JP3003678B1 - プレフォーム用金型およびフィルムインサート成形品の製造方法 - Google Patents

プレフォーム用金型およびフィルムインサート成形品の製造方法

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JP3003678B1 JP21509198A JP21509198A JP3003678B1 JP 3003678 B1 JP3003678 B1 JP 3003678B1 JP 21509198 A JP21509198 A JP 21509198A JP 21509198 A JP21509198 A JP 21509198A JP 3003678 B1 JP3003678 B1 JP 3003678B1
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Abstract

【要約】 【課題】 立体フィルムのベロ状フィルム部が枠状クラ
ンプ板の枠に引っ掛かからないようにする。 【解決手段】 プレフォーム用凹面3にフィルム2を絞
り込むことによって立体フィルムを得ることができるプ
レフォーム用金型内に導入されたフィルム2をプレフォ
ーム用凹面3の周囲の所定箇所に押え付けるクランプ板
4を有するプレフォーム用金型において、クランプ板4
を扉のように開閉させることが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、主として自動車
や電化製品等の内装・外装パネル等をフィルムインサー
ト成形品の製造方法によって製造するのに用いるフィル
ムをプレフォームするためのプレフォーム用金型および
フィルムインサート成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、所定の立体形状にプレフォームさ
れたフィルム(以下、「立体フィルム」という。)を射
出成形用金型とは別のプレフォーム金型を用いて得、そ
の後、立体フィルムを射出成形用金型のキャビティ形成
用凹面に嵌め込み、射出成形用金型を閉じキャビティに
溶融樹脂を射出し、成形品と立体フィルムとを一体化さ
せる、いわゆるフィルムインサート成形品の製造方法が
ある。
【0003】前記立体フィルムを、射出成形用金型とは
別のプレフォーム金型を用いて得るには、次のようにし
ている。まず、絵柄フィルムをプレフォーム用金型内に
絵柄フィルムを導入する。プレフォーム用金型にはプレ
フォーム用凹面又はプレフォーム用凸面が形成されてお
り、プレフォーム用凹面又はプレフォーム用凸面の周囲
の所定箇所には絵柄フィルムを環状に挟み込むためのク
ランプ板が設けられている。導入は、クランプ板とプレ
フォーム用金型との隙間に差し込むように行う。導入さ
れた絵柄フィルムをプレフォーム用金型のプレフォーム
用凹面又はプレフォーム用凸面を覆うように配置してプ
レフォーム用凹面又はプレフォーム用凸面の周囲の所定
箇所において枠状クランプ板で絵柄フィルムを押さえ付
ける。次に、圧空あるいは真空吸引法により、絵柄フィ
ルムをプレフォーム用凹面の内面に絞り込むことによっ
て又はプレフォーム用凸面に被覆させることによって、
ベロ状フィルム部を有する立体フィルムを得る。次に、
プレフォーム用凹面又はプレフォーム用凸面の周囲の所
定箇所の直上にクランプ板を引き上げて、パーティング
面に位置していたベロ状フィルム部を解放状態とした
後、立体フィルムをベロ状フィルム部ごと、枠状クラン
プ板の枠内をくぐり抜けさせる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】(1)しかし、従来技
術では、立体フィルムに枠状クランプ板の枠内をくぐり
抜けさせる際に、前記ベロ状フィルム部が枠状クランプ
板の枠に引っ掛かったり衝突したりする。このため、フ
ィルムが裂けてしまう場合や、フィルムの立体部分の一
部が凹んだり折れ曲がったり等して変形する場合があっ
た。したがって、従来は立体フィルムの良品率が悪かっ
た。
【0005】(2)なお、プレフォーム用凹面の周囲の
所定箇所においてクランプ板で絵柄フィルムのベロ状フ
ィルム部を押え付けたままの状態で、ベロ状フィルム部
から立体フィルム部を切り離す場合がある。この場合
は、抜き孔が形成されドーナツ状となったベロ状フィル
ム部のみがクランプ板の裏側に残留する。このドーナツ
状となったベロ状フィルム部を掴んでクランプ板の裏面
から除去するためには、クランプ板とプレフォーム用金
型との隙間から抜き出させたり、枠状クランプ板の枠内
をくぐり抜けさせることが考えられる。しかし、前者で
は隙間が狭いためベロ状フィルム部を掴みにくく、その
ため抜き出しにくい。また、後者では前記ベロ状フィル
ム部が枠状クランプ板の枠に引っ掛かったり衝突したり
するので、除去しにくい。さらに、プレフォーム用金型
としてプレフォーム用凸面を有するものを用いる場合
は、ベロ状フィルム部の抜き孔が前記凸面に引っ掛かっ
たり衝突したりするため、前記凸面が損傷していた。以
上のように、ベロ状フィルム部を除去しにくく生産効率
が悪いとともに、プレフォーム用金型が損傷しやすかっ
た。
【0006】(3)また、従来技術では、クランプ板と
プレフォーム用金型との隙間に差し込むようにフィルム
の導入を行っているが、フィルムの端部を掴んで当該隙
間に引きずり込むための導入部材を用いる場合は、該導
入部材の大きさの分だけ通り道の幅を広くとる必要があ
る。該導入部材がクランプ部材や金型表面(特に、プレ
フォーム凸面)に接触して互いに損傷させ合うことを避
けるためには、該導入部材を小型にするか、クランプ部
材や金型に接触せずに進めるように該導入部材の経路を
精密に設定するための複雑で高価な装置を用意する必要
があった。この発明は、立体フィルムの良品率と生産効
率を向上すること等を目的としたプレフォーム用金型に
関するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明のプレフォーム
用金型は、以上の課題を解決するために、プレフォーム
用凹面にフィルムを絞り込むことによって立体フィルム
を得ることができるプレフォーム用金型内に導入された
フィルムをプレフォーム用凹面の周囲の所定箇所に押え
付けるクランプ板を有するプレフォーム用金型におい
て、回転軸部を中心に回転させフィルム押え付け面に密
着させたりフィルム押え付け面から離間させたりできる
ように、クランプ板を移動させることが可能であるよう
にした。
【0008】また、この発明のプレフォーム用金型は、
プレフォーム用凸面にフィルムを被覆させることによっ
て立体フィルムを得ることができるプレフォーム用金型
内に導入されたフィルムをプレフォーム用凸面の周囲の
所定箇所に押え付けるクランプ板を有するプレフォーム
用金型において、回転軸部を中心に回転させフィルム押
え付け面に密着させたりフィルム押え付け面から離間さ
せたりできるように、クランプ板を移動させることが可
能であるものでもよい。
【0009】また、この発明のプレフォーム用金型は、
クランプ部材が観音開き構造であるようにしてもよい。
【0010】また、この発明のプレフォーム用金型は、
クランプ板が、プレフォーム用金型内に導入されたフィ
ルムをプレフォーム用凸面の周囲の所定箇所に押え付け
る前に予めフィルムを環状に挟み込むための下側枠状部
材と上側部材とからなり、回転軸部を中心に回転させフ
ィルム押え付け面に密着させたりフィルム押え付け面か
ら離間させたりできるように、上側部材を移動させるこ
とが可能であるものでもよい。
【0011】このはつい明のフィルムインサート成形品
の製造方法は、前記いずれかのプレフォーム用金型を用
いてプレフォームして得た立体フィルムを、射出成形用
金型のキャビティ形成用凹面に嵌め込み、金型を閉じ、
射出ゲートからキャビティに溶融樹脂を射出し、成形品
とフィルムとを一体化させるフィルムインサート成形品
の製造方法でもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、この
発明のプレフォーム用金型を説明する。
【0013】この発明のプレフォーム用金型は、プレフ
ォーム用金型1内に導入されたフィルム2をプレフォー
ム用凹面3の周囲の所定箇所に押え付けるクランプ板4
を有するプレフォーム用金型において、回転軸部を中心
に回転させフィルム押え付け面に密着させたりフィルム
押え付け面から離間させたりできるように、クランプ板
を移動させるものである。
【0014】プレフォーム用金型1としては、一例とし
て、プレフォーム用凹面3と真空吸引口7(プレフォー
ム用凹面3又はフィルム押え付け面8に形成されてい
る。)と、2つの平面コ形状のクランプ板4(図1〜図
3、図7参照)とを有するものがある。2つの平面コ形
状のクランプ板4は、観音開き構造でもよい(図1〜図
3、図7参照)。別の例として、プレフォーム用凸面1
7と真空吸引口7と2つの平面コ形状の上側部材21と
下側枠状部材20(図8〜図16参照)とを有するもの
がある。上側部材21と下側枠状部材20とは、プレフ
ォーム用金型内に導入されたフィルムをプレフォーム用
凸面の周囲の所定箇所に押え付ける前に予めフィルム2
を環状に挟み込むためのものである。上側部材21は、
観音開き構造でもよい。
【0015】回転軸部を中心に回転させフィルム押え付
け面に密着させたりフィルム押え付け面から離間させた
りできるように、クランプ板4を移動させる手段として
は、クランプ板4の後端に設けられた2箇所の回転軸部
11・110と、金型に設けられたトラニオン型エアシ
リンダー12等からなるものがあり、クランプ板4の一
方の回転軸部11はトラニオン型エアシリンダー12の
先端120に固定し、他方の回転軸部110は金型に固
定するとよい。フィルム2を押え付けるには、トラニオ
ン型エアシリンダー12の先端120を突出させること
によって、クランプ板4の後端を持ち上げ、クランプ板
4全体を回転軸部110を中心に回転させフィルム押え
付け面8に密着させるように移動させ、フィルム2をフ
ィルム押え付け面8に押え付けるとよい(図1〜図3、
図6〜図16参照)。フィルム2を解放するには、トラ
ニオン型エアシリンダー12の先端120を引っ込ませ
ることによって、クランプ板4の後端を引き下げ、クラ
ンプ板4全体を回転軸部110を中心に回転させパーテ
ィング面8から離間させるように移動させ、フィルム2
をフィルム押え付け面8から解放させるとよい(図1〜
図3、図6〜図16参照)。
【0016】クランプ板4としては1個の部材からなる
ものでも、2個以上の部材からなるものでもよい。後者
の場合、クランプ状態(クランプ板4でフィルム2をフ
ィルム押え付け面8に押さえ付けている状態)で、各部
材が接触して枠状となる構造でも、各部材が非接触状態
で配置され平面ニ字状あるいは平面コ字状となる構造で
もよい。各部材が接触する場合、端面が接触する構造で
も、相互の部材の一部が重複する構造でもよい。2以上
の部材からなるクランプ板の最も基本的な構造は、クラ
ンプ状態で平面ロ字状となる2個の平面コ字状の部材か
らなり、この2個の部材が左右に観音開きする構造のも
のである。また、別の例としては、クランプ状態で平面
ロ字状となる平面L字状の部材2個と平面コ字状の部材
1個とからなり、型開時に、平面L字状の部材はそれぞ
れ左上・右上に移動し、平面コ字状の部材は回転軸部を
中心に回転させフィルム押え付け面に密着させたりフィ
ルム押え付け面から離間させたりできる構造のものがあ
る。また、2個以上の部材からなるクランプ板の場合、
2個以上の部材が同時的に動く構造でも、タイムラグを
おいて動く構造でもよい。なお、上記各例において、ク
ランプ板4を構成する部材が折畳み可能なものでもよ
い。
【0017】なお、フィルム2としては、基体シート上
に絵柄層、接着層などが順次積層されたものであり、フ
ィルム2に成形樹脂が接着した後に基体シートを剥離し
ない、いわゆるインサートフィルムと呼ばれるものがあ
る。あるいはフィルム2としては、基体シート上に剥離
層、絵柄層、接着層などが順次積層されたものであり、
フィルム2に成形樹脂が接着した後に基体シートを剥離
する、いわゆる転写フィルムと呼ばれるものがある。基
体シートの材質は、ポリエチレンテレフタレートやポリ
プロピレン、アクリル、熱可塑性エラストマー等の各種
樹脂、あるいは、各種繊維で編んだ布、不織布などがあ
る。絵柄層は成形品9の表面に装飾性や機能性を付与す
る層である。絵柄層は、通常の印刷図柄や導電材で形成
された導電パターンなどがある。絵柄層は樹脂バインダ
ーと顔料又は染料を用いる。絵柄層は樹脂バインダーと
隠蔽性のある金属顔料やその他の無機顔料等を用いても
よい。絵柄層は金属光沢を出すために金属蒸着層からな
るものでもよい。接着層は、フィルム2と成形品6とを
接着させるための層である。接着層は、成形樹脂の素材
に適した感熱性あるいは感圧性の樹脂を適宜使用する。
たとえば、成形樹脂がアクリル樹脂やウレタン樹脂の場
合は、接着層として塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂や
アクリル系樹脂を用いるとよい。絵柄層、接着層は各種
印刷法で形成する。接着層は樹脂フィルムを用いてもよ
い。
【0018】この発明のプレフォーム用金型の使用方法
の一実施例を、図面を参照しながら説明する。
【0019】まず、プレフォーム用金型1のプレフォー
ム用凹面3を覆う位置まで絵柄付きフィルム2を導入す
る(図1、図8、図14参照)。図1において金型の手
前から奥方に向かって、プレフォーム用凹面3を覆う位
置まで枚葉状のフィルム2を送り込んでもよいし、ロー
ル状に巻き取ったもの33からフィルムを巻き出してプ
レフォーム用凹面3やプレーフォーム用凸面17を覆う
位置まで引っ張り込んでもよい(図13、図14参
照)。導入装置としてはフィルム2の端部を掴む導入部
材31、導入部材を支えるロッド32、導入されたフィ
ルム2がクランプされるまでの間その端部をプレフォー
ム用金型に仮止めしておくための仮止め部材34等から
なるものがある。
【0020】次に、回転軸部を中心に回転させフィルム
押え付け面に密着させるようにクランプ板4を移動させ
ることによってそのフィルム2をプレフォーム用凹面3
又はプレフォーム用凸面17の周囲の所定個所に押え付
ける(図2、図9、図11参照)。
【0021】なお、クランプ板4が、プレフォーム用金
型内に導入されたフィルム2をプレフォーム用凸面17
の周囲の所定箇所に押え付ける前に予めフィルム2を挟
み込むための下側枠状部材20と上側部材21とからな
るものである場合は、まず、回転軸部を中心に回転させ
フィルム押え付け面に密着させるように上側部材21を
移動させることによってそのフィルム2を下側枠状部材
20の枠孔200の周囲の所定箇所に押え付ける(図
9、図14、図15参照)。次に、分断装置35で上側
部材21の外にはみ出ているフィルム2の部分を切り離
してもよい(図16参照)。そして、放熱部24を有す
るフィルム加熱装置23でフィルム2を加熱しながら、
上側部材21と下側枠状部材20とを下降して、フィル
ム2をプレフォーム用凸面17の周囲の所定箇所に押え
付けてもよい(図9、図10参照)。また、上側部材2
1の枠孔内において、フィルム2を立体形状の部分13
0とベロ状フィルム部13とに切り離してもよい(図1
1参照)。こうすると、上側部材21を開かなくても所
定の形状にプレフォームされたフィルム2の必要部分の
みをプレフォーム金型から取り出すことができる。上側
部材21の下には抜き孔部14が形成されたベロ状フィ
ルム部13が残留する(図7参照)。
【0022】クランプ板4として平面コ字状の2つの部
材を用いる場合は、観音開きの扉を閉めるようにすると
よい。2つの部材は合体し1つの枠状クランプ板となる
(図2、図7参照)。この枠状クランプ板でフィルム2
を金型のプレフォーム用凹面3の周囲に押さえ付ける。
必要により、押さえ付けると同時又は押さえ付けた後
に、枠状クランプ板の枠外のフィルム2の不要部をヒー
トカッター等の分断装置35で除去してもよい(図1
5、図16参照)。また、必要により、フィルム2の導
入とは別の工程としてプレフォーム用凹面3又はプレフ
ォーム用凸面17の上方にフィルム加熱装置23を侵入
させ、フィルム2を加熱するとよい(図9、図10参
照)。その後、必要により、プレフォーム用凹面3又は
プレフォーム用凸面17とフィルム2との間の空間を真
空吸引して、プレフォーム用凹面3の内面又はプレフォ
ーム用凸面17の外面にフィルム2を密着させてもよい
(図2、図10参照)。
【0023】次に、回転軸部を中心に回転させフィルム
押え付け面から離間させるようにクランプ板4を移動さ
せ、所望の立体形状にプレフォームされたフィルム2を
プレフォーム用凹面3又はプレフォーム用凸面17から
取り出す(図3、図12参照)。つまり、平面コ字状の
2つのクランプ板4を観音開きの扉を開けるようにする
とよい。クランプ板4とプレフォーム用凹面3又はプレ
フォーム用凸面17とが引き離されるとフィルム2のベ
ロ状フィルム部13が解放状態となる。所定の立体形状
にプレフォームされたフィルムをプレフォーム用凹面3
又はプレフォーム用凸面17から取り出す。なお、クラ
ンプ板4が、プレフォーム用金型内に導入されたフィル
ム2をプレフォーム用凸面17の周囲の所定箇所に押え
付ける前に予めフィルム2を挟み込むための下側枠状部
材20と上側部材21とからなるものである場合は、ま
ず、回転軸部を中心に回転させフィルム押え付け面から
離間させるように上側部材21を移動させることによっ
てそのフィルム2のベロ状フィルム部13が解放状態と
なる(図12参照)。下側枠状部材20はプレフォーム
用金型に密着していてもよい。上側部材21の枠孔内に
おいて、予め、フィルム2を立体形状の部分とベロ状フ
ィルム部13とに切り離した場合は 抜き孔部14が形
成されたベロ状フィルム部13をプレフォーム金型から
取り出す(図12参照)。クランプ板4は、回転軸部を
中心に回転させフィルム押え付け面から離間するように
移動するので、プレフォーム用凹面3の周囲の所定箇所
と当該箇所の直上外に移動することが可能である。その
結果として、抜き孔部14が形成されたベロ状フィルム
部13を取り出す際に、プレフォーム用凸面17に全く
接触することがないようにすることができる。また、フ
ィルム押え付け面8のうちプレフォーム用凹面3の縁の
限界いっぱいにおいて、枠状クランプ板4でフィルム2
を押さえ付けることが可能となる。こうすると不要なベ
ロ状フィルム部13の面積が小さくて済み、予め用意す
るフィルム2の幅を最小限に抑えることができることに
なり、フィルム2の無駄をできるだけ少なくすることが
できる。
【0024】なお、このようにして得たフィルムは、プ
レフォームされたフィルムを、可動型6と固定型5から
なる射出成形用金型の、可動型6のキャビティ形成用凹
面16に嵌め込み、金型を閉じ(図4参照)、射出ゲー
ト15からキャビティに溶融樹脂10を射出し、成形品
9とフィルム2とを一体化させる(図5参照)用途に用
いられる。
【0025】
【発明の効果】この発明のプレフォーム用金型は、プレ
フォーム用金型内に導入されたフィルムをプレフォーム
用凹面の周囲の所定箇所に押え付けるクランプ板を有す
るプレフォーム用金型において、回転軸部を中心に回転
させフィルム押え付け面に密着させたりフィルム押え付
け面から離間させたりできるように、クランプ板や上側
部材を移動ことが可能である。また、フィルムインサー
ト成形品の製造方法は、前記いずれかのプレフォーム用
金型を用いてプレフォームして得た立体フィルムを、射
出成形用金型のキャビティ形成用凹面に嵌め込み、金型
