JP2004238779A - 炭素繊維の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】炭素化温度の高い炭素繊維でも良好な接着強度が得られ、この炭素繊維を用いて成形したCFRPは高い圧縮特性を持ちうる、炭素繊維の製造方法を提供する。
【解決手段】前駆体繊維に耐炎化処理および炭素化処理を施し炭素繊維を得た後、表面酸化処理を行なう炭素繊維の製造方法において、表面酸化処理に先立って、炭素繊維を酸素濃度15〜30質量%の酸化性雰囲気中で600〜800℃で5〜60秒間加熱処理を施す、炭素繊維の製造方法である。
【選択図】 なし
【解決手段】前駆体繊維に耐炎化処理および炭素化処理を施し炭素繊維を得た後、表面酸化処理を行なう炭素繊維の製造方法において、表面酸化処理に先立って、炭素繊維を酸素濃度15〜30質量%の酸化性雰囲気中で600〜800℃で5〜60秒間加熱処理を施す、炭素繊維の製造方法である。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂との界面接着性に優れ、炭素繊維強化複合材料(CFRPという。)としたとき圧縮強度に優れる、中高弾性炭素繊維の表面処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
炭素繊維は、比強度、比弾性率に優れているためスポーツ、レジャー用途から産業用途、航空宇宙用途など幅広く利用されている。特に、弾性率30ton/mm2以上の中高弾性炭素繊維は、CFRPの軽量化が図れるため重要性は大きい。CFRPとする炭素繊維では、樹脂との界面接着性がCFRPの性能に重要であり、炭素繊維は、樹脂との接着性を持たせるため表面処理を施される。
【0003】
しかし、中高弾性率炭素繊維は、低弾性率炭素繊維に比べ高い炭素化温度を必要とするため、その表面は、低弾性率炭素繊維に比べ不活性化となっており、1700℃以上の炭素化温度で炭素化された場合は、特に表面処理を受けにくくなっている。従って、十分なCFRP性能を得るには、より強いレベルの表面処理が必要となり、表面処理設備への負荷が大きく、実際に生産するには大規模な設備が必要となる。
【0004】
炭素繊維の表面処理では、炭素繊維の表面に酸素などの樹脂との接着性に寄与する官能基が導入される。この官能基の導入は炭素繊維表面のグラファイト結晶の端面から起こることが知られており、高い炭素化温度で焼成された炭素繊維が表面処理を受けにくいのは、高温焼成によりグラファイト結晶が大きく成長した場合には、導入される官能基が相対的に少なくなるためである。従って、表面処理のレベルを高くしても充分な接着性が得られない場合が多い。
【0005】
高温焼成によりグラファイト結晶が大きく成長した場合でも一旦生成したグラファイト結晶を微細化あるいは結晶性を低下させれば、表面処理を受けやすくすることが可能と考えられる。グラファイト結晶の微細化、結晶性低下の技術としては以下の(1)〜(3)の方法が知られている。
【0006】
(1)炭素繊維を、加熱無機酸中または硝酸イオンを必須とする電解質水溶液中で、電気化学的酸化処理をすることで結晶性を低下させる方法(特許文献1および特許文献2)。
【0007】
(2)炭素繊維表面のグラファイト結晶を可能な限り低くする技術として黒鉛化前に電解酸化処理を行う方法(特許文献3)。
【0008】
(3)炭素繊維の原料であるポリアクリロニトリル系繊維の紡糸工程において繊維表面にフェノール樹脂や糖類を付着させる方法(特許文献4および特許文献5)。
【0009】
【特許文献1】
特開昭58−214527号公報
【特許文献2】
特開昭61−225330号公報
【特許文献3】
特開平2−259118号公報
【特許文献4】
特開平2−004175号公報
【特許文献5】
特開平2−069758号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
(1)の方法では、高い炭素化温度で焼成された炭素繊維に対しては、これらの方法では表面処理条件を強くしても高い接着性が得られず、(2)の方法では、黒鉛化処理前後に表面処理から洗浄、乾燥工程が必要となり製造コストが大幅に上昇する問題があり、さらに(3)の方法では、フェノール樹脂や糖類を付着させると後の加熱乾燥、延伸工程において毛羽が発生しやすく、工程通過性が悪化するばかりでなく接着性は充分なレベルに達しない場合が多いという欠点があった。
