JP2892437B2 - 透明ポリエステル容器及びその製造法 - Google Patents

透明ポリエステル容器及びその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はポリエステル容器及びその製造法に関し、更
に詳しくは高結晶性で尚且つ高温加熱雰囲気下でも透明
性と耐熱変形性に優れたポリエステル容器及びその製造
法に関するものである。
〔従来の技術とその課題〕
ポリブチレンテレフタレート(PBT)は機械的性質に
優れ、又、耐薬品性や耐ガス透過性、耐熱性にも優れて
いるので、近年、薬品、食品と接触しうるパッケージン
グの分野にも重用されている。
しかしながら、PBTはその高い結晶性のため、一般に
透明の急冷シートを調製するのが困難であり、又、熱成
形における賦形性が著しく劣るため熱成形により透明性
に優れた容器を得ることはできない。
一方、PBTもポリマー自体に他の構成単位を導入し、
共重合体としてその結晶性を緩和することにより透明性
を高めることは可能であるが、該手法により得られた透
明容器は加熱により結晶化が進んで不透明になり易く、
又、全く非晶性のものはPBT本来の特性が失われ、特に
強度と耐熱性が著しく劣るものとなる。
このようにPBT又はその共重合体を熱成形して得られ
る容器は、一般に結晶性に基づく優れた物性、特に耐熱
性と安定した透明性とを兼備することが至難であり、そ
の両立が切望されていた。
〔課題を解決するための手段〕
以上の課題を解決すべく本発明者らは鋭意検討を重ね
た結果、原料ポリエステルとして、特定のコモノマーユ
ニットを一定量導入したポリブチレンテレフタレート共
重合体を使用し、且つこれより得たシートを特定条件で
処理し、成形加工することにより、透明性と高結晶性を
兼備し、加熱雰囲気下でもその透明性と耐熱性を保持し
た容器を提供し得ることを見出し、本発明を完成するに
至ったものである。
即ち本発明は、繰り返し単位の70〜95モル%がテレフ
タル酸と1,4−ブタンジオールとのエステル単位からな
り、残りの繰り返し単位が主としてテレフタル酸とハイ
ドロキノン類のアルキレンオキシド付加体とのエステル
単位からなる共重合ポリエステル樹脂を溶融成形し、急
冷して低結晶化度のシートを調製した後、下記式(1)
となる様に選ばれた温度で熟成して下記式(2)を満足
するようなシートを調製し、次いで該シードを熱成形す
ることを特徴とする透明ポリエステル容器の製造法、及
び該製造法により得られる相対結晶化度50%以上で、12
0℃の加熱雰囲気下において耐熱変形性を有し、且つ光
線透過率80%以上を保持する透明ポリエステル容器に関
するものである。
式(1)Ta≦Tcc (℃) 式(2)(ΔHcc)a≧5 (J/g) (但しTa:熟成温度(℃) Tcc:JIS K7121に基づく示差熱分析法により昇温速度10
℃/minで測定した樹脂の冷結晶化温度(℃) (ΔHcc)a:JIS K7121に基づく示差熱分析法により昇温
速度10℃/minで測定した熟成後のシートの冷結晶化熱量
(J/g)) 本発明に用いる共重合ポリエステルは、繰り返し単位
の70〜95モル%がテレフタル酸と1,4−ブタンジオール
とのエステル単位からなり、残りの繰り返し単位が主と
してテレフタル酸とハイドロキノン類のアルキレンオキ
シド付加体とのエステル単位からなるものである。
本発明に用いる共重合ポリエステルを形成するために
必要な原料化合物を順を追って説明すると、まずテレフ
タロイル基を形成するために必要な原料化合物はテレフ
タル酸又はそのエステル形成性誘導体であり、該誘導体
としては例えばジアルキルエステル又はジアシル化物よ
り選ばれるものがあげられる。これらの内で好ましいも
のはテレフタル酸又はそのジアルキルエステルであり、
特に好ましいものはテレフタル酸ジメチルである。又、
