JP2005008640A - 不快な味を有する成分の不快な味を抑制した組成物 - Google Patents

不快な味を有する成分の不快な味を抑制した組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2005008640A
JP2005008640A JP2004187065A JP2004187065A JP2005008640A JP 2005008640 A JP2005008640 A JP 2005008640A JP 2004187065 A JP2004187065 A JP 2004187065A JP 2004187065 A JP2004187065 A JP 2004187065A JP 2005008640 A JP2005008640 A JP 2005008640A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
unpleasant taste
component
taste
particles
particles containing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004187065A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Shiraki
広治 白木
Koichi Washimi
弘一 鷲見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chugai Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Chugai Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chugai Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Chugai Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP2004187065A priority Critical patent/JP2005008640A/ja
Publication of JP2005008640A publication Critical patent/JP2005008640A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • General Preparation And Processing Of Foods (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

【課題】 複雑な工程や格別の製造コストを要することなく、不快な味を有する薬効成分または食品成分の不快な味を汎用的に抑制する方法、および不快な味を有する薬効成分または食品成分の不快な味が抑制された経口固形組成物を提供すること。
【解決手段】 不快な味を有する成分を含有する粒子、と甘味物質を含有する粒子を含み、甘味物質を含有する粒子の溶解速度が不快な味を有する成分の粒子より明らかに大きいことを特徴とする経口固形組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、不快な味を有する薬効成分や食品成分の不快な味を抑制した医薬組成物及び食品組成物に関する。
薬効成分や一部の食品成分の中には苦味、エグ味、渋味、収斂味等の不快な味を有するものがある。
特に、薬効成分として知られている物質は、苦味、エグ味、渋味、収斂味等の不快な味を有することが多く、それゆえ服用しやすい製剤が求められてきた。特に、嚥下能力の低い高齢者や小児にとって、その必要性が大きく、また、服薬のコンプライアンスやQOL(Quality of life)の向上の観点からも、そのような製剤は重要となる。これまでに不快な味を有する薬効成分を含有し、口腔内で崩壊性や溶解性を有する錠剤、顆粒剤、散剤、細粒剤等の医薬製剤に関して、不快な味を抑制することを目的として、例えば次の観点から種々の方法が検討されている。
1)コーティング技術による苦味物質の封じ込め
2)添加物による苦味のマスキング技術
3)舌上に存在する味細胞の味覚受容体のブロックによる味覚受容の修飾
4)苦味薬物放出以前に舌表面に撥水環境を形成する技術
さらに、医薬品のみではなく、食品、化粧品等をも対象とした、より広い範囲の製品における不快な味を抑制するために、例えば次の観点から種々の方法が検討されている。
5)苦味物質を苦味低減化剤で被覆する方法
6)添加物による苦味のマスキング技術(フレーバー、苦味低減化剤など)
7)コーティングやゼリー化による苦味物質の封じ込め
このように苦味等を抑制するために、これまでに種々の技術が提案されている。
前記1)の例として、特許文献1には、苦味・刺激等の不快感を有する薬物を含有しながらも、当該不快感がマスキングされ、顆粒剤を服用し易くする目的で、有効成分を含有する内層と、水溶性高分子及び糖類が分散した外層とを有する顆粒剤が開示されている。しかしながら、当該顆粒剤を得るには、マスキングしたい薬効成分に賦形剤、結合剤、崩壊剤を加えて押出し造粒し、これを球形処理し、さらに糖衣パンや遠心流動型コーティング機を用いて水溶性高分子と糖類の均一な混合物を散布してコーティングするといった複雑な工程を必要とする。従って、製造方法の煩雑さと製造コストの点で課題が残る。
前記2)の例として、特許文献2には、不快な味の抑制された経口用医薬組成物が開示されており、具体的には、不快な味を有する医薬有効成分、2種以上の高甘味剤(甘味度150以上)および酸味を呈する物質を含有してなる経口用医薬組成物が記載されている。しかし、高甘味剤(甘味度150以上)は特異な甘味を有することが多く、高甘味剤(甘味度150以上)を2種以上使用すると、その組み合わせと配合量によって、かえって服用感が悪くなることがあるという問題点がある。
前記2)の例として、特許文献3には、苦味薬効成分と共にエリスリトールが必須成分として当該製剤中に40重量%以上95重量%以下の配合量で均一に混合され、この化合物が顆粒剤として形成されてなることを特徴とする苦味薬効成分を有効成分とする即効性固形医薬製剤が教示されている。しかしながら、エリスリトール自身のコストや嗜好性等によってエリスリトールが選択できない場合は適用することができず、製造コストや技術の汎用性の点で課題が残る。
