JP3007890B1 - マスキング組成物 - Google Patents

マスキング組成物

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Abstract

【要約】 【課題】 苦味や渋味等の不快な味が発生することがな
い安価なマスキング組成物を提供する。 【解決手段】 キトサン、キトサンオリゴ糖又はこれら
の複合組成物である被マスキング物質1に等倍量未満の
シェラック2を混練する。被マスキング物質1をシェラ
ック2で被覆する。被マスキング物質1をシェラック2
の皮膜で十分に被覆することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機能性を有する食
品などとして用いられるキトサン、キトサンオリゴ糖又
はこれらの複合組成物のマスキング組成物に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、生薬エキス類(生薬抽出物)など
の薬用効果を有する物質が医薬品や食品あるいは化粧品
などとして用いられている。これら薬用効果を有する物
質は、苦味や渋味を発生させたりするものが多く、経口
服用しにくいものである。これらの解決策としてコーテ
ィング法があり、シェラックは従来より医薬品、食品等
の錠剤や顆粒等の固形製剤のコーティング基剤として用
いられてきたが、これらはいずれも錠剤や顆粒等の製剤
品の表面処理として利用されている。また、通常行われ
ている錠剤や顆粒の表面処理で得られるシェラックコー
ティングによるマスキング製剤は、噛まずに水等で服用
する場合はマスキング効果があるが、特にシェラックが
苦味や渋味を発生させる物質に対して等倍量未満の場合
には、噛んだり長時間舐めたりするとシェラックコーテ
ィングが割れたり剥がれたりして苦味や渋味を発生させ
る物質が一度に多量に口中に広がってマスキング効果が
失われることになり、苦味、渋味などの不快な味が発生
する。
【0003】そこで本発明者らは、苦味や渋味を発生さ
せる物質を被マスキング物質とし、この被マスキング物
質に等倍量以上のシェラックを混合して練り込み、被マ
スキング物質をシェラックで被覆するマスキング組成物
を発明し、特願平10−191359号として出願し
た。このマスキング組成物は苦味や渋味等の不快な味が
発生することがないものである。
【0004】そして本発明者らはさらに検討を重ねた結
果、特定の被マスキング物質では苦味や渋味等の不快な
味が少ないので、シェラックが少なくても苦味や渋味等
の不快な味が発生することがないということを見出し
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の点に鑑
みてなされたものであり、シェラックの含有量が少なく
ても苦味や渋味等の不快な味が発生することがなく、し
かもシェラックの含有量が少なくて安価なマスキング組
成物を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
マスキング組成物Aは、キトサン、キトサンオリゴ糖又
はこれらの複合組成物である被マスキング物質1に等倍
量未満のシェラック2を混練し、被マスキング物質1を
シェラック2で被覆して成ることを特徴とするものであ
り、被マスキング物質1をシェラック2の皮膜で被覆す
ることができる。
【0007】また、本発明の請求項2に係るマスキング
組成物は、請求項1の構成に加えて、被マスキング物質
1に対して0.01倍量以上のシェラック2を混練して
成ることを特徴とするものであり、口中での被マスキン
グ物質1のマスキング効果を高くすることができる。
【0008】また、本発明の請求項3の係るマスキング
組成物は、請求項1又は2の構成に加えて、0.5mm
以下の直径を有することを特徴とするものであり、歯間
への侵入を防止することができると共に体内での被マス
キング物質の溶解性を高くすることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0010】被マスキング物質は、キトサン、キトサン
オリゴ糖又はこれらの複合組成物であって、粉末などの
固体のものを用いることができる。尚、キトサンとキト
サンオリゴ糖の複合組成物とは、キトサンとキトサンオ
リゴ糖の混合物であって、その混合割合は任意に設定す
ることができる。
【0011】シェラックは封蝋用製剤の基材として従来
から汎用されており、ラックカイガラムシの分泌物であ
るスチックラックから分離した動物性の天然樹脂であっ
て、疎水性を有する薄片状、粒状、粉末状物質である。
【0012】シェラックの含有量は被マスキング物質の
含有量100重量部に対して1重量部以上100重量部
未満に設定するのが好ましい。シェラックの含有量が被
マスキング物質の含有量100重量部に対して1重量部
未満であれば、シェラックで被マスキング物質を十分に
被覆することができず、被マスキング物質の苦味や渋味
等の不快な味が十分にマスキングされない恐れがある。
シェラックの含有量が被マスキング物質の含有量100
重量部に対して100重量部以上であれば、苦味や渋味
等の不快な味のマスキングの効果に特に大きな向上は見
られず、シェラックの含有量が無駄に多くなって経済的
に不利となる恐れがあり、しかも単位重量当たりのマス
キング組成物に含まれる被マスキング物質の量が少なく
なって、所望の量の被マスキング物質を得よう(服用し
よう)とした場合、多量のマスキング組成物を取得しな
ければならず、使用者(服用者)にかかる手間が増大す
る恐れがある。
【0013】そして、被マスキング物質とシェラックを
用いてマスキング組成物を製造するにあたっては、ま
ず、被マスキング物質とシェラックとエチルアルコール
などの溶剤とを混合し、被マスキング物質とシェラック
とを均一に分散混練する。この時、必要に応じて賦形剤
や着色剤を加えても良い。次に、被マスキング物質とシ
ェラックと溶剤の混合物を加熱したり減圧したりして凝
固及び乾燥させて乾燥物を得る。次に、乾燥物を破砕及
び粉砕して細粒化することによって粒状物を得る。この
後、粒状物をスクリーンなどの篩で篩過して0.1〜
0.5mmの粒子経の粒状物を得る。このようにして粒
状物のマスキング組成物Aを製造することができる。
【0014】上記のように本発明のマスキング組成物
は、被マスキング物質1にこれと等倍量未満のシェラッ
ク2を混練し、被マスキング物質1をシェラック2で被
覆したので、被マスキング物質1に対してシェラック2
を練り込むことによって、図1(a)(b)に示すよう
に、被マスキング物質1の全部又は一部をシェラック2
の疎水性の皮膜に内包させると共に被マスキング物質1
の表面をシェラック2の疎水性の皮膜で覆うことができ
る。従って、被マスキング物質1を服用するよりも、唾
液3に接触する被マスキング物質1の量を少なくして溶
解される被マスキング物質1の量を少なくすることがで
き、被マスキング物質1の苦味や渋味等の不快な味を抑
えることができる。
【0015】このように本発明においては、製剤品を表
面処理するのではなく、製剤前の粉体状の被マスキング
物質1そのものをシェラック2で練り込み、シェラック
2で粉体状の被マスキング物質1を固定化した後、錠剤
や顆粒等に製剤化するものである。そして本発明のマス
キング組成物では、被マスキング物質1そのものをシェ
ラック2で混練し被覆しているため、噛んだり、長時間
舐めたりしても一度に多量の被マスキング物質が口中に
広がることがなくてマスキング効果は失われず、苦味、
酸味、渋味などの不快な味が発生しないものである。
【0016】ここで各種の被マスキング物質1の苦味、
酸味、渋味強度を示す。苦味、酸味、渋味強度の測定方
法は下記の実施例の官能試験に準じて行った。
【0017】
【表1】
【0018】表1から明らかなように、キトサンやキト
サンオリゴ糖は他の被マスキング物質に比べて、苦味や
酸味や渋味が少ないので、被マスキング物質に対するシ
ェラックの混合量が少なくても、マスキング効果を充分
に得ることができる。
【0019】尚、図1(a)は被マスキング物質1とシ
ェラック2を1:0.9で混練したものの概略図を示
し、図1(b)は被マスキング物質1とシェラック2を
1:0.01で混練したものの概略図を示し、図2は被
マスキング物質1とシェラック2を1:0.001で混
練したものの概略図を示す。図2のものではシェラック
2の表面に露出する被マスキング物質1の量が多くて唾
液3に接触する被マスキング物質1の量が多く、従っ
て、溶解される被マスキング物質1の量が多くなって、
被マスキング物質1の苦味や渋味等の不快な味を抑える