共重合ポリエステルのブチレンテレフタレートユニット
を形成するジオールは、1,4−ブタンジオールをモノマ
ー原料として用いることで導入される。
該共重合ポリエステルを形成するためには、これらに
加えてさらに、ハイドロキノン類のアルキレンオキシド
付加体を原料化合物とする必要がある。ハイドロキノン
類の例としては、ハイドロキノン及びそのアルキル置換
体、ハロゲン置換体等が挙げられるが、その中でもハイ
ドロキノンが特に好ましい。又、好ましいアルキレンオ
キシドの例としては、エチレンオキシド、プロピレンオ
キシド等が挙げられ、これらの一種又は二種以上がハイ
ドロキノン類に対して2〜4モル付加せしめられたもの
が使用される。好ましい原料化合物を具体的に挙げれ
ば、ハイドロキノンのエチレンオキシド2〜4モル付加
体、ハイドロキノンのプロピレンオキシド2モル付加体
等であり、その中でもハイドロキノンのエチレンオキシ
ド2モル付加体が特に好ましい。
本発明を構成する共重合ポリエステルは、コモノマー
として少なくとも上記の群より選ばれる一種又は二種以
上を原料化合物とすることが必要であり、これらのコモ
ノマーの全構成単位に対するモル分率の値は5〜30モル
%であることが必要である。特に好ましくは10〜20モル
%である。上記モル分率が5モル%よりも小さいと共重
合ポリエステルの結晶化速度が高すぎるために低結晶化
度のシートを調製するのが困難になり、且つガラス転移
温度と冷結晶化温度との温度幅が小さい為に熱成形にお
ける加工性が著しく低下する。又、上記モル分率が30モ
ル%よりも大きいと熱成形により得られた容器の相対結
晶化度が低下するため容器の機械的強度や耐熱変形性の
低下が顕著となり、更に、後述する熟成の効果を著しく
低下させるため好ましくない。
又、該共重合ポリエステルを製造するのに際しては、
上記の必須出発原料以外に少量の他の成分を用途に応じ
用いることもできる。ここで用いられる他の成分の例と
しては、アジピン酸、セバシン酸等の多価脂肪族カルボ
ン酸及びそのエステル形成性誘導体、イソフタル酸、2,
6−ナフタレンジカルボン酸、トリメリット酸等の多価
芳香族カルボン酸及びそのエステル形成性誘導体、エチ
レングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキ
サンジオール、トリメチロールプロパン等の多価脂肪族
アルコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シク
ロヘキサンジメタノール等の多価脂環族アルコールが挙
げられる。
これらの共重合ポリエステルは従来公知の縮合反応
や、エステル交換反応を利用して界面重縮合や溶融重
合、溶液重合等により製造することができる。また得ら
れた樹脂を好ましくは融点から10℃乃至50℃低い温度
で、減圧又は不活性ガス存在下において熱処理を行う固
相重合法を用いることでさらに高重合度製品とすること
が可能である。
成形加工性の面から該共重合ポリエステル樹脂の固有
粘度は0.7以上であることが望ましい。ここで固有粘度
はオルソクロルフェノール中25℃で測定した値である。
尚、本発明に用いる共重合ポリエステル樹脂には本発
明の効果、特に透明性を阻害しない範囲で目的に応じ、
他の熱可塑性樹脂を補助的に少量併用したり、一般に熱
可塑性樹脂に添加される公知の物質、すなわち、紫外線
吸収剤等の安定剤、帯電防止剤、難燃剤、難燃助剤、染
料や顔料等の着色剤、潤滑剤、可塑剤及び結晶化促進
剤、結晶核剤、無機充填剤等を配合することも勿論可能
である。
斯かる製造法によって得られた共重合ポリエステル樹
脂は、好ましくは90〜150℃の温度で3時間以上、特に
好ましくは5時間以上乾燥したのち、T−ダイを備えた
押出機にて、好ましくは押出温度170〜270℃でシート状