を閉じ、射出ゲートからキャビティに溶融樹脂を射出
し、成形品とフィルムとを一体化させるようにした。し
たがって、次のような効果がある。
【0026】(1)つまり、立体フィルムに枠状クラン
プ板の枠内をくぐり抜けさせなくてもよいので、立体フ
ィルムの前記ベロ状フィルム部はクランプ板に全く接触
することがないようにすることができる。この結果、フ
ィルムが裂けてしまう場合や、フィルムの立体部分が凹
んだり折れ曲がったり等して変形する場合がなくなる。
したがって、立体フィルムの良品率が向上する。
【0027】(2)なお、立体フィルムが切り離された
後のドーナツ状となったベロ状フィルム部を除去する場
合でも、クランプ板とプレフォーム用金型との隙間から
抜き出させたり、枠状クランプ板の枠内をくぐり抜けさ
せる必要がなくなるため、ベロ状フィルム部を掴みやす
く抜き出しやすい。また、ベロ状フィルム部が枠状クラ
ンプ板の枠に引っ掛かったり衝突したりもしないので、
除去しやすい。さらに、プレフォーム用金型としてプレ
フォーム用凸面を有するものを用いる場合は、ベロ状フ
ィルム部の抜き孔部が前記凸面の側部に引っ掛かったり
衝突したりすることも避けられるため、前記凸面の側部
が損傷することもなくなる。以上のように、ベロ状フィ
ルム部を除去しやすく、生産効率も良くなるとともに、
プレフォーム用金型が損傷することもなくなる。
【0028】(3)フィルムの端部を掴んで金型間に引
きずり込む導入部材を用いる場合でも、該導入部材の通
り道の幅が広くとれることになり、該導入部材を必要以
上に小型にする必要もなく、該導入部材の移動の経路を
精密に設定するための複雑で高価な装置も必要でなくな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明のプレフォーム用金型およびフィル
ムインサート成形品の製造方法の一実施例とその使用方
法の一工程を示す断面図である。
【図2】 この発明のプレフォーム用金型およびフィル
ムインサート成形品の製造方法の一実施例とその使用方
法の一工程を示す断面図である。
【図3】 この発明のプレフォーム用金型およびフィル
ムインサート成形品の製造方法の一実施例とその使用方
法の一工程を示す断面図である。
【図4】 この発明のフィルムインサート成形品の製造
方法の一工程を示す断面図である。
【図5】 この発明のフィルムインサート成形品の製造
方法の一工程を示す断面図である。
【図6】 この発明のプレフォーム用金型およびフィル
ムインサート成形品の製造方法の一実施例とその使用方
法の一工程を示す平面図である。
【図7】 この発明のプレフォーム用金型およびフィル
ムインサート成形品の製造方法の一実施例とその使用方
法の一工程を示す平面図である。
【図8】 この発明のプレフォーム用金型およびフィル
ムインサート成形品の製造方法の一実施例とその使用方
法の一工程を示す断面図である。
【図9】 この発明のプレフォーム用金型およびフィル
ムインサート成形品の製造方法の一実施例とその使用方
法の一工程を示す断面図である。
【図10】 この発明のプレフォーム用金型およびフィ
ルムインサート成形品の製造方法の一実施例とその使用
方法の一工程を示す断面図である。
【図11】 この発明のプレフォーム用金型およびフィ
ルムインサート成形品の製造方法の一実施例とその使用
方法の一工程を示す断面図である。
【図12】 この発明のプレフォーム用金型およびフィ
ルムインサート成形品の製造方法の一実施例とその使用
方法の一工程を示す断面図である。
【図13】 この発明のプレフォーム用金型およびフィ
ルムインサート成形品の製造方法の一実施例とその使用
方法の一工程を示す断面図である。
【図14】 この発明のプレフォーム用金型およびフィ
ルムインサート成形品の製造方法の一実施例とその使用
方法の一工程を示す断面図である。
【図15】 この発明のプレフォーム用金型およびフィ
ルムインサート成形品の製造方法の一実施例とその使用
方法の一工程を示す断面図である。
【図16】 この発明のプレフォーム用金型およびフィ
ルムインサート成形品の製造方法の一実施例とその使用
方法の一工程を示す断面図である。
【符号の説明】
1 プレフォーム用金型 2 フィルム 3 プレフォーム用凹面 4 クランプ板 5 固定型 6 可動型 7 真空吸引口 8 フィルム押え付け面 9 成形品 10 溶融樹脂 11 回転軸部 110 回転軸部 12 トラニオン型エアシリンダー 120 先端部 13 ベロ状フィルム部 14 抜き孔部 15 射出ゲート 16 キャビティ形成用凹面 17 プレフォーム用凸面 20 下側枠状部材 200 枠孔 21 上側部材 22 引き込みロッド 23 フィルム加熱装置 24 放熱部 25 レーザーカット装置 26 レーザー光線 30 フィルム導入装置 31 導入部材 32 ロッド 33 ロール状に巻き取ったもの 34 仮止め部材 35 分断装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B29L 31:30 31:34 (72)発明者 山本 輝真 京都府京都市中京区壬生花井町3番地 日本写真印刷株式会社内 審査官 加藤 友也 (56)参考文献 特開 昭58−52675(JP,A) 特開 平4−309781(JP,A) 実開 昭61−191208(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 45/00 - 45/84 B29C 51/00 - 51/46

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プレフォーム用凹面にフィルムを絞り込
    むことによって立体フィルムを得ることができるプレフ
    ォーム用金型内に導入されたフィルムをプレフォーム用
    凹面の周囲の所定箇所に押え付けるクランプ板を有する
    プレフォーム用金型において、回転軸部を中心に回転さ
    せフィルム押え付け面に密着させたりフィルム押え付け
    面から離間させたりできるように、クランプ板を移動さ
    せることが可能であることを特徴とするプレフォーム用
    金型。
  2. 【請求項2】 プレフォーム用凸面にフィルムを被覆さ
    せることによって立体フィルムを得ることができるプレ
    フォーム用金型内に導入されたフィルムをプレフォーム
    用凸面の周囲の所定箇所に押え付けるクランプ板を有す
    るプレフォーム用金型において、回転軸部を中心に回転
    させフィルム押え付け面に密着させたりフィルム押え付
    け面から離間させたりできるように、クランプ板を移動
    させることが可能であることを特徴とするプレフォーム
    用金型。
  3. 【請求項3】 クランプ部材が観音開き構造である請求
    項1又は2に記載のプレフォーム用金型。
  4. 【請求項4】 クランプ板が、プレフォーム用金型内に
    導入されたフィルムをプレフォーム用凸面の周囲の所定
    箇所に押え付ける前に予めフィルムを環状に挟み込むた
    めの下側枠状部材と上側部材とからなり、回転軸部を中
    心に回転させフィルム押え付け面に密着させたりフィル
    ム押え付け面から離間させたりできるように、上側部材
    を移動させることが可能である請求項2又は3に記載の
    プレフォーム用金型。
  5. 【請求項5】 前記請求項1〜4のいずれかのプレフォ
    ーム用金型を用いてプレフォームして得た立体フィルム
    を、射出成形用金型のキャビティ形成用凹面に嵌め込
    み、金型を閉じ、射出ゲートからキャビティに溶融樹脂
    を射出し、成形品とフィルムとを一体化させるフィルム
    インサート成形品の製造方法。
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