JP3005619B2 - 電線共同溝 - Google Patents

電線共同溝

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JP3005619B2
JP3005619B2 JP27398295A JP27398295A JP3005619B2 JP 3005619 B2 JP3005619 B2 JP 3005619B2 JP 27398295 A JP27398295 A JP 27398295A JP 27398295 A JP27398295 A JP 27398295A JP 3005619 B2 JP3005619 B2 JP 3005619B2
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E10/20Hydro energy

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  • Underground Structures, Protecting, Testing And Restoring Foundations (AREA)
  • Electric Cable Installation (AREA)
  • Laying Of Electric Cables Or Lines Outside (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電話線、送電線やその
他電気設備についての通信線等を地下配線するための電
線共同溝と、この電線共同溝を構築する埋設溝、そして
敷設作業の効率化を図るための埋設溝に施した改良に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年提唱されている「マルチメディア」の
声に応える形で、通信線等を一括して埋設した電線共同
溝へ通す、いわゆる地下配線が増えてきている。こうし
た地下配線は、従来の空中配線に比べて割高にはなる
が、空中配線に必須となる電柱が都市景観を損ね、
通行妨害を引き起こし、消防活動を妨げるといった問
題がなく、空中配線された電線が地震、台風により切
断され、二次災害を引き起こす危険性もないため、将来
的な都市計画の一貫として、地下配線が受け入れられる
ようになってきているのである。
【0003】基本的な電線共同溝は、種々の形状、長さ
の埋設溝を連結して構築する。この埋設溝は、深度や仕
様に応じて、大規模、中規模、そして小規模用の埋設溝
に分けることができる。このうち、小規模埋設溝は、数
量的に他より需要が多くなるため、比較的安価に構築で
きるコンクリート製のものが多く使用されている。この
例には、特公平6-7726号等を挙げることができる。この
コンクリート製の埋設溝は、現在見られるコンクリート
製の側溝に蓋をした形態が一般的であり、配線経路にあ
わせて種々の形状のものが使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】小規模埋設溝は、前述
のとおり、種々の形状のものが必要で、数量的にも需要
が多く、しかも安価であることが条件となる。しかし、
一方では、「埋設」という使用形態から、一定の強度も要
求され、特に地震に際しての破損を防止又は緩和(挿通
するケーブル類の切断等に及ばない程度に破損を抑え
る)できる構造又は強度を持つことが望まれる。しかし
ながら、従来見られたコンクリート製の埋設溝は、地震
に対して弱く、埋設溝自体の崩壊により、ケーブル類の
破損が免れなかった。こうしたことから、コンクリート
製の埋設溝に代えて、金属製管からなる埋設溝を用いる
ことが提唱されている。この例としては、特開平2-6502
5号等を挙げることができる。
【0005】通常、金属製管からなる埋設溝はコンクリ
ート製のそれに比べて高価であるため、同種類の構造の
ものを大量生産して製造単価が下げられるのが好まし
い。また、埋設溝間の継手構造には高いシール性が求め
られるが、埋設溝の種類が多ければ、その継手構造も複
雑化し、製造単価が高くなるだけでなく、設置作業まで
もが難しくなる問題がある。そこで、金属製埋設溝を連
結した電線共同溝が、できるだけ安価かつ容易に、しか
も配線経路にあわせて自由な構成で構築できるように検
討することとした。
【0006】ところで、こうした金属製埋設溝には、複
数の丸形鋼管を板材にそれぞれ貫通させて結束した構造
のものや、断面積が大きな角形鋼管内を仕切ったものな
どがある。いずれの埋設溝も、埋設溝を連結する場合、
連結する埋設溝それぞれの端面を、ゴムパッキン等のシ
ールを介して密接させた状態でボルト結合している。ま
た、地下配線の配線経路は、必ずしも埋設溝の整数倍と
はならず、必要に応じて配線経路を曲げる必要もあり、
前者の場合には余分又は足りない長さ(以下、端数長さ
と称する)に合わせて全長を調節した埋設溝を、後者の
場合には配線経路に合わせて屈曲又は湾曲させた埋設溝
を製造するのが一般的であった。
【0007】地下に構造物を埋設する場合、その構造物
の上面から地上までが600mmの間隔を要し、敷設作業時
