JP2004262774A - シームレスカプセル - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた付着防止性と遮光性を有し、容器またはカプセル同士付着し難く、また咀嚼時に歯に付着し難いシームレスカプセルの提供。
【解決手段】(a)皮膜形成剤と(b)ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、パラチニット、ラクチトール、マルチトール、トレハロースおよびショ糖からなる群から選択される1種又は2種以上である結晶化剤とを含む皮膜で充填物質を被覆してなり、該皮膜は前記皮膜形成剤と結晶化剤を含む皮膜溶液を硬化させた際に前記結晶化剤が析出して形成された結晶を含み、該結晶によって該皮膜が実質的に不透明となっていることを特徴とするシームレスカプセル。
【選択図】 図1
【解決手段】(a)皮膜形成剤と(b)ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、パラチニット、ラクチトール、マルチトール、トレハロースおよびショ糖からなる群から選択される1種又は2種以上である結晶化剤とを含む皮膜で充填物質を被覆してなり、該皮膜は前記皮膜形成剤と結晶化剤を含む皮膜溶液を硬化させた際に前記結晶化剤が析出して形成された結晶を含み、該結晶によって該皮膜が実質的に不透明となっていることを特徴とするシームレスカプセル。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、食品、健康食品、医薬、香料、香辛料等の充填物質をゼラチン、寒天等を含む皮膜で被覆してなるシームレスカプセル及びその製造方法に関し、特に皮膜の遮光性、付着防止性を改善したシームレスカプセルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、継ぎ目のない皮膜で充填物質を被包したカプセル、即ちシームレスカプセルを製造する技術において、特に通常の軟カプセルより小さく、マイクロカプセルより大きなカプセルを製造するのに適した技術として、二重ノズル、三重ノズルなどの多重ノズルから多層液流を吐出させて多層液滴を形成させ、この多層液滴の最外層液を硬化用液と接触、硬化させて皮膜を形成することにより、該皮膜で内層の液を被覆してシームレスカプセルを得る方法およびその製造に好適な製造装置が種々提案されている(例えば、特許文献1〜16参照)。
【0003】
この種のシームレスカプセルや軟カプセルは、カプセル表面がベタつきやすく、使用時にカプセル同士が付着してしまう問題がある。従来、軟カプセルや菓子類において、表面のベタつきを防止して付着防止性を改善するための技術が提案されている(例えば、特許文献17〜22参照。)。
さらに、皮膜の溶解性と不溶化防止性を向上させるために、アミノ酸を有機酸で修飾したコハク酸ゼラチンを使用した技術が開示されている(例えば、特許文献23参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開昭59−11859号公報
【特許文献2】
特開昭62−176536号公報
【特許文献3】
特開昭62−180744号公報
【特許文献4】
特開平4−322740号公報
【特許文献5】
特開平4−322741号公報
【特許文献6】
特開平5−228360号公報
【特許文献7】
特開平4−338230号公報
【特許文献8】
特開平5−200274号公報
【特許文献9】
特開平5−200275号公報
【特許文献10】
特開平5−200276号公報
【特許文献11】
特開平5−138012号公報
【特許文献12】
特開平6−134292号公報
【特許文献13】
特開平6−154587号公報
【特許文献14】
特開平8−10313号公報
【特許文献15】
特開平8−26976号公報
【特許文献16】
特開平9−155183号公報
【特許文献17】
特開2001−57848号公報
【特許文献18】
特開昭56−156212号公報
【特許文献19】
特開平2−22221号公報
【特許文献20】
特開平10−80466号公報
【特許文献21】
特開平10−310519号公報
【特許文献22】
特開2001−178376号公報
【特許文献23】
特開2000−44465号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特許文献17〜23を用いてシームレスカプセルの付着防止を達成することは困難であった。
すなわち、特許文献17にはキャンディーにおける吸湿防止に関する技術が記載されているが、この製法は熱を加える工程があるため、シームレスカプセルに適用した場合には、その熱でカプセルが溶解し、商品価値がなくなるという問題がある。
特許文献18には、カプセル本体の表面をカルナバロウで処理する技術が記載されているが、この技術では含水率5〜10%程度のカプセルが対象であり、含水率10%以上のカプセルに関しては記載されていない。
特許文献19には、皮膜中に天然カルシウムを配合する技術が記載されているが、これをシームレスカプセルに適用すると、成形時のシームレスカプセルの安定性が保たれなくなる問題がある。
特許文献20および21には、皮膜中に小麦粉や特殊処理した乳性蛋白質を配合する技術が記載されているが、これらは軟カプセルに限ったことであり、ある程度の効果は得られるものの、カプセルの付着を完全に解決するまでには至っていない。
特許文献22には、カプセル表面に粉末を付着させ粘着防止層を形成する技術が記載されているが、この技術はシームタイプの軟カプセルに限定され、さらに粉末付着、粉末除去及び油脂拭き取りの計3工程が増加するため、生産コストの上昇を招く問題がある。
特許文献23には、ゼラチン、寒天を含有したカプセルに関しては記載されていない。
【0006】
前述した通り、これらの従来技術は、シームレスカプセルに適用できなかったり、付着防止効果が十分に得られず、さらに生産コストの上昇を招く等の問題があり、シームレスカプセルの付着防止を低コストで実施し得る技術は存在しなかった。
シームレスカプセルに用いられているゼラチン、寒天等の皮膜形成剤を含む皮膜は、高温下、多湿下において粘着性が高いため、容器等に充填して包装したシームレスカプセル同士が付着して固まり、容器から出しにくくなったり、固まりから粒を剥がすと皮膜が破れる等の問題を生じる可能性がある。また、シームレスカプセルの皮膜は粘着性が高いため、環境条件によっては、製造したカプセルの瓶詰め工程、PTP包装工程でのカプセルの滑走性を悪化させ、生産効率を低下させる原因となる。このように、シームレスカプセルにおいて、付着防止対策は特に重要な課題となっている。
【0007】
加えて、最近、皮膜にグリセリン等の可塑剤を添加して軟らかくするとともに、口腔内で容易に破れる口腔内即溶性を有するシームレスカプセルが製薬分野及び食品分野で注目されており、この口腔内即溶性シームレスカプセルは皮膜が軟らかく破れやすいために、一層強力な付着防止機能を付与する必要があり、その技術の提供が切望されている。
【0008】
またシームレスカプセルにおける別な課題として、着色料や無機粉末を用いることなく遮光性皮膜を得ることが困難な点が挙げられる。
シームレスカプセルの皮膜は、一般に無色透明であり、必要に応じて着色料を添加した着色皮膜が用いられている。しかし製薬分野等において、光安定性を欠いた物質を内包する場合、遮光性皮膜で被包する必要がある。従来、遮光性皮膜を形成するためには、皮膜に遮光剤、主に二酸化チタン等の無機粉末を添加し、遮光性を高めていた。しかしながら、この種の無機粉体を皮膜に添加すると、カプセルの成形性に支障をきたし、カプセルの強度、柔軟性、安定性が低下したり、カプセル形成時に破損や変形を生じる可能性がある。さらに皮膜に無機粉体を添加した場合、嗜好に及ぼす影響も大きく、無機粉体を添加し難い場合もある。
【0009】
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、優れた付着防止性と遮光性を有し、容器またはカプセル同士付着し難く、また咀嚼時に歯に付着し難いシームレスカプセルの提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、(a)皮膜形成剤と(b)ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、パラチニット、ラクチトール、マルチトール、トレハロースおよびショ糖からなる群から選択される1種又は2種以上である結晶化剤とを含む皮膜で充填物質を被覆してなり、該皮膜は前記皮膜形成剤と結晶化剤を含む皮膜溶液を硬化させた際に前記結晶化剤が析出して形成された結晶を含み、該結晶によって該皮膜が実質的に不透明となっていることを特徴とするシームレスカプセルを提供する。
本発明のシームレスカプセルにおいて、前記皮膜は(c)グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールからなる群から選択される1種または2種以上である可塑剤を含む構成としてもよい。
また前記結晶化剤の添加量は、水を除く皮膜全量に対し10〜50質量%の範囲であることが好ましい。
さらに前記皮膜と充填物質との質量比が5:95〜70:30の範囲であることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明のシームレスカプセルは、(a)皮膜形成剤、(b)結晶化剤及び必要に応じて(c)可塑剤とを含む皮膜で充填物質を被覆してなり、該皮膜は皮膜形成剤と結晶化剤を含む皮膜溶液を硬化させた際に前記結晶化剤が析出して形成された結晶を含み、該結晶によって該皮膜が実質的に不透明となっていることを特徴としている。前記(c)成分は任意成分であり、これを皮膜に含めない場合もあるが、通常のシームレスカプセルでは皮膜中に可塑剤を配合しており、特に本発明を、口腔内で容易に破れる口腔内即溶シームレスカプセルに適用する場合には必須の成分となる。
【0012】
本発明のシームレスカプセルの必須成分のうち、(a)皮膜形成剤は、ゼラチン、カゼイン、ゼイン、ペクチン及びその誘導体、アルギン酸又はその塩、寒天、トラガントガム、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、タマリンド、マンナン、ヘミロース、デンプン、キトサンなどの食品製造上または薬学上許容される皮膜形成性有機高分子の1種または2種以上を用いることができ、好ましくはゼラチン又は寒天を単独で用いるか、或いはこれらを主体として他の皮膜形成剤を1種以上混合した材料が好適に用いられる。