【0011】
そこで、本発明では、上記欠点を克服し、高い炭素化温度で焼成された中高弾性炭素繊維であっても樹脂との高い接着性を有する中高弾性炭素繊維を製造する方法を提供することにあり、これにより得られる炭素繊維は、樹脂との接着性が良好であるため炭素繊維の挫屈による複合材料の破壊を抑えることができ、複合材料として優れた圧縮強度を発現するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、前駆体繊維に耐炎化処理および炭素化処理を施し炭素繊維を得た後、表面酸化処理を行なう炭素繊維の製造方法において、表面酸化処理に先立って、炭素繊維を酸素濃度15〜30質量%の酸化性雰囲気中で600〜800℃で5〜60秒間加熱処理を施す、炭素繊維の製造方法にあり、酸化性雰囲気中で加熱処理を施す炭素繊維が1700℃以上で炭素化処理された炭素繊維を用いることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の炭素繊維の製造方法について詳細に説明する。
(炭素繊維)
本発明に用いる炭素繊維は公知なものであればよく特に限定されないが、以下に好ましい炭素繊維について述べる。
【0014】
(前駆体繊維)
本発明の製造法に用いる炭素繊維の前駆体繊維は、特に限定されるものではないが、コスト、性能のバランスからアクリロニトリル系が好ましい。原料に用いるアクリロニトリル系重合体の重合方法は溶液重合、懸濁重合など、公知の重合方法の何れをも採用することができる。
アクリロニトリル系前駆体繊維の紡糸方法は湿式法、半乾半湿式法どちらでもよく、特に限定されるものではなく、さらに洗浄、延伸、油剤処理などの紡糸工程においても特に限定されるものではない。
【0015】
(耐炎化処理)
前駆体繊維を耐炎化する条件としては、酸化性雰囲気中200〜300℃の範囲で耐炎化することが好ましい。耐炎化繊維の密度は、1.5g/cm3を超えない範囲が炭素繊維にした時の性能の観点から好ましい。更に好ましい下限値は1.25g/cm3、好ましくは1.3g/cm3である。
【0016】
耐炎化の際施す伸張は、−7%〜+7%の範囲が、耐炎化工程での毛羽の発生が少なく、炭素繊維の性能、工程通過性等の観点で好ましく、更にこの範囲内で伸張率が高いほど炭素繊維の引張強度が高いものが得られやすい。
【0017】
耐炎化処理を施す時間は、炭素繊維の性能を高める観点から30分以上が好ましく、45分以上がより好ましい。上限値は100分が好ましく、80分がより好ましい。ここで耐炎化時間とは耐炎化炉内に滞在している時間である。
【0018】
(炭素化処理)
以上のようにして得られた耐炎化繊維は、窒素等の不活性雰囲気中で炭素化される。まず、分解反応を制御するために300℃〜800℃の温度で伸張を付与しながら炭素化される。このときの伸張率は配向の緩和を抑えるために+1〜+8%とするのが好ましく、+3〜+6%がより好ましい。処理時間としては0.7分以上が好ましい。0.7分より短いと分解反応が激しくなり、最終的な炭素繊維の強度が低下する。上限値は生産性の観点から3分が好ましい。
【0019】
得られた繊維は、引き続き不活性雰囲気中で最高1700℃以上の温度で炭素化される。このときの伸張率は−5%から0%が好ましい。−5%未満では繊維に十分な緊張を与えることが出来ず、炭素繊維の弾性率が低下する。0%を超えると繊維に毛羽が生じ、強度が低下するばかりでなく、工程を通過しにくくなる。処理時間としては0.7分以上が好ましく、上限値は6分である。このようにして得られた炭素繊維は、本発明の表面処理に供される。
酸化性雰囲気中で加熱処理を施す炭素繊維が1700℃以上で炭素化処理された炭素繊維であるとき、本発明の炭素繊維の製造方法はより一層効果を発現するので好ましい。さらに好ましくは1800℃以上である。炭素化温度が1700℃未満である炭素繊維では酸化性雰囲気中の加熱処理において酸化によるダメージを受けやすく、強度が低下するので好ましくない。
【0020】
(加熱処理)