に掘削する深さが1mを越える場合には掘削壁面が崩れ
ないように仕切りを設けなければならないなど、埋設溝
の敷設作業には制約が多い。このため、従来における埋
設溝の敷設作業はコストが高くつき、これが普及を妨げ
る要因となっていた。
【0008】また、配線経路に応じて全長を調節した
り、屈曲又は湾曲させた埋設溝を別途製造することは、
埋設溝の単価を押し上げたり、これら特別の埋設溝と汎
用の埋設溝とを連結に際しては、互いのレベル出し等の
敷設作業が難しくなるという難点がある。そこで、埋設
溝の敷設作業の改善を目的とし、金属製埋設溝により構
築される電線共同溝の設置コストを低減できるように、
埋設溝の構造、種類についても検討することにした。
【0009】
【課題を解決するための手段】検討の結果開発したもの
が、金属製管からなる埋設溝を連結して構築する電線共
同溝において、内部に仕切を設けた閉構造の埋設溝(以
下、閉溝と略する)と、一面にアクセスドアを設けた開
構造の埋設溝(以下、開溝と略する)と、複数の閉構造又
は開構造の埋設溝との連結部を設けた分岐桝構造の埋設
溝(以下、分岐桝と略する)とから構築される電線共同溝
である。
【0010】閉溝は、角形鋼管又は断面略U字状鋼板に
鋼板で閉蓋した中空溝からなり、内部に仕切を設けてこ
の鋼管又は中空溝の断面を格子状に分割し、複数の電線
を通す経路を確保した構造とする。仕切は、角形鋼管又
は中空溝を縦又は横に渡って架設して経路を分割するも
ので、例えば上段を横方向に3区分し、下段を5区分に
分割した経路を確保するもの、区画の大きさが異なる不
等分の経路を確保するものでもよい。仕切は、鋼管又は
中空溝内に挿入するだけでもよいが、内側面に密接する
端面を形成し、この端面をプラグ溶接するのが好まし
い。
【0011】開溝は、角形鋼管又は断面略U字状鋼板に
鋼板で閉蓋した中空溝からなり、上面に作業窓を開口
し、側面に通信線等を引出す引出孔を設けた構造とす
る。作業窓は、周縁に蓋枠を有し、シール材を介装して
アクセスパネルを嵌め込む構造のものがよい。アクセス
パネルは、表面に点字ブロックを貼着することができ、
開閉を検知するセンサや開閉を制御するロック機構を取
り付けるのが好ましい。引出孔は、脱着容易なゴム製メ
クラキャップを取付け、通信線等を引出す必要のない場
合に目隠しする。
【0012】分岐桝は、鋼板で形成した中空の柱状体で
あり、上面に作業窓を開口し、閉溝又は開溝との連結部
をこの柱状体の側面の同じ又は異なる階層に複数設け、
又は通信線等を引出す引出孔を設けた構造とする。作業
窓と引出孔については、開溝と同様である。連結部は、
シール材を介装して閉溝又は開溝を連結し、これら埋設
溝を連結をしないときにはシール材を介装してメクラ板
を取付け、このメクラ板に引出孔を設けておくのがよ
い。
【0013】なお、各埋設溝は、固定長を有することを
基本とするが、全長を伸縮自在にした埋設溝を用意して
もよい。これら埋設溝同士の接続は、埋設溝の外径より
大きい内径を有する枠体に、連結すべき埋設溝を前記枠
体内で突き合わせる継手構造や、外枠体(又は内枠体)に
設けた揺動軸を内枠体(又は外枠体)に軸着して、外枠
体、内枠体それぞれを連結すべき埋設溝それぞれに結合
し、埋設溝相互に揺動性を付加する継手構造により連結
する。前者では、枠体内面と埋設溝外面との間へシール
材を介装させ、後者では外枠体と内枠体との間へシール
材を介装する。各枠体は分割不能に一体として形成して
もよいし、分割可能としてもよい。
【0014】本発明の電線共同溝は、基本的に閉溝、開
溝と分岐桝との3種類で構築でき、しかも閉溝又は開溝
を、分岐桝の側面における同じ階層の連結部、又は異な
る階層の連結部にそれぞれ連結することで、水平方向又
は垂直方向に屈曲した自由な配線経路を構築できる。そ
して、この電線共同溝は、鋼板又は鋼管からできている
ので、各埋設溝内に挿通する通信線等を、土圧や地震か
ら保護するに十分な強度を確保できる。
【0015】閉溝は、電線共同溝を構築する要素の基本
であり、内部を格子状に分割する仕切を設けることで、
混在する様々な通信線等を、種類ごとに分別して挿通す
ることができる。仕切は、設置する電線共同溝にあわせ
て適宜選択することができ、またプラグ溶接で埋設溝内
に固着することにより、外部からの振動等に対してずれ
たりすることがなくなり、また必要十分な強度を確保で
きるようになる。
【0016】開溝は、作業窓から通信線等を引出孔より
引出す作業が行なえ、その他通信線等の保守、修理作業
を可能にする。引出孔は、埋設溝から必要な通信線等を
引き出し、末端への配線を可能にする。使用しない引出
孔は、ゴム製メクラキャップを嵌めて、開溝のシール性
を確保する。作業窓は、アクセスパネルを蓋枠へ嵌め込
んで閉蓋することで不用意に開口する危険を回避でき、
ロック機構により無断での開閉を防止すると共に、仮に
アクセスパネルをこじあけられた場合は、センサにより
警報を出すようにすることで、周囲に注意を喚起でき、
また保守管理担当者に通報することなどができる。
【0017】歩道における点字ブロックのラインは、一
般に最も利便性がよく、安全な場所に設けられており、
本発明の電線共同溝は、その点字ブロックのラインに沿
って設置されることを想定している。そこで、地表面に
覗くアクセスパネル表面に点字ブロックを貼着すること
により、既設の点字ブロックのラインを崩さないように
するのである。
【0018】分岐桝は、同じ階層又は異なる階層に複数
設けた連結部に、それぞれ閉溝又は開溝を連結すること
で、電線共同溝としての水平方向又は垂直方向の配線経
路を方向転換させることができ、3体以上の閉溝又は開
溝を連結した場合には、地下配線の集中又は分岐をする
ことができる。なお、各埋設溝は、シール材を介装して
連結することで、電線共同溝としてのシール性を確保す
る。また、使用しない連結部は、シール材を介装してメ
クラ板を取付けることでシール性を確保し、このメクラ
板に引出孔を設けることで、通信線等が引出せるように
する。
【0019】埋設溝とは別体の継手構造は、埋設溝の構
造を簡素化し、製造にかかる労力を軽減させる。枠体の
継手構造は、埋設溝と枠体又は外枠体と内枠体との間へ
シール材を介装するだけで、電線共同溝のシール性が確
保できる。特に、揺動性を付加した継手構造は、地震に
際して負荷応力に従って埋設溝を相互に揺動させ、電線
共同溝の破損等を回避させる。
【0020】以上に示した電線共同溝の敷設作業の効率
化を図るためには、2体以上の中空溝を互いに嵌合し、
内挿の中空溝の外面に設けたシールを外挿の中空溝の内
面に摺接させ、又は外挿の中空溝の内面に設けたシール
を内挿の中空溝の外面に摺接させて全長を伸縮可能にし
た埋設溝を用いるとよい。以下、本発明では、この埋設
溝を「伸縮埋設溝」と呼ぶことにし、上記固定長をもつ閉
溝、開溝をあわせて「固定埋設溝」と呼ぶことにする。伸
縮埋設溝は、構成品である中空溝に点検等のためのアク
セスドアを設けて開構造とするほか、一般に閉構造とす
る。
【0021】この伸縮埋設溝の基本的な構造としては、
1体の角形中空溝(以下、外挿中空溝と呼ぶ)に対して両
端から一回り小さい角形中空溝(以下、内挿中空溝と呼
ぶ)を内挿し、互いに掛合する位置関係となるように、
例えば外挿中空溝端面付近の内面と内挿中空溝の挿入側
端面付近の外面との各4面全てにシール材を施すとよ
い。更に、シール材とは別に、外挿中空溝に対して内挿
中空溝を進退させた際にシール材よりも先に掛合する位
置関係でストッパを設けておくのがよい。なお、前記と
は逆に、内挿中空溝の両端から外挿中空溝を嵌めあう構
造でもよい。
【0022】この伸縮埋設溝は、外挿中空溝に対して内
挿中空溝がシールにより密閉性を維持したまま進退する
ので、埋設溝としての密閉性を保ちながら、全長を調節
可能となり、敷設現場において、敷設中の配線経路の端
数長さに調節した埋設溝を容易に作り出すことができ
る。しかも、内挿中空溝の進退いずれも可能なように全
長を調節しておけば、例えば地震等により電線共同溝全
体に負荷が掛かった場合でも、この伸縮埋設溝が伸縮し
ながら負荷を吸収し、電線共同溝として破損を回避する
ことができる。
【0023】それから、埋設溝全般において、中空溝の
端面上縁又は下縁に、連結する埋設溝の縁部を支持する
溝掛止部を設けるとよい。埋設溝には、直列に接続して
配線経路を構成するもののほか、複数の埋設溝を連結部
に連結して配線経路を集中又は分配する分岐桝構造の埋
設溝(以下、分岐桝と略する)もあり、溝掛止部は、この
分岐桝の連結部下縁に設けてもよい。溝掛止部は、中空
溝の端面下縁又は連結部下縁を折曲げた構造でも、別に
板材を取り付けた構造でもよい。
【0024】この溝掛止部は、連結する相手方の埋設溝
の縁部に掛止、支持することで、レベル出しをしながら
連結位置関係を決定し、敷設作業を容易にする。また、
埋設溝を連結した後は、溝掛止部が埋設溝に掛かる土砂
の荷重を受け、埋設溝同士の連結を担うボルト等に掛か
るせん断荷重を緩和し、電線共同溝としての強度を向上
させることができる。更に、埋設溝は、通常水平に敷設
する埋設溝に対して水平面を有することになり、この水
平面が抵抗となって、埋設溝が自重で沈下するのを防止
したり、下方向への負荷による連結部分、特にシール材
への土砂又は砂礫の侵入を防止したりと、電線共同溝の
長寿命化に貢献する。
【0025】更に、中空溝の両端面が所定角度をなす関
係で、各端面に他の埋設溝を連結した際に形成される配
線経路を湾曲又は屈曲させる埋設溝があると、敷設作業
が容易となる。以下、本発明では、電線共同溝を曲げる
単位要素という意味から、この埋設溝を「単位埋設溝」と
呼ぶことにする。この単位埋設溝は、直線状の中空溝の
一方又は両端面を傾けて所定角度を形成してもよいし、
屈曲又は湾曲した中空溝の一方又は両端面を中空溝の経
路方向に直交させて所定角度を形成してもよいが、中空
溝が直線状であると結局は埋設溝同士の突き合わせと同
じであり、単位埋設溝と通常の埋設溝との連結部分で通
信線等が傷つかないように配慮を払う必要があるので、
単位埋設溝を構成する中空溝自体を屈曲又は湾曲させ、
好ましくはこの単位埋設溝内部に通信線等を支持するハ
ンガーを設けておくのがよい。また、所定角度は10度程
度が好ましく、例えば両端面が10度を形成する単位埋設
溝を3個連結することで、配線経路を30度曲げた電線共
同溝を構築できるし、所定角度が異なる単位埋設溝を組
みあわせると、様々な角度で配線経路が屈曲又は湾曲す
る電線共同溝を構築できる。
【0026】この単位埋設溝は、直線状の埋設溝とほぼ
同長としてもよいが、全長を極短尺にすると、配線経路
を小さな曲率半径で屈曲又は湾曲させることができる
し、なによりも取り扱いが容易となる。配線経路として
必要な屈曲又は湾曲角度は複数の単位埋設溝を組み合わ
せることで実現でき、前記のように極端尺の単位埋設溝
であれば、敷設現場において、実際に単位埋設溝を組み
合わせながら配線経路を曲げた電線共同溝を構築でき、
敷設作業が楽になる。中空溝が直線状で、両端面がなす
角度が0度の単位埋設溝は、複数を連結することで、伸
縮埋設溝に代えて端数長さの配線経路を埋めることがで
き、逆に単位埋設溝の連結によりできた端数長さは、伸
縮埋設溝で調整すればよい。
【0027】このように、本発明の電線共同溝及びそれ
を構築する埋設溝は、近年要望される地下配線、特にイ
ンターネットのような高速かつ大量の通信に供する光フ
ァイバー通信網の設置促進を図るため、基本的な地下配
線の形態を提供すると共に、その電線共同溝の構築を安
価かつ容易に構築できるようにするものである。そし
て、敷設後の電線共同溝としての強度、とりわけて耐震
性を考慮し、社会的、公共的なインフラスタラクチャと
なる光ファイバー網の永続的な使用を可能にするのであ
る。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。図1は、本発明の電線共同溝1の構築状態を
表した斜視図である。この例では、8方向の連結部5を
有する分岐桝2を左端に置き、右方向へ閉溝3、開溝4
を連結した先に、道路及び上下水道(図1中二点鎖線参
照)を迂回するため、上下方向に伸びた八角柱に二階層
の連結部5,6を有する分岐桝7,7を道路及び上下水道
の両側へ配し、下層の各連結部6,6を閉溝3で連結し
た外観を有する。
【0029】分岐桝2,7と開溝4には、上面に作業窓1
9(図5、図10参照)を、側面のメクラ板10又は側面へ直
接に引出孔11を設けて、通信線12等の引出しに供してい
る。図1においては、左から右へと直線列上に各埋設溝
を配しているが、分岐桝2,7への閉溝3又は開溝4の
連結方向を変えることで、任意の水平方向を向いた配線
経路の構築ができる。また、連結部5,6を階層的に有
する分岐桝7では、連結する閉溝3又は開溝4を各階層
の連結部5,6に連結することで配線経路を多層に設け
ることができ、垂直方向における配線経路の自由度を確
保する。
【0030】図2は、本例に使用した閉溝3の一部破断
斜視図である。閉溝3は、角形鋼管から製造し、図2に
見られるように、両端には連結用フランジ13を設けて挿
入端14を形成している。埋設溝同士の連結は、互いの挿
入端を突合せるように所定の継手構造(図8、図9参照)
に挿入し、それぞれのフランジ13を継手構造にボルト結
合することで行なう。仕切15は、閉溝3の内側面にプラ
グ溶接で固着し、通信線等を種類ごとに分別して挿通で
きるようにしている。この仕切は必要に応じて断面形状
を決定すればよく、例えば図3(仕切例1)や図4(仕切
例2)のように、大小の区画に分けた仕切16,17とするこ
ともできる。
【0031】図5は、本例に使用した開溝4の一部破断
斜視図、図6はアクセスパネル8の一部破断斜視図、そ
して図7は開溝4の内部に設けたハンガー18の拡大斜視
図である。開溝4は、角形鋼管から製造し、図5に見ら
れるように、ほぼ閉溝3と同様な構造であるが、通信
線等を引出孔より引出す作業や、保守、点検作業のた
め、土圧に耐えるだけの周縁を残して上面に作業窓19を
開口し、開口周囲に設けた蓋枠20へアクセスパネル8を
嵌め込んで閉蓋する点、点検、保守作業の邪魔になる
仕切を設けず、代わりに内側面へ着脱自在なハンガー18
を有する点、側面に通信線等を引出す引出孔11を設け
て、通常はゴム製メクラキャップ21で塞いでいる点、が
異なる。
【0032】アクセスパネル8は、図6に見られるよう
に、上面に点字ブロック22を貼着してあり、通常は蓋枠
20に嵌め込んで作業窓19を閉蓋して、ロック機構等で施
錠する。アクセスパネル8の側面には、蓋枠20に圧接す
るセンサ23を設け、例えばいたずらでアクセスパネル8
を外してセンサ23が蓋枠20の接触を検知できなくなる
と、外部へ警報を鳴らすようにしている。本発明の電線
共同溝1(図1参照)は、設置と保守管理の容易さから、
歩道の点字パネルのラインに沿って設置することを想定
している。アクセスパネル8の点字ブロックは、前記既
設の点字ブロックのラインを崩さないための配慮であ
り、アクセスパネル8のロック機構やセンサ23等は、作
業窓の開放という危険を防止するためのものである。
【0033】開溝4は、挿通する通信線等を引出孔から
引出す作業等のため、作業を阻害する仕切を設けること
ができない。しかし、開溝4の全体にわたって通信線等
が支持されないことになると、通信線等が自重によりた
わみ、場合によっては切断等の問題を引き起こす可能性
がある。そこで、図7に見られるようなハンガー18を内
部に設けることで、断続的ながら、通信線等を支持する
のである。このハンガー18は、内側面に当接する端面2
4,24を、互いが略平行になるように斜めに切断し、内側
面に取り付けた掛止片25,25に対し、水平方向に回動さ
せる(図7中下段のハンガー参照)ことで、容易に着脱す
ることができる。
【0034】また、開溝4は、閉溝3とは異なり、作業
窓19を開放して外部から通信線等を扱うことができ、側
面に設けた引出孔11から通信線等を引出すことで、電線
共同溝1(図1参照)から末端への配線が行なえるように
している。この引出孔11は、使用しない場合のシール性
を確保するため、通常はゴム製メクラキャップ21を嵌め
込んでいる。引出孔11からは、1ないし数本の通信線等
を引出す。なお、以上の閉溝3や開溝4は、4枚の鋼板
を組み合わせて管としてもよいし、略断面U字状鋼板を
鋼板で閉蓋する構造のものとしてもよい。
【0035】閉溝又は開溝は、図8に見られるように、
シール材28を介装し、互いのフランジ13,13をボルト接
合29して前記シール材28を挟持する継手構造27により、
直接的に連結できる。この継手構造27は、突き合わせる
挿入端14,14にシール材28を嵌込み、ボルト結合29によ
り埋設溝を連結する。シール材28は一般にゴム等で形成
されるために弾性を有し、左右のボルト結合29の締め具
合により、配線経路は多少折り曲げることができる。こ
の場合でも、シール材28は挿入端14に嵌め込まれている
ので、逸脱することなく、高いシール性を保つことがで
きる。このように、この継手構造は、簡素でありながら
十分なシール性を確保できる特徴を有する。シール材28
は、必要に応じて外周を鋼板等で被覆してもよい。
【0036】更に、図9に見られるような揺動性を付加
した継手構造30を用いてもよい。この継手構造30は、揺
動軸31,31を介して連結した内枠体32と外枠体33とから
構成され、例えば地震の揺れに対して電線共同溝1(図
1参照)全体をその揺れに追随して揺動させることがで
き、偏った負荷の集中をできるだけ回避し、仮に破損に
及ぶ場合でもそれは揺動軸31の損傷だけで済むため、通
信線等の保護を図ることができる(フェールセーフ)。
【0037】また、この揺動軸31,31を設けた継手構造3
0は、分岐桝に頼らず、各埋設溝の連結角度を曲げて、
配線経路を徐々に屈曲させることができる。なお、図9
における継手構造30は、略断面U字状の支持枠34と閉塞
板35とに分割された外枠体33と一体構造の内枠体32とか
ら構成してあり、施工時には、支持枠34に上方から内枠
体32を嵌め込んで閉塞板35で閉蓋することができ、簡易
な埋設溝の連結が実現できる。シール材36は、内枠体32
と外枠体33との間へ介装する。
【0038】図10は、本例に使用した分岐桝2の斜視図
で、図11は閉溝3を連結した状態を表わした連結部5の
拡大断面図である。この分岐桝2は、上面、下面及び各
側面を構成する計10枚の鋼板からなり、上面に開溝と同
様な作業窓19を、等間隔に8方向を向いた各側面それぞ
れには開口した連結部5を有している。分岐桝2は、こ
の連結部5に閉溝2又は開溝3を連結することで、配線
経路の方向を屈曲させることができる。また、多層に連
結部5,6を設けた分岐桝7(図1参照)では、水平方向
の配線経路を階層的に積層することができる。なお、例
えば図12に見られるように、5方向の連結部5を有する
形状の分岐桝37も考えられる。このように、分岐桝の形
状、分岐数は任意に設定できる。
【0039】閉溝又は開溝を連結しない連結部5には、
シール材38を介装してメクラ板10をボルト接合して、シ
ール性を確保している。このメクラ板10には、通信線等
を引出すための引出孔11を設け、通常はゴム製メクラキ
ャップ21を嵌め込んでシール性を確保するが、必要に応
じてメクラキャップ21を外せば、末端への配線のための
通信線等を引出すことができる。連結部5は、メクラ板
10の取付けが容易なように、メクラ板10を差し込む受部
39を下縁に設けている。
【0040】連結部5への閉溝3又は開溝の連結は、図
11に見られるように、閉溝又は開溝の挿入端14を連結部
5に挿入し、シール材38を介装してフランジ13を連結部
周縁の側面へボルト結合することにより行なう。この連
結部5への閉溝3又は開溝4の連結は、前記のほかに、
上述の継手構造27,30を介して行なうようにしてもよ
い。このように、各埋設溝の端面を同仕様の連結構造に
しておくことで、電線共同溝1(図1参照)の構築をより
柔軟にすることが可能となり、電線共同溝の設置コスト
を低減する。
【0041】各埋設溝の連結においては、通常、それぞ
れ段階的な所定長を予め定めて製造することになるの
で、電線共同溝を構築するに当たって、配線経路に対す
る埋設溝の過不足が発生する場合がある。この場合、図
8又は図9に見られる継手構造27,30を直列に連結し
て、各埋設溝間に生じる不足する配線経路分を補うこと
もできるが、この配線経路の過不足を直接調節できる埋
設溝があれば、電線共同溝の設置作業においても都合が
よい。
【0042】本発明の電線共同溝は、多層の連結部を有
する分岐桝を用いることにより、実際上、垂直及び水平
方向に自由度を持って構築することができる。この場
合、配線経路のハブ(HUB)として機能する分岐桝の位置
がおよそ決定され、それに合わせて全体の配線経路が構
築される格好となる。そのため、どうしても配線経路の
全長が、既製の各埋設溝の足し合わせでは対応できなく
なるが、前記伸縮自在な埋設溝は、こうした配線経路の
過不足を容易に吸収し、同一水平面内における配線経路
を最短に結べるようにするのである。
【0043】図13は、伸縮自在な閉溝40の斜視図であ
る。この閉溝40は、図8に見られる継手構造27を長尺と
した外観を有する中間部41の両端から、シール材42,43
を介装して、図2に見られる閉溝3を短尺とした外観を
有する調節部44を挿入し、外側面に設けたガイドバー45
に沿って調節部44を進退自在にした構造である。調節部
44は左右いずれか一方だけでもよい。また、通信線等の
支持のために、調節部44には仕切46を設けるとよい。
【0044】図14は本発明の構造を用いた分岐桝47、伸
縮埋設溝48、固定埋設溝49、そして単位埋設溝50とから
電線共同溝を構築する状態を表わした斜視図である。な
お、各埋設溝47,48,49,50は、ボルト結合により連結し
ているが、図中ボルトは省略している。図14に見られる
例は、分岐桝47を配線経路のハブ(HUB)とし、この分岐
桝47から三方に伸縮又は固定埋設溝48,49を延ばし、自
由な配線経路を構築できるようにしている。
【0045】分岐桝47は、図14に見られるように、八角
柱の外観を持ち、上下二段に連結部51を八方に配して、
通常、それぞれにメクラ板52を取り付けて密閉してい
る。各連結部51の下縁には溝掛止部53を突設しており、
伸縮又は固定埋設溝48,49は、メクラ板52を外して前記
溝掛止部53にフランジ54の下縁を当てながらフランジ54
を連結部7にシールを介して密接させ、ボルト結合す
る。この分岐桝47では、通信線を結線、分配するため、
上面にアクセスドア55を設けて作業者が出入りできるよ
うにし、メクラ板52には通信線を引き出す引出孔56を設
けている。この引出孔56は、同様にアクセスドアを設け
た他の埋設溝の側面等に設けてもよい。
【0046】伸縮埋設溝48は、図14に見られるように、
外挿中空溝57の両端から内挿中空溝58を挿入し、外挿中
空溝57と内挿中空溝58との隙間にシール材59,60及びス
トッパ61,62を介装して全長を調節し、固定埋設溝が使
えない配線経路の端数長さに対応する。通常、接続、延
長してきた固定埋設溝49と分岐桝47との接続(図14参照)
に使用する。図15は全長を調節した伸縮埋設溝48の一部
破断斜視図であり、図16は内装中空溝12を一杯にまで引
き出した伸縮埋設溝48の一部破断斜視図である。図15又
は図16に見られるように、ストッパ61,62はシール材59,
60に挟まれる位置関係で配され、内挿中空溝58を伸長し
た状態で、シール材59,60よりも先にストッパ61,62が当
接するようにしている。
【0047】本例では、外挿中空溝57は、両端面の内周
4面ににシール材59を、このシール材59の内側に同じく
内周4面にストッパ61を取付け、内挿中空溝11は、前記
ストッパ61と掛合する位置の外周4面にストッパ62を、
そしてこのストッパ62の外側の外周4面にシール材60を
取付けている。ストッパ61,62とシール材59,60とをこの
関係に配することで、仮に内挿中空溝58を一杯にまで引
き出したときでも、シール材59,60よりも先にストッパ6
1,62が当接し、シール材59,60を変形、破損させること
がない。この伸縮埋設溝48は、図15に見られるように、
内挿中空溝58を進退いずれの方向にも移動できる程度で
外挿中空溝57に挿入した状態で、分岐桝47と固定埋設溝
49との間を連結する長さにしておけば、外部から負荷に
内挿中空溝58に進退する余裕ができるので、好ましい。
【0048】図17は本例における伸縮又は固定埋設溝同
士等の連結部分を表わした一部斜視図である。伸縮又は
固定埋設溝同士又は埋設溝と分岐桝の連結部とは、埋設
溝端に設けたフランジ面又に連結部端面に取付けたシー
ルを互いに密着させた状態でボルト結合して連結する。
本発明では、図17に見られるように、前記フランジ54又
は連結部51の下縁に板材を水平に溶接して溝掛止部53と
し、連結する伸縮埋設溝48(図17中二点鎖線)の端に設け
たフランジ54の下縁をこの溝掛止部53で支持するように
している。
【0049】固定埋設溝49には、主に上面から土圧(図1
7中白抜き下矢印参照)が掛かり、その負荷が垂直面を持
つフランジ54を沈下させ、更にボルトに多大なせん断力
を掛けて伸縮又は固定埋設溝2,3の連結を破壊する虞
がある。この溝掛止部53は、伸縮又は固定埋設溝48,49
の沈下方向に対して水平な面を持ち、連結する伸縮埋設
溝48のフランジ54の下縁を支持(図17中黒塗上矢印参照)
しながら、伸縮又は固定埋設溝48,49の沈下防止、ボル
トのせん断力緩和を図る作用がある。更に、このフラン
ジ54の下縁に設けた溝掛止部53は、伸縮埋設溝48の敷設
作業におけるレベル出しに際し、この伸縮埋設溝48のフ
ランジ54の下縁を当接させることで、伸縮又は固定埋設
溝同士又は埋設溝と分岐桝の連結部との連結作業を容易
にする利点があり、敷設作業に掛かるコストを低減させ
る。
【0050】溝掛止部は、上記作用を実現できるなら
ば、平板を溶接する構造にこだわらない。例えば、図18
に見られるように、フランジ54の下縁を折曲げて水平に
し、溝掛止部63としてもよい。このフランジ54と連続し
た構造を持つ溝掛止部63は、溶接作業を要せず、より安
価に、伸縮又は固定埋設溝を提供できる利点がある。ま
た、フランジ54又は連結部の上縁に板材を水平に溶接し
て溝掛止部64としてもよい。この溝掛止部64は、主にボ
ルトのせん断力緩和と溝掛止部64を設けた埋設溝の沈下
防止との働きを有し、図19に見られるように、連結する
伸縮埋設溝48のフランジ54の上縁に溝掛止部64、受ける
固定埋設溝49のフランジ54の下縁に溝掛止部53を設ける
など、両者を併用すると効果的である。
【0051】図20は図14の電線共同溝において、10度の
屈曲角度を持つ単位埋設溝50,50,50を3体連結した形態
の斜視図、図21は10度の屈曲角度を持つ単位埋設溝50と
20度の屈曲角度を持つ単位埋設溝65とを連結した形態の
斜視図であり、図22は10度の屈曲角度を持つ単位埋設溝
50,50を互い違いに向きを変えて連結した形態の斜視図
である。単位埋設溝50,65は極短長の中空溝を屈曲(又は
湾曲)させた構造で、屈曲角度が同じ又は異なる複数の
単位埋設溝を連結することで、配線経路を曲げた電線共
同溝を構築できる。
【0052】通常、配線経路を所定方向へ所定角度に曲
げるため、図20に見られるように、単位埋設溝50,50,50
を複数連結する形態が一般的な使用方法となる。この場
合、図21に見られるように、異なる屈曲角度を持つ単位
埋設溝50,65を連結してもよい。このように、2〜3種
類の屈曲角度の単位埋設溝を用意すれば、これらの組み
あわせであらゆる方向、角度へ配線経路を曲げることが
できるようになる。
【0053】また、特殊な使用方法として、図22に見ら
れるように、同じ屈曲角度を持つ単位埋設溝50,50を、
その屈曲方向が互い違いになるように連結すれば、直線
の配線経路の軸線をわずかにずらすことができるように
なる。更に、これら単位埋設溝は、通常の固定埋設溝を
連結していく際、伸縮埋設溝でも長すぎる端数長さを埋
めて連続した電線共同溝を構築するということも可能
で、例えば屈曲角度0度の単位埋設溝、すなわち単なる
極短長の直線状の単位埋設溝を必要に応じて連結すれ
ば、伸縮埋設溝に代えて用いることができるようにな
る。
【0054】本発明の各埋設溝は、各実施形態に示した
ように、断面角形の鋼管の埋設溝に適用する場合が通常
であろうが、これに限らず、丸形鋼管を結束した埋設溝
やコンクリート製の埋設溝などにも適用可能である。但
し、コンクリート製の埋設溝は耐振性に問題があり、丸
形鋼管を結束した埋設溝は、断面積が大きくなり、敷設
作業のコストが掛かったりする問題点があるため、実用
的ではない。断面角形の鋼管による埋設溝は、この様な
従来の問題点を克服し、更に本発明の構造を適用するこ
とで、大きく敷設作業コストを低減させ、地下配線によ
る光ファイバー網の拡充に貢献することができるのであ
る。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、従来のコンクリート製
の埋設溝に比べ、より安全度の高い電線共同溝を構築で
き、その設置コストも比較的安価で済む利点がある。ま
た、少ない種類の埋設溝を組み合わせることで、柔軟な
配線経路を有する電線共同溝が構築できるので、自由な
設置計画が立てられ、かつその計画が実際の設置作業を
拘束して、作業自体を困難にする虞が少ない。
【0056】特に、本発明の電線共同溝は、鋼管製とす
ることで、コンクリート製の埋設溝を用いたものに比べ
て、非常に高い耐震性を発揮することができる。その耐
震性は「フェールセーフ」を含むもので、「ライフライン」
としての通信網の破損を回避し、緊急時にはより必要と
される通信網の存続を図ることができるのである。な
お、本発明の電線共同溝の効果は、広くガス、水道の地
下配線に際する共同溝についてはもちろん、地下施設全
般にわたって適用可能であり、各地下施設の耐震性を全
体として向上させることができるようになるのである。
【0057】更に、本発明の電線共同溝に用いる埋設溝
により、金属埋設溝の敷設作業に掛かるコスト、労力
等を大幅に低減し、結果としてより安価かつ簡易に電線
共同溝による光ファイバー網等の地下配線の拡充を押し
進めることができるようになる。情報化社会を支えるイ
ンフラストラクチャとして、光ファイバー網の構築は必
須であり、本発明は、電線共同溝の敷設促進という実際
的な側面からこれを支援するのである。
【0058】具体的に見れば、伸縮埋設溝は、設計と異
なる現実の配線経路長に合わせて、必要な長さの埋設溝
を現場で作ることができるようにすることで、改めて適
切な長さをもった埋設溝を別途製造する手間とコストを
なくすほか、敷設後の電線共同溝においては、地震等の
外部からの変動分を吸収する配線経路の緩衝機構として
作用し、安全な地下配線の設置を可能にする。
【0059】また、溝掛止部は、敷設作業を簡易にする
ほか、敷設後の埋設溝の長寿命化に寄与したり、単位埋
設溝はちょっとした配線経路の曲げや長さの微調整を現
場でできるようにして、総じて敷設作業のコスト低減に
貢献するのである。以上の効果は、金属製管、特に断面
角形の鋼管からなる埋設溝にだけではなく、広く従来の
丸形鋼管又はコンクリート製の埋設溝にも及び、より一
層の電線共同溝の拡充を実現するのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電線共同溝の構築状態を表した斜視図
である。
【図2】閉溝の一部破断斜視図である。
【図3】仕切例1を採用した閉溝の断面図である。
【図4】仕切例2を採用した閉溝の断面図である。
【図5】開溝の一部破断斜視図である。
【図6】アクセスパネルの一部破断斜視図である。
【図7】開溝の内部に設けたハンガーの拡大斜視図であ
る。
【図8】枠体からなる継手構造の斜視図である。
【図9】揺動性を付加した継手構造の斜視図である。
【図10】分岐桝(図1中左端のもの)の斜視図である。
【図11】閉溝を連結した状態を表わした連結部の拡大断
面図である。
【図12】5方向の連結部を有する形状の分岐桝である。
【図13】伸縮自在な閉溝の斜視図である。
【図14】本発明の構造を用いた埋設溝で構築した電線共
同溝の斜視図である。
【図15】全長を調節した伸縮埋設溝の一部破断斜視図で
ある。
【図16】内装中空溝を一杯にまで引き出した伸縮埋設溝
の同一部破断斜視図である。
【図17】フランジ下縁に溶接した溝掛止部を表わした一
部斜視図である。
【図18】フランジ下縁を折曲した溝掛止部を表わした一
部斜視図である。
【図19】フランジ下縁及び上縁に溶接した溝掛止部を表
わした一部斜視図である。
【図20】10度の屈曲角度を持つ単位埋設溝を3体連結し
た形態の斜視図である。
【図21】10度及び20度の屈曲角度を持つ単位埋設溝を連
結した形態の斜視図である。
【図22】10度の屈曲角度を持つ単位埋設溝を互い違いに
連結した形態の斜視図である。
【符号の説明】
1 電線共同溝 2 分岐桝 3 閉溝 4 開溝 7 分岐桝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−179931(JP,A) 特開 平7−11694(JP,A) 実開 昭57−101198(JP,U) 実開 昭61−185808(JP,U) 実開 昭62−135525(JP,U) 実開 昭56−52426(JP,U) 実開 平2−132745(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02B 9/06 E02F 5/10 F16L 1/038 H02G 1/06 311 H02G 9/06

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属製管からなる埋設溝を連結して構築
    する電線共同溝において、内部に仕切を設けた閉構造の
    埋設溝と、側面に通信線等の引出孔を設けた開構造の埋
    設溝と、複数の閉構造又は開構造の埋設溝との連結部を
    設けた分岐桝構造の埋設溝とから構築され、閉構造の埋
    設溝は角形鋼管又は断面略U字状鋼板に鋼板で閉蓋した
    中空溝からなり、内部に仕切を設けて該鋼管又は中空溝
    断面を格子状に分割し、複数の電線を通す経路を確保し
    てなり、開構造の埋設溝は角形鋼管又は断面略U字状鋼
    板に鋼板で閉蓋した中空溝からなり、上面に作業窓を開
    口し、側面に通信線等を引出す引出孔を設けてなり、分
    岐桝構造の埋設溝は鋼板で形成した中空の柱状体であ
    り、上面に作業窓を開口し、閉構造又は開構造の埋設溝
    との連結部を該柱状体の側面の同じ又は異なる階層に複
    数設け、又は通信線等を引出す引出孔を設けてなること
    を特徴とする電線共同溝。
  2. 【請求項2】 開構造の埋設溝は2体以上の中空溝を互
    いに嵌合し、内挿の中空溝の外面に設けたシールを外挿
    の中空溝の内面に摺接させ、又は外挿の中空溝の内面に
    設けたシールを内挿の中空溝の外面に摺接させて全長を
    伸縮可能にしてなる請求項1記載の電線共同溝
  3. 【請求項3】 閉構造、開構造又は分岐桝構造の埋設溝
    は中空溝の端面上縁又は下縁に、連結する埋設溝の縁部
    を支持する溝掛止部を設けてなる請求項1記載の電線共
    同溝
  4. 【請求項4】 閉構造、開構造の埋設溝は中空溝の両端
    面が所定角度をなす関係にあり、各端面に他の埋設溝を
    連結した際に形成される配線経路を湾曲又は屈曲可能と
    してなる請求項1記載の電線共同溝
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