JP3002698B2 - 黒鉛繊維の製造方法 - Google Patents

黒鉛繊維の製造方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は毛羽が少なく且つ圧縮強度等の機械的強度及
び弾性率の高い黒鉛繊維の製造方法に関する。
〔従来の技術〕
炭素繊維は比強度、比弾性に優れているためスポー
ツ、レジャー用品から宇宙航空用途まで巾広く利用され
つつある。特に2000℃以上の高温で焼成される黒鉛繊維
は弾性率が高く、それだけ薄肉軽量化できるため、その
重要性は大きい。しかしながら高い弾性率を得るために
黒鉛化温度を高くすると、繊維の圧縮強度の低下および
炉の消耗による炉の寿命の低下が起こるので、可能な限
り低い温度で黒鉛化することが要望されている。
黒鉛化温度の高温化以外の方法で弾性率を向上させる
方法は種々検討されており、例えば黒鉛化過程で伸長処
理することによって弾性率を向上させることが特開平1
−124629号公報に記載されている。
しかし通常黒鉛化過程で伸長するために繊維に高張力
を付与すると、単糸切れや毛羽が発生する。このため実
際には単糸切れや毛羽が発生しない範囲内に伸長を抑え
るか、逆に高い弾性率を得るために毛羽の発生を覚悟し
ながら伸長するか、どちらか一方を犠牲にせざるを得な
かった。
また弾性率を向上させる他の方法として、ホウ素処理
によって得られる黒鉛繊維の黒鉛構造を発達させる方法
が知られている。例えば特公昭47−50331号公報には、
耐炎化もしくは炭素化後、または原料ポリアクリロニト
リル繊維にホウ素を含有させて黒鉛化するか、あるいは
黒鉛化時に同時にホウ素を導入する方法が記載されてい
る。また、特公昭48−9801号公報には、耐炎化または炭
素化された繊維をホウ素化合物の溶剤溶液に浸漬し、そ
の後に黒鉛化する方法が開示されている。
これらの方法では、比較的低い黒鉛化温度で弾性率を
向上させることができるため、炉の寿命の低下を防止で
きるが、ホウ素処理によって黒鉛結晶が大きくなり、圧
縮強度が低下するため、バランスのとれた物性を有する
黒鉛繊維を製造することができない。
また特開平1−282335号公報には、ピッチ系の炭素繊
維にホウ素化合物を適用することにより、圧縮強度の高
い高弾性炭素繊維を得る方法が記載されている。しかし
この方法でも複合材料の圧縮強度は最高50kg/mm2程度で
あり、満足すべきレベルに至っていない。
さらに特開平2−145814号公報には、アクリロニトリ
ル系重合体に黒鉛化触媒を添加し、溶融紡糸することで
繊維中に均一に黒鉛化触媒を分散させた後、焼成して低
い黒鉛化温度で通常の黒鉛繊維と同等の繊維物性の黒鉛
繊維を得る方法を開示しているが、ストランド強度が低
い等の問題を有している。
また、従来のホウ素処理技術は、繊維中へのホウ素の
導入方法あるいは黒鉛繊維中に含まれるホウ素量、存在
状態に着目したものがほとんどであり、黒鉛化処理方法
を中心にした焼成技術についての工夫はほとんどなされ
ていなかった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明者らは、毛羽の発生がなく、圧縮強度、ストラ
ンド強度、弾性率等に優れた黒鉛繊維を製造するため鋭
意検討を行った結果、毛羽の発生は伸長時に付与する張
力に応じて増減、低張力で高伸長を行えば毛羽を発生さ
せずに弾性率を向上させることができること、また特定
範囲量のホウ素を含有するポリアクリロニトリル系前駆
体繊維束を使用することにより黒鉛化過程で低張力で高
伸長でき、特定範囲の伸長率で黒鉛化することで所期の
目的の黒鉛繊維を得ることができることを見出して本発
明に到達した。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、ホウ素に換算して0.01〜5重量%のホウ素
およびホウ素化合物から選ばれる少なくとも1種を含有
するポリアクリロニトリル系前駆体繊維を耐炎化、炭素
化した後、2000℃以上の温度下に、伸長率が下記式
(1)を満足するように伸長しながら、黒鉛化する黒鉛
繊維の製造方法である。
ε≧0.86×10-5(T−2000)+1.2 (1) ε:黒鉛化伸長率(%) T:黒鉛化最高温度(℃) 一般にポリアクリロニトリル系前駆体繊維(以下PAN
系プレカーサーと略称する)から黒鉛繊維を製造する場
合、2000℃以上の黒鉛化過程においては、僅かに伸長す
ることが可能であり、また黒鉛化温度が高くなるにつれ
て、同一伸長率における発生張力が低下するので、若干
は伸長率を上げることは可能である。しかし前記のよう
に従来の黒鉛化過程においては、伸長し過ぎると毛羽が
発生するため伸長率を上げることには限界がある。これ
に対して、本発明方法によれば大巾に発生張力を低減で
き、またその張力低減の度合いはPAN系プレカーサー中
に含まれるホウ素化合物の種類やホウ素量等によって異
なるが、ホウ素なしの場合に比べて1/2または1/3以下に
することも可能で、その結果、毛羽の発生を抑えながら
伸長率を大巾に向上させることができる。
PAN系プレカーサー中に含まれるホウ素量は、黒鉛化
での伸長性に寄与するため、少量過ぎると効果が小さく
好ましくない。また多過ぎると黒鉛繊維の引張強度及び
圧縮強度の低下が著しくなるため、ホウ素に換算して0.
