JP3007328U - 電動ビス締付機におけるクラッチ装置 - Google Patents

電動ビス締付機におけるクラッチ装置

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JP3007328U JP1994010355U JP1035594U JP3007328U JP 3007328 U JP3007328 U JP 3007328U JP 1994010355 U JP1994010355 U JP 1994010355U JP 1035594 U JP1035594 U JP 1035594U JP 3007328 U JP3007328 U JP 3007328U
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楢 彦 室
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株式会社ムロコーポレーション
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 モータの回転動力の伝達遮断時にクラッチ歯
の衝突によって金属音が発生するのを防止する機構とし
て、加工が容易で小型に形成できる電動ビス締付機のク
ラッチ装置を得る。 【構成】 駆動軸1上のフランジ部1aとクラッチ部材
2との間に、クラッチ歯1d,2dを設けると共に、両
クラッチ歯1d,2dを常に離反方向に付勢する付勢バ
ネ5を設ける。上記クラッチ部材2とビット装着軸3と
の間に、回転伝達爪2c,3cとカム溝2e,3e及び
それらのカム溝間に嵌入する転動子6を設ける。上記ク
ラッチ部材2は、カム溝2e,3eを設けた部材本体2
aと、上記回転伝達爪2cを備え、且つ上記転動子6の
脱落防止壁を形成する筒状部材2bとにより形成され
る。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、電動ビス締付機において、モータからドライバビットを装着するビ ット装着軸に対して回転を伝達する主駆動系に設けるためのクラッチ装置に関す る。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の電動ビス締付機におけるクラッチ装置として、クラッチ部材と 駆動軸上のフランジ部等の対向する部材に互いに咬合するクラッチ歯を備え、そ の咬合を解除してドライバビットに対するモータの回転動力の伝達を遮断する際 に、クラッチ歯相互の衝突で金属音が発生するのを防止するようにしたものは、 例えば特開昭63−267171号公報または特開平2−131876号公報等 に開示されている。これらのクラッチ装置では、一般的に、急速接続解除機構を 利用してビスの締付け完了に伴う押付け圧解除時にクラッチ部材を軸方向に移動 させ、クラッチはの咬合を解除して動力伝達を遮断するようにしている。上記急 速接続解除機構は、例えば、クラッチ部材とビット挿着軸に、回転動力伝達時に それらを互いに離反する方向に押圧するための軸方向変位部分を持つ一対のカム 溝を設けて、両カム溝間にボール等の転動子を嵌入させ、互いに咬合する上記ク ラッチ歯を付勢バネにより互いに離反する方向に付勢することによって構成した ものである。
【0003】 しかしながら、上記急速接続解除機構を利用したクラッチ装置では、転動子が 嵌入する複雑な形状のカム溝をクラッチ部材とそれに対向する部材との間に設け ると共に、それらの両部材の間に軸方向の相対的な移動にもかかわらず動力を伝 達できる回転伝達爪を設け、しかも転動子がそれらのカム溝から脱落しないよう に配慮した構造にする必要があり、そのための加工が比較的困難であるばかりで なく、上記転動子を嵌入させるカム溝、転動子の脱落防止手段、並びに回転伝達 爪を設けるために、その部分でクラッチ装置が大径化し、大型化するという問題 があった。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
本考案の技術的課題は、対向する部材に互いに咬合するクラッチ歯を備え、そ の咬合または解除によってドライバビットに対してモータの回転動力を伝達また は遮断するような電動ビス締付機のクラッチ装置において、ドライバビットに対 するモータの回転動力の伝達遮断時にクラッチ歯の衝突によって金属音が発生す るのを防止するために、上記転動子を嵌入させる一対のカム溝、転動子の脱落防 止手段、並びに回転伝達爪を備えながらも、加工が容易で小型に形成できるよう にした電動ビス締付機におけるクラッチ装置を得ることにある。 本考案の他の技術的課題は、上記一対のカム溝に嵌入させる転動子を一方のカ ム溝側に固定した摺動突子として、構成を簡単化しながらも、一層加工が容易で 小型に形成できるようにした電動ビス締付機におけるクラッチ装置を得ることに ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本考案の電動ビス締付機におけるクラッチ装置は、 基本的には、モータにより回転駆動される駆動軸に、クラッチ部材及び先端にビ ット装着穴を有するビット装着軸を、回転可能且つ該駆動軸の軸方向に移動可能 に外嵌してなり、上記駆動軸上のフランジ部とクラッチ部材との間に、互いに咬 合することにより駆動軸の回転をクラッチ部材に伝達するクラッチ歯をそれぞれ 設けると共に、両クラッチ歯を常に離反方向に付勢する付勢バネを設け、上記ク ラッチ部材とビット装着軸との間に、それらの軸方向の相対的な移動にもかかわ らず動力を伝達する回転伝達爪を設けると共に、駆動軸からクラッチ部材への回 転動力伝達時にクラッチ部材とビット装着軸を互いに離反する方向に押圧するた めの軸方向変位部分を持つカム溝及びそれらのカム溝間に嵌入する転動子を設け 、ビットの押付け解除時に上記付勢バネの付勢力でクラッチ部材のクラッチ歯を 駆動軸上のクラッチ歯から急速に離反させる急速接続解除機構を備えている。而 して、上記クラッチ部材を、内部に挿通した駆動軸の周りにおけるビット装着軸 との対向面に上記カム溝を設けた部材本体と、その周囲に嵌合固着されて、上記 回転伝達爪を備えると共に上記カム溝に嵌入する転動子の脱落防止壁を形成する 筒状部材とにより形成している。
【0006】 上記クラッチ装置の急速接続解除機構は、上記一対のカム溝間に転動子を嵌入 する代わりに、上記クラッチ部材とビット装着軸の一方に、同様な軸方向変位部 分を持つカム溝を設け、その他方にカム溝内に摺接する摺動突子を設けることに よって構成することもできる。
【0007】 また、上記のようなクラッチ装置の構成とは逆に、クラッチ部材とビット装着 軸との間に、互いに咬合することによりクラッチ部材を介して伝達される駆動軸 の回転をビット装着軸に伝達するクラッチ歯をそれぞれ設けると共に、両クラッ チ歯を常に離反方向に付勢する付勢バネを設け、上記駆動軸上のフランジ部とク ラッチ部材との間に、それらの軸方向の相対的な移動にもかかわらず動力を伝達 する回転伝達爪を設けると共に、駆動軸からクラッチ部材への回転動力伝達時に 駆動軸とクラッチ部材を互いに離反する方向に押圧するための軸方向変位部分を 持つカム溝及びそれらのカム溝間に嵌入する転動子を設け、ビットの押付け解除 時に上記付勢バネの付勢力でクラッチ部材のクラッチ歯をビット装着軸上のクラ ッチ歯から急速に離反させる、急速接続解除機構を備えた電動ビス締付機のクラ ッチ装置において、上記クラッチ部材を、内部に挿通した駆動軸の周りにおける 駆動軸のフランジ部との対向面に上記カム溝を設けた部材本体と、その周囲に嵌 合固着され、上記回転伝達爪を備えると共に、上記カム溝に嵌入する転動子の脱 落防止壁を形成する筒状部材とにより形成することもできる。
【0008】 また、前述のように、上記クラッチ装置の急速接続解除機構を、一対のカム溝 に転動子を嵌入する代わりに、駆動軸上のフランジ部とクラッチ部材の一方に、 同様な軸方向変位部分を持つカム溝を設け、その他方にカム溝内に摺接する摺動 突子を設けることによって構成することもできる。
【0009】 上記のいずれの場合においても、クラッチ部材本体に、回転伝達爪を備えた筒 状部材を嵌合固着するに際し、該部材本体と筒状部材の一方に設けた凹部と、そ の他方に設けた凸部とを係合することにより嵌合固着してもよい。
【0010】
【作用】
上記構成を有する電動ビス締付機においては、ビット装着軸に取付けたビット の先端に締付けようとするビスを装着し、それを対象物に押し当てて駆動軸を回 転させると、付勢バネの付勢力に抗してクラッチ歯が咬合し、ビットに回転が伝 達される。この場合に、カム溝及びそのカム溝に嵌入する転動子または摺動突子 等を備えた急速接続解除機構においては、駆動軸からの回転動力伝達に伴って、 軸方向変位部分を有するカム溝内で転動子または摺動突子が移動し、付勢バネの 付勢力に抗して一対のカム溝を設けた部材相互間またはカム溝と摺動突子を有す る部材間の間隔がクラッチ歯の急速接続解除のために広げられる。
【0011】 ビスの螺挿が完了し、ビットをビス頭から後退させると、付勢バネの付勢力に よりクラッチ歯が離反を始めるが、ビットがビス頭から離脱してその回転が自由 になったときに、急速接続解除機構の動作、即ち転動子または摺動突子がカム溝 に沿って移動し、先に広げた部材間の間隔を付勢バネの付勢力で急速に狭める動 作を行うので、その分だけ急速にクラッチ歯相互の間隔が広がり、クラッチ歯相 互の衝突による金属音の発生が防止される。
【0012】 而して、上記クラッチ部材は、部材本体と筒状部材とを別途成形して両部材を 嵌合固着しているので、複雑形状のカム溝の加工を、それを施すべきクラッチ部 材等の軸方向または円周方向から容易に行うことができるばかりでなく、転動子 がカム溝から脱落しないようにするための複雑な加工をクラッチ部材等に施す必 要がなく、筒状部材の嵌合固着によりそれを容易に成形することができる。また 、カム溝及び転動子は上記筒状部材内に収容されるため、クラッチ装置をより小 型に成形することができる。
【0013】
【実施例】
以下、本考案に係る電動ビス締付機におけるクラッチ装置を図面に基づいて詳 細に説明する。 図1乃至図4は本クラッチ装置の第1実施例を示している。 この第1実施例のクラッチ装置は、図1に示すように、モータにより回転駆動 される駆動軸1の軸部1bに、クラッチ部材2及び先端にビット装着穴3aを有 するビット装着軸3を、回転可能且つ該駆動軸1の軸方向に移動可能に外嵌する ことにより構成される。
【0014】 上記駆動軸1は円盤状のフランジ部1aと、それと一体化された軸部1bとか らなり、該フランジ部1aはその外周にモータから回転動力が伝達される歯1c を備えた歯車状に形成している。 上記フランジ部1aとクラッチ部材2との間には、互いに咬合することにより 駆動軸1の回転をクラッチ部材2に伝達するクラッチ歯1d,2dがそれぞれ設 けられ、且つ両クラッチ歯1d,2dを常に離反する方向に付勢する付勢バネ5 が設けられている。
【0015】 上記クラッチ部材2は、クラッチ部材本体2aに筒状部材2bを嵌合固着する ことにより形成されている。図2乃至図4に明瞭に示すように、該クラッチ部材 2における筒状部材2bとビット装着軸3との対向面には、それらの軸方向の相 対的な移動にもかかわらず動力を伝達する回転伝達爪2c,3cを設け、また、 クラッチ部材本体2aとビット装着軸3との対向面には、駆動軸1からクラッチ 部材2への回転動力伝達時にクラッチ部材2とビット装着軸3を互いに離反する 方向に押圧するための軸方向変位部分を持つ複数のカム溝2e,3eをそれぞれ 一対になるように設けている。同時に、上記複数対のカム溝2e,3eの間に転 動子6を嵌入している。而して、前述した付勢バネ5並びに上記カム溝2e,3 e及び転動子6によって、ビット装着軸3におけるビットDの押付け解除時に、 上記付勢バネ5の付勢力でクラッチ部材2のクラッチ歯2dを駆動軸1における フランジ部1a上のクラッチ歯1dから急速に離反させる急速接続解除機構を構 成している。
【0016】 また、上記回転伝達爪2cを備えた筒状部材2bは、クラッチ部材本体2aに おけるカム溝2eの周りに嵌合固着することにより、カム溝2e,3eの間に嵌 入する転動子6の脱落防止壁を形成している。 クラッチ部材本体2aに筒状部材2bを嵌合固着するに際しては、両者を接着 剤、溶接、焼嵌め等によって固着することもできるが、筒状部材のクラッチ部材 本体に対する円周方向のズレを防ぐと共に、クラッチ部材本体2aと筒状部材2 bをより強固に固着するために、該部材本体2aに設けた凹部2fと筒状部材2 bに設けた凸部2gとを係合させて、両者を圧嵌固着するのが望ましい。
【0017】 なお、このクラッチ装置は、電動ビス締付機のボディ内に装着され、ビット装 着軸3が図1に示すビット先端側への突出位置を限度として軸方向移動及び回転 自在に保持されるものである。
【0018】 上記構成を有する第1実施例のクラッチ装置では、図2に示すように、ビット 装着軸3に取付けたビットDの先端に締付けようとするビスBを装着し、それを 対象物Wに押し当て、付勢バネ5の付勢力にこうしてクラッチ歯1d,2dを咬 合させて駆動軸1を回転させると、駆動軸1の回転がクラッチ部材2及びビット 装着軸3を介してビットDに伝達される。この場合に、図3に示すように、駆動 軸1からの回転動力伝達に伴って、クラッチ部材2とビット装着軸3に設けた回 転伝達爪2c,3cが咬合すると同時に、軸方向変位部分を有するカム溝2e, 3e内で転動子6が移動し、付勢バネ5の付勢力に抗して一対のカム溝2e,3 eを設けたクラッチ部材2とビット装着軸3の両部材相互間の間隔dが、ビス締 付け後のクラッチ歯1d,2dの急速接続解除のために広げられる。
【0019】 上記の状態でビスの螺挿を行った後、ビスの螺挿が完了して、図4に示すよう にビットDをビス頭から後退させると、付勢バネ5の付勢力によりクラッチ歯1 d,2dが離反を始めるが、ビットDがビス頭から離脱してビット装着軸3の回 転が自由になるため、急速接続解除機構の動作、即ち転動子6がカム溝2e,3 eに沿って移動し、先に広げたクラッチ部材2とビット装着軸3の両部材間の間 隔dを付勢バネ5の付勢力で急速に狭める動作を行う。 従って、その分だけ急速にクラッチ歯1d,2d相互の間隔が広がり、クラッ チ歯相互の衝突による金属音の発生が防止される。
【0020】 上記クラッチ装置においては、クラッチ部材2におけるビット装着軸3側の端 面に、複数のカム溝2eを設けると共に、回転伝達爪2cを設け、さらにカム溝 2e,3eに嵌入した転動子6の脱落防止手段を設ける必要があるが、上述した ように、カム溝2eを設けたクラッチ部材本体2aに回転伝達爪2cを有する筒 状部材2bを嵌合固着し、この筒状部材2bに転動子6の脱落防止機能を持たせ ることにより、それらの加工が容易になると共に小型化も容易になる。
【0021】 図5乃至図7に示す第2実施例のクラッチ装置は、上記第1実施例における一 対のカム溝2e,3e及び転動子6に代わるものとして、一つのカム溝とそれに 嵌入する摺動突子を設けてなるものである。 即ち、クラッチ部材22とビット装着軸23との間において、クラッチ部材2 2に、駆動軸21からクラッチ部材22への回転動力伝達時にクラッチ部材22 とビット装着軸23を互いに離反する方向に押圧するための軸方向変位部分を持 つ複数のカム溝22eを設け、ビット装着軸23に、上記カム溝22eとそれぞ れ一対になるように該カム溝内に摺接する複数の摺動突子26を設けている。而 して、第1実施例と同様の付勢バネ25(図7参照)並びに上記カム溝22e内 に摺動突子26を摺接させる構成によって、ビット装着軸23によるビットDの 押付け解除時に、上記付勢バネ25の付勢力でクラッチ部材22のクラッチ歯2 2dを駆動軸21におけるフランジ部21a上のクラッチ歯21dから急速に離 反させる急速接続解除機構を構成している。
【0022】 なお、この第2実施例において用いる駆動軸21、クラッチ部材22及び付勢 バネ25は、前記第1実施例において説明したものと同一のもので構成すること が可能である。また、この第2実施例においても、第1実施例と同様に、クラッ チ部材22をクラッチ部材本体22aと筒状部材22bとにより構成し、筒状部 材22bに設けた凸部22gをクラッチ部材本体22aの凹部22fに係合させ て両者の結合を強化している。
【0023】 上記構成を有する第2実施例のクラッチ装置は、図5に示すように、ビット装 着軸23に取付けたビットDの先端に締付けようとするビスBを装着し、それを 対象物Wに押し当て、付勢バネ25の付勢力に抗してクラッチ歯21d,22d を咬合させて駆動軸21を回転させると、駆動軸21の回転がクラッチ部材22 及びビット装着軸23を介してビットDに伝達される。この場合に、図6に示す ように、駆動軸21からの回転動力伝達に伴って、クラッチ部材22とビット装 着軸23に設けた回転伝達爪22c,23cが咬合すると同時に、軸方向変位部 分を有するカム溝22e内を摺動突子26が摺接しながら移動し、付勢バネ25 の付勢力に抗してカム溝22eを設けたクラッチ部材22と、摺動突子26を設 けたビット装着軸23との両部材相互間の間隔dがクラッチ歯21d,22dの 急速接続解除のために広げられる。
【0024】 ビスBの螺挿が完了し、図7に示すようにビットDをビス頭から後退させると 、付勢バネ25の付勢力によりクラッチ歯21d,22dが離反を始めるが、つ ぎに、ビットDがビス頭から離脱してその回転が自由になるため、急速接続解除 機構の動作、即ち摺動突子26がカム溝22eに沿って摺動し、先に広げたクラ ッチ部材22とビット装着軸23の両部材間の間隔dを付勢バネ25の付勢力で 急速に狭める動作を行う。 従って、急速にクラッチ歯21d,22d相互の間隔が広がり、クラッチ歯相 互の衝突による金属音の発生が防止することができる。
【0025】 上記クラッチ装置においては、上記一対のカム溝に嵌入させる転動子を一方の カム溝側に固定した摺動突子として、構成を一層簡単化しながらも、加工が容易 で小型に形成することができる。
【0026】 図8に示す第3実施例のクラッチ装置では、前記第1実施例の構成とは逆に、 駆動軸41の軸部41bに外嵌させたクラッチ部材42とビット装着軸43との 間に、互いに咬合することによりクラッチ部材42の回転をビット装着軸43に 伝達するクラッチ歯42d,43dをそれぞれ設けると共に、両クラッチ歯42 d,43dを常に離反方向に付勢する付勢バネ45を設け、上記駆動軸上のフラ ンジ部41aとクラッチ部材42における筒状部材42bとの間に、それらの軸 方向の相対的な移動にもかかわらず動力を伝達する回転伝達爪41c,42c( 第1実施例のクラッチ歯2c,3cと同形)を設けると共に、上記フランジ部4 1aとクラッチ部材本体42aとの間に、駆動軸41からクラッチ部材42への 回転動力伝達時に駆動軸41とクラッチ部材42を互いに離反する方向に押圧す るための軸方向変位部分を持つカム溝41e,42e及びそれらのカム溝間に嵌 入する転動子46を設け、前記付勢バネ45並びにこれらのカム溝41e,42 e及び転動子46により、ビットの押付け解除時に上記付勢バネ45の付勢力で クラッチ部材42のクラッチ歯42dをビット装着軸上のクラッチ歯43dから 急速に離反させる急速接続解除機構を構成させている。
【0027】 なお、この第3実施例は、上述したところを除いて第1実施例と同等であり、 そのため、クラッチ部材42はクラッチ部材本体42aに筒状部材42bを前記 と同等の手段で嵌着固定することにより構成している。
【0028】 従って、上記構成を有する第3実施例のクラッチ装置では、ビット装着軸43 に取付けたビットの先端に締付けようとするビスを装着し、それを対象物に押し 当て、付勢バネ45の付勢力に抗してクラッチ歯42d,43dを咬合させて駆 動軸41を回転させると、駆動軸41の回転がクラッチ部材42及びビット装着 軸43を介してビットに伝達される。この場合に、駆動軸41からの回転動力伝 達に伴って、駆動軸41とクラッチ部材42に設けた回転伝達爪41c,42c が咬合すると同時に、軸方向変位部分を有するカム溝41e,42e内を転動子 46が移動し、付勢バネ45の付勢力に抗して一対のカム溝41e,42eを設 けた駆動軸41とクラッチ部材42との間が、クラッチ歯42d,43dの急速 接続解除のために広げられる。
【0029】 ビスの螺挿が完了し、ビットをビス頭から後退させると、付勢バネ45の付勢 力によりクラッチ歯42d,43dが離反を始めるが、ビットがビス頭から離脱 してその回転が自由になると、急速接続解除機構の動作、即ち転動子46がカム 溝41e,42eに沿って移動し、先に広げたクラッチ部材42とビット装着軸 43の両部材間の間隔を付勢バネ45の付勢力で急速に狭める動作を行う。従っ て、その分だけ急速にクラッチ歯42d,43d相互の間隔が広がり、クラッチ 歯相互の衝突による金属音の発生が防止される。
【0030】 また、図面は省略するが、上記第3実施例において前記第1実施例の逆の構成 が可能なように、前記第2実施例の逆の構成もまた可能であることは言うまでも ない。
【0031】
【考案の効果】
以上に詳述した本考案の電動ビス締付機におけるクラッチ装置によれば、ドラ イバビットに対するモータの回転動力の伝達遮断時にクラッチ歯の衝突によって 金属音が発生するのを防止するために、上記転動子を嵌入させる一対のカム溝、 転動子の脱落防止手段、並びに回転伝達爪を備えながらも、クラッチ部材やビッ ト装着軸の加工が容易で、クラッチ装置自体を小型に形成することができる。 即ち、上記クラッチ装置におけるクラッチ部材は、部材本体と筒状部材とを別 途成形して両部材を嵌合固着しているので、複雑形状のカム溝の加工を、それを 施すべきクラッチ部材等の軸方向または円周方向から容易に行うことができるば かりでなく、転動子がカム溝から脱落しないようにするための複雑な加工をクラ ッチ部材等に施す必要がなく、筒状部材の嵌合固着によりそれを容易に成形する ことができる。また、カム溝及び転動子は上記筒状部材内に収容されるため、ク ラッチ装置をより小型に成形することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る第1実施例のクラッチ装置の縦断
面図である。
【図2】同実施例のクラッチ装置において、両クラッチ
歯が咬み合った初期状態を表す一部破断側面図である。
【図3】同実施例のクラッチ装置において、ビスの締付
け途中の状態を表す一部破断側面図である。
【図4】同実施例のクラッチ装置において、ビスの締付
け完了後(クラッチ歯の係合解除後)の状態を表す一部
破断側面図である。
【図5】本考案に係る第2実施例のクラッチ装置におい
て、両クラッチ歯が咬み合った初期状態を表す一部破断
側面図である。
【図6】同実施例のクラッチ装置において、ビスの締付
け途中の状態を表す一部破断側面図である。
【図7】同実施例のクラッチ装置において、ビスの締付
け完了後(クラッチ歯の係合解除後)の状態を表す一部
破断側面図である。
【図8】本考案に係る第3実施例のクラッチ装置の縦断
面図である。
【符号の説明】
1,21,41 駆動軸 1a,21a,41a フランジ部 1d,2d,21d,22d,42d,43d クラッ
チ歯 2,22,42 クラッチ部材 2a,22a,42a クラッチ部材本体 2b,22b,42b 筒状部材 2c,3c,22c,23c,41c,42c 回転伝
達爪 2e,3e,22e,41e,42e カム溝 3,23,43 ビット装着軸 3a ビット装着穴 5,25,45 付勢バネ 6,46 転動子 26 摺動突子 d 間隔 B ビス D ビット W 対象物

Claims (5)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】モータにより回転駆動される駆動軸に、ク
    ラッチ部材及び先端にビット装着穴を有するビット装着
    軸を、回転可能且つ該駆動軸の軸方向に移動可能に外嵌
    してなり、 上記駆動軸上のフランジ部とクラッチ部材との間に、互
    いに咬合することにより駆動軸の回転をクラッチ部材に
    伝達するクラッチ歯をそれぞれ設けると共に、両クラッ
    チ歯を常に離反方向に付勢する付勢バネを設け、 上記クラッチ部材とビット装着軸との間に、それらの軸
    方向の相対的な移動にもかかわらず動力を伝達する回転
    伝達爪を設けると共に、駆動軸からクラッチ部材への回
    転動力伝達時にクラッチ部材とビット装着軸を互いに離
    反する方向に押圧するための軸方向変位部分を持つカム
    溝及びそれらのカム溝間に嵌入する転動子を設け、 ビットの押付け解除時に上記付勢バネの付勢力でクラッ
    チ部材のクラッチ歯を駆動軸上のクラッチ歯から急速に
    離反させる電動ビス締付機のクラッチ装置において、 上記クラッチ部材を、 内部に挿通した駆動軸の周りにおけるビット装着軸との
    対向面に上記カム溝を設けた部材本体と、 その周囲に嵌合固着され、上記回転伝達爪を備えると共
    に、上記カム溝に嵌入する転動子の脱落防止壁を形成す
    る筒状部材と、 により形成したことを特徴とする電動ビス締付機におけ
    るクラッチ装置。
  2. 【請求項2】モータにより回転駆動される駆動軸に、ク
    ラッチ部材及び先端にビット装着穴を有するビット装着
    軸を、回転可能且つ該駆動軸の軸方向に移動可能に外嵌
    してなり、 上記駆動軸上のフランジ部とクラッチ部材との間に、互
    いに咬合することにより駆動軸の回転をクラッチ部材に
    伝達するクラッチ歯をそれぞれ設けると共に、両クラッ
    チ歯を常に離反方向に付勢する付勢バネを設け、 上記クラッチ部材とビット装着軸との間に、それらの軸
    方向の相対的な移動にもかかわらず動力を伝達する回転
    伝達爪を設けると共に、上記クラッチ部材とビット装着
    軸の一方に、駆動軸からクラッチ部材への回転動力伝達
    時にクラッチ部材とビット装着軸を互いに離反する方向
    に押圧するための軸方向変位部分を持つカム溝を、その
    他方にカム溝内に摺接する摺動突子を設け、 ビットの押付け解除時に上記付勢バネの付勢力でクラッ
    チ部材のクラッチ歯を駆動軸上のクラッチ歯から急速に
    離反させる電動ビス締付機のクラッチ装置において、 上記クラッチ部材を、 内部に挿通した駆動軸の周りにおけるビット装着軸との
    対向面に上記カム溝または上記摺動突子を設けた部材本
    体と、 その周囲に嵌合固着され、上記回転伝達爪を備えた筒状
    部材と、 により形成したことを特徴とする電動ビス締付機におけ
    るクラッチ装置。
  3. 【請求項3】モータにより回転駆動される駆動軸に、ク
    ラッチ部材及び先端にビット装着穴を有するビット装着
    軸を、回転可能且つ該駆動軸の軸方向に移動可能に外嵌
    してなり、 上記クラッチ部材とビット装着軸との間に、互いに咬合
    することによりクラッチ部材を介して伝達される駆動軸
    の回転をビット装着軸に伝達するクラッチ歯をそれぞれ
    設けると共に、両クラッチ歯を常に離反方向に付勢する
    付勢バネを設け、 上記駆動軸上のフランジ部とクラッチ部材との間に、そ
    れらの軸方向の相対的な移動にもかかわらず動力を伝達
    する回転伝達爪を設けると共に、駆動軸からクラッチ部
    材への回転動力伝達時に駆動軸とクラッチ部材を互いに