本発明の炭素繊維の製造方法で、炭素繊維の表面酸化処理前に施される加熱処理の酸化性雰囲気としてはオゾンや酸素が上げられるがオゾンは分解しやすいため、高温でも安定な酸素が好ましい。また、加熱処理後の表面酸化処理は特に限定されるものではないが、工程安定性、炭素繊維の性能の観点から電解表面処理が好ましい。
【0021】
酸化性雰囲気の酸素濃度は、15〜30質量%であることが必要であり、好ましくは20〜25質量%であり、経済面から空気がより好ましい。酸素濃度が15質量%未満ではグラファイト結晶を微細化する効果が充分でなく、酸素濃度が30質量%を超えると炭素繊維の強度低下や製造コストの上昇を招く。
【0022】
酸化性雰囲気の加熱温度は、600〜800℃の範囲とすることが必要であり、好ましくは700〜750℃の範囲である。600℃未満ではグラファイト結晶を微細化する効果が充分でなく、800℃を超えると炭素繊維の強度低下を招く。
【0023】
酸化性雰囲気の加熱時間は5〜60秒の範囲とすることが必要であり、好ましい下限値は8秒であり、上限値は30秒である。5秒未満では、グラファイト結晶を微細化する効果が充分でなく、60秒を超えると炭素繊維の強度低下を招く。
【0024】
【実施例】
以下に、実施例により本発明をより具体的に説明する。
(界面せん断強度)
樹脂との接着強度の評価である界面せん断強度はマイクロドロップレット法により行なった。具体的には、リアライズ社「炭素繊維の展開と評価方法」第160〜161頁に記載されている。すなわち、単繊維1本に付着させた樹脂球を所定の温度条件で硬化させ、硬化した樹脂球を保持した状態で繊維を樹脂球から引き抜く試験を行った。この時の引き抜く力を測定し、次式によって界面せん断強度を算出した。
【0025】
界面せん断強度(GPa)=9.8×10−3×引抜荷重(kg)/繊維直径(mm)×π×樹脂球長さ(mm)
【0026】
試験片の作製に用いた樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパン エポキシ レジン株式会社製エピコート828)100gに対し、硬化剤としてトリエチレンテトラミン11gを混合したものである。硬化条件は80℃で90分、100℃で120分とした。
【0027】
(ストランド強度、弾性率)
ストランド強度および弾性率はJIS R−7601記載の方法で測定した。ストランドの作製は、ジャパン エポキシ レジン株式会社製エピコート828(100質量部)、無水メチルナジック酸(90質量部)、ジベンジルジメチルアミン(2質量部)、アセトン(50質量部)を混合した組成の樹脂を炭素繊維に含浸後、50℃で1時間、130℃に1時間かけて昇温後、130℃で2時間の条件で硬化した。
【0028】
(実施例1)
アクリロニトリル系前駆体繊維束(組成:アクリロニトリル単位/アクリルアミド単位/メタアクリル酸単位=96.2/3.1/0.7(質量比)、繊維直径10μm、フィラメント数12000本)を耐炎化時間60分、伸張率−5%で密度1.35g/cm3となるように空気中220℃〜260℃で加熱処理を施し、耐炎化繊維とした。この耐炎化繊維を窒素雰囲気中最高温度700℃、伸張率+3.5%で1.2分間炭素化し、次いで窒素雰囲気中最高温度1900℃、伸張率−4.0%で1.2分間炭素化して未処理炭素繊維束(繊維直径7μm)を得た。
この未処理炭素繊維束を空気中(酸素濃度21質量%)750℃で10秒間加熱処理を施した後、20℃の硝酸8質量%水溶液中(硝酸イオン濃度1.3規定)で30クーロン/gの電気量で4秒間電解表面処理を施した。
このようにして得られた炭素繊維束の界面せん断強度は68.0MPaであり、電解表面処理時間4秒という短い時間にも係わらず充分なものであった。ストランド強度と弾性率はそれぞれ4.3GPa、294GPaであった。
【0029】
(実施例2)
実施例1で得た未処理炭素繊維束を空気中(酸素濃度21質量%)750℃で10秒間加熱処理を施した後、20℃の硝酸8質量%水溶液中(硝酸イオン濃度1.3規定)で30クーロン/gの電気量で8秒間電解表面処理を施した。
このようにして得られた炭素繊維束の界面せん断強度は71.6MPaであった。ストランド強度と弾性率はそれぞれ4.5GPa、296GPaであった。
【0030】
(実施例3)
実施例1で得た未処理炭素繊維束を空気中(酸素濃度21%)750℃で10秒間加熱処理を施した後、20℃の硝酸8質量%水溶液中(硝酸イオン濃度1.3規定)で30クーロン/gの電気量で16秒間電解表面処理を施した。
このようにして得られた炭素繊維束の界面せん断強度は76.2MPaであった。ストランド強度と弾性率はそれぞれ4.6GPa、296GPaであった。
【0031】
(比較例1)酸化雰囲気中の加熱処理を行なわない実験例
実施例1で得た未処理炭素繊維束を20℃の硝酸8質量%水溶液中(硝酸イオン濃度1.3規定)で30クーロン/gの電気量で4秒間電解表面処理を施した。得られた炭素繊維束の界面せん断強度は56.0MPaと低かった。ストランド強度と弾性率はそれぞれ4.5GPa、297GPaであった。
【0032】
(比較例2)酸化雰囲気中の加熱処理を行なわない実験例
実施例1で得た未処理炭素繊維束を20℃の硝酸8質量%水溶液中(硝酸イオン濃度1.3規定)で30クーロン/gの電気量で8秒間電解表面処理を施した。得られた炭素繊維束の界面せん断強度は65.0MPaであった。ストランド強度と弾性率はそれぞれ4.4GPa、294GPaであった。
【0033】
(比較例3)酸化雰囲気中の加熱処理を行なわない実験例
実施例1で得た未処理炭素繊維束を20℃の硝酸8質量%水溶液中(硝酸イオン濃度1.3規定)で30クーロン/gの電気量で16秒間電解表面処理を施した。得られた炭素繊維束の界面せん断強度は68.0MPaであった。ストランド強度と弾性率はそれぞれ4.7GPa、295GPaであった。
【0034】
(比較例4)酸素濃度が低い実験例
実施例1で得た未処理炭素繊維束を窒素と空気を混合して酸素濃度10%に調整した雰囲気中750℃で10秒間加熱処理を施した後、20℃の硝酸8質量%水溶液中(硝酸イオン濃度1.3規定)で30クーロン/gの電気量で4秒間電解表面処理を施した。得られた炭素繊維束の界面せん断強度は57.0MPaであった。ストランド強度と弾性率はそれぞれ4.3GPa、293GPaであった。
【0035】
(比較例5)酸化雰囲気中の加熱温度が低い実験例
実施例1で得た未処理炭素繊維束を空気中(酸素濃度21%)500℃で10秒間加熱処理を施した後、20℃の硝酸8質量%水溶液中(硝酸イオン濃度1.3規定)で30クーロン/gの電気量で4秒間電解表面処理を施した。得られた炭素繊維束の界面せん断強度は58.0MPaであった。ストランド強度と弾性率はそれぞれ4.3GPa、295GPaであった。
【0036】
(比較例6)酸化雰囲気中の加熱温度が高い実験例
実施例1で得た未処理炭素繊維束を空気中(酸素濃度21%)850℃で10秒間加熱処理を施した後、20℃の硝酸8質量%水溶液中(硝酸イオン濃度1.3規定)で30クーロン/gの電気量で4秒間電解表面処理を施した。得られた炭素繊維束の界面せん断強度は70.0MPaと高いレベルであったが、ストランド強度は3.8GPaと低かった。
【0037】
(比較例7)酸化雰囲気中の加熱時間が短い実験例
実施例1で得た未処理炭素繊維束を空気中(酸素濃度21%)750℃で3秒間加熱処理を施した後、20℃の硝酸8質量%水溶液中(硝酸イオン濃度1.3規定)で30クーロン/gの電気量で4秒間電解表面処理を施した。このようにして得られた炭素繊維束の界面せん断強度は56.5MPaであった。ストランド強度と弾性率はそれぞれ4.5GPa、297GPaであった。
【0038】
(比較例8)酸化雰囲気中の加熱時間が長い実験例
実施例1で得た未処理炭素繊維束を空気中(酸素濃度21%)750℃で80秒間加熱処理を施した後、20℃の硝酸8質量%水溶液中(硝酸イオン濃度1.3規定)で30クーロン/gの電気量で4秒間電解表面処理を施した。このようにして得られた炭素繊維束の界面せん断強度は71.0MPaであったが、ストランド強度は3.7GPaと低かった。
【0039】
(比較例9)加熱処理を施す炭素繊維束の炭素化温度が低い実験例
窒素雰囲気中最高温度1500℃で炭素化した以外は実施例1と同じ条件で未処理炭素繊維束を得た。この未処理炭素繊維束を空気中(酸素濃度21%)750℃で10秒間加熱処理を施した後、20℃の硝酸8質量%水溶液中(硝酸イオン濃度1.3規定)で30クーロン/gの電気量で4秒間電解表面処理を施した。得られた炭素繊維束の界面せん断強度は71.0MPaであったが、ストランド強度は3.9GPaと低かった。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】
