JP3001879B1 - 樹脂添加剤 - Google Patents
樹脂添加剤Info
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- JP3001879B1 JP3001879B1 JP2626999A JP2626999A JP3001879B1 JP 3001879 B1 JP3001879 B1 JP 3001879B1 JP 2626999 A JP2626999 A JP 2626999A JP 2626999 A JP2626999 A JP 2626999A JP 3001879 B1 JP3001879 B1 JP 3001879B1
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Abstract
【要約】
【課題】 熱可塑性樹脂の熱安定化用添加剤。
【解決手段】 シリカ、アルミナなどの無機粒子の表面
をタンニン酸で処理し、次にフェノン化合物で処理した
後、更にカップリング剤で表面処理して得られる樹脂添
加剤。本発明の樹脂添加剤は熱可塑性樹脂の加熱、溶融
時に樹脂に熱安定性を付与すると同時にIZOT衝撃強
度の低下を防止する。
をタンニン酸で処理し、次にフェノン化合物で処理した
後、更にカップリング剤で表面処理して得られる樹脂添
加剤。本発明の樹脂添加剤は熱可塑性樹脂の加熱、溶融
時に樹脂に熱安定性を付与すると同時にIZOT衝撃強
度の低下を防止する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリカーボネート樹
脂(PC)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリ
エチレンテレフタレート(PET)あるいは、これらどう
しのブレンド、あるいはこれらの1つ、または複数の樹
脂に他の樹脂がブレンドされたような熱可塑性樹脂が各
種成形工程において加熱溶融されるときに熱分解を起こ
し、機械的性質が低下する。この時の熱分解を防ぎ、か
つ衝撃強度を大きく低下させない樹脂添加剤に関する。
脂(PC)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリ
エチレンテレフタレート(PET)あるいは、これらどう
しのブレンド、あるいはこれらの1つ、または複数の樹
脂に他の樹脂がブレンドされたような熱可塑性樹脂が各
種成形工程において加熱溶融されるときに熱分解を起こ
し、機械的性質が低下する。この時の熱分解を防ぎ、か
つ衝撃強度を大きく低下させない樹脂添加剤に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】樹脂材料、特にPC、
PBT、PETの各樹脂は熱溶融における分子量の低下
が激しく、このため各成形工程で与えられる熱や、混練
時のせん断応力によって分子量が著しく低下していた。
従って、製品のリサイクルはもちろんのこと、成形時に
発生するスプール、ランナーのリサイクルは困難であっ
た。また、本発明者らの研究によれば、タンニン酸によ
って表面処理した粒子を前述のような樹脂に添加するこ
とによって該樹脂の加熱、溶融時の分子量低下を抑制す
ることはできたが、IZOT衝撃強度は低下するという
課題があった。本発明は無機粒子の表面をタンニン酸溶
液に接触せしめ、かつその上からフェノン化合物で表面
処理し、更にカップリング剤で処理して多層の表面処理
を行うことによって、樹脂の劣化防止とIZOT衝撃強
度の低下防止を同時に果たす樹脂添加剤を提供すること
を目的とする。
PBT、PETの各樹脂は熱溶融における分子量の低下
が激しく、このため各成形工程で与えられる熱や、混練
時のせん断応力によって分子量が著しく低下していた。
従って、製品のリサイクルはもちろんのこと、成形時に
発生するスプール、ランナーのリサイクルは困難であっ
た。また、本発明者らの研究によれば、タンニン酸によ
って表面処理した粒子を前述のような樹脂に添加するこ
とによって該樹脂の加熱、溶融時の分子量低下を抑制す
ることはできたが、IZOT衝撃強度は低下するという
課題があった。本発明は無機粒子の表面をタンニン酸溶
液に接触せしめ、かつその上からフェノン化合物で表面
処理し、更にカップリング剤で処理して多層の表面処理
を行うことによって、樹脂の劣化防止とIZOT衝撃強
度の低下防止を同時に果たす樹脂添加剤を提供すること
を目的とする。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、無機粒子
をタンニン酸によって表面処理し、これを更にベンゾフ
ェノンで表面処理後カップリング剤で更に表面処理する
ことによって得られた樹脂添加剤を熱可塑性樹脂に添加
することにより、該樹脂の加熱、溶融時の分子量低下を
抑制し、かつIZOT衝撃強度の低下を防止することが