前記3)の例として、特許文献4には、味覚改善剤として蛋白質−脂質複合体が開示されている。この発明は、口腔内の味覚器において行われる苦味受容機構および苦味薬物と脂質との相互作用に着目してなされたもので、同文献には苦味の低減はこの物質が有効である旨記載されている。しかしながら、この物質は蛋白質を含むため、熱や紫外線等に対して不安定であり、製剤の製造中あるいは保存中における苦味低減効果の低下が避けられない。
前記4)の例として、特許文献5には、薬物及び糖類を含有してなる口腔内速崩壊錠において、苦味を有する薬物と、平均粒子径が30μm以下である顔料、金属化合物などの水不溶性物質とを含有し、(1)該水不溶性物質を含有する層が苦味を有する薬物層よりも早い段階で溶出できる部位に配置されたことを特徴とする、または(2)(1)の特徴を有する部位を含有する、口腔内速崩壊錠が記載されている。この発明により苦味をマスキングするには、水不溶性物質を含有する層を苦味を有する薬物層よりも早い段階に溶出できる部位に配位させ、舌の上に一種撥水的な環境を形成せねばならない。このため、三層錠を製したり、水不溶性物質でコーティングした顆粒を製することが必要である。従って、製造工程が複雑になり、コスト面の問題がある。
前記5)の例として、特許文献6には、苦味物質がリン脂質膜に吸着しやすいという特性を利用し、酸性リン脂質もしくはそのリゾ体を含む脂質混合物を有効成分とする苦味低減化剤により苦味物質を被覆する方法が開示されている。苦味低減化剤は各種の動物臓器及び植物組織から抽出、分離するか、化学的に合成することができる。しかしながら、本苦味低減化法は苦味低減化剤が酸性リン脂質もしくはそのリゾ体に限定され、しかも当該物質を得るためには、必要な原料を混合し、長時間撹拌し、溶剤層を分離留去する必要があることから、製造方法の煩雑さと製造コストの点で問題がある。
前記6)の例として、特許文献7には、苦味物質が共通して分子内に疎水性領域及び疎水性基を持ち、生理的pH下において正電荷を有するため、味受容膜に対して強い親和性を有することに着目し、分子内に疎水基を有し、かつ負電荷を有する物質を苦味物質と結合させることにより、苦味物質の味受容膜への受容を妨げられると考え、そのような物質として脂肪酸とその金属塩を見出している。すなわち、脂肪酸及び/又はその金属塩を苦味低減化剤として混合あるいは分散させるものであるが、当該物質を得るためには、動植物原料から得られた油脂を酵素による加水分解やケン化を行い、苦味低減化効果を高めるためには天然由来物を単離、精製するか、化学的に合成する必要がある。
また、前記6)の例として、特許文献8には、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルをマスキング剤として含有させることにより、特に苦味、辛味、渋味、えぐ味、収れん味といった不快な味が改善することが開示されている。ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルのポリグリセリンとはグリセリンが重合したもの、縮合リシノレイン酸はリシノレイン酸が縮合したものであり、HLBが5以下のものが相対的に効果が高いとのことであるが、当該物質を得るためには重合反応、縮合反応、およびエステル化という化学的な合成が必要となる。
さらに、前記6)の例として、特許文献9には、3−メチルノナン−2,4−ジオンを呈味改善剤として極微量の特定濃度範囲で添加すると、酸味、苦味やビタミン臭などの不快な異味、異臭を抑制して呈味が改善されることを見出している。3−メチルノナン−2,4−ジオンは大豆油の酸化時に生じる悪臭の原因成分、乾燥したホウレン草やパセリの異臭の原因成分、緑茶の香気成分、マスやアンチョビー加工品の香気成分として報告され、グリーン臭を有する化合物として知られていたものであり、英国での市販品が入手可能とのことであるが、当該物質を得るためにはノナン−2,4−ジオンをナトリウムエチラートで処理し、次いでヨードメタンによりメチル化する等といった化学的な合成が必要となる。
上記特許文献7〜9に記載されている苦味低減化法はいずれも苦味低減化剤が限定され、しかも当該苦味低減化剤を得るためには製造方法の煩雑さと製造コストの点で問題がある。
前記7)の例として、特許文献10には、苦味物質にゲル化剤と味付剤を添加し味付ゼリー状として苦味を低減する方法が開示されている。しかしながら、課題として次の2点が残る。味付ゼリー状であるため食品の味や質を変化させてしまい、食品本来の嗜好性等を損ねてしまうこと。また、ゼリー状であるため、用途が制限され汎用性に問題がある。
特開平5−201855号公報 特開2000−290199号公報 特開2001−89396号公報 特開平6−284866号公報 特開2002−338500号公報 特開平8−9897号公報 特開平10−25253公報 特開2002−65177公報 特開2003−52331公報 特開平4−346937公報
本発明者は、従来とは全く異なる観点から、単に苦味に留どまらず、苦味、エグ味、渋み、収斂味等の種々の不快な味を有する薬効成分や食品成分についても適用できるような不快な味の抑制方法を鋭意研究した。その結果、意外なことに、不快な味を有する薬効成分または食品成分を含有する粒子と甘味物質を含有する粒子の溶解速度の差を利用することによって不快な味を抑制することができ、服用しやすい医薬組成物または食べ易い食品組成物が得られることを見いだした。本発明は、対象となる不快な味が限定されないばかりか、薬効成分または食品成分についても特段限定されることのない、きわめて汎用性の高いものである。そして、コーティングなどの工程を全く必要とせず、不快な味を抑制するための添加剤の使用も少ない、簡便かつ安価な製造方法を確立した。本発明は上記知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は不快な味を有する成分を含有する粒子と、甘味物質を含有する粒子を含み、甘味物質を含有する粒子の溶解速度が不快な味を有する成分を含有する粒子の溶解速度より明らかに大きいことを特徴とする経口固形組成物を提供する。
また、本発明は、次の条件をすべて満足する経口固形組成物を提供する。
(1)前記経口固形組成物は、1種類または2種類以上の不快な味を有する成分を含有する粒子を含む。
(2)前記不快な味を有する成分を含有する粒子のうち、約150μm以下の粒子が経口固形組成物全量に対し約7重量%以下である。
(3)前記経口固形組成物は、1種類または2種類以上の粒子状の添加剤を含む。
(4)前記添加剤には1種類または2種類以上の甘味物質が含まれる。
(5)前記甘味物質の平均粒子径が約150μm以下である。
さらに、本発明は、不快な味を有する成分を含有する粒子と、甘味物質を含有する粒子をほぼ同じ平均粒子径となるように調製した後に、両者を混合することを特徴とする、上記段落番号[0011]または[0012]に記載の経口固形組成物の製造方法を提供する。
なお、本発明における不快な味を有する成分には例えば、薬効成分や食品成分などがあるが、これらに限定されない。また前記成分を含有する経口固形組成物には医薬組成物や食品組成物などが挙げられる。
本発明では、不快な味を有する薬効成分または食品成分を含有する粒子と甘味物質を含有する粒子の溶解速度の差を利用した。
本発明における溶解速度とは、以下のとおりに定義する。
不快な味を有する成分を含有する粒子の溶解速度とは、経口固形組成物中に含まれる量の不快な味を有する成分を含有する粒子全量を水に投入し、一定時間攪拌したときの溶解量を投入量に対する重量%で示したものである。なお、不快な味を有する成分を含有する粒子と甘味物質を含有する粒子を含む経口固形組成物において、その中の甘味物質が完全に溶解するのに要した時間を一定時間とした。したがって、本発明において甘味物質を含有する粒子の溶解速度を評価するとき、全ての実施例および比較例において100%となる。
粒子が単一の物質であれば、溶解速度はその物質の粒子径、溶解度などの影響を受ける。粒子が造粒物である場合には溶解速度はその造粒物の粒子径、溶出性、崩壊性の影響を受け、造粒物が崩壊した際には造粒物に含有されていた粒子の粒子径、溶解度などの影響を受ける。すなわち、粒子径が小さい時、溶解度が高いとき、溶出性が高い時、崩壊性が良好であるときほど溶解速度は大きくなる。また、不快な味を有する薬効成分若しくは食品成分や甘味物質の溶解速度は舌の上での接触時間や接触面積に影響を及ぼす。すなわち、溶解速度が大きい程、薬効成分若しくは食品成分や甘味物質等が舌上で拡散しやすく、その結果、接触面積が大きくなり、接触時間が長くなる。また、粒子径は舌との接触面積に直接影響する。不快な味を有する薬効成分若しくは食品成分または甘味物質などの質量が同じである場合、粒子径の小さい粒子にするほど粒子数が多くなり、比表面積も増大する。このような物理的・物理化学的な作用や製剤的技術若しくは食品製造技術を応用し、不快な味を有する薬効成分または食品成分を含有する粒子の溶解速度を小さくすることで、当該粒子と舌との接触面積を小さくするとともに、接触時間を短くする。一方、甘味物質を含有する粒子の溶解速度を大きくすることで、当該粒子と舌との接触面積を大きくするとともに、接触時間を長くする。そして、両者を適切なバランスで組み合わせることにより、服用しやすい組成物を得ることができる。すなわち、服用した場合、甘味物質を含有する粒子が速やかに溶解し、口中に甘味が広がる。不快な味を有する薬効成分または食品成分を含有する粒子はほとんど溶解することなく、口中で溶解する前に嚥下される。
製剤化に際しては、不快な味を有する薬効成分を含有する粒子の平均粒子径と甘味物質を含有する粒子の平均粒子径の大きさをほぼ同じにして混合することが望ましい。より好ましくは、双方の粒子のかさ密度、真密度についてもほぼ同じにすることが望ましい。これらの物性が大きく異なると、混合時に偏析が生じやすく、均質な製剤を得ることが困難になる。
本発明において、不快な味を有する薬効成分を含有する粒子とは、不快な味を有する薬効成分そのものの粒子および/またはその粒子を1種類または2種類以上含有する造粒物のことを表わす。この造粒物は製剤上許容される1種類または2種類以上のその他の添加剤を含むことができる。不快な味を有する薬効成分とは、苦味に限らず、エグ味、渋味、辛味、収斂味などの不快な味がするために服用しにくい医薬物質であれば特に限定されない。例えば、解熱鎮痛薬、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、交感神経興奮剤、副交感神経遮断剤、中枢興奮薬、Hブロッカー、制酸剤、消炎酵素剤、抗炎症剤、気管支拡張剤、抗菌剤、鎮咳剤、去痰剤、抗コリン剤、止しゃ剤、催眠鎮静剤、利胆薬、血圧降下剤、骨格筋弛緩薬、乗り物酔い予防薬、骨粗鬆症治療薬、ビタミン剤、生薬類などの中で不快な味を有する薬効成分が挙げられる。
このような薬効成分としては、例えば、アスピリン、スルピリン、アセトアミノフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、マレイン酸クロルフェニラミン、ジフェンヒドラミンまたはその塩類、塩酸プロメタジン、塩酸イソチペンジル、フマル酸クレマスチン、塩酸イプロヘプチン、塩酸シプロヘプタジン、ジフェニルピラリンまたはその塩類、マレイン酸ジメチンデン、塩酸トリプロリジン、塩酸ホモクロルシクリジン、塩酸アゼラスチン、イブジラスト、クロモグリク酸ナトリウムまたはその塩類、オキサトミド、アンレキサノクス、マレイン酸カルビノキサミン、メキタジン、トラニラスト、レピリナスト、フマル酸エメダスチン、塩酸オザグレル、タザノラスト、ペミロラストまたはその塩類、トシル酸スプラタスト、塩酸フェニルプロパノールアミン、ベラドンナ(総)アルカロイド、ヨウ化イソプロパミド、カフェイン、無水カフェイン、ファモチジン、シメチジン、塩酸ラニチジン、ニザチジン、塩酸ロキサチジンアセタート、炭酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、スクラルファート、塩化リゾチーム、セラペプターゼ、トラネキサム酸、塩酸メチルエフェドリン、塩酸エフェドリン、コデイン、リン酸コデイン、リン酸ジヒドロコデイン、臭化水素酸デキストロメトルファン、ノスカピン、ジメモルファン、グアヤコールスルホン酸、グアイフェネシン、グアヤコールスルホン酸カリウム、塩酸ブロムヘキシン、ウルソデオキシコール酸、塩酸ロペラミド、ブロムワレリル尿素、ジアゼパム、ニコランジル、ジメンヒドリナート、アスコルビン酸カルシウム、塩酸チアミン、硝酸チアミン、硝酸ビスチアミン、チアミンジスルフィド、チアミンジセチル硫酸エステル塩、塩酸ジセチアミン、フルスルチアミン、塩酸フルスルチアミン、オクトチアミン、シコチアミン、ビスイブチアミン、ビスベンチアミン、プロスルチアミン、ベンフォチアミン、ジベンゾイルチアミン、チアミンピロリン酸、リン酸リボフラビンナトリウム、塩酸ピリドキシン、パントテン酸カルシウム、フィトナジオン、メナテトレノン、エリスロマイシン、塩化ベルベリン、オウゴン末またはそのエキス、オウバク末またはそのエキス等が挙げられる。これらの不快な味を有する薬効成分は、1種配合されていても、2種以上配合されていてもよい。
本発明において、不快な味を有する薬効成分は、製剤(薬剤組成物)総重量に対して約3〜約99重量%含むことができる。
前記不快な味を有する薬効成分を含有する粒子の平均粒子径は、その配合量も考慮しなければならないが、一般には約1700μm〜約75μm、好ましくは約850μm〜約110μm、さらに好ましくは約500μm〜約150μmである。上記条件に加えて、150μm以下の粒子が医薬組成物全量に対して約7重量%以下、好ましくは150μm以下の粒子が医薬組成物全量に対して約6重量%以下、より好ましくは150μm以下の粒子が医薬組成物全量に対して約5重量%以下となるように調製された粒子を用いる。
食品製造に際しては、不快な味を有する食品成分を含有する粒子の平均粒子径と甘味物質を含有する粒子の平均粒子径の大きさをほぼ同じにして混合することが望ましい。より好ましくは、双方の粒子のかさ密度、真密度についてもほぼ同じにすることが望ましい。これらの物性が大きく異なると、混合時に偏析が生じやすく、均質な製品を得ることが困難になる。
本発明の対象となる食品は、食品(食品添加物等を含む)であれば特に制限されないが、例えば固形の健康食品、ラムネ等の菓子類、果汁・野菜汁等の液状物質を固形状に加工したもの等が挙げられる。
不快な味を有する食品成分としては、例えば、チアミン硝酸塩、リボフラビン5′−リン酸エステルナトリウム、ピリドキシン塩酸塩、ニコチン酸アミド等のビタミン類。抽出物としてのカフェイン、ポリフェノール、タンニン。ロイシン、イソロイシン、バリン、トリプトファン、アルギニン、フェニルアラニン、システイン等のアミノ酸類。末端に前記アミノ酸を有するペプチド類。鉄、亜鉛、銅、マグネシウムなどのミネラル類。アロエ、ゲンチアナ等の生薬。ギムネマ酸、クローブ、ドクダミ等の植物由来抽出物。これらの他にもオリゴ糖、脂質、タンパク質等が挙げられる。
本発明において1種類または2種類以上の甘味物質を含有する粒子とは、甘味物質そのものの粒子および/または甘味物質を含有する造粒物を表わす。この造粒物は、薬剤または食品製造上許容される1種類または2種類以上の添加剤および/または1種類または2種類以上の不快な味を有する薬効成分または食品成分を味に影響を及ぼさない範囲で含有することができる。甘味物質とは、医薬品および食品製造の際に用いられるものであれば特に制限されないが、例えば、水溶性の糖類および糖アルコール、高甘味度甘味料などが使用できる。
糖類および糖アルコールとしては、例えば、キシリトール、エリスリトール、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、白糖、精製白糖、果糖、ぶどう糖、マルトース、トレハロース、パラチノース、ラクチトール等が挙げられ、それらの1種類を使用しても複数組み合わせて使用しても構わない。さらに、以下に述べる高甘味度甘味料と併用してもよい。これらの糖類および/または糖アルコールの配合量は、不快な味を有する薬効成分の種類および量、高甘味度甘味料の配合の有無および配合量並びに他の添加剤の種類およびその配合量にもよるが、経口固形組成物全量に対して約1〜約97重量%である。甘味物質自体の平均粒子径は、150μm以下であることを必要とする。
高甘味度甘味料とは、その甘味度が砂糖の数倍以上のもの、好ましくは10倍以上、さらに好ましくは100倍以上のものをいう。具体的な高甘味度甘味料としては、アスパルテーム、サッカリン、グリチルリチン二カリウム、ソーマチン、スクラロース等が挙げられ、それらの1種類を使用しても複数組み合わせて使用しても構わない。さらに、前述の糖類および/または糖アルコールと併用してもよい。これらの高甘味度甘味料の配合量は、不快な味を有する薬効成分の種類および量、糖類および/または糖アルコールの配合の有無および配合量並びに他の添加剤の種類およびその配合量に応じて適宜選択することができる。高甘味度甘味料の具体的な配合量は、経口固形組成物全量に対して約0.01〜約20重量%である。高甘味度甘味料自体の平均粒子径は、150μm以下であることを必要とする。
本発明の医薬組成物は顆粒剤、散剤、細粒剤等の剤形で使用されるが、錠用末やカプセル剤の内容物として用いることも可能である。
また、本発明の食品組成物は、粉末、粒子、トローチ、タブレット等の固形状であればいずれにも適用可能である。
次に本発明の医薬組成物の製造方法について説明する。
(1)不快な味を有する薬効成分を含有する粒子と甘味物質およびその他の添加剤を単純に混合することで本発明の医薬組成物を得ることができる。この混合に用いられる機械は製剤分野における一般的な混合機である。例えばV型混合機、W型混合機、タンブラーミキサー、ボーレコンテナミキサーなどが挙げられる。
(2)不快な味を有する薬効成分を含有する粒子については造粒や粉砕によって粒子径を調節することも可能である。造粒方法は流動層造粒、撹拌造粒、押出し造粒、噴霧乾燥法、乾式造粒など一般的な顆粒剤、散剤、細粒剤の製造方法の中から選択することができる。このとき、製剤上許容される1種類または2種類以上の添加剤を選択することができ、甘味物質よりも不快な味を有する薬効成分を含有する粒子の溶解速度を小さくするように調製する。
(3)(1)の混合物をさらに流動層造粒、撹拌造粒、押出し造粒法等で造粒してもよい。
(1)、(2)、(3)の製造方法で製造した製剤を分包した場合に、有効成分のばらつきが生じた際には以下の方法が有効である。
(4)甘味物質を造粒して得られた粒子と不快な味を有する薬効成分を含有する粒子とを混合して本発明の医薬組成物を得ることができる。甘味物質の造粒方法は流動層造粒、撹拌造粒、押出し造粒、噴霧乾燥法、乾式造粒など一般的な顆粒剤、散剤、細粒剤の製造方法の中から選択することができる。造粒においては、製剤上許容される1種類または2種類以上の添加剤を選択することができ、不快な味を有する薬効成分粒子の溶解速度よりも速く溶解するように調製する。また、このとき味に影響しない範囲であれば、不快な味を有する薬効成分をこの造粒物に含めても構わない。