ことが難しいものである。
【0020】また、シェラック2の皮膜はサイクロデキ
ストリンなどの皮膜に比べて安定性が高く、シェラック
2による被マスキング物質1のマスキング効果を高くす
ることができるものである。さらに0.1〜0.5mm
の直径の粒状物に形成することによって、歯間への侵入
を防止することができると共に、体内での溶解性が高く
なって被マスキング物質1の溶解性を高くすることがで
きるものである。しかも製造方法も容易であって、顆粒
状や錠剤への加工にも制限がなく、被マスキング物質1
による服用時の香味を制御することができるマスキング
組成物Aを簡単に製造することができる。
【0021】尚、本発明のマスキング組成物は、栄養補
助食品などの一般の食品や特定保健用食品として利用す
ることができる。
【0022】
【実施例】以下本発明を実施例によって具体的に説明す
る。
【0023】(実施例1)被マスキング物質である10
0重量部のキトサン(焼津水産化学工業(株)製の商品
名「キトサンLL」)と、3.13重量部のシェラック
溶液(日本シェラック工業(株)製の商品名「ラックグ
レース32E」シェラック32%、エチルアルコール6
8%含有)と、300重量部のエチルアルコールとを乳
鉢にて混練した後、50℃にて減圧乾燥して凝固させて
乾燥物を得た。次に、乾燥物を粉砕し、目の大きさが
0.5mmのスクリーンで篩過してマスキング組成物を
得た。
【0024】(実施例2)15.63重量部のシェラッ
ク溶液を用いた場合以外は、実施例1と同様にしてマス
キング組成物を得た。
【0025】(実施例3)31.3重量部のシェラック
溶液を用いた場合以外は、実施例1と同様にしてマスキ
ング組成物を得た。
【0026】(実施例4)156.3重量部のシェラッ
ク溶液を用いた場合以外は、実施例1と同様にしてマス
キング組成物を得た。
【0027】(実施例5)309重量部のシェラック溶
液を用いた場合以外は、実施例1と同様にしてマスキン
グ組成物を得た。
【0028】(実施例6)0.31重量部のシェラック
溶液を用いた以外は、実施例1と同様にしてマスキング
組成物を得た。
【0029】(実施例7)被マスキング物質である10
0重量部のキトサンオリゴ糖(焼津水産化学工業(株)
製の商品名「キトサンオリゴ糖」)と、3.13重量部
のシェラック溶液(日本シェラック工業(株)製の商品
名「ラックグレース32E」、シェラック32%、エチ
ルアルコール68%含有)とを乳鉢にて混練した後、実
施例1と同様にしてマスキング組成物を得た。
【0030】(実施例8)15.63重量部のシェラッ
ク溶液を用いた場合以外は、実施例7と同様にしてマス
キング組成物を得た。
【0031】(実施例9)31.3重量部のシェラック
溶液を用いた場合以外は、実施例7と同様にしてマスキ
ング組成物を得た。
【0032】(実施例10)156.3重量部のシェラ
ック溶液を用いた場合以外は、実施例7と同様にしてマ
スキング組成物を得た。
【0033】(実施例11)309重量部のシェラック
溶液を用いた場合以外は、実施例7と同様にしてマスキ
ング組成物を得た。
【0034】(実施例12)0.31重量部のシェラッ
ク溶液を用いた以外は、実施例7と同様にしてマスキン
グ組成物を得た。
【0035】(比較例1)10重量部のキトサンと、6
0重量部の精製水とをスターラーにて10分間混合した
後、9.9重量部のβ−サイクロデキストリンを徐々に
添加し、混合、撹拌を続けた。次にこれを凍結乾燥して
凝固させて乾燥物を得た。次に、乾燥物を粉砕し、目の
大きさが0.5mmのスクリーンで篩過して包接物のマ
スキング組成物を得た。
【0036】(比較例2)10重量部のキトサンと、
9.9重量部の酵素分解レシチンと、適量の精製水とを
混合し、乳鉢で撹拌して造粒した。この後、50℃で3
時間乾燥して乾燥物を得た。次に、乾燥物を粉砕し、目
の大きさが0.5mmのスクリーンで篩過してマスキン
グ組成物を得た。
【0037】(比較例3)キトサンの代わりに10重量
部のキトサンオリゴ糖を用いた以外は、比較例1と同様
にしてマスキング組成物を得た。
【0038】(比較例4)キトサンの代わりに10重量
部のキトサンオリゴ糖を用いた以外は、比較例2と同様
にしてマスキング組成物を得た。
【0039】(比較例5)被マスキング物質である10
