JP3008797B2 - 自動車のフロア構造 - Google Patents

自動車のフロア構造

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JP3008797B2
JP3008797B2 JP6331154A JP33115494A JP3008797B2 JP 3008797 B2 JP3008797 B2 JP 3008797B2 JP 6331154 A JP6331154 A JP 6331154A JP 33115494 A JP33115494 A JP 33115494A JP 3008797 B2 JP3008797 B2 JP 3008797B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フロアパネル内に設け
たスペアタイヤ、工具、荷物等のカーゴ収納部の上部開
口をフロアボードで納蓋する自動車のフロア構造に係
り、特にフロアパネルを凹設して収納部を設け、該収納
部をフロアボードで納蓋可能に構成した自動車のフロア
構造に関する。
【0002】
【従来技術】従来より、スペアタイヤ、工具若しくは荷
物等を収納するフロア構造は、フロアパネルに載置され
たカーゴボックスにヒンジを介してフロアボードを取付
け、該フロアボードによって納蓋する構成をとるものが
ある。しかしながらかかる従来技術においては、ヒンジ
部品代、該ヒンジをフロアボードに取付るリベット、ナ
ット等の部品代、及びこれらを組み立てる手間等に費用
が掛かり、コストアップにつながる。
【0003】かかる欠点を解消するために、前記ヒンジ
部材を設けない機構として、図3に示す機構(先行例
1)が存在する。これは、収納部3の周囲の一部を覆う
ように設けられたテールメンバー9の溝10の底部に設
けた穴10a及び下端側自由端に、上方に突設する突起
11dを有した樹脂製の係止部材11を、該係止部材1
1の先端部に設けた係合部11a及び11cを介して係
止させて固設し、フロアボード8の端部に開設された孔
8aに前記突起11dを挿入して納蓋且つ開蓋するもの
である。かかる図3に示す機構では、開蓋時突起11d
が突設状態にあるために、該突起11dがヒンジ的作用
を有するために、フロアボード8の開閉の際に無理な力
が係止部材11の突起11dに掛かり、突起11dの折
損の恐れがある。この為突起を溝10内に配置している
が、突起11dを配置させる溝部10を形成するために
テールメンバー9の加工が複雑化する。
【0004】また、前記ヒンジ部材を設けない機構とし
て実開平2ー145574号公報(先行例2)が知られ
ている。この先行技術は、図4に示されるように、自動
車のトランクルームの底壁を構成するリアフロアパネル
1には、スペアタイヤ格納部3が形成され、また、該フ
ロアパネル1の格納部3の左、右上面縁3bには、車体
前後方向の所定間隔ごとにビート部6が膨出形成されて
いる。このビート部6の上面には位置決め用段部7が形
成され、該段部7上に収納部3を納蓋するフロアボード
8が開口を覆うように配設され、該フロアボード8の
左、右側縁8a,8aは上記各段部に当接し、これによ
り左右方向の移動が規制されている。また、フロアボー
ド8の後端縁8bはリヤフィニッシュパネル2に、前端
縁8cは、フロアパネル1上面に突設されたビード部5
に当接され、前後方向の移動が規制されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらかかる先
行例1によると、前記先行例1は、フロアパネル1の上
面縁3bより膨出している段部7上のフロアボード8の
端部に、人体もしくは荷物等が触れて、容易にフロアパ
ネル8がビード部6上に乗り上げて外れてしまうという
問題がある。また、このフロアボード8を左あるいは右
端縁8aを支点として、他端を上方に持ち上げて、開蓋
しようとする際に、図5に示すように、符号8’で示す
ように容易にビード部6の上面にすべり上がる恐れがあ
り、また、前述したように、段部7はフロアパネル1の
上面縁3bより膨出しているために、フロアボード8の
角隅部8eを押すと、ガタが生じたりすることになる。
また、段部7を含めてフロアパネル1は、合成樹脂又は
板金塗装面で形成されているために、フロアボード8の
開閉動作により、段部7の表面上をすべり、符号8’’
で示すように容易に収納部3内に落下する恐れがある。
従ってこのような形状では、フロアパネル1上を歩行す
る際に又開閉する際にフロアボード8の端部が開閉する
