JP3007257B2 - サーマルプリントヘッド - Google Patents
サーマルプリントヘッドInfo
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- JP3007257B2 JP3007257B2 JP3395394A JP3395394A JP3007257B2 JP 3007257 B2 JP3007257 B2 JP 3007257B2 JP 3395394 A JP3395394 A JP 3395394A JP 3395394 A JP3395394 A JP 3395394A JP 3007257 B2 JP3007257 B2 JP 3007257B2
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、発熱抵抗体上の発熱分
布の均一化を図ったサーマルプリントヘッドに関する。
布の均一化を図ったサーマルプリントヘッドに関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、一般に、上面にグレーズ層が形成
された絶縁基板と、終端部が該絶縁基板の短辺に平行な
方向に交互に引出されるように導電体により形成された
共通電極及び個別電極と、上記共通電極及び個別電極の
各終端部上を横断するように上記絶縁基板の長辺と平行
な方向に形成された発熱抵抗体と、から成り、相互に隣
接する共通電極間に発熱領域が構成されたサーマルプリ
ントヘッドが広く知られている。この種のサーマルプリ
ントヘッドでは、使用に際して、共通電極側に所要の電
圧を印加した状態で、個別電極側に選択的に電圧を印加
して隣接する個別電極と共通電極との間の抵抗体の発熱
領域に通電することにより電極間の発熱ドットにて発熱
させ、抵抗体上を移動する被印刷体としての感熱紙等に
抵抗熱を付与し、被印刷体上に所望の文字や図形が印刷
できるようにしている。
された絶縁基板と、終端部が該絶縁基板の短辺に平行な
方向に交互に引出されるように導電体により形成された
共通電極及び個別電極と、上記共通電極及び個別電極の
各終端部上を横断するように上記絶縁基板の長辺と平行
な方向に形成された発熱抵抗体と、から成り、相互に隣
接する共通電極間に発熱領域が構成されたサーマルプリ
ントヘッドが広く知られている。この種のサーマルプリ
ントヘッドでは、使用に際して、共通電極側に所要の電
圧を印加した状態で、個別電極側に選択的に電圧を印加
して隣接する個別電極と共通電極との間の抵抗体の発熱
領域に通電することにより電極間の発熱ドットにて発熱
させ、抵抗体上を移動する被印刷体としての感熱紙等に
抵抗熱を付与し、被印刷体上に所望の文字や図形が印刷
できるようにしている。
【０００３】他方、近年のＯＡ機器の性能の向上に伴
い、上述の型のサーマルプリントヘッドにおいても、印
字品質の一層の向上が求められている。この型のサーマ
ルプリントヘッドの印字品質を向上させるためには、発
熱抵抗体が延在する主走査方向のドット密度を高めると
共に、被印刷体の移動方向と平行な副走査方向の発熱抵
抗体幅を細くすることにより印字の解像度を向上しなけ
ればならない。
い、上述の型のサーマルプリントヘッドにおいても、印
字品質の一層の向上が求められている。この型のサーマ
ルプリントヘッドの印字品質を向上させるためには、発
熱抵抗体が延在する主走査方向のドット密度を高めると
共に、被印刷体の移動方向と平行な副走査方向の発熱抵
抗体幅を細くすることにより印字の解像度を向上しなけ
ればならない。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来のサ
ーマルプリントヘッドでは、発熱抵抗体は、グレーズ層
上に形成した個別及び共通電極を形成後、これらの終端
部を横断するように抵抗体ペーストを塗布及び焼成する
ことにより形成している。このため、発熱抵抗体は、図
５（ａ）に示すように、発熱抵抗体の個別及び共通電極
上を跨ぐ部分は、それ以外の部分、即ち発熱抵抗体がグ
レーズ上に直接接する部分、に比較して幅広となり、全
体として幅方向にうねった状態（いわゆる「にじみ」）
で形成されてしまうので、発熱抵抗体の細線化を図って
もその幅寸法に限界があり、ドットサイズの縮小化が困
難であると共に、隣接する共通及び個別電極間に高電圧
パルスを印加して発熱抵抗体の抵抗値をパルストリミン
グにより調整するに際しても上述のうねりにより抵抗値
の均一な調整は困難であった。
ーマルプリントヘッドでは、発熱抵抗体は、グレーズ層
上に形成した個別及び共通電極を形成後、これらの終端
部を横断するように抵抗体ペーストを塗布及び焼成する
ことにより形成している。このため、発熱抵抗体は、図
５（ａ）に示すように、発熱抵抗体の個別及び共通電極
上を跨ぐ部分は、それ以外の部分、即ち発熱抵抗体がグ
レーズ上に直接接する部分、に比較して幅広となり、全
体として幅方向にうねった状態（いわゆる「にじみ」）
で形成されてしまうので、発熱抵抗体の細線化を図って
もその幅寸法に限界があり、ドットサイズの縮小化が困
難であると共に、隣接する共通及び個別電極間に高電圧
パルスを印加して発熱抵抗体の抵抗値をパルストリミン
グにより調整するに際しても上述のうねりにより抵抗値
の均一な調整は困難であった。
【０００５】更に、発熱抵抗体は、上述のように、共通
電極側に一定の電圧を印加した状態で個別電極側に信号
電圧を選択的に印可することにより隣接する共通及び個
別電極間の発熱抵抗体に通電することにより発熱ドット
ごとに発熱をさせるのだが、発生した熱は発熱抵抗体内
部に熱伝導により拡散されると同時に、発熱抵抗体に接
続された共通及び個別電極を介しても放散されるため、
発熱抵抗体上の印字に寄与し得る発熱領域は、個別電極
上の領域とその両側のグレーズ上の領域間で発熱抵抗体
幅方向に大きな差異が生じてしまう。このような発熱状
態下で熱印字を行った場合、発熱領域の差異により感熱
紙への良質な印字を得ることができなかった。図５
（ｂ）は、従来のサーマルプリントヘッドにおける発熱
領域を模式的に示す。同図中、斜線で示した発熱領域
は、個別電極２’上の領域とその両側のグレーズ上の領
域の間で発熱抵抗体幅方向に大きな差異が生じている。
電極側に一定の電圧を印加した状態で個別電極側に信号
電圧を選択的に印可することにより隣接する共通及び個
別電極間の発熱抵抗体に通電することにより発熱ドット
ごとに発熱をさせるのだが、発生した熱は発熱抵抗体内
部に熱伝導により拡散されると同時に、発熱抵抗体に接
続された共通及び個別電極を介しても放散されるため、
発熱抵抗体上の印字に寄与し得る発熱領域は、個別電極
上の領域とその両側のグレーズ上の領域間で発熱抵抗体
幅方向に大きな差異が生じてしまう。このような発熱状
態下で熱印字を行った場合、発熱領域の差異により感熱
紙への良質な印字を得ることができなかった。図５
（ｂ）は、従来のサーマルプリントヘッドにおける発熱
領域を模式的に示す。同図中、斜線で示した発熱領域
は、個別電極２’上の領域とその両側のグレーズ上の領
域の間で発熱抵抗体幅方向に大きな差異が生じている。
【０００６】更に、上記の従来の型のサーマルプリント
ヘッドの発熱抵抗体は、その横断面が半円弧状を成して
いるため、その幅方向の単位幅当たりの断面積は中央部
で最大で両側部に向けて減少し、単位幅当りの抵抗値と
しては中央部で最小で両側部に向けて増大する。従っ
て、発熱抵抗体上での発熱分布は、上記断面における両
側部に比較して中央部での発熱温度が過度に高くなり、
やはり良好な印字品質が得られなかった。
ヘッドの発熱抵抗体は、その横断面が半円弧状を成して
いるため、その幅方向の単位幅当たりの断面積は中央部
で最大で両側部に向けて減少し、単位幅当りの抵抗値と
しては中央部で最小で両側部に向けて増大する。従っ
て、発熱抵抗体上での発熱分布は、上記断面における両
側部に比較して中央部での発熱温度が過度に高くなり、
やはり良好な印字品質が得られなかった。
【０００７】上記課題を解決するため、本発明は、印字
に寄与する発熱抵抗体上の発熱分布を改善し、以て印字
品質の向上を図ったサーマルプリントヘッドを提供する
ことを目的とする。
に寄与する発熱抵抗体上の発熱分布を改善し、以て印字
品質の向上を図ったサーマルプリントヘッドを提供する
ことを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するた
め、本発明によれば、絶縁性基板と、導電性材料から成
り上記絶縁性基板上で共通接続部を有する共通電極と、
導電性材料から成り上記共通電極に対応して形成された
個別電極と、導電性材料から成り上記共通及び個別電極
の内隣接する電極間に上記共通及び個別電極とは独立に
設けられた浮きパターンと、上記共通電極と前記個別電
極の終端部上を横断するよううに上記絶縁性基板上に形
成された発熱抵抗体と、から成り、上記浮きパターンは
上記発熱抵抗体に覆われた先端部と、上記発熱抵抗体か
ら露出された露出部と、から成ることを特徴とするサー
マルプリントヘッドが提供される。
め、本発明によれば、絶縁性基板と、導電性材料から成
り上記絶縁性基板上で共通接続部を有する共通電極と、
導電性材料から成り上記共通電極に対応して形成された
個別電極と、導電性材料から成り上記共通及び個別電極
の内隣接する電極間に上記共通及び個別電極とは独立に
設けられた浮きパターンと、上記共通電極と前記個別電
極の終端部上を横断するよううに上記絶縁性基板上に形
成された発熱抵抗体と、から成り、上記浮きパターンは
上記発熱抵抗体に覆われた先端部と、上記発熱抵抗体か
ら露出された露出部と、から成ることを特徴とするサー
マルプリントヘッドが提供される。
【０００９】上記浮きパターンは、上記発熱抵抗体に対
して対称状に設けられ、且つ、該浮きパターンの上記先
端部は平面視にて概略楔状に形成されたものであっても
よい。上記発熱抵抗体は、長手方向に延びる幅方向の端
縁部であって上記浮きパターンの内の隣接する浮きパタ
ーン間にトリミングが施されたものであってもよい。
して対称状に設けられ、且つ、該浮きパターンの上記先
端部は平面視にて概略楔状に形成されたものであっても
よい。上記発熱抵抗体は、長手方向に延びる幅方向の端
縁部であって上記浮きパターンの内の隣接する浮きパタ
ーン間にトリミングが施されたものであってもよい。
【００１０】
【作用及び効果】隣接する共通電極と個別電極との間に
これらと独立に導電性材料から成る浮きパターンを設
け、該浮きパターンを発熱抵抗体に覆われた先端部と該
発熱抵抗体から露出された露出部と、から構成したの
で、発熱抵抗体を共通及び個別電極の終端部並びに浮き
パターン上にこれらを横断するように形成した場合、発
熱抵抗体はあたかも隣接する電極同士間のピッチが半分
である電極上に形成されたが如く形成されるので、発熱
抵抗体は長手方向に延びる幅方向の両端縁部にて、従来
のサーマルプリントヘッドに比較して、幅方向のうねり
が減少され、実質的により直線に近似した輪郭形状とな
る。従って、サーマルプリントヘッドの使用に際して、
発熱領域は発熱抵抗体幅方向にてうねりが減少され、概
略矩形に近似した輪郭形状にすることができる。
これらと独立に導電性材料から成る浮きパターンを設
け、該浮きパターンを発熱抵抗体に覆われた先端部と該
発熱抵抗体から露出された露出部と、から構成したの
で、発熱抵抗体を共通及び個別電極の終端部並びに浮き
パターン上にこれらを横断するように形成した場合、発
熱抵抗体はあたかも隣接する電極同士間のピッチが半分
である電極上に形成されたが如く形成されるので、発熱
抵抗体は長手方向に延びる幅方向の両端縁部にて、従来
のサーマルプリントヘッドに比較して、幅方向のうねり
が減少され、実質的により直線に近似した輪郭形状とな
る。従って、サーマルプリントヘッドの使用に際して、
発熱領域は発熱抵抗体幅方向にてうねりが減少され、概
略矩形に近似した輪郭形状にすることができる。
【００１１】また、上記浮きパターンを、上記発熱抵抗
体に対して対称状に設け、且つ、該浮きパターンの上記
先端部は平面視にて概略楔状に形成することにより、共
通及び個別電極間の発熱抵抗体の抵抗値を該発熱抵抗体
の中央部より幅方向の両側部に向けて、発熱抵抗体と浮
きパターンの単位幅当たりの合成抵抗値が減少されると
みなし得るので、浮きパターンを介しての熱の放散と相
まって、発熱抵抗体の幅方向の発熱分布が実質的に均等
化されることが理解できる。このことにより、本発明の
サーマルプリントヘッドによれば、発熱抵抗体の横断面
中央部にて過度に発熱温度が高くなってしまうという従
来の問題を有効に防止でき、印字品質の向上に寄与し得
る。
体に対して対称状に設け、且つ、該浮きパターンの上記
先端部は平面視にて概略楔状に形成することにより、共
通及び個別電極間の発熱抵抗体の抵抗値を該発熱抵抗体
の中央部より幅方向の両側部に向けて、発熱抵抗体と浮
きパターンの単位幅当たりの合成抵抗値が減少されると
みなし得るので、浮きパターンを介しての熱の放散と相
まって、発熱抵抗体の幅方向の発熱分布が実質的に均等
化されることが理解できる。このことにより、本発明の
サーマルプリントヘッドによれば、発熱抵抗体の横断面
中央部にて過度に発熱温度が高くなってしまうという従
来の問題を有効に防止でき、印字品質の向上に寄与し得
る。
【００１２】更に、隣接する浮きパターン間に高電圧パ
ルスを印加して発熱抵抗体の両端縁部をパルストリミン
グすることにより、発熱抵抗体の両端縁部の抵抗値を破
壊的に増大させて発熱領域を発熱抵抗体の幅方向の中央
部に制限的に画成することがでる。従って、発熱抵抗体
の細線化を伴うことなく、発熱ドットの縮小化を容易に
得ることができる。
ルスを印加して発熱抵抗体の両端縁部をパルストリミン
グすることにより、発熱抵抗体の両端縁部の抵抗値を破
壊的に増大させて発熱領域を発熱抵抗体の幅方向の中央
部に制限的に画成することがでる。従って、発熱抵抗体
の細線化を伴うことなく、発熱ドットの縮小化を容易に
得ることができる。
【００１３】
【実施例】以下に、本発明の実施例を図１乃至図４を参
照しながら詳細に説明する。図１は本発明のサーマルプ
リントヘッドの主要部の平面図であり、図２は図１中Ａ
−Ａに沿った断面を示す。図１中、表面にグレーズ層が
形成されたセラミック等から成る絶縁性基板１上に、従
来のサーマルプリントヘッドと同様に、個別電極２及び
共通電極３が形成されている。各個別電極２の一端は絶
縁基板１上に設けられた図示しない信号電圧供給用のＩ
Ｃに電気的に接続され、各共通電極３は一端にて共通に
接続された共通配線部３ａを有している。個別電極２と
共通電極３上には、発熱抵抗体４がこれらの個別及び共
通電極２、３の対向する終端部上を横断するように形成
されている。尚、同図中発熱抵抗体４の輪郭は説明を簡
便にするために直線で示されている。
照しながら詳細に説明する。図１は本発明のサーマルプ
リントヘッドの主要部の平面図であり、図２は図１中Ａ
−Ａに沿った断面を示す。図１中、表面にグレーズ層が
形成されたセラミック等から成る絶縁性基板１上に、従
来のサーマルプリントヘッドと同様に、個別電極２及び
共通電極３が形成されている。各個別電極２の一端は絶
縁基板１上に設けられた図示しない信号電圧供給用のＩ
Ｃに電気的に接続され、各共通電極３は一端にて共通に
接続された共通配線部３ａを有している。個別電極２と
共通電極３上には、発熱抵抗体４がこれらの個別及び共
通電極２、３の対向する終端部上を横断するように形成
されている。尚、同図中発熱抵抗体４の輪郭は説明を簡
便にするために直線で示されている。
【００１４】本実施例によれば、隣接する個別電極２と
共通電極３との間に、浮きパターン５、５が相互に対向
して形成されている。これらの浮きパターン５はそれぞ
れ発熱抵抗体４により覆われた先端部５ａと発熱抵抗体
４から露出し且つ個別及び共通電極２、３とほぼ同一な
幅でこれらに平行に形成された露出部５ｂとから成る。
浮きパターン５、５は、金ペースト等の導電性材料を用
いて共通及び／または個別電極と共通の工程で簡易に形
成することができるが、これらの電極と別の材料若しく
は別の組成の材料を用いて別工程を会して所望の抵抗値
になるように形成してもよい。本実施例のサーマルプリ
ントヘッドは、このように、共通及び個別電極２、３と
共に、先端部５ａと露出部５ｂとを有する浮きパターン
５、５を設けたので、図３（ａ）に示すように、発熱抵
抗体４はあたかも隣接する電極同士間のピッチが半分で
ある電極上に形成されたが如く形成されるので、発熱抵
抗体４は長手方向に延びる両側部にて、幅方向のうねり
が減少され、実質的により直線に近似した輪郭形状とな
る。
共通電極３との間に、浮きパターン５、５が相互に対向
して形成されている。これらの浮きパターン５はそれぞ
れ発熱抵抗体４により覆われた先端部５ａと発熱抵抗体
４から露出し且つ個別及び共通電極２、３とほぼ同一な
幅でこれらに平行に形成された露出部５ｂとから成る。
浮きパターン５、５は、金ペースト等の導電性材料を用
いて共通及び／または個別電極と共通の工程で簡易に形
成することができるが、これらの電極と別の材料若しく
は別の組成の材料を用いて別工程を会して所望の抵抗値
になるように形成してもよい。本実施例のサーマルプリ
ントヘッドは、このように、共通及び個別電極２、３と
共に、先端部５ａと露出部５ｂとを有する浮きパターン
５、５を設けたので、図３（ａ）に示すように、発熱抵
抗体４はあたかも隣接する電極同士間のピッチが半分で
ある電極上に形成されたが如く形成されるので、発熱抵
抗体４は長手方向に延びる両側部にて、幅方向のうねり
が減少され、実質的により直線に近似した輪郭形状とな
る。
【００１５】本実施例によるサーマルプリントヘッドの
使用に際しては、感熱紙に対し印字に寄与し得る発熱抵
抗体４上の発熱領域（以下単に「発熱領域」という）
は、図３（ｂ）に示すように、図５（ｂ）に示した従来
のサーマルプリントヘッドの発熱領域に比較して、発熱
抵抗体幅方向でのうねりが減少され、概略矩形に近似し
た領域にすることができるため、良好な印字品質を得る
ことができる。
使用に際しては、感熱紙に対し印字に寄与し得る発熱抵
抗体４上の発熱領域（以下単に「発熱領域」という）
は、図３（ｂ）に示すように、図５（ｂ）に示した従来
のサーマルプリントヘッドの発熱領域に比較して、発熱
抵抗体幅方向でのうねりが減少され、概略矩形に近似し
た領域にすることができるため、良好な印字品質を得る
ことができる。
【００１６】次に、本発明の実施例でもう１つの特徴に
ついて説明する。上述したように、従来のサーマルプリ
ントヘッドでは、発熱抵抗体は一般に酸化ルテニウム等
から成る抵抗体ペーストを線状に塗布し、これを焼成す
ることにより形成されているため、その横断面は半円弧
状を成している。そのため、発熱抵抗体の個別及び共通
電極間の部分に通電した場合、その横断面の単位幅当た
りの抵抗値は、両側部で最も高く、中央部に向けて減少
する。従って、かかる従来のサーマルプリントヘッドの
使用時には、上記横断面における電流密度は両側部で最
も低く、中央部に向けて増大するため、発熱分布は該横
断面の中央部で発熱温度が最も高く、両側部に向けて低
下する温度特性を示し、発熱抵抗体幅方向で不均一にな
っている。
ついて説明する。上述したように、従来のサーマルプリ
ントヘッドでは、発熱抵抗体は一般に酸化ルテニウム等
から成る抵抗体ペーストを線状に塗布し、これを焼成す
ることにより形成されているため、その横断面は半円弧
状を成している。そのため、発熱抵抗体の個別及び共通
電極間の部分に通電した場合、その横断面の単位幅当た
りの抵抗値は、両側部で最も高く、中央部に向けて減少
する。従って、かかる従来のサーマルプリントヘッドの
使用時には、上記横断面における電流密度は両側部で最
も低く、中央部に向けて増大するため、発熱分布は該横
断面の中央部で発熱温度が最も高く、両側部に向けて低
下する温度特性を示し、発熱抵抗体幅方向で不均一にな
っている。
【００１７】しかるに、本発明の実施例では、図１及び
図３（ａ）に示すように、浮きパターン５、５を、発熱
抵抗体に対して対称状に設け、且つ、浮きパターン５、
５の先端部は平面視にて概略楔状に形成することによ
り、共通及び個別電極２、３間の発熱抵抗体４の抵抗値
を該発熱抵抗体の幅方向の中央部より両側部に向けて、
発熱抵抗体と浮きパターンの単位幅当たりの合成抵抗値
が減少されるとみなし得るので、浮きパターンを介して
の熱の放散と相まって、発熱抵抗体の幅方向の発熱分布
が実質的に均等化されることが理解できる。このことに
より、本実施例のサーマルプリントヘッドでは、発熱抵
抗体の横断面中央部にて過度に発熱温度が高くなってし
まうという従来の問題を有効に防止でき、印字品質の向
上が達成される。尚、本実施例では、浮きパターン５、
５の先端部５ａの形状を平面視楔状に形成したが、これ
に限られることはなく、その幅方向に対称な曲線に形成
したり若しくは先端に丸みを設けたりする等、実質上発
熱抵抗体の幅方向の発熱分布を均等化可能な形状のもの
ならば適用可能である。
図３（ａ）に示すように、浮きパターン５、５を、発熱
抵抗体に対して対称状に設け、且つ、浮きパターン５、
５の先端部は平面視にて概略楔状に形成することによ
り、共通及び個別電極２、３間の発熱抵抗体４の抵抗値
を該発熱抵抗体の幅方向の中央部より両側部に向けて、
発熱抵抗体と浮きパターンの単位幅当たりの合成抵抗値
が減少されるとみなし得るので、浮きパターンを介して
の熱の放散と相まって、発熱抵抗体の幅方向の発熱分布
が実質的に均等化されることが理解できる。このことに
より、本実施例のサーマルプリントヘッドでは、発熱抵
抗体の横断面中央部にて過度に発熱温度が高くなってし
まうという従来の問題を有効に防止でき、印字品質の向
上が達成される。尚、本実施例では、浮きパターン５、
５の先端部５ａの形状を平面視楔状に形成したが、これ
に限られることはなく、その幅方向に対称な曲線に形成
したり若しくは先端に丸みを設けたりする等、実質上発
熱抵抗体の幅方向の発熱分布を均等化可能な形状のもの
ならば適用可能である。
【００１８】更に、本発明の変形例によれば、発熱抵抗
体４の長手方向に沿う両端縁部８、８をトリミング領域
とし、隣接する浮きパターン間に、高電圧、例えば数千
ボルト、のパルスを印加することにより発熱抵抗体の両
端縁部８、８を破壊的に高抵抗化することにより発熱領
域を発熱抵抗体４の幅方向中央部に制限的に画成するこ
とができる。本変形例による発熱抵抗体上の発熱分布領
域を、図４中に斜線で模式的に領域９として示す。上述
したように、従来では、発熱抵抗体はその形成時のうね
りにより一定以上細く形成することは困難であり、ま
た、隣接する共通及び個別電極間に高電圧パルスを印加
してパルストリミングにより発熱抵抗体の抵抗値を調整
しようとしてもそのうねりによりパルストリミング後の
抵抗値にばらつきが生じていたのだが、本変形例によれ
ば、パルストリミングによる抵抗値を均一に調整できる
と共に、発熱抵抗体の実際の細線化を伴うことなく、細
線化したと同様の発熱ドットの縮小化を容易に図ること
ができる。
体４の長手方向に沿う両端縁部８、８をトリミング領域
とし、隣接する浮きパターン間に、高電圧、例えば数千
ボルト、のパルスを印加することにより発熱抵抗体の両
端縁部８、８を破壊的に高抵抗化することにより発熱領
域を発熱抵抗体４の幅方向中央部に制限的に画成するこ
とができる。本変形例による発熱抵抗体上の発熱分布領
域を、図４中に斜線で模式的に領域９として示す。上述
したように、従来では、発熱抵抗体はその形成時のうね
りにより一定以上細く形成することは困難であり、ま
た、隣接する共通及び個別電極間に高電圧パルスを印加
してパルストリミングにより発熱抵抗体の抵抗値を調整
しようとしてもそのうねりによりパルストリミング後の
抵抗値にばらつきが生じていたのだが、本変形例によれ
ば、パルストリミングによる抵抗値を均一に調整できる
と共に、発熱抵抗体の実際の細線化を伴うことなく、細
線化したと同様の発熱ドットの縮小化を容易に図ること
ができる。
【００１９】本発明の浮きパターンは、通常のサーマル
プリントヘッドの形成とほぼ共通の工程で形成すること
ができる。即ち、表面にグレーズ層が形成された絶縁性
基板上に金ペーストを塗布及び焼成して共通及び個別電
極を形成するときに、浮きパターンもこれらの電極と共
に形成することができるが、これらの電極とは別の材料
を用いて形成する場合は別の工程で形成してもよい。こ
のように、共通及び個別電極、並びに浮きパターンを形
成した後は、従来のサーマルプリントヘッドと同様に、
発熱抵抗体を形成することにより本発明によるサーマル
プリントヘッドを得ることができる。尚、発熱抵抗体や
共通及び個別電極を被覆する表面保護層や発熱駆動用の
ＩＣの装着やその配線等は、適宜行われることはいうま
でもない。
プリントヘッドの形成とほぼ共通の工程で形成すること
ができる。即ち、表面にグレーズ層が形成された絶縁性
基板上に金ペーストを塗布及び焼成して共通及び個別電
極を形成するときに、浮きパターンもこれらの電極と共
に形成することができるが、これらの電極とは別の材料
を用いて形成する場合は別の工程で形成してもよい。こ
のように、共通及び個別電極、並びに浮きパターンを形
成した後は、従来のサーマルプリントヘッドと同様に、
発熱抵抗体を形成することにより本発明によるサーマル
プリントヘッドを得ることができる。尚、発熱抵抗体や
共通及び個別電極を被覆する表面保護層や発熱駆動用の
ＩＣの装着やその配線等は、適宜行われることはいうま
でもない。
【図１】本発明の実施例によるサーマルヘッドの主要部
の平面図である。
の平面図である。
【図２】図１のサーマルヘッドの線Ａ−Ａに沿った断面
図である。
図である。
【図３】（ａ）は図１のサーマルヘッドの発熱抵抗体の
長手方向に延びる幅方向の側部の輪郭形状を示す図であ
り、（ｂ）は同サーマルヘッドの発熱領域を示す図であ
る。
長手方向に延びる幅方向の側部の輪郭形状を示す図であ
り、（ｂ）は同サーマルヘッドの発熱領域を示す図であ
る。
【図４】本発明の変形例による発熱抵抗体のトリミング
領域、並びにトリミング後の発熱抵抗体の発熱領域を示
す図である。
領域、並びにトリミング後の発熱抵抗体の発熱領域を示
す図である。
【図５】従来のサーマルヘッドの主要部の平面図であ
る。
る。
１ ．．． グレーズ層を有する絶縁性基板 ２ ．．． 個別電極 ３ ．．． 共通電極 ４ ．．． 発熱抵抗体 ５ ．．． 浮きパターン ５ａ．．． 先端部 ５ｂ．．． 露出部 ６ ．．． 保護層 ７ ．．． 発熱領域 ８ ．．． トリミング領域 ９ ．．． 発熱領域
Claims (3)
- 【請求項１】絶縁性基板と、導電性材料から成り前記絶
縁性基板上で共通接続部を有する共通電極と、導電性材
料から成り前記共通電極に対応して形成された個別電極
と、導電性材料から成り前記共通及び個別電極の内隣接
する電極間に前記共通及び個別電極とは独立に設けられ
た浮きパターンと、前記共通電極と前記個別電極の終端
部上を横断するように前記絶縁性基板上に形成された発
熱抵抗体と、から成り、前記浮きパターンは前記発熱抵
抗体に覆われた先端部と、前記発熱抵抗体から露出され
た露出部と、から成ることを特徴とするサーマルプリン
トヘッド。 - 【請求項２】前記浮きパターンは、前記発熱抵抗体に対
して対称状に設けられ、且つ、該浮きパターンの前記先
端部は平面視にて概略楔状に形成された請求項１に記載
のサーマルプリントヘッド。 - 【請求項３】前記発熱抵抗体は、長手方向に延びる幅方
向の端縁部であって前記浮きパターンの隣接する浮きパ
ターン間にトリミングが施された請求項１に記載のサー
マルプリントヘッド。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3395394A JP3007257B2 (ja) | 1994-03-03 | 1994-03-03 | サーマルプリントヘッド |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3395394A JP3007257B2 (ja) | 1994-03-03 | 1994-03-03 | サーマルプリントヘッド |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07242011A JPH07242011A (ja) | 1995-09-19 |
| JP3007257B2 true JP3007257B2 (ja) | 2000-02-07 |
Family
ID=12400865
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3395394A Expired - Fee Related JP3007257B2 (ja) | 1994-03-03 | 1994-03-03 | サーマルプリントヘッド |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3007257B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN1088359C (zh) * | 1995-01-12 | 2002-07-31 | 住友制药株式会社 | 治疗脑血管障碍伴随的精神障碍的药物 |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2023188773A1 (ja) * | 2022-03-28 | 2023-10-05 | ローム株式会社 | サーマルプリントヘッド、サーマルプリンタ、及びサーマルプリントヘッドの製造方法 |
-
1994
- 1994-03-03 JP JP3395394A patent/JP3007257B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN1088359C (zh) * | 1995-01-12 | 2002-07-31 | 住友制药株式会社 | 治疗脑血管障碍伴随的精神障碍的药物 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH07242011A (ja) | 1995-09-19 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
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