できることを見出した。
をタンニン酸によって表面処理し、これを更にベンゾフ
ェノンで表面処理後カップリング剤で更に表面処理する
ことによって得られた樹脂添加剤を熱可塑性樹脂に添加
することにより、該樹脂の加熱、溶融時の分子量低下を
抑制し、かつIZOT衝撃強度の低下を防止することが
できることを見出した。
【0004】本発明で用いられる無機粒子は特に限定さ
れず、本発明の目的に有効に使用し得るものであればい
かなる無機粒子でもよく、具体的に例示すればシリカ、
無水シリカ、シリカゲルあるいはタルク、クレー、マイ
カ、ケイ酸アルミニウム、カオリナイトなどのシリカ
塩、のほかアルミナやアルミン酸塩などのその塩などが
挙げられる。なお無機材料としてガラス状態にある無機
物質すなわちガラスも本発明で使用することができ、酸
化物ガラス特にケイ酸塩ガラス、ガラス繊維の粉末、ガ
ラスビーズ、ガラスバルーン、フライアッシュなど各種
のものが使用できる。またカーボンやカーボン繊維の粉
末なども無機粒子として使用することができる。これら
のうちシリカ粉末などは天然にも産出することから経済
性に優れ特に好ましく使用される。また使用される無機
粒子の粒径や形状などは特に限定されず、その種類、使
用目的に応じて適宜選択して使用される。
れず、本発明の目的に有効に使用し得るものであればい
かなる無機粒子でもよく、具体的に例示すればシリカ、
無水シリカ、シリカゲルあるいはタルク、クレー、マイ
カ、ケイ酸アルミニウム、カオリナイトなどのシリカ
塩、のほかアルミナやアルミン酸塩などのその塩などが
挙げられる。なお無機材料としてガラス状態にある無機
物質すなわちガラスも本発明で使用することができ、酸
化物ガラス特にケイ酸塩ガラス、ガラス繊維の粉末、ガ
ラスビーズ、ガラスバルーン、フライアッシュなど各種
のものが使用できる。またカーボンやカーボン繊維の粉
末なども無機粒子として使用することができる。これら
のうちシリカ粉末などは天然にも産出することから経済
性に優れ特に好ましく使用される。また使用される無機
粒子の粒径や形状などは特に限定されず、その種類、使
用目的に応じて適宜選択して使用される。
【0005】次に本発明で用いられるタンニン酸は加水
分解によって(2)式で示される没食子酸を生成する多
価フェノール化合物であり、広く自然界の植物に含まれ
る。タンニン酸には加水分解型と縮合型の2種類がある
といわれているが、いづれも天然化合物であるため、構
造の異なるタンニン酸が多数存在する。本発明で用いら
れるタンニン酸はどちらであっても構わない。またタン
ニン酸はタンニンとも呼ばれており、本発明では特に区
別はしない。
分解によって(2)式で示される没食子酸を生成する多
価フェノール化合物であり、広く自然界の植物に含まれ
る。タンニン酸には加水分解型と縮合型の2種類がある
といわれているが、いづれも天然化合物であるため、構
造の異なるタンニン酸が多数存在する。本発明で用いら
れるタンニン酸はどちらであっても構わない。またタン
ニン酸はタンニンとも呼ばれており、本発明では特に区
別はしない。
【0006】代表的な加水分解型タンニンであるチャイ
ナタンニン(Chinese gallotannin)を(1)式に示し
た。更に、チャイナタンニンに関して述べるなら、没食
子酸基10個がブドウ糖残基の周囲に、かつ同一表面上
に配座し、更に2個の没食子酸基を垂直方向に結合させ
たものであることが明らかになっている。しかし、化合
物中心は必ずしもブドウ糖に限られることもなく、セル
ローズ系の化合物であったりする。また、タンニン酸の
加水分解で得られる(2)式の没食子酸のジデプシドな
ども使用することができる。この様にタンニン酸は広く
自然界の植物に含まれる化合物であるため、部分的に化
学構造が異なることは、容易に類推される。本発明で
は、加水分解型タンニンと縮重合型タンニンの区別もし
ないで、同意語として用いることができる。(3)式と
(4)式に、化学構造が異なるタンニンとしてケブロタ
ンニン(3)及びトルコタンニン(4)を示した。
ナタンニン(Chinese gallotannin)を(1)式に示し
た。更に、チャイナタンニンに関して述べるなら、没食
子酸基10個がブドウ糖残基の周囲に、かつ同一表面上
に配座し、更に2個の没食子酸基を垂直方向に結合させ
たものであることが明らかになっている。しかし、化合
物中心は必ずしもブドウ糖に限られることもなく、セル
ローズ系の化合物であったりする。また、タンニン酸の
加水分解で得られる(2)式の没食子酸のジデプシドな
ども使用することができる。この様にタンニン酸は広く
自然界の植物に含まれる化合物であるため、部分的に化
学構造が異なることは、容易に類推される。本発明で
は、加水分解型タンニンと縮重合型タンニンの区別もし
ないで、同意語として用いることができる。(3)式と
(4)式に、化学構造が異なるタンニンとしてケブロタ
ンニン(3)及びトルコタンニン(4)を示した。
