WO2019198835A1 - ソフトカプセル集合体及びこれを含む経口投与用組成物 - Google Patents

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Abstract

粒子径が1mm未満のミクロンオーダーであって、他の材料に配合して使用できるソフトカプセル集合体を提供することにある。皮膜で内容物が被包されたソフトカプセルの集合体であって、平均粒子径が900μm以下であり、前記皮膜の表面に凹凸が形成され、式(1)で表される円形度の平均が0.95以下であるソフトカプセル集合体。 円形度=4πS/L (1) (式(1)において、Sはソフトカプセル粒子の投影像の投影面積、Lは前記投影像の周囲長を表す。)

Description

ソフトカプセル集合体及びこれを含む経口投与用組成物
 本発明は、平均粒子径が900μm以下であり、皮膜の表面に凹凸が形成されたソフトカプセル集合体、及び前記ソフトカプセル集合体を含む経口投与用組成物に関する。
 ソフトカプセルは、医薬品、食品、化粧品、農薬等の分野で広く使用されている。ソフトカプセルの粒子径を小さくすると、粉体、造粒物や高粘度物へ配合したときの食感や服用感のが向上が期待されることから、近年、特に食品や医薬品の用途において、粒子径が1mm未満、あるいは900μm以下といった従来に比べて粒子径の小さいミクロンオーダーのソフトカプセルが求められている。ソフトカプセルの製造方法として、2枚の皮膜形成用シートを打ち抜いて成形するロータリー法や、二重ノズルを使用し内側ノズルからカプセルに充填する内容液を、外側ノズルからカプセルの皮膜を形成する皮膜液を同時に吐出させて硬化液中に滴下する滴下法が知られている(特許文献1)。しかし、ロータリー法は、シートを打ち抜いて成形するため粒子径を小さくすることは難しく、滴下法は、ロータリー法に比べて粒子径の小さいソフトカプセルを製造することができるものの、製造できるソフトカプセルの粒子径は1~10mm程度であり、粒子径が1mm未満のミクロンオーダーのソフトカプセルを製造することは難しかった。また、滴下法として三層構造のソフトカプセルを製造するために、三重ノズルを使用して内側ノズルから内容液を、中間ノズルから保護液を、外側ノズルから皮膜液を同時に吐出させて硬化液中に滴下する方法が提案されているが(特許文献2)、得られるソフトカプセルの粒子径は2重ノズルの場合と変わらなかった。このような状況下、他の材料に配合して使用できるミクロンオーダーのソフトカプセルの開発が望まれていた。
国際公開2013/100013号パンフレット 特開2016-74615号公報
 本発明の課題は、上記問題を解決し、粒子径が1mm未満のミクロンオーダーであって、他の材料に配合して使用できるソフトカプセル集合体を提供することにある。
 本発明者らは、粒子径がミクロンオーダーのソフトカプセルについて検討を開始した。検討を進めるなかで本発明者らは、ソフトカプセルの最外層を形成する皮膜液の外側から中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)等のキャリア液を吐出させ、さらに吐出される皮膜液の単位時間当たりの流量、及び皮膜液の内側で吐出される内容液の単位時間当たりの流量を、キャリア液の単位時間当たりの流量に比べて非常に少なくし、各液の流量を特定の範囲とすることにより形成される液滴を微小化でき、粒子径が1mm未満の微小粒子径のソフトカプセル(以下、マイクロソフトカプセルともいう。)を製造できることを見いだした。通常、最外層のキャリア液の流量に比べて、内部の内容液及び皮膜液の流量を少なくすると内容液及び皮膜液の液流が乱され、均一な液滴が形成されないと思われるところ、意外にもこうして得られたソフトカプセルの集合体は、粒度分布がシャープであり、粒子径の揃ったソフトカプセルの集合体であった。この方法によれば、平均粒子径が900μm以下、800μm以下、700μm以下、600μm以下、500μm以下、400μm以下、300μm以下、200μm以下、あるいは100μm以下といった微小な粒子径のソフトカプセル集合体を製造することが可能になる。また、この製造方法によれば、表面が滑らかなソフトカプセルのみでなく、表面に凹凸を有するソフトカプセルを製造することもできる。本発明者らは、こうして得られたマイクロソフトカプセルについて検討を進めたところ、マイクロソフトカプセルは粒子径が小さく、表面が滑らかであるため、他の粉体等の材料と均一に混合することが難しい、また他の粉体材料と共に成形して、例えば錠剤のようにして使用する場合、粒子径が小さいゆえに表面のマイクロソフトカプセルが欠落するとの新たな課題が見いだされた。従来、ソフトカプセルは単独で使用されることが多く、また他の材料と共に使用されても特に問題は生じなかったことから、微小化することによる前記課題は予測されていなかった。しかし、マイクロソフトカプセルは、単独で使用するよりも他の材料に配合して使用することが想定され期待されているため、これらの課題が解決できなければ、粒子径をミクロンオーダーに小さくできても実用化することはできない。そこで、マイクロソフトカプセルを種々作製して検討を更に進めたところ、意外にも表面に凹凸が形成されたマイクロソフトカプセルは、他の粉体等の材料との混合性に優れて均一に混合でき、錠剤等に成形した場合でも表面から欠落しないものであった。従来、ソフトカプセルは真球に近く表面が滑らかなものが良いとされてきた。これは、ソフトカプセルに携わる者の常識であり、凹凸のあるカプセルはソフトカプセルでないとまで言われ、不良品として扱われてきた。表面に凹凸を形成することは、このような技術常識に反するものであったが、本発明者らは、従来とは粒子径や使用方法の異なるマイクロソフトカプセルにおいては、表面に特定の凹凸を形成することにより、他の粉体等との混合性に優れ、錠剤等に成形したときの欠落を防止できるソフトカプセルが得られることを見出した。本発明は、上記知見にもとづき完成されたものである。
 すなわち、本発明は以下に示す事項により特定されるものである。
[1]皮膜で内容物が被包されたソフトカプセルの集合体であって、平均粒子径が900μm以下であり、前記皮膜の表面に凹凸が形成され、式(1)で表される円形度の平均が0.95以下であるソフトカプセル集合体。
円形度=4πS/L     (1)
(式(1)において、Sはソフトカプセル粒子の投影像の投影面積、Lは前記投影像の周囲長を表す。)
[2]皮膜で内容物が被包されたソフトカプセルの集合体であって、平均粒子径が900μm以下であり、前記皮膜の表面に凹凸が形成され、前記凹凸の程度を示す凹凸度を、前記ソフトカプセルの断面を観察し、前記断面において重心を中心として、前記重心から最も離れた位置にある凸部に接する円の半径と、前記重心を中心として、前記重心から最も近い位置にある凹部に接する円の半径との差で定義したときに、前記凹凸度が20μm以上であるソフトカプセル集合体。
[3]式(2)で表される長短度の平均が0.04以上であることを特徴とする上記[1]又は[2]記載のソフトカプセル集合体。
長短度=1-短径/長径   (2)
[4]ソフトカプセルの粒子径に対する皮膜の厚みの比が、0.08~0.15であることを特徴とする上記[1]~[3]のいずれか記載のソフトカプセル集合体。
[5]平均粒子径が700μm以下であることを特徴とする上記[1]~[4]のいずれか記載のソフトカプセル集合体。
[6]平均粒子径が300μm以上であることを特徴とする上記[1]~[5]のいずれか記載のソフトカプセル集合体。
[7]上記[1]~[6]のいずれか記載のソフトカプセル集合体を含むことを特徴とする経口投与用組成物。
[8]ソフトカプセル集合体を0.1~50質量%含むことを特徴とする上記[7]記載の経口投与用組成物。
[9]錠剤であることを特徴とする上記[7]又は[8]記載の経口投与用組成物。
また、本発明の別の態様は、原料をノズルから吐出してソフトカプセル集合体を製造する方法であって、最も内側からカプセル充填成分を含む内容液を吐出速度0.1~5mL/minで吐出し、その外側から皮膜形成成分を含む皮膜液を吐出速度0.1~10mL/minで吐出し、その外側からキャリア液を吐出速度15000~30000mL/minで吐出して液滴を形成し、前記液滴の前記皮膜液を硬化させることを特徴とする平均粒子径が900μm以下のソフトカプセル集合体の製造方法や、皮膜で内容物が被包されたソフトカプセルの集合体であり、平均粒子径が900μm以下であることを特徴とするソフトカプセル集合体や、皮膜の表面に凹凸が形成されていることを特徴とする前記ソフトカプセル集合体に関する。
 本発明のソフトカプセル集合体は、平均粒子径が900μm以下であり、表面に凹凸が形成されているため、粉体、造粒物、高粘度物等の他の材料へ配合する際の混合均一性に優れる。粒子径が小さく、他の材料への混合均一性に優れるため、食品や医薬品に使用すると食感や服用感に優れる。また、錠剤等の成形体に成形したときの欠落が防止できる。本発明の経口投与用組成物は、配合されるソフトカプセル集合体が平均粒子径が900μm以下であり、表面に凹凸が形成されているため、食感や服用感に優れ、錠剤の形態にしてもソフトカプセルの欠落がない。
