JP3066054B2 - 透明ポリエステル容器の製造法 - Google Patents

透明ポリエステル容器の製造法

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JP3066054B2 JP28380090A JP28380090A JP3066054B2 JP 3066054 B2 JP3066054 B2 JP 3066054B2 JP 28380090 A JP28380090 A JP 28380090A JP 28380090 A JP28380090 A JP 28380090A JP 3066054 B2 JP3066054 B2 JP 3066054B2
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    • B65D1/00Containers having bodies formed in one piece, e.g. by casting metallic material, by moulding plastics, by blowing vitreous material, by throwing ceramic material, by moulding pulped fibrous material, by deep-drawing operations performed on sheet material
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はポリエステル容器及びその製造法に関し、更
に詳しくは高結晶性で尚且つ高温加熱雰囲気下における
透明性と耐熱変形性、更に耐加水分解性に優れたポリエ
ステル容器及びその製造法に関するものである。
〔従来の技術とその課題〕
ポリブチレンテレフタレート(PBT)は機械的性質に
優れ、又、耐薬品性や耐ガス透過性、耐熱性にも優れて
いるので、近年、薬品、食品と接触しうるパッケージン
グの分野にも重用されている。
しかしながら、PBTはその高い結晶性のため、一般に
透明の急冷シートを調製するのが困難であり、熱成形に
おける賦形性が著しく劣るため熱成形により透明性に優
れた容器を得ることはできない。
一方、PBTもポリマー自体に他の構成単位を導入し、
共重合体としてその結晶性を緩和することにより透明性
を高めることは可能であるが、該手法により得られた透
明容器は加熱により結晶化が進んで不透明になり易く、
又、全く非晶性のものはPBT本来の特性が失われ、特に
強度と耐熱性が著しく劣るものとなる。更にPBTは耐ア
ルカリ性、耐熱水性等が十分とはいえず、これらの耐加
水分解性の向上もまた、透明性、耐熱性とともに要求さ
れている。
このようにPBT又はその共重合体を熱成形して得られ
る容器は、一般に結晶性に基づく優れた物性、特に耐熱
性と安定した透明性及び耐加水分解性とを兼備すること
が至難であり、これらの両立が切望されていた。
〔課題を解決するための手段〕
以上の課題を解決すべく本発明者らは鋭意検討を重ね
た結果、原料ポリエステルとして、特定のコモノマーユ
ニットを一定量導入したポリブチレンテレフタレート共
重合体を使用し、且つこれより得たシートを特定条件で
処理し、成形加工することにより、透明性と高結晶性を
兼備し、加熱雰囲気下でもその透明性と耐熱性を保持
し、尚且つ耐加水分解性にも優れた容器を提供し得るこ
とを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
即ち本発明は、繰り返し単位の5〜30モル%が下記一
般式(I)で示されるエステル単位からなり、残りの繰
り返し単位が主として下記一般式(II)で示されるエス
テル単位からなる共重合ポリエステル樹脂を溶融成形
し、急冷して低結晶化度のシートを調製した後、下記式
(1)となる様に選ばれた温度で熟成して下記式(2)
を満足するようなシートを調製し、次いで該シートを熱
成形することを特徴とする透明ポリエステル容器の製造
法、及び該製造法により得られる相対結晶化度50%以上
で、120℃の加熱雰囲気下において耐熱変形性を有し、
且つ光線透過率80%以上を保持する透明ポリエステル容
器に関するものである。
(但し、Rはメチル基、エチル基又は水素で各々同一で
も異なっていてもよい。mは0又は1、nは1又は2で
ある。) 式(1) Ta≦Tcc (℃) 式(2) (ΔHcc)≧5 (J/g) (但しTa :熟成温度(℃) (ΔHcc)a:JIS K7121に基づく示差熱分析法により昇温
速度10℃/minで測定した熟成後のシートの冷結晶化熱量
(J/g)) 本発明に用いる共重合ポリエステルは、繰り返し単位
の5〜30モル%が上記一般式(I)で示される構成単位
からなり、斯かる繰り返し単位は下記一般式(III)で
示されるジオールとテレフタル酸又はそのエステル形成
性誘導体より形成されるエステル単位である。
(但し、Rはメチル基、エチル基又は水素で各々同一で
も異なっていてもよい。mは0又は1、nは1又は2で
ある。) テレフタル酸の誘導体としては例えばジメチルエステ
ル等のジアルキルエステル又はジアシル化物が挙げられ
るが、特に好ましいものはジメチルエステルである。
又、一般式(III)で示されるジオールの例として
は、ジメチロールトリシクロ〔5,2,1,02,6〕デカン、ジ
メチロールペンタシクロ〔6,5,1,13,6,02,7,09,13〕ペ
ンタデカン、トリシクロ〔5,2,1,03,6〕デカンジオー
ル、ペンタシクロ〔6,5,1,13,6,02,7,09,13〕ペンタデ
カンジオール等が挙げられ、これらのジオールは(II
I)で示されるものであれば二種以上を併用してもよ
い。
共重合ポリエステル樹脂を構成するもう一方の繰り返
し単位である一般式(II)で示されるエステル単位は、
1,4−ブタンジオール及びテレフタル酸又は前述のテレ
フタル酸のエステル形成性誘導体よりなるエステル単位
である。
本発明を構成する共重合ポリエステルは、一般式
(I)で示される繰り返し単位を全構成単位に対し5〜
30モル%含有していることが必須であり、残りの繰り返
し単位は主として一般式(II)で示される単位により構
成される。
一般式(I)で示される繰り返し単位のモル分率が5
モル%よりも小さいと共重合ポリエステルの結晶化速度
が高すぎるために低結晶化度のシートを調製するのが困
難になり、且つガラス転移温度と冷結晶化温度との温度
幅が小さい為に熱成形における加工性が著しく低下す
る。又、耐加水分解性の改善効果も著しく低下する。上
記モル分率が30モル%よりも大きいと熱成形により得ら
れた容器の相対結晶化度が低下するため容器の機械的強
度や耐熱変形性の低下が顕著となり、更に後述する熟成
の効果を著しく低下させるため好ましくない。
特に好ましいモル分率は10〜25モル%である。
又、該共重合ポリエステルを製造するのに際しては、
上記の必須出発原料以外に少量の他の成分を用途に応じ
て用いることもできる。ここで用いられる他の成分の例
としては、イソフタル酸、オルソフタル酸、ジフェン
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカル
ボン酸、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボ
ン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族
ジカルボン酸及びこれらのジアルキルエステル又はジア
シル化物、ハイドロキノン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホン、4,4′−ジフェノール、4,4′−〔1,4−
フェニレンビス(1−メチルエチリデン)〕ビスフェノ
ール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、2,6
−ジヒドロキシナフタレンなどの芳香族二価フェノール
及びこれらのエチレンオキシド2〜4モル付加体、プロ
ピレンオキシド2モル付加体、エチレングリコール、1,
3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デ
カンジオールなどの脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキ
サンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなど
の脂環族ジオール、トリメシン酸トリメチル、トリメリ
ット酸トリメチル、トリメチロールプロパン、ペンタエ
リスリトールの如き三官能以上の多官能化合物、ステア
リルアルコール、o−ベンゾイル安息香酸メチルの如き
単官能化合物、ポリブチレングリコールの如きポリアル
キレングリコール等が挙げられ、これらの一種又は二種
以上を使用することが可能である。
これらの共重合ポリエステルは従来公知の縮合反応
や、エステル交換反応を利用して界面重縮合や溶融重
合、溶液重合等により製造することができる。又、該共
重合ポリエステルの製造に際しては、必要なモノマーを
一度に仕込み、溶融重合等により反応せしめてもかまわ
ないが、例えば予めブチレンテレフタレートオリゴマー
やポリブチレンテレフタレートを製造した後に残りの必
須モノマーをこれらの存在下に重縮合させることにより
得ることも可能であり、モノマー、オリゴマー及びポリ
マーの添加方法は限定されない。また得られた樹脂を好
ましくは融点から10℃乃至50℃低い温度で、減圧又は不
活性ガス存在下において熱処理を行う固相重合法を用い
ることでさらに高重合度製品とすることも可能である。
成形加工性の面から共重合ポリエステル樹脂の固有粘
度は0.7以上であることが望ましい。ここで固有粘度と
はオルソクロルフェノール中25℃で測定した値である。
又、本発明に用いる共重合ポリエステル樹脂には本発
明の効果を阻害しない範囲で目的に応じ、他の熱可塑性
樹脂を補助的に少量併用したり、一般に熱可塑性樹脂に
添加される公知の物質、すなわち、紫外線吸収剤等の安
定剤、帯電防止剤、難燃剤、難燃助剤、染料や顔料等の
着色剤、潤滑剤、可塑剤及び結晶化促進剤、結晶核剤、
無機充填剤等を配合することも勿論可能である。
斯かる製造方法によって得られた共重合ポリエステル
樹脂は、好ましくは90〜150℃の温度で3時間以上、特
に好ましくは5時間以上乾燥したのち、T−ダイを備え
た押出機にて、好ましくは押出温度170〜270℃でシート
状に押出し、これをキャスティングドラム(チルロー
ル)上に接触させ急冷することにより低結晶化、透明、
且つ無配向性のシートを得ることができる。
シートの好ましい厚みについて言及するならば、シー
トの厚みが厚い場合にはその表面部分のみが急冷により
透明化し、内部は徐冷状態となり白化しやすい傾向があ
り、又該シートを熱成形した場合、賦形性が悪く成形加
工性を著しく損なうことになる。シートの厚みが薄すぎ
る場合には、シート自体の機械的強度が発揮されず実用
上の優れた効果が薄れてしまう。従ってシートの好まし
い厚みの範囲を数値をもって特定すれば、0.05〜2.00mm
であり、より好ましくは0.10〜1.00mmである。また、急
冷によりシートを製造した後に所定の厚みになるように
低延伸比の一軸もしくは二軸延伸を行ってもよいが、好
ましくは無延伸のものが良い。
本発明においてはシート押出後、下記式(1)となる
ように選ばれた温度で熟成が施される。これは温水等、
所定温度の熱媒中にシートを浸漬する方法や、所定温度
の乾燥機中で加熱する方法、温風を吹きつける方法や、
赤外線等の輻射熱による方法などにより行われる。
式(1) Ta≦Tcc (℃) (但しTa :熟成温度 Tcc:JIS K7121に基づく示差熱分析法により昇温
速度10℃/minで測定した樹脂の冷結晶化温度(℃)) 熟成温度がTcc(℃)よりも高温であると急激な結晶
化によりシートが白濁し、好ましくない。又、熟成温度
が低いと極めて長時間の熟成要し、生産性等の点で好ま
しくなく、熟成温度は30℃以上であることが好ましい。
熟成のために必要な時間は、該共重合ポリエステル樹
脂中に導入される上記構成単位(I)の種類とその含有
率、及び熟成温度とシートの厚さにより異なる。導入コ
モノマーの含有率が高い程、熟成温度が低い程、或いは
シートの厚さが厚い程、長い熟成時間を要する。
しかしながら、熟成時間を過度に長く取った場合、シ
ートの結晶化が著しく進行し、熱成形の際にシートのネ
ッキング現象等が生じ、賦形性不良、肉厚のばらつき等
を起こし好ましくない。このため、熟成後のシートが下
記式(2)を満足するものとなるように熟成を行う必要
がある。
式(2) (ΔHcc)≧5 (J/g) (但し、(ΔHcc)はJIS K7121に基づく示差熱分析法
により昇温速度10℃/minで測定した熟成後のシートの冷
結晶化熱量(J/g)) 更に好ましくは(ΔHcc)≧10(J/g)がよい。
例えばコモノマーとして、ジメチロールトリシクロ
〔5,2,1,02,6〕デカンを17.5モル%含有したPBTコポリ
エステルより得た0.4mm厚のシートについての好ましい
熟成時間は60℃において約10分、50℃において約45分、
40℃において約30時間、35℃において約900時間であ
る。
又、熟成処理は前出式(1)及び(2)を満たす範囲
であれば、一定温度で保持しても、2段階以上の温度を
選んでも、或いは温度を連続的に変化させても良い。
該シートは前出式(1)となる様に選ばれた温度で、
且つ前出式(2)を満足するような時間範囲において一
旦熟成後、更に常法の熱成形によって所望する形状の容
器に成形される。本発明でいう熱成形とは、真空成形、
圧空成形等の公知の成形法を総称し、使用される成形機
としては、真空成形機、圧空成形機、又は真空と圧空を
併用した万能成形機等が挙げられる。
熱成形における該シートは、ガラス転移点(Tg)以上
の温度で予熱軟化せしめられ、続いて速やかに真空下又
は加圧下で金型に密着させられ賦形が行われる。シート
を軟化させるための予熱温度が冷結晶化温度(Tcc)よ
り高い場合、シートの結晶化が著しく生起するため、賦
形性の不良や肉厚のバラツキが生じる。従って、好まし
くは予熱温度はTcc以下に選ぶのが良い。
成形時の金型の温度範囲は下記式(3)で示される。
ここで金型は、シートを密着して賦形し、且つ結晶化さ
せるために用いられるキャビティー金型を表している。
式(3) Tcc+2≦Tb≦Tm−5 (℃) (但しTb :キャビティー金型温度(℃) Tcc:JIS K7121に基づく示差熱分析法により昇温
速度10℃/minで測定した樹脂の冷結晶化温度(℃) Tm :JIS K7121に基づく示差熱分析法により昇温
速度10℃/minで測定した樹脂の融点(℃)) キャビティー金型温度がTcc+2(℃)よりも低いと
高結晶化度の容器を得難く、又、加熱時間が長くなり過
ぎるため好ましくない。逆に高温にすると処理時間は短
縮できるが融点に近づき過ぎると賦形性が著しく低下
し、不均一な熱処理による部分的な溶融が生じる場合が
あり、Tm−5(℃)以下にとどめるのが望ましい。
特に好ましい温度範囲は Tcc+10≦Tb≦Tm−10(℃)である。
斯かる条件で成形を行うことによって、透明性を保っ
たまま結晶化が促進し該容器は高結晶性を有し、高温加
熱雰囲気下でも透明性を維持することができるのであ
る。
熱成形後の透明高結晶性容器の好ましい相対結晶化度
(CR)を特定するならばCRが50%以上である。ここで相
対結晶化度とは後記するDSC測定法により求めた値であ
る。その相対結晶化度が50%未満であると、高温での耐
熱性が著しく減少するため、最終製品の相対結晶化度が
50%以上のものが実用上好ましく、本発明によれば斯か
る容器の提供が可能となった。
又、容器の透明性を規定する尺度としては光線透過率
があり、該容器の好ましい光線透過率を規定すると80%
以上であり、120℃で加熱処理しても光線透過率80%以
上を保持するものが実用上望ましく、本発明によれば斯
かる容器の提供が可能となった。
〔発明の効果〕
以上の如く、本発明方法により得られる容器は、以下
のような優れた効果を有する。
1)結晶化度50%以上の高結晶性であるため、容器の耐
熱性が高く、120℃程度の加熱雰囲気下においても耐熱
変形性を有し、且つ光線透過率80%以上を保持し耐加水
分解性にも優れるため、電子レンジ調理用食品の調理容
器(オーブナブルトレイ)、耐熱カップ等として、特に
内容物を外部から確認できる調理容器として有利に利用
できる。又、熱殺菌を要するもの、高温の状態で内容物
を流入させる容器に適している。
2)機械的特性は損なわずに透明性を付与したことか
ら、内容物を外部から確認できる保護用容器として使用
できる。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
尚、主な特性値の測定条件は次の通りである。
(1) コモノマー導入率 トリフルオロ酢酸−d1を溶媒とした1H−NMR測定から
求めた。
(2) 固有粘度 オルソクロロフェノール中で25℃で測定した。
(3) 融点、冷結晶化温度 JIS K7121に基づき示差熱分析法(DSC)により昇温温
度10℃/minで測定した。
(4) 相対結晶化度 シートをDSC測定用試料に切出し、DSC装置を用いて行
った。相対結晶化度(CR)の算出は下式による。
CR=[(ΔHm−|ΔHcc|)/|(ΔHc)HOMO|] ×100(%) [但し、ΔHm;10℃/minで昇温測定による結晶融解熱(J
/g) ΔHcc;10℃/minで昇温測定による冷結晶化ピー
クの転移熱(J/g) (ΔHc)HOMO;改質していないPBTホモポリマーの溶融状
態から10℃/minで降温測定による結晶化熱(J/g)] 昇温測定時に冷結晶化が進行した後に結晶が融解する
ために、試料本来の相対結晶化度を求めるには、結晶融
解熱(ΔHm)から冷結晶化ピークの転移熱(ΔHcc)の
絶対値を差し引くことになる。
(5) 冷結晶化熱量 シートをDSC測定用試料に切出し、DSC装置を用いて、
JIS K7121に基づき示差熱分析法(DSC)により昇温温度
10℃/minで測定した。
(6) 光線透過率 急冷及び熟成後のシートの光線透過率はJIS K7105に
基づき積分球式HTRメーターにより測定した。又、成形
体の光線透過率は、容器側面の一部を切り出し、同様に
測定した。光線透過率が高いほうが透明性は高く、また
白化度も低い。
尚、透明性は下記の評価基準にて表した。
◎;極めて良好 光線透過率が90%を越える ○;良好 光線透過率が85%を越える △;やや良好 光線透過率が80〜85% ×;不良 光線透過率が80%未満 (7) 成形収縮率 次式により成形収縮率(X1)を算出した。
X1=〔(VM−VC)/VM〕×100(%) (但し、VC;カップ状成形体の内容量 VM;キャビティー金型の内容量) 尚、成形性は下記の評価基準にて表した。
◎;極めて良好 0 ≦X1<2.5 (%) ○;良好 2.5≦X1<5.0 (%) △;やや良好 5.0≦X1<7.5 (%) ×;不良 7.5≦X1 (%) (8) 耐熱収縮率 次式により耐熱収縮率(X2)を算出した。
X2=〔(VC−VH)/VC〕×100(%) (但し、VC;カップ状成形体の内容量 VH;120℃の温度の送風乾燥機中に10分間投入し
た後のカップ状成形体の内容量) 尚、耐熱収縮性は下記の評価基準にて表した。
◎;極めて良好 0 ≦X2<2.5 (%) ○;良好 2.5≦X2<5.0 (%) △;やや良好 5.0≦X2<7.5 (%) ×;不良 7.5≦X2 (%) (9) 容器加熱後の光線透過率及び相対結晶化度120
℃の温度の送風乾燥機中に10分間投入した後のカップ状
成形体の一部を切り出し、JIS K 7105に基づき光線透過
率を、また上記(4)の条件より相対結晶化度を求め
た。尚、透明性の評価基準は上記(6)に準じて表し
た。
(10) 耐加水分解性 製造したペレット状の共重合樹脂を0.001モル%の水
酸化ナトリウム溶液に浸漬し、これを70℃で3時間加熱
後、樹脂を取り出し精製、乾燥し、Tm+20(℃)におけ
るMI(メルトインデックス)を測定した。耐加水分解性
は未改質のPBTホモポリマーに対する相対尺度(X3)と
して下記式を用いて評価した。
X3=(N1/N0)/(M1/M0) (但し、M0;共重合体ポリエステルの重合後のMI M1;共重合体ポリエステルの処理後のMI N0;PBTホモポリマーの重合後のMI N1;PBTホモポリマーの処理後のMI) 製造例1(ポリエステルAの合成) テレフタル酸ジメチル294.5重量部、1,4−ブタンジオ
ール259.6重量部、ジメチロールトリシクロ〔5,2,1,0
2,6〕デカン29.8重量部を所定量のエステル交換触媒の
チタニウムテトラブトキシドと共に攪拌機及び留出管を
備えた反応器に仕込み、十分に窒素置換した後、常圧下
で160℃まで温度を上げ、攪拌を開始した。さらに、徐
々に温度を上昇させ副生するメタノールを留去した。温
度が240℃に達したところで、徐々に反応器中を減圧さ
せ、0.1torrの圧力で3.5時間攪拌を続け、固有粘度0.87
の淡黄白色の共重合ポリエステル樹脂を得た。
続いて、該ポリエステル樹脂をペレット化し窒素気流
下、190℃で固相重合を行い、固有粘度1.12の高重合度
ポリエステルを得た。得られた該ポリエステルについ
て、上記したような特性の測定を行った。結果を表−1
に示す。
製造例2,3(ポリエステルB及びC) 1,4−ブタンジオール及びジメチロールトリシクロ
〔5,2,1,02,6〕デカンの添加量を表−1に示す値に変え
た以外は製造例1と同様に重合を行い、種々の組成比の
共重合ポリエステル樹脂を得た。得られた該ポリエステ
ルについて製造例1と同様に固相重合を行い、続いて特
性の測定を行った。結果を表−1に示す。
比較製造例1(ポリエステルD) 1,4−ブタンジオール及びジメチロールトリシクロ
〔5,2,1,02,6〕デカンの添加量を表−1に示す値に変え
た以外は製造例1と同様に重合を行い淡黄白色透明の共
重合ポリエステルを得た。特性測定の結果を表−1に示
す。
比較製造例2(ポリエステルE) テレフタル酸ジメチル及び1,4−ブタンジオールを表
−1に示したモノマー原料比で重合を行いポリブチレン
テレフタレート樹脂(PBT)を得た。得られた該ポリエ
ステルについて製造例1と同様に固相重合を行い、続い
て特性の測定を行った。結果を表−1に示す。
実施例1〜3、比較例1 原料ポリエステルの違いによる真空成形品の特性の違
いを明らかにするため、T−ダイシートの成形条件、シ
ートの厚み、熱成形条件を一定にしてポリエステルA〜
Dの評価を行った。即ち、原料ポリエステルを90℃で5
時間、送風乾燥機中で乾燥後、800 mm幅のT−ダイより
水冷方式の25℃の冷却ロール上に押し出した。得られた
シートは厚み0.5mmであった。シートの一部を切り出
し、光線透過率を求めた。次に該シートを表−2に示す
種々の温度と時間で恒温槽中で熟成し、続いて真空成形
機を用い、プラグ金型温度80℃、キャビティー金型温度
100℃、成形時間15秒で真空成形を行い、深さ45mm、直
径90mmのカップを成形した。各容器について、容器側面
部の一部を切り出し光線透過率を求め、又、上記方法に
より成形体の評価を行った。結果を表−2に示す。
比較例2 ポリエステルEから実施例1と同様の方法によりシー
ト(厚み0.5mm)得たが、シートは著しく白化してお
り、また成形材として不適であった。
実施例4〜5、比較例3 熟成温度を変えた以外は、実施例3と同様にカップ状
真空成形体を作製し、評価を行った。結果を表−3に示
す。
実施例6〜7、比較例4 熟成時間を変えた以外は、実施例3と同様にカップ状
真空成形体を作製し、評価を行った。結果を表−4に示
す。
実施例8〜9 キャビティー金型温度及び成形時間を変えた以外は、
実施例3と同様にカップ状真空成形体を作製し、評価を
行った。結果を表−5に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土方 健二 静岡県三島市富士見台8―8 (56)参考文献 特開 平3−223339(JP,A) 特開 昭53−35796(JP,A) 特開 平1−127317(JP,A) 特開 昭55−94929(JP,A) 特開 昭58−134114(JP,A) 特開 平3−106941(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 5/00,5/18 C08G 63/16 - 63/199

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繰り返し単位の5〜30モル%が下記一般式
    (I)で示されるエステル単位からなり、残りの繰り返
    し単位が主として下記一般式(II)で示されるエステル
    単位からなる共重合ポリエステル樹脂を溶融成形し、急
    冷して低結晶化度のシートを調製した後、下記式(1)
    となる様に選ばれた温度で熟成して下記式(2)を満足
    するようなシートを調製し、次いで該シートを熱成形す
    ることを特徴とする透明ポリエステル容器の製造法。 (但し、Rはメチル基、エチル基又は水素で各々同一で
    も異なっていてもよい。mは0又は1、nは1又は2で
    ある。) 式(1) Ta≦Tcc (℃) 式(2) (ΔHcc)≧5 (J/g) (但しTa:熟成温度(℃) Tcc:JIS K7121に基づく示差熱分析法により昇温速度10
    ℃/minで測定した樹脂の冷結晶化温度(℃) (ΔHcc)a:JIS K7121に基づく示差熱分析法により昇温
    速度10℃/minで測定した熟成後のシートの冷結晶化熱量
    (J/g))
  2. 【請求項2】熱成形が下記式(3)の範囲内の温度のキ
    ャビティー金型を用いて行われる請求項1記載の透明ポ
    リエステル容器の製造法。 式(3) Tcc+2≦Tb≦Tm−5 (℃) (但しTb:キャビティー金型温度(℃) Tcc:JIS K7121に基づく示差熱分析法により昇温速度10
    ℃/minで測定した樹脂の冷結晶化温度(℃) Tm:JIS K7121に基づく示差熱分析法により昇温速度10℃
    /minで測定した樹脂の融点(℃))
  3. 【請求項3】シートがT−ダイ法で成形されたものであ
    る請求項1又は2記載の透明ポリエステル容器の製造
    法。
  4. 【請求項4】シートの厚みが0.05〜2.00mmである請求項
    1〜3の何れか1項記載の透明ポリエステル容器の製造
    法。
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