支点部分を外れてビート部8の上面に上がったり、収納
部3内に落下し、危険であり、好ましくない。
【0006】本発明はかかる従来技術の欠点に鑑み、ヒ
ンジ部を設けない簡単な構成において、フロアボードの
開閉が円滑に且つフロアボードの脱落等の恐れを解消し
得る自動車のフロア構造を提供することを目的としたも
のである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、フロアパネルを凹設して設けた収納部を
フロアボードで納蓋可能に構成し、前記収納部の少なく
とも対向する二辺の上面縁部に前記フロアボード設置用
段部を設けるとともに、前記段部の一側の段部形状を前
記収納部に隣接する側に設けたボード支持部と、該ボー
ド支持部に連結してボード縁側に設けた凹陥部とにより
形成し、他側上面縁部より前記フロアボードを開蓋する
際に、前記支持部を支点として前記ボードが回動しなが
ら前記ボードの一端が前記凹陥部に侵入可能に構成した
ものである。また、前記支持部上にゴム板、クッション
パット、その他の摩擦抵抗部材を設けるのが好ましい。
更に、前記支持部の高さを他側段部の高さとほぼ同一に
形成し、該段部に前記フロアボードを設置した際、フロ
アパネルと前記フロアボード上面が略面一になるように
形成すると好ましい。更に又、前記一側段部に支持さ
れ、該一側段部の長手方向中間から等分に延在した前記
フロアボード縁辺の長さが、他側段部に支持される該ボ
ード縁辺の長さに対して小に形成すると好ましい。
【0008】
【作用】本発明は、フロアボードのヒンジ機能を有する
段部形状を、前記収納部に隣接する側に設けたボード支
持部と、該ボード支持部に連結してボード縁側に設けた
凹陥部とにより形成している。このためフロアボードを
前記段部に載置すると、フロアボードの一端はボード支
持部に隣接した前記凹陥部上に位置する。そして、前記
フロアボードを開蓋する際に、前記段部の他側上面縁部
に位置するフロアボードの他端側を持って上方に開放さ
せると、前記ボードは前記支持部を支点として回動する
とともに、所定角度以上の開放により前記凹陥部上に位
置している前記ボードの一端が、前記凹陥部に侵入しな
がら開放する。
【0009】この際前記ボードの一端が前記凹陥部に侵
入することは図1Aの拡大図に示す凹陥部の垂直壁12
3cに前記ボードの一端が係合し、不慮に手を離しても
ある程度その位置を保持する事が可能となり、安全上好
ましい。この際、段部を含めてフロアパネルは、合成樹
脂又は板金塗装面で形成されているために、フロアボー
ドの他端が開放当初において、支持部の表面上をすべ
り、前記ボードの一端が段部外縁のフロアパネル上を滑
って段部より外れてしまう恐れがある。この外れを防止
するために、支持部に隣接してその外方に凹陥部を設
け、凹陥部に侵入可能に構成しているが、必ずしも十分
でない場合がある。そこで本発明の好ましい実施例で
は、前記支持部上にゴム板、クッションパット、その他
の摩擦抵抗部材を設けて構成した場合は、前記ボードの
他端側を開蓋当初における滑りを阻止し得、精度よく回
動支点を保持し得るとともに、前記放当初において、支
持部の表面上をすべり、前記ボードの一端が段部外縁の
フロアパネル上を滑って段部より外れてしまう恐れを有
効に阻止し得る。
【0010】また、前記支持部の高さを他側段部の高さ
とほぼ同一に形成し、該段部に前記フロアボードを設置
した際、フロアパネルと前記フロアボード上面が略面一
になるように形成することにより、フロアボードの境目
に荷物を載置しても荷物が傾動する事なく、歩行中つま
先にフロアボード端部が接触して誤って倒れることがな
い。また、前記一側段部の長さを、図2に示すように一
側段部のフロアボード縁辺の長さが、他側段部に支持さ
れる該ボード縁辺の長さに対して小に形成することによ
り、他側段部側のフロアボード端部を保持して上方に持
ち上げる際に、フロアボードの前記一側段部の実質的な
ヒンジ部長さが短くなり、結果としてヒンジ荷重が低減
することによるために、一側端部が他側端部と同じ長さ
の場合とくらべて、前記支点が一定するとともに、フロ
アボードを開放する力を小さく出来る。
【0011】
【実施例】以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳
細に説明する。但し、この実施例に記載される構成部品
の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な
記載が無い限り、この発明の範囲をそれのみに限定する
趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0012】図1は、リアシートの背面側のフロアパネ
ルの中央部を凹設して収納部を設け、該収納部をフロア
ボードで納蓋可能に構成した自動車のフロア構造を示す
本発明の実施例で、(a)は全体断面図、(b)は、図
2のA−A線切断断面拡大図、(C)は、図2のB−B
線拡大切断断面である。図2は、その概略平面図であ
る。
【0013】図1(a)において、リアシート16の背
面側と後部ドアの間に位置するフロアパネルは、その中
央部を凹設してスペアタイヤ17等を収納する為の収納
パネル(以下カーゴボックスという)が設けられてお
り、該カーゴボックス12の収納部上面開口はフロアボ
ード18により隠蔽されており、その上面にリアシート
16背面側より延在するフロアカーペット15が載置さ
れている。カーゴボックス12は深底トレー状に合成樹
脂若しくは板金にて成形され、図2に示すように、略リ
アシート側が台形状にして該台形部に方形部が延設され
ている略ホームベース形状に形成された開口部を下方に
凹設して、カーゴ収納部120を形成する。このように
構成されたカーゴボックス12は、支持ステー13、1
3’にビス130により固着されている。一方フロアボ
ード18は前記カーゴボックス12の上面開口部に対し
僅かに小の相似形状をなし、後部ドア側の一辺の中央部
をR状に凹設してボード18を開放させる為の差込み口
18aを形成する。尚、前記差込み口18aは後記する
収納部周縁に形成した段部121d幅より大なる半径を
もって形成し、手若しくは指の差込みの容易化を図る。
【0014】次にカーゴ収納部120の形状について詳
細に説明する。この収納部120の周縁には、段部12
1a〜121dが全周に亙って囲繞されており、この段
部121a〜121dに平面六角形状に成形されたフロ
アボード18を遊嵌するごとく載置する。この段部12
1a〜121dは、必ずしも収納部120全周に亙って
形成する必要はないが、リアシート16の背面側と後部
ドア側の対向する二辺121a、121dにのみ形成し
てもよい。又段部121a〜121d高さは、該段部1
21a〜121dに前記フロアボード18を設置した
際、カーゴボックス12開口部周囲の岸部19と前記フ
ロアボード18上面が略面一になるように形成するのが
よい。
【0015】そしてリアシート側に位置する段部121
a形状は、前記収納部120に隣接する側に設けた
「一」の字状のボード支持部122と、該支持部122
に連結してボード18縁側に設けた凹陥部123とによ
りなり、前記支持部122上にクッションパッド14が
貼着されている。このクッションパッド14は、フロア
ボード18の滑りを阻止し、ボード18の円滑な回動を
可能とするものであるから、前記クッションパッド14
以外にゴム板その他の摩擦抵抗部材を用いてもよい。
【0016】この際、クッションパッド14を貼着した
場合においても、前記支持部122の高さを他側段部1
21dの高さとほぼ同一に形成し、該段部121dに前
記フロアボード18を設置した際、カーゴボックス12
の周囲に位置するフロアパネル10と前記フロアボード
18上面が略面一になるように形成するのがよい。従っ
て支持部122は、クッションパッド14がフロアボー
ド18の押圧された際の押圧厚みを考慮して他の段部1
21b〜121dに比較して僅かに低く設定するのがよ
く、又その幅はクッションパッド14幅より僅かに大な
る平面状をなす。
【0017】凹陥部123は前記フロアボード18が所
定角度で侵入容易に、支持部122に連設する側を傾斜
壁123aに、そしてR状底部123bを介して岸部1
9に連設する側を垂直壁123cに形成している。
【0018】そして図1(b)に示されるように、フロ
アボード18はカーゴボックス12の収納部120を納
蓋状態で摩擦抵抗を有するクッションパッド14を介し
て支持部122上に載置され、開成時に、フロアボード
18を反時計方向に回動させる際にクッションパッド1
4が回転支点として機能する。また、前記凹陥部123
はフロアパネル横方向の補強リブ的作用を有す。
【0019】次に、このように構成された本実施例の動
作を説明する。図2において、フロアボード18の凹部
18aに指を入れてフロアボード18を上方に持上げる
と、図1(c)の想像線で示す位置にフロアボード18
は若干移動するもクッションパッド14によりその滑り
を阻止しながら 該クッションパッド14を回動支点と
して、フロアボード18のリアシート側端部18bが前
記凹陥部123内に侵入しながらフロアボード18は反
時計方向に回動する。このフロアボード18の回動にし
たがって、フロアボード18が前記クッションパッド1
4の支持面より離れると、図1(b)想像線で示すよう
に、フロアボード18の端部18bが凹陥部123の傾
斜壁に沿って滑落しながら、凹陥部底部123bに当接
し、フロアボード18がさらに回動することでフロアボ
ード18は開成される。
【0020】この際フロアボード端部18bが垂直壁に
接触し、ボード閉塞方向の回動を阻止し得る機能を有す
るために、不慮にボード18を離してもある程度のその
開放位置を保持する事が出来、安全である。又本実施例
は前記支持部122に隣接して凹陥部123を有するた
めに、フロアボード18開放の際にはボード端部18b
が必ず凹陥部123に侵入し、カーゴボックス12の岸
部19を越えたり、収納部120内に落下することがな
い。
【0021】また、前記回動支点となるべきリニアシー
ト側の段部121aに支持されているフロアボード18
の縁辺の長さを、対向する他側段部121dに支持され
る該ボード縁辺の長さに対して小に形成しているので、
他側段部121d側のフロアボードの差込み口18aよ
り上方に持ち上げる際に、ボード一側端部が他側端部と
同じ長さの場合とくらべて、前記支点(段部121a)
が一定するとともに、他側端部121dよりボード18
を持ち上げる力は小さくなる。
【0022】尚、上記実施例においては、カーゴボック
ス12は合成樹脂で成形されているが、これは、金属板
でもよく、フロアボード18を受けるカーゴボックス1
2の段部は、相対する側に設けられた前部側と後部側の
みでもい。また、クッションパッド14はフロアボード
18表面とに摩擦抵抗を生じさせるものであれば、ゴム
板、その他の摩擦抵抗部材が使用される。
【0023】
【効果】以上記載した如く本発明によれば、ヒンジ部を
設けない簡単な構成において、フロアボードの開閉が円
滑に且つフロアボードの脱落等の恐れを解消し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】フロアパネルを凹設して収納部をフロアボード
で納蓋可能に構成した自動車のフロア構造を示す本発明
の実施例で、(a)は全体断面図、(b)は、図2のA
−A線切断断面拡大図、(C)は、図2のB−B線拡大
切断断面である。
【図2】図1の概略平面図である。
【図3】第一の従来技術にかかるフロアボードとその係
止部材を示す要部断面図である。
【図4】第二の従来技術にかかるフロア構造を示す全体
斜視図である。
【図5】図4のフロアボードの開閉状態を示す作用図で
ある。
【符号の説明】
12 フロアパネル(カーゴボックス) 14 摩擦抵抗部材(クッションパッド) 18 フロアボード 120 収納部 121a〜121d フロアボード設置用段部 122 ボード支持部 123 凹陥部

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フロアパネルを凹設して収納部を設け、
    該収納部をフロアボードで納蓋可能に構成した自動車の
    フロア構造において、 上記収納部の少なくとも対向する二辺の上面縁部に前記
    フロアボード設置用段部を設けるとともに、 前記段部の一側の段部形状を、前記収納部に隣接する側
    に設けたボード支持部と、該支持部に連結してボード縁
    側に設けた凹陥部とにより形成し、 他側上面縁部より前記フロアボードを開蓋する際に、前
    記支持部を支点として前記ボードが回動しながら前記ボ
    ードの一端が前記凹陥部に侵入可能に構成したことを特
    徴とする自動車のフロア構造。
  2. 【請求項2】 前記支持部上にゴム板、クッションパッ
    ト、その他の摩擦抵抗部材を設けたことを特徴とする請
    求項1記載の自動車のフロア構造。
  3. 【請求項3】 前記支持部の高さを他側段部の高さとほ
    ぼ同一に形成し、該段部に前記フロアボードを設置した
    際、フロアパネルと前記フロアボード上面が略面一にな
    るように形成したことを特徴とする請求項1記載の自動
    車のフロア構造。
  4. 【請求項4】 前記一側段部に支持された前記フロアボ
    ード縁辺の長さが、他側段部に支持される該ボード縁辺
    の長さに対して小に形成されていることを特徴とする請
    求項1記載の自動車のフロア構造。
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