【0007】なお、染料固定効果や皮のナメシ効果を持
つ多価フェノール化合物を「合成タンニン」と言われて
いるが、本発明では、この合成タンニンの中で本発明の
目的に効果的に用いられる化合物も使用することができ
る。現在タンニン酸は、日用品としてはインク、医薬用
としては止血剤、工業用としては皮の鞣し剤や染色の時
の媒染剤として用いられている。タンニン酸は水や低級
アルコールにきわめて良く溶けるため、高濃度の溶液と
して用いることができる。
つ多価フェノール化合物を「合成タンニン」と言われて
いるが、本発明では、この合成タンニンの中で本発明の
目的に効果的に用いられる化合物も使用することができ
る。現在タンニン酸は、日用品としてはインク、医薬用
としては止血剤、工業用としては皮の鞣し剤や染色の時
の媒染剤として用いられている。タンニン酸は水や低級
アルコールにきわめて良く溶けるため、高濃度の溶液と
して用いることができる。
【0008】
【化1】 無機粒子のタンニン酸処理はタンニン酸の溶液に無機粒
子を加えて撹拌することによりタンニン酸を吸着させた
後、無機粒子を濾別、乾燥することにより行なわれる。
この場合タンニン酸の使用量は処理される無機粒子に対
してタンニン酸を0.5〜6.0重量%(wt%)の量
で含む溶液で処理することが望ましい。タンニン酸の量
が0.5wt%より少ないと樹脂の熱安定効果がなく、
また6.0wt%より多くても効果は変わらず、それ以
上の使用は無意味である。次にタンニン酸処理で用いら
れるタンニン酸の溶媒としては、水、低級アルコール
類、テトラヒドロフラン、トルエン、ベンゼン、アセト
ン、アセトニトリル、各種ケトン類、エステル類などが
用いられるが、好ましくは、水、低級アルコールが用い
られる。本発明で用いられるタンニン酸溶液の濃度とし
ては、無機粒子表面に吸着させる際の温度におけるタン
ニン酸の飽和濃度以下で有れば、特に限定は無く、いか
なる濃度のものでも使用できる。また、無機粒子にタン
ニン酸を吸着させる際の温度は特に限定されないが、通
常室温で実施される。またタンニン酸は2種以上を使用
することもできる。
子を加えて撹拌することによりタンニン酸を吸着させた
後、無機粒子を濾別、乾燥することにより行なわれる。
この場合タンニン酸の使用量は処理される無機粒子に対
してタンニン酸を0.5〜6.0重量%(wt%)の量
で含む溶液で処理することが望ましい。タンニン酸の量
が0.5wt%より少ないと樹脂の熱安定効果がなく、
また6.0wt%より多くても効果は変わらず、それ以
上の使用は無意味である。次にタンニン酸処理で用いら
れるタンニン酸の溶媒としては、水、低級アルコール
類、テトラヒドロフラン、トルエン、ベンゼン、アセト
ン、アセトニトリル、各種ケトン類、エステル類などが
用いられるが、好ましくは、水、低級アルコールが用い
られる。本発明で用いられるタンニン酸溶液の濃度とし
ては、無機粒子表面に吸着させる際の温度におけるタン
ニン酸の飽和濃度以下で有れば、特に限定は無く、いか
なる濃度のものでも使用できる。また、無機粒子にタン
ニン酸を吸着させる際の温度は特に限定されないが、通
常室温で実施される。またタンニン酸は2種以上を使用
することもできる。
【0009】本発明で用いられるフェノン化合物とはベ
ンゾフェノンまたはその誘導体であって、ベンゾフェノ
ンそのものが好都合であるが、ベンゾフェノン−2−カ
ルボン酸やベンゾフェノン−4,4ジカルボン酸のよう
にベンゾフェノンの誘導体であってももちろん構わな
い。フェノン化合物はカップリング剤と同様の働きをな
すため、カップリング剤と同量を用いればよく、その使
用範囲はタンニン酸処理された無機粒子に対し、0.4
〜4.2wt%が好ましい。フェノン化合物の量が少な
すぎると効果が無くまた多すぎると可塑剤的な働きをす
ることによって樹脂の機械的強度が低下する。
ンゾフェノンまたはその誘導体であって、ベンゾフェノ
ンそのものが好都合であるが、ベンゾフェノン−2−カ
ルボン酸やベンゾフェノン−4,4ジカルボン酸のよう
にベンゾフェノンの誘導体であってももちろん構わな
い。フェノン化合物はカップリング剤と同様の働きをな
すため、カップリング剤と同量を用いればよく、その使
用範囲はタンニン酸処理された無機粒子に対し、0.4
〜4.2wt%が好ましい。フェノン化合物の量が少な
すぎると効果が無くまた多すぎると可塑剤的な働きをす
ることによって樹脂の機械的強度が低下する。
【0010】タンニン酸処理された無機粒子のフェノン
化合物による処理は、例えばトルエン、キシレンなどの
有機溶媒にフェノン化合物処理すべきタンニン酸処理さ
れた無機粒子の0.4〜4.2wt%に相当するフェノ
ン化合物を溶解し、これにフェノン化合物処理すべきタ
ンニン酸処理された無機粒子を加えて撹拌し、次いで該
フェノン化合物処理された無機粒子を濾別、乾燥する方
法が使用されるが、この場合、有機溶媒に対するフェノ
ン化合物及びタンニン酸処理された無機粒子の添加順序
はどちらが先であってもよい。またフェノン化合物によ
る処理条件については特に限定はなく、処理温度、処理
時間、使用される溶媒の種類や量などは使用される無機
粒子やフェノン化合物の種類や量などに応じて適宜選択
して実施される。なおフェノン化合物は2種以上を用い
ることも可能である。
化合物による処理は、例えばトルエン、キシレンなどの
有機溶媒にフェノン化合物処理すべきタンニン酸処理さ
れた無機粒子の0.4〜4.2wt%に相当するフェノ
ン化合物を溶解し、これにフェノン化合物処理すべきタ
ンニン酸処理された無機粒子を加えて撹拌し、次いで該
フェノン化合物処理された無機粒子を濾別、乾燥する方
法が使用されるが、この場合、有機溶媒に対するフェノ
ン化合物及びタンニン酸処理された無機粒子の添加順序
はどちらが先であってもよい。またフェノン化合物によ
る処理条件については特に限定はなく、処理温度、処理
時間、使用される溶媒の種類や量などは使用される無機
粒子やフェノン化合物の種類や量などに応じて適宜選択
して実施される。なおフェノン化合物は2種以上を用い
ることも可能である。
【0011】このようにフェノン化合物処理された無機
粒子に対し更に次にカップリング剤による処理が行なわ
れる。
粒子に対し更に次にカップリング剤による処理が行なわ
れる。
【0012】カップリング剤は、本発明ではシラン系カ
ップリング剤が好ましく用いられその中でも末端基がエ
ポキシ基、ビニル基、アミノ基などのものが好ましく使
用される。これらのシラン系カップリング剤としては具
体的には、例えばビニルトリエトキシシラン、γ−メタ
アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピ
ルトリエトキシシランおよびトリフロロプロピルメチル
ジメトキシシランなどを挙げることができるが、特に好
ましいシラン系カップリング剤としてはγ−メタアクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン、トリフロロプロピルメチ
ルジメトキシシランなどを挙げることができる。カップ
リング剤は、タンニン酸処理された無機粒子の重量に対
し、0.4〜4.2wt%で用いられ、更に好ましくは
0.8〜2.5wt%で用いる。カップリング剤による
表面処理量が少ないと効果が無く、多すぎるとカップリ
ング剤が可塑剤的役割を樹脂中で果し、樹脂の機械的特
性を低下させるので好ましくない。
ップリング剤が好ましく用いられその中でも末端基がエ
ポキシ基、ビニル基、アミノ基などのものが好ましく使
用される。これらのシラン系カップリング剤としては具
体的には、例えばビニルトリエトキシシラン、γ−メタ
アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピ
ルトリエトキシシランおよびトリフロロプロピルメチル
ジメトキシシランなどを挙げることができるが、特に好
ましいシラン系カップリング剤としてはγ−メタアクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン、トリフロロプロピルメチ
ルジメトキシシランなどを挙げることができる。カップ
リング剤は、タンニン酸処理された無機粒子の重量に対
し、0.4〜4.2wt%で用いられ、更に好ましくは
0.8〜2.5wt%で用いる。カップリング剤による
表面処理量が少ないと効果が無く、多すぎるとカップリ
ング剤が可塑剤的役割を樹脂中で果し、樹脂の機械的特
性を低下させるので好ましくない。
【0013】タンニン酸処理及びフェノン化合物処理さ
れた無機粒子(以後処理粒子と略称する)のカップリン
グ剤による処理方法は、種々の方法で実施することがで
きるが、例えば水またはトルエン、キシレンなどの有機
溶媒中にカップリング剤処理される処理粒子の製造に用
いられたタンニン酸処理された無機粒子の0.4〜4.
2wt%に相当するカップリング剤を添加後、これにカ
ップリング剤処理される処理粒子を加えて十分に撹拌、
混合してカップリング剤を吸着させた後、処理粒子を濾
別、乾燥する方法で実施される。この場合、溶媒に対す
るカップリング剤及び処理粒子の添加順序はどちらが先
であってもよい。またカップリング剤による処理条件に
ついては特に限定されず、処理温度、処理時間、溶媒の
種類や量などについては使用される無機粒子の種類やカ
ップリング剤の種類及びこれらの使用量などに応じて適
宜選択して実施される。またカップリング剤は2種以上
を用いることもできる。
れた無機粒子(以後処理粒子と略称する)のカップリン
グ剤による処理方法は、種々の方法で実施することがで
きるが、例えば水またはトルエン、キシレンなどの有機
溶媒中にカップリング剤処理される処理粒子の製造に用
いられたタンニン酸処理された無機粒子の0.4〜4.