【0013】
本発明のシームレスカプセルの必須成分のうち、(b)結晶化剤は、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、パラチニット、ラクチトール、マルチトール、トレハロースおよびショ糖からなる群から選択される1種又は2種以上を用いることができ、特にソルビトール、マンニトールなどの結晶性糖アルコールが好ましい。結晶化剤の添加量は、水を除く皮膜全量に対し10〜50質量%の範囲であることが好ましい。結晶化剤の添加量が前記範囲未満であると、形成される皮膜中に結晶が生成せず、或いは僅かしか生成されないために、カプセルの付着防止効果、遮光効果が十分に得られなくなる。一方、結晶化剤の添加量が前記範囲を超えると、形成される皮膜の強度、安定性が悪化するとともに、皮膜形成時に潰れや変形が生じ易くなる可能性がある。
【0014】
また皮膜に添加し得る(c)可塑剤としては、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールからなる群から選択される1種または2種以上が用いられ、好適な可塑剤としてはグリセリンが挙げられる。この可塑剤の添加量は、皮膜物質全量(皮膜液の水以外の成分の合計量)に対し、0〜70質量%とすることができ、口腔内即溶シームレスカプセルにあっては好ましくは15〜65質量%、より好ましくは20〜60質量%とされる。グリセリンを可塑剤として前記範囲内で皮膜物質に配合することによって、硬化後の皮膜が柔軟となり、かつ口腔内で溶けやすくなる。
【0015】
本発明のシームレスカプセルにおける皮膜は、前記(a)〜(c)の各成分の他に、食品製造上または薬学上許容される添加剤を添加でき、例えば増粘多糖類、ゲル化剤、蛋白分解物等を添加することによって、皮膜の経時安定性を向上させることができる。皮膜は色素で任意の色調に着色することができ、また香料、甘味料、酸味料等を加えることもできる。これらの増粘多糖類、ゲル化剤、蛋白分解物等は通常、皮膜物質全量に対し10質量%以下、好ましくは5質量%以下の量で添加される。
【0016】
本発明において、充填物質としては、食品、健康食品、香料、香辛料、医薬、芳香剤などのシームレスカプセルの用途に応じて選択された主成分(医薬の場合は有効成分)の他、食品製造上または薬学上許容される各種の添加物、例えば食用油などの溶媒、甘味料、酸味料、香料、色素、増粘剤(ゲル化剤)、安定化剤、乳化剤などを含めることができる。充填物質を液状として調製する場合、前記主成分を溶媒に溶解させた透明な溶液、懸濁液、乳液(クリーム)の形態とすることができる。液状の充填物質、すなわち芯液を調製する方法は、食品製造分野または医薬品製造分野で公知の方法を用いることができる。例えば透明液状の芯液を調製するには、前記主成分、添加物を秤量し、食用油等の溶媒と混合し、必要に応じて加温、撹拌して均一な溶液とする方法が用いられる。また乳液状の芯液を調製するには、乳化剤を含む水性成分と油性成分とをホモジナイザーを用いて乳化し、油中水型エマルジョンを製造する従来公知の方法を用いることができる。例えば、高甘味度甘味料即ちアスパルテーム、スクラロースなどのエチルアルコールへの分散・溶解可能な物質に関しては、直接油への分散では粒子径が大きくなりカプセル成形性が不安定になるため、先ずエチルアルコールにホモジナイザーを用いてこれらを分散・溶解させ、これを油に溶解させる方法を用いることもできる。
【0017】
本発明のシームレスカプセルにおいて、皮膜と充填物質との質量比が5:95〜70:30の範囲であることが好ましく、10:90〜40:60の範囲であることがより好ましい。皮膜の量が前記範囲より低いと、皮膜が薄すぎて安定なカプセルを製造し難くなる。一方、皮膜の量が前記範囲より多いと、皮膜が破れにくく、かつ溶けにくくなるとともに、カプセル一粒中の充填物質の量が少なくなり、機能上好ましくない。
【0018】
本発明のシームレスカプセルにおける皮膜は、該皮膜は前記皮膜形成剤と結晶化剤を含む皮膜溶液を硬化させた際に前記結晶化剤が析出して形成された結晶を含み、該結晶によって該皮膜が実質的に不透明となっている。また皮膜の表面には、析出した結晶が露出しているので、皮膜のベタつき感は感じられず、カプセル同士が付着することがなく、さらに咀嚼時の歯への十分な付着防止性を有している。
【0019】
この皮膜中に析出した結晶は、使用する結晶化剤の種類によって異なるが、例えばソルビトール、マンニトールなどの結晶性糖アルコールを結晶化剤として用いた場合、皮膜中にかなり均一な粒径と密度で析出し、皮膜は外観上不透明となり、その表面は微細な粉が付着したような状態となる。
従って、本発明のシームレスカプセルは、皮膜表面に露出した結晶によりカプセル同士が付着することがなく、さらに咀嚼時の歯への十分な付着防止性が得られ、容器等に包装したカプセルが付着して固まりになることがなく、一粒ずつ取り出し易いものとなる。またカプセル製造時の滑走性が良好であり、互いに付着し難いので、製造が容易となる。
また本発明のシームレスカプセルは、皮膜表面に露出した結晶及び皮膜中に析出した結晶により良好な遮光性が得られ、光安定性を欠く物質を被包する場合であっても、無機粉体からなる遮光剤や遮光用着色料が不用となり、これらを添加することによる嗜好等への悪影響をなくすことができる。
【0020】
本発明のシームレスカプセルは、例えば、以下の工程A〜Eを順に行うことによって製造される。
<工程A> 充填物質を含む芯液と、皮膜物質を溶解した皮膜液とを調製する工程;
<工程B> 内方ノズルとその内方ノズルを囲む外方ノズルとを有する多重ノズルに、前記芯液を内方ノズルから、前記皮膜液を外方ノズルからそれぞれ吐出させるように供給し、該多重ノズルから多層液流を吐出させて多層液滴を形成する工程;
<工程C> 前記多層液滴を、流路内を流れる硬化用液中に流しながら前記皮膜液を硬化させ、皮膜物質で芯液を被覆してなるシームレスカプセルを形成する工程;
<工程D> 前記シームレスカプセルを含む硬化用液からシームレスカプセルを分離する工程;及び
<工程E> 硬化用液から分離したシームレスカプセルの表面に付着した硬化用液を除去するとともに、表面が乾燥して実質的に相互付着性がないシームレスカプセルを形成する工程。
以下、各工程を詳細に説明する。
【0021】
<工程A>
前記充填物質を含む芯液を調製する。
また、前記(a)皮膜形成剤、(b)結晶化剤、(c)可塑剤及び任意に添加剤を含む皮膜物質は、適量の水を加えて加温溶解して皮膜液を調製する。皮膜液中の皮膜物質の配合量(即ち水以外の成分の合計量)は、皮膜液全量に対し10〜50質量%、好ましくは20〜40質量%程度とされる。また皮膜形成物質の配合量は、ゼラチンの場合には皮膜液全量に対し15〜35質量%、好ましくは20〜30質量%程度である。
【0022】
皮膜形成剤に水を加えて加温溶解する方法は限定されず、例えば皮膜形成剤に水を加え膨潤させてから加温溶解する方法、皮膜形成剤を温水に投入して撹拌溶解する方法を用いることができる。この温水撹拌溶解方法であれば、短時間に調液ができる。加温温度は、使用する皮膜形成剤の種類に応じて設定され、例えばゼラチンの場合には45〜90℃程度、好ましくは45〜55℃程度に設定し得る。また気泡の含まれていない皮膜液を調製するために、減圧加温タンク内に皮膜物質と水とを投入し、減圧雰囲気下で加温撹拌し、脱気しながら皮膜液を調製することが望ましい。
【0023】
各々調製した芯液と皮膜液は、別個の貯液タンク等の適当な容器内に保管される。皮膜液は冷却してゲル化しないように保温しておく必要がある。皮膜液の保温温度は、使用する皮膜形成剤の種類に応じて設定され、例えばゼラチンの場合には45〜90℃、好ましくは45〜55℃程度とする。芯液と皮膜液との調製量は、完成したシームレスカプセルにおいて、皮膜物質と充填物質との質量比が5:95〜70:30の範囲のいずれかで設定した質量比に合わせて調製し、準備するのが好ましい。
【0024】
<工程B〜工程D>
工程B〜Dは従来公知のシームレスカプセル製造装置を用いて連続して実行することができる。図1は、前記工程B〜Dを連続的に実行するのに好適な製造装置を例示する概略構成図である。
【0025】
図1の液中ノズル式シームレスカプセル製造装置において、シームレスカプセルを形成するための芯液(内層液)1は、芯液用タンク2の中に貯留され、またこの芯液1を被覆する皮膜液(外層液)3は、被覆液用タンク4の中に貯留されている。
芯液1は、ポンプ5により芯液用タンク2から管路6を経て多重ノズル7に圧送される一方、皮膜液3は、ポンプ8により被覆液用タンク4から管路9を経て前記多重ノズル7に圧送される。
前記多重ノズル7は、流路管11の入口部すなわち硬化用液10の流入部11Aの中に挿入され、芯液1と皮膜液3とを流路管11内の硬化用液10の中に吐出して多層液滴を生成するよう構成されている。
【0026】
硬化用液10は、生成された多層液滴を冷却硬化させ、シームレスカプセルSCを形成する。硬化用液としては、皮膜液を冷却して硬化させる場合には、食用油、例えば中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)、このMCTにレシチンなどの界面活性剤を加え多層液滴の付着防止性を改善した硬化用液等が用いられる。硬化用液の温度は0℃〜室温程度に設定される。
【0027】
本装置において流路管11は曲折形状の筒体として形成され、略J字形の流入部11Aと、嵌合部11Cで該流入部11Aに互いに摺動かつ密封可能に入れ子式に嵌合された逆J字形の流出部11Bとにより構成されている。したがって、後述のように、流路管11は嵌合部11Cにおいて流入部11Aと流出部11Bとが互いに上下方向に相対移動でき、特に本装置では流出部11Bの方が上下動するよう構成されている。
また、前記流路管11の流出部11Bの出口端の下方には、略漏斗形状の分離器12が配設されている。この分離器12は流路管11から一緒に流出したシームレスカプセルSCと硬化用液10とを互いに分離するもので、その内部には、シームレスカプセルSCは通過させず、かつ硬化用液10のみを通過させるメッシュ13が張設されている。
分離器12は流路管11の流出部11Bと一緒に駆動源14、たとえばエアシリンダや油圧シリンダの如き流体圧シリンダ、あるいはモータなどで上下動されるようになっている。すなわち、流路管11の流出部11Bの一部は連結棒11Dに結合される一方、分離器12は連結棒12Aに結合され、しかもこれらの連結棒11Dと12Aとは連結部材15で互いに結合され、この連結部材15は駆動源14の一部、たとえばエアシリンダのピストンロッドに結合されている。
したがって、駆動源14を駆動させ、たとえばエアシリンダのピストンロッドを上下方向に往復移動させると、流路管11の流出部11Bと分離器12とは、連結部材15および各連結棒11D,12Aを介して一緒に等距離だけ上下動する。
これにより、流路管11の流入部11Aの液面と流出部11Bの液面との高さの差Δhは可変調節され、流路管11内における硬化用液10の流速が可変調節される。
しかも、流路管11の流出部11Bと分離器12が一緒に上下動することにより、流出部11Bにおける硬化用液10の液面と分離器12(特にそのメッシュ13)との間の高さの差が一定に保たれる。
【0028】
分離器12でシームレスカプセルSCから分離された硬化用液10は、下方の分離タンク16の中に回収される。
前記分離器12の下端の小径部は分離タンク16の上端の筒状部と互いに嵌合され、該分離器12が上下動しても分離タンク16から外れないよう構成されている。
分離タンク16内の硬化用液10はポンプ19により管路20を経て冷却タンク21に圧送される。冷却タンク21内での硬化用液10は冷却器22で所定の温度に冷却された後、ポンプ23により管路24を経て流路管11の中に戻される。
【0029】
このシームレスカプセル製造装置は液中ノズル式の構造であるので、多重ノズル7は、硬化用液10を供給するための流路を形成する流路管11の入口部に挿入され、液中に芯液1と皮膜液3とを吐出し、後者が前者の全周囲を被覆するように構成されている。
したがって、本実施例では、多重ノズル7から吐出された芯液1と皮膜液3とが流路管11内の硬化用液10の中において多層液滴として形成され(工程B)、流路管11の中を流れるにつれて硬化用液10の働きで冷却硬化され、シームレスカプセルSCとして形成される(工程C)。そして、このようにして形成されたシームレスカプセルSCは、流路管11の流出部11Bの出口端から分離器12のメッシュ13の上に硬化用液10と共に流下し、該メッシュ13で硬化用液10から分離され(工程D)、かつ該硬化用液10はメッシュ13を通過して分離タンク16の中に回収される。一方、メッシュ13の上に捕集されたシームレスカプセルSCは後で適当な量に達した時にバッチ式に、図示しない製品回収容器の中に回収される。
【0030】
本装置においては、流路管11の流入部11Aと流出部11Bとの液面高さの差Δhを調節する場合、流路管11の流出部11Bが駆動源14で流入部11Aに対して上下動可能であるので、流路管11内における硬化用液10の流速は前記液面高さの差Δhを下降位置と上昇位置との間で任意に変化させることにより、任意に最適位置に調節できる。
また、本装置では、流路管11の流出部11Bと分離器12とが一緒に等距離だけ上下動されるので、流出部11Bの硬化用液10の液面と分離器12との高さの差が一定に保たれる。したがって、本実施例におけるシームレスカプセルSCは常に所望の球形状となり、しかもシームレスカプセルSCの破壊や飛散を生じることも防止できる。本発明にあっては、シームレスカプセルSCの粒径を0.5〜20mm、好ましくは1〜15mm、さらに好ましくは1〜10mmとする。この範囲の粒径のシームレスカプセルSCは、製造が容易であり、また使用者がカプセルを取り扱いやすく、口に含むのに適した大きさである。
特に、本装置では、流路管11の流出部11Bと分離器12とは、連結棒11D,12Aと連結部材15とで互いに構造的に結合された一体構造とされ、その一体構造のまま流体圧シリンダの如き駆動源14で上下移動されるので、流出部11Bと分離器12とは常に確実に等距離だけ上下移動され、その構造も簡単かつ安価である。
【0031】
工程Bにおいて、多重ノズルは二重ノズルの他に三重ノズルなどでもよく、その多層液滴の生成のために必要な振動方式もノズル加振方式の他に、リング加振方式やチューブ加振方式などの様々なものを利用できる。勿論、多重ノズルの代わりに、1層のみの液滴を噴出する単ノズルであってもよい。
工程Bにおいて、多重ノズル7は先端角度(円錐状部分の角度)が90°以下のものを用いるのが望ましい。先端角度が90°以下の多重ノズル7を用いることにより、多重ノズル7先端に接して流れる硬化用液の流れに乱流を生じさせることがなく、均一な粒径のシームレスカプセルSCを形成することができる。
工程Bにおいて、多重ノズル7の外方ノズルと内方ノズルとのそれぞれの先端は、同一平面上に配置してもよいし、外方ノズル先端よりも内方ノズル先端を1〜5mm突出した構造としてもよい。
工程Bにおいて、多重ノズル7の先端位置を、流路管11の軸線中心と一致させてもよいし、軸線中心から偏心させて配置してもよい。多重ノズル7の先端位置を流路管11の軸線中心と一致させる場合には、多重ノズル7から吐出される多層液滴が多重ノズル7の軸線中心部に沿って真っ直ぐに流下する。一方、多重ノズル7の先端位置を軸線中心から偏心させて配置した場合には、多層液滴は流路管11の内壁近傍をスパイラル状の軌道に沿って流下するので、多層液滴の流下時間を長くすることができる。また、多重ノズル7の位置を流路管11の軸線中心に対し変位可能とすることで、シームレスカプセルの出来上がり状態を調整することができ、偏肉やアイズの発生を防止して高品質の製品を得ることができる。
工程B及びCにおいて、流路管11のいずれかにストロボスコープを配置し、流路管11内を流下する多重液滴の粒径および形状をモニターできるように構成することが望ましい。このようにストロボスコープによって多重液滴をモニターすることで、製造するべきシームレスカプセルの粒径に合わせて多重ノズル7からの各液の吐出条件、振動条件、硬化用液の流速等を迅速に調整でき、目的の粒径を有し、偏肉やアイズのないシームレスカプセルを無駄なく製造できる。
【0032】
工程Cにおいて、硬化用液10が流路管11に流れ込む部分を、オーバーフロー方式とし、流路管11の端面の全周から硬化用液10が流入するように構成することが望ましい。流路管11の端面の全周から硬化用液10を流入させることで、流路管11内の硬化用液流に局部的な乱流が発生するのを防ぐことができる。
工程Cにおいて、循環使用される硬化用液10から水分を除去する脱水手段を硬化溶液10と接するいずれかに設けることが望ましい。硬化用液10には大気中、あるいは多層液滴から水分が混入する可能性がある。硬化用液10中の水分量が増加すると、皮膜が変形したり、カプセル同士が接着し易くなり、さらに皮膜液の硬化状態にバラツキを生じるなどの不具合が起こるおそれがある。前記脱水手段を設けて硬化用液10の水分含量を可能な限り減じておくことで、高品質のシームレスカプセルSCを安定して製造できる。前記脱水手段としては、吸水材吸収方式、冷却トラップ方式、マイクロ波加熱方式などのいずれかを選択使用でき、通常はシリカゲルなどの吸水材と硬化用液10とを接触させる簡単なものが用いられる。
【0033】
工程Dにおいて、分離器12のメッシュ13の上に硬化用液10と共に流下し、該メッシュ13で硬化用液10からシームレスカプセルSCを分離することに代えて、メッシュまたは布フィルター製のベルトコンベアを備えた分離・搬送装置を用い、ベルトコンベアで流路管11からの流出物を受け、硬化用液10を落下、回収してシームレスカプセルSCのみをベルトコンベアで移送する構成としてもよい。このような分離・搬送装置を用いることで、分離されたシームレスカプセルSCが積み重なって下方側のカプセルが変形したり潰れる不具合を防ぐことができる。
【0034】
<工程E>
前述した工程B〜Dを経て製造され、硬化用液と分離されたシームレスカプセルは、工程Eにおいてシームレスカプセル表面に付着した硬化用液を除去するとともに、表面が乾燥して実質的に相互付着性がないシームレスカプセルを形成する。この工程Eは、例えば以下のサブ工程e1〜e7を順に行うことが望ましいが、これに限定されない。
【0035】
工程e1:工程Dで硬化用液から分離したシームレスカプセルを、そのまま又は皮膜を溶解しない液体からなる保冷液に浸漬し、0℃〜20℃、好ましくは1〜10℃程度に保冷し、皮膜の硬化を促進する工程、
工程e2:保冷後のシームレスカプセルを遠心分離して、カプセル表面に付着した液体を除去する工程、
工程e3:遠心分離後のシームレスカプセルを乾燥させる工程、
工程e4:乾燥後のシームレスカプセルを有機溶媒で洗浄する工程、
工程e5:有機溶媒で洗浄した後のシームレスカプセルを乾燥させる工程、
工程e6:工程e5終了後のシームレスカプセルを篩過、選別する工程、
工程e7:乾燥終了後又は篩過、選別後のシームレスカプセルを包装する工程。
【0036】
工程e1において、保冷方法は特に限定されず、硬化用液から分離したシームレスカプセルをトレーに入れ、保冷液を入れ、トレーごと冷蔵庫に入れ、一定時間冷却する方法、シームレスカプセルをコンベア上で搬送しつつ、トンネル式冷却機を通過させて保冷する方法、冷却板と接触させる方法などを用いることができる。保冷液は皮膜を軟化、溶解または崩壊させない材料、例えば中鎖脂肪酸トリグリセリドのような食用油、レシチンなどの界面活性剤を含む食用油などが好ましい。
工程e1において、保冷温度を2℃程度とすることで、カプセル皮膜中の水分の凍結を防ぎつつ、カプセル皮膜の硬化を促進することが望ましい。
【0037】
工程e2において、遠心分離条件は、シームレスカプセルの皮膜に付着している油等の液体が外観上無くなる一方、皮膜が変形したり破れない程度の回転数と時間で行われる。この遠心分離によってシームレスカプセル表面の油をできるだけ除去することによって、次の工程e3の乾燥工程における乾燥効率が向上し、乾燥に必要な時間を短縮できる。
工程e2において、遠心分離を用いる皮膜表面の脱油処理に代えて、布、親油処理した紙、不織布などでカプセルをラビング処理することで、皮膜表面の油を除去してもよい。
【0038】
工程e3において、乾燥方式は特に限定されず、従来より粒状物の乾燥に用いられている方法及び装置を用いて実施できる。例えば通風乾燥法(流動床乾燥法を含む)、ドラム乾燥法、減圧乾燥法などを用いることができる。通風乾燥法またはドラム乾燥法を用いる場合、シームレスカプセルを皮膜軟化温度以下、好ましくは0〜40℃、より好ましくは10〜30℃の空気流と接触させる。
工程e3において、ドラム乾燥法を用いる場合にはドラム内にシームレスカプセルのスリップを防ぐバッフルを設けることが望ましい。シームレスカプセルがドラム内でスリップすると乾燥状態がばらついて、未乾燥部分を生じるおそれがある。
工程e3において、通風乾燥法またはドラム乾燥法を用いる場合、導入する空気の温度は、乾燥開始から終了まで同一温度(例えば室温の空気)としてもよいし、途中で温度を変化させてもよい。例えば、乾燥開始当初は25℃以下の冷風を用い、所定時間経過後に25℃以上の空気を供給して乾燥を行ってもよい。導入空気は湿度を低くしておくことが望ましく、必要に応じてシリカゲル等の吸水材層を通過させて乾燥した空気を供給してよい。
工程e3において、通風乾燥法またはドラム乾燥法を用いる場合、シームレスカプセルを載せる通気板またはドラムの目開きは、シームレスカプセルの粒径に応じて選択使用することが望ましい。
なお、この工程e3は、特開平10−211425号公報に記載されているようにカプセルをエタノールに浸漬して脱水する方法、あるいは特開2000−126586号公報に記載されているようにエタノールとグリセリン等を含む抽出液をカプセルに接触させて水分を除去する乾燥方法を採用してもよい。この場合、後述の工程e4は省かれる。
【0039】
工程e4において、シームレスカプセルを洗浄するのに用いる有機溶媒は、シームレスカプセルの皮膜に付着している油分(硬化用液、保冷液)を溶解できるとともに、皮膜を軟化、溶解又は崩壊させない有機溶媒であればよく、好ましくはエチルアルコール、酢酸エチル、アセトン、ヘキサンなどの炭化水素またはそれらの混合液が挙げられる。
工程e4において、シームレスカプセルを有機溶媒で洗浄する方法は特に限定されず、シームレスカプセルを有機溶媒中にドブ漬けした後、カプセルを引き上げる方法、シームレスカプセルに有機溶媒の液滴または霧を散布する方法などが用いられる。有機溶媒の温度は0〜40℃程度、好ましくは室温とする。洗浄回数、洗浄時間は特に限定されず、1回又は複数回洗浄を繰り返してもよい。この洗浄操作において、シームレスカプセルの皮膜を傷めない程度に撹拌したり、超音波を加えて洗浄効率を高めてもよい。洗浄後の有機溶媒は、回収して精製し、再使用される。
【0040】
工程e5の乾燥(二次乾燥)は、有機溶媒で洗浄後、シームレスカプセルから有機溶媒を除去するために主として行われる。この乾燥方式は特に限定されず、従来より粒状物の乾燥に用いられている方法及び装置を用いて実施できる。例えば通風乾燥法(流動床乾燥法を含む)、ドラム乾燥法、減圧乾燥法、遠心乾燥法などを用いることができる。その温度、湿度、使用機器等は、工程e3の乾燥工程とほぼ同様としてよい。乾燥装置からの有機溶媒を含む排気ガスは、冷却トラップや適当な溶媒吸着剤に接触させて脱溶媒処理される。
【0041】
工程e6において、二次乾燥工程(工程e5)終了後のシームレスカプセルを篩過、選別する方法は、従来より粒状物、特に軟カプセル等のカプセル状医薬の製品検査に用いられている手法を用いて行うことができる。シームレスカプセルにおける検査項目としては、粒径の大小、形状異常品の有無、皮膜潰れの有無、濁りや夾雑物の有無、外観不良品(偏肉、アイズなど)の有無、複数個付着品の有無などが挙げられる。内容物に関しては、シームレスカプセルを抜き出し、製薬上または食品衛生上必要な各種分析試験を施す。
【0042】
工程e7において、乾燥終了後又は篩過、選別後のシームレスカプセルを包装する前に、例えば乳糖、マンニトール、粉末オブラート、コーンスターチなどのデンプンなどの食品製造上または薬学上許容される粉体を付着防止剤としてカプセル表面に適量振りかけ、カプセルのブロッキング防止を図ってもよい。
【0043】
なお、前記実施形態は本発明の一例を示したに過ぎず、本発明は前記例示に限定されることなく種々の変更が可能である。
【0044】
【実施例】
以下、実施例により本発明の効果を明確にする。
[実施例1]
充填液(芯液)として中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)と、皮膜物質として、表1に示すようにゼラチン70質量部、グリセリン20質量部、マンニトール10質量部の組成の皮膜物質と水を混合し加熱溶解した皮膜液とを用い、シームレスミニカプセル製造装置「スフェレックス(登録商標)」(フロイント産業株式会社製)を用いて、その多重ノズルから、冷却した硬化用液中に多層液滴を滴下し、粒径が6mm、皮膜率(シームレスカプセル全質量に対する皮膜質量の割合)が20%のシームレスカプセルを製造した。
このシームレスカプセルの製造条件は以下の通りとした。
・硬化用液:中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)
・硬化用液温度:9℃
・皮膜液温度:60℃
・カプセル生産数:8粒/秒。
【0045】
[実施例2]
表1に示すように、皮膜物質をゼラチン50質量部、グリセリン20質量部、マンニトール30質量部の組成とし、それ以外は実施例1と同じ条件でシームレスカプセルを製造した。
【0046】
[実施例3]
表1に示すように、皮膜物質をゼラチン30質量部、グリセリン20質量部、マンニトール50質量部の組成とし、それ以外は実施例1と同じ条件でシームレスカプセルを製造した。
【0047】
[比較例1]
表1に示すように、皮膜物質をゼラチン100質量部、グリセリン40質量部、マンニトールに代えて小麦粉10質量部の組成とし、それ以外は実施例1と同じ条件でシームレスカプセルを製造した。
【0048】
[比較例2]
表1に示すように、皮膜物質をゼラチン100質量部、グリセリン40質量部、マンニトールに代えて乳性蛋白質1.8質量部の組成とし、それ以外は実施例1と同じ条件でシームレスカプセルを製造した。
【0049】
[比較例3]
表1に示すように、皮膜物質をゼラチン80質量部、グリセリン20質量部の組成とし、マンニトールを加えない以外は、実施例1と同じ条件でシームレスカプセルを製造した。
【0050】
【表1】
【0051】
作製した実施例1〜3、比較例1〜3の各カプセルについて、下記の各試験を行い、比較した。
【0052】
(1)析出した結晶の大きさおよび分散均一性について
実施例1〜3、比較例1〜3の各カプセルについて、顕微鏡を用いてカプセル外観を調べ、析出した結晶の大きさおよび分散均一性について評価した。
実施例1:析出したマンニトールの結晶は大きさや分散が均一であり、カプセルは艶消しになっていた。
実施例2:析出したマンニトールの結晶は大きさや分散が均一であり、カプセルは明らかに艶消しになっていた。
実施例3:析出したマンニトールの結晶は大きさや分散が均一であり、カプセルは明らかに艶消しになっていた。
比較例1:小麦粉分散物は大きさや分散が均一ではあるが、艶消しになっていなかった。
比較例2:乳性蛋白質分散物は大きさや分散が均一ではなかった。
比較例3:カプセルは透明であり、艶があった。
【0053】
(2)遮光性について
実施例1〜3、比較例1〜3の各カプセルについて、目視によりカプセル外観を調べ、遮光性について評価した。
実施例1:カプセル表面は光沢が無く、光を乱反射させ遮光性に優れていた。
実施例2:カプセル表面は光沢が無く、さらに起伏に富んでいるため光を乱反射させ遮光性に優れていた。
実施例3:カプセル表面は光沢が無く、さらに起伏に富んでいるため光を乱反射させ遮光性に優れていた。
比較例1:カプセル表面は光沢があり、滑らかであるため遮光性に乏しい。
比較例2:カプセル表面は光沢があり、滑らかであるため遮光性に乏しい。
比較例3:カプセル表面は明らかに光沢があり、遮光性は無い。
【0054】
(3)付着試験
実施例1〜3、比較例1〜3の各カプセルについて、高温多湿下におけるシームレスカプセルの付着防止効果を観察するために、検体20粒ずつを7号ガラス製サンプル瓶に入れ、開栓状態で40℃・75%RHの恒温湿槽内に48時間保管し、室温に戻した後、該サンプル瓶を、表2に示す状態にしてサンプル瓶から落下したカプセルの落下数によって付着性を判定した。表2において「逆さにする」から「机上5cmから落とす」に移行するに従って、サンプル瓶に加わる衝撃が増加する。サンプル瓶に加わる衝撃が少ない状態で落下するカプセル数が多いほど、付着が抑えられていることを表している。結果を表2に示す。なお、表2中の数値は、「逆さにする」から「机上5cmから落とす」に順次移行させた際のカプセル落下累積数を表している。
【0055】
【表2】
【0056】
表2の結果から、本発明に係る実施例1〜3のシームレスカプセルは、カプセル表面のべとつきが抑えられると同時に、容器内壁への付着が防止されることが認められた。また、この結果から、マンニトール30質量部の実施例2が付着防止効果に関して最も優れていた。
【0057】
(4)咀嚼時における歯への付着試験
実施例1〜3、比較例1〜3の各カプセルについて、10名のパネラーに各カプセルを咀嚼させ、歯への付着度合を比較させた。結果を表3に示す。
【0058】
【表3】
【0059】
表3の結果から、本発明に係る実施例1〜3のシームレスカプセルは、咀嚼時に歯への付着を防止する効果があることが認められた。
【0060】
【発明の効果】
本発明のシームレスカプセルは、皮膜表面に露出した結晶により付着防止性に優れ、容器等に包装したカプセルが付着して固まりになることがなく、一粒ずつ取り出し易いものとなる。またカプセル製造時の滑走性が良好であり、互いに付着し難いので、製造が容易となる。
また皮膜表面に露出した結晶により、咀嚼時に歯に付着し難くなり、食感を向上させることができる。
また本発明のシームレスカプセルは、皮膜表面に露出した結晶及び皮膜中に析出した結晶により皮膜の遮光性が高くなり、光安定性を欠く物質を被包する場合であっても、無機粉体からなる遮光剤や遮光用着色料が不用となり、これらを添加することによる嗜好への悪影響をなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシームレスカプセルを製造するのに好適な液中ノズル式シームレスカプセル製造装置を例示する概略構成図である。
【符号の説明】
1 芯液
3 皮膜液
7 多重ノズル
10 硬化用液
11 流路管
12 分離器
13 メッシュ
14 駆動源
SC シームレスカプセル
【発明の属する技術分野】
本発明は、食品、健康食品、医薬、香料、香辛料等の充填物質をゼラチン、寒天等を含む皮膜で被覆してなるシームレスカプセル及びその製造方法に関し、特に皮膜の遮光性、付着防止性を改善したシームレスカプセルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、継ぎ目のない皮膜で充填物質を被包したカプセル、即ちシームレスカプセルを製造する技術において、特に通常の軟カプセルより小さく、マイクロカプセルより大きなカプセルを製造するのに適した技術として、二重ノズル、三重ノズルなどの多重ノズルから多層液流を吐出させて多層液滴を形成させ、この多層液滴の最外層液を硬化用液と接触、硬化させて皮膜を形成することにより、該皮膜で内層の液を被覆してシームレスカプセルを得る方法およびその製造に好適な製造装置が種々提案されている(例えば、特許文献1〜16参照)。
【0003】
この種のシームレスカプセルや軟カプセルは、カプセル表面がベタつきやすく、使用時にカプセル同士が付着してしまう問題がある。従来、軟カプセルや菓子類において、表面のベタつきを防止して付着防止性を改善するための技術が提案されている(例えば、特許文献17〜22参照。)。
さらに、皮膜の溶解性と不溶化防止性を向上させるために、アミノ酸を有機酸で修飾したコハク酸ゼラチンを使用した技術が開示されている(例えば、特許文献23参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開昭59−11859号公報
【特許文献2】
特開昭62−176536号公報
【特許文献3】
特開昭62−180744号公報
【特許文献4】
特開平4−322740号公報
【特許文献5】
特開平4−322741号公報
【特許文献6】
特開平5−228360号公報
【特許文献7】
特開平4−338230号公報
【特許文献8】
特開平5−200274号公報
【特許文献9】
特開平5−200275号公報
【特許文献10】
特開平5−200276号公報
【特許文献11】
特開平5−138012号公報
【特許文献12】
特開平6−134292号公報
【特許文献13】
特開平6−154587号公報
【特許文献14】
特開平8−10313号公報
【特許文献15】
特開平8−26976号公報
【特許文献16】
特開平9−155183号公報
【特許文献17】
特開2001−57848号公報
【特許文献18】
特開昭56−156212号公報
【特許文献19】
特開平2−22221号公報
【特許文献20】
特開平10−80466号公報
【特許文献21】
特開平10−310519号公報
【特許文献22】
特開2001−178376号公報
【特許文献23】
特開2000−44465号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特許文献17〜23を用いてシームレスカプセルの付着防止を達成することは困難であった。
すなわち、特許文献17にはキャンディーにおける吸湿防止に関する技術が記載されているが、この製法は熱を加える工程があるため、シームレスカプセルに適用した場合には、その熱でカプセルが溶解し、商品価値がなくなるという問題がある。
特許文献18には、カプセル本体の表面をカルナバロウで処理する技術が記載されているが、この技術では含水率5〜10%程度のカプセルが対象であり、含水率10%以上のカプセルに関しては記載されていない。
特許文献19には、皮膜中に天然カルシウムを配合する技術が記載されているが、これをシームレスカプセルに適用すると、成形時のシームレスカプセルの安定性が保たれなくなる問題がある。
特許文献20および21には、皮膜中に小麦粉や特殊処理した乳性蛋白質を配合する技術が記載されているが、これらは軟カプセルに限ったことであり、ある程度の効果は得られるものの、カプセルの付着を完全に解決するまでには至っていない。
特許文献22には、カプセル表面に粉末を付着させ粘着防止層を形成する技術が記載されているが、この技術はシームタイプの軟カプセルに限定され、さらに粉末付着、粉末除去及び油脂拭き取りの計3工程が増加するため、生産コストの上昇を招く問題がある。
特許文献23には、ゼラチン、寒天を含有したカプセルに関しては記載されていない。
【0006】
前述した通り、これらの従来技術は、シームレスカプセルに適用できなかったり、付着防止効果が十分に得られず、さらに生産コストの上昇を招く等の問題があり、シームレスカプセルの付着防止を低コストで実施し得る技術は存在しなかった。
シームレスカプセルに用いられているゼラチン、寒天等の皮膜形成剤を含む皮膜は、高温下、多湿下において粘着性が高いため、容器等に充填して包装したシームレスカプセル同士が付着して固まり、容器から出しにくくなったり、固まりから粒を剥がすと皮膜が破れる等の問題を生じる可能性がある。また、シームレスカプセルの皮膜は粘着性が高いため、環境条件によっては、製造したカプセルの瓶詰め工程、PTP包装工程でのカプセルの滑走性を悪化させ、生産効率を低下させる原因となる。このように、シームレスカプセルにおいて、付着防止対策は特に重要な課題となっている。
【0007】
加えて、最近、皮膜にグリセリン等の可塑剤を添加して軟らかくするとともに、口腔内で容易に破れる口腔内即溶性を有するシームレスカプセルが製薬分野及び食品分野で注目されており、この口腔内即溶性シームレスカプセルは皮膜が軟らかく破れやすいために、一層強力な付着防止機能を付与する必要があり、その技術の提供が切望されている。
【0008】
またシームレスカプセルにおける別な課題として、着色料や無機粉末を用いることなく遮光性皮膜を得ることが困難な点が挙げられる。
シームレスカプセルの皮膜は、一般に無色透明であり、必要に応じて着色料を添加した着色皮膜が用いられている。しかし製薬分野等において、光安定性を欠いた物質を内包する場合、遮光性皮膜で被包する必要がある。従来、遮光性皮膜を形成するためには、皮膜に遮光剤、主に二酸化チタン等の無機粉末を添加し、遮光性を高めていた。しかしながら、この種の無機粉体を皮膜に添加すると、カプセルの成形性に支障をきたし、カプセルの強度、柔軟性、安定性が低下したり、カプセル形成時に破損や変形を生じる可能性がある。さらに皮膜に無機粉体を添加した場合、嗜好に及ぼす影響も大きく、無機粉体を添加し難い場合もある。
【0009】
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、優れた付着防止性と遮光性を有し、容器またはカプセル同士付着し難く、また咀嚼時に歯に付着し難いシームレスカプセルの提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、(a)皮膜形成剤と(b)ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、パラチニット、ラクチトール、マルチトール、トレハロースおよびショ糖からなる群から選択される1種又は2種以上である結晶化剤とを含む皮膜で充填物質を被覆してなり、該皮膜は前記皮膜形成剤と結晶化剤を含む皮膜溶液を硬化させた際に前記結晶化剤が析出して形成された結晶を含み、該結晶によって該皮膜が実質的に不透明となっていることを特徴とするシームレスカプセルを提供する。
本発明のシームレスカプセルにおいて、前記皮膜は(c)グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールからなる群から選択される1種または2種以上である可塑剤を含む構成としてもよい。
また前記結晶化剤の添加量は、水を除く皮膜全量に対し10〜50質量%の範囲であることが好ましい。
さらに前記皮膜と充填物質との質量比が5:95〜70:30の範囲であることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明のシームレスカプセルは、(a)皮膜形成剤、(b)結晶化剤及び必要に応じて(c)可塑剤とを含む皮膜で充填物質を被覆してなり、該皮膜は皮膜形成剤と結晶化剤を含む皮膜溶液を硬化させた際に前記結晶化剤が析出して形成された結晶を含み、該結晶によって該皮膜が実質的に不透明となっていることを特徴としている。前記(c)成分は任意成分であり、これを皮膜に含めない場合もあるが、通常のシームレスカプセルでは皮膜中に可塑剤を配合しており、特に本発明を、口腔内で容易に破れる口腔内即溶シームレスカプセルに適用する場合には必須の成分となる。
【0012】
本発明のシームレスカプセルの必須成分のうち、(a)皮膜形成剤は、ゼラチン、カゼイン、ゼイン、ペクチン及びその誘導体、アルギン酸又はその塩、寒天、トラガントガム、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、タマリンド、マンナン、ヘミロース、デンプン、キトサンなどの食品製造上または薬学上許容される皮膜形成性有機高分子の1種または2種以上を用いることができ、好ましくはゼラチン又は寒天を単独で用いるか、或いはこれらを主体として他の皮膜形成剤を1種以上混合した材料が好適に用いられる。
【0013】
本発明のシームレスカプセルの必須成分のうち、(b)結晶化剤は、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、パラチニット、ラクチトール、マルチトール、トレハロースおよびショ糖からなる群から選択される1種又は2種以上を用いることができ、特にソルビトール、マンニトールなどの結晶性糖アルコールが好ましい。結晶化剤の添加量は、水を除く皮膜全量に対し10〜50質量%の範囲であることが好ましい。結晶化剤の添加量が前記範囲未満であると、形成される皮膜中に結晶が生成せず、或いは僅かしか生成されないために、カプセルの付着防止効果、遮光効果が十分に得られなくなる。一方、結晶化剤の添加量が前記範囲を超えると、形成される皮膜の強度、安定性が悪化するとともに、皮膜形成時に潰れや変形が生じ易くなる可能性がある。
【0014】
また皮膜に添加し得る(c)可塑剤としては、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールからなる群から選択される1種または2種以上が用いられ、好適な可塑剤としてはグリセリンが挙げられる。この可塑剤の添加量は、皮膜物質全量(皮膜液の水以外の成分の合計量)に対し、0〜70質量%とすることができ、口腔内即溶シームレスカプセルにあっては好ましくは15〜65質量%、より好ましくは20〜60質量%とされる。グリセリンを可塑剤として前記範囲内で皮膜物質に配合することによって、硬化後の皮膜が柔軟となり、かつ口腔内で溶けやすくなる。
【0015】
本発明のシームレスカプセルにおける皮膜は、前記(a)〜(c)の各成分の他に、食品製造上または薬学上許容される添加剤を添加でき、例えば増粘多糖類、ゲル化剤、蛋白分解物等を添加することによって、皮膜の経時安定性を向上させることができる。皮膜は色素で任意の色調に着色することができ、また香料、甘味料、酸味料等を加えることもできる。これらの増粘多糖類、ゲル化剤、蛋白分解物等は通常、皮膜物質全量に対し10質量%以下、好ましくは5質量%以下の量で添加される。
【0016】
本発明において、充填物質としては、食品、健康食品、香料、香辛料、医薬、芳香剤などのシームレスカプセルの用途に応じて選択された主成分(医薬の場合は有効成分)の他、食品製造上または薬学上許容される各種の添加物、例えば食用油などの溶媒、甘味料、酸味料、香料、色素、増粘剤(ゲル化剤)、安定化剤、乳化剤などを含めることができる。充填物質を液状として調製する場合、前記主成分を溶媒に溶解させた透明な溶液、懸濁液、乳液(クリーム)の形態とすることができる。液状の充填物質、すなわち芯液を調製する方法は、食品製造分野または医薬品製造分野で公知の方法を用いることができる。例えば透明液状の芯液を調製するには、前記主成分、添加物を秤量し、食用油等の溶媒と混合し、必要に応じて加温、撹拌して均一な溶液とする方法が用いられる。また乳液状の芯液を調製するには、乳化剤を含む水性成分と油性成分とをホモジナイザーを用いて乳化し、油中水型エマルジョンを製造する従来公知の方法を用いることができる。例えば、高甘味度甘味料即ちアスパルテーム、スクラロースなどのエチルアルコールへの分散・溶解可能な物質に関しては、直接油への分散では粒子径が大きくなりカプセル成形性が不安定になるため、先ずエチルアルコールにホモジナイザーを用いてこれらを分散・溶解させ、これを油に溶解させる方法を用いることもできる。
【0017】
本発明のシームレスカプセルにおいて、皮膜と充填物質との質量比が5:95〜70:30の範囲であることが好ましく、10:90〜40:60の範囲であることがより好ましい。皮膜の量が前記範囲より低いと、皮膜が薄すぎて安定なカプセルを製造し難くなる。一方、皮膜の量が前記範囲より多いと、皮膜が破れにくく、かつ溶けにくくなるとともに、カプセル一粒中の充填物質の量が少なくなり、機能上好ましくない。
【0018】
本発明のシームレスカプセルにおける皮膜は、該皮膜は前記皮膜形成剤と結晶化剤を含む皮膜溶液を硬化させた際に前記結晶化剤が析出して形成された結晶を含み、該結晶によって該皮膜が実質的に不透明となっている。また皮膜の表面には、析出した結晶が露出しているので、皮膜のベタつき感は感じられず、カプセル同士が付着することがなく、さらに咀嚼時の歯への十分な付着防止性を有している。
【0019】
この皮膜中に析出した結晶は、使用する結晶化剤の種類によって異なるが、例えばソルビトール、マンニトールなどの結晶性糖アルコールを結晶化剤として用いた場合、皮膜中にかなり均一な粒径と密度で析出し、皮膜は外観上不透明となり、その表面は微細な粉が付着したような状態となる。
従って、本発明のシームレスカプセルは、皮膜表面に露出した結晶によりカプセル同士が付着することがなく、さらに咀嚼時の歯への十分な付着防止性が得られ、容器等に包装したカプセルが付着して固まりになることがなく、一粒ずつ取り出し易いものとなる。またカプセル製造時の滑走性が良好であり、互いに付着し難いので、製造が容易となる。
また本発明のシームレスカプセルは、皮膜表面に露出した結晶及び皮膜中に析出した結晶により良好な遮光性が得られ、光安定性を欠く物質を被包する場合であっても、無機粉体からなる遮光剤や遮光用着色料が不用となり、これらを添加することによる嗜好等への悪影響をなくすことができる。
【0020】
本発明のシームレスカプセルは、例えば、以下の工程A〜Eを順に行うことによって製造される。
<工程A> 充填物質を含む芯液と、皮膜物質を溶解した皮膜液とを調製する工程;
<工程B> 内方ノズルとその内方ノズルを囲む外方ノズルとを有する多重ノズルに、前記芯液を内方ノズルから、前記皮膜液を外方ノズルからそれぞれ吐出させるように供給し、該多重ノズルから多層液流を吐出させて多層液滴を形成する工程;
<工程C> 前記多層液滴を、流路内を流れる硬化用液中に流しながら前記皮膜液を硬化させ、皮膜物質で芯液を被覆してなるシームレスカプセルを形成する工程;
<工程D> 前記シームレスカプセルを含む硬化用液からシームレスカプセルを分離する工程;及び
<工程E> 硬化用液から分離したシームレスカプセルの表面に付着した硬化用液を除去するとともに、表面が乾燥して実質的に相互付着性がないシームレスカプセルを形成する工程。
以下、各工程を詳細に説明する。
【0021】
<工程A>
前記充填物質を含む芯液を調製する。
また、前記(a)皮膜形成剤、(b)結晶化剤、(c)可塑剤及び任意に添加剤を含む皮膜物質は、適量の水を加えて加温溶解して皮膜液を調製する。皮膜液中の皮膜物質の配合量(即ち水以外の成分の合計量)は、皮膜液全量に対し10〜50質量%、好ましくは20〜40質量%程度とされる。また皮膜形成物質の配合量は、ゼラチンの場合には皮膜液全量に対し15〜35質量%、好ましくは20〜30質量%程度である。
【0022】
皮膜形成剤に水を加えて加温溶解する方法は限定されず、例えば皮膜形成剤に水を加え膨潤させてから加温溶解する方法、皮膜形成剤を温水に投入して撹拌溶解する方法を用いることができる。この温水撹拌溶解方法であれば、短時間に調液ができる。加温温度は、使用する皮膜形成剤の種類に応じて設定され、例えばゼラチンの場合には45〜90℃程度、好ましくは45〜55℃程度に設定し得る。また気泡の含まれていない皮膜液を調製するために、減圧加温タンク内に皮膜物質と水とを投入し、減圧雰囲気下で加温撹拌し、脱気しながら皮膜液を調製することが望ましい。
【0023】
各々調製した芯液と皮膜液は、別個の貯液タンク等の適当な容器内に保管される。皮膜液は冷却してゲル化しないように保温しておく必要がある。皮膜液の保温温度は、使用する皮膜形成剤の種類に応じて設定され、例えばゼラチンの場合には45〜90℃、好ましくは45〜55℃程度とする。芯液と皮膜液との調製量は、完成したシームレスカプセルにおいて、皮膜物質と充填物質との質量比が5:95〜70:30の範囲のいずれかで設定した質量比に合わせて調製し、準備するのが好ましい。
【0024】
<工程B〜工程D>
工程B〜Dは従来公知のシームレスカプセル製造装置を用いて連続して実行することができる。図1は、前記工程B〜Dを連続的に実行するのに好適な製造装置を例示する概略構成図である。
【0025】
図1の液中ノズル式シームレスカプセル製造装置において、シームレスカプセルを形成するための芯液(内層液)1は、芯液用タンク2の中に貯留され、またこの芯液1を被覆する皮膜液(外層液)3は、被覆液用タンク4の中に貯留されている。
芯液1は、ポンプ5により芯液用タンク2から管路6を経て多重ノズル7に圧送される一方、皮膜液3は、ポンプ8により被覆液用タンク4から管路9を経て前記多重ノズル7に圧送される。
前記多重ノズル7は、流路管11の入口部すなわち硬化用液10の流入部11Aの中に挿入され、芯液1と皮膜液3とを流路管11内の硬化用液10の中に吐出して多層液滴を生成するよう構成されている。
【0026】
硬化用液10は、生成された多層液滴を冷却硬化させ、シームレスカプセルSCを形成する。硬化用液としては、皮膜液を冷却して硬化させる場合には、食用油、例えば中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)、このMCTにレシチンなどの界面活性剤を加え多層液滴の付着防止性を改善した硬化用液等が用いられる。硬化用液の温度は0℃〜室温程度に設定される。
【0027】
本装置において流路管11は曲折形状の筒体として形成され、略J字形の流入部11Aと、嵌合部11Cで該流入部11Aに互いに摺動かつ密封可能に入れ子式に嵌合された逆J字形の流出部11Bとにより構成されている。したがって、後述のように、流路管11は嵌合部11Cにおいて流入部11Aと流出部11Bとが互いに上下方向に相対移動でき、特に本装置では流出部11Bの方が上下動するよう構成されている。
また、前記流路管11の流出部11Bの出口端の下方には、略漏斗形状の分離器12が配設されている。この分離器12は流路管11から一緒に流出したシームレスカプセルSCと硬化用液10とを互いに分離するもので、その内部には、シームレスカプセルSCは通過させず、かつ硬化用液10のみを通過させるメッシュ13が張設されている。
分離器12は流路管11の流出部11Bと一緒に駆動源14、たとえばエアシリンダや油圧シリンダの如き流体圧シリンダ、あるいはモータなどで上下動されるようになっている。すなわち、流路管11の流出部11Bの一部は連結棒11Dに結合される一方、分離器12は連結棒12Aに結合され、しかもこれらの連結棒11Dと12Aとは連結部材15で互いに結合され、この連結部材15は駆動源14の一部、たとえばエアシリンダのピストンロッドに結合されている。
したがって、駆動源14を駆動させ、たとえばエアシリンダのピストンロッドを上下方向に往復移動させると、流路管11の流出部11Bと分離器12とは、連結部材15および各連結棒11D,12Aを介して一緒に等距離だけ上下動する。
これにより、流路管11の流入部11Aの液面と流出部11Bの液面との高さの差Δhは可変調節され、流路管11内における硬化用液10の流速が可変調節される。
しかも、流路管11の流出部11Bと分離器12が一緒に上下動することにより、流出部11Bにおける硬化用液10の液面と分離器12(特にそのメッシュ13)との間の高さの差が一定に保たれる。
【0028】
分離器12でシームレスカプセルSCから分離された硬化用液10は、下方の分離タンク16の中に回収される。
前記分離器12の下端の小径部は分離タンク16の上端の筒状部と互いに嵌合され、該分離器12が上下動しても分離タンク16から外れないよう構成されている。
分離タンク16内の硬化用液10はポンプ19により管路20を経て冷却タンク21に圧送される。冷却タンク21内での硬化用液10は冷却器22で所定の温度に冷却された後、ポンプ23により管路24を経て流路管11の中に戻される。
【0029】
このシームレスカプセル製造装置は液中ノズル式の構造であるので、多重ノズル7は、硬化用液10を供給するための流路を形成する流路管11の入口部に挿入され、液中に芯液1と皮膜液3とを吐出し、後者が前者の全周囲を被覆するように構成されている。
したがって、本実施例では、多重ノズル7から吐出された芯液1と皮膜液3とが流路管11内の硬化用液10の中において多層液滴として形成され(工程B)、流路管11の中を流れるにつれて硬化用液10の働きで冷却硬化され、シームレスカプセルSCとして形成される(工程C)。そして、このようにして形成されたシームレスカプセルSCは、流路管11の流出部11Bの出口端から分離器12のメッシュ13の上に硬化用液10と共に流下し、該メッシュ13で硬化用液10から分離され(工程D)、かつ該硬化用液10はメッシュ13を通過して分離タンク16の中に回収される。一方、メッシュ13の上に捕集されたシームレスカプセルSCは後で適当な量に達した時にバッチ式に、図示しない製品回収容器の中に回収される。
【0030】
本装置においては、流路管11の流入部11Aと流出部11Bとの液面高さの差Δhを調節する場合、流路管11の流出部11Bが駆動源14で流入部11Aに対して上下動可能であるので、流路管11内における硬化用液10の流速は前記液面高さの差Δhを下降位置と上昇位置との間で任意に変化させることにより、任意に最適位置に調節できる。
また、本装置では、流路管11の流出部11Bと分離器12とが一緒に等距離だけ上下動されるので、流出部11Bの硬化用液10の液面と分離器12との高さの差が一定に保たれる。したがって、本実施例におけるシームレスカプセルSCは常に所望の球形状となり、しかもシームレスカプセルSCの破壊や飛散を生じることも防止できる。本発明にあっては、シームレスカプセルSCの粒径を0.5〜20mm、好ましくは1〜15mm、さらに好ましくは1〜10mmとする。この範囲の粒径のシームレスカプセルSCは、製造が容易であり、また使用者がカプセルを取り扱いやすく、口に含むのに適した大きさである。
特に、本装置では、流路管11の流出部11Bと分離器12とは、連結棒11D,12Aと連結部材15とで互いに構造的に結合された一体構造とされ、その一体構造のまま流体圧シリンダの如き駆動源14で上下移動されるので、流出部11Bと分離器12とは常に確実に等距離だけ上下移動され、その構造も簡単かつ安価である。
【0031】
工程Bにおいて、多重ノズルは二重ノズルの他に三重ノズルなどでもよく、その多層液滴の生成のために必要な振動方式もノズル加振方式の他に、リング加振方式やチューブ加振方式などの様々なものを利用できる。勿論、多重ノズルの代わりに、1層のみの液滴を噴出する単ノズルであってもよい。
工程Bにおいて、多重ノズル7は先端角度(円錐状部分の角度)が90°以下のものを用いるのが望ましい。先端角度が90°以下の多重ノズル7を用いることにより、多重ノズル7先端に接して流れる硬化用液の流れに乱流を生じさせることがなく、均一な粒径のシームレスカプセルSCを形成することができる。
工程Bにおいて、多重ノズル7の外方ノズルと内方ノズルとのそれぞれの先端は、同一平面上に配置してもよいし、外方ノズル先端よりも内方ノズル先端を1〜5mm突出した構造としてもよい。
工程Bにおいて、多重ノズル7の先端位置を、流路管11の軸線中心と一致させてもよいし、軸線中心から偏心させて配置してもよい。多重ノズル7の先端位置を流路管11の軸線中心と一致させる場合には、多重ノズル7から吐出される多層液滴が多重ノズル7の軸線中心部に沿って真っ直ぐに流下する。一方、多重ノズル7の先端位置を軸線中心から偏心させて配置した場合には、多層液滴は流路管11の内壁近傍をスパイラル状の軌道に沿って流下するので、多層液滴の流下時間を長くすることができる。また、多重ノズル7の位置を流路管11の軸線中心に対し変位可能とすることで、シームレスカプセルの出来上がり状態を調整することができ、偏肉やアイズの発生を防止して高品質の製品を得ることができる。
工程B及びCにおいて、流路管11のいずれかにストロボスコープを配置し、流路管11内を流下する多重液滴の粒径および形状をモニターできるように構成することが望ましい。このようにストロボスコープによって多重液滴をモニターすることで、製造するべきシームレスカプセルの粒径に合わせて多重ノズル7からの各液の吐出条件、振動条件、硬化用液の流速等を迅速に調整でき、目的の粒径を有し、偏肉やアイズのないシームレスカプセルを無駄なく製造できる。
【0032】
工程Cにおいて、硬化用液10が流路管11に流れ込む部分を、オーバーフロー方式とし、流路管11の端面の全周から硬化用液10が流入するように構成することが望ましい。流路管11の端面の全周から硬化用液10を流入させることで、流路管11内の硬化用液流に局部的な乱流が発生するのを防ぐことができる。
工程Cにおいて、循環使用される硬化用液10から水分を除去する脱水手段を硬化溶液10と接するいずれかに設けることが望ましい。硬化用液10には大気中、あるいは多層液滴から水分が混入する可能性がある。硬化用液10中の水分量が増加すると、皮膜が変形したり、カプセル同士が接着し易くなり、さらに皮膜液の硬化状態にバラツキを生じるなどの不具合が起こるおそれがある。前記脱水手段を設けて硬化用液10の水分含量を可能な限り減じておくことで、高品質のシームレスカプセルSCを安定して製造できる。前記脱水手段としては、吸水材吸収方式、冷却トラップ方式、マイクロ波加熱方式などのいずれかを選択使用でき、通常はシリカゲルなどの吸水材と硬化用液10とを接触させる簡単なものが用いられる。
【0033】
工程Dにおいて、分離器12のメッシュ13の上に硬化用液10と共に流下し、該メッシュ13で硬化用液10からシームレスカプセルSCを分離することに代えて、メッシュまたは布フィルター製のベルトコンベアを備えた分離・搬送装置を用い、ベルトコンベアで流路管11からの流出物を受け、硬化用液10を落下、回収してシームレスカプセルSCのみをベルトコンベアで移送する構成としてもよい。このような分離・搬送装置を用いることで、分離されたシームレスカプセルSCが積み重なって下方側のカプセルが変形したり潰れる不具合を防ぐことができる。
【0034】
<工程E>
前述した工程B〜Dを経て製造され、硬化用液と分離されたシームレスカプセルは、工程Eにおいてシームレスカプセル表面に付着した硬化用液を除去するとともに、表面が乾燥して実質的に相互付着性がないシームレスカプセルを形成する。この工程Eは、例えば以下のサブ工程e1〜e7を順に行うことが望ましいが、これに限定されない。
【0035】
工程e1:工程Dで硬化用液から分離したシームレスカプセルを、そのまま又は皮膜を溶解しない液体からなる保冷液に浸漬し、0℃〜20℃、好ましくは1〜10℃程度に保冷し、皮膜の硬化を促進する工程、
工程e2:保冷後のシームレスカプセルを遠心分離して、カプセル表面に付着した液体を除去する工程、
工程e3:遠心分離後のシームレスカプセルを乾燥させる工程、
工程e4:乾燥後のシームレスカプセルを有機溶媒で洗浄する工程、
工程e5:有機溶媒で洗浄した後のシームレスカプセルを乾燥させる工程、
工程e6:工程e5終了後のシームレスカプセルを篩過、選別する工程、
工程e7:乾燥終了後又は篩過、選別後のシームレスカプセルを包装する工程。
【0036】
工程e1において、保冷方法は特に限定されず、硬化用液から分離したシームレスカプセルをトレーに入れ、保冷液を入れ、トレーごと冷蔵庫に入れ、一定時間冷却する方法、シームレスカプセルをコンベア上で搬送しつつ、トンネル式冷却機を通過させて保冷する方法、冷却板と接触させる方法などを用いることができる。保冷液は皮膜を軟化、溶解または崩壊させない材料、例えば中鎖脂肪酸トリグリセリドのような食用油、レシチンなどの界面活性剤を含む食用油などが好ましい。
工程e1において、保冷温度を2℃程度とすることで、カプセル皮膜中の水分の凍結を防ぎつつ、カプセル皮膜の硬化を促進することが望ましい。
【0037】
工程e2において、遠心分離条件は、シームレスカプセルの皮膜に付着している油等の液体が外観上無くなる一方、皮膜が変形したり破れない程度の回転数と時間で行われる。この遠心分離によってシームレスカプセル表面の油をできるだけ除去することによって、次の工程e3の乾燥工程における乾燥効率が向上し、乾燥に必要な時間を短縮できる。
工程e2において、遠心分離を用いる皮膜表面の脱油処理に代えて、布、親油処理した紙、不織布などでカプセルをラビング処理することで、皮膜表面の油を除去してもよい。
【0038】
工程e3において、乾燥方式は特に限定されず、従来より粒状物の乾燥に用いられている方法及び装置を用いて実施できる。例えば通風乾燥法(流動床乾燥法を含む)、ドラム乾燥法、減圧乾燥法などを用いることができる。通風乾燥法またはドラム乾燥法を用いる場合、シームレスカプセルを皮膜軟化温度以下、好ましくは0〜40℃、より好ましくは10〜30℃の空気流と接触させる。
工程e3において、ドラム乾燥法を用いる場合にはドラム内にシームレスカプセルのスリップを防ぐバッフルを設けることが望ましい。シームレスカプセルがドラム内でスリップすると乾燥状態がばらついて、未乾燥部分を生じるおそれがある。
工程e3において、通風乾燥法またはドラム乾燥法を用いる場合、導入する空気の温度は、乾燥開始から終了まで同一温度(例えば室温の空気)としてもよいし、途中で温度を変化させてもよい。例えば、乾燥開始当初は25℃以下の冷風を用い、所定時間経過後に25℃以上の空気を供給して乾燥を行ってもよい。導入空気は湿度を低くしておくことが望ましく、必要に応じてシリカゲル等の吸水材層を通過させて乾燥した空気を供給してよい。
工程e3において、通風乾燥法またはドラム乾燥法を用いる場合、シームレスカプセルを載せる通気板またはドラムの目開きは、シームレスカプセルの粒径に応じて選択使用することが望ましい。
なお、この工程e3は、特開平10−211425号公報に記載されているようにカプセルをエタノールに浸漬して脱水する方法、あるいは特開2000−126586号公報に記載されているようにエタノールとグリセリン等を含む抽出液をカプセルに接触させて水分を除去する乾燥方法を採用してもよい。この場合、後述の工程e4は省かれる。
【0039】
工程e4において、シームレスカプセルを洗浄するのに用いる有機溶媒は、シームレスカプセルの皮膜に付着している油分(硬化用液、保冷液)を溶解できるとともに、皮膜を軟化、溶解又は崩壊させない有機溶媒であればよく、好ましくはエチルアルコール、酢酸エチル、アセトン、ヘキサンなどの炭化水素またはそれらの混合液が挙げられる。
工程e4において、シームレスカプセルを有機溶媒で洗浄する方法は特に限定されず、シームレスカプセルを有機溶媒中にドブ漬けした後、カプセルを引き上げる方法、シームレスカプセルに有機溶媒の液滴または霧を散布する方法などが用いられる。有機溶媒の温度は0〜40℃程度、好ましくは室温とする。洗浄回数、洗浄時間は特に限定されず、1回又は複数回洗浄を繰り返してもよい。この洗浄操作において、シームレスカプセルの皮膜を傷めない程度に撹拌したり、超音波を加えて洗浄効率を高めてもよい。洗浄後の有機溶媒は、回収して精製し、再使用される。
【0040】
工程e5の乾燥(二次乾燥)は、有機溶媒で洗浄後、シームレスカプセルから有機溶媒を除去するために主として行われる。この乾燥方式は特に限定されず、従来より粒状物の乾燥に用いられている方法及び装置を用いて実施できる。例えば通風乾燥法(流動床乾燥法を含む)、ドラム乾燥法、減圧乾燥法、遠心乾燥法などを用いることができる。その温度、湿度、使用機器等は、工程e3の乾燥工程とほぼ同様としてよい。乾燥装置からの有機溶媒を含む排気ガスは、冷却トラップや適当な溶媒吸着剤に接触させて脱溶媒処理される。
【0041】
工程e6において、二次乾燥工程(工程e5)終了後のシームレスカプセルを篩過、選別する方法は、従来より粒状物、特に軟カプセル等のカプセル状医薬の製品検査に用いられている手法を用いて行うことができる。シームレスカプセルにおける検査項目としては、粒径の大小、形状異常品の有無、皮膜潰れの有無、濁りや夾雑物の有無、外観不良品(偏肉、アイズなど)の有無、複数個付着品の有無などが挙げられる。内容物に関しては、シームレスカプセルを抜き出し、製薬上または食品衛生上必要な各種分析試験を施す。
【0042】
工程e7において、乾燥終了後又は篩過、選別後のシームレスカプセルを包装する前に、例えば乳糖、マンニトール、粉末オブラート、コーンスターチなどのデンプンなどの食品製造上または薬学上許容される粉体を付着防止剤としてカプセル表面に適量振りかけ、カプセルのブロッキング防止を図ってもよい。
【0043】
なお、前記実施形態は本発明の一例を示したに過ぎず、本発明は前記例示に限定されることなく種々の変更が可能である。
【0044】
【実施例】
以下、実施例により本発明の効果を明確にする。
[実施例1]
充填液(芯液)として中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)と、皮膜物質として、表1に示すようにゼラチン70質量部、グリセリン20質量部、マンニトール10質量部の組成の皮膜物質と水を混合し加熱溶解した皮膜液とを用い、シームレスミニカプセル製造装置「スフェレックス(登録商標)」(フロイント産業株式会社製)を用いて、その多重ノズルから、冷却した硬化用液中に多層液滴を滴下し、粒径が6mm、皮膜率(シームレスカプセル全質量に対する皮膜質量の割合)が20%のシームレスカプセルを製造した。
このシームレスカプセルの製造条件は以下の通りとした。
・硬化用液:中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)
・硬化用液温度:9℃
・皮膜液温度:60℃
・カプセル生産数:8粒/秒。
【0045】
[実施例2]
表1に示すように、皮膜物質をゼラチン50質量部、グリセリン20質量部、マンニトール30質量部の組成とし、それ以外は実施例1と同じ条件でシームレスカプセルを製造した。
【0046】
[実施例3]
表1に示すように、皮膜物質をゼラチン30質量部、グリセリン20質量部、マンニトール50質量部の組成とし、それ以外は実施例1と同じ条件でシームレスカプセルを製造した。
【0047】
[比較例1]
表1に示すように、皮膜物質をゼラチン100質量部、グリセリン40質量部、マンニトールに代えて小麦粉10質量部の組成とし、それ以外は実施例1と同じ条件でシームレスカプセルを製造した。
【0048】
[比較例2]
表1に示すように、皮膜物質をゼラチン100質量部、グリセリン40質量部、マンニトールに代えて乳性蛋白質1.8質量部の組成とし、それ以外は実施例1と同じ条件でシームレスカプセルを製造した。
【0049】
[比較例3]
表1に示すように、皮膜物質をゼラチン80質量部、グリセリン20質量部の組成とし、マンニトールを加えない以外は、実施例1と同じ条件でシームレスカプセルを製造した。
【0050】
【表1】
【0051】
作製した実施例1〜3、比較例1〜3の各カプセルについて、下記の各試験を行い、比較した。
【0052】
(1)析出した結晶の大きさおよび分散均一性について
実施例1〜3、比較例1〜3の各カプセルについて、顕微鏡を用いてカプセル外観を調べ、析出した結晶の大きさおよび分散均一性について評価した。
実施例1:析出したマンニトールの結晶は大きさや分散が均一であり、カプセルは艶消しになっていた。
実施例2:析出したマンニトールの結晶は大きさや分散が均一であり、カプセルは明らかに艶消しになっていた。
実施例3:析出したマンニトールの結晶は大きさや分散が均一であり、カプセルは明らかに艶消しになっていた。
比較例1:小麦粉分散物は大きさや分散が均一ではあるが、艶消しになっていなかった。
比較例2:乳性蛋白質分散物は大きさや分散が均一ではなかった。
比較例3:カプセルは透明であり、艶があった。
【0053】
(2)遮光性について
実施例1〜3、比較例1〜3の各カプセルについて、目視によりカプセル外観を調べ、遮光性について評価した。
実施例1:カプセル表面は光沢が無く、光を乱反射させ遮光性に優れていた。
実施例2:カプセル表面は光沢が無く、さらに起伏に富んでいるため光を乱反射させ遮光性に優れていた。
実施例3:カプセル表面は光沢が無く、さらに起伏に富んでいるため光を乱反射させ遮光性に優れていた。
比較例1:カプセル表面は光沢があり、滑らかであるため遮光性に乏しい。
比較例2:カプセル表面は光沢があり、滑らかであるため遮光性に乏しい。
比較例3:カプセル表面は明らかに光沢があり、遮光性は無い。
【0054】
(3)付着試験
実施例1〜3、比較例1〜3の各カプセルについて、高温多湿下におけるシームレスカプセルの付着防止効果を観察するために、検体20粒ずつを7号ガラス製サンプル瓶に入れ、開栓状態で40℃・75%RHの恒温湿槽内に48時間保管し、室温に戻した後、該サンプル瓶を、表2に示す状態にしてサンプル瓶から落下したカプセルの落下数によって付着性を判定した。表2において「逆さにする」から「机上5cmから落とす」に移行するに従って、サンプル瓶に加わる衝撃が増加する。サンプル瓶に加わる衝撃が少ない状態で落下するカプセル数が多いほど、付着が抑えられていることを表している。結果を表2に示す。なお、表2中の数値は、「逆さにする」から「机上5cmから落とす」に順次移行させた際のカプセル落下累積数を表している。
【0055】
【表2】
【0056】
表2の結果から、本発明に係る実施例1〜3のシームレスカプセルは、カプセル表面のべとつきが抑えられると同時に、容器内壁への付着が防止されることが認められた。また、この結果から、マンニトール30質量部の実施例2が付着防止効果に関して最も優れていた。
【0057】
(4)咀嚼時における歯への付着試験
実施例1〜3、比較例1〜3の各カプセルについて、10名のパネラーに各カプセルを咀嚼させ、歯への付着度合を比較させた。結果を表3に示す。
【0058】
【表3】
【0059】
表3の結果から、本発明に係る実施例1〜3のシームレスカプセルは、咀嚼時に歯への付着を防止する効果があることが認められた。
【0060】
【発明の効果】
本発明のシームレスカプセルは、皮膜表面に露出した結晶により付着防止性に優れ、容器等に包装したカプセルが付着して固まりになることがなく、一粒ずつ取り出し易いものとなる。またカプセル製造時の滑走性が良好であり、互いに付着し難いので、製造が容易となる。
また皮膜表面に露出した結晶により、咀嚼時に歯に付着し難くなり、食感を向上させることができる。
また本発明のシームレスカプセルは、皮膜表面に露出した結晶及び皮膜中に析出した結晶により皮膜の遮光性が高くなり、光安定性を欠く物質を被包する場合であっても、無機粉体からなる遮光剤や遮光用着色料が不用となり、これらを添加することによる嗜好への悪影響をなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシームレスカプセルを製造するのに好適な液中ノズル式シームレスカプセル製造装置を例示する概略構成図である。
【符号の説明】
1 芯液
3 皮膜液
7 多重ノズル
10 硬化用液
11 流路管
12 分離器
13 メッシュ
14 駆動源
SC シームレスカプセル
Claims (4)
- (a)皮膜形成剤と(b)ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、パラチニット、ラクチトール、マルチトール、トレハロースおよびショ糖からなる群から選択される1種又は2種以上である結晶化剤とを含む皮膜で充填物質を被覆してなり、該皮膜は前記皮膜形成剤と結晶化剤を含む皮膜溶液を硬化させた際に前記結晶化剤が析出して形成された結晶を含み、該結晶によって該皮膜が実質的に不透明となっていることを特徴とするシームレスカプセル。
- 前記皮膜が、(c)グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールからなる群から選択される1種または2種以上である可塑剤を含む請求項1記載のシームレスカプセル。
- 前記結晶化剤の添加量が、水を除く皮膜全量に対し10〜80質量%の範囲である請求項1又は2記載のシームレスカプセル。
- 前記皮膜と充填物質との質量比が5:95〜70:30の範囲である請求項1〜3のいずれかに記載のシームレスカプセル。
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