に押出し、これを低温に設定されたキャスティングドラ
ム(チルロール)上に接触させ急冷することにより低結
晶化、透明、且つ無配向性のシートを得ることができ
る。
シートの好ましい厚みについて言及するならば、シー
トの厚みが厚い場合にはその表面部分のみが急冷により
透明化し、内部は徐冷状態となり白化しやすい傾向があ
り、又該シートを熱成形した場合、賦形性が悪く成形加
工性を著しく損なうことになる。シートの厚みが薄すぎ
る場合には、シート自体の機械的強度が発揮されず実用
上の優れた効果が薄れてしまう。従ってシートの好まし
い厚みの範囲を数値をもって特定すれば、0.05〜2.00mm
であり、より好ましくは0.10〜1.00mmである。また、急
冷によりシートを製造した後に所定の厚みになるように
低延伸比の一軸もしくは二軸延伸を行ってもよいが、成
形性を著しく低下させるため、好ましくは無延伸のもの
が良い。
本発明においてはシート押出後、下記式(1)となる
ように選ばれた温度で熟成が施される。これは温水等、
所定温度の熱媒中にシートを浸漬する方法や、所定温度
の乾燥機中で加熱する方法、温風を吹きつける方法や、
赤外線等の輻射熱による方法などにより行われる。
式(1)Ta≦Tcc (℃) (但しTa:熟成温度 Tcc:JIS K7121に基づく示差熱分析法により昇温速度10
℃/minで測定した樹脂の冷結晶化温度(℃)) 熟成温度がTcc(℃)よりも高温であると急激な結晶
化によりシートが白濁し、好ましくない。又、熟成温度
が低いと極めて長時間の熟成を要し、生産性等の点で好
ましくなく、熟成温度は30℃以上であることが好まし
い。
熟成のために必要な時間は、該共重合ポリエステル樹
脂中に導入されるハイドロキノン類のアルキレンオキシ
ド付加体の種類とその含有率、及び熟成温度とシートの
厚さにより異なる。導入コモノマーの含有率が高い程、
熟成温度が低い程、或いはシートの厚さが厚い程、長い
熟成時間を要する。
しかしながら、熟成時間を過度に長く取った場合、シ
ートの結晶化が著しく進行し、熱成形の際に賦形性不
良、肉厚のばらつき等を起こし好ましくない。このた
め、熟成後のシートが下記式(2)を満足するものとな
るように熟成を行う必要がある。
式(2)(ΔHcc)a≧5 (J/g) (但し、(ΔHcc)aはJIS K7121に基づく示差熱分析法
により昇温速度10℃/minで測定した熟成後のシートの冷
結晶化熱量(J/g)) 更に好ましくは(ΔHcc)a≧10(J/g)がよい。
例えばコモノマーとして、ハイドロキノンのプロピレ
ンオキシド2モル付加体を15モル%含有したPBTコポリ
エステルより得た0.4mm厚のシートについての好ましい
熟成時間は50℃において約5分、45℃において約45分、
35℃において約60時間、30℃において約1200時間であ
る。
又、熟成処理は前出式(1)及び(2)を満たす範囲
であれば、一定温度で保持しても、2段階以上の温度を
選んでも、或いは温度を連続的に変化させても良い。
該シートは前出式(1)となる様に選ばれた温度で、
且つ前出式(2)を満足するような時間範囲において一
旦熟成後、更に常法の熱成形によって所望する形状の容
器に成形される。本発明でいう熱成形とは、真空成形、
圧空成形等の公知の成形法を総称し、使用される成形機
としては、真空成形機、圧空成形機、又は真空と圧空を
併用した万能成形機等が挙げられる。
熱成形における該シートは、ガラス転移点(Tg)以上
の温度で予熱軟化せしめられ、続いて速やかに真空下又
は加圧下で金型に密着させられ賦形が行われる。シート
を軟らかくするための予熱温度が冷結晶化温度(Tcc
より高い場合、シートの結晶化が著しく生起するため、
賦形性の不良や肉厚のバラツキが生じる。従って、好ま
しくは予熱温度はTcc以下に選ぶのが良い。
成形時の金型の温度範囲は特に限定されないが、下記
式(3)で示される温度範囲が好ましい。ここで金型
は、シートを密着して賦形し、且つ結晶化させるために
用いられるキャビティー金型を表している。
式(3)Tcc+2≦Tb≦Tm−5 (℃) (但しTb:キャビティー金型温度(℃) Tcc:JIS K7121に基づく示差熱分析法により昇温速度10
℃/minで測定した樹脂の冷結晶化温度(℃) Tm:JIS K7121に基づく示差熱分析法により昇温速度10℃
/minで測定した樹脂の融点(℃)) キャビティー金型温度がTcc+2(℃)よりも低いと
高結晶化度の容器を得難く、又、加熱時間が長くなり過
ぎるため好ましくない。逆に高温にすると処理時間は短
縮できるが融点に近づき過ぎると賦形性が著しく低下
し、不均一な熱処理による部分的な溶融が生じる場合が
あり、Tm−5(℃)以下にとどめるのが望ましい。
特に好ましい温度範囲は Tcc+10≦Tb≦Tm−10(℃)である。
斯かる条件で成形を行うことによって、透明性を保っ
たまま結晶化が促進されるため、該容器は透明且つ高結
晶性を有し、更に高温加熱雰囲気下でも透明性を維持す
ることがきるのである。
熱成形後の透明高結晶性容器の好ましい相対結晶化度
(CR)を特定するならばCRが50%以上である。ここで相
対結晶化度とは後記するDSC測定法により求めた値であ
る。その相対結晶化度が50%未満であると、高温での耐
熱性が著しく減少するため、最終製品の相対結晶化度が
50%以上で、且つ120℃で加熱処理しても相対結晶化度
の変化の少ない、充分結晶化の施されたものが実用上好
ましく、本発明によれば斯かる容器の提供が可能となっ
た。
又、容器の透明性を規定する尺度としては光線透過率
があり、該容器の好ましい光線透過率を規定すると80%
以上であり、120℃で加熱処理しても光線透過率80%以
上を保持するものが実用上望ましく、本発明によれば斯
かる容器の提供が可能となった。
〔発明の効果〕 以上の如く、本発明方法により得られる容器は、以下
のような優れた効果を有する。
1)結晶化度50%以上の高結晶性であるため、容器の耐
熱性が高く、120℃程度の加熱雰囲気下においても耐熱
変形性を有し、且つ光線透過率80%以上を保持し、電子
レンジ調理用食品の調理容器(オーブナブルトレイ)、
ボイルインパック等として、特に内容物を外部から確認
できる調理容器として有利に利用できる。又、熱殺菌を
要するもの、高温の状態で内容物を流入させる容器に適
している。
2)機械的特性は損なわずに透明性を付与したことか
ら、内容物を外部から確認できる保護用容器として使用
できる。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
尚、主な特性値の測定条件は次の通りである。
(1)コモノマー導入率 トリフルオロ酢酸−d1を溶媒として1H−NMR測定から
求めた。
(2)固有粘度 オルソクロルフェノール中で25℃で測定した。
(3)融点、冷結晶化温度 JIS K7121に基づき示差熱分析法(DSC)により昇温温
度10℃/minで測定した。
(4)相対結晶化度 シートをDSC測定用試料に切出し、DSC装置を用いて行
った。相対結晶化度(CR)の算出は下式による。
CR=[(ΔHm−|ΔHcc|)/|(ΔHc)HOMO|]×100
(%) [但し、ΔHm;10℃/minで昇温測定による結晶融解熱(J
/g) ΔHcc;10℃/minで昇温測定による冷結晶化熱(J/g) (ΔHc)HOMO;改質していないPBTホモポリマーの溶融
状態から10℃/minで降温測定による結晶化熱(J/g)] 昇温測定時に冷結晶化が進行した後に結晶が融解する
ために、試料本来の相対結晶化度を求めるには、結晶融
解熱(ΔHm)から冷結晶化ピークの転移熱(ΔHcc)の
絶対値を差し引くことになる。
(5)冷結晶化熱量 シートをDSC測定用試料に切出し、DSC装置を用いて、
JIS K7121に基づき示差熱分析法(DSC)により昇温温度
10℃/minで測定した。
(6)光線透過率 急冷及び熟成後のシートの光線透過率はJIS K7105に
基づき積分球式HTRメーターにより測定を行った。又、
成形体の光線透過率は、容器側面部の一部を切り出し、
同様に測定した。光線透過率が大きいほうが透明性が高
く、また白化度も低い。
(7)成形収縮率 次式により成形収縮率(X1)を算出した。
X1=〔(VM−VC)/VM〕×100(%) (但し、VC;カップ状成形体の内容量 VM;キャビティー金型の内容量) (8)耐熱収縮率 次式により耐熱収縮率(X2)を算出した。
X2=〔(VC−VH)/VC〕×100(%) (但し、VC;カップ状成形体の内容量 VH;120℃の温度の送風乾燥機中に10分間投与した後のカ
ップ状成形体の内容量) (9)容器加熱後の光線透過率及び相対結晶化度 120℃の温度の送風乾燥機中に10分間投入した後のカ
ップ状成形体の一部を切り出し、JIS K7105に基づき光
線透過率を、また上記(4)の条件より相対結晶化度を
求めた。
製造例1(ポリエステルAの合成) テレフタル酸ジメチル281.0重量部、1,4−ブタンジオ
ール234.8重量部、ハイドロキノンのエチレンオキシド
2モル付加体57.4重量部を所定量のエステル交換触媒の
チタニウムテトラブトキシドと共にダブルヘリカル攪拌
機及び留出管を備えた反応器に仕込み、十分に窒素置換
した後、常圧下で160℃まで温度を上げ、攪拌を開始し
た。さらに、徐々に温度を上昇させ副生するメタノール
を留去した。温度が240℃に達したところで、徐々に反
応器中を減圧させ、0.1torrの圧力で3.0時間攪拌を続
け、固有粘度0.98の共重合ポリエステル樹脂を得た。
続いて、該ポリエステル樹脂をペレット化し窒素気流
下で固相重合を行い、固有粘度1.19の高重合度ポリエス
テルを得た。得られた該ポリエステルについて、上記し
たような特性の測定を行った。結果を表−1に示す。
製造例2,3(ポリエステルB及びC) 1,4−ブタンジオール及びハイドロキノンのエチレン
オキシド2モル付加体の添加量を表−1に示す値に変え
た以外は製造例1と同様に重合を行い、種々の組成比の
共重合ポリエステル樹脂を得た。得られた該ポリエステ
ルについて製造例1と同様に固相重合を行い、続いて特
性の測定を行った。結果を表−1に示す。
比較製造例1(ポリエステルD) テレフタル酸ジメチル及び1,4−ブタンジオールを表
−1に示したモノマー原料比で重合を行いポリブチレン
テレフタレート樹脂(PBT)を得た。得られた該ポリエ
ステルについて製造例1と同様に固相重合を行い、続い
て特性の測定を行った。結果を表−1に示す。
比較製造例2(ポリエステルE) 1,4−ブタンジオール及びハイドロキノンのエチレン
オキシド2モル付加体の添加量を表−1に示す値に変え
た以外は製造例1と同様に重合及び固相重合を行い共重
合ポリエステルを得た。特性測定の結果を表−1に示
す。
実施例1〜3、比較例1〜2 原料ポリエステルの違いによる真空成形品の特性の違
いを明らかにするため、T−ダイシートの成形条件、シ
ートの厚み、熱成形条件を一定にしてポリエステルA〜
Eの評価を行った。即ち、原料ポリエステルを90℃で5
時間、送風乾燥機中で乾燥後、800mm幅のT−ダイより
水冷方式の25℃の冷却ロール上に押し出した。得られた
シートは厚み0.5mmであり、シートの一部を切り出し、
光線透過率を求めた。次に該シートを表−2に示す種々
の温度と時間で恒温槽中で熟成し、続いて真空成形機を
用い、プラグ金型温度80℃、キャビティー金型温度100
℃、成形時間15秒で真空成形を行い、深さ45mm、直径90
mmのカップを成形した。各容器について、容器側面部の
一部を切り出し光線透過率を求め、又、上記方法により
成形体の評価を行った。結果を表−2に示す。
実施例4〜5、比較例3 熟成温度を変えた以外は、実施例1と同様にカップ状
真空成形体を作製し、評価を行った。結果を表−3に示
す。
実施例6〜7、比較例4 熟成時間を変えた以外は、実施例1と同様にカップ状
真空成形体を作製し、評価を行った。結果を表−4に示
す。
実施例8〜9 キャビティー金型温度を変えた以外は、実施例1と同
様にカップ状真空成形体を作製し、評価を行った。結果
を表−5に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B29K 67:00 105:32 B29L 22:00 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29C 51/00 - 51/46 B29C 71/00 - 71/04 B29B 13/00 - 13/10 B65D 1/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繰り返し単位の70〜95モル%がテレフタル
    酸と1,4−ブタンジオールとのエステル単位からなり、
    残りの繰り返し単位が主としてテレフタル酸とハイドロ
    キノン類のアルキレンオキシド付加体とのエステル単位
    からなる共重合ポリエステル樹脂を溶融成形し、急冷し
    て低結晶化度のシートを調製した後、下記式(1)とな
    る様に選ばれた温度で熟成して下記式(2)を満足する
    ようなシートを調製し、次いで該シートを熱成形するこ
    とを特徴とする透明ポリエステル容器の製造法。 式(1)Ta≦Tcc (℃) 式(2)(ΔHcc)a≧5 (J/g) (但しTa:熟成温度(℃) Tcc:JIS K7121に基づく示差熱分析法により昇温速度10
    ℃/minで測定した樹脂の冷結晶化温度(℃) (ΔHcc)a:JIS K7121に基づく示差熱分析法により昇温
    速度10℃/minで測定した熟成後のシートの冷結晶化熱量
    (J/g))
  2. 【請求項2】熱成形が下記式(3)の範囲内の温度のキ
    ャビティー金型を用いて行われる請求項1記載の透明ポ
    リエステル容器の製造法。 式(3)Tcc+2≦Tb≦Tm−5 (℃) (但しTb:キャビティー金型温度(℃) Tcc:JIS K7121に基づく示差熱分析法により昇温速度10
    ℃/minで測定した樹脂の冷結晶化温度(℃) Tm:JIS K7121に基づく示差熱分析法により昇温速度10℃
    /minで測定した樹脂の融点(℃))
  3. 【請求項3】共重合ポリエステル樹脂の固有粘度が0.7
    以上である請求項1又は2記載の透明ポリエステル容器
    の製造法。
  4. 【請求項4】シートがT−ダイ法で成形されたものであ
    る請求項1〜3の何れか1項記載の透明ポリエステル容
    器の製造法。
  5. 【請求項5】シートの厚みが0.05〜2.00mmである請求項
    1〜4の何れか1項記載の透明ポリエステル容器の製造
    法。
  6. 【請求項6】請求項1〜5の何れか1項記載の製造法に
    より得られる、相対結晶化度50%以上で、120℃の加熱
    雰囲気下において耐熱変形性を有し、且つ光線透過率80
    %以上を保持する透明ポリエステル容器。
JP11089290A 1990-04-25 1990-04-25 透明ポリエステル容器及びその製造法 Expired - Fee Related JP2892437B2 (ja)

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