2wt%に相当するカップリング剤を添加後、これにカ
ップリング剤処理される処理粒子を加えて十分に撹拌、
混合してカップリング剤を吸着させた後、処理粒子を濾
別、乾燥する方法で実施される。この場合、溶媒に対す
るカップリング剤及び処理粒子の添加順序はどちらが先
であってもよい。またカップリング剤による処理条件に
ついては特に限定されず、処理温度、処理時間、溶媒の
種類や量などについては使用される無機粒子の種類やカ
ップリング剤の種類及びこれらの使用量などに応じて適
宜選択して実施される。またカップリング剤は2種以上
を用いることもできる。
【0014】なお処理方法としては、この他に処理粒子
にカップリング剤またはカップリング剤の溶液を直接ス
プレーする方法があり、この場合には、スプレー後、処
理された無機粒子を密閉容器中で室温乃至約40℃の温
度で数日〜約1ヶ月くらい放置すると一層効果的であ
る。また処理粒子とカップリング剤および樹脂を同時に
溶融混練する方法なども使用できるが、本発明ではこれ
らの方法に限定されることはなく、いかなる方法を使用
してもよい。
にカップリング剤またはカップリング剤の溶液を直接ス
プレーする方法があり、この場合には、スプレー後、処
理された無機粒子を密閉容器中で室温乃至約40℃の温
度で数日〜約1ヶ月くらい放置すると一層効果的であ
る。また処理粒子とカップリング剤および樹脂を同時に
溶融混練する方法なども使用できるが、本発明ではこれ
らの方法に限定されることはなく、いかなる方法を使用
してもよい。
【0015】また本発明の樹脂添加剤を製造する場合無
機粒子の処理順序は通常最初にタンニン酸処理し次いで
フェノン化合物による処理を行ない、最後にカップリン
グ剤による処理が行なわれるがこれらの処理順序はこれ
に限定されずいかなる順序で行なってもよい。
機粒子の処理順序は通常最初にタンニン酸処理し次いで
フェノン化合物による処理を行ない、最後にカップリン
グ剤による処理が行なわれるがこれらの処理順序はこれ
に限定されずいかなる順序で行なってもよい。
【0016】本発明の樹脂添加剤が添加される対象とな
る樹脂は特に限定されないがポリカーボネート樹脂、あ
るいは熱可塑性ポリエステル、中でもポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレートなどが好都合
である。更にこれらどうしのブレンド、及びこれらの1
つ、または複数の組み合わせと他の樹脂とのブレンド樹
脂例えばPC/ABS、PBT/ABS、PC/PB
T、PC/PETおよびPC/ポリスチレンなどのブレ
ンド樹脂が好ましく用いられる。
る樹脂は特に限定されないがポリカーボネート樹脂、あ
るいは熱可塑性ポリエステル、中でもポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレートなどが好都合
である。更にこれらどうしのブレンド、及びこれらの1
つ、または複数の組み合わせと他の樹脂とのブレンド樹
脂例えばPC/ABS、PBT/ABS、PC/PB
T、PC/PETおよびPC/ポリスチレンなどのブレ
ンド樹脂が好ましく用いられる。
【0017】なお、本発明の樹脂添加剤は、一般に樹脂
に対して0.5〜3.5wt%添加して使用される。
に対して0.5〜3.5wt%添加して使用される。
【0018】タンニン酸によって表面処理された無機粒
子は表面にタンニン酸の分子が強固に付着している。一
方、樹脂が熱分解する場合ラジカル分子を発生させる
が、このラジカル分子を安定分子に変化させれば樹脂の
分解を抑制できる。タンニン酸は多くの水酸基を持ち、
この水酸基が樹脂の分解によって発生するラジカルを補
足する。しかし無機粒子の表面に強固に付着したタンニ
ン酸の外側にも水酸基が数多く並んでいると考えられ、
その結果、マトリックス樹脂と濡れ性があまりないと考
えられる。そのため樹脂と粒子が強固に結合しないこと
になる。従ってIZOT衝撃強度はもとの樹脂本来の値
よりも大きく低下することになる。これをタンニン酸と
フェノン化合物によって表面処理された無機粒子をカッ
プリング剤によってマトリックス樹脂と強固に接着する
ことにより、樹脂の安定化とIZOT衝撃強度の低下を
抑制するという2つのことが可能になると思われる。一
方、フェノン化合物がタンニン層と、カップリング剤層
の間にあることにより、樹脂に加わる応力を分散する、
いわゆるクッションの役割を果たすことにより、大きな
IZOT衝撃強度を得ることができる。しかし本発明は
かかる理由によって制約されるものではない。
子は表面にタンニン酸の分子が強固に付着している。一
方、樹脂が熱分解する場合ラジカル分子を発生させる
が、このラジカル分子を安定分子に変化させれば樹脂の
分解を抑制できる。タンニン酸は多くの水酸基を持ち、
この水酸基が樹脂の分解によって発生するラジカルを補
足する。しかし無機粒子の表面に強固に付着したタンニ
ン酸の外側にも水酸基が数多く並んでいると考えられ、
