酸などの脂環族ジカルボン酸等が挙げられる。二
価カルボン酸の誘導体の例としては、ジアルキルエステ
ル又はジアシル化物より選ばれる一種又は二種以上が挙
げられるが、これらの内で好ましいものはジアルキルエ
ステルであり、特にジメチルエステルが好ましい。
二価フェノールの例としては、ハイドロキノン、2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4
−ヒドロキシフェニル)スルホン、4,4−ジフェノー
ル、4,4′−〔1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリ
デン)〕ビスフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エーテル、2,6−ジヒドロキシナフタレンなどの芳
香族二価フェノールが挙げられる。二価フェノールの誘
導体の例としては、エチレンオキシド2〜4モル付加
体、プロピレンオキシド2付加体等が挙げられるが、特
にエチレンオキシド2モル付加体が好ましい。
二価アルコールの例としては、エチレングリコール、
1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタジオール、ネオペン
チルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカ
ンジオールなどの脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサ
ンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリ
シクロデカンジメタノールなどの脂環族ジオール等が挙
げられる。
又、更に該ポリエステルを製造するに際し、トリメシ
ン酸トリメチル、トリメリット酸トリメチル、トリメチ
ロールプロパン、ペンタエリスリトールの如き三官能以
上の多官能化合物、或いはステアリルアルコール、o−
ベンゾイル安息香酸メチルの如き単官能化合物の一種又
は二種以上を、実質的に共重合体が線状である程度に用
いることもできる。又、ポリブチレングリコール等のポ
リアルキレングリコールを少量用いてポリエステル樹脂
に弾性を付与することも可能である。
本発明の共重合ポリエステルは、コモノマーとして少
なくとも上記の群より選ばれる一種又は二種以上を原料
化合物とすることが可能であり、これらのコモノマーの
全構成単位を対するモル分率は20モル%以下であること
が必要である。特に好ましくは15モル%以下である。上
記モル分率が20モル%よりも大きいと得られた容器の相
対結晶化度が低下するため容器の機械的強度や耐熱変形
性の低下が顕著となる。
これらのポリエステル樹脂は従来公知の縮合反応や、
エステル交換反応を利用して界面重縮合や溶融重合、溶
液重合等により製造することができる。また得られた樹
脂を好ましくは融点から10℃乃至50℃低い温度で、減圧
又は不活性ガス存在下で加熱処理を行う固相重合法を用
いることでさらに高重合度製品とすることも可能であ
る。
又、本発明に用いるポリエステル樹脂には本発明の効
果を阻害しない範囲で目的に応じ、他の熱可塑性樹脂を
補助的に少量併用したり、一般に熱可塑性樹脂に添加さ
れる公知の物質、すなわち、紫外線吸収剤等の安定剤、
帯電防止剤、難燃剤、難燃助剤、染料や顔料等の着色
剤、潤滑剤、可塑剤及び結晶化促進剤、結晶核剤、無機
充填剤等を配合することも勿論可能である。
斯かる製造方法によって得られたポリエステル樹脂
は、乾燥させたのち、通常の成形方法、例えば射出成形
により所望の形状の容器とすることができるが、一旦シ
ート状に整えたのち、該シートを熱成形することにより
容器とするのが望ましい。シートを調製するには、例え
ばT−ダイを備えた押出機にてシート状に押出し、これ
を低温に設定されたキャスティングドラム上に接触させ
急冷すればよく、これにより低結晶化度、透明、且つ無
配向性のシートを得ることができる。又、該ポリエステ
ル樹脂からは、この他にもインフレーション法、プレス
法等によりシートとすることができるが、特に上記の如
きT−ダイによる押出し法が好ましい。
シートの好ましい厚みについて言及するならば、シー
