JP4627825B2 - 被包粒状物質及びその製造方法 - Google Patents

被包粒状物質及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医薬品、医薬部外品、化粧品、機能性食品、健康食品、一般食品などの分野で製造されている被包粒状物質及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、医薬品、医薬部外品、化粧品、機能性食品、健康食品、一般食品などの分野で製造されている粒状物質としては、カプセル剤、錠剤、丸剤、顆粒剤、坐剤、トローチ剤、カプセル詰め入浴剤、カプセル詰め化粧品、錠菓、糖衣菓子、キャンデー、キャラメル、ガムなどの菓子、顆粒食品、打錠食品などがある。
上記の粒状物質は、酸化、褐変、吸湿、溶解、軟化等の変質を防止したり、取り扱いを容易にするために、カプセル等の容器に入れて、或いはそれらの表面を保護皮膜で覆ったりして、即ち被包されて保存されているものもある。
【0003】
ところで、上記のカプセルや保護皮膜など内容物を包囲する包囲体の材料は、通常ゼラチン等を基剤としているが、かかる基剤は概して無味である。従って、経口用の医薬品、医薬部外品、健康食品、菓子などを被包する場合には、嚥下し易くしたり食し易くするために前記包囲体材に味や香りをつけることが提案されている。
例えば、特開昭61−58537号公報には、包囲体材の溶液に甘味料、コーヒーなどの嗜好性飲料エキスの呈味成分を加えて、ソフトカプセルを製造する方法が開示されている。
【0004】
しかしながら、上記の方法で製造したカプセルは口に含んでも呈味成分の味及びそれに伴う香りや清涼感を瞬時には感じることができないという欠点がある。その理由は呈味成分の分子がゼラチン(基剤)分子が構成するゼラチンゲル、即ちゼラチンネットワーク(網目構造)の中に取り込まれており、外表面には殆ど露出されていないからである。
【0005】
また、包囲体の外表面は通常大気中に暴露されるため、保存中に、温度、湿度、圧力などの外的影響を受けて経時変質し、相互に付着してブロック化し易い。この問題は、粒状物質が経口用であるか否かを問わない。
【0006】
かかる変質を阻止するために、包囲体の周囲または包囲体材の溶液に、カルシウム含有物質、ワックス等の鑞類、トランスグルタミナーゼ等の酵素類、マンニトール、シリコーン樹脂、プロピレングリコール、乳化剤、コーンスターチ、セルロースとデンプンの混合物などの添加剤を加えることが提案されている。しかしながら、効果は期待したほどではなかった。また、実用化するには、別の問題点もあった。
【0007】
更に、需要者が購買意欲をそそられるよう、粒状物質の外観が美観を呈するものであることが望ましい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記した従来の問題点に鑑みて為されたものであり、嚥下したり食した場合に噛み砕いて物理的に破壊したり、または溶かしたりすることなく瞬時に味を感じることができる被包粒状物質及びその製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、服用の如何に係わらず、経時的に相互付着を起こし難い被包粒状物質及びその製造方法を提供することを目的とする。
更に、本発明は、美観を有する被包粒状物質及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1の発明は、内容物が包囲体により被包され、結晶性の水溶性物質が前記包囲体の外表面に析出物として均質且つ一様に露出して、外表面とその余の部分とで二層に分離しているようにみえる、ソフトカプセル又はシームレスカプセル形態の被包粒状物質の製造方法において、前記結晶性の水溶性物質が溶解した包囲体形成材の溶液を包囲液とし、カプセル形態の包囲体に成型し固化させ、その後乾燥させるが、この乾燥工程の途中で周囲を一旦乾燥工程より湿度を高くした高湿雰囲気にして包囲体の外表面に水分子を吸着させることで前記包囲体の外表面に前記結晶性の水溶性物質を引き寄せ、その析出物を前記外表面に露出させたことを特徴とする被包粒状物質の製造方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の被包粒状物質の構成を被包される内容物と、包囲体とに分けて、以下に説明する。
(内容物)
被包される内容物には、医薬品、医薬部外品、化粧品、機能性食品、健康食品、一般食品などの分野で製造されている、カプセル剤、錠剤、丸剤、顆粒剤、坐剤、トローチ剤、カプセル詰め入浴剤、カプセル詰め化粧品、錠菓、糖衣菓子、キャンデー、キャラメル、ガムなどの菓子、顆粒食品、打錠食品などの物質がある。
これらは、常温で液状でも、半固体状(ペースト状)でも、錠剤のような固形状でも、更には、粉末状、顆粒状でもよい。
また、空気、酸素のようなガス状でもよい。更には、既に被包されている多層状のものでもよい。
なお、半固形状、固形状、顆粒状などの場合には、市販の造粒機、顆粒機、糖衣掛機(例えば、レボルパン)などの成型機を用いて成型する。
【0013】
(包囲体)
包囲体の成分
包囲体を形成する基剤としては、特に限定されるものではないが、ゼラチン、寒天、アルギン酸、カラギーナン、ペクチン、カードラン、ジェランガム、アミロペクチン、セルロース、キチン、デキストリン、可溶性デンプンなどの多糖類が用いられる。
また、添加剤として、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、セラック、シリコーン樹脂、油脂類等に代表される可塑剤、安定化剤、保存剤、着色剤、離型剤が適宜配合される。更には、着色料や香料も適宜配合される。
【0014】
包囲体の外表面に露出した結晶性の析出物
この析出物は、結晶性の水溶性物質由来のものである。析出物の種類としては、特に限定されるものではないが、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、エリトリトール、マルチトール、ラクチトール等の糖アルコール、アラビノース、キシロース、グルコース、フラクトース、ガラクトース、マンノース等の単糖類、マルトース、トレハロース、ネオトレハロース、スクロース等の二糖類、ラフィノース、シアリルラクトース、フコシルラクトース等の三糖類、マルトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、バラチノース等のスクロオリゴ糖、キシロオリゴ糖、フスマオリゴ糖、寒天オリゴ糖、タマリンドオリゴ糖、キトサンオリゴ糖等のオリゴ糖(寡糖類)、グルタミン酸、アスパラギン酸、グリシン、システイン、シスチン、メチオニン等のアミノ酸またはその塩、グルタチオン等のオリゴペプチド、更には、甘味性物質、塩味性物質、アミノ酸または核酸等の旨味性物質、カフェイン等の苦味性物質、タンニン等の渋味性物質、酸味性物質がある。なお、二種類以上が含まれていてもよい。
【0015】
析出物は、包囲体の外表面の少なくとも一部に露出していればよい。即ち、包囲体の外表面が全て析出物で覆われている必要はなく、また、析出物の一部は包囲体中に完全に埋没した状態で存在してもよい。
但し、析出物は、包囲体の外表面に微細な結晶として均質に且つ一様に露出しているのが好ましい。その場合には、包囲体は二層に分離しているようにみえる。
【0016】
包囲体中の析出物を除いた余部分と析出物の重量比の適切な範囲は、析出物の種類により異なる。例えば、本発明者の実施した試験によれば、析出物がキシリトールの場合には、キシリトール:余部分=40〜200:130が好ましく、キリシトール:余部分=80〜160:130がより好ましいことが判明している。これに対して、析出物がカフェインの場合には、カフェイン:余部分=2〜50:130が好ましく、カフェイン:余部分=4〜20:130がより好ましいことが判明している。
【0017】
また、上記の重量比の適切な範囲は、包囲体の外表面への析出物の露出状況によっても変動する。
なお、包囲体自体に本質的に求められている内容物の保存性や内容物を放出するときに必要な崩壊性に悪影響を及ぼさない範囲であることはもとよりである。
【0018】
包囲体の形態は、被包状態が粒状であればよく、例えば、ソフトカプセル、ハードカプセル、シームレスカプセル、マイクロカプセルなどのような容器形態でも、内容物、例えば錠剤や顆粒物の表面に一体的に施される皮膜形態でもよい。
【0019】
以下に、本発明に係る被包粒状物質の製造方法を説明する。
溶液状の包囲体形成材を使用する。なお、この中に結晶性の水溶性物質が溶解していることは勿論である。通常は、温湯溶液を使用する。
包囲体の形態がソフトカプセルやシームレスカプセルの場合には、市販のソフトカプセル充填機やシームレスカプセル充填機を用いて、内容物の封入と同時に成型を行う。包囲体の形態がハードカプセルの場合には、容器形態の包囲体を成型した後に、内容物を入れる。
また、包囲体の形態が皮膜の場合には、浸漬及び引上げ、滴下、吹付けなどにより固形の内容物の表面を被覆する。
【0020】
カプセル成型や被覆等が施された後、溶液状の包囲体形成材を固化させ且つ乾燥させる。
固化はゲル化することにより進行させる。この場合、ゲル化は、主に強制冷却により起こさせるが、カルシウム、カリウム、マグネシウムなどの塩類との反応、酵素との反応などを利用することにより行ってもよい。
溶液状の包囲体形成材の冷却に伴う溶解度の低下により、結晶性の水溶性物質が溶液中から固化しつつある包囲体の外表面側に移動してくる。
【0021】
その後固化された包囲体を乾燥させる。
乾燥は、送風による場合には固化工程と重複して行えるが、加熱による乾燥の場合には固化工程の終了後に行う。
この乾燥工程により、結晶性の水溶性物質が最終的に析出する。外表面にあったものは、析出物が露出することになる。
【0022】
なお、この乾燥工程で、周囲を一旦高湿(加湿)雰囲気にするのが好ましい。包囲体の外表面に接する空気中の湿度が高いと外表面に水分子が吸着するが、その水分子は容易に皮膜中に侵入できない。一方、包囲体に溶解している結晶性の水溶性物質は濃度の格差を解消しようとして、外表面に吸着している水分子に引き寄せられ、その水分子に溶解する。その結果、外表面に結晶性の水溶性物質の水溶液層がより積極的に形成される。これを乾燥すれば、析出物が外表面に多く露出することになる。
場合によっては、上記の高湿雰囲気下による処理と乾燥処理とを繰り返す。すると、析出物が外表面上を均一に且つ隙間無く覆うようになる。
【0023】
以上、本発明の実施の形態について詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更などがあっても本発明に含まれる。
【0024】
【実施例】
以下に本発明の実施例を説明するが、本発明の範囲は以下の実施例により限定されるものではない。
実施例1
内容物としてビタミンE含有油脂を用い、包囲体材溶液として、ゼラチン(ニッピゼラチン工業会社製のアルカリゼラチン(ブルーム165〜185):100重量部、グリセリン:30重量部、着色料:1重量部、キシリトール(結晶性の水溶性物質、東和化成会社製:キシリット):0(比較例)、20、40、80、120、160、200、240重量部、水:90重量部の溶液を用いた。
前記溶液(70℃)を真空脱気、濾過した後、回転金型式ソフトカプセル充填機を用いて、内容物が被包されたソフトカプセル(OVAL、No.5)を成型し固化させた。その後直ちに、湿度30%で温度31℃の空気雰囲気中で、回転式送風乾燥機を用いて5時間乾燥し、次に、湿度80%で温度28℃の空気雰囲気中に3時間置いた後、更に、湿度30%で温度31℃の空気雰囲気中で、回転式送風乾燥機を用いて12時間乾燥して、最終的に皮膜水分を約10%とした。得られた8種類のサンプル(ソフトカプセル形態)について行った品質判定試験の結果を以下の表1に示す。
【0025】
【表1】
Figure 0004627825
【0026】
表1中、工程適性は製品の歩留まりで判定した。表面の白さは目視により判定し、甘さは舌に含んで判定した。相互付着は温度40℃、湿度75%で14日間保存した後に判定した。
良い結果から、順に◎、○、△、×で示してある。
キシリトールの重量比が80〜160重量部のサンプルは、外表面に微細な白いキシリトールの結晶が均一に露出した美観を有するものであり、嚥下したり食した場合には瞬時にキシリトールの清涼感ある甘みを感じることができた。また、保存した場合にも相互付着は殆ど見られなかった。なお、皮膜中にあるキシリトールが皮膜に柔軟性を与えたため、より嚥下したり食し易くなった。
【0027】
なお、図1のAは実施例1で製造したサンプルの模式的断面を示す図であり、1はソフトカプセル状包囲体、3はビタミンE含有油脂(内容物)、5はキシリトールの露出した析出物を、それぞれ示す。
【0028】
実施例2
市販のクロレラ錠剤の表面を実施例1で用いた温湯溶液を用いて、実施例1で用いた処理雰囲気中で、均一にスプレーコートし皮膜を成型し固化・乾燥させた。
得られた8種類のサンプル(皮膜形態)について行った品質判定試験の結果、工程適性、表面の白さ、甘さ、相互付着において良好な結果が得られたものは、皮膜が二層に分離したものであった。
【0029】
なお、図1のBは実施例2で製造したサンプルの模式的断面を示す図であり、7は皮膜状包囲体、9はクロレラ錠剤(内容物)、11はキシリトールの露出した析出物を、それぞれ示す。
【0030】
実施例3
内容物として空気を用い、包囲体材溶液として、ゼラチン(ニッピゼラチン工業会社製のアルカリゼラチン(ブルーム165〜185):100重量部、グリセリン:30重量部、天然甘味料:5重量部、カラメルカラー:1重量部、天然カフェイン(結晶性の水溶性物質、小城製薬会社製:茶素):0(比較例)、5、10、50、100重量部、水:90重量部の混合溶液を用いた。
そして、実施例1で用いた処理雰囲気中、実施例1で用いた処理工程に従ってソフトカプセル(ROUND、No.3)を成型し固化し乾燥させた。
得られた5種類のサンプル(ソフトカプセル形態)について行った品質判定試験の結果を以下の表2に示す。
【0031】
【表2】
Figure 0004627825
【0032】
表2中、工程適性、表面の白さ、苦さ、相互付着は表1と同じ手法で判定した。
なお、「…」は、全量が溶解した溶液をつくることができず、途中で中止したことを示す。
カフェインの重量比が5〜10重量部のサンプルは、外表面に微細な白いカフェインの結晶が露出した美観を有するものであり、嚥下したり食した場合には瞬時にカフェインの苦味を感じることができた。また、保存した場合にも相互付着は殆ど見られなかった。このサンプルは、いずれもチューインガムとは別の噛みごたえを有しており、「食べられるガム様食品」とも言うべきものであった。
【0033】
なお、図1のCは実施例3で製造した
サンプルの模式的断面を示す図であり、13はソフトカプセル状包囲体、15は空気(内容物)、17はカフェインの露出した析出物を、それぞれ示す。
【0034】
実施例4
内容物として固形のチョコレートを用い、包囲体材溶液として、ゼラチン(ニッピゼラチン工業会社製のアルカリゼラチン(ブルーム165〜185):100重量部、ペクチン(三晶会社扱、HM):2重量部、エリトリトール(結晶性の水溶性物質、日研化学会社製):0(比較例)、50、100、150、200重量部、水:90重量部の混合溶液を用いた。
そして、実施例1で用いた処理雰囲気中、チョコレートを浸漬し、引き上げて皮膜を成型し固化・乾燥させた。
【0035】
得られた5種類のサンプル(皮膜形態)について行った品質判定試験の結果、工程適性、表面の白さ、甘さ、相互付着において良好な結果が得られたものは、皮膜が二層に分離したものであった。この製品は、夏季の高温下においても皮膜が溶解しなかったため中のチョコレートが放出されず、手にべとつかなかった。
【0036】
なお、図1のDは実施例4で製造したサンプルの模式的断面を示す図であり、19は皮膜状包囲体、21はチョコレート(内容物)、23はエリトリトールの露出した析出物を、それぞれ示す。
【0037】
実施例5
内容物として入浴剤を用い、包囲体材溶液として、ゼラチン(ニッピゼラチン工業会社製のアルカリゼラチン(ブルーム165〜185):100重量部、グリセリン:30重量部、マルトース(結晶性の水溶性物質、日本食品化工会社製):50重量部、水:90重量部の溶液を用いた。
前記溶液を実施例1で用いた処理雰囲気中、実施例1で用いた処理工程に従って、ソフトカプセル(ROUND、No.160)を成型し固化・乾燥させた。
【0038】
得られたサンプル(ソフトカプセル形態)について行った品質判定試験の結果、従来のものに比べて保存中の相互付着、ブロック化が少なかったばかりでなく、入浴用の湯中では直ちに崩壊して内容物が放出された。
【0039】
なお、図1のEは実施例5で製造したサンプルの模式的断面を示す図であり、25はソフトカプセル状包囲体、27は入浴剤(内容物)、29はマルトースの露出した析出物を、それぞれ示す。
【0040】
実施例6
内容物として苦味の強いアロエ粉末を用い、包囲体材溶液として、ゼラチン(ニッピゼラチン工業会社製のアルカリゼラチン(ブルーム165〜185):100重量部、乳化剤:1重量部、フラクトース(結晶性の水溶性物質、加藤化学会社製):20重量部、水:150重量部の溶液を用いた。
前記溶液(70℃)を真空脱気、粘度調整した後、この溶液にステンレス製のピンを浸漬して回転しながら引き上げて成型し、固化した。その後直ちに、湿度30%で温度25℃の空気雰囲気中で、皮膜の水分が約12%になるまで乾燥して、容器形態の包囲体をつくった。そして、その中にアロエ粉末を入れた後密封した。
【0041】
得られたサンプル(ハードカプセル形態)について行った品質判定試験の結果、従来のものに比べて保存中の相互付着、ブロック化が少なかったばかりでなく、嚥下し易かった。また、カプセルの層が二層に分離したものであった。
【0042】
なお、図1のFは実施例1で製造したサンプルの模式的断面を示す図であり、31はハードカプセル状包囲体、33はアロエ粉末(内容物)、35はフラクトースの露出した析出物を、それぞれ示す。
【0043】
【発明の効果】
本発明の被包粒状物質は、嚥下又は食した場合に、外表面に露出した析出物の溶解により味、それに伴う香り、清涼感などを瞬時に感じることができる。
保存した場合には、析出物が粒状物質の相互付着、ブロック化を阻止する。
また、析出物を外表面に均一に露出させれば、品の良い美観を呈する。加えて、包囲体中に析出物の一部を残せば、柔軟性が出ると共に崩壊し易くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る被包粒状物質の断面を示す図である。
【符号の説明】
1、7、13、19、25、31 包囲体
3、9、15、21、27、33 内容物
5、11、17、23、29、35 析出物

Claims (1)

  1. 内容物が包囲体により被包され、結晶性の水溶性物質が前記包囲体の外表面に析出物として均質且つ一様に露出して、外表面とその余の部分とで二層に分離しているようにみえる、ソフトカプセル又はシームレスカプセル形態の被包粒状物質の製造方法において、
    前記結晶性の水溶性物質が溶解した包囲体形成材の溶液を包囲液とし、カプセル形態の包囲体に成型し固化させ、その後乾燥させるが、この乾燥工程の途中で周囲を一旦乾燥工程より湿度を高くした高湿雰囲気にして包囲体の外表面に水分子を吸着させることで前記包囲体の外表面に前記結晶性の水溶性物質を引き寄せ、その析出物を前記外表面に露出させたことを特徴とする被包粒状物質の製造方法。
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