(5)不快な味を有する薬効成分を含有する粒子については、(2)と同様に粒径を調節することも可能である。この粒子と(4)と同様な方法で得た甘味物質を有する粒子とを混合して製剤を得ることができる。また、甘味物質を含有する造粒物の溶解速度は不快な味を有する薬効成分を含有する造粒物における溶解速度よりも大きくなるように、製剤上許容される1種類または2種類以上の添加剤を選択して調製する。
(4)、(5)の方法は(1)、(2)、(3)の方法で製造したときに有効成分の含量がばらついた際に含量均一性を確保する方法として有効である。このとき、不快な味を有する粒子もしくは造粒物と甘味を有する造粒物の粒子径やかさ密度は可能な限り同じにすることが好ましい。混合の方法としては(1)に記載の混合方法と同様であり、この混合時に必要があれば製剤上許容される1種類または2種類以上の添加剤やその他の薬効成分を共に添加することもできる。
本発明の医薬組成物は、不快な味を有する薬効成分以外の他の薬効成分を含むことができる。このような薬効成分は、特に制限がなく、例えば、ビタミン類としてアスコルビン酸やケイヒ、カンゾウ、ウコンなどの生薬末、生薬エキス、生薬乾燥エキスなどが挙げられる。
本発明の医薬組成物を製造するに際して、甘味物質以外に従来から使用されている添加剤を1種または2種以上適宜組み合わせて使用することができる。このような添加剤としては、結合剤、崩壊剤、増粘剤、増量剤、賦形剤、滑沢剤、矯味剤、流動化剤、香料などを挙げることができる。
次に本発明の食品組成物の製造方法について説明する。
(1)不快な味を有する食品成分を含有する粒子と甘味物質およびその他の添加剤を単純に混合することで本発明の食品組成物を得ることができる。この混合に用いられる機械は製剤分野における一般的な混合機である。例えばV型混合機、W型混合機、タンブラーミキサー、ボーレコンテナミキサーなどが挙げられる。
(2)不快な味を有する食品成分を含有する粒子については造粒や粉砕によって粒径を調節することも可能である。造粒方法は流動層造粒、撹拌造粒、押出し造粒、噴霧乾燥法、乾式造粒など一般的な粒子の製造方法の中から選択することができる。このとき、食品として許容される1種類または2種類以上の添加剤を選択することができ、甘味物質よりも不快な味を有する食品成分を含有する粒子の溶解速度を小さくするように調製する。
(3)(1)の混合物をさらに流動層造粒、撹拌造粒、押出し造粒法等で造粒してもよい。
(1)、(2)、(3)の製造方法で製造した食品組成物を分包した場合に、食品成分のばらつきが生じた際には以下の方法が有効である。
(4)甘味物質を造粒して得られた粒子と不快な味を有する食品成分を含有する粒子とを混合して本発明の食品組成物を得ることができる。甘味物質の造粒方法は流動層造粒、撹拌造粒、押出し造粒、噴霧乾燥法、乾式造粒など一般的な粒子の製造方法の中から選択することができる。造粒においては、食品製造上許容される1種類または2種類以上の添加剤を選択することができ、不快な味を有する食品成分粒子の溶解速度よりも速く溶解するように調製する。また、このとき味に影響しない範囲であれば、不快な味を有する食品成分をこの造粒物に含めても構わない。
(5)不快な味を有する食品成分を含有する粒子については、(2)と同様に粒子径を調節することも可能である。この粒子と(4)と同様な方法で得た甘味物質を有する粒子とを混合して食品組成物を得ることができる。また、甘味物質を含有する造粒物の溶解速度は不快な味を有する食品成分を含有する造粒物における溶解速度よりも大きくなるように、食品製造上許容される1種類または2種類以上の添加剤を選択して調製する。
(4)、(5)の方法は(1)、(2)、(3)の方法で製造したときに有効成分の含量がばらついた際に含量均一性を確保する方法として有効である。このとき、不快な味を有する粒子もしくは造粒物と甘味を有する造粒物の粒子径やかさ密度は可能な限り同じにすることが好ましい。混合の方法としては(1)に記載の混合方法と同様であり、この混合時に必要があれば食品製造上許容される1種類または2種類以上の添加剤やその他の食品成分を共に添加することもできる。
本発明の食品組成物は、不快な味を有する食品成分以外の他の食品成分を含むことができる。このような食品成分は、食品(食品添加物を含む)であれば特に制限されないが、例えばアスコルビン酸、ビオチン等のビタミン類。グルタミン、グルタミン酸、アスパラギン酸等のアミノ酸類。クエン酸、酒石酸、リンゴ酸等の有機酸類。カルシウム、リン、ナトリウム、カリウム等のミネラル類。カンゾウ、カンテン等の生薬類。シソ、ラカンカ、ローズマリー等の植物由来抽出物。ヤシ脂肪、植物性ステロール、植物レシチン等の脂質。オリーブ油、大豆油、ゴマ油等の油。ステアリン酸カルシウム、グリセリン脂肪酸エステル等の脂肪酸類。グルコサミン等の糖タンパク質。ラクトフェリン等のタンパク質。コンドロイチン硫酸ナトリウム等のムコ多糖類。これらの他にもペプチド類、酵素類、核酸等が挙げられる。
本発明の食品組成物を製造するに際して、甘味物質以外に従来から使用されている添加剤を1種または2種以上適宜組み合わせて使用することができる。このような添加剤としては、食品(食品添加物を含む)であれば特に制限されないが、例えば結合剤、崩壊剤、増粘剤、増量剤、賦形剤、滑沢剤、流動化剤、被覆剤、乳化剤、安定剤、防腐剤、酸化防止剤、キレート剤、無機酸味剤、無機塩類、精油、植物抽出物、合成染料、着色顔料、風味強化剤、矯味剤、矯臭剤、香料等が挙げられる。
[実施例]
以下に本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例には限定されない。
下記に示す実施例1〜4および比較例1〜3においては次の組成の医薬組成物を使用した。
アセトアミノフェン 625g
dl−塩酸メチルエフェドリン 41.65g
マレイン酸クロルフェニラミン 5.2g
アスコルビン酸 312.5g
キシリトール 2500g
白糖 1250g
アスパルテーム 93.75g
トウモロコシデンプン 171.9g
合計 5000g
実施例5および比較例4においては次の組成の医薬組成物を使用した。
硝酸チアミン 12g
リン酸リボフラビンナトリウム 12g
塩酸ピリドキシン 20g
無水カフェイン 20g
乳糖 160g
ヒドロキシプロピルセルロース 2.2g
エリスリトール 113.1g
ハイグレードパウダーシュガー 56.6g
結晶セルロース 54.3g
合成珪酸アルミニウム 2.3g
合計 452.5g
実施例6および比較例5のための処方として次の組成を設定した。
塩酸ロペラミド 4.42g
塩化ベルベリン 35.37g
アクリノール 35.37g
乳糖 176.87g
ヒドロキシプロピルセルロース 2.4g
マルチトール 1480g
粉糖 925g
合計 2659.43g
上記処方において不快な味を有する成分は塩化ベルベリンとアクリノールと塩酸ロペラミドの3成分である。しかしながら、塩酸ロペラミドは微量活性成分であり、健常人が服用すると便秘等の副作用が懸念されること、さらに当該処方における塩酸ロペラミドの量は味覚の上で無視できる程度の量であると判断されることから、官能試験を実施するにあたり塩酸ロペラミドを抜いた下記処方にて、実施例6及び比較例5の官能試験および溶解速度の測定を実施した。
塩化ベルベリン 35.37g
アクリノール 35.37g
乳糖 176.87g
ヒドロキシプロピルセルロース 2.4g
マルチトール 1480g
粉糖 925g
合計 2655.01g
実施例7および比較例6においては次の組成の組成物を使用した。
カフェイン 50g
白糖 250g
合計 300g
dl−塩酸メチルエフェドリン41.65g、マレイン酸クロルフェニラミン5.2g、アスコルビン酸312.5g、キシリトール2500g、白糖1250g、アスパルテーム93.75g、トウモロコシデンプン171.9gをV型混合機(V−5特寿工作所製)で30分間混合した。一方で、トウモロコシデンプン0.25gを水900gに分散させて、85℃まで加熱して糊化させ、バインダー液とした。混合物をこのバインダー液を用い、流動層(FLO−5;フロイント産業製)で造粒し、50℃まで乾燥させた。この造粒物を目開き500μmの標準ふるいで整粒した。なお、この整粒物が完全に溶解するのに要した時間は10秒であった。この整粒物とアセトアミノフェン625gをV型混合機で混合し、実施例1の細粒剤を得た。
アセトアミノフェン625gの内62.5gを粉砕し、実施例1と同様の方法で細粒剤を得た。
アセトアミノフェン625gの内125gを粉砕し、実施例1と同様の方法で細粒剤を得た。
アセトアミノフェン625gの内187.5gを粉砕し、実施例1と同様の方法で細粒剤を得た。
比較例1
アセトアミノフェン625gを全て粉砕し、実施例1と同様の方法で細粒剤を得た。
比較例2
アセトアミノフェン625gの内250gを粉砕し、実施例1と同様の方法で細粒剤を得た。
上記実施例1〜4および比較例1〜2で得られた細粒剤をそれぞれ6人の評価者が服用して、以下の評価基準で評価した。
また、本処方に含まれる苦味成分については目開きが150μmの標準ふるいで篩い、150μm以下の粒子の量を計測し、製剤中の重量%で示した。
さらに、不快な味を有する薬効成分を含有する粒子につき、次に示す手順により溶解速度を測定し、これらの結果を表1にまとめた。
1.一回服用分の試料を50mLビーカーに量り取り、長さ20mmの撹拌子を入れる。
2.水50gを加え、回転数1,000rpmにて撹拌する。
3.一定時間撹拌した後に約2mLをサンプリングし、孔径0.45μmのフィルターを通して濾過する。
4.極大吸収波長において、吸光度が1弱となるように濾液を希釈して吸光度を測定する。
5.完全に溶解したときの吸光度を予め測定しておき、その吸光度の値を100%として試料の溶解速度を算出する。
なお、後述する実施例5〜7および比較例4〜6についても同様な手順により溶解速度を測定した。
ここで、実施例1〜4および比較例1〜2の溶解速度は、一回服用分の試料150mg、一定時間10秒の撹拌、極大吸収波長243nmにて測定した。
Figure 2005008640
表1より本発明に係る細粒剤は苦味がないか、もしくは苦味が十分に抑制されていることが確認された。
比較例3
アセトアミノフェン625g、dl−塩酸メチルエフェドリン41.65g、マレイン酸クロルフェニラミン5.2g、アスコルビン酸312.5g、キシリトール2500g、白糖1250g、アスパルテーム93.75g、トウモロコシデンプン171.9gをV型混合機(V−5特寿工作所製)で30分間混合した。一方で、トウモロコシデンプン0.25gを水900gに分散させて、85℃まで加熱して糊化させ、バインダー液とした。混合物をこのバインダー液を用い、流動層(FLO−5;フロイント産業製)で造粒し、50℃まで乾燥させた。この造粒物を目開き500μmの標準ふるいで整粒して比較例3の細粒剤を得た。
実施例1、比較例3について味覚評価を行なったところ、製法が異なっていても味覚の評価結果は何れも◎であった。しかしながら、実施例1および比較例3で得られた細粒剤について、それぞれ6箇所からサンプリングし、その含有の標準偏差を求めたところ、表2に示すような結果となった。
本発明(実施例1)に関わる製造方法に拠れば、含有ばらつきが小さい製剤を得ることができ、経口固形組成物製造上、有用であることが確認できた。
Figure 2005008640
硝酸チアミン12g、リン酸リボフラビンナトリウム12g、塩酸ピリドキシン20g、無水カフェイン20g、乳糖160gをビニール袋にて3分間混合し、ヒドロキシプロピルセルロース2.2gは、50%エタノール41.8gに溶解してバインダー液とした。混合物をバインダー液にて、高速撹拌型混合造粒機(NMG−1L;奈良機械製作所製)で造粒し、60℃にて乾燥させた。この造粒物を目開き250μmおよび500μmの標準ふるいで整粒した。
一方で、エリスリトール113.1g、ハイグレードパウダーシュガー56.6g、結晶セルロース54.3g、合成珪酸アルミニウム2.3gをビニール袋にて3分間混合したものを乾式造粒機(WP90×30;ターボ工業製)および整粒機(T53S;日本グラニュレーター製)で造粒した。この造粒物を目開き250μmおよび500μmの標準ふるいで整粒した。なお、この整粒物が完全に溶解するのに要した時間は20秒であった。
上記2つの整粒物をビニール袋にて混合し、実施例5の細粒剤を得た。
比較例4
実施例5に記載のエリスリトール113.1g、ハイグレードパウダーシュガー56.6g、結晶セルロース54.3g、合成珪酸アルミニウム2.3gをビニール袋にて3分間混合した混合物を造粒することなく、実施例5と同様の方法で細粒剤を得た。なお、この混合物が完全に溶解するのに要した時間は7秒であった。
上記実施例5および比較例4で得られた組成物の味をそれぞれ6人で服用して評価した。
また、試料113mgにつき撹拌時間を実施例5では20秒、比較例4では7秒とし、波長269nmにて吸光度を測定して溶解速度を算出し、これらの結果を表3に記した。
Figure 2005008640
表3より本発明に係る組成物は不快な味がないか、もしくは不快な味が十分に抑制されていることが確認された。
塩化ベルベリン35.37g、アクリノール35.37g、乳糖176.87gをビニール袋にて3分間混合した。一方で、ヒドロキシプロピルセルロース2.4gを50%エタノール45.6gに溶解してバインダー液とした。混合物をこのバインダー液を用い、高速撹拌型混合造粒機(NMG−1L;奈良機械製作所製)および押出し造粒機(DG−L1;不二パウダル製)で造粒し、60℃にて乾燥させた。この造粒物を破砕機(ND−10;岡田精工製)で破砕し、目開き600μmおよび850μmの標準ふるいで整粒した。
一方でマルチトール1480g、粉糖925gをビニール袋にて3分間混合した。なお、この混合物が完全に溶解するのに要した時間は20秒であった。
これらをビニール袋にて混合し、実施例6の細粒剤を得た。
比較例5
実施例6に記載の塩化ベルベリン、アクリノールを含む処方の整粒物を粉砕して、実施例6と同様の方法で散剤を得た。
上記実施例6および比較例5で得られた組成物の味をそれぞれ6人で服用して評価した。
また、試料28.3mgにつき撹拌時間を20秒とし、波長348nmにて吸光度を測定して溶解速度を算出し、これらの結果を表4に記した。
Figure 2005008640
表4より本発明に係る組成物は不快な味が抑制されていることが確認された。
カフェイン50g、粉糖250gをビニール袋にて3分間混合した。なお、粉糖が完全に溶解するのに要した時間は30秒であった。
比較例6
粉砕したカフェイン50g、グラニュー糖250gをビニール袋にて3分間混合した。なお、グラニュー糖が完全に溶解するのに要した時間は45秒であった。
上記実施例7および比較例6で得られた組成物の味をそれぞれ6人で服用して評価した。
また、試料50mgにつき撹拌時間を実施例7では30秒、比較例6では45秒とし、波長272nmにて吸光度を測定して溶解速度を算出し、これらの結果を表5に記した。
Figure 2005008640
表5より本発明に係る組成物は不快な味がないか、もしくは不快な味が十分に抑制されていることが確認された。
本発明によれば、複雑な工程や高価な製造コストを要することなく、不快な味を有する薬効成分の不快な味を抑制することが可能である。また、本発明の製造方法によれば、偏析を生じることなく均一な混合物を得ることができる。この結果、本発明による経口固形組成物を服用した場合、甘味物質、その他の成分からなる粒子が速やかに溶解し、口中に広がる。一方、不快な味を有する薬効成分はほとんど口中で溶解することなく、嚥下される。したがって、本発明の医薬組成物は服用しやすく、服薬のコンプライアンスの向上が期待できる。また、本発明の食品組成物は、機能性食品にありがちな不快な味を有する素材を用いる場合でも、食品に期待される嗜好性を低下させないことで、商品性の向上が期待されるという利点を有する。

Claims (7)

  1. 不快な味を有する成分を含有する粒子と、甘味物質を含有する粒子を含み、甘味物質を含有する粒子の溶解速度が不快な味を有する成分の粒子より明らかに大きいことを特徴とする経口固形組成物。
  2. 不快な味を有する成分が薬効成分である請求項1記載の経口固形組成物。
  3. 不快な味を有する成分が食品成分である請求項1記載の経口固形組成物。
  4. 不快な味を有する成分を含有する粒子の平均粒子径と、甘味物質を含有する粒子の平均粒子径とがほぼ同じであり、甘味物質を含有する粒子の溶解速度が、不快な味を有する薬効成分を含有する粒子の溶解速度より明らかに大きいことを特徴とする経口固形組成物。
  5. 前記不快な味を有する成分を含有する粒子のうち、約150μm以下の粒子が経口固形組成物全量に対し約7重量%以下であり、前記甘味物質の平均粒子径が約150μm以下である、請求項4記載の経口固形組成物。
  6. 次の条件をすべて満足する経口固形組成物。
    (1)前記経口固形組成物は、1種類または2種類以上の不快な味を有する成分を含有する粒子を含む。
    (2)前記不快な味を有する成分を含有する粒子のうち、約150μm以下の粒子が経口固形組成物全量に対し約7重量%以下である。
    (3)前記経口固形組成物は、1種類または2種類以上の粒子状の添加物を含む。
    (4)前記添加剤には1種類または2種類以上の甘味物質が含まれる。
    (5)前記甘味物質の平均粒子径が約150μm以下である。
  7. 不快な味を有する成分を含有する粒子と、甘味物質を含有する粒子をほぼ同じ平均粒子径となるように調製した後に、両者を混合することを特徴とする請求項1ないし6に記載の経口固形組成物の製造方法。
JP2004187065A 2003-05-28 2004-05-28 不快な味を有する成分の不快な味を抑制した組成物 Pending JP2005008640A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004187065A JP2005008640A (ja) 2003-05-28 2004-05-28 不快な味を有する成分の不快な味を抑制した組成物

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003151034 2003-05-28
JP2004187065A JP2005008640A (ja) 2003-05-28 2004-05-28 不快な味を有する成分の不快な味を抑制した組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005008640A true JP2005008640A (ja) 2005-01-13

Family

ID=34106730

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004187065A Pending JP2005008640A (ja) 2003-05-28 2004-05-28 不快な味を有する成分の不快な味を抑制した組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005008640A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006347948A (ja) * 2005-06-15 2006-12-28 Ryukyu Bio Resource Kaihatsu:Kk 口腔粘膜用の鎮痛・抗炎症トローチ剤
JP2007014640A (ja) * 2005-07-08 2007-01-25 Kokko Oblate Kk オブラート及びその製造方法
JP2008043217A (ja) * 2006-08-11 2008-02-28 Kobayashi Pharmaceut Co Ltd 食品組成物
JP2009189287A (ja) * 2008-02-14 2009-08-27 Mitsubishi Shoji Foodtech Co Ltd 臭低減方法、臭低減効果のある組成物ならびに臭を低減した粉末組成物
JP2018028459A (ja) * 2016-08-17 2018-02-22 株式会社J−オイルミルズ フライ油の劣化の評価方法および劣化しにくいフライ油の選別方法
JP2021004193A (ja) * 2019-06-25 2021-01-14 小林製薬株式会社 アセトアミノフェン含有顆粒剤

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006347948A (ja) * 2005-06-15 2006-12-28 Ryukyu Bio Resource Kaihatsu:Kk 口腔粘膜用の鎮痛・抗炎症トローチ剤
JP2007014640A (ja) * 2005-07-08 2007-01-25 Kokko Oblate Kk オブラート及びその製造方法
JP4716494B2 (ja) * 2005-07-08 2011-07-06 国光オブラート株式会社 オブラート及びその製造方法
JP2008043217A (ja) * 2006-08-11 2008-02-28 Kobayashi Pharmaceut Co Ltd 食品組成物
JP2009189287A (ja) * 2008-02-14 2009-08-27 Mitsubishi Shoji Foodtech Co Ltd 臭低減方法、臭低減効果のある組成物ならびに臭を低減した粉末組成物
JP2018028459A (ja) * 2016-08-17 2018-02-22 株式会社J−オイルミルズ フライ油の劣化の評価方法および劣化しにくいフライ油の選別方法
JP2021004193A (ja) * 2019-06-25 2021-01-14 小林製薬株式会社 アセトアミノフェン含有顆粒剤

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2184570C2 (ru) Препараты для орального введения
SA08290401B1 (ar) تركيبات أقراص لاموتريجين تتفتت بالفم
US20130071476A1 (en) Rapid Melt Controlled Release Taste-Masked Compositions
Dahiya et al. Chewable tablets: a comprehensive review
JP6062168B2 (ja) 生薬由来成分を含有する製剤及びその製造方法
JP2009263298A (ja) 不快な味を隠ぺいした経口組成物
KR102018385B1 (ko) 구강내 붕괴정 및 그 제조 방법
CA2403594A1 (en) Granules having good taking property
US9636307B2 (en) Oral pharmaceutical composition comprising taste-masked N-acetylcysteine
JP4689468B2 (ja) 錠剤およびその製造方法
JP2016174616A (ja) 崩壊性組成物及び易崩壊性圧縮成型物
JP5054940B2 (ja) 錠剤組成物
WO2013024373A1 (en) Pharmaceutical composition comprising cefuroxime
Eckert et al. Lean production of taste improved lipidic sodium benzoate formulations
JP2005008640A (ja) 不快な味を有する成分の不快な味を抑制した組成物
JP6196730B2 (ja) セファロスポリンエステルを含む粒状固形製剤およびその製造方法
JP5759047B1 (ja) ウコン中の有用成分を含有する低水分系組成物
JP2015199721A (ja) セファロスポリンエステルを含む粒状固形製剤およびその製造方法
Vora et al. Oral dispersible tablet: A popular growing technology
ES2384577T3 (es) Formulaciones granulares revestidas
JP2015172012A (ja) ウコン中の有用成分を含有する低水分系組成物
JP3778240B2 (ja) 不快な味がマスキングされた造粒組成物及びその製造方法
Ghanchi et al. Taste masking technologies of pharmaceuticals
JP2002154949A (ja) 内服用固形製剤
WO2019198835A1 (ja) ソフトカプセル集合体及びこれを含む経口投与用組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20050120

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20050121

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20050303