0重量部のイチョウ葉エキス(常盤植物化学研究所製の
商品名「ギンコノン−24」、イチョウフラボノイド2
4%含有)と、623重量部のシェラック溶液(日本シ
ェラック製の商品名「ラックグレーズ32E」、シェラ
ック32%、エチルアルコール68%含有)とを、スタ
ーラーで10分間混練した後、50℃にて減圧乾燥して
凝固させて乾燥物を得た。次に、乾燥物を粉砕し、目の
大きさが0.5mmのスクリーンで篩過してマスキング
組成物を得た。
【0040】(比較例6)31重量部のシェラック溶液
を用いた以外は、比較例5と同様にしてマスキング組成
物を得た。
【0041】(比較例7)被マスキング物質である10
0重量部の高麗人参エキス(日本粉末薬品(株)製の商
品名「人参乾燥エキス−E」)と、623重量部のシェ
ラック溶液(日本シェラック製の商品名「ラックグレー
ズ32E」、シェラック32%、エチルアルコール68
%含有)とを用いた以外は、実施例1と同様にしてマス
キング組成物を得た。
【0042】(比較例8)31重量部のシェラック溶液
を用いた以外は、比較例7と同様にしてマスキング組成
物を得た。
【0043】(比較例9)被マスキング物質である10
0重量部の硫酸マグネシウム(乾燥、富田製薬(株)
製、食品添加物)と、623重量部のシェラック溶液
(日本シェラック製の商品名「ラックグレーズ32
E」、シェラック32%、エチルアルコール68%含
有)とを用いた以外は、実施例1と同様にしてマスキン
グ組成物を得た。
【0044】(比較例10)31重量部のシェラック溶
液を用いた以外は、比較例9と同様にしてマスキング組
成物を得た。
【0045】(比較例11)被マスキング物質である1
00重量部の塩酸チアミン(食品添加物)と、623重
量部のシェラック溶液(日本シェラック製の商品名「ラ
ックグレーズ32E」、シェラック32%、エチルアル
コール68%含有)とを用いた以外は、実施例1と同様
にしてマスキング組成物を得た。
【0046】(比較例12)31重量部のシェラック溶
液を用いた以外は、比較例11と同様にしてマスキング
組成物を得た。
【0047】(比較例13)被マスキング物質である1
00重量部のL−トリプトファン(食品添加物)と、6
23重量部のシェラック溶液(日本シェラック製の商品
名「ラックグレーズ32E」、シェラック32%、エチ
ルアルコール68%含有)とを用いた以外は、実施例1
と同様にしてマスキング組成物を得た。
【0048】(比較例14)31重量部のシェラック溶
液を用いた以外は、比較例13と同様にしてマスキング
組成物を得た。
【0049】実施例及び比較例について、官能試験を行
なった。官能試験は5名の専門パネラーA乃至Eに実施
例及び比較例(キトサン又はキトサンオリゴ糖200m
g相当)のサンプルを口に含ませた。そして以下に示す
苦味、酸味、渋味強度により、実施例及び比較例のマス
キング効果を評価した。 苦味、酸味、渋味強度1…苦味、酸味、渋味を感じない 苦味、酸味、渋味強度2…殆ど苦味、酸味、渋味を感じない 苦味、酸味、渋味強度3…わずかに苦味、酸味、渋味を感じる 苦味、酸味、渋味強度4…やや苦味、酸味、渋味を感じる 苦味、酸味、渋味強度5…苦味、酸味、渋味を感じる 苦味、酸味、渋味強度6…やや強い苦味、酸味、渋味を感じる 苦味、酸味、渋味強度7…強い苦味、酸味、渋味を感じる 苦味、酸味、渋味強度8…かなり強い苦味、酸味、渋味を感じる 苦味、酸味、渋味強度9…強烈に苦味、酸味、渋味を感じる 結果を表2に示す。
【0050】
【表2】
【0051】表2から明らかなように、シェラックをキ
トサンの0.01倍以上用いた実施例1乃至5の方が比
較例1、2よりも苦味、渋味強度が低くなった。しかも
シェラックをキトサンの0.05倍量以上含有する実施
例2乃至5では、β−サイクロデキストリンを用いた比
較例1や酵素分解レシチンを用いた比較例2よりも苦
味、渋味強度が大幅に低かった。
【0052】以上の結果を総合評価すると、シェラック
0.1%の被覆(実施例6)では苦味、渋味のマスキン
グ効果がやや小さく、1%以上の被覆(実施例1乃至
5)では、苦味、渋味のマスキング効果が充分に認めら
れ、5%以上の被覆(実施例2乃至5)で顕著であっ
た。100%以上でも苦味、渋味のマスキング効果はあ
るが、マスキング組成物のキトサンの含量が低くなる。
このため、キトサンに対して1〜99%、最も望ましく
は5〜50%のシェラックを被覆することにより、使用
感良好なマスキング組成物を得ることができることが判
明した。
【0053】また比較例5乃至14から判るように、イ
チョウ葉エキス、高麗人参エキス、硫酸マグネシウム、
塩化チアミン、L−トリプトファンを被マスキング物質
として用いた場合は、被マスキング物質自身の苦味強度
が大きいために、被マスキング物質の等倍量未満のシェ
ラックを混合して練り込んでもマスキングの効果は少な
く、被マスキング物質の等倍量以上のシェラックを混合
して練り込んだ場合にマスキングの効果が得られた。
【0054】また、シェラックをキトサンオリゴ糖の
0.01倍以上用いた実施例7乃至11の方が比較例
3、4よりも酸味、渋味強度が低くなった。しかもシェ
ラックをキトサンオリゴ糖の0.05倍量以上含有する
実施例8乃至11では、β−サイクロデキストリンを用
いた比較例3や酵素分解レシチンを用いた比較例4より
も酸味、渋味強度が大幅に低かった。
【0055】以上の結果を総合評価すると、シェラック
0.1%の被覆(実施例12)では酸味、渋味のマスキ
ング効果がやや小さく、1%以上の被覆(実施例7乃至
11)では、酸味、渋味のマスキング効果が充分に認め
られ、5%以上の被覆(実施例8乃至11)で顕著であ
った。100%以上でも酸味、渋味のマスキング効果は
あるが、マスキング組成物のキトサンオリゴ糖の含量が
低くなる。このため、キトサンオリゴ糖に対して1〜9
9%、最も望ましくは5〜50%のシェラックを被覆す
ることにより、使用感良好なマスキング組成物を得るこ
とができることが判明した。
【0056】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1に係る発
明は、キトサン、キトサンオリゴ糖又はこれらの複合組
成物である被マスキング物質に等倍量未満のシェラック
を混練し、被マスキング物質をシェラックで被覆するの
で、シェラックの含有量が少なくても苦味や酸味や渋味
等の不快な味が少ない被マスキング物質を充分にマスキ
ングすることができ、噛んだり長時間舐めたりしてもマ
スキング効果が失われることなくなって被マスキング物
質に起因する苦味や渋味等の不快な味が発生することが
なく、かつ被マスキング物質の含有量が高くて安価なも
のである。
【0057】また、本発明の請求項2に係る発明は、被
マスキング物質に対して0.01倍以上のシェラックを
混練するので、口中での被マスキング物質のマスキング
効果を高くすることができるものである。
【0058】また、本発明の請求項3に係る発明は、
0.5mm以下の直径を有するので、歯間への侵入を防
止することができると共に体内での被マスキング物質の
溶解性を高くすることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示し、(a)
(b)は概略図である。
【図2】同上の他の実施の形態を示す概略図である。
【符号の説明】
1 被マスキング物質 2 シェラック A マスキング組成物
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−263112(JP,A) 特表 平5−500674(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 31/715 A23L 1/015 A61K 47/36 A61K 47/44 A23L 1/30

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キトサン、キトサンオリゴ糖又はこれら
    の複合組成物である被マスキング物質に等倍量未満のシ
    ェラックを混練し、被マスキング物質をシェラックで被
    覆して成ることを特徴とするマスキング組成物。
  2. 【請求項2】 被マスキング物質に対して0.01倍量
    以上のシェラックを混練して成ることを特徴とする請求
    項1に記載のマスキング組成物。
  3. 【請求項3】 0.5mm以下の直径を有することを特
    徴とする請求項1又は2に記載のマスキング組成物。
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