その結果、マトリックス樹脂と濡れ性があまりないと考
えられる。そのため樹脂と粒子が強固に結合しないこと
になる。従ってIZOT衝撃強度はもとの樹脂本来の値
よりも大きく低下することになる。これをタンニン酸と
フェノン化合物によって表面処理された無機粒子をカッ
プリング剤によってマトリックス樹脂と強固に接着する
ことにより、樹脂の安定化とIZOT衝撃強度の低下を
抑制するという2つのことが可能になると思われる。一
方、フェノン化合物がタンニン層と、カップリング剤層
の間にあることにより、樹脂に加わる応力を分散する、
いわゆるクッションの役割を果たすことにより、大きな
IZOT衝撃強度を得ることができる。しかし本発明は
かかる理由によって制約されるものではない。
【0019】このようにして得られたタンニン酸処理さ
れた無機粒子は熱可塑性樹脂の加熱、溶融時の分子量低
下を抑制し、更にその上をフェノン化合物及びカップリ
ング剤によって処理された無機粒子は、前述のように樹
脂の分子量低下を抑制するだけでなく、IZOT衝撃強
度の更に大きい樹脂とするような樹脂添加剤となる。
れた無機粒子は熱可塑性樹脂の加熱、溶融時の分子量低
下を抑制し、更にその上をフェノン化合物及びカップリ
ング剤によって処理された無機粒子は、前述のように樹
脂の分子量低下を抑制するだけでなく、IZOT衝撃強
度の更に大きい樹脂とするような樹脂添加剤となる。
【0020】
【実施例】以下さらに実施例及び比較例により本発明を
詳しく説明する。
詳しく説明する。
【0021】実施例1 300mlビーカーに純水200ml取り、これにタン
ニン酸(小宗科学(株)製チャイナタンニン;試薬1
級)を3g溶解した。これにシリカ粉末(UniminSpecia
lity Minerals Inc. 製IMSIL A−25;平均粒
径3.2μm)を100g投入した。タンニン酸の量は
この場合3wt%に当たる。これをガラス棒で10分間
撹拌した。さらにブッフナーロートを用いて吸引ろ過
し、乾燥機(大和科学(株)製D−30型)にて60℃
24Hr乾燥しこれを便宜上TN3と呼ぶ。キシレン
200mlに2gのベンゾフェノン(和光純薬工業
(株)製試薬特級)を溶解し、TN3を加え、ガラス棒
で10分撹拌し、ブッフナーロートでろ過し、同様に6
0℃ 1Hr乾燥し、キシレン臭が無くなることを確認
した。これをTNB3と呼ぶ。次に全く同様にしてさら
にキシレン200mlに2gのシランカップリング剤
(信越化学工業(株)製KBM503)を加え、軽く溶
解したものの中にTNB3を加えた。ガラス棒で10分
撹拌後同様にブッフナーロートでろ過し、同様に乾燥機
にて60℃ 1Hr乾燥しキシレンのにおいがないこと
を確認した。これをPC樹脂(帝人化成(株)製パンラ
イトL−1250 Mn;24700、Mw;6080
0、Mw/Mn;2.46、IZOT衝撃強度;66k
gfcm/cm)10kgに加え紙袋の中で混合したと
ころ、多少袋の底の方で粉とペレットが別れたところが
あったが、概ねペレットをまぶすような状態で混合する
ことができた。この樹脂を射出成形機(東芝機械IS−
170型)のホッパーに全量投入し、ノズル温度280
℃、射出圧995kgf/cm2、保圧595kgf/c
m2、射出時間、1.61sec、保圧時間21.4s
ecで各種試験片を共取り可能な金型を用いて成形して
各種試験片を製造した。IZOT衝撃試験片はJIS
K7110、引張り強度試験片はJIS K7113、
曲げ強度試験片はJIS K7203に準拠しており、
更に2.5mm×127mm×254mmの平板が同時
に成形できる金型を用いて成形した。この成形品を図1
に示した。
ニン酸(小宗科学(株)製チャイナタンニン;試薬1
級)を3g溶解した。これにシリカ粉末(UniminSpecia
lity Minerals Inc. 製IMSIL A−25;平均粒
径3.2μm)を100g投入した。タンニン酸の量は
この場合3wt%に当たる。これをガラス棒で10分間
撹拌した。さらにブッフナーロートを用いて吸引ろ過
し、乾燥機(大和科学(株)製D−30型)にて60℃
24Hr乾燥しこれを便宜上TN3と呼ぶ。キシレン
200mlに2gのベンゾフェノン(和光純薬工業
(株)製試薬特級)を溶解し、TN3を加え、ガラス棒
で10分撹拌し、ブッフナーロートでろ過し、同様に6
0℃ 1Hr乾燥し、キシレン臭が無くなることを確認
した。これをTNB3と呼ぶ。次に全く同様にしてさら
にキシレン200mlに2gのシランカップリング剤
(信越化学工業(株)製KBM503)を加え、軽く溶
解したものの中にTNB3を加えた。ガラス棒で10分
撹拌後同様にブッフナーロートでろ過し、同様に乾燥機
にて60℃ 1Hr乾燥しキシレンのにおいがないこと
を確認した。これをPC樹脂(帝人化成(株)製パンラ
イトL−1250 Mn;24700、Mw;6080
0、Mw/Mn;2.46、IZOT衝撃強度;66k
gfcm/cm)10kgに加え紙袋の中で混合したと
ころ、多少袋の底の方で粉とペレットが別れたところが
あったが、概ねペレットをまぶすような状態で混合する
ことができた。この樹脂を射出成形機(東芝機械IS−
170型)のホッパーに全量投入し、ノズル温度280
℃、射出圧995kgf/cm2、保圧595kgf/c
m2、射出時間、1.61sec、保圧時間21.4s
ecで各種試験片を共取り可能な金型を用いて成形して
各種試験片を製造した。IZOT衝撃試験片はJIS
K7110、引張り強度試験片はJIS K7113、
曲げ強度試験片はJIS K7203に準拠しており、
更に2.5mm×127mm×254mmの平板が同時
に成形できる金型を用いて成形した。この成形品を図1
に示した。
【0022】同成形条件でPC材料の100%のリサイ
クルを試み、成形した試験片を総て粉砕機(日水化工
(株)FNSK−15D 1.5kW)を用いて粉砕し
た。粉砕された樹脂は再度、除湿乾燥機((株)カワタ
製DR−30Z型)、及び温調機((株)加藤理器製作
所製DN2−20−3型)を用いて110℃、4Hr乾
燥し、同条件で射出成形を4回繰り返した。IZOT衝
撃試験片はJIS K7110に準拠した大きさであ
る。これを東洋精機製作所製JISLD型IZOT試験
機を用いVノッチは同社製B3515型にてVノッチを
入れた。このようにして衝撃強度を求めたところ69k
gfcm/cmであった。更に、この試験片の一部を採
取してこれを共栓付き三角フラスコにテトラヒドロフラ
ン(THF)溶媒と共に入れ、この複合系を0.05wt
%濃度となる様に調整後、室内に一昼夜放置して複合系
を溶解した。これを、マイクロフィルター(倉敷紡績
(株)製、GLクロマトディスク13N、非水系)を用
いてシリカ粒子を濾過、除去し、PC分子量測定試料と
した。平均分子量の測定は、あらかじめ標準ポリスチレ
ン(PRESSURE CHEMICAL Co. 製 Standard P
S、Mw/Mn=1.06)をTHF溶媒に試料と同濃
度で溶解し、分子量とカラム排出時間の検量線から相対
的に換算して求めた。結果を表1に記載した。
クルを試み、成形した試験片を総て粉砕機(日水化工
(株)FNSK−15D 1.5kW)を用いて粉砕し
た。粉砕された樹脂は再度、除湿乾燥機((株)カワタ
製DR−30Z型)、及び温調機((株)加藤理器製作
所製DN2−20−3型)を用いて110℃、4Hr乾
燥し、同条件で射出成形を4回繰り返した。IZOT衝
撃試験片はJIS K7110に準拠した大きさであ
る。これを東洋精機製作所製JISLD型IZOT試験
機を用いVノッチは同社製B3515型にてVノッチを
入れた。このようにして衝撃強度を求めたところ69k
gfcm/cmであった。更に、この試験片の一部を採
取してこれを共栓付き三角フラスコにテトラヒドロフラ
ン(THF)溶媒と共に入れ、この複合系を0.05wt
%濃度となる様に調整後、室内に一昼夜放置して複合系
を溶解した。これを、マイクロフィルター(倉敷紡績
(株)製、GLクロマトディスク13N、非水系)を用
いてシリカ粒子を濾過、除去し、PC分子量測定試料と
した。平均分子量の測定は、あらかじめ標準ポリスチレ
ン(PRESSURE CHEMICAL Co. 製 Standard P
S、Mw/Mn=1.06)をTHF溶媒に試料と同濃
度で溶解し、分子量とカラム排出時間の検量線から相対
的に換算して求めた。結果を表1に記載した。
【0023】比較例1なにも入れないPCを用いて射出
成形した以外は実施例1と同条件でIZOT衝撃強度を
測定した。結果を表1に併せて記載した。
成形した以外は実施例1と同条件でIZOT衝撃強度を
測定した。結果を表1に併せて記載した。
【0024】比較例2 実施例1の中で、タンニン酸処理を行っただけのものに
替えた以外は、全く同様にしてIZOT衝撃強度及び分
子量を測定した。結果を表1に示す。
替えた以外は、全く同様にしてIZOT衝撃強度及び分
子量を測定した。結果を表1に示す。
【0025】実施例2 無水シリカに対し実施例1と同様に同じ操作でタンニン
酸3wt%で処理をしたTN3を5kgほど作った。こ
の中より100gづつ分けてベンゾフェノンを0.4、
0.7、1.5、2.0、3.0、4.0wt%を加
え、更にカップリング剤は2wt%に固定して処理を行
った。便宜上これをTNS0.4、TNS0.7、TN
S1.5、TNS2.0、TNS3.0、TNS4.
0、と呼ぶ。これを実施例1と同様にしてIZOT衝撃
強度を測定した結果を表1に併せて記載する。このよう
にシランカップリング剤処理をしたものはIZOT衝撃
強度の低下が少ない。
酸3wt%で処理をしたTN3を5kgほど作った。こ
の中より100gづつ分けてベンゾフェノンを0.4、
0.7、1.5、2.0、3.0、4.0wt%を加
え、更にカップリング剤は2wt%に固定して処理を行
った。便宜上これをTNS0.4、TNS0.7、TN
S1.5、TNS2.0、TNS3.0、TNS4.
0、と呼ぶ。これを実施例1と同様にしてIZOT衝撃
強度を測定した結果を表1に併せて記載する。このよう
にシランカップリング剤処理をしたものはIZOT衝撃
強度の低下が少ない。
【0026】比較例3 実施例2の中で行っていなかった0.2並びに4.5w
t%のベンゾフェノンを加えたもの以外は実施例2と全
く同様の処理を行い、IZOT衝撃強度を測定したとこ
ろ、表1のようになった。このようにベンゾフェノンの
量が少ない場合IZOT衝撃強度は比較的小さく、多く
てもあまり効果が得られない。
t%のベンゾフェノンを加えたもの以外は実施例2と全
く同様の処理を行い、IZOT衝撃強度を測定したとこ
ろ、表1のようになった。このようにベンゾフェノンの
量が少ない場合IZOT衝撃強度は比較的小さく、多く
てもあまり効果が得られない。
【0027】実施例3 実施例1の中でPCをPBT樹脂(ポリプラスチック
(株)製ジュラネックス3200)、PET((株)ク
ラレ製クラペット1030)、PC/ABSアロイ(宇
部サイコン(株)製ウベロイCX10A)、PBT/A
BS(ダイセル化学工業(株)製ノバロイ−B、B15
00)に変えた以外は実施例1と全く同様に行った。結
果を表1に併せて記載する。
(株)製ジュラネックス3200)、PET((株)ク
ラレ製クラペット1030)、PC/ABSアロイ(宇
部サイコン(株)製ウベロイCX10A)、PBT/A
BS(ダイセル化学工業(株)製ノバロイ−B、B15
00)に変えた以外は実施例1と全く同様に行った。結
果を表1に併せて記載する。
【0028】比較例4 実施例3で用いたそれぞれの樹脂を、何も添加せずその
まま実施例1と同様に成形を繰り返しIZOT衝撃強度
を測定した。結果を表1に併せて記載する。このよう
に、無添加のものはIZOT衝撃強度が低下しているこ
とがよく分かる。
まま実施例1と同様に成形を繰り返しIZOT衝撃強度
を測定した。結果を表1に併せて記載する。このよう
に、無添加のものはIZOT衝撃強度が低下しているこ
とがよく分かる。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】前記の実施例及び比較例で示されたよう
にタンニン酸処理しただけではIZOT衝撃強度は低下
するが、フェノン化合物及びカップリング剤処理を重ね
て行うことにより、分子量の低下を抑制することがで
き、更に高いIZOT衝撃強度を得ることができる。従
って本発明の樹脂添加剤を用いることによって、樹脂の
熱安定化と機械的強度の低下防止を併せて達成すること
ができる。
にタンニン酸処理しただけではIZOT衝撃強度は低下
するが、フェノン化合物及びカップリング剤処理を重ね
て行うことにより、分子量の低下を抑制することがで
き、更に高いIZOT衝撃強度を得ることができる。従
って本発明の樹脂添加剤を用いることによって、樹脂の
熱安定化と機械的強度の低下防止を併せて達成すること
ができる。
【図1】本発明の実施例で用いられた射出形成品で、機
械的強度測定用の試験片の共取り品である。
械的強度測定用の試験片の共取り品である。
(a) 落錘試験板 (b) 引張試験片 (c) 熱変形温度試験片 (d) IZOT衝撃強度試験片 (e) 圧縮試験片 (f) 曲げ強度試験片 (g) 色見本板 (h) 樹脂溜り (i) 溶融樹脂の導入口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09C 3/08 C09C 3/08 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 1/00 - 101/14 C08K 3/00 - 13/08 C09C 3/08
Claims (6)
- 【請求項1】 無機粒子の表面をタンニン酸で処理し、
次にフェノン化合物で処理した後、更にカップリング剤
で表面処理したことを特徴とする樹脂添加剤。 - 【請求項2】 タンニン酸で表面処理された無機粒子を
該無機粒子の0.4〜4.2wt%に該当するフェノン
化合物で表面処理し、更にこの粒子をタンニン酸で表面
処理された無機粒子の0.4〜4.2wt%に該当する
カップリング剤を用いて表面処理した請求項1記載の樹
脂添加剤。 - 【請求項3】 カップリング剤がシラン系カップリング
剤であることを特徴とする請求項1記載の樹脂添加剤。 - 【請求項4】 無機粒子がシリカ、アルミナ、またはこ
れらの塩、またはガラスであることを特徴とする請求項
1記載の樹脂添加剤。 - 【請求項5】 添加する樹脂が熱可塑性カーボネート系
樹脂、またはこのカーボネート系樹脂を含んだ熱可塑性
樹脂であることを特徴とする請求項1記載の樹脂添加
剤。 - 【請求項6】 添加する樹脂が熱可塑性ポリエステル系
樹脂、またはこの樹脂を含む熱可塑性樹脂であることを
特徴とする請求項1記載の樹脂添加剤。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2626999A JP3001879B1 (ja) | 1999-02-03 | 1999-02-03 | 樹脂添加剤 |
US09/376,334 US6194489B1 (en) | 1999-01-20 | 1999-08-18 | Resin Additive |
DE69912085T DE69912085D1 (de) | 1999-01-20 | 1999-08-20 | Harzadditiv |
EP99116157A EP1022307B1 (en) | 1999-01-20 | 1999-08-20 | Resin Additive |
KR10-2000-0001985A KR100381764B1 (ko) | 1999-01-20 | 2000-01-17 | 수지 첨가제 |
CN00101123A CN1268528A (zh) | 1999-01-20 | 2000-01-19 | 树脂添加剂 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2626999A JP3001879B1 (ja) | 1999-02-03 | 1999-02-03 | 樹脂添加剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3001879B1 true JP3001879B1 (ja) | 2000-01-24 |
JP2000226474A JP2000226474A (ja) | 2000-08-15 |
Family
ID=12188570
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2626999A Expired - Fee Related JP3001879B1 (ja) | 1999-01-20 | 1999-02-03 | 樹脂添加剤 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3001879B1 (ja) |
-
1999
- 1999-02-03 JP JP2626999A patent/JP3001879B1/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000226474A (ja) | 2000-08-15 |
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Legal Events
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |