JP3006161B2 - 光学記録媒体 - Google Patents
光学記録媒体Info
- Publication number
- JP3006161B2 JP3006161B2 JP3137565A JP13756591A JP3006161B2 JP 3006161 B2 JP3006161 B2 JP 3006161B2 JP 3137565 A JP3137565 A JP 3137565A JP 13756591 A JP13756591 A JP 13756591A JP 3006161 B2 JP3006161 B2 JP 3006161B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- optical recording
- recording medium
- group
- polycationic
- substituted
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Description
アニン化合物を用いた光学記録媒体に関する。
情報記録保存及び再生を可能とするため、近年、特にそ
の開発がとりすすめられている。光学記録媒体の一例と
しては、光ディスクを挙げることができる。一般に、光
ディスクは、円形の基体に設けられた薄い記録層に、1
μm程度に集束したレーザー光を照射し、高密度の情報
記録を行なうものである。その記録は、照射されたレー
ザー光エネルギーの吸収によって、その個所の記録層
に、分解、蒸発、溶解等の熱的変形が生成することによ
り行なわれる。また、記録された情報の再生は、レーザ
ー光により変形が起きている部分と起きていない部分の
反射率の差を読み取ることにより行なわれる。
光のエネルギーを効率良く吸収する必要があり、記録に
使用する特定の波長のレーザー光に対する吸収光が所定
量あること、情報の再生を正確に行なうために再生に使
用する特定の波長のレーザー光に対する反射率が高いこ
とが必要となる。
板上に有機色素薄膜を形成したものが提案されている。
有機色素薄膜は、コーティングによる膜形成が可能なた
め量産性が高く、低コスト化が期待できる。この有機色
素薄膜としては、シアニン系色素を含有する薄膜を用い
ることが知られている(特開昭58−112790号、
同58−114989号、同59−85791号、同6
0−83236号各公報参照)。しかし、このようなシ
アニン系色素で構成された光学記録媒体は、光安定性に
劣り、保存性に問題がある上に、再生時に光劣化しやす
いという欠点を有している。このため特開昭59−55
795号、特開昭64−40389号、特開平2−55
189号、同2−68742号各公報等には、このシア
ニン系色素に下記構造式,,及び等で示される
種々の金属錯体化合物を加えて、光安定性を向上させる
ことが提案されている。
される金属錯体化合物を加えたものであっても、その改
良効果は十分なものではなかった。
耐湿性及び保存安定性に優れた光学記録媒体を提供する
ことを目的とする。
は、下記一般式[I]で示されるポリカチオン系フタロ
シアニン化合物を含有する記録層を有することを特徴と
する。
e,V,Si,Al,Sn,Ge,Ti,In、又はこ
れらの酸化物、塩化物、或いはアルキル化物を示し、R
1,R2,R3,R4はそれぞれ独立して置換又は非置換の
アルキル基、置換又は非置換のアリール基、置換又は非
置換のアルケニル基、或いは、置換又は非置換のシクロ
アルキル基を示し、Z-は陰イオン残基を示す。)即
ち、本発明者らは、従来の問題点を解決すべく研究を重
ねた結果、上記一般式[I]で示されるポリカチオン系
フタロシアニン化合物が、光学記録媒体等の各種化学情
報材料用色素として、耐光性及び耐湿性に優れ、しか
も、スピンコーティングに適し、量産化、低コスト化に
も有利であることを見出し、本発明を完成させた。
3,R4で表わされるアルキル基、アリール基、アルケニ
ル基又はシクロアルキル基の置換基としては、例えばア
ルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アルコキシアル
コキシアルコキシ基、アリルオキシ基、アリール基、ア
リールオキシ基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、
テトラヒドロフリル基、アルキルスルホニルアミノ基、
ハロゲン原子等が挙げられ、この他、アリール基、シク
ロアルキル基の置換基として更にアルキル基又はビニル
基が挙げられる。
ば、SCN-,SbF6 -,Cl-,Br-,F-,Cl
O4 -,BF4 -,PF6 -,CH3COO-,TiF6 2-,S
iF6 2-,ZrF6 2-,CH3SO3 2-,
る。
及びポリカチオン系フタロシアニン化合物を含有する記
録層から構成されるものであるが、必要に応じて記録層
上に反射層を設けることができる。また、必要に応じて
基板上に下引き層を、記録層又は反射層に保護層を、或
いは、その基板とは反対の側(鏡面側)に表面保護層を
設けることもできる。
るレーザー光に対して透明であるものが好ましい。基板
の材質としては、ガラス、プラスチック等の一般に記録
材料の支持体として用いられるものが挙げられるが、プ
ラスチックが種々の点から好適である。プラスチックと
しては、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、酢酸ビニル樹
脂、塩化ビニル樹脂、ニトロセルロース、ポリエチレン
樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポ
リイミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリサルホン樹脂等が挙
げられる。これらのうち、生産性、コスト、耐吸湿性の
点から、射出成型ポリカーボネート樹脂基板が特に好ま
しい。
において高い反射率を有する金、銀、銅、アルミニウ
ム、白金等の金属又はこれらの合金が用いられる。
脂、シリコン系ハードコート剤等が用いられる。
硬化性アクリル樹脂、シリコン系ハードコート剤等が用
いられるが、好ましくはゴミ等が付着するのを防止する
ために帯電防止機能を付与したものが良い。
ン化合物を含有する記録層は、一般に、膜厚100Å〜
5μm、好ましくは700Å〜2μm程度に成膜する。
成膜法としては真空蒸着法、スパッタリング法、ドクタ
ーブレード法、キャスト法、スピナー法、浸漬法等、一
般に行なわれている薄膜形成法をいずれも好適に適用す
ることができるが、量産性やコストの面からスピナー法
が好ましい。スピナー法による成膜の場合、回転数は5
00〜5000rpmが好ましく、スピンコートの後、
場合によっては、加熱或いは溶媒蒸気にあてる等の処理
を行なっても良い。
インダーを使用することもできる。バインダーとしては
ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ケトン
樹脂、ニトロセルロース、酢酸セルロース、ポリビニル
ブチラール、ポリカーボネートなどの既知のものを用い
ることができる。
スピナー法、浸漬法、特に、スピナー法等の塗布方法に
より記録層を形成する場合の塗布溶媒としては、テトラ
フルオロプロパノール、オクタフルオロペンタノール、
テトラクロロエタン、ブロモホルム、ジブロモエタン、
ジアセトンアルコール、エチルセロソルブ、キシレン、
3−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタノン、クロロベ
ンゼン、シクロヘキサノン、乳酸メチル等の沸点120
〜160℃のものが好適に使用されている。これらのう
ち、高生産性で低コストである上に、耐吸湿性に優れる
射出成型ポリカーボネート樹脂基板に対しては、該基板
をおかすことなく好適に使用できる溶媒として、特に、
ジアセトンアルコール、3−ヒドロキシ−3−メチル−
2−ブタノン等のケトンアルコール系溶媒;メチルセロ
ソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒;テト
ラフルオロプロパノール、オクタフルオロペンタノール
等のパーフルオロアルキルアルコール系溶媒;乳酸メチ
ル、イソ酪酸メチル等のヒドロキシエステル系溶媒が挙
げられる。
面に設けても良く、片面だけに設けても良い。
両面又は片面に設けられた記録層に1μm程度に集束し
たレーザー光、好ましくは半導体レーザーの光をあてる
ことにより行なう。レーザー光の照射された部分には、
レーザーエネルギーの吸収による、分解、蒸発、溶融等
の記録層の熱的変形が起こる。また、記録された情報の
再生は、レーザー光により、熱的変形が起きている部分
と起きていない部分の反射率の差を読み取ることにより
行なう。
ー光としては、N2、He−Cd、Ar、He−Ne、
ルビー、半導体、色素レーザーなどが挙げられるが、特
に、軽量性、取扱いの容易さ、コンパクト性などの点か
ら半導体レーザーが好適である。
タロシアニン化合物は、耐光性、耐湿性及び保存安定性
に優れる上に、スピンコーティングに適していることか
ら、光記録媒体用色素として有利に使用可能である。
り具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限
り以下の実施例により限定されるものではない。
アニン5.8gを200mlのN,N−ジメチルホルム
アルデヒドに懸濁させ、次にジメチル硫酸36mlを加
えた後、120℃に昇温し、同温度で20時間撹拌反応
させた。
晶を濾過、乾燥した。ソックスレー抽出器を用いたメタ
ノール抽出物から溶媒を留去し、下記構造式[I−
(1)]で示されるポリカチオン系フタロシアニン[I
−(1)]化合物の黒色の粉末3.2gを得た。なお、
得られた化合物の最大吸収波長(メタノール中)は66
3及び677nmであった。
代りに、Ni−テトラアザフタロシアニン5.75gを
用いたこと以外は、製造例1と同様に行なって下記構造
式[I−(2)]で示されるポリカチオン系フタロシア
ニン化合物[I−(2)]を得た。
代りに、Pb−テトラアザフタロシアニン7.1gを用
いたこと以外は、製造例1と同様に行なって、下記構造
式[I−(3)]で示されるポリカチオン系フタロシア
ニン化合物[I−(3)]を得た。
ら、前記一般式[I]における各置換基が表1に示すも
のであるポリカチオン系フタロシアニン系化合物I−
(4)〜I−(16)を得た。
化合物[I−(1)]0.4gをオクタフルオロペンタ
ノール40gに溶解して、1重量%の溶液を得た。この
溶液を深さ1000Å、幅0.7μmの溝(グルーブ)
を有する直径120mm、厚さ1.2mmの射出成型ポ
リカーボネート基板上に滴下し、スピナー法により(回
転数500rpm、4分間)塗布した。塗布後、80℃
で5分間乾燥し、記録層を形成した。塗布膜の最大吸収
波長は674nmであった。
80nmの半導体レーザー光を記録パワー8.0mWで
照射して記録したところ、照射部分に約1μmの明瞭な
ピットが形成された。また、このものの耐光性及び耐湿
性は良好であった。
層を形成した後、この記録層の上にスパッタリング法に
より、膜厚2000Åの金の膜を成膜して反射層を形成
した。更に、この反射層の上に紫外線硬化性樹脂をスピ
ンコートした後、紫外線を照射して硬化させ、厚み10
μmの保護層を形成して光学記録媒体を得た。
ザー光を用いて線速1.4m/sでEFM変調信号を記
録した後、再生した所、良好な再生信号を得た。また、
このものの耐光性及び保存安定性(70℃,85%R
H)は良好であった。
物[I−(2)]0.4gをオクタフルオロペンタノー
ル20gに溶解して、2重量%の溶液を得た。この溶液
を深さ1000Å、幅0.7μmの溝(グルーブ)を有
する直径120mm、厚さ1.2mmの射出成型ポリカ
ーボネート基板上に滴下し、スピナー法により(回転数
500rpm、4分間)塗布した。塗布後、80℃で5
分間乾燥し、記録層を形成した。次に、この記録層の上
にスパッタリング法により、膜厚2000Åの金の膜を
成膜して反射層を形成した。更に、この反射層の上に紫
外線硬化性樹脂をスピンコートした後、紫外線を照射し
て硬化させ、厚み10μmの保護層を形成して光学記録
媒体を得た。
ザー光を用いて線速1.4m/sでEFM変調信号を記
録した後、再生したところ、良好な再生信号を得た。ま
た、このものの耐光性及び保存安定性は良好であった。
で得られたポリカチオン系フタロシアニン化合物[I−
(3)]を用いたこと以外は、実施例2と同様にして光
学記録媒体を得た。
ザー光を用いて線速1.4m/sでEFM変調信号を記
録、再生したところ、良好な再生信号を得た。また、こ
のものの耐光性及び保存安定性は良好であった。
りに乳酸メチル26gを用いたこと以外は実施例2と同
様にして光学記録媒体を得た。得られた光学記録媒体
に、実施例2と同様にして記録、再生を行なったとこ
ろ、良好な再生信号を得た。
で得られた、表1に示すポリカチオン系フタロシアニン
化合物[I−(4)]〜[I−(16)]をそれぞれ溶
解した溶液を基板上に塗布して、実施例1〜4と同様に
して光記録媒体を得た。得られた光学記録媒体に、半導
体レーザーを光源として書き込みを行なった所、いずれ
の媒体も、感度が良好で、しかも耐光性及び保存安定性
に優れていることが確認された。
体によれば、耐光性、耐湿性、保存安定性に優れる上
に、量産性も良好な高特性光学記録媒体が低コストにて
提供される。
Claims (1)
- 【請求項1】 下記一般式[I]で表わされるポリカチ
オン系フタロシアニン化合物を含有する記録層を有する
ことを特徴とする光学記録媒体。 【化1】 (式中、MはCu,Ni,Zn,Co,Fe,V,S
i,Al,Sn,Ge,Ti,In、又はこれらの酸化
物、塩化物、或いはアルキル化物を示し、R1,R2,R
3,R4はそれぞれ独立して置換又は非置換のアルキル
基、置換又は非置換のアリール基、置換又は非置換のア
ルケニル基、或いは、置換又は非置換のシクロアルキル
基を示し、Z-は陰イオン残基を示す。)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3137565A JP3006161B2 (ja) | 1991-06-10 | 1991-06-10 | 光学記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3137565A JP3006161B2 (ja) | 1991-06-10 | 1991-06-10 | 光学記録媒体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04361087A JPH04361087A (ja) | 1992-12-14 |
JP3006161B2 true JP3006161B2 (ja) | 2000-02-07 |
Family
ID=15201693
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3137565A Expired - Fee Related JP3006161B2 (ja) | 1991-06-10 | 1991-06-10 | 光学記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3006161B2 (ja) |
-
1991
- 1991-06-10 JP JP3137565A patent/JP3006161B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04361087A (ja) | 1992-12-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3019469B2 (ja) | 光記録媒体 | |
EP0224261B1 (en) | Optical recording medium | |
JP2870952B2 (ja) | 光学記録体 | |
JPH0764992B2 (ja) | 含金属インドアニリン系化合物 | |
JP3175279B2 (ja) | 金属キレート化合物および該化合物を用いた光学記録媒体 | |
JP3006161B2 (ja) | 光学記録媒体 | |
JP2685054B2 (ja) | ナフトキノンメチド系化合物 | |
JP3653855B2 (ja) | フタロシアニン化合物及びそれを用いた光学記録媒体 | |
JP2507781B2 (ja) | 光学記録媒体 | |
JP2514677B2 (ja) | 光学記録媒体 | |
JP2600763B2 (ja) | 含金属化合物および該化合物を使用した光学記録媒体 | |
JP2507759B2 (ja) | 光学記録媒体 | |
JP3879166B2 (ja) | 金属キレートアゾメチン化合物及びこれを用いた光学的記録媒体 | |
JP2835526B2 (ja) | 光学記録媒体の製造方法 | |
JPH0768460B2 (ja) | 含金属インドアニリン系化合物および該化合物を用いた光学記録媒体 | |
JP3617135B2 (ja) | フタロシアニン化合物及びそれを用いた光学記録媒体 | |
JP2727464B2 (ja) | 含金属インドフェノール系化合物及び該化合物を使用した光学記録媒体 | |
JPH0816199B2 (ja) | ナフトキノンメチド系化合物 | |
JP3538811B2 (ja) | 金属イオン含有インドフェノール系色素化合物、光学記録体 | |
JP2890407B2 (ja) | 光学記録媒体 | |
JP2727463B2 (ja) | ナフトキノンジイミン系化合物及び該化合物を含む光学記録媒体 | |
JP3064373B2 (ja) | 金属キレート化合物および該化合物を用いた光学記録媒体 | |
JP3043907B2 (ja) | 光記録ディスクの製造方法 | |
JP2000343825A (ja) | 光学記録媒体 | |
JPH0280466A (ja) | アズレン系化合物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081126 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081126 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091126 Year of fee payment: 10 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091126 Year of fee payment: 10 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101126 Year of fee payment: 11 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |