JP3009669B2 - 自動車用トランスミッションのねじりダンパ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、相互に遊隙角をもち得るように装着される
２つの同軸回転部をもち、この両回転部間に、コイルば
ねを機械的に介在させた、特に自動車用トランスミッシ
ョンのねじりダンパに関するものである。より詳しく云
えば、本発明は、ばねが前記同軸部の一方の或るゾーン
と接触する際に、遠心力によるばねの変形で生ずる問題
点を解消しうる優れたねじりダンパに関するものであ
る。

（従来の技術と解決すべき課題） フランス国特許第2571461号明細書は、一般に「双輪
ダンパ」とよぶ装置を開示している。

この装置は、円周方向に作用するコイルばねが、これ
ら両部分間に配され、このような角遊隙の際に機能す
る。

また、横材を形成するリングにより、外部で連動する
実質的に平行する２つのリング状フランジを備える入口
部と、入口部の両フランジ内で、その固有面で回転可能
なリング状ディスクを少なくとも一つ備える出口部とを
区別する。

各ばねは、前記入口部のフランジにあけた窓のほぼ径
方向縁部沿いに形成した丸めみぞ内に連接される２つの
剛塑性体のスタンド間に装着される。この両スタンド
は、それぞれ、両フランジに属する両窓が画成するスペ
ース内で向き合う。ばねは、このスタンドの間に取り付
けられる。

スタンドは、ばねに相対する面上に凹みを有し、その
中に、出口部のディスク上にほぼ円周状に切った爪が係
合するようになっている。

遠心力の作用で、ばねは、横桁を形成するリングの内
面と摩擦接触する。この現象は、長径上のばねの配置と
回転スタンドの存在により強まり、ばねの変形が、一層
大きくなる。そのため、横桁の内面は、ばねの接触ゾー
ンを形成する。

その際、ばねの圧痕と、あるいはばねの一部の一層の
摩耗とにより、接触ゾーンの劣化が生じる。従って、ば
ねは、次第にもろくなり、破損を招きかねない。

本発明は、こうした問題点を解消するのが目的であ
る。

（課題を解決するための手段） 本発明によれば、円周状に相対する２つのスタンド間
に、２つのばねと１つの中間挿入体を有する緩衝装置を
はさみ、各ばねは、スタンドの一方と、前記挿入体の面
に支承されるとともに、前記挿入体は、前記緩衝装置が
遠心力の作用で変形する際に、前記部分の接触ゾーンと
選択的に接触することを特徴とする上述形式のねじダン
パが提供される。

従って、従来型の各ばねは、挿入体の両側に位置する
２つのより短いばねに取って替わり、接触ゾーンと摩擦
接触するのは、この挿入体となる。

ばねの役をなすこの挿入体は、例えばポリアミドな
ど、プラスチック製の耐摩耗材で形成される。リングと
ばねとの接触も完全に回避される。

挿入体は、摩耗を減らす、例えば接触ゾーンに合致す
るような寸法にする。別の例として、挿入体は、摩擦接
触を回転接触に代えうるよう、少なくとも一つのローラ
を設けてもよい。

（実施例） 以下、添付の図面を参照して、本発明の好適実施例を
詳細に説明する。ただし、本発明は、この実施例に制約
されるものではない。

図は、前述のフランス国特許明細書に記載の形式の双
輪ダンパ（本発明により改良したばねに関するものは含
まれていない。）で、本発明の理解に必要な部分のみを
示す。

この装置は、コイルばね式の緩衝器（15）を入れる窓
（14）が内部に設けられた２つのフランジ（13a）（13
b）を有する入口部（12）と、ディスク（17）だけが図
に見える出口部（16）とを備えている。

平行する２つのフランジ（13a）（13b）は、外側がリ
ング（18）で結合され、横材を形成する。

各緩衝器について２つの類似する窓（14）は、相互に
それぞれ、２つのフランジ（13a）（13b）内に設けられ
る。各窓は、そのほぼ径方向縁部に設けた円めみぞ（2
0）を有している。このようなみぞは、両フランジ（13
a）（13b）上で相互に対応して、フランス国特許第2,57
1,461号明細書の記述に準じる比較的剛性のプラスチッ
ク製スタンド（22a）または（22b）の連接を可能にす
る。

各スタンドは、外側に回転可能なように、みぞ（20）
と協働する２つのジャーナル（24）（24）と、両ジャー
ナル間に開いて、つめ（26）（ほぼ円周状に延び、ディ
スク（17）に形成される）と協働する凹み（25）を備え
ている。各スタンドは、緩衝器（15）のばね（30a）ま
たは（30b）の一端を支承する肩部（29）も有してい
る。

本発明による緩衝器は、２つのばね（30a）（30b）の
ほかに、中間挿入体（32）を有し、各ばねは、スタンド
（22a）（22b）の一方と、挿入体（32）の一つの面との
間で支承される。

挿入体は、リング（18）の内面（18a）に対し外側に
延びる接触突起（34）を備えている。この内面（18a）
は、挿入体にとり接触ゾーンとなる。初期遊び（36）
（静止時にある）は、上記の接触突起部（34）と内面
（18a）間に配される。

挿入体の各面は、２つのばねの巻きサイズに対応する
サイズを環状肩部（38a）（38b）を備えている。対応す
る各ばねの端部は、この肩部に支承される。

挿入体、すなわち介在体（32）の形態は、摩耗軽減の
ために整えることができ、突起部（34）の外面は、例え
ば内面（18a）の形態に合致させてもよい。また変形例
として、突起部（34）に回転ころを設けて、摩擦接触を
回転接触に代えるようにしてもよい。

本発明の別の有利な特性として、エラストマ、または
他の類似の材料から成るスラスト軸受（40a）（40b）
は、対応するばねの巻きで画成される内部スペースに、
前記挿入体の各面から突出している。同軸部（12）（1
6）間の遊隙角が大きい場合に、ばねの圧縮を制限する
役割をもつスラスト軸受は、従来、スタンド（22）の端
部に付着していた。挿入体（32）が貫通孔（42）を有し
ているため、スラストマ製の両スラスト軸受は、事実上
挿入体から再複製されて、前記孔を埋める単一の部材を
形成する。再複製の操作は、スラスト軸受のスタンド付
着より望ましく、かつ容易である。

本発明が上述の実施例に限定されないことはいうまで
もない。

特に、1987年７月15日出願のフランス国特許出願第87
09919号明細書に記載するように、フランジは、ばねの
外側でばねを包み込むように結合可能であり、両フラン
ジが、全体として、１枚の慣性板にまとめられるため、
挿入体は、孔（42）、または上記明細書の（142a）（14
2b）のようなフランジの一方の外側突起部と少なくとも
接触できる。挿入体の接触ゾーンを有するのは、全体的
に軸方向の突起部である。

また挿入体は、1987年７月15日出願のフランス国特許
願第8709921号明細書に記載されているように、慣性板
に固定され、トルクリミタの案内ワッシャを形成する２
つのフランジ間にある環状フランジの窓の外縁部と接触
しうる。この場合、挿入体の接触ゾーンは、窓の外縁部
により、つまり、ばねが連接されたフランジを有する部
分とは別の回転部により形成される。

【図面の簡単な説明】

図は、本発明による緩衝器を備えた双輪ダンパの部分図
である。 （12）入口部、（13a）（13b）フランジ （14）窓、（15）緩衝器 （16）出口部、（17）ディスク （18）リング、（20）みぞ （22a）（22b）スタンド、（24）ジャーナル （25）凹み、（26）爪 （29）肩部、（32）挿入体 （34）接触突起、（38a）（38b）環状肩部 （40a）（40b）スラスト軸受、（42）孔

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジャッキ ノーダン フランス国 95120 エルモン プラス デ アルト ６ (56)参考文献 実開 昭60−3328（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】円周方向に作用するコイルばねを介在さ
   せ、相互に遊隙角をもち得るように装着された２つの同
   軸回転部（12）（16）を備え、前記ばねは、前記回転部
   の一方に連接するスタンド（22a）（22b）間で、その内
   部に配置され、かつ回転部のディスク（17）が少なくと
   も前記スタンドと協働するのに適し、前記回転部の一方
   が、接触ゾーンを含み、このゾーン方向にばねが遠心力
   で変形するようになっている自動車用トランスミッショ
   ンのねじりダンパであつて、 円周方向に向き合う両スタンド（22a）（22b）間に、２
   つのばね（30a）（30b）と中間挿入体（32）を有する緩
   衝器（15）を介在させ、前記各ばね（30a）（30b）が、
   一方のスタンドと前記挿入体（32）面との間で支承さ
   れ、前記挿入体（32）は、緩衝器（15）が遠心力の作用
   で変形する際に、前記回転部の接触ゾーン（18a）と優
   先的に接触するように形成され、挿入体（32）が、ゾー
   ン（18a）に対し外方に延びる接触突起（34）を有し、
   この接触突起（34）と接触ゾーン（18a）との間に、初
   期遊び（36）が設けられ、またエラストマ若しくは類似
   の材料からなるスラスト軸受（40a）（40b）が、挿入体
   （32）の両面において、ばね（30a）（30b）の巻回部に
   より囲まれたスペース内に突出していることを特徴とす
   る自動車用トランスミッションのねじりダンパ。