トの厚みが厚い場合にはその表面部分のみが急冷により
透明化し、内部は徐冷状態となり白化しやすい傾向があ
り、又該シートを熱成形した場合、賦形性が悪く成形加
工性を著しく損なうことになる。シートの厚みが薄すぎ
る場合には、シート自体の機械的強度が発揮されず実用
上の優れた効果が薄れてしまう。従ってシートの好まし
い厚みの範囲を数値をもって特定すれば、0.05〜2.00mm
であり、より好ましくは0.10〜1.00mmである。また、急
冷によりシートを製造した後に所定の厚みになるように
低延伸比の一軸もしくは二軸延伸を行ってもかまわない
が、好ましくは無延伸が良い。
本発明においてはシート押出後、直ちに熱成形に移行
してもよいが、熱成形前のシートに特定の熱履歴を与え
ることで熱成形後の成形体の透明性を一段と向上させる
ことが可能である。熱処理は温水等、所定温度の熱媒中
にシートを浸漬する方法や、所定温度の乾燥機中で加熱
する方法、温風を吹きつける方法、赤外線等の輻射熱に
よる方法などにより行われる。
又、シートの熱処理温度は下記式(1)を満足させる
ような範囲が好ましい。
式(1) Ta≦Tcc (℃) (但し、Ta;熱処理温度(℃) Tcc;JIS K7121に基づく示差熱分析法により昇
温速度10℃/minで測定した樹脂の冷結晶化温度(℃)) 熱処理温度がTcc(℃)よりも高温であると急激な結
晶化によりシートが白濁し、好ましくない。又、熱処理
温度が低いと極めて長時間を要し、生産性等の点で好ま
しくなく、熱処理温度は30℃以上であることが好まし
い。
熱処理のために必要な時間は該ポリエステル樹脂のガ
ラス転移温度、冷結晶化温度、及びガラス転移温度と冷
結晶化温度の間の温度幅、又、熱処理温度とシートの厚
さにより異なる。上記温度幅が大きい程、熱処理温度が
低い程、シートの厚さが厚い程、長い熱処理時間を要す
る。
又、熱処理は上記の条件を満たす範囲であれば、一定
温度で保持しても、2段階以上の温度を選んでも、或い
は温度を連続的に変化させても良い。
該シートは一旦熱処理後又はシート押出後、常に常法
の熱成形によって所望する形状の容器に成形される。本
発明でいう熱成形とは、真空成形、圧空成形等の公知の
成形法を総称し、使用される成形機としては、真空成形
機、圧空成形機、又は真空と圧空を併用した万能成形機
等が挙げられる。
熱成形における該シートは、ガラス転移点(Tg)以上
の温度で加熱軟化せしめられ、続いて速やかに真空下又
は加圧下で金型に密着させられ賦形が行われる。シート
を軟らかくするための予熱温度が冷結晶化温度(Tcc
より高い場合、シートの結晶化が著しく生起するため、
賦形性の不良や肉厚のバラツキが生じる。従って、好ま
しくは予熱温度はTcc以下に選ぶのが良い。成形時のキ
ャビティー金型の温度範囲は特に限定されないが、キャ
ビティー金型温度がTcc+2(℃)よりも低いと高結晶
化度の容器を得難く、又、加熱時間が長くなり過ぎるた
め好ましくない。逆に高温にすると処理時間は短縮でき
るが融点に近づき過ぎると賦形性が著しく低下し、不均
一な熱処理による部分的な溶融が生じる場合があり、Tm
−5(℃)以下、好ましくはTm−10(℃)以下にとどめ
るのが望ましい。ここでT9、Tcc及びTmは夫々JIS K7121
に基づく示差熱分析法により昇温速度10℃/minで測定し
た樹脂のガラス転移温度(℃)、冷結晶化温度(℃)及
び融点(℃)である。
斯かる条件で成形を行うことによって、透明性を保っ
たまま結晶化が促進されるため、該容器は透明且つ高結
晶性を有し、更に高温加熱雰囲気下でも透明性を維持す
ることができるのである。
熱成形後の透明高結晶性容器の好ましい相対結晶化度
(CR)を特定するならばCRが50%以上である。ここで相
対結晶化度とは後記するDSC測定法により求めた値であ
る。容器の相対結晶化度が50%未満であると、高温付近
での耐熱性が著しく低下するため、最終製品の相対結晶
化度が50%以上で、且つ150℃で加熱処理しても相対結
晶化度の変化の少ない、充分結晶化の施されたものが実
用上好ましく、本発明によれば斯かる容器の提供が可能
となった。
又、容器の透明性を規定する尺度としてはヘイズ値が
あるが、該容器の好ましいヘイズ値を規定すると25%以
下であり、150℃で加熱処理してもヘイズ値25%以下を
保持するものが実用上望ましく、本発明によれば斯かる
容器の提供が可能となった。
〔発明の効果〕
以上の如く、本発明の容器は、以下のような優れた効
果を有する。
1)結晶化度50%以上の高結晶性であるため耐熱性が高
く、150℃程度の加熱雰囲気下においても耐熱変形性を
有し、且つヘイズ値25%以下を保持し、電子レンジ調理
調理用食品の調理容器(オーブナブルトレイ)、耐熱カ
ップ等として、特に内容物を外部から確認できる調理容
器として有利に利用できる。又、熱殺菌を要するもの、
高温の状態で内容物を注入させる容器に適している。
2)機械的特性を損なわずに透明性を付与したことか
ら、内容物を外部から確認できる保護用容器として使用
できる。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
尚、主な特性値の測定条件は次の通りである。
(1) プロピレンテレフタレート単位量 ヘキサフルオロイソプロパノール−d2を溶媒とした1H
−NMR測定から求めた。
(2) 固有粘度 オルソクロロフェノール中で25℃で測定した。
(3) 融点、冷結晶化温度、ガラス転移温度 JIS K7121に基づき示差熱分析法(DSC)により昇温温
度10℃/minで測定した。
(4) 相対結晶化度 シートをDSC測定用試料に切出し、DSC装置を用いて行
った。相対結晶化度(CR)の算出は下式による。
CR=((ΔHm−|ΔHcc|)/|(ΔHc)HOMO|) ×100(%) 〔但し、ΔHm;10℃/minで昇温測定による結晶融解熱(J
/g) ΔHcc;10℃/minで昇温測定による冷結晶化熱
(J/g) (ΔHc)HOMO;改質していないポリプロピレンテレフタ
レートホモポリマーの溶融状態から10℃/minで降温測定
による結晶化熱(J/g)〕 昇温測定時に冷結晶化が進行した後に結晶が融解する
ために、試料本来の相対結晶化度を求めるには、結晶融
解熱(ΔHm)から冷結晶化ピークの転移熱(ΔHcc)の
絶対値を差し引くことになる。
(5) ヘイズ値 急冷及び熟成後のシートのヘイズ値はJIS K7105に基
づき積分球式HTRヘーターにより測定した。又、成形体
のヘイズ値は、容器側面部の一部を切り出し、同様に測
定した。
尚、透明性は下記の評価基準にて表した。
◎;極めて良好 ヘイズ値が5%未満 ○;良好 ヘイズ値が5〜15% △;やや良好 ヘイズ値が15〜25% ×;不良 ヘイズ値が25%を越える (6) 成形収縮率 次式により成形収縮率(X1)を算出した。
X1=〔(VM−VC)/VM〕×100(%) (但し、VC;カップ上状成形体の内容量 VM;キャビティー金型の内容量) 尚、成形性は下記の評価基準にて表した。
◎;極めて良好 0≦X1<2.5 (%) ○:良好 2.5≦X1<5.0 (%) △;やや良好 5.0≦X1<7.5 (%) ×;不良 7.5≦X1 (%) (7) 耐熱収縮率 次式により耐熱収縮率(X2)を算出した。
X2=〔(VC−VH)/VC〕×100(%) (但し、VC;カップ状成形体の内容量 VH;150℃の温度の送風乾燥機中に10分間投入し
た後のカップ状成形体の内容量) 尚、耐熱収縮性は下記の評価基準にて表した。
◎;極めて良好 0≦X2<2.5 (%) ○:良好 2.5≦X2<5.0 (%) △;やや良好 5.0≦X2<7.5 (%) ×;不良 7.5≦X2 (%) (8) 容器加熱後のヘイズ値及び相対結晶化度 150℃の温度の送風乾燥機中に10分間投入した後のカ
ップ状成形体の一部を切り出し、JIS K 7105に基づきヘ
イズ値を、また上記(4)の条件より相対結晶化度を求
めた。尚、透明性の評価基準は上記(5)に準じて表し
た。
製造例1(ポリエステルAの合成) テレフタル酸ジメチル329.6重量部、1,3−プロパンジ
オール258.0重量部を所定量の触媒(チタニウムテトラ
ブトキシド)と共にダブルヘリカル攪拌機及び留出管を
備えた反応器に仕込み、十分に窒素置換した後、常圧下
で160℃まで温度を上げ、攪拌を開始した。さらに、徐
々に温度を上昇させ副生するメタノールを留去した。温
度が250℃に達したところで、徐々に反応器中を減圧さ
せ、0.1torrの圧力で3.0時間攪拌を続け、固有粘度0.78