01〜5.0重量%好ましくは0.1〜3.0重量%に調整する必
要がある。
ホウ素化合物としてはメタホウ酸、オルトホウ酸、ト
リエチルボレート、トリプロピルボレート等のエステル
化物、酸化ホウ素、炭化ホウ素、窒化ホウ素、含ホウ素
金属化合物等、及びこれらの2種以上の混合物が挙げら
れる。メタホウ酸、メルトホウ酸及びこれらのエステル
化物はPAN系ポリマーとの親和性が比較的よいので好ま
しい。
PAN系プレカーサー中にホウ素またはホウ素化合物を
導入する方法としては、PAN系ポリマー製造時に導入す
る方法、PAN系ポリマーを溶解した紡糸源液に混入する
方法、紡糸段階でホウ素(化合物)溶液または分散液に
繊維を浸漬する方法等が用いられる。
浸漬方法による場合は、60〜100℃に加熱したホウ素
(化合物)水溶液または分散液に繊維束を0.5秒ないし
5分間浸漬することが好ましい。
本発明に用いられるPAN系プレカーサーを製造するた
めの紡糸方式としては湿式、乾式または乾−湿式紡糸方
式が、操作性がよい点と得られる黒鉛繊維の物性が良好
である点から好ましい。乾−湿式紡糸方式は緻密なPAN
系プレカーサーが得られるため特に好ましい。
本発明を実施するに際しては、含ホウ素プレカーサー
をまず酸化性雰囲気中200〜300℃で耐炎化する。耐炎化
ではPAN系ポリマーは環化及び酸化反応するが、酸化反
応は繊維表層から起こるため、反応温度、処理時間等を
厳密に調節しないと表層のみが酸化されて表層と内部が
不均一な構造を有し、最終的な黒鉛繊維の弾性率の発現
性が低下する。これに対し本発明に用いられる含ホウ素
プレカーサーは、理由の詳細は明らかではないが、耐炎
化において比較的均一な反応が行える点で有利である。
そして通常の耐炎化の後、不活性雰囲気中、最高温度10
00゜以上2000℃未満で炭素化される。
これら耐炎化及び炭素化は公知の方法で行われるが、
最終的な黒鉛繊維の弾性率を向上させるためには、それ
ぞれの過程でも毛羽が発生しない範囲で張力を付与し、
伸長あるいは制限収縮させながら処理をすることが望ま
しい。
こうして耐炎化及び炭素化された繊維は2000℃以上の
最高温度で(1)式を満たす範囲で伸長しながら黒鉛化
される。
ε≧0.86×10-5(T−2000)+1.2 (1) この式中εは黒鉛化伸長率(%)、Tは黒鉛化最高温
度(℃)を意味する。
(1)式を満たす伸長条件は、従来のPANプレカーサ
ーを用いた場合には、毛羽の発生がみられる領域であ
る。
本発明によれば、ホウ素を含有または固着させたPAN
プレカーサーを用い、(1)式の伸長率下で伸長しなが
ら黒鉛化することによって、高い圧縮強度を有し、毛羽
がなく、従来品より弾性率の高い黒鉛繊維を製造するこ
とができる。
なおホウ素を含有していないPANプレカーサーを耐炎
化、炭素化したのち、(1)式で表わされる伸長率で伸
長して黒鉛化しても毛羽が発生し、目的とする黒鉛繊維
を製造することはできなかった。
〔実施例〕
以下実施例により本発明を具体的に説明する。
(1) 黒鉛繊維のストランド強度及び弾性率はJIS R
7601に準じて測定した。
(2) 黒鉛繊維のコンポジット性能はトリグリシジル
−4−アミノ−m−クリゾール100重量部と4,4′−ジア
ミノジフェニルスルホン50重量部をマトリックス樹脂と
して用い、ASTM D−3410に準じて圧縮強度を測定した。
(3) 繊維中のホウ素含有率(重量%)は次の方法に
よった。
試料50mgと炭酸ナトリウム1gを白金るつぼにとり、ゆ
るやかに加熱して融解した後蒸留水に溶解し、全体を50
mlにして、日本ジャーレルアッシュ(社)製ICP発光分
析装置(ICP−575 MK−2)を用いて分析波長249.773n
m、出力1.6kWでホウ素含有量を測定した。
実施例1 アクリロニトリル97重量%及びメタクリル酸3重量%
からなるアクリロニトリル共重合体をジメチルホルムア
ミド(DMF)に溶解し、紡糸ノズルより吐出させ、乾−
湿式紡糸方式で洗、沸水延伸した後、液温80℃、15重量
%のオルトホウ酸水溶液に5秒間浸漬し、乾燥したのち
再度延伸(総延伸倍率10倍)し、単糸デニール0.7の含