本製造方法で用いられるノズル部の一実施形態を示す模式図である。 実施例1で得られたソフトカプセルの粒度分布を示す図である。 参考例1で得られたソフトカプセルの粒度分布を示す図である。 実施例2で得られたソフトカプセルの粒度分布を示す図である。 参考例1で得られたソフトカプセルのX線CTの画像である。 実施例2で得られたソフトカプセルのX線CTの画像である。 実施例1で得られたソフトカプセルの光学顕微鏡による画像である。 参考例1で得られたソフトカプセルの光学顕微鏡による画像である。 比較例1で得られたソフトカプセルの断面画像である。 比較例2で得られたソフトカプセルの断面画像である。 実施例3で得られたソフトカプセルの断面画像である。 実施例4で得られたソフトカプセルの断面画像である。 実施例5で得られたソフトカプセルの断面画像である。 実施例6で得られたソフトカプセルの断面画像である。 実施例7で得られたソフトカプセルの断面画像である。 実施例8で得られたソフトカプセルの断面画像である。 実施例9で得られたソフトカプセルの断面画像である。 実施例10で得られたソフトカプセルの断面画像である。 実施例11で得られたソフトカプセルの断面画像である。 マイクロカプセルとシリカを混合した状態の写真である。左から、比較例1、比較例2、実施例3、実施例4、実施例5で得られたマイクロカプセルを使用している。 (a)は実施例5で得られたマイクロカプセルを使用して打錠した錠剤の表面のSEM画像(キーエンス社製走査型電子顕微鏡を使用。以下同様)であり、(b)は比較例1で得られたマイクロカプセルを使用して打錠した錠剤の表面のSEM画像である。 (a)は実施例3で得られたマイクロカプセルを使用して打錠した錠剤の表面のSEM画像であり、(b)は比較例1で得られたマイクロカプセルを使用して打錠した錠剤の表面のSEM画像であり、(a)及び(b)共に倍率は30倍である。 図21を更に拡大した200倍のSEM画像である。 球体に近いソフトカプセルが錠剤から欠落する状態を示す模式図である。
 本発明のソフトカプセル集合体は、皮膜で内容物が被包されたソフトカプセルの集合体であって、平均粒子径が900μm以下であり、前記皮膜の表面に凹凸が形成され、式(1)で表される円形度の平均が0.95以下であることを特徴とする。
円形度=4πS/L     (1)
(式(1)において、Sはソフトカプセル粒子の投影像の投影面積、Lは前記投影像の周囲長を表す。)
本発明における平均粒子径は、公知の平均粒子径の測定方法により求めることができるが、粒子画像分析装置(装置名:モフォロギG3、Malvern社)を使用して、サンプル数(N数)100以上で解析を行って求めることが好ましい。また、本発明における円形度の平均(以下、平均円形度ともいう。)は、複数のソフトカプセル粒子の投影像の投影面積、及び前記投影像の周囲長を公知の方法を利用して求め、その値から算出された円形度を平均して求めることができるが、粒子画像分析装置(装置名:モフォロギG3、Malvern社)を使用して、サンプル数(N数)100以上で解析を行って求めることが好ましい。本発明における平均円形度は、ソフトカプセルの強度を維持する観点から0.85以上が好ましく、他の材料との混合性を向上させる観点及び成形したときの欠落を防止する観点並びにソフトカプセルの強度を維持する観点から0.85~0.95が好ましい。本発明のソフトカプセル集合体の平均粒子径は、食感や服用感をより向上させる観点から700μm以下が好まく、取扱いやすさの観点から300μm以上が好ましい。本発明のソフトカプセル集合体の平均粒子径は、300~900μmが好ましく、300~700μmがより好ましい。
 本発明のソフトカプセル集合体は、皮膜で内容物が被包されたソフトカプセルの集合体であって、平均粒子径が900μm以下であり、前記皮膜の表面に凹凸が形成され、前記凹凸の程度を示す凹凸度を、前記ソフトカプセルの断面を観察し、前記断面において重心を中心として、前記重心から最も離れた位置にある凸部に接する円の半径と、前記重心を中心として、前記重心から最も近い位置にある凹部に接する円の半径との差で定義したときに、前記凹凸度が20μm以上であることを特徴とする。ここで、重心とは各部分にはたらく重力の合力の作用点の位置のことである。また、断面の観察方法としては、ソフトカプセル粒子を切断して粒子断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察する方法、3DX線顕微鏡を使用して粒子断面の画像を観察する方法等の公知のいずれの方法でも利用できるが、ソフトカプセル粒子を平面の上に置き、3DX線顕微鏡を使用して前記粒子の底部と頂部のほぼ中間の位置で前記平面に平行な断面を観察することが好ましい。前記3DX線顕微鏡を使用した観察方法の場合、粒子を置く方向により同じ粒子でも前記中間の位置の断面形状は異なるが、本発明においては、いずれかの方向で観察された凹凸度が20μm以上であればよい。ソフトカプセル粒子の表面にこうした凹凸が形成されていれば、本発明の効果を奏することができる。本発明のソフトカプセル集合体における凹凸度は、ソフトカプセルの重心を中心として、前記重心から最も離れた位置にある凸部に接する球の半径と、前記重心を中心として、前記重心から最も近い位置にある凹部に接する球の半径との差で定義してもよく、こうして求められた凹凸度が20μm以上であればよい。また、本発明における凹凸度は、他の材料との混合性をより向上させる観点及び成形したときの欠落防止効果をより向上させる観点から30μm以上が好ましく、ソフトカプセルの強度を維持する観点から150μm以下が好ましく、100μm以下がより好ましく、80μm以下が更に好ましい。本発明のソフトカプセル集合体の凹凸度の好ましい範囲としては、20~150μm、20~100μm、20~80μm、30~150μm、30~100μm、30~80μm等を例示することができる。本発明のソフトカプセル集合体においては、平均円形度が0.95以下であって、凹凸度が20μm以上であってもよく、凹凸度が20μm以上であって、平均円形度が0.95以下であってもよい。
 また、本発明のソフトカプセル集合体は、式(2)で表される長短度の平均(以下、平均長短度ともいう。)が0.04以上であることが好ましい。
長短度=1-短径/長径    (2)
式(2)で表される長短度は、公知のいずれの方法を利用しても求めることができるが、粒子画像分析装置(装置名:モフォロギG3、Malvern社)を使用して、サンプル数(N数)100以上で解析を行って求めることが好ましい。本発明における長短度は、他の材料との混合性を向上させる観点及び成形したときの欠落防止効果を向上させる観点から0.05以上がより好ましい。また、本発明における長短度は、ソフトカプセルの強度を維持する観点から0.15以下が好ましく、0.1以下がより好ましい。本発明のソフトカプセル集合体の長短度の好ましい範囲としては、0.04~0.15、0.04~0.1、0.05~0.15、0.05~0.1等を例示することができる。
 本発明のソフトカプセル集合体は、ソフトカプセルの粒子径に対する皮膜の厚みの比が、0.08~0.15であることが好ましい。ここで、前記皮膜の厚みは、ソフトカプセル粒子を切断して粒子断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察する方法、3DX線顕微鏡を使用して粒子断面の画像を観察する方法等の公知の方法を利用して求めることができ、前記粒子径も走査型電子顕微鏡(SEM)での観察等で求めることができるが、凹凸度の測定と同様に、ソフトカプセル粒子を平面の上に置き、3DX線顕微鏡を使用して前記粒子の底部と頂部のほぼ中間の位置で前記平面に平行な断面を観察し、皮膜の最も厚い箇所の皮膜の厚さを前記皮膜の厚みとし、前記断面の重心を通る最も長い径を前記粒子径とすることが好ましい。粒子径に対する皮膜の厚みの比が上記範囲であると、ミクロンオーダーという微小なソフトカプセルでありながら、ソフトカプセルの強度を維持しつつ内容物の充填スペースを確保できる。凹凸度の測定と同様に、粒子を置く方向により同じ粒子でも前記中間の位置の断面形状は異なるが、いずれかの方向で観察された粒子径に対する皮膜の厚みの比が、0.08~0.15であればよい。滴下法で作製されたソフトカプセルの場合、皮膜の厚みは場所により差はあるものの、大きく異なることはないため、いずれかの方向で観察された値が前記範囲にあれば、全体としてほぼ当該範囲にある。
 本発明のソフトカプセル集合体は、原料をノズルから吐出してソフトカプセル集合体を製造する方法であって、最も内側からカプセル充填成分を含む内容液を、その外側から皮膜形成成分を含む皮膜液を、その外側からキャリア液を吐出して液滴を形成し、前記液滴の前記皮膜液を硬化させることを特徴とし、さらに内容液を吐出速度0.1~5mL/minで吐出し、皮膜液を吐出速度0.1~10mL/minで吐出し、キャリア液を吐出速度15000~30000mL/minで吐出することを特徴とする平均粒子径が900μm以下のソフトカプセル集合体を製造する方法で製造することができる。本製造方法において各液を吐出する方法としては、例えば、内容液を吐出するノズル(内側ノズル)の外側に内側ノズルを囲むように皮膜液を吐出するノズル(外側ノズル)を設け、外側ノズルの外側に外側ノズルを囲むようにキャリア液を形成管中に流入させるための形成管の上端(開口部)を設けて、内側ノズルから内容液を吐出させ、外側ノズルから皮膜液を吐出させ、形成管の上端から形成管中に流入したキャリア液中に皮膜液と内容液の複合液滴を通過させる方法を挙げることができる。この場合、各ノズルの形状は特に制限されないが、内容物が偏在せず皮膜の厚みを均一にする観点から、各ノズルの吐出口の形状は環状が好ましく、各ノズルが同心円状に配置されていることがより好ましい。本製造方法における各ノズルから吐出される液の流量は、形成される液滴を微小化し、安定して液滴を形成する観点から、内側ノズルから吐出される内容液の流量は0.1~5mL/minであり、外側ノズルから吐出される皮膜液の流量は0.1~10mL/minであり、形成管内部に流入するキャリア液の流量は15000~30000mL/minである。内容液の流量0.1~5mL/minの範囲に包含される内容液の流量として、0.5~5mL/min、1~5mL/min、1.5~5mL/min、2~5mL/min、0.1~4mL/min、0.5~4mL/min、1~4mL/min、1.5~4mL/min、2~4mL/min、0.1~3mL/min、0.5~3mL/min、1~3mL/min、1.5~3mL/min、2~3mL/min等が例示される。皮膜液の流量0.1~10mL/minの範囲に包含される皮膜液の流量として、0.5~10mL/min、1~10mL/min、1.5~10mL/min、2~10mL/min、3~10mL/min、3.5~10mL/min、4~10mL/min、0.1~8mL/min、0.5~8mL/min、1~8mL/min、1.5~8mL/min、2~8mL/min、3~8mL/min、3.5~8mL/min、4~8mL/min、0.1~6mL/min、0.5~6mL/min、1~6mL/min、1.5~6mL/min、2~6mL/min、3~6mL/min、3.5~6mL/min、4~6mL/min等が例示される。キャリア液の流量15000~30000mL/minの範囲に包含されるキャリア液の流量として、17000~30000mL/min、19000~30000mL/min、20000~30000mL/min、15000~28000mL/min、17000~28000mL/min、19000~28000mL/min、20000~28000mL/min、15000~25000mL/min、17000~25000mL/min、19000~25000mL/min、20000~25000mL/min、15000~23000mL/min、17000~23000mL/min、19000~23000mL/min、20000~23000mL/min、15000~21000mL/min、17000~21000mL/min、19000~21000mL/min、20000~21000mL/min等が例示される。内容液及び皮膜液についての上記流量は単位時間当たりに各ノズルから吐出される流量であり、キャリア液についての上記流量は形成管内部に単位時間当たりに流入するキャリア液の流量であり、本願明細書ではこれらの流量を吐出速度ともいう。
