JP2004105282A - 口腔内即溶シームレスカプセルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】口腔内で容易に破れる口腔内即溶性を有し、製造時に皮膜硬化不良や潰れなどを生じ難い口腔内即溶シームレスカプセルの製造方法の提供。
【解決手段】ゼラチンなどの皮膜形成剤とグリセリンなどの可塑剤とを含む皮膜物質で充填物質を被覆してなり、粒径が1〜10mm、皮膜物質と充填物質との質量比5:95〜70:30の範囲であるシームレスカプセルの製造方法であって、充填物質を含む芯液1と、皮膜物質を溶解した皮膜液3とを多重ノズル7から吐出させて多層液滴を形成し、硬化用液中に流しながら皮膜液を硬化させ、シームレスカプセルを形成し、硬化用液から分離したシームレスカプセルを後処理して実質的に相互付着性がないシームレスカプセルSCを形成する口腔内即溶シームレスカプセルの製造方法。
【選択図】 図1
【解決手段】ゼラチンなどの皮膜形成剤とグリセリンなどの可塑剤とを含む皮膜物質で充填物質を被覆してなり、粒径が1〜10mm、皮膜物質と充填物質との質量比5:95〜70:30の範囲であるシームレスカプセルの製造方法であって、充填物質を含む芯液1と、皮膜物質を溶解した皮膜液3とを多重ノズル7から吐出させて多層液滴を形成し、硬化用液中に流しながら皮膜液を硬化させ、シームレスカプセルを形成し、硬化用液から分離したシームレスカプセルを後処理して実質的に相互付着性がないシームレスカプセルSCを形成する口腔内即溶シームレスカプセルの製造方法。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、食品、健康食品、医薬、香料、香辛料等の充填物質をゼラチン、寒天等からなる皮膜物質で被覆してなるシームレスカプセルの製造方法に関し、特に口腔内で容易に皮膜が破れて充填物質を口腔内に放出可能な口腔内即溶性を有する口腔内即溶シームレスカプセルを製造するのに適した製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、被覆層に継ぎ目のないカプセル、即ちシームレスカプセルを製造する技術において、特に通常の軟カプセルより小さく、マイクロカプセルより大きなカプセルを製造するのに適した技術として、二重ノズル、三重ノズルなどの多重ノズルから多層液流を吐出させて多層液滴を形成させ、この多層液滴の最外層液を硬化用液と接触させて硬化させて皮膜を形成することにより、該皮膜で内層の液を被覆してシームレスカプセルを得る方法およびその製造に好適な製造装置が種々提案されている(例えば、特許文献1〜16参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開昭59−11859号公報
【特許文献2】
特開昭62−176536号公報
【特許文献3】
特開昭62−180744号公報
【特許文献4】
特開平4−322740号公報
【特許文献5】
特開平4−322741号公報
【特許文献6】
特開平5−228360号公報
【特許文献7】
特開平4−338230号公報
【特許文献8】
特開平5−200274号公報
【特許文献9】
特開平5−200275号公報
【特許文献10】
特開平5−200276号公報
【特許文献11】
特開平5−138012号公報
【特許文献12】
特開平6−134292号公報
【特許文献13】
特開平6−154587号公報
【特許文献14】
特開平8−10313号公報
【特許文献15】
特開平8−26976号公報
【特許文献16】
特開平9−155183号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年、菓子類、機能性食品、嗜好品等の食品分野において、口腔内で簡単に皮膜が破れ、該皮膜により封入されていた食品、医薬、香料等の充填物質が口腔内に放出され、即座に清涼感や口臭防止効果が得られる口腔内即溶性カプセルが開発されつつある。また、この種の口腔内即溶性カプセルは医薬品分野においても、水なしで容易に服薬可能なため、高齢者や小児等、嚥下機能が低下し服薬困難な患者に適した剤形として注目されている。そして前述したシームレスカプセルの製造技術を用い、口腔内即溶性カプセルの製造が試みられている。
しかしながら、口腔内即溶性カプセルの製造において、口腔内で破れ易い皮膜を形成するために、皮膜を薄くしたり又は口内で溶け易くすると、製造中に皮膜が十分に硬化しなかったり、硬化しても膜強度が弱く、硬化液と分離する際などでカプセルが変形したり破壊しやすくなり、製造が困難になる。一方、皮膜に十分な膜強度を持たせると、得られる製品は口腔内で皮膜が破れ難くなり、口腔内即溶性が十分に得られなくなる。
このように従来技術では、口腔内で容易に破れる口腔内即溶性を有する一方で、製造時に皮膜硬化不良や潰れなどのトラブルを生じ難い製品を製造することは困難であった。
【0005】
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、口腔内で容易に破れる口腔内即溶性を有し、しかも製造時に皮膜硬化不良や潰れなどのトラブルを生じ難い製品を製造し得る口腔内即溶シームレスカプセルの製造方法の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、皮膜形成剤と可塑剤とを含む皮膜物質で充填物質を被覆してなり、粒径が1〜10mm、皮膜物質と充填物質との質量比5:95〜70:30の範囲であり、前記可塑剤としてグリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールからなる群から選択される1種または2種以上を用い、可塑剤の添加量が、水を除く皮膜物質全量に対し20〜70質量%の範囲である口腔内即溶シームレスカプセルの製造方法であって、以下の各工程:
前記充填物質を含む芯液と、前記皮膜物質を溶解した皮膜液とを調製する工程;
内方ノズルとその内方ノズルを囲む外方ノズルとを有する多重ノズルに、前記芯液を内方ノズルから、前記皮膜液を外方ノズルからそれぞれ吐出させるように供給し、該多重ノズルから多層液流を吐出させて多層液滴を形成する工程;
前記多層液滴を、流路内を流れる硬化用液中に流しながら前記皮膜液を硬化させ、皮膜物質で芯液を被覆してなるシームレスカプセルを形成する工程;
前記シームレスカプセルを含む硬化用液からシームレスカプセルを分離する工程;及び
硬化用液から分離したシームレスカプセルの表面に付着した硬化用液を除去するとともに、表面が乾燥して実質的に相互付着性がないシームレスカプセルを形成する工程;
とを含むことを特徴とする口腔内即溶シームレスカプセルの製造方法を提供する。
本発明の口腔内即溶シームレスカプセルの製造方法において、可塑剤がグリセリンであることが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、口腔内で容易に破れる口腔内即溶性を得るため、各カプセル、例えばハードカプセル、ソフトカプセルおよびシームレスカプセルを種々検討した。ハードカプセルは口腔内で膨潤するだけで崩壊せず、口腔内即溶性は得られない。またソフトカプセルは製法上、皮膜物質が全質量中30質量%以上でなけれならない。さらに、シームレスカプセルにおいては、ゼラチン単独では溶解性は鈍化する。但し、カプセルの皮膜物質質量比は、シームレスカプセルが最も少なくて済み、シームレスカプセルが口腔内即溶カプセルとして最適であることは言うまでもない。また、一般的には皮膜物質のゼラチンに可塑剤を添加して用いるが、口腔内即溶カプセルに用いる可塑剤としては水溶性の可塑剤が好適であった。これらの検討結果から本発明者らは、皮膜形成剤と可塑剤とを含む皮膜物質で充填物質を被覆してなり、粒径が1〜10mm、皮膜物質と充填物質との質量比5:95〜70:30の範囲であり、前記可塑剤としてグリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールからなる群から選択される1種または2種以上を用い、可塑剤の添加量が、水を除く皮膜物質全量に対し20〜70質量%の範囲であるシームレスカプセルが口腔内即溶性カプセルとして特に優れていることを知見した。さらに本発明者らは、製造時に皮膜硬化不良や潰れなどのトラブルを生じ難い製品を製造し得る口腔内即溶シームレスカプセルの製造方法を確立し、本発明を完成させた。