ホウ素プレカーサーを製造した。繊維中のホウ素換算含
有量は0.75重量%であった。
得られたプレカーサーを空気中200〜300℃で耐炎化し
た後、窒素ガス中最高温度1400℃で炭素化を行った。そ
の際、毛羽が発生しない程度に伸長を行った。得られた
炭素繊維を窒素ガス中、最高温度(T)2400℃、伸長率
(ε)4.0%で黒鉛化して黒鉛繊維を製造した。得られ
た黒鉛繊維は毛羽が全くなく、ストランド強度525kg/mm
2、弾性率50.0t/mm2、コンポジットの圧縮強度130kg/mm
2(繊維体積含有率60%換算)と非常に性能バランスの
良いものであった。
比較例1 実施例1と同様にして、ただしオルトホウ酸水溶液に
浸漬せずに黒鉛繊維を製造した。得られた黒鉛繊維には
多量の毛羽が観察され、ストランド強度470kg/mm2、弾
性率48.5t/mm2、コンポジットの圧縮強度130kg/mm2であ
った。
比較例2 比較例1と同様にして、ただし黒鉛化で発生する毛羽
を抑えるために黒鉛化伸長率(ε)を2.0%にして黒鉛
繊維を製造した。得られた黒鉛繊維は比較的毛羽の少な
いものであり、ストランド強度515kg/mm2、弾性率45.5t
/mm2、コンポジットの圧縮強度130kg/mm2であった。
比較例3 比較例1と同様にして、ただし黒鉛化最高温度(T)
を2570℃、黒鉛化伸長率(ε)を3.8%として黒鉛繊維
を製造した。得られた黒鉛繊維は比較的毛羽の少ないも
のであり、ストランド強度496kg/mm2、ストランド弾性
率50t/mm2、コンポジットの圧縮強度112kg/mm2であっ
た。
実施例2 実施例1と同様にして、ただしオルトホウ酸水溶液の
代りにトリエチルボレート中で浸漬処理を行って繊維中
のホウ素換算含有量2.1重量%の含ホウ酸プレカーサー
を得た。
得られたプレカーサーを空気中200〜300℃で耐炎化し
た後、窒素ガス中最高温度1600℃で炭素化を行った。そ
の際、毛羽が発生しない程度に伸長を行った。得られた
炭素繊維を窒素ガス中最高温度(T)を2600℃、伸長率
(ε)5.7%で黒鉛化して黒鉛繊維を製造した。得られ
た黒鉛繊維は毛羽が全くなく、ストランド強度520kg/mm
2、弾性率56.0t/mm2、コンポジットの圧縮強度110kg/mm
2であった。
実施例3 アクリロニトリル98.5重量%及びイタコン酸1.5重量
%からなるアクリロニトリル系共重合体をDMFに溶解
し、さらに細く粉砕した酸化ホウ素を対重合体比0.5重
量%加え、よく攪拌して均一に分散させた後、紡糸ノズ
ルより吐出し、乾−湿式紡糸方式でDMF水溶液中に導い
て凝固し、水洗、沸水延伸したのち乾燥し、再度延伸
(総延伸倍率10倍)し、単糸デニール0.7の含ホウ素プ
レカーサーを得た。繊維中のホウ素換算含有量は0.10重
量%であった。
得られたプレカーサーを空気中200〜300℃で耐炎化し
た後、窒素ガス中最高温度600℃で一段目の炭素化を行
い、さらに窒素ガス中最高温度1400℃で二段目の炭素化
を行った。その際、各段階で毛羽が発生しない程度に伸
長または制限収縮を行った。得られた炭素繊維を窒素ガ
ス中、最高温度(T)2000℃、伸長率(ε)2.0%で黒
鉛化して黒鉛繊維を製造した。得られた黒鉛繊維は毛羽
が全くなく、ストランド強度558kg/mm2、弾性率39.0t/m
m2、コンポジットの圧縮強度160kg/mm2であった。
比較例4 アクリロニトリル98.5重量%及びイタコン酸1.5重量
%からなるアクリロニトリル系共重合体をDMFに溶解し
た後、紡糸ノズルより吐出させ、乾−湿式紡糸方式で水
溶液中に導いて凝固し、水洗、沸水延伸した後、乾燥
し、再度延伸(総延伸倍率10倍)し、単糸デニール0.7
のプレカーサーを製造した。
プレカーサーを空気中200〜300℃で耐炎化した後、窒
素ガス中最高温度1400℃で炭素化を行った。その際、毛
羽が発生しない程度に伸長を行った。得られた炭素繊維
を体積比で5%の三塩化ホウ素ガスを含む窒素ガス中で
最高温度(T)2400℃で毛羽の発生がみられない範囲で
の最大の伸長率である2.2%(ε)の伸長を行いつつ黒