 形成管内部に流入するキャリア液の流量は、内側ノズルから吐出される内容液の流量や外側ノズルから吐出される皮膜液の流量より多いことが好ましく、両ノズルから吐出される液及びキャリア液の流量(吐出速度)の比は、内容液の流量に対する皮膜液の流量の比は0.8~8が好ましい。この範囲に包含される内容液の流量に対する皮膜液の流量の比として、0.8~6、0.8~5、0.8~4、0.8~3、1~8、1~6、1~5、1~4、1~3、1.5~8、1.5~6、1.5~5、1.5~4、1.5~3、2~8、2~6、2~5、2~4、2~3等が例示される。皮膜液の流量に対するキャリア液の流量の比は2000~7000が好ましい。この範囲に包含される皮膜液の流量に対するキャリア液の流量の比として、2000~6000、2000~5500、2000~5000、2000~4000、3000~7000、3000~6000、3000~5500、3000~5000、3000~4000等が例示される。本製造方法における内側ノズルの吐出口の開口部の面積は、0.03~3mmが好ましく、0.05~2mmがより好ましい。外側ノズルの吐出口の開口部の面積は、0.03~8mmが好ましく、0.05~7mmがより好ましい。形成管の上端の開口部の面積は、70~750mmが好ましい。また、外側ノズルの吐出口の開口部の面積は、内側ノズルの吐出口の開口部の面積の1~3倍が好ましい。本製造方法では、各液がノズルから吐出される際に、キャリア液の作用により内容液が皮膜液で被包された微小な液滴が形成される。本製造方法は、内側ノズルから吐出される内容液の流量が0.1~5mL/minであり、外側ノズルから吐出される皮膜液の流量が0.1~10mL/minであり、形成管の上端から形成管内部に流入するキャリア液の流量が15000~30000mL/minである場合、平均粒子径が900μm以下、800μm以下、700μm以下、600μm以下、500μm以下、400μm以下、300μm以下、200μm以下、あるいは100μm以下のソフトカプセルを製造するために好適に用いられる。また、平均粒子径が400~900μm、400~800μm、400~700μm、400~600μm、450~900μm、450~800μm、450~700μm、450~600μm、500~900μm、500~800μm、500~700μm、500~600μm、550~900μm、550~800μm、550~700μmあるいは600~700μmのソフトカプセルを製造するために好適に用いられる。
 本製造方法では、液滴を形成した後、形成された液滴の皮膜液を硬化させることによりソフトカプセルを製造する。皮膜液の硬化は、前記液滴を皮膜液がゲル化する硬化液の中へ滴下してゲル化、硬化させてもよい。また、本製造方法では、必要に応じて洗浄を行うことにより、皮膜に付着して残ったキャリア液や硬化液を除去することができ、これを乾燥することにより乾燥粉体としてのマイクロカプセル集合体が得られる。本製造方法では、内容液、皮膜液及びキャリア液の流量、流速、粘性等を適宜調整することにより粒子径を制御することができ、1mm未満のミクロンオーダーのマイクロカプセルを製造することができる。また、本製造方法によれば、平均粒子径が800μm以下、700μm以下、600μm以下、500μm以下、400μm以下、300μm以下、200μm以下、あるいは100μm以下の粒子径のマイクロカプセル集合体を製造することができる。また、平均粒子径が400~900μm、400~800μm、400~700μm、400~600μm、450~900μm、450~800μm、450~700μm、450~600μm、500~900μm、500~800μm、500~700μm、500~600μm、550~900μm、550~800μm、550~700μmあるいは600~700μmの粒子径のマイクロカプセル集合体を製造することができる。粒子径がミクロンオーダーの粒子は、通常一個一個を分離して扱うより、集合体、いわゆる粉体として扱われており、この場合、粒子径を平均粒子径で表すことは一般的である。本発明におけるソフトカプセル集合体とは、複数のソフトカプセルが集まったものの意味であり、一体化したものや特定の規則で配列したものを意味するものではない。また、集合体を構成するソフトカプセル同士が接触した状態のみを意味するものでなく、集合体を構成するソフトカプセルが他の材料中に分散して存在する場合も、分散したソフトカプセルの集合を集合体という。ここで、平均粒子径は、粒子画像分析装置(装置名:モフォロギG3、Malvern社)を使用して、サンプル数(N数)100以上で解析を行って求めることができる。また、本製造方法では、内容液と皮膜液との間に別の液、例えば、最も内側の内容液とは成分の異なるカプセル充填成分を含む液、皮膜成分を内容液から保護するための保護成分を含む液等を吐出させてもよい。本製造方法によると、平均粒子径が900μm以下のソフトカプセル集合体を製造でき、粒度分布がシャープで粒子径の揃ったソフトカプセル集合体を製造できる。また、製造されるソフトカプセル集合体の粒子径や表面形状を調整できる。本発明の製造方法によると、球状で、表面が滑らかなソフトカプセルを製造できる。また、表面に凹凸を有するソフトカプセルを製造できる。本発明のソフトカプセル集合体は、平均粒子径が900μm以下のソフトカプセルの集合体であるため、粉体、造粒物や高粘度物へ配合する際の混合均一性に優れ、また、食品や医薬品に使用すると食感や服用感に優れる。特に、造粒物に配合する場合、造粒物の粒子径とソフトカプセル集合体の粒子径をそろえることで、より均一性を高めることができる。また、表面に凹凸を有するソフトカプセルは、打錠に使用する場合、打錠品からはずれにくくなり、打錠品の形状安定性を高めることができる。
 本発明のソフトカプセル集合体は、医薬品、食品、化粧品、農薬等種々の用途に利用することができ、本発明における内容液の組成は用途に応じて適宜決定される。以下に、本発明における内容液に含有され、カプセルに充填されるカプセル内容物を例示するが、これらに制限されるものではなく、必要に応じて溶媒を含む。また、内容液の形態は、溶液状でも懸濁液状でもよい。
 油脂類として、アボカド油、アーモンド油、亜麻仁油、ウイキョウ油、エゴマ油、オリーブ油、オリーブスクワレン、オレンジ油、オレンジラファー油、ゴマ油、ガーリックオイル、カカオ脂、カボチャ種子オイル、カミツレ油、カロット油、キューカンバー油、牛脂脂肪酸、ククイナッツ油、クランベリー種子油、玄米胚芽油、米油、小麦胚芽油、サフラワー油、シア脂、液状シア脂、シソ油、大豆油、月見草油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ノコギリヤシエキスオイル、ハトムギ油、パーシック油、パセリ種子油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、ボラージ油、マカデミアナッツ油、メドウホーム油、綿実油、落花生油、タートル油、ミンク油、卵黄油、魚油、パーム油、パーム核油、モクロウ、ヤシ油、長鎖・中鎖・短鎖の脂肪酸トリグリセリド、ジアシルグリセライド、牛脂、豚脂、スクワレン、スクワラン、プリスタン、及び、これら油脂類の水素添加物等を含有可能である。
 ロウ類及びワックス類として、シェラックロウ、ミツロウ、カルナバロウ、鯨ロウ、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、環状ラノリン、ラノリンワックス、キャンデリラロウ、モクロウ、モンタンロウ、セラックロウ、ライスワックス等を含有可能である。硬化油として、植物油脂を水素添加して得られる植物硬化油、牛脂硬化油、豚脂硬化油等を含有可能である。
 レシチン類としては、例えば、卵黄レシチン、大豆レシチン、酵素分解レシチン(リゾレシチン)、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、スフィンゴミエリン、ジセチルリン酸、ステアリルアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、ホスファチジルイノシトールアミン、カルジオリピン、セラミドホスホリルエタノールアミン、セラミドホスホリルグリセロール等を含有可能である。酵素分解レシチンは、例えば卵黄レシチン、大豆レシチンにホスホリパーゼAを作用させて得られたものである。
 鉱物油として、流動パラフィン、ワセリン、パラフィン、オゾケライド、セレシン、マイクロクリスタリンワックス等を含有可能である。