のポリプロピレンテレフタレート樹脂(PPT)を得た。
得られた該ポリエステルについて、上記したような特性
の測定を行った。結果を表−1に示す。
製造例2(ポリエステルBの合成) ポリエステルAをペレット化し、窒素気流下、195℃
で固相重合を行い、固有粘度1.35の高重合度ポリエステ
ルを得た。得られた該ポリエステルについて、上記した
ような特性の測定を行った。結果を表−1に示す。
製造例3〜7(ポリエステルC〜Gの合成) 表−1に示す添加量の種々のモノマーを、テレフタル
酸ジメチル、1,3−プロパンジオールと共に仕込み、製
造例1で用いたのと同様の製造装置によりポリプロピレ
ンテレフタレート共重合体を得た。続いて製造例2と同
様に該ポリエステル樹脂の固相重合を行い、特性の測定
を行った。結果を表−1に示す。
比較製造例1、2(ポリエステルH、Iの合成) 表−1に示す添加量の種々のモノマーを、テレフタル
酸ジメチル、1,3−プロパンジオールと共に仕込み、製
造例1と用いたのと同様の製造装置によりポリプロピレ
ンテレフタレート共重合体を得た。続いて製造例2と同
様に該ポリエステル樹脂の固相重合を行い、特性の測定
を行った。結果を表−1に示す。
比較製造例3(ポリエステルJの合成) 1,4−ブタンジオール及びテレフタル酸ジメチルを所
定量用いて製造例1と同様の装置によりポリプロピレン
テレフタレート樹脂(PBT)を製造した。該樹脂は製造
例2と同様の固相重合により固有粘度が1.36となった。
特性の測定を行った結果を表−1に示す。
実施例1〜2、比較例1〜2 原料ポリエステルB、C、H、Iを90℃で6時間、送
風乾燥機中で乾燥後、800mm幅のT−ダイより水冷方式
の25℃の冷却ロール上に押し出した。得られたシートは
厚み0.4mmであり、シートの一部を切り出し、ヘイズ値
を求めた。続いて真空成形機を用い、プラグ金型温度80
℃、キャビティー金型温度100℃(但し比較例1は130
℃)、成形時間10秒で真空成形を行い、深さ45mm、直径
90mmのカップを成形した。各容器について、容器側面部
の一部を切り出しヘイズ値を求め、又、上記方法により
成形体の評価を行った。結果を表−2に示す。
比較例3 ポリエステルJから実施例1と同様の方法によりシー
ト(厚み0.4mm)を得たが、シートは著しく白化してお
り、成形材として不適であった。
実施例3 原料ポリエステルAを90℃で5時間、送風乾燥機中で
乾燥後、シリンダー温度255℃、成形温度(金型温度)5
5℃及びサイクル時間40秒の条件で射出成形によって、
深さ40mm、直径85mm肉厚0.5mmのカップを成形した。成
形容器から側面部の一部を切り出しヘイズ値を求めたと
ころ、24.0(%)であり、150℃における耐熱収縮率は
6.0(%)であった。
実施例4〜9 実施例1と同様に原料ポリエステルB〜Gから厚み0.
4mmのシートを得た後に、シートを表−3に種々の温度
と時間で恒温槽中で熱処理し、続いて実施例1と同様に
真空成形し容器を得た。各容器について、容器側面部の
一部を切り出しヘイズ値を求め、又、上記方法により成
形体の評価を行った。結果を表−3に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // B29K 67:00 B29L 22:00 (56)参考文献 特開 昭64−85732(JP,A) 特開 平2−36257(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 51/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繰り返し単位の80モル%以上が1,3−プロ
    パンジオールとテレフタル酸若しくはそのエステル形成
    性誘導体とのエステル単位からなるポリエステル樹脂を
    成形してなる耐熱容器。
  2. 【請求項2】成形が熱成形法によりなされる請求項1記
    載の耐熱容器。
  3. 【請求項3】相対結晶化度が50%以上で、150℃の加熱
    雰囲気下で耐熱変形性を有し且つヘイズ値が25%以下で
    ある請求項1又は2記載の耐熱容器。
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