【0008】
本発明のシームレスカプセルの製造方法は、
<工程A> 充填物質を含む芯液と、皮膜物質を溶解した皮膜液とを調製する工程;
<工程B> 内方ノズルとその内方ノズルを囲む外方ノズルとを有する多重ノズルに、前記芯液を内方ノズルから、前記皮膜液を外方ノズルからそれぞれ吐出させるように供給し、該多重ノズルから多層液流を吐出させて多層液滴を形成する工程;
<工程C> 前記多層液滴を、流路内を流れる硬化用液中に流しながら前記皮膜液を硬化させ、皮膜物質で芯液を被覆してなるシームレスカプセルを形成する工程;
<工程D> 前記シームレスカプセルを含む硬化用液からシームレスカプセルを分離する工程;及び
<工程E> 硬化用液から分離したシームレスカプセルの表面に付着した硬化用液を除去するとともに、表面が乾燥して実質的に相互付着性がないシームレスカプセルを形成する工程;
とを備え、工程A〜Eを順に行うことによって、ゼラチンなどの皮膜形成剤とグリセリンなどの可塑剤とを含む皮膜物質で充填物質を被覆してなり、粒径が1〜10mm、皮膜物質と充填物質との質量比5:95〜70:30の範囲であるシームレスカプセルを製造する。以下、各工程を詳細に説明する。
【0009】
<工程A>
本発明において、充填物質は、工程Bの多重ノズルから芯液として吐出させる際に液状であればよく、多層液滴の形成後は該芯液が液体のままでもよいし、あるいはシームレスカプセル形成後にゲル状あるいは固体となってもよい。この充填物質には、食品、健康食品、香料、香辛料、医薬、芳香剤などのシームレスカプセルの用途に応じて選択された主成分(医薬の場合は有効成分)の他、食品製造上または薬学上許容される各種の添加物、例えば食用油などの溶媒、甘味料、酸味料、香料、色素、増粘剤(ゲル化剤)、安定化剤、乳化剤などを含めることができる。充填物質を液状として調製する場合、前記主成分を溶媒に溶解させた透明な溶液、懸濁液、乳液(クリーム)の形態とすることができる。液状の充填物質、すなわち芯液を調製する方法は、食品製造分野または医薬品製造分野で公知の方法を用いることができる。例えば透明液状の芯液を調製するには、前記主成分、添加物を秤量し、食用油等の溶媒と混合し、必要に応じて加温、撹拌して均一な溶液とする方法が用いられる。また乳液状の芯液を調製するには、乳化剤を含む水性成分と油性成分とをホモジナイザーを用いて乳化し、油中水型エマルジョンを製造する従来公知の方法を用いることができる。例えば、高甘味度甘味料即ちアスパルテーム、スクラロースなどのエタノールへの分散・溶解可能な物質に関しては、直接油への分散では粒子径が大きくなりカプセル成形性が不安定になるため、先ずエタノールにホモジナイザーを用いてこれらを分散・溶解させ、これを油に溶解させる方法を用いることもできる。
【0010】
本発明において、皮膜物質は、ゼラチン、寒天などの食品製造上または薬学上許容される1種または複数の皮膜形成剤と、硬化後の皮膜が口腔内で容易に破れるように膜を柔らかくし、口腔内における膜強度を低下させるための可塑剤を含んでいる。可塑剤としてはグリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールからなる群から選択される1種または2種以上が用いられ、好適な可塑剤としてはグリセリンが挙げられる。この可塑剤の添加量は、皮膜物質全量(皮膜液の水以外の成分の合計量)に対し、20〜70質量%、好ましくは30〜65質量%、より好ましくは40〜60質量%とされる。グリセリンを可塑剤として前記範囲内で皮膜物質に配合することによって、硬化後の皮膜が柔軟となり、かつ口腔内で溶けやすくなる。
【0011】
また皮膜物質に、前記可塑剤とともに、皮膜物質の硬化後の硬度を高める物質、例えばソルビトールを加え、皮膜の硬度を調製してもよい。さらに増粘多糖類、ゲル化剤、蛋白分解物等を添加することによって、皮膜の経時安定性を向上させることができる。皮膜物質は色素で任意の色調に着色することができ、また香料、甘味料、酸味料等を加えることもできる。これらのソルビトール、増粘多糖類、ゲル化剤、蛋白分解物等は通常、皮膜物質全量に対し10質量%以下、好ましくは5質量%以下の量で添加される。
【0012】
少なくとも皮膜形成剤と可塑剤とを含む皮膜物質は、適量の水を加えて加温溶解して皮膜液を調製する。皮膜液中の皮膜物質の配合量(即ち水以外の成分の合計量)は、皮膜液全量に対し10〜50質量%、好ましくは20〜40質量%程度とされる。また皮膜形成物質の配合量は、ゼラチンの場合には皮膜液全量に対し15〜35質量%、好ましくは20〜30質量%程度である。
【0013】
皮膜形成剤に水を加えて加温溶解する方法は限定されず、例えば皮膜形成剤に水を加え膨潤させてから加温溶解する方法、皮膜形成剤を温水に投入して撹拌溶解する方法を用いることができる。この温水撹拌溶解方法であれば、短時間に調液ができる。加温温度は、使用する皮膜形成剤の種類に応じて設定され、例えばゼラチンの場合には45〜90℃程度、好ましくは45〜55℃程度に設定し得る。また気泡の含まれていない皮膜液を調製するために、減圧加温タンク内に皮膜物質と水とを投入し、減圧雰囲気下で加温撹拌し、脱気しながら皮膜液を調製することが望ましい。
【0014】
前記のように各々調製した芯液と皮膜液は、別個の貯液タンク等の適当な容器内に保管される。皮膜液は冷却してゲル化しないように保温しておく必要がある。皮膜液の保温温度は、使用する皮膜形成剤の種類に応じて設定され、例えばゼラチンの場合には45〜90℃、好ましくは45〜55℃程度とする。芯液と皮膜液との調製量は、完成したシームレスカプセルにおいて、皮膜物質と充填物質との質量比が5:95〜70:30の範囲のいずれかで設定した質量比に合わせて調製し、準備するのが好ましい。
【0015】
<工程B〜工程D>
工程B〜Dは従来公知のシームレスカプセル製造装置を用いて連続して実行することができる。図1は、本発明のシームレスカプセルの製造方法の工程B〜Dを連続的に実行するのに好適な製造装置を例示する概略構成図である。
【0016】
図1の液中ノズル式シームレスカプセル製造装置において、シームレスカプセルを形成するための芯液(内層液)1は、芯液用タンク2の中に貯留され、またこの芯液1を被覆する皮膜液(外層液)3は、被覆液用タンク4の中に貯留されている。
【0017】
芯液1は、ポンプ5により芯液用タンク2から管路6を経て多重ノズル7に圧送される一方、皮膜液3は、ポンプ8により被覆液用タンク4から管路9を経て前記多重ノズル7に圧送される。
【0018】
前記多重ノズル7は、流路管11の入口部すなわち硬化用液10の流入部11Aの中に挿入され、芯液1と皮膜液3とを流路管11内の硬化用液10の中に吐出して多層液滴を生成するよう構成されている。
【0019】
硬化用液10は、生成された多層液滴を冷却硬化させ、シームレスカプセルSCを形成する。硬化用液としては、皮膜液を冷却して硬化させる場合には、食用油、例えば中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)、このMCTにレシチンなどの界面活性剤を加え多層液滴の付着防止性を改善した硬化用液等が用いられる。硬化用液の温度は0℃〜室温程度に設定される。
【0020】
本装置において流路管11は曲折形状の筒体として形成され、略J字形の流入部11Aと、嵌合部11Cで該流入部11Aに互いに摺動かつ密封可能に入れ子式に嵌合された逆J字形の流出部11Bとにより構成されている。したがって、後述のように、流路管11は嵌合部11Cにおいて流入部11Aと流出部11Bとが互いに上下方向に相対移動でき、特に本装置では流出部11Bの方が上下動するよう構成されている。
【0021】
また、前記流路管11の流出部11Bの出口端の下方には、略漏斗形状の分離器12が配設されている。この分離器12は流路管11から一緒に流出したシームレスカプセルSCと硬化用液10とを互いに分離するもので、その内部には、シームレスカプセルSCは通過させず、かつ硬化用液10のみを通過させるメッシュ13が張設されている。
【0022】
分離器12は流路管11の流出部11Bと一緒に駆動源14、たとえばエアシリンダや油圧シリンダの如き流体圧シリンダ、あるいはモータなどで上下動されるようになっている。すなわち、流路管11の流出部11Bの一部は連結棒11Dに結合される一方、分離器12は連結棒12Aに結合され、しかもこれらの連結棒11Dと12Aとは連結部材15で互いに結合され、この連結部材15は駆動源14の一部、たとえばエアシリンダのピストンロッドに結合されている。
【0023】
したがって、駆動源14を駆動させ、たとえばエアシリンダのピストンロッドを上下方向に往復移動させると、流路管11の流出部11Bと分離器12とは、連結部材15および各連結棒11D,12Aを介して一緒に等距離だけ上下動する。
【0024】
これにより、流路管11の流入部11Aの液面と流出部11Bの液面との高さの差Δhは可変調節され、流路管11内における硬化用液10の流速が可変調節される。
【0025】
しかも、流路管11の流出部11Bと分離器12が一緒に上下動することにより、流出部11Bにおける硬化用液10の液面と分離器12(特にそのメッシュ13)との間の高さの差が一定に保たれる。
【0026】
分離器12でシームレスカプセルSCから分離された硬化用液10は、下方の分離タンク16の中に回収される。
【0027】
前記分離器12の下端の小径部は分離タンク16の上端の筒状部と互いに嵌合され、該分離器12が上下動しても分離タンク16から外れないよう構成されている。
【0028】
分離タンク16内の硬化用液10はポンプ19により管路20を経て冷却タンク21に圧送される。冷却タンク21内での硬化用液10は冷却器22で所定の温度に冷却された後、ポンプ23により管路24を経て流路管11の中に戻される。
【0029】
このシームレスカプセル製造装置は液中ノズル式の構造であるので、多重ノズル7は、硬化用液10を供給するための流路を形成する流路管11の入口部に挿入され、液中に芯液1と皮膜液3とを吐出し、後者が前者の全周囲を被覆するように構成されている。
【0030】
したがって、本実施例では、多重ノズル7から吐出された芯液1と皮膜液3とが流路管11内の硬化用液10の中において多層液滴として形成され(工程B)、流路管11の中を流れるにつれて硬化用液10の働きで冷却硬化され、シームレスカプセルSCとして形成される(工程C)。そして、このようにして形成されたシームレスカプセルSCは、流路管11の流出部11Bの出口端から分離器12のメッシュ13の上に硬化用液10と共に流下し、該メッシュ13で硬化用液10から分離され(工程D)、かつ該硬化用液10はメッシュ13を通過して分離タンク16の中に回収される。一方、メッシュ13の上に捕集されたシームレスカプセルSCは後で適当な量に達した時にバッチ式に、図示しない製品回収容器の中に回収される。
【0031】
本装置においては、流路管11の流入部11Aと流出部11Bとの液面高さの差Δhを調節する場合、流路管11の流出部11Bが駆動源14で流入部11Aに対して上下動可能であるので、流路管11内における硬化用液10の流速は前記液面高さの差Δhを下降位置と上昇位置との間で任意に変化させることにより、任意に最適位置に調節できる。
【0032】
また、本装置では、流路管11の流出部11Bと分離器12とが一緒に等距離だけ上下動されるので、流出部11Bの硬化用液10の液面と分離器12との高さの差が一定に保たれる。したがって、本実施例におけるシームレスカプセルSCは常に所望の球形状となり、しかもシームレスカプセルSCの破壊や飛散を生じることも防止できる。本発明にあっては、シームレスカプセルSCの粒径を1〜10mmとする。この範囲の粒径のシームレスカプセルSCは、製造が容易であり、また使用者がカプセルを取り扱いやすく、口に含むのに適した大きさである。
【0033】
特に、本装置では、流路管11の流出部11Bと分離器12とは、連結棒11D,12Aと連結部材15とで互いに構造的に結合された一体構造とされ、その一体構造のまま流体圧シリンダの如き駆動源14で上下移動されるので、流出部11Bと分離器12とは常に確実に等距離だけ上下移動され、その構造も簡単かつ安価である。
【0034】
工程Bにおいて、多重ノズルは二重ノズルの他に三重ノズルなどでもよく、その多層液滴の生成のために必要な振動方式もノズル加振方式の他に、リング加振方式やチューブ加振方式などの様々なものを利用できる。勿論、多重ノズルの代わりに、1層のみの液滴を噴出する単ノズルであってもよい。
【0035】
工程Bにおいて、多重ノズル7は先端角度(円錐状部分の角度)が90°以下のものを用いるのが望ましい。先端角度が90°以下の多重ノズル7を用いることにより、多重ノズル7先端に接して流れる硬化用液の流れに乱流を生じさせることがなく、均一な粒径のシームレスカプセルSCを形成することができる。
【0036】
工程Bにおいて、多重ノズル7の外方ノズルと内方ノズルとのそれぞれの先端は、同一平面上に配置してもよいし、外方ノズル先端よりも内方ノズル先端を1〜5mm突出した構造としてもよい。
【0037】
工程Bにおいて、多重ノズル7の先端位置を、流路管11の軸線中心と一致させてもよいし、軸線中心から偏心させて配置してもよい。多重ノズル7の先端位置を流路管11の軸線中心と一致させる場合には、多重ノズル7から吐出される多層液滴が多重ノズル7の軸線中心部に沿って真っ直ぐに流下する。一方、多重ノズル7の先端位置を軸線中心から偏心させて配置した場合には、多層液滴は流路管11の内壁近傍をスパイラル状の軌道に沿って流下するので、多層液滴の流下時間を長くすることができる。また、多重ノズル7の位置を流路管11の軸線中心に対し変位可能とすることで、シームレスカプセルの出来上がり状態を調整することができ、偏肉やアイズの発生を防止して高品質の製品を得ることができる。
【0038】
工程B及びCにおいて、流路管11のいずれかにストロボスコープを配置し、流路管11内を流下する多重液滴の粒径および形状をモニターできるように構成することが望ましい。このようにストロボスコープによって多重液滴をモニターすることで、製造するべきシームレスカプセルの粒径に合わせて多重ノズル7からの各液の吐出条件、振動条件、硬化用液の流速等を迅速に調整でき、目的の粒径を有し、偏肉やアイズのないシームレスカプセルを無駄なく製造できる。
【0039】
工程Cにおいて、硬化用液10が流路管11に流れ込む部分を、オーバーフロー方式とし、流路管11の端面の全周から硬化用液10が流入するように構成することが望ましい。流路管11の端面の全周から硬化用液10を流入させることで、流路管11内の硬化用液流に局部的な乱流が発生するのを防ぐことができる。
【0040】
工程Cにおいて、循環使用される硬化用液10から水分を除去する脱水手段を硬化溶液10と接するいずれかに設けることが望ましい。硬化用液10には大気中、あるいは多層液滴から水分が混入する可能性がある。硬化用液10中の水分量が増加すると、皮膜が変形したり、カプセル同士が接着し易くなり、さらに皮膜液の硬化状態にバラツキを生じるなどの不具合が起こるおそれがある。前記脱水手段を設けて硬化用液10の水分含量を可能な限り減じておくことで、高品質のシームレスカプセルSCを安定して製造できる。前記脱水手段としては、吸水材吸収方式、冷却トラップ方式、マイクロ波加熱方式などのいずれかを選択使用でき、通常はシリカゲルなどの吸水材と硬化用液10とを接触させる簡単なものが用いられる。
【0041】
工程Dにおいて、分離器12のメッシュ13の上に硬化用液10と共に流下し、該メッシュ13で硬化用液10からシームレスカプセルSCを分離することに代えて、メッシュまたは布フィルター製のベルトコンベアを備えた分離・搬送装置を用い、ベルトコンベアで流路管11からの流出物を受け、硬化用液10を落下、回収してシームレスカプセルSCのみをベルトコンベアで移送する構成としてもよい。このような分離・搬送装置を用いることで、分離されたシームレスカプセルSCが積み重なって下方側のカプセルが変形したり潰れる不具合を防ぐことができる。
【0042】
<工程E>
前述した工程B〜Dを経て製造され、硬化用液と分離されたシームレスカプセルは、工程Eにおいてシームレスカプセル表面に付着した硬化用液を除去するとともに、表面が乾燥して実質的に相互付着性がないシームレスカプセルを形成する。本発明の好ましい実施形態において、この工程Eは、以下のサブ工程e1〜e7を備えている。
【0043】
工程e1:工程Dで硬化用液から分離したシームレスカプセルを、そのまま又は皮膜を溶解しない液体からなる保冷液に浸漬し、0℃〜20℃、好ましくは1〜10℃程度に保冷し、皮膜の硬化を促進する工程、
工程e2:保冷後のシームレスカプセルを遠心分離して、カプセル表面に付着した液体を除去する工程、
工程e3:遠心分離後のシームレスカプセルを乾燥させる工程、
工程e4:乾燥後のシームレスカプセルを有機溶媒で洗浄する工程、
工程e5:有機溶媒で洗浄した後のシームレスカプセルを乾燥させる工程、
工程e6:工程e5終了後のシームレスカプセルを篩過、選別する工程、
工程e7:乾燥終了後又は篩過、選別後のシームレスカプセルを包装する工程。
【0044】
工程e1において、保冷方法は特に限定されず、硬化用液から分離したシームレスカプセルをトレーに入れ、保冷液を入れ、トレーごと冷蔵庫に入れ、一定時間冷却する方法、シームレスカプセルをコンベア上で搬送しつつ、トンネル式冷却機を通過させて保冷する方法、冷却板と接触させる方法などを用いることができる。保冷液は皮膜を軟化、溶解または崩壊させない材料、例えば中鎖脂肪酸トリグリセリドのような食用油、レシチンなどの界面活性剤を含む食用油などが好ましい。
【0045】
工程e1において、保冷温度を2℃程度とすることで、カプセル皮膜中の水分の凍結を防ぎつつ、カプセル皮膜の硬化を促進することが望ましい。
【0046】
工程e2において、遠心分離条件は、シームレスカプセルの皮膜に付着している油等の液体が外観上無くなる一方、皮膜が変形したり破れない程度の回転数と時間で行われる。この遠心分離によってシームレスカプセル表面の油をできるだけ除去することによって、次の工程e3の乾燥工程における乾燥効率が向上し、乾燥に必要な時間を短縮できる。
【0047】
工程e2において、遠心分離を用いる皮膜表面の脱油処理に代えて、布、親油処理した紙、不織布などでカプセルをラビング処理することで、皮膜表面の油を除去してもよい。
【0048】
工程e3において、乾燥方式は特に限定されず、従来より粒状物の乾燥に用いられている方法及び装置を用いて実施できる。例えば通風乾燥法(流動床乾燥法を含む)、ドラム乾燥法、減圧乾燥法などを用いることができる。通風乾燥法またはドラム乾燥法を用いる場合、シームレスカプセルを皮膜軟化温度以下、好ましくは0〜40℃、より好ましくは10〜30℃の空気流と接触させる。
【0049】
工程e3において、ドラム乾燥法を用いる場合にはドラム内にシームレスカプセルのスリップを防ぐバッフルを設けることが望ましい。シームレスカプセルがドラム内でスリップすると乾燥状態がばらついて、未乾燥部分を生じるおそれがある。
【0050】
工程e3において、通風乾燥法またはドラム乾燥法を用いる場合、導入する空気の温度は、乾燥開始から終了まで同一温度(例えば室温の空気)としてもよいし、途中で温度を変化させてもよい。例えば、乾燥開始当初は25℃以下の冷風を用い、所定時間経過後に25℃以上の空気を供給して乾燥を行ってもよい。導入空気は湿度を低くしておくことが望ましく、必要に応じてシリカゲル等の吸水材層を通過させて乾燥した空気を供給してよい。
【0051】
工程e3において、通風乾燥法またはドラム乾燥法を用いる場合、シームレスカプセルを載せる通気板またはドラムの目開きは、シームレスカプセルの粒径に応じて選択使用することが望ましい。
【0052】
工程e4において、シームレスカプセルを洗浄するのに用いる有機溶媒は、シームレスカプセルの皮膜に付着している油分(硬化用液、保冷液)を溶解できるとともに、皮膜を軟化、溶解又は崩壊させない有機溶媒であればよく、好ましくはエチルアルコール、酢酸エチル、アセトン、ヘキサンなどの炭化水素またはそれらの混合液が挙げられる。
【0053】
工程e4において、シームレスカプセルを有機溶媒で洗浄する方法は特に限定されず、シームレスカプセルを有機溶媒中にドブ漬けした後、カプセルを引き上げる方法、シームレスカプセルに有機溶媒の液滴または霧を散布する方法などが用いられる。有機溶媒の温度は0〜40℃程度、好ましくは室温とする。洗浄回数、洗浄時間は特に限定されず、1回又は複数回洗浄を繰り返してもよい。この洗浄操作において、シームレスカプセルの皮膜を傷めない程度に撹拌したり、超音波を加えて洗浄効率を高めてもよい。洗浄後の有機溶媒は、回収して精製し、再使用される。
【0054】
工程e5の乾燥(二次乾燥)は、有機溶媒で洗浄後、シームレスカプセルから有機溶媒を除去するために主として行われる。この乾燥方式は特に限定されず、従来より粒状物の乾燥に用いられている方法及び装置を用いて実施できる。例えば通風乾燥法(流動床乾燥法を含む)、ドラム乾燥法、減圧乾燥法、遠心乾燥法などを用いることができる。その温度、湿度、使用機器等は、工程e3の乾燥工程とほぼ同様としてよい。乾燥装置からの有機溶媒を含む排気ガスは、冷却トラップや適当な溶媒吸着剤に接触させて脱溶媒処理される。
【0055】
工程e6において、二次乾燥工程(工程e5)終了後のシームレスカプセルを篩過、選別する方法は、従来より粒状物、特に軟カプセル等のカプセル状医薬の製品検査に用いられている手法を用いて行うことができる。シームレスカプセルにおける検査項目としては、粒径の大小、形状異常品の有無、皮膜潰れの有無、濁りや夾雑物の有無、外観不良品(偏肉、アイズなど)の有無、複数個融着品の有無などが挙げられる。内容物に関しては、シームレスカプセルを抜き出し、製薬上または食品衛生上必要な各種分析試験を施す。
【0056】
工程e7において、乾燥終了後又は篩過、選別後のシームレスカプセルを包装する前に、例えば乳糖、マンニトール、粉末オブラート、コーンスターチなどのデンプンなどの食品製造上または薬学上許容される粉体を付着防止剤としてカプセル表面に適量振りかけ、カプセルのブロッキング防止を図ってもよい。
【0057】
なお、前記実施形態は本発明の一例を示したに過ぎず、本発明は前記例示に限定されることなく種々の変更が可能である。
【0058】
【実施例】
以下、実施例により本発明の効果を明確にする。
充填液(芯液)として中鎖脂肪酸トリグリセリドと、皮膜物質として表1中に記した各組成の皮膜物質30質量%と水70重量%を混合し加熱溶解した皮膜液とを用い、シームレスミニカプセル製造装置「スフェレックス(登録商標)」(フロイント産業株式会社製)を用いて、その多重ノズルから4〜20個/秒の速度にて7℃に冷却した中鎖脂肪酸トリグリセリドからなる硬化用液中に多層液滴を滴下し、表1に記したNo.1〜6の各組成のシームレスカプセルを製造した。
【0059】
製造したNo.1〜6の各カプセルについて、日局崩壊試験に準拠して崩壊試験を実施した。結果を表1にまとめて記す。
【0060】
【表1】
【0061】
表1の結果から、本発明に係るNo.1〜3のシームレスカプセルは崩壊性に優れており、口腔内即溶シームレスカプセルとして好適である。
No.4のシームレスカプセルはNo.3に比べ、崩壊までに時間がかかる。No.5及びNo.6のシームレスカプセルは崩壊までにさらに時間がかかり、口腔内即溶カプセルに適した組成とは言えない。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、口腔内で容易に破れる口腔内即溶性を有し、製造時に皮膜硬化不良や潰れなどのトラブルを生じ難い製品を製造できる口腔内即溶シームレスカプセルの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施するのに好適な液中ノズル式シームレスカプセル製造装置を例示する概略構成図である。
【符号の説明】
1 芯液
3 皮膜液
7 多重ノズル
10 硬化用液
11 流路管
12 分離器
13 メッシュ
14 駆動源
SC シームレスカプセル
【発明の属する技術分野】
本発明は、食品、健康食品、医薬、香料、香辛料等の充填物質をゼラチン、寒天等からなる皮膜物質で被覆してなるシームレスカプセルの製造方法に関し、特に口腔内で容易に皮膜が破れて充填物質を口腔内に放出可能な口腔内即溶性を有する口腔内即溶シームレスカプセルを製造するのに適した製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、被覆層に継ぎ目のないカプセル、即ちシームレスカプセルを製造する技術において、特に通常の軟カプセルより小さく、マイクロカプセルより大きなカプセルを製造するのに適した技術として、二重ノズル、三重ノズルなどの多重ノズルから多層液流を吐出させて多層液滴を形成させ、この多層液滴の最外層液を硬化用液と接触させて硬化させて皮膜を形成することにより、該皮膜で内層の液を被覆してシームレスカプセルを得る方法およびその製造に好適な製造装置が種々提案されている(例えば、特許文献1〜16参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開昭59−11859号公報
【特許文献2】
特開昭62−176536号公報
【特許文献3】
特開昭62−180744号公報
【特許文献4】
特開平4−322740号公報
【特許文献5】
特開平4−322741号公報
【特許文献6】
特開平5−228360号公報
【特許文献7】
特開平4−338230号公報
【特許文献8】
特開平5−200274号公報
【特許文献9】
特開平5−200275号公報
【特許文献10】
特開平5−200276号公報
【特許文献11】
特開平5−138012号公報
【特許文献12】
特開平6−134292号公報
【特許文献13】
特開平6−154587号公報
【特許文献14】
特開平8−10313号公報
【特許文献15】
特開平8−26976号公報
【特許文献16】
特開平9−155183号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年、菓子類、機能性食品、嗜好品等の食品分野において、口腔内で簡単に皮膜が破れ、該皮膜により封入されていた食品、医薬、香料等の充填物質が口腔内に放出され、即座に清涼感や口臭防止効果が得られる口腔内即溶性カプセルが開発されつつある。また、この種の口腔内即溶性カプセルは医薬品分野においても、水なしで容易に服薬可能なため、高齢者や小児等、嚥下機能が低下し服薬困難な患者に適した剤形として注目されている。そして前述したシームレスカプセルの製造技術を用い、口腔内即溶性カプセルの製造が試みられている。
しかしながら、口腔内即溶性カプセルの製造において、口腔内で破れ易い皮膜を形成するために、皮膜を薄くしたり又は口内で溶け易くすると、製造中に皮膜が十分に硬化しなかったり、硬化しても膜強度が弱く、硬化液と分離する際などでカプセルが変形したり破壊しやすくなり、製造が困難になる。一方、皮膜に十分な膜強度を持たせると、得られる製品は口腔内で皮膜が破れ難くなり、口腔内即溶性が十分に得られなくなる。
このように従来技術では、口腔内で容易に破れる口腔内即溶性を有する一方で、製造時に皮膜硬化不良や潰れなどのトラブルを生じ難い製品を製造することは困難であった。
【0005】
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、口腔内で容易に破れる口腔内即溶性を有し、しかも製造時に皮膜硬化不良や潰れなどのトラブルを生じ難い製品を製造し得る口腔内即溶シームレスカプセルの製造方法の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、皮膜形成剤と可塑剤とを含む皮膜物質で充填物質を被覆してなり、粒径が1〜10mm、皮膜物質と充填物質との質量比5:95〜70:30の範囲であり、前記可塑剤としてグリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールからなる群から選択される1種または2種以上を用い、可塑剤の添加量が、水を除く皮膜物質全量に対し20〜70質量%の範囲である口腔内即溶シームレスカプセルの製造方法であって、以下の各工程:
前記充填物質を含む芯液と、前記皮膜物質を溶解した皮膜液とを調製する工程;
内方ノズルとその内方ノズルを囲む外方ノズルとを有する多重ノズルに、前記芯液を内方ノズルから、前記皮膜液を外方ノズルからそれぞれ吐出させるように供給し、該多重ノズルから多層液流を吐出させて多層液滴を形成する工程;
前記多層液滴を、流路内を流れる硬化用液中に流しながら前記皮膜液を硬化させ、皮膜物質で芯液を被覆してなるシームレスカプセルを形成する工程;
前記シームレスカプセルを含む硬化用液からシームレスカプセルを分離する工程;及び
硬化用液から分離したシームレスカプセルの表面に付着した硬化用液を除去するとともに、表面が乾燥して実質的に相互付着性がないシームレスカプセルを形成する工程;
とを含むことを特徴とする口腔内即溶シームレスカプセルの製造方法を提供する。
本発明の口腔内即溶シームレスカプセルの製造方法において、可塑剤がグリセリンであることが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、口腔内で容易に破れる口腔内即溶性を得るため、各カプセル、例えばハードカプセル、ソフトカプセルおよびシームレスカプセルを種々検討した。ハードカプセルは口腔内で膨潤するだけで崩壊せず、口腔内即溶性は得られない。またソフトカプセルは製法上、皮膜物質が全質量中30質量%以上でなけれならない。さらに、シームレスカプセルにおいては、ゼラチン単独では溶解性は鈍化する。但し、カプセルの皮膜物質質量比は、シームレスカプセルが最も少なくて済み、シームレスカプセルが口腔内即溶カプセルとして最適であることは言うまでもない。また、一般的には皮膜物質のゼラチンに可塑剤を添加して用いるが、口腔内即溶カプセルに用いる可塑剤としては水溶性の可塑剤が好適であった。これらの検討結果から本発明者らは、皮膜形成剤と可塑剤とを含む皮膜物質で充填物質を被覆してなり、粒径が1〜10mm、皮膜物質と充填物質との質量比5:95〜70:30の範囲であり、前記可塑剤としてグリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールからなる群から選択される1種または2種以上を用い、可塑剤の添加量が、水を除く皮膜物質全量に対し20〜70質量%の範囲であるシームレスカプセルが口腔内即溶性カプセルとして特に優れていることを知見した。さらに本発明者らは、製造時に皮膜硬化不良や潰れなどのトラブルを生じ難い製品を製造し得る口腔内即溶シームレスカプセルの製造方法を確立し、本発明を完成させた。
【0008】
本発明のシームレスカプセルの製造方法は、
<工程A> 充填物質を含む芯液と、皮膜物質を溶解した皮膜液とを調製する工程;
<工程B> 内方ノズルとその内方ノズルを囲む外方ノズルとを有する多重ノズルに、前記芯液を内方ノズルから、前記皮膜液を外方ノズルからそれぞれ吐出させるように供給し、該多重ノズルから多層液流を吐出させて多層液滴を形成する工程;
<工程C> 前記多層液滴を、流路内を流れる硬化用液中に流しながら前記皮膜液を硬化させ、皮膜物質で芯液を被覆してなるシームレスカプセルを形成する工程;
<工程D> 前記シームレスカプセルを含む硬化用液からシームレスカプセルを分離する工程;及び
<工程E> 硬化用液から分離したシームレスカプセルの表面に付着した硬化用液を除去するとともに、表面が乾燥して実質的に相互付着性がないシームレスカプセルを形成する工程;
とを備え、工程A〜Eを順に行うことによって、ゼラチンなどの皮膜形成剤とグリセリンなどの可塑剤とを含む皮膜物質で充填物質を被覆してなり、粒径が1〜10mm、皮膜物質と充填物質との質量比5:95〜70:30の範囲であるシームレスカプセルを製造する。以下、各工程を詳細に説明する。
【0009】
<工程A>
本発明において、充填物質は、工程Bの多重ノズルから芯液として吐出させる際に液状であればよく、多層液滴の形成後は該芯液が液体のままでもよいし、あるいはシームレスカプセル形成後にゲル状あるいは固体となってもよい。この充填物質には、食品、健康食品、香料、香辛料、医薬、芳香剤などのシームレスカプセルの用途に応じて選択された主成分(医薬の場合は有効成分)の他、食品製造上または薬学上許容される各種の添加物、例えば食用油などの溶媒、甘味料、酸味料、香料、色素、増粘剤(ゲル化剤)、安定化剤、乳化剤などを含めることができる。充填物質を液状として調製する場合、前記主成分を溶媒に溶解させた透明な溶液、懸濁液、乳液(クリーム)の形態とすることができる。液状の充填物質、すなわち芯液を調製する方法は、食品製造分野または医薬品製造分野で公知の方法を用いることができる。例えば透明液状の芯液を調製するには、前記主成分、添加物を秤量し、食用油等の溶媒と混合し、必要に応じて加温、撹拌して均一な溶液とする方法が用いられる。また乳液状の芯液を調製するには、乳化剤を含む水性成分と油性成分とをホモジナイザーを用いて乳化し、油中水型エマルジョンを製造する従来公知の方法を用いることができる。例えば、高甘味度甘味料即ちアスパルテーム、スクラロースなどのエタノールへの分散・溶解可能な物質に関しては、直接油への分散では粒子径が大きくなりカプセル成形性が不安定になるため、先ずエタノールにホモジナイザーを用いてこれらを分散・溶解させ、これを油に溶解させる方法を用いることもできる。
【0010】
本発明において、皮膜物質は、ゼラチン、寒天などの食品製造上または薬学上許容される1種または複数の皮膜形成剤と、硬化後の皮膜が口腔内で容易に破れるように膜を柔らかくし、口腔内における膜強度を低下させるための可塑剤を含んでいる。可塑剤としてはグリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールからなる群から選択される1種または2種以上が用いられ、好適な可塑剤としてはグリセリンが挙げられる。この可塑剤の添加量は、皮膜物質全量(皮膜液の水以外の成分の合計量)に対し、20〜70質量%、好ましくは30〜65質量%、より好ましくは40〜60質量%とされる。グリセリンを可塑剤として前記範囲内で皮膜物質に配合することによって、硬化後の皮膜が柔軟となり、かつ口腔内で溶けやすくなる。
【0011】
また皮膜物質に、前記可塑剤とともに、皮膜物質の硬化後の硬度を高める物質、例えばソルビトールを加え、皮膜の硬度を調製してもよい。さらに増粘多糖類、ゲル化剤、蛋白分解物等を添加することによって、皮膜の経時安定性を向上させることができる。皮膜物質は色素で任意の色調に着色することができ、また香料、甘味料、酸味料等を加えることもできる。これらのソルビトール、増粘多糖類、ゲル化剤、蛋白分解物等は通常、皮膜物質全量に対し10質量%以下、好ましくは5質量%以下の量で添加される。
【0012】
少なくとも皮膜形成剤と可塑剤とを含む皮膜物質は、適量の水を加えて加温溶解して皮膜液を調製する。皮膜液中の皮膜物質の配合量(即ち水以外の成分の合計量)は、皮膜液全量に対し10〜50質量%、好ましくは20〜40質量%程度とされる。また皮膜形成物質の配合量は、ゼラチンの場合には皮膜液全量に対し15〜35質量%、好ましくは20〜30質量%程度である。
【0013】
皮膜形成剤に水を加えて加温溶解する方法は限定されず、例えば皮膜形成剤に水を加え膨潤させてから加温溶解する方法、皮膜形成剤を温水に投入して撹拌溶解する方法を用いることができる。この温水撹拌溶解方法であれば、短時間に調液ができる。加温温度は、使用する皮膜形成剤の種類に応じて設定され、例えばゼラチンの場合には45〜90℃程度、好ましくは45〜55℃程度に設定し得る。また気泡の含まれていない皮膜液を調製するために、減圧加温タンク内に皮膜物質と水とを投入し、減圧雰囲気下で加温撹拌し、脱気しながら皮膜液を調製することが望ましい。
【0014】
前記のように各々調製した芯液と皮膜液は、別個の貯液タンク等の適当な容器内に保管される。皮膜液は冷却してゲル化しないように保温しておく必要がある。皮膜液の保温温度は、使用する皮膜形成剤の種類に応じて設定され、例えばゼラチンの場合には45〜90℃、好ましくは45〜55℃程度とする。芯液と皮膜液との調製量は、完成したシームレスカプセルにおいて、皮膜物質と充填物質との質量比が5:95〜70:30の範囲のいずれかで設定した質量比に合わせて調製し、準備するのが好ましい。
【0015】
<工程B〜工程D>
工程B〜Dは従来公知のシームレスカプセル製造装置を用いて連続して実行することができる。図1は、本発明のシームレスカプセルの製造方法の工程B〜Dを連続的に実行するのに好適な製造装置を例示する概略構成図である。
【0016】
図1の液中ノズル式シームレスカプセル製造装置において、シームレスカプセルを形成するための芯液(内層液)1は、芯液用タンク2の中に貯留され、またこの芯液1を被覆する皮膜液(外層液)3は、被覆液用タンク4の中に貯留されている。
【0017】
芯液1は、ポンプ5により芯液用タンク2から管路6を経て多重ノズル7に圧送される一方、皮膜液3は、ポンプ8により被覆液用タンク4から管路9を経て前記多重ノズル7に圧送される。
【0018】
前記多重ノズル7は、流路管11の入口部すなわち硬化用液10の流入部11Aの中に挿入され、芯液1と皮膜液3とを流路管11内の硬化用液10の中に吐出して多層液滴を生成するよう構成されている。
【0019】
硬化用液10は、生成された多層液滴を冷却硬化させ、シームレスカプセルSCを形成する。硬化用液としては、皮膜液を冷却して硬化させる場合には、食用油、例えば中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)、このMCTにレシチンなどの界面活性剤を加え多層液滴の付着防止性を改善した硬化用液等が用いられる。硬化用液の温度は0℃〜室温程度に設定される。
【0020】
本装置において流路管11は曲折形状の筒体として形成され、略J字形の流入部11Aと、嵌合部11Cで該流入部11Aに互いに摺動かつ密封可能に入れ子式に嵌合された逆J字形の流出部11Bとにより構成されている。したがって、後述のように、流路管11は嵌合部11Cにおいて流入部11Aと流出部11Bとが互いに上下方向に相対移動でき、特に本装置では流出部11Bの方が上下動するよう構成されている。
【0021】
また、前記流路管11の流出部11Bの出口端の下方には、略漏斗形状の分離器12が配設されている。この分離器12は流路管11から一緒に流出したシームレスカプセルSCと硬化用液10とを互いに分離するもので、その内部には、シームレスカプセルSCは通過させず、かつ硬化用液10のみを通過させるメッシュ13が張設されている。
【0022】
分離器12は流路管11の流出部11Bと一緒に駆動源14、たとえばエアシリンダや油圧シリンダの如き流体圧シリンダ、あるいはモータなどで上下動されるようになっている。すなわち、流路管11の流出部11Bの一部は連結棒11Dに結合される一方、分離器12は連結棒12Aに結合され、しかもこれらの連結棒11Dと12Aとは連結部材15で互いに結合され、この連結部材15は駆動源14の一部、たとえばエアシリンダのピストンロッドに結合されている。
【0023】
したがって、駆動源14を駆動させ、たとえばエアシリンダのピストンロッドを上下方向に往復移動させると、流路管11の流出部11Bと分離器12とは、連結部材15および各連結棒11D,12Aを介して一緒に等距離だけ上下動する。
【0024】
これにより、流路管11の流入部11Aの液面と流出部11Bの液面との高さの差Δhは可変調節され、流路管11内における硬化用液10の流速が可変調節される。
【0025】
しかも、流路管11の流出部11Bと分離器12が一緒に上下動することにより、流出部11Bにおける硬化用液10の液面と分離器12(特にそのメッシュ13)との間の高さの差が一定に保たれる。
【0026】
分離器12でシームレスカプセルSCから分離された硬化用液10は、下方の分離タンク16の中に回収される。
【0027】
前記分離器12の下端の小径部は分離タンク16の上端の筒状部と互いに嵌合され、該分離器12が上下動しても分離タンク16から外れないよう構成されている。
【0028】
分離タンク16内の硬化用液10はポンプ19により管路20を経て冷却タンク21に圧送される。冷却タンク21内での硬化用液10は冷却器22で所定の温度に冷却された後、ポンプ23により管路24を経て流路管11の中に戻される。
【0029】
このシームレスカプセル製造装置は液中ノズル式の構造であるので、多重ノズル7は、硬化用液10を供給するための流路を形成する流路管11の入口部に挿入され、液中に芯液1と皮膜液3とを吐出し、後者が前者の全周囲を被覆するように構成されている。
【0030】
したがって、本実施例では、多重ノズル7から吐出された芯液1と皮膜液3とが流路管11内の硬化用液10の中において多層液滴として形成され(工程B)、流路管11の中を流れるにつれて硬化用液10の働きで冷却硬化され、シームレスカプセルSCとして形成される(工程C)。そして、このようにして形成されたシームレスカプセルSCは、流路管11の流出部11Bの出口端から分離器12のメッシュ13の上に硬化用液10と共に流下し、該メッシュ13で硬化用液10から分離され(工程D)、かつ該硬化用液10はメッシュ13を通過して分離タンク16の中に回収される。一方、メッシュ13の上に捕集されたシームレスカプセルSCは後で適当な量に達した時にバッチ式に、図示しない製品回収容器の中に回収される。
【0031】
本装置においては、流路管11の流入部11Aと流出部11Bとの液面高さの差Δhを調節する場合、流路管11の流出部11Bが駆動源14で流入部11Aに対して上下動可能であるので、流路管11内における硬化用液10の流速は前記液面高さの差Δhを下降位置と上昇位置との間で任意に変化させることにより、任意に最適位置に調節できる。
【0032】
また、本装置では、流路管11の流出部11Bと分離器12とが一緒に等距離だけ上下動されるので、流出部11Bの硬化用液10の液面と分離器12との高さの差が一定に保たれる。したがって、本実施例におけるシームレスカプセルSCは常に所望の球形状となり、しかもシームレスカプセルSCの破壊や飛散を生じることも防止できる。本発明にあっては、シームレスカプセルSCの粒径を1〜10mmとする。この範囲の粒径のシームレスカプセルSCは、製造が容易であり、また使用者がカプセルを取り扱いやすく、口に含むのに適した大きさである。
【0033】
特に、本装置では、流路管11の流出部11Bと分離器12とは、連結棒11D,12Aと連結部材15とで互いに構造的に結合された一体構造とされ、その一体構造のまま流体圧シリンダの如き駆動源14で上下移動されるので、流出部11Bと分離器12とは常に確実に等距離だけ上下移動され、その構造も簡単かつ安価である。
【0034】
工程Bにおいて、多重ノズルは二重ノズルの他に三重ノズルなどでもよく、その多層液滴の生成のために必要な振動方式もノズル加振方式の他に、リング加振方式やチューブ加振方式などの様々なものを利用できる。勿論、多重ノズルの代わりに、1層のみの液滴を噴出する単ノズルであってもよい。
【0035】
工程Bにおいて、多重ノズル7は先端角度(円錐状部分の角度)が90°以下のものを用いるのが望ましい。先端角度が90°以下の多重ノズル7を用いることにより、多重ノズル7先端に接して流れる硬化用液の流れに乱流を生じさせることがなく、均一な粒径のシームレスカプセルSCを形成することができる。
【0036】
工程Bにおいて、多重ノズル7の外方ノズルと内方ノズルとのそれぞれの先端は、同一平面上に配置してもよいし、外方ノズル先端よりも内方ノズル先端を1〜5mm突出した構造としてもよい。
【0037】
工程Bにおいて、多重ノズル7の先端位置を、流路管11の軸線中心と一致させてもよいし、軸線中心から偏心させて配置してもよい。多重ノズル7の先端位置を流路管11の軸線中心と一致させる場合には、多重ノズル7から吐出される多層液滴が多重ノズル7の軸線中心部に沿って真っ直ぐに流下する。一方、多重ノズル7の先端位置を軸線中心から偏心させて配置した場合には、多層液滴は流路管11の内壁近傍をスパイラル状の軌道に沿って流下するので、多層液滴の流下時間を長くすることができる。また、多重ノズル7の位置を流路管11の軸線中心に対し変位可能とすることで、シームレスカプセルの出来上がり状態を調整することができ、偏肉やアイズの発生を防止して高品質の製品を得ることができる。
【0038】
工程B及びCにおいて、流路管11のいずれかにストロボスコープを配置し、流路管11内を流下する多重液滴の粒径および形状をモニターできるように構成することが望ましい。このようにストロボスコープによって多重液滴をモニターすることで、製造するべきシームレスカプセルの粒径に合わせて多重ノズル7からの各液の吐出条件、振動条件、硬化用液の流速等を迅速に調整でき、目的の粒径を有し、偏肉やアイズのないシームレスカプセルを無駄なく製造できる。
【0039】
工程Cにおいて、硬化用液10が流路管11に流れ込む部分を、オーバーフロー方式とし、流路管11の端面の全周から硬化用液10が流入するように構成することが望ましい。流路管11の端面の全周から硬化用液10を流入させることで、流路管11内の硬化用液流に局部的な乱流が発生するのを防ぐことができる。
【0040】
工程Cにおいて、循環使用される硬化用液10から水分を除去する脱水手段を硬化溶液10と接するいずれかに設けることが望ましい。硬化用液10には大気中、あるいは多層液滴から水分が混入する可能性がある。硬化用液10中の水分量が増加すると、皮膜が変形したり、カプセル同士が接着し易くなり、さらに皮膜液の硬化状態にバラツキを生じるなどの不具合が起こるおそれがある。前記脱水手段を設けて硬化用液10の水分含量を可能な限り減じておくことで、高品質のシームレスカプセルSCを安定して製造できる。前記脱水手段としては、吸水材吸収方式、冷却トラップ方式、マイクロ波加熱方式などのいずれかを選択使用でき、通常はシリカゲルなどの吸水材と硬化用液10とを接触させる簡単なものが用いられる。
【0041】
工程Dにおいて、分離器12のメッシュ13の上に硬化用液10と共に流下し、該メッシュ13で硬化用液10からシームレスカプセルSCを分離することに代えて、メッシュまたは布フィルター製のベルトコンベアを備えた分離・搬送装置を用い、ベルトコンベアで流路管11からの流出物を受け、硬化用液10を落下、回収してシームレスカプセルSCのみをベルトコンベアで移送する構成としてもよい。このような分離・搬送装置を用いることで、分離されたシームレスカプセルSCが積み重なって下方側のカプセルが変形したり潰れる不具合を防ぐことができる。
【0042】
<工程E>
前述した工程B〜Dを経て製造され、硬化用液と分離されたシームレスカプセルは、工程Eにおいてシームレスカプセル表面に付着した硬化用液を除去するとともに、表面が乾燥して実質的に相互付着性がないシームレスカプセルを形成する。本発明の好ましい実施形態において、この工程Eは、以下のサブ工程e1〜e7を備えている。
【0043】
工程e1:工程Dで硬化用液から分離したシームレスカプセルを、そのまま又は皮膜を溶解しない液体からなる保冷液に浸漬し、0℃〜20℃、好ましくは1〜10℃程度に保冷し、皮膜の硬化を促進する工程、
工程e2:保冷後のシームレスカプセルを遠心分離して、カプセル表面に付着した液体を除去する工程、
工程e3:遠心分離後のシームレスカプセルを乾燥させる工程、
工程e4:乾燥後のシームレスカプセルを有機溶媒で洗浄する工程、
工程e5:有機溶媒で洗浄した後のシームレスカプセルを乾燥させる工程、
工程e6:工程e5終了後のシームレスカプセルを篩過、選別する工程、
工程e7:乾燥終了後又は篩過、選別後のシームレスカプセルを包装する工程。
【0044】
工程e1において、保冷方法は特に限定されず、硬化用液から分離したシームレスカプセルをトレーに入れ、保冷液を入れ、トレーごと冷蔵庫に入れ、一定時間冷却する方法、シームレスカプセルをコンベア上で搬送しつつ、トンネル式冷却機を通過させて保冷する方法、冷却板と接触させる方法などを用いることができる。保冷液は皮膜を軟化、溶解または崩壊させない材料、例えば中鎖脂肪酸トリグリセリドのような食用油、レシチンなどの界面活性剤を含む食用油などが好ましい。
【0045】
工程e1において、保冷温度を2℃程度とすることで、カプセル皮膜中の水分の凍結を防ぎつつ、カプセル皮膜の硬化を促進することが望ましい。
【0046】
工程e2において、遠心分離条件は、シームレスカプセルの皮膜に付着している油等の液体が外観上無くなる一方、皮膜が変形したり破れない程度の回転数と時間で行われる。この遠心分離によってシームレスカプセル表面の油をできるだけ除去することによって、次の工程e3の乾燥工程における乾燥効率が向上し、乾燥に必要な時間を短縮できる。
【0047】
工程e2において、遠心分離を用いる皮膜表面の脱油処理に代えて、布、親油処理した紙、不織布などでカプセルをラビング処理することで、皮膜表面の油を除去してもよい。
【0048】
工程e3において、乾燥方式は特に限定されず、従来より粒状物の乾燥に用いられている方法及び装置を用いて実施できる。例えば通風乾燥法(流動床乾燥法を含む)、ドラム乾燥法、減圧乾燥法などを用いることができる。通風乾燥法またはドラム乾燥法を用いる場合、シームレスカプセルを皮膜軟化温度以下、好ましくは0〜40℃、より好ましくは10〜30℃の空気流と接触させる。
【0049】
工程e3において、ドラム乾燥法を用いる場合にはドラム内にシームレスカプセルのスリップを防ぐバッフルを設けることが望ましい。シームレスカプセルがドラム内でスリップすると乾燥状態がばらついて、未乾燥部分を生じるおそれがある。
【0050】
工程e3において、通風乾燥法またはドラム乾燥法を用いる場合、導入する空気の温度は、乾燥開始から終了まで同一温度(例えば室温の空気)としてもよいし、途中で温度を変化させてもよい。例えば、乾燥開始当初は25℃以下の冷風を用い、所定時間経過後に25℃以上の空気を供給して乾燥を行ってもよい。導入空気は湿度を低くしておくことが望ましく、必要に応じてシリカゲル等の吸水材層を通過させて乾燥した空気を供給してよい。
【0051】
工程e3において、通風乾燥法またはドラム乾燥法を用いる場合、シームレスカプセルを載せる通気板またはドラムの目開きは、シームレスカプセルの粒径に応じて選択使用することが望ましい。
【0052】
工程e4において、シームレスカプセルを洗浄するのに用いる有機溶媒は、シームレスカプセルの皮膜に付着している油分(硬化用液、保冷液)を溶解できるとともに、皮膜を軟化、溶解又は崩壊させない有機溶媒であればよく、好ましくはエチルアルコール、酢酸エチル、アセトン、ヘキサンなどの炭化水素またはそれらの混合液が挙げられる。
【0053】
工程e4において、シームレスカプセルを有機溶媒で洗浄する方法は特に限定されず、シームレスカプセルを有機溶媒中にドブ漬けした後、カプセルを引き上げる方法、シームレスカプセルに有機溶媒の液滴または霧を散布する方法などが用いられる。有機溶媒の温度は0〜40℃程度、好ましくは室温とする。洗浄回数、洗浄時間は特に限定されず、1回又は複数回洗浄を繰り返してもよい。この洗浄操作において、シームレスカプセルの皮膜を傷めない程度に撹拌したり、超音波を加えて洗浄効率を高めてもよい。洗浄後の有機溶媒は、回収して精製し、再使用される。
【0054】
工程e5の乾燥(二次乾燥)は、有機溶媒で洗浄後、シームレスカプセルから有機溶媒を除去するために主として行われる。この乾燥方式は特に限定されず、従来より粒状物の乾燥に用いられている方法及び装置を用いて実施できる。例えば通風乾燥法(流動床乾燥法を含む)、ドラム乾燥法、減圧乾燥法、遠心乾燥法などを用いることができる。その温度、湿度、使用機器等は、工程e3の乾燥工程とほぼ同様としてよい。乾燥装置からの有機溶媒を含む排気ガスは、冷却トラップや適当な溶媒吸着剤に接触させて脱溶媒処理される。
【0055】
工程e6において、二次乾燥工程(工程e5)終了後のシームレスカプセルを篩過、選別する方法は、従来より粒状物、特に軟カプセル等のカプセル状医薬の製品検査に用いられている手法を用いて行うことができる。シームレスカプセルにおける検査項目としては、粒径の大小、形状異常品の有無、皮膜潰れの有無、濁りや夾雑物の有無、外観不良品(偏肉、アイズなど)の有無、複数個融着品の有無などが挙げられる。内容物に関しては、シームレスカプセルを抜き出し、製薬上または食品衛生上必要な各種分析試験を施す。
【0056】
工程e7において、乾燥終了後又は篩過、選別後のシームレスカプセルを包装する前に、例えば乳糖、マンニトール、粉末オブラート、コーンスターチなどのデンプンなどの食品製造上または薬学上許容される粉体を付着防止剤としてカプセル表面に適量振りかけ、カプセルのブロッキング防止を図ってもよい。
【0057】
なお、前記実施形態は本発明の一例を示したに過ぎず、本発明は前記例示に限定されることなく種々の変更が可能である。
【0058】
【実施例】
以下、実施例により本発明の効果を明確にする。
充填液(芯液)として中鎖脂肪酸トリグリセリドと、皮膜物質として表1中に記した各組成の皮膜物質30質量%と水70重量%を混合し加熱溶解した皮膜液とを用い、シームレスミニカプセル製造装置「スフェレックス(登録商標)」(フロイント産業株式会社製)を用いて、その多重ノズルから4〜20個/秒の速度にて7℃に冷却した中鎖脂肪酸トリグリセリドからなる硬化用液中に多層液滴を滴下し、表1に記したNo.1〜6の各組成のシームレスカプセルを製造した。
【0059】
製造したNo.1〜6の各カプセルについて、日局崩壊試験に準拠して崩壊試験を実施した。結果を表1にまとめて記す。
【0060】
【表1】
【0061】
表1の結果から、本発明に係るNo.1〜3のシームレスカプセルは崩壊性に優れており、口腔内即溶シームレスカプセルとして好適である。
No.4のシームレスカプセルはNo.3に比べ、崩壊までに時間がかかる。No.5及びNo.6のシームレスカプセルは崩壊までにさらに時間がかかり、口腔内即溶カプセルに適した組成とは言えない。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、口腔内で容易に破れる口腔内即溶性を有し、製造時に皮膜硬化不良や潰れなどのトラブルを生じ難い製品を製造できる口腔内即溶シームレスカプセルの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施するのに好適な液中ノズル式シームレスカプセル製造装置を例示する概略構成図である。
【符号の説明】
1 芯液
3 皮膜液
7 多重ノズル
10 硬化用液
11 流路管
12 分離器
13 メッシュ
14 駆動源
SC シームレスカプセル
Claims (2)
- 皮膜形成剤と可塑剤とを含む皮膜物質で充填物質を被覆してなり、粒径が1〜10mm、皮膜物質と充填物質との質量比5:95〜70:30の範囲であり、前記可塑剤としてグリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールからなる群から選択される1種または2種以上を用い、可塑剤の添加量が、水を除く皮膜物質全量に対し20〜70質量%の範囲である口腔内即溶シームレスカプセルの製造方法であって、以下の各工程:
前記充填物質を含む芯液と、前記皮膜物質を溶解した皮膜液とを調製する工程;
内方ノズルとその内方ノズルを囲む外方ノズルとを有する多重ノズルに、前記芯液を内方ノズルから、前記皮膜液を外方ノズルからそれぞれ吐出させるように供給し、該多重ノズルから多層液流を吐出させて多層液滴を形成する工程;
前記多層液滴を、流路内を流れる硬化用液中に流しながら前記皮膜液を硬化させ、皮膜物質で芯液を被覆してなるシームレスカプセルを形成する工程;
前記シームレスカプセルを含む硬化用液からシームレスカプセルを分離する工程;及び
硬化用液から分離したシームレスカプセルの表面に付着した硬化用液を除去するとともに、表面が乾燥して実質的に相互付着性がないシームレスカプセルを形成する工程;
とを含むことを特徴とする口腔内即溶シームレスカプセルの製造方法。 - 前記可塑剤がグリセリンである請求項1記載の口腔内即溶シームレスカプセルの製造方法。
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