本発明の製造方法により得られる炭素繊維は、炭素化温度の高い炭素繊維でも良好な接着強度が得られ、この炭素繊維を用いて成形したCFRPは高い圧縮特性を持ちうる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂との界面接着性に優れ、炭素繊維強化複合材料(CFRPという。)としたとき圧縮強度に優れる、中高弾性炭素繊維の表面処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
炭素繊維は、比強度、比弾性率に優れているためスポーツ、レジャー用途から産業用途、航空宇宙用途など幅広く利用されている。特に、弾性率30ton/mm2以上の中高弾性炭素繊維は、CFRPの軽量化が図れるため重要性は大きい。CFRPとする炭素繊維では、樹脂との界面接着性がCFRPの性能に重要であり、炭素繊維は、樹脂との接着性を持たせるため表面処理を施される。
【0003】
しかし、中高弾性率炭素繊維は、低弾性率炭素繊維に比べ高い炭素化温度を必要とするため、その表面は、低弾性率炭素繊維に比べ不活性化となっており、1700℃以上の炭素化温度で炭素化された場合は、特に表面処理を受けにくくなっている。従って、十分なCFRP性能を得るには、より強いレベルの表面処理が必要となり、表面処理設備への負荷が大きく、実際に生産するには大規模な設備が必要となる。
【0004】
炭素繊維の表面処理では、炭素繊維の表面に酸素などの樹脂との接着性に寄与する官能基が導入される。この官能基の導入は炭素繊維表面のグラファイト結晶の端面から起こることが知られており、高い炭素化温度で焼成された炭素繊維が表面処理を受けにくいのは、高温焼成によりグラファイト結晶が大きく成長した場合には、導入される官能基が相対的に少なくなるためである。従って、表面処理のレベルを高くしても充分な接着性が得られない場合が多い。
【0005】
高温焼成によりグラファイト結晶が大きく成長した場合でも一旦生成したグラファイト結晶を微細化あるいは結晶性を低下させれば、表面処理を受けやすくすることが可能と考えられる。グラファイト結晶の微細化、結晶性低下の技術としては以下の(1)〜(3)の方法が知られている。
【0006】
(1)炭素繊維を、加熱無機酸中または硝酸イオンを必須とする電解質水溶液中で、電気化学的酸化処理をすることで結晶性を低下させる方法(特許文献1および特許文献2)。
【0007】
(2)炭素繊維表面のグラファイト結晶を可能な限り低くする技術として黒鉛化前に電解酸化処理を行う方法(特許文献3)。
【0008】
(3)炭素繊維の原料であるポリアクリロニトリル系繊維の紡糸工程において繊維表面にフェノール樹脂や糖類を付着させる方法(特許文献4および特許文献5)。
【0009】
【特許文献1】
特開昭58−214527号公報
【特許文献2】
特開昭61−225330号公報
【特許文献3】
特開平2−259118号公報
【特許文献4】
特開平2−004175号公報
【特許文献5】
特開平2−069758号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
(1)の方法では、高い炭素化温度で焼成された炭素繊維に対しては、これらの方法では表面処理条件を強くしても高い接着性が得られず、(2)の方法では、黒鉛化処理前後に表面処理から洗浄、乾燥工程が必要となり製造コストが大幅に上昇する問題があり、さらに(3)の方法では、フェノール樹脂や糖類を付着させると後の加熱乾燥、延伸工程において毛羽が発生しやすく、工程通過性が悪化するばかりでなく接着性は充分なレベルに達しない場合が多いという欠点があった。
【0011】
そこで、本発明では、上記欠点を克服し、高い炭素化温度で焼成された中高弾性炭素繊維であっても樹脂との高い接着性を有する中高弾性炭素繊維を製造する方法を提供することにあり、これにより得られる炭素繊維は、樹脂との接着性が良好であるため炭素繊維の挫屈による複合材料の破壊を抑えることができ、複合材料として優れた圧縮強度を発現するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、前駆体繊維に耐炎化処理および炭素化処理を施し炭素繊維を得た後、表面酸化処理を行なう炭素繊維の製造方法において、表面酸化処理に先立って、炭素繊維を酸素濃度15〜30質量%の酸化性雰囲気中で600〜800℃で5〜60秒間加熱処理を施す、炭素繊維の製造方法にあり、酸化性雰囲気中で加熱処理を施す炭素繊維が1700℃以上で炭素化処理された炭素繊維を用いることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の炭素繊維の製造方法について詳細に説明する。
(炭素繊維)
本発明に用いる炭素繊維は公知なものであればよく特に限定されないが、以下に好ましい炭素繊維について述べる。
【0014】
(前駆体繊維)
本発明の製造法に用いる炭素繊維の前駆体繊維は、特に限定されるものではないが、コスト、性能のバランスからアクリロニトリル系が好ましい。原料に用いるアクリロニトリル系重合体の重合方法は溶液重合、懸濁重合など、公知の重合方法の何れをも採用することができる。
アクリロニトリル系前駆体繊維の紡糸方法は湿式法、半乾半湿式法どちらでもよく、特に限定されるものではなく、さらに洗浄、延伸、油剤処理などの紡糸工程においても特に限定されるものではない。
【0015】
(耐炎化処理)
前駆体繊維を耐炎化する条件としては、酸化性雰囲気中200〜300℃の範囲で耐炎化することが好ましい。耐炎化繊維の密度は、1.5g/cm3を超えない範囲が炭素繊維にした時の性能の観点から好ましい。更に好ましい下限値は1.25g/cm3、好ましくは1.3g/cm3である。
【0016】
耐炎化の際施す伸張は、−7%〜+7%の範囲が、耐炎化工程での毛羽の発生が少なく、炭素繊維の性能、工程通過性等の観点で好ましく、更にこの範囲内で伸張率が高いほど炭素繊維の引張強度が高いものが得られやすい。
【0017】
耐炎化処理を施す時間は、炭素繊維の性能を高める観点から30分以上が好ましく、45分以上がより好ましい。上限値は100分が好ましく、80分がより好ましい。ここで耐炎化時間とは耐炎化炉内に滞在している時間である。
【0018】
(炭素化処理)
以上のようにして得られた耐炎化繊維は、窒素等の不活性雰囲気中で炭素化される。まず、分解反応を制御するために300℃〜800℃の温度で伸張を付与しながら炭素化される。このときの伸張率は配向の緩和を抑えるために+1〜+8%とするのが好ましく、+3〜+6%がより好ましい。処理時間としては0.7分以上が好ましい。0.7分より短いと分解反応が激しくなり、最終的な炭素繊維の強度が低下する。上限値は生産性の観点から3分が好ましい。
【0019】
得られた繊維は、引き続き不活性雰囲気中で最高1700℃以上の温度で炭素化される。このときの伸張率は−5%から0%が好ましい。−5%未満では繊維に十分な緊張を与えることが出来ず、炭素繊維の弾性率が低下する。0%を超えると繊維に毛羽が生じ、強度が低下するばかりでなく、工程を通過しにくくなる。処理時間としては0.7分以上が好ましく、上限値は6分である。このようにして得られた炭素繊維は、本発明の表面処理に供される。
酸化性雰囲気中で加熱処理を施す炭素繊維が1700℃以上で炭素化処理された炭素繊維であるとき、本発明の炭素繊維の製造方法はより一層効果を発現するので好ましい。さらに好ましくは1800℃以上である。炭素化温度が1700℃未満である炭素繊維では酸化性雰囲気中の加熱処理において酸化によるダメージを受けやすく、強度が低下するので好ましくない。
【0020】
(加熱処理)
本発明の炭素繊維の製造方法で、炭素繊維の表面酸化処理前に施される加熱処理の酸化性雰囲気としてはオゾンや酸素が上げられるがオゾンは分解しやすいため、高温でも安定な酸素が好ましい。また、加熱処理後の表面酸化処理は特に限定されるものではないが、工程安定性、炭素繊維の性能の観点から電解表面処理が好ましい。
【0021】
酸化性雰囲気の酸素濃度は、15〜30質量%であることが必要であり、好ましくは20〜25質量%であり、経済面から空気がより好ましい。酸素濃度が15質量%未満ではグラファイト結晶を微細化する効果が充分でなく、酸素濃度が30質量%を超えると炭素繊維の強度低下や製造コストの上昇を招く。
【0022】
酸化性雰囲気の加熱温度は、600〜800℃の範囲とすることが必要であり、好ましくは700〜750℃の範囲である。600℃未満ではグラファイト結晶を微細化する効果が充分でなく、800℃を超えると炭素繊維の強度低下を招く。
【0023】
酸化性雰囲気の加熱時間は5〜60秒の範囲とすることが必要であり、好ましい下限値は8秒であり、上限値は30秒である。5秒未満では、グラファイト結晶を微細化する効果が充分でなく、60秒を超えると炭素繊維の強度低下を招く。
【0024】
【実施例】
以下に、実施例により本発明をより具体的に説明する。
(界面せん断強度)
樹脂との接着強度の評価である界面せん断強度はマイクロドロップレット法により行なった。具体的には、リアライズ社「炭素繊維の展開と評価方法」第160〜161頁に記載されている。すなわち、単繊維1本に付着させた樹脂球を所定の温度条件で硬化させ、硬化した樹脂球を保持した状態で繊維を樹脂球から引き抜く試験を行った。この時の引き抜く力を測定し、次式によって界面せん断強度を算出した。
【0025】
界面せん断強度(GPa)=9.8×10−3×引抜荷重(kg)/繊維直径(mm)×π×樹脂球長さ(mm)
【0026】
試験片の作製に用いた樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパン エポキシ レジン株式会社製エピコート828)100gに対し、硬化剤としてトリエチレンテトラミン11gを混合したものである。硬化条件は80℃で90分、100℃で120分とした。
【0027】
(ストランド強度、弾性率)
ストランド強度および弾性率はJIS R−7601記載の方法で測定した。ストランドの作製は、ジャパン エポキシ レジン株式会社製エピコート828(100質量部)、無水メチルナジック酸(90質量部)、ジベンジルジメチルアミン(2質量部)、アセトン(50質量部)を混合した組成の樹脂を炭素繊維に含浸後、50℃で1時間、130℃に1時間かけて昇温後、130℃で2時間の条件で硬化した。
【0028】
(実施例1)
アクリロニトリル系前駆体繊維束(組成:アクリロニトリル単位/アクリルアミド単位/メタアクリル酸単位=96.2/3.1/0.7(質量比)、繊維直径10μm、フィラメント数12000本)を耐炎化時間60分、伸張率−5%で密度1.35g/cm3となるように空気中220℃〜260℃で加熱処理を施し、耐炎化繊維とした。この耐炎化繊維を窒素雰囲気中最高温度700℃、伸張率+3.5%で1.2分間炭素化し、次いで窒素雰囲気中最高温度1900℃、伸張率−4.0%で1.2分間炭素化して未処理炭素繊維束(繊維直径7μm)を得た。
この未処理炭素繊維束を空気中(酸素濃度21質量%)750℃で10秒間加熱処理を施した後、20℃の硝酸8質量%水溶液中(硝酸イオン濃度1.3規定)で30クーロン/gの電気量で4秒間電解表面処理を施した。
このようにして得られた炭素繊維束の界面せん断強度は68.0MPaであり、電解表面処理時間4秒という短い時間にも係わらず充分なものであった。ストランド強度と弾性率はそれぞれ4.3GPa、294GPaであった。
【0029】
(実施例2)
実施例1で得た未処理炭素繊維束を空気中(酸素濃度21質量%)750℃で10秒間加熱処理を施した後、20℃の硝酸8質量%水溶液中(硝酸イオン濃度1.3規定)で30クーロン/gの電気量で8秒間電解表面処理を施した。
このようにして得られた炭素繊維束の界面せん断強度は71.6MPaであった。ストランド強度と弾性率はそれぞれ4.5GPa、296GPaであった。
【0030】
(実施例3)
実施例1で得た未処理炭素繊維束を空気中(酸素濃度21%)750℃で10秒間加熱処理を施した後、20℃の硝酸8質量%水溶液中(硝酸イオン濃度1.3規定)で30クーロン/gの電気量で16秒間電解表面処理を施した。
このようにして得られた炭素繊維束の界面せん断強度は76.2MPaであった。ストランド強度と弾性率はそれぞれ4.6GPa、296GPaであった。
【0031】
(比較例1)酸化雰囲気中の加熱処理を行なわない実験例
実施例1で得た未処理炭素繊維束を20℃の硝酸8質量%水溶液中(硝酸イオン濃度1.3規定)で30クーロン/gの電気量で4秒間電解表面処理を施した。得られた炭素繊維束の界面せん断強度は56.0MPaと低かった。ストランド強度と弾性率はそれぞれ4.5GPa、297GPaであった。
【0032】
(比較例2)酸化雰囲気中の加熱処理を行なわない実験例
実施例1で得た未処理炭素繊維束を20℃の硝酸8質量%水溶液中(硝酸イオン濃度1.3規定)で30クーロン/gの電気量で8秒間電解表面処理を施した。得られた炭素繊維束の界面せん断強度は65.0MPaであった。ストランド強度と弾性率はそれぞれ4.4GPa、294GPaであった。
【0033】
(比較例3)酸化雰囲気中の加熱処理を行なわない実験例
実施例1で得た未処理炭素繊維束を20℃の硝酸8質量%水溶液中(硝酸イオン濃度1.3規定)で30クーロン/gの電気量で16秒間電解表面処理を施した。得られた炭素繊維束の界面せん断強度は68.0MPaであった。ストランド強度と弾性率はそれぞれ4.7GPa、295GPaであった。
【0034】
(比較例4)酸素濃度が低い実験例
実施例1で得た未処理炭素繊維束を窒素と空気を混合して酸素濃度10%に調整した雰囲気中750℃で10秒間加熱処理を施した後、20℃の硝酸8質量%水溶液中(硝酸イオン濃度1.3規定)で30クーロン/gの電気量で4秒間電解表面処理を施した。得られた炭素繊維束の界面せん断強度は57.0MPaであった。ストランド強度と弾性率はそれぞれ4.3GPa、293GPaであった。
【0035】
(比較例5)酸化雰囲気中の加熱温度が低い実験例
実施例1で得た未処理炭素繊維束を空気中(酸素濃度21%)500℃で10秒間加熱処理を施した後、20℃の硝酸8質量%水溶液中(硝酸イオン濃度1.3規定)で30クーロン/gの電気量で4秒間電解表面処理を施した。得られた炭素繊維束の界面せん断強度は58.0MPaであった。ストランド強度と弾性率はそれぞれ4.3GPa、295GPaであった。
【0036】
(比較例6)酸化雰囲気中の加熱温度が高い実験例
実施例1で得た未処理炭素繊維束を空気中(酸素濃度21%)850℃で10秒間加熱処理を施した後、20℃の硝酸8質量%水溶液中(硝酸イオン濃度1.3規定)で30クーロン/gの電気量で4秒間電解表面処理を施した。得られた炭素繊維束の界面せん断強度は70.0MPaと高いレベルであったが、ストランド強度は3.8GPaと低かった。
【0037】
(比較例7)酸化雰囲気中の加熱時間が短い実験例
実施例1で得た未処理炭素繊維束を空気中(酸素濃度21%)750℃で3秒間加熱処理を施した後、20℃の硝酸8質量%水溶液中(硝酸イオン濃度1.3規定)で30クーロン/gの電気量で4秒間電解表面処理を施した。このようにして得られた炭素繊維束の界面せん断強度は56.5MPaであった。ストランド強度と弾性率はそれぞれ4.5GPa、297GPaであった。
【0038】
(比較例8)酸化雰囲気中の加熱時間が長い実験例
実施例1で得た未処理炭素繊維束を空気中(酸素濃度21%)750℃で80秒間加熱処理を施した後、20℃の硝酸8質量%水溶液中(硝酸イオン濃度1.3規定)で30クーロン/gの電気量で4秒間電解表面処理を施した。このようにして得られた炭素繊維束の界面せん断強度は71.0MPaであったが、ストランド強度は3.7GPaと低かった。
【0039】
(比較例9)加熱処理を施す炭素繊維束の炭素化温度が低い実験例
窒素雰囲気中最高温度1500℃で炭素化した以外は実施例1と同じ条件で未処理炭素繊維束を得た。この未処理炭素繊維束を空気中(酸素濃度21%)750℃で10秒間加熱処理を施した後、20℃の硝酸8質量%水溶液中(硝酸イオン濃度1.3規定)で30クーロン/gの電気量で4秒間電解表面処理を施した。得られた炭素繊維束の界面せん断強度は71.0MPaであったが、ストランド強度は3.9GPaと低かった。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】
本発明の製造方法により得られる炭素繊維は、炭素化温度の高い炭素繊維でも良好な接着強度が得られ、この炭素繊維を用いて成形したCFRPは高い圧縮特性を持ちうる。
Claims (1)
- 前駆体繊維に耐炎化処理および炭素化処理を施し炭素繊維を得た後、表面酸化処理を行なう炭素繊維の製造方法において、表面酸化処理に先立って、炭素繊維を酸素濃度15〜30質量%の酸化性雰囲気中で600〜800℃で5〜60秒間加熱処理を施す、炭素繊維の製造方法。
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