    離反する方向に押圧するための軸方向変位部分を持つカ
    ム溝及びそれらのカム溝間に嵌入する転動子を設け、 ビットの押付け解除時に上記付勢バネの付勢力でクラッ
    チ部材のクラッチ歯をビット装着軸上のクラッチ歯から
    急速に離反させる電動ビス締付機のクラッチ装置におい
    て、 上記クラッチ部材を、 内部に挿通した駆動軸の周りにおける駆動軸のフランジ
    部との対向面に上記カム溝を設けた部材本体と、 その周囲に嵌合固着され、上記回転伝達爪を備えると共
    に、上記カム溝に嵌入する転動子の脱落防止壁を形成す
    る筒状部材と、 により形成したことを特徴とする電動ビス締付機におけ
    るクラッチ装置。
  4. 【請求項4】モータにより回転駆動される駆動軸に、ク
    ラッチ部材及び先端にビット装着穴を有するビット装着
    軸を、回転可能且つ該駆動軸の軸方向に移動可能に外嵌
    してなり、 上記クラッチ部材とビット装着軸との間に、互いに咬合
    することによりクラッチ部材を介して伝達される駆動軸
    の回転をビット装着軸に伝達するクラッチ歯をそれぞれ
    設けると共に、両クラッチ歯を常に離反方向に付勢する
    付勢バネを設け、 上記駆動軸上のフランジ部とクラッチ部材との間に、そ
    れらの軸方向の相対的な移動にもかかわらず動力を伝達
    する回転伝達爪を設けると共に、上記駆動軸上のフラン
    ジ部とクラッチ部材の一方に、駆動軸からクラッチ部材
    への回転動力伝達時に駆動軸とクラッチ部材を互いに離
    反する方向に押圧するための軸方向変位部分を持つカム
    溝と、その他方にカム溝内に摺接する摺動突子を設け、 ビットの押付け解除時に上記付勢バネの付勢力でクラッ
    チ部材のクラッチ歯をビット装着軸上のクラッチ歯から
    急速に離反させる電動ビス締付機のクラッチ装置におい
    て、 上記クラッチ部材を、 内部に挿通した駆動軸の周りにおける駆動軸のフランジ
    部との対向面に上記カム溝または上記摺動突子を設けた
    部材本体と、 その周囲に嵌合固着され、上記回転伝達爪を備えた筒状
    部材と、 により形成したことを特徴とする電動ビス締付機におけ
    るクラッチ装置。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4のいずれかに記載の電動ビ
    ス締付機におけるクラッチ装置において、 クラッチ部材本体に、回転伝達爪を備えた筒状部材を嵌
    合固着するに際し、該部材本体と筒状部材の一方に設け
    た凹部と、その他方に設けた凸部とを係合することによ
    り嵌合固着した、 ことを特徴とする電動ビス締付機におけるクラッチ装
    置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001165202A (ja) * 1999-12-13 2001-06-19 Koyo Seiko Co Ltd カム機構とこれを用いたクラッチ装置
JP3451039B2 (ja) 1998-09-30 2003-09-29 C. アンド E. ファイン ゲーエムベーハー アンド コー. 取外し可能なデプスストッパを備えた動力駆動ドライバ

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JP3451039B2 (ja) 1998-09-30 2003-09-29 C. アンド E. ファイン ゲーエムベーハー アンド コー. 取外し可能なデプスストッパを備えた動力駆動ドライバ
JP2001165202A (ja) * 1999-12-13 2001-06-19 Koyo Seiko Co Ltd カム機構とこれを用いたクラッチ装置

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