鉛化して黒鉛繊維を製造した。得られた黒鉛繊維はスト
ランド強度490kg/mm2、弾性率49t/mm2、コンポジットの
圧縮強度115kg/mm2であった。
比較例5 比較例4と同様の方法で製造した炭素繊維をガラス製
の管に巻き、10重量%のオルトホウ酸中80℃で3時間浸
漬処理した。その後150℃で4時間乾燥した後最高温度
(T)2400℃で毛羽の発生の見られない範囲での最大の
伸長率である2.0%(ε)で伸長を行いつつ黒鉛化して
黒鉛繊維を製造した。得られた黒鉛繊維はストランド強
度453kg/mm2、弾性率50.5t/mm2、コンポジットの圧縮強
度110kg/mm2であった。
実施例4及び比較例6 アクリロニトリル98重量%及びメタクリル酸2重量%
からなるアクリロニトリル系共重合体をDMFに溶解し、
紡糸ノズルより吐出させ、乾−湿式紡糸方式でDMF水溶
液中に導いて凝固し、水洗、沸水延伸した後、オルトホ
ウ酸水溶液中で条件を変え浸漬処理したのち、あるいは
浸漬処理せずに乾燥し、再度延伸(総延伸倍率9倍)
し、単糸デニール0.7の含ホウ素プレカーサーあるいは
ホウ素なしのプレカーサーを製造した。各プレカーサー
のホウ素換算含有率を第1表に示す。
得られたプレカーサーを空気中200〜300℃で耐炎化し
た後、窒素ガス中最高温度600℃で一段目の炭素化を行
い、さらに最高温度1400℃で二段目の炭素化を行った。
その際、各段階で毛羽が発生しない程度に伸長あるいは
制限収縮を行った。
得られた炭素繊維を窒素ガス中、第1表に示す最高温
度(T)及び黒鉛化伸長率(ε)で黒鉛化して黒鉛繊維
を製造した。黒鉛化伸長時の繊維の張力、得られた黒鉛
繊維の毛羽の状態、ストランド強度、弾性率及びコンポ
ジットの圧縮強度を併せて第1表に示す。
なお表中のa〜jは本発明、イ〜チは比較例を示す。
この結果から明らかなように、本発明方法により製造
された黒鉛繊維は毛羽がなく、弾性率、圧縮強度等のバ
ランスがすぐれている。
〔発明の効果〕 本発明方法によれば、弾性率及び圧縮強度が高く、し
かも従来の黒鉛繊維に比べて、毛羽が少なく、機械特性
及び加工性に優れた黒鉛繊維が製造できる。
フロントページの続き (72)発明者 槙島 俊裕 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイ ヨン株式会社大竹事業所内 (56)参考文献 特開 平2−145814(JP,A) 特公 昭48−9801(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D01F 9/22,11/16,6/54

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ホウ素に換算して0.01〜5重量%のホウ素
    およびホウ素化合物から選ばれる少なくとも1種を含有
    するポリアクリロニトリル系前駆体繊維を耐炎化、炭素
    化した後、2000℃以上の温度下に、伸長率が下記式
    (1)を満足するように伸長しながら、黒鉛化する黒鉛
    繊維の製造方法。 ε≧0.86×10-5(T−2000)+1.2 (1) ε:黒鉛化伸長率(%) T:黒鉛化最高温度(℃)
  2. 【請求項2】ポリアクリロニトリル系前駆体繊維中のホ
    ウ素換算含有量が0.1〜3重量%である請求項1記載の
    黒鉛繊維の製造方法。
  3. 【請求項3】ホウ素およびホウ素化合物から選ばれる少
    なくとも1種の化合物の溶媒溶液に浸漬することによ
    り、ホウ素およびホウ素化合物から選ばれる少なくとも
    1種を含有するポリアクリロニトリル系前駆体繊維とす
    る請求項1または2記載の黒鉛繊維の製造方法。
  4. 【請求項4】オルトホウ酸、メタホウ酸およびそれらの
    エステル化物から選ばれる少なくとも1種を含有するポ
    リアクリロニトリル系前駆体繊維を用いる請求項1〜3
    のいずれか1項記載の黒鉛繊維の製造方法。
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