 脂肪酸類として、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、共役リノール酸、リノレン酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸、トール油、ラノリン脂肪酸等の天然脂肪酸、イソノナン酸、カプロン酸、2-エチルブタン酸、イソペンタン酸、2-メチルペンタン酸、2-エチルヘキサン酸、イソペンタン酸等の合成脂肪酸及び、これら脂肪酸を脂肪酸組成として含む油脂等を含有可能である。
 ビタミン類として、ビタミンA群:レチノール、レチナール(ビタミンA1)、デヒドロレチナール(ビタミンA2)、カロチン、リコピン(プロビタミンA)、ビタミンB群:フルスルチアミン、チアミン塩酸塩、チアミン硫酸塩(ビタミンB1)、リボフラビン(ビタミンB2)、ピリドキシン(ビタミンB6)、シアノコバラミン、メチルコバラミン(ビタミンB12)、葉酸類、ニコチン酸類、パントテン酸類、ビオチン類、コリン、イノシトール類、ビタミンC群:アスコルビン酸又はその誘導体、ビタミンD群:エルゴカルシフェロール(ビタミンD2)、コレカルシフェロール(ビタミンD3)、ジヒドロタキステロール、ビタミンE群:ビタミンE又はその誘導体、ユビキノン類、ビタミンK群:フィトナジオン(ビタミンK1)、メナキノン(ビタミンK2)、メナテトレノン、メナジオン(ビタミンK3)、メナジオール(ビタミンK4)、その他、必須脂肪酸(ビタミンF)、カルニチン、フェルラ酸、γ-オリザノール、オロット酸、ビタミンP類(ルチン、エリオシトリン、ヘスペリジン)、ビタミンU等を含有可能である。また、その他にルテインも含有可能である。
 刺激剤として、トウガラシチンキ、トウガラシオイル、ノニル酸バニルアミド、カンタリスチンキ、ショウキョウチンキ、ショウキョウ油、ハッカ油、l-メントール、カンフル、ニコチン酸ベンジル等を含有可能である。
 紫外線吸収や遮断剤として、ベンゾフェノン誘導体(2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン-スルホン酸ナトリウム、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン等)、パラアミノ安息香酸誘導体(パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸オクチル等)、メトキシ桂皮酸誘導体(パラメトキシ桂皮酸エチル、パラメトキシ桂皮酸イソプロピル、パラメトキシ桂皮酸オクチル、パラメトキシ桂皮酸2-エトキシエチル、パラメトキシ桂皮酸ナトリウム、パラメトキシ桂皮酸カリウム、ジパラメトキシ桂皮酸モノ-2-エチルヘキサン酸グリセリル等)、サリチル酸誘導体(サリチル酸オクチル、サリチル酸フェニル、サリチル酸ホモメンチル、サリチル酸ジプロピレングリコール、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸ミリスチル、サリチル酸メチル等)、アントラニル酸誘導体(アントラニル酸メチル等)、ウロカニン酸誘導体(ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル等)、クマリン誘導体、アミノ酸系化合物、ベンゾトリアゾール誘導体、テトラゾール誘導体、イミダゾリン誘導体、ピリミジン誘導体、ジオキサン誘導体、カンファー誘導体、フラン誘導体、ピロン誘導体、核酸誘導体、アラントイン誘導体、ニコチン酸誘導体、ビタミンB6誘導体、ウンベリフェロン、エスクリン、桂皮酸ベンジル、シノキサート、オキシベンゾン、ジオキシベンゾン、オクタベンゾン、スリソベンゾン、ベンゾレソルシノール、アルブチン、グアイアズレン、シコニン、バイカリン、バイカレイン、ベルベリン、ネオヘリオパン、エスカロール、酸化亜鉛、タルク、カオリン等を含有可能である。
 美白剤として、パラアミノ安息香酸誘導体、サルチル酸誘導体、アントラニル酸誘導体、クマリン誘導体、アミノ酸系化合物、ベンゾトリアゾール誘導体、テトラゾール誘導体、イミダゾリン誘導体、ピリミジン誘導体、ジオキサン誘導体、カンファー誘導体、フラン誘導体、ピロン誘導体、核酸誘導体、アラントイン誘導体、ニコチン酸誘導体、ビタミンC又はその誘導体(ビタミンCリン酸エステルマグネシウム塩、ビタミンCグルコシド等)、ビタミンE又はその誘導体、コウジ酸又はその誘導体、オキシベンゾン、ベンゾフェノン、アルブチン、グアイアズレン、シコニン、バイカリン、バイカレイン、ベルベリン、胎盤エキス、エラグ酸、ルシノール等を含有可能である。
 チロシナーゼ活性阻害剤として、ビタミンC又はその誘導体(ビタミンCリン酸エステルマグネシウム塩、ビタミンCグルコシド等)、ハイドロキノン又はその誘導体(ハイドロキノンベンジルエーテル等)、コウジ酸又はその誘導体、ビタミンE又はその誘導体、N-アセチルチロシン又はその誘導体、グルタチオン、過酸化水素、過酸化亜鉛、胎盤エキス、エラグ酸、アルブチン、ルシノール、シルク抽出物、植物エキス(カミツレ、クワ、クチナシ、トウキ、ワレモコウ、クララ、ヨモギ、スイカズラ、キハダ、ドクダミ、マツホド、ハトムギ、オドリコソウ、ホップ、サンザシ、ユーカリ、セイヨウノコギリソウ、アルテア、ケイヒ、マンケイシ、ハマメリス、カラグワ又はヤマグワ、延命草、桔梗、トシシ、続随子、射干、麻黄、センキュウ、ドッカツ、サイコ、ボウフウ、ハマボウフウ、オウゴン、牡丹皮、シャクヤク、ゲンノショウコ、葛根、甘草、五倍子、アロエ、ショウマ、紅花、緑茶、紅茶、阿仙薬、ブルーベリー、ツルレンゲ)等を含有可能である。
 メラニン色素還元や分解物質として、フェニル水銀ヘキサクロロフェン、酸化第二水銀、塩化第一水銀、過酸化水素水、過酸化亜鉛、ハイドロキノン又はその誘導体等を含有可能である。
 ターンオーバーの促進作用や細胞賦活物質として、ハイドロキノン、乳酸菌エキス、胎盤エキス、霊芝エキス、ビタミンA、ビタミンE、アラントイン、脾臓エキス、胸腺エキス、酵母エキス、発酵乳エキス、植物エキス(アロエ、オウゴン、スギナ、ゲンチアナ、ゴボウ、シコン、ニンジン、ハマメリス、ホップ、ヨクイニン、オドリコソウ、センブリ、トウキ、トウキンセンカ、アマチャ、オトギリソウ、キュウリ、タチジャコウソウ、マンネンロウ、パセリ)等を含有可能である。
 収斂剤として、コハク酸、アラントイン、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、カラミン、パラフェノールスルホン酸亜鉛、硫酸アルミニウムカリウム、レゾルシン、塩化第二鉄、タンニン酸(カテキン化合物を含む)等を含有可能である。
 活性酸素消去剤として、SOD、カタラーゼ、グルタチオンパーオキシダーゼ等を含有可能である。
 抗酸化剤として、ビタミンC又はその塩、ステアリン酸エステル、ビタミンE又はその誘導体、ノルジヒドログアセレテン酸、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ヒドロキシチロソール、パラヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、セサモール、セサモリン、ゴシポール、プロポリス等を含有可能である。
 過酸化脂質生成抑制剤として、β-カロチン、植物エキス(ゴマ培養細胞、アマチャ、オトギリソウ、ハマメリス、チョウジ、メリッサ、エンメイソウ、シラカバ、サルビア、マンネンロウ、南天実、エイジツ、イチョウ、緑茶)等を含有可能である。
 抗炎症剤として、イクタモール、インドメタシン、カオリン、サリチル酸、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸メチル、アセチルサリチル酸、塩酸ジフェンヒドラミン、d-カンフル、dl-カンフル、ヒドロコルチゾン、グアイアズレン、カマズレン、マレイン酸クロルフェニラミン、グリチルリチン酸又はその塩、グリチルレチン酸又はその塩、甘草エキス、シコンエキス、エイジツエキス、プロポリス等を含有可能である。
 抗菌・殺菌・消毒薬として、アクリノール、イオウ、グルコン酸カルシウム、グルコン酸クロルヘキシジン、スルファミン、マーキュロクロム、ラクトフェリン又はその加水分解物、塩化アルキルジアミノエチルグリシン液、トリクロサン、次亜塩素酸ナトリウム、クロラミンT、サラシ粉、ヨウ素化合物、ヨードホルム、ソルビン酸又はその塩、プロピオン酸又はその塩、サルチル酸、デヒドロ酢酸、パラヒドロキシ安息香酸エステル類、ウンデシレン酸、チアミンラウリル硫酸塩、チアミンラウリル硝酸塩、フェノール、クレゾール、p-クロロフェノール、p-クロロ-m-キシレノール、p-クロロ-m-クレゾール、チモール、フェネチルアルコール、o-フェニルフェノール、イルガサンCH3565、ハロカルバン、ヘキサクロロフェン、クロロヘキシジン、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、2-フェノキシエタノール、1,2-ペンタンジオール、ジンクピリジオン、クロロブタノール、イソプロピルメチルフェノール、非イオン界面活性剤(ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等)、両性界面活性剤、アニオン界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム、ラウロイルサルコシンカリウム等)、カチオン界面活性剤(臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化メチルロザニリン)、ホルムアルデヒド、ヘキサミン、ブリリアントグリーン、マラカイトグリーン、クリスタルバイオレット、ジャーマル、感光素101号、感光素201号、感光素401号、N-長鎖アシル塩基性アミノ酸誘導体及びその酸附加塩、酸化亜鉛、ヒノキチオール、クジン、プロポリス等を含有可能である。
 保湿剤として、グリセリン、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリカプリルカプリン酸グリセリン、グリコール酸(α-ヒドロキシ酸)、ヒアルロン酸又はその塩、コンドロイチン硫酸又はその塩、水溶性キチン又はその誘導体或いはキトサン誘導体、ピロリドンカルボン酸又はその塩、乳酸ナトリウム、尿素、ソルビトール、アミノ酸又はその誘導体(バリン、ロイシン、イソロイシン、トレオニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、リジン、グリシン、アラニン、アスパラギン、グルタミン、セリン、システイン、シスチン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ヒドロキシリジン、アルギニン、オルニチン、ヒスチジンや、それらの硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、クエン酸塩、或いはピロリドンカルボン酸)等を含有可能である。
 各種有機酸として、グリコール酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、フェルラ酸、フィチン酸などを含有可能である。
 頭髪用剤として、二硫化セレン、臭化アルキルイソキノリニウム液、ジンクピリチオン、ビフェナミン、チアントール、カスタリチンキ、ショウキョウチンキ、トウガラシチンキ、塩酸キニーネ、強アンモニア水、臭素酸カリウム、臭素酸ナトリウム、チオグリコール酸等を含有可能である。
 香料として、ジャコウ、シベット、カストリウム、アンバーグリス等の天然動物性香料、アニス精油、アンゲリカ精油、イランイラン精油、イリス精油、ウイキョウ精油、オレンジ精油、カナンガ精油、カラウェー精油、カルダモン精油、グアヤクウッド精油、クミン精油、黒文字精油、ケイ皮精油、シンナモン精油、ゲラニウム精油、コパイババルサム精油、コリアンデル精油、シソ精油、シダーウッド精油、シトロネラ精油、ジャスミン精油、ジンジャーグラス精油、杉精油、スペアミント精油、西洋ハッカ精油、大茴香精油、チュベローズ精油、丁字精油、橙花精油、冬緑精油、トルーバルサム精油、バチュリー精油、バラ精油、パルマローザ精油、桧精油、ヒバ精油、白檀精油、プチグレン精油、ベイ精油、ベチバ精油、ベルガモット精油、ペルーバルサム精油、ボアドローズ精油、芳樟精油、マンダリン精油、ユーカリ精油、ライム精油、ラベンダー精油、リナロエ精油、レモングラス精油、レモン精油、ローズマリー(マンネンロウ)精油、和種ハッカ精油等の植物性香料、その他コーヒーフレーバー、ヨーグルトフレーバー等の合成香料等を含有可能である。
 さらに、栄養補助成分や、健康食品成分を含有可能である。具体的には、魚油、にんにく、ビタミンB1、いわゆる卵油(昔ながらの健康食品素材で、卵黄を攪拌しながら鉄なべなどを用いて長時間弱火で加熱することで得られる褐色~黒色の液体)等が挙げられる。
 本発明における皮膜液は、ソフトカプセルの皮膜として通常用いられる皮膜成分を含有することができ、必要に応じて水等の溶媒を含有することができる。本発明において、皮膜成分は特に制限されず、疎水性皮膜成分でも親水性皮膜成分でもよいが、親水性皮膜成分であることが好ましい。親水性皮膜成分としては、ゼラチン、コハク化ゼラチン等の修飾ゼラチン、カラギナン、寒天、アルギン酸ナトリウム、プルラン、グルコマンナン、アラビアゴム、ファーセレラン、ユーケマ藻類、ジェランガム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、デンプン類等の親水性高分子の一種又は二種以上の組合せを挙げることができ、ゼラチン、又は修飾ゼラチンを好適に挙げることができる。また、皮膜成分に、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の可塑剤、二酸化チタン等の遮光剤、リン酸ナトリウム等のpH調整剤、クエン酸三ナトリウム、メタリン酸ナトリウム等のキレート剤、乳酸カルシウム、塩化カリウム等のゲル化促進剤、ポリグリセリン脂肪酸エステル、レシチン等の界面活性剤、呈味剤、香料、防腐剤、着色剤、溶解助剤などを添加してもよい。また、皮膜用腑形剤として、各種デンプン類(修飾デンプン、加工デンプン、デンプン、デンプン分解物を含む)、各種多糖類を含有ささせることもできる。
 本発明における皮膜液に用いられるゼラチンとしては、例えば、牛、豚、鶏、魚等の皮、骨、腱等を原料とし、酸又はアルカリで処理して得られる粗コラーゲンを加熱抽出して製造されたものを挙げることができる。また、ゼラチンの加水分解物や酵素分解物、コハク化ゼラチン、フタル化ゼラチン等の修飾ゼラチンを用いることもできる。どの種類のゼラチンも好ましく使用することができる。ゼラチンのゼリー強度は、100~300gが好ましく、更には130~250gがより好ましい。ゼリー強度は、JISK-6503(2001)に準拠して測定できる。皮膜液として、ゼラチンと水を使用する場合、ゼラチンの含有量は、水に対して1.0~10.0質量%が好ましく、2.0~8.0質量%がより好ましい。
 本発明のソフトカプセルの集合体では、皮膜液に含有される皮膜成分として、ゼラチンに加えて、カラギナン類、寒天、ジェランガムなどの他のゲル化剤を使用してもよい。カラギナン類を加えることにより、得られるマイクロカプセルの表面をより滑らかにし、粒子硬度をより高くすることができる。本発明における皮膜液に用いられるカラギナン類は、硫酸基をもつガラクタンの一種であり、紅藻類に存在していることが知られている。カラギナン類は、ゲル化特性や構造の違いにより、主にイオタカラギナン(ιカラギナン)、カッパカラギナン(κカラギナン)、ラムダカラギナン(λカラギナン)の3種類に分類できる。なお、日本の食品添加物の規定では、「精製カラギナン」、「加工ユーケマ藻類」、「ユーケマ藻末」の3種類が規定されている(日本食品添加物協会刊、「既存添加物名簿収載品目リスト注解書」(1999)参照)が、これらは精製度が異なるのみで、本質的には全て本発明における皮膜液に用いられるカラギナン類に含まれる。本発明においては、ゲル化能の点から、ιカラギナンやκカラギナンが好ましい。なお、カラギナン類は、それぞれ純粋品でもよいし、標準化物質を含んだものも利用することができる。ここで、標準化物質としては、ショ糖、ブドウ糖、マルトース、乳糖等の糖類及びデキストリンからなる群から選ばれた1種又は2種以上が挙げられる。好ましくはショ糖、デキストリンである。デキストリンとしては、酸分解デキストリンと酵素分解デキストリンが好ましい。また、ιカラギナンとκカラギナンを、あらかじめ混合してあるブレンド原料も利用可能である。ゼラチンと共に用いるカラギナンの皮膜液中の含有量は、水に対して0.1~1.0質量%が好ましく、0.1~0.8質量%がより好ましい。また、本発明のソフトカプセルの集合体では、皮膜液に含有される皮膜成分として、ゼラチンに代えてカラギナン類、寒天、ジェランガムなどのゲル化剤を使用することもでき、デキストリンや澱粉分解物などのゲル化を阻害しない物質を濃化剤又は充填剤として併用することもできる。これらのゲル化剤を用いることにより、付着の問題などを改善できる。
 本発明におけるキャリア液は、皮膜液と混じり合わないものであれば特に限定されず、例えば、皮膜液が親水性皮膜成分を含む場合、各種油脂類、脂肪酸類、糖の脂肪酸エステル、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、鎖状エーテル、高級脂肪酸エステル、高級アルコール、テルペン類等の疎水性液体を挙げることができる。具体的には、サフラワー油、亜麻仁油、エゴマ油、オリーブ油、からし油、ゴマ油、コーン油、大豆油、月見草油、テルペン油、ナタネ油、パーム油、パーム核油、ホホバ油、綿実油、ヤシ油、落花生油、EPA、DHA、サメ肝油、タラ肝油、中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)、ジアシルグリセロール等の各種動植物油・合成油・精製油、流動パラフィン、ワセリン、パラフィン、オゾケライド、セレシン、マイクロクリスタリンワックス等の鉱物油などを挙げることができ、MCTを好適に挙げることができる。皮膜液にゼラチンと水を使用する場合、通常液温を70~90℃にして皮膜液を調製するが、キャリア液は液温を0℃~25℃(室温)にすることが好ましい。内容液の液温は皮膜液と同程度が好ましい。また、形成された液滴を硬化液の中に滴下して冷却し、ゲル化、固化させる場合、硬化液は皮膜液と混じり合わないものであれば特に限定されず、上記キャリア液で例示したものを使用できる。キャリア液と硬化液に同じ成分を使用すれば、洗浄が容易になる。
 本発明の平均粒子径が900μm以下のソフトカプセルは、粒子径が非常に小さいため、食品又は経口医薬品に添加しても違和感のない食感又は服用感を得ることができる。そのため、喫食時又は服用時までカプセル内で内容物の揮発や変質を防ぎ、喫食時又は服用時には配合物の違和感のない食品を得ることができる。本発明における平均粒子径が900μm以下の範囲に包含される平均粒子径として、900μm以下、800μm以下、700μm以下、600μm以下、500μm以下、400μm以下、300μm以下、200μm以下、100μm以下、100~900μm、100~800μm、100~700μm、100~600μm、100~500μm、100~400μm、100~300μm、100~200μm、400~900μm、400~800μm、400~700μm、400~600μm、450~900μm、450~800μm、450~700μm、450~600μm、500~900μm、500~800μm、500~700μm、500~600μm、550~900μm、550~800μm、550~700μm、600~700μm等が例示される。本発明のソフトカプセルは、粒子径が小さいため、粉体、造粒物や高粘度物とも均一に混合できる。また、本製造方法によると、ソフトカプセル集合体の粒子径の調整が可能なので、上記平均粒子径のソフトカプセルを製造でき、本発明のソフトカプセルは、基材の種類や粉体、造粒物の粒子径を選ばずに様々な基材に配合することができる。特にゼラチンを皮膜に使用すると、皮膜として充分な強度を有し、喫食時又は服用時には適度な溶解性を有するソフトカプセルとなる。また、本製造方法によると、ソフトカプセル集合体を構成するソフトカプセルの被膜表面の形状を調整でき、皮膜表面が平滑なソフトカプセルを製造することもでき、また皮膜表面が凹凸を有するソフトカプセルを製造することもできる。皮膜にゼラチンに加えてカラギナン類を添加すると、ソフトカプセルの表面を滑らかにすることができるが、本製造方法によれば、カラギナン類を添加しなくても表面が滑らかなソフトカプセルを得ることができる。本発明のソフトカプセルは、皮膜の均一性や使用時の流動性に優れる。本発明のソフトカプセルは、各種基材との混合均一性に優れるので、医薬品、食品、化粧品、農薬等において使用される基材中や混合後の基材を更に加工した加工品中で単分散あるいはそれに近い状態で存在することができる。例えば、粉体、造粒物に混合した場合、粉体、造粒物中で単体あるいは単体に近い状態で存在することができる。また、食品において、ガムの原料や麺類の生地等の高粘度物に本発明のソフトカプセルを混合することにより、本発明のソフトカプセルが高粘度物中に単体の状態あるいは単体に近い状態で分散され、これを固形化した製品中に同様の状態で存在する。また、ソフトカプセルの皮膜表面に凹凸が形成された本発明のソフトカプセルは、打錠したとき凹凸部分によるアンカー効果により打錠品からはずれにくい。ソフトカプセルの皮膜表面に凹凸を形成する方法としては、乾燥前のカプセル皮膜が柔らかい状態のカプセルを、金網、布製の網等のメッシュ上に配置する方法(この場合、メッシュを施した乾燥装置中で乾燥してもよい)、セルロース、デンプン等の粉体中に配置し乾燥後に前記粉体を除去する方法、エタノールに浸漬させる方法、皮膜にセルロース、デンプン等を混合する方法などを挙げることができる。
 本発明の経口投与用組成物は、本発明のソフトカプセル集合体を含むことを特徴とする。本発明のソフトカプセル集合体は、経口投与用組成物として医薬又は食品において使用する場合、それ単独で又は他の成分と混合して、錠剤、粉末状、粒状、散剤状、顆粒状、ドライシロップ剤、懸濁剤、液剤等の任意の固形状、半固形状、液状などの形態で使用することができ、食品として使用する場合、冷凍食品、アイスクリーム、レトルト食品、総菜、弁当、調味料、香辛料、飲料等の任意の固形状、半固形状、液状などの形態で使用することができる。これらの組成物は、経口摂取用組成物とも言える。また、本発明のソフトカプセル集合体は、軟膏剤、クリーム剤、パップ剤等の外用薬用の組成物などの非経口投与用の組成物やその他の用途の組成物にも使用できる。本発明の錠剤は、本発明のソフトカプセル集合体を含むことを特徴とする。本発明における錠剤とは、本発明のソフトカプセル集合体を、又は本発明のソフトカプセル集合体と他の成分とを混合したものを固形の剤形に成形したものであり、打錠等の圧縮成形方法などにより成形することができる。本発明の錠剤は、その形状、大きさ等について特に制限されず、使用目的に応じて適宜決定することができる。形状としては、例えば、丸型、楕円型、三角型、四角型等を挙げることができる。また、本発明の錠剤は、医薬品の錠剤のみでなく、錠剤の形状の食品も含む。医薬品としては、その用途、効能、形状等、特に制限されるものでなく、内服用錠剤、口腔用錠剤、外用錠剤等を挙げることができ、素錠でもコーティング錠でもよい。また、糖衣錠、フィルムコーティング錠、腸溶錠、チュアブル錠、持続性錠(徐放性、持効性)、ワックスマトリックス、グラデュメット、レペタブ、スパンタブ、ロンタブ、スペイスタブ、レジネート、バッカル錠、舌下錠、トローチ錠、付着錠等を挙げることができる。本発明の錠剤は、ソフトカプセル集合体以外の成分として、必要に応じて薬学的または可食性の任意の他の成分を配合してもよい。他の成分としては、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、保湿剤、吸着剤、滑沢剤、界面活性剤、吸収促進剤、着色剤、充填剤、防腐剤、安定化剤、乳化剤、可溶化剤、香料、甘味剤、任意の有用成分等を挙げることができる。これらの成分は公知の成分を適宜使用することができ、賦形剤としては、例えば、乳糖水和物、無水乳糖、結晶セルロース、D-マンニトール、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、イソマルト、マルチトール、マルトース、白糖、ショ糖、ブドウ糖、デンプン(トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、コメデンプン、コムギデンプン等)、ヒドロキシプロピルスターチ、アルファー化デンプン、部分アルファー化デンプン、カルボキシメチルスターチナトリウム、デキストリン、粉末還元麦芽糖水アメ等を挙げることができ、結合剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体、カルメロースナトリウム等を挙げることができ、崩壊剤としては、例えば、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスポビドン、カンテン末等を挙げることができ、保湿剤としては、例えば、含水エチレングリコール含有シート類等を挙げることができ、吸着剤としては、例えば、無水ケイ酸、デンプン等を挙げることができ、滑沢剤としては、例えば、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク、硬化油等を挙げることができ、界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸ポリオキシル40、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリソルベート、モノステアリン酸グリセリン及びラウリル硫酸ナトリウム等を挙げることができ、吸収促進剤としては、例えば、第4級アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウム等を挙げることができ、着色剤としては、例えば、黄酸化鉄、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、βカロテン、酸化チタン、食用色素(例えば、食用青色1号等)、銅クロロフィル、リボフラビン等を挙げることができ、香料としては、例えば、オレンジ、バニラ、ストロベリー、ヨーグルト、メントール、ウイキョウ油、ケイヒ油、トウヒ油、ハッカ油、緑茶等を挙げることができ、甘味剤としては、例えば、アスパルテーム、サッカリン、ギリチルリチン酸二カリウム、ステビア、マルトース、マルチトール、スクラロース、果糖、キシリトール、水飴、アマチャ末等を挙げることができる。また、医薬成分としては、例えば、解熱鎮痛消炎薬、滋養強壮保健薬、向精神薬、抗うつ薬、抗不安薬、催眠鎮静薬、鎮痙薬、中枢神経作用薬、脳代謝改善剤、脳循環改善剤、抗てんかん剤、交感神経興奮剤、胃腸薬、制酸剤、抗潰瘍剤、鎮咳去痰剤、制吐剤、呼吸促進剤、気管支拡張剤、アレルギー用薬、抗ヒスタミン剤、歯科口腔用薬、強心剤、不整脈用剤、利尿薬、血圧降下剤、血管収縮薬、冠血管拡張薬、末梢血管拡張薬、血液凝固阻止剤、高脂血症用剤、利胆剤、抗生物質、化学療法剤、糖尿病用剤、骨粗しょう症用剤、抗リウマチ薬、骨格筋弛緩薬、鎮けい剤、ホルモン剤、アルカロイド系麻薬、サルファ剤、痛風治療薬、抗悪性腫瘍剤等を挙げることができ、これらはソフトカプセルに含有されていてもよく、錠剤中のソフトカプセル以外の部分に含有されていてもよい。本発明の経口投与用組成物における本発明のソフトカプセル集合体の含有量は特に制限されないが、0.1~50質量%が好ましく、1~30質量%がより好ましく、1~10質量%が更に好ましい。本発明の錠剤中の本発明のソフトカプセル集合体の含有量は特に制限されないが、錠剤の成形性の観点からは、0.1~50質量%が好ましく、1~30質量%がより好ましく、1~10質量%が更に好ましい。カプセル内容物と、錠剤の組合せ例としては、(1)カプセル内容物としてω3系脂肪酸(青魚に多く含まれるEPA、DHAや、亜麻仁油等に多く含まれるα-リノレン酸等の多価不飽和脂肪酸の一種)と、錠剤成分としてスタチン系医薬品(メバスタチン(Mevastatin)、ロバスタチン(Lovastatin)、プラバスタチン(Pravastatin)、シンバスタチン(Simvastatin)、フルバスタチン(Fluvastatin)、セリバスタチン(Cerivastatin)、アトルバスタチン(Atorvastatin)、ピタバスタチン(Pitavastatin)、ロスバスタチン(Rosuvastatin))。(2)カプセル内容物としてビタミンA類、ビタミンD類、ビタミンE類等の脂溶性ビタミン、錠剤成分としてビタミンB群、ビタミンC類等の水溶性ビタミンなどを挙げることができ、また、(3)抗生剤(クラリスロマイシン、エリスロマイシン、セファレキシン、セフロキサシン、オフロキサシン)やキニーネ塩酸塩、イブプロフェン、ノスカピン、カルバマゼピン、ドキソルビシン、タクロリムス、ファモチジン、ランソプラゾールなどは強い苦味を有するが、小児用などは粉末として投与されることが多いことから、苦味の強い服用困難な薬物として知られている。これらをマイクロカプセルに充填し、白糖などの粉末矯味剤と混合し投与することで苦味がマスキングされた嚥下しやすい粉末製剤またはドライシロップ剤などを挙げることができる。本発明の錠剤以外の経口投与用組成物においても上記成分を適宜含むことができる。
 本発明のソフトカプセル集合体の製造方法について、図1を用いてさらに説明する。図1は本製造方法に使用されるノズル部の一例を示した図である。内容液が供給され吐出される内容液用ノズル1(内側ノズル)、及び皮膜液が供給され吐出される皮膜液用ノズル2(外側ノズル)を、キャリア液が流れる形成管4の上方に備える。図1においては、形成管の上端3は、形成管4と外管5とで構成され、形成管4の端部で囲まれた部分がキャリア液の吐出部であり、キャリア液が吐出される流量(吐出速度)とは形成管4の上端3から形成管4内に流入する単位時間当たりの流量のことである。内容液、皮膜液及びキャリア液は、ポンプにより内容液用ノズル1、皮膜液用ノズル2及び形成管の上端3にそれぞれ送られる。内容液と皮膜液が各々のノズルからキャリア液中に吐出されると、内容液が皮膜液に被包された液滴が形成される。この液滴を形成管中に流下するキャリア液に滴下することにより、液滴の皮膜液をゲル化し硬化させてソフトカプセルが成形される。硬化液中のソフトカプセルを篩等で回収し、洗浄後、乾燥することにより乾燥した状態のソフトカプセルを得ることができる。乾燥方法は、特に制限されず公知の乾燥方法を用いることができ、例えば、自然乾燥、静置乾燥、送風乾燥、流動層乾燥、遠心転動造粒、タンブラー乾燥、真空乾燥、凍結乾燥等を挙げることができる。上記製造方法は、内容液を含むコア部が皮膜液から形成される皮膜層で直接被包された2層構造のカプセルの製造方法であるが、本発明のソフトカプセル集合体は2層構造の場合に限定されず、3層構造でもそれ以上の多層構造でもよく、ソフトカプセルの最外層となる皮膜層に凹凸が形成されていればよい。3層構造のソフトカプセルは、例えば、図1の二重ノズルにおける内側ノズルと外側ノズルの間に中間ノズルを設けた三重ノズルを使用し、内側ノズルから内容液を、外側ノズルから皮膜液を、中間ノズルから例えば保護液等を吐出することにより製造するこができる。この場合、各液の吐出速度は、内容液の吐出速度が0.1~5mL/min、皮膜液の吐出速度が0.1~10mL/min、中間ノズルから吐出される液の吐出速度が0.1~10mL/min、キャリア液の吐出速度が15000~30000mL/minであればよく、2層構造のカプセルと同様の平均粒子径のソフトカプセル集合体が得られる。ゼラチンや、寒天及び水溶性高分子の混合物を材料とする皮膜は水を含有しているため、水と配合禁忌の関係にある物質をコアに含有させる場合には、皮膜とコアを隔離しなければならない。カプセルを三層構造として、皮膜層とコアの間に、例えば油性物質を含有する保護層を設けることにより、水と配合禁忌の関係にある物質をコアに含有したソフトカプセルを製造することができる。また、本発明の別の態様としては、粒子径が制限されず、皮膜で内容物が被包されたソフトカプセルの集合体であって、前記皮膜の表面に凹凸が形成され、円形度の平均が0.95以下であるソフトカプセル集合体や、前記皮膜の表面の凹凸度が20μm以上であるソフトカプセル集合体や、長短度の平均が0.04以上であるソフトカプセル集合体や、これらのソフトカプセル集合体を含む錠剤や、これらのソフトカプセル集合体を含む錠剤以外の経口投与用組成物や、外用薬用組成物等の非経口投与用組成物やその他の用途の組成物を挙げることができる。錠剤以外の組成物としては、医薬品として粉末状、粒状、散剤状、顆粒状、ドライシロップ剤、懸濁剤、軟膏剤、クリーム剤、パップ剤、液剤等の任意の固形状、半固形状、液状などの形態の組成物、及び食品として使用する場合、インスタント食品、レトルト食品、総菜、弁当、調味料、香辛料、冷凍食品、アイスクリーム、飲料等の固形状、半固形状、液状などの形態の組成物が掲げられる。前記円形度、凹凸度及び長短度の測定方法及び好ましい範囲は、これまで述べてきた方法及び範囲と同様であり、前記円形度、凹凸度又は長短度が前記範囲にある場合、粒子径にかかわらず他の固形状、半固形状の材料等との混合性向上効果や成形時の欠落防止効果が得られる。
 [実施例1]
 図1のような同芯二重ノズルを用い、内側ノズルからは表1に示す組成からなる内容液を、外側ノズルからは表2に示す組成からなる皮膜液を、形成管内部に流れるMCT中に吐出させて滴下し、得られた未乾燥カプセルを5日間MCT液(約4℃)中に浸漬した。MCT液中のカプセルを回収し、回収したカプセルをエタノールで洗浄後、約20℃で15時間静置して乾燥させた。皮膜率を40%とした。内容液の吐出速度は2.02mL/min、皮膜液の吐出速度は5.26mL/min、キャリア液の形成管内部への流入速度は20000mL/minとした。内側ノズルの吐出口の開口部の内径は0.5mm、外側ノズルの吐出口の開口部の内径は1mm、形成管の上端の開口部の内径は22mmであった。表1に示す組成からなる内容液の粘度は14.0mPa・s/21.8℃、表2に示す組成からなる皮膜液の粘度は36.8mPa・s/65.6℃であった。粘度は、粘度測定装置VISCOMETER TVC-1(東機産業(株))を使用して測定した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 [参考例1]
 実施例1で使用したものと同じノズルを用いて、内側ノズルからは表3に示す組成からなる内容液を、外側ノズルからは表4に示す組成からなる皮膜液を吐出させ、形成管内部に流れるMCT中に滴下し、得られた未乾燥粉末を5日間MCT液(約4℃)中に浸漬した。MCT液中のカプセルを回収し、回収したカプセルをエタノールで洗浄後、洗浄後のカプセルを、タンブラー乾燥装置(富士カプセル(株)製)を用いて22時間乾燥させた(乾燥温度約20℃)。皮膜率を40%とした。内容液の吐出速度は2.02mL/minとし、皮膜液の吐出速度は4.2mL/minとし、キャリア液の形成管内部への流入速度は20000mL/minとした。実施例1と同様に粘度を測定したところ、表3に示す組成からなる内容液の粘度は20.9mPa・s/21.1℃、表4に示す組成からなる皮膜液の粘度は36.9mPa・s/65℃であった。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
 [実施例2]
 実施例1で使用したものと同じノズルを用いて、内側ノズルからは表5に示す組成からなる内容液を、外側ノズルからは表6に示す組成からなる皮膜液を、形成管の内部に流れるMCT中に吐出させて滴下し、得られた未乾燥カプセルを5日間MCT液(約4℃)中に浸漬した。MCT液中のカプセルを回収し、回収したカプセルをエタノールで洗浄後、洗浄後のカプセルを15時間静置乾燥(乾燥温度:約23℃)させた。皮膜率を40%とした。内容液の吐出速度は2.02mL/minとし、皮膜液の吐出速度は5.26mL/minとし、キャリア液の形成管内部への流入速度は20000mL/minとした。実施例1と同様に粘度を測定したところ、表5に示す組成からなる内容液の粘度は20.9mPa・s/21.1℃、表6に示す組成からなる皮膜液の粘度は35.2mPa・s/65.0℃であった。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000005
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000006
[実施例3~7、比較例1~2]
 図1のような同芯二重ノズルを用いて、内側ノズルからは表7に示す組成からなる内容液を、外側ノズルからは表8に示す組成からなる皮膜液を、形成管内部に流れるMCT中に吐出させて滴下し、得られた未乾燥カプセルを5日間MCT液(約4℃)中に浸漬した。MCT液中のカプセルを回収し、回収したカプセルをエタノール(純度:99.5%、1~2℃)に浸漬後、タンブラー乾燥装置(富士カプセル(株)製)を用いて15時間乾燥させた(乾燥温度約20℃)。実施例3~7では、エタノールへの浸漬時間をそれぞれ2、3、5、10、15分とした。皮膜率を40%とした。内容液の吐出速度は1.80mL/min、皮膜液の吐出速度は4.91mL/min、キャリア液の形成管内部への流入速度は20000mL/minとした。内側ノズルの吐出口の開口部の内径は0.2mm、外側ノズルの吐出口の開口部の内径は0.6mm、形成管の上端の開口部の内径は22mmであった。表7に示す組成からなる内容液の粘度は21.6mPa・s/19.2℃、表8に示す組成からなる皮膜液の粘度は35.7mPa・s/68.9℃であった。粘度は、粘度測定装置VISCOMETER TVC-1(東機産業(株))を使用して測定した。実施例3~7と同じ条件で、エタノールへの浸漬時間を0、1分としたものを、それぞれ比較例1、2とした。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000007
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000008
[実施例8~11]
 実施例3~7と同じノズルを使用し、内側ノズルからは表9に示す組成からなる内容液を、外側ノズルからは表10に示す組成からなる皮膜液を、形成管内部に流れるMCT中に吐出させて滴下し、得られた未乾燥カプセルを5日間MCT液(約4℃)中に浸漬した。MCT液中のカプセルを回収し、回収したカプセルをエタノール(純度:99.5%、1~2℃)に浸漬後、タンブラー乾燥装置(富士カプセル(株)製)を用いて15時間乾燥させた(乾燥温度約20℃)。実施例8~11では、エタノールへの浸漬時間をそれぞれ2.5、5、10、15分とした。皮膜率を40%とした。内容液の吐出速度は1.80mL/min、皮膜液の吐出速度は4.91mL/min、キャリア液の形成管内部への流入速度は20000mL/minとした。内側ノズルの吐出口の開口部の内径は0.4mm、外側ノズルの吐出口の開口部の内径は0.8mm、形成管の上端の開口部の内径は22mmであった。表9に示す組成からなる内容液の粘度は20.8mPa・s/21.0℃、表10に示す組成からなる皮膜液の粘度は48.9mPa・s/61.6℃であった。粘度は、粘度測定装置VISCOMETER TVC-1(東機産業(株))を使用して測定した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000009
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000010
[参考例2](カラギナン皮膜カプセルの例)
 実施例1で使用したものと同じノズルを用いて、皮膜液の調製方法は国際公開パンフレットWO2010/146845の記載に準じ、外側ノズルからは「カラギナン88.9質量部、アルギン酸ナトリウム11.1質量部、グリセリン21.2質量部、リン酸水素2カリウム1.4質量部、クエン酸0.6質量部、及び適量の精製水」からなる皮膜液を、内側ノズルからは内容液としてMCT液を、形成管の内部に流れるMCT中に吐出させて滴下し、1日間MCT液(約4℃)に浸漬した。皮膜率を40%とした。内容液の吐出速度は2.02mL/minとし、皮膜液の吐出速度は5.26mL/minとし、キャリア液の形成管内部への流入速度は20000mL/minとした。こうして得られた未乾燥カプセルを、静置乾燥(約20℃)にて20時間乾燥し、ソフトカプセルを得た。簡易的にノギスにて直径を測定したところ、N=10の平均粒子径は670μmであった。
[得られたソフトカプセルの評価]
(粒子径の測定)
 実施例1~11、参考例1及び比較例1~2で得られたソフトカプセルを粒子画像分析装置(装置名:モフォロギG3、Malvern社)を用いて解析し、平均粒子径及び粒度分布を求めた。平均粒子径及び粒度分布は、前記粒子画像分析装置により求められる「Circle Equivalent(CE) diameter」の平均及び分布である。平均粒子径、最小粒子径及び最大粒子径を表11及び12に粒度分布を図2~4に示す。測定結果に示されるように、いずれの実施例においても平均粒子径が700μm以下のソフトカプセル集合体が得られ、参考例1では条件を調整することにより平均粒子径が600μm以下のソフトカプセル集合体を得ることができた。また、図2~4に示されるように得られたソフトカプセル集合体の粒度分布は非常にシャープであり、粒度分布の幅の狭いソフトカプセル集合体が得られた。表12からわかるように、ソフトカプセルの粒子径が200~900μm、300~900μm、又は400~900μmの範囲にあるソフトカプセル集合体が得られた。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000011
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000012
(粒子形状の観察)
 実施例、参考例及び比較例で得られたソフトカプセルを高分解能3DX線顕微鏡(nano3DX-J、(株)リガク)を用いて観察した。図5及び6に参考例1及び実施例2で観察されたX線CT画像を示す。また、実施例で得られたソフトカプセルを光化学顕微鏡(VHX-D510、(株)キーエンス)を用いて観察した。図7及び8に実施例1及び参考例1で観察された顕微鏡画像を示す。これらの観察結果から、いずれも真球に近い球状のソフトカプセルが得られたことが分かる。また、本製造方法によると、皮膜表面が滑らかなソフトカプセルが得られ、参考例1では非常に表面が平滑で滑らかなソフトカプセルが得られた。また、乾燥条件を調整することにより、実施例1~11のように表面に凹凸を有するソフトカプセルを得ることができる。表13に、凹凸度、平均円形度、平均長短度及び粒子径に対する皮膜の厚みの比(膜厚/直径(%))を示す。凹凸度は、高分解能3DX線顕微鏡(nano3DX-J、(株)リガク)を用いて、平面に置かれたソフトカプセル粒子の頂部から底部まで620枚の断面画像を撮影し頂部から310枚目の画像断面を使用して測定した。図9~19に凹凸度を測定した断面画像を示す。図9は比較例1、図10は比較例2、図11は実施例3、図12は実施例4、図13は実施例5、図14は実施例6、図15実施例7、図16実施例8、図17は実施例9、図18は実施例10、図19は実施例11の画像である。平均円形度と平均長短度は、それぞれ粒子画像分析装置(装置名:モフォロギG3、Malvern社)により求められる「HS Circularity」と「Elongation」である。また、膜厚/直径(%)は、凹凸度の測定に使用した断面画像から求めた。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000013
(混合性の観察)
 実施例及び比較例で得られたソフトカプセル集合体を、それぞれ1gずつ秤取し、シリカ(非晶質二酸化ケイ素:クリアソーブ、富士シリシア化学)9gとビニール袋内で軽く混合した後、15mLの蓋つき試験管に混合物を投入した。混合物が投入された試験管を小型振とう機(インビトロシェーカー TAITEC社製)で60rpm、10分間シーソー振とうを行った後、目視にて混合性を確認した。混合後の状態を撮影した写真を図20に示す。向かって左から順に比較例1、比較例2、実施例3、実施例4、実施例5で得られたマイクロカプセルを使用したものである。マイクロカプセルは赤色に着色されているので、比較例1及び2に比べ、実施例3~5では、赤色のマイクロカプセルが白色のシリカとよく混合され、マイクロカプセルがシリカ中に均一に近い状態で分散していることがわかる。
(打錠性の観察)
 錠剤1錠(200mg)中に、ソフトカプセル集合体が10mg、賦形剤として直打用噴霧乾燥マンニトール(Parteck200)が188mg、滑沢剤としてステアリン酸マグネシウムが2mgとなるように、これらを混合し、単発打錠機(N-30E)で8mmφの平型杵臼を使用して打錠圧8kNで、錠剤を打錠した。こうして得られた錠剤表面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察した画像を図21~23に示す。図21は実施例5で得られたマイクロカプセルを使用した錠剤(a)と比較例1で得られたマイクロカプセルを使用した錠剤(b)の画像であり、図22は実施例3で得られたマイクロカプセルを使用した錠剤(a)と比較例1で得られたマイクロカプセルを使用した錠剤(b)の画像であり、図23は、図21を更に拡大した画像である。図21~23からわかるように、本発明のマイクロカプセル集合体を使用した錠剤では、表面におけるマイクロカプセルの欠落が見られないのに対し、本発明における凹凸が形成されていないマイクロカプセルを使用した錠剤では、表面のマイクロカプセルが欠落していた。これは、図24に模式的に示したように、本発明のようなミクロンオーダーのマイクロカプセルの場合、賦形剤等の錠剤のマトリックス成分とマイクロカプセルとが接触する面積が少ないため、凹凸がなく表面が滑らかな球体に近いマイクロカプセルは錠剤表面から容易に欠落するためである。
 さらに、本発明に国際公開第2016/056229号パンフレットに記載の腸溶性シームレスカプセルの製造技術を適用することで、腸溶性のマイクロシームレスカプセルを得ることができる。腸溶性のマイクロシームレスカプセルは、OD錠(口腔内崩壊錠)中に組み入れることで、口中で錠剤成分が放出し、カプセル内容物は腸内で崩壊するような、DDS(DRUG DELIVERY SYSTEM)製剤への応用も期待できる。
 本発明のマイクロカプセル集合体は、医薬品、一般食品、機能性食品、健康食品等を含む食品、飲料、煙草、化粧品、農薬等に好適に使用できる。一般食品としては、例えば、レトルト食品、冷凍食品、弁当、総菜、インスタント食品、調味料、香辛料等の食事用食品のほかに、チューインガム、キャンディー、キャラメル、アイスキャンディー、アイスクリーム、ゼリー、チョコレート、タブレット状菓子(錠菓)等の菓子類を含み、化粧品としては、シェービングローション類、石鹸類、クリーム類およびフォーム類のような洗面用化粧品類、コロン類、消臭剤類、制汗剤類、バスオイル類、シャンプー類、頭髪トリートメント組成物、コンディショナー類、日焼けローション類、タルカムパウダー類、フェースクリーム類、ハンドクリーム類、点眼液類などを含む。例えば、医薬品の分野では、錠剤、粉末状、粒状、散剤状、顆粒状、ドライシロップ剤、懸濁剤、軟膏剤、クリーム剤、パップ剤、液剤等の任意の固形状、半固形状ないし液状の形態の組成物や皮下注射や筋肉注射用の懸濁性注射剤に使用することができ、食品の分野では、ガムや麺類等の食品に香味成分やうま味成分等を添加するために使用することができ、煙草のフレーバー用にフィルターに使用することができる。また、殺虫剤や殺鼠剤に使用すれば小さな生き物にも食べさせることができ、雨で溶けだす除草剤や土壌改良剤としても使用できる。本製造方法によると、粒子径が1mm未満のミクロンオーダーであるソフトカプセル、特に平均粒子径が800μm以下、500μm以下、400μm以下、300μm以下、200μm以下、あるいは100μm以下の微小なソフトカプセル集合体を製造できる。
 1  内容液用ノズル
 2  皮膜液用ノズル
 3  形成管の上端
 4  形成管
 5  外管

 

Claims (9)

  1. 皮膜で内容物が被包されたソフトカプセルの集合体であって、
    平均粒子径が900μm以下であり、
    前記皮膜の表面に凹凸が形成され、
    式(1)で表される円形度の平均が0.95以下であるソフトカプセル集合体。
    円形度=4πS/L     (1)
    (式(1)において、Sはソフトカプセル粒子の投影像の投影面積、Lは前記投影像の周囲長を表す。)
  2. 皮膜で内容物が被包されたソフトカプセルの集合体であって、
    平均粒子径が900μm以下であり、
    前記皮膜の表面に凹凸が形成され、
    前記凹凸の程度を示す凹凸度を、前記ソフトカプセルの断面を観察し、前記断面において重心を中心として、前記重心から最も離れた位置にある凸部に接する円の半径と、前記重心を中心として、前記重心から最も近い位置にある凹部に接する円の半径との差で定義したときに、
    前記凹凸度が20μm以上であるソフトカプセル集合体。
  3. 式(2)で表される長短度の平均が0.04以上であることを特徴とする請求項1又は2記載のソフトカプセル集合体。
    長短度=1-短径/長径    (2)
  4. ソフトカプセルの粒子径に対する皮膜の厚みの比が、0.08~0.15であることを特徴とする請求項1~3のいずれか記載のソフトカプセル集合体。
  5. 平均粒子径が700μm以下であることを特徴とする請求項1~4のいずれか記載のソフトカプセル集合体。
  6. 平均粒子径が300μm以上であることを特徴とする請求項1~5のいずれか記載のソフトカプセル集合体。
  7. 請求項1~6のいずれか記載のソフトカプセル集合体を含むことを特徴とする経口投与用組成物。
  8. ソフトカプセル集合体を0.1~50質量%含むことを特徴とする請求項7記載の経口投与用組成物。
  9. 錠剤であることを特徴とする請求項7又は8記載の経口投与用組成物。

     
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