JP3046962B1 - 樹脂添加剤 - Google Patents

樹脂添加剤

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Abstract

【要約】 【課題】 熱可塑性樹脂の添加剤。 【解決手段】 シリカなどの無機粒子の表面をカテキン
で処理して得られる樹脂添加剤。該樹脂添加剤は熱可塑
性樹脂の加熱、溶融時の分子量低下を抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリカーボネート樹
脂(PC)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、
ポリエチレンテレフタレート(PET)あるいは、これ
らどうしのブレンド、あるいはこれらの1つ、または複
数の樹脂に他の樹脂がブレンドされたような熱可塑性樹
脂が各種成形工程において加熱溶融されるときに熱分解
を起こし、機械的性質が低下する。この時の熱分解を防
止する樹脂添加剤に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】樹脂材料、特にPC、
PBT、PETの各樹脂は熱溶融における分子量の低下
が激しく、このため各成形工程で与えられる熱や、混練
時のせん断応力によって分子量が著しく低下していた。
従って、製品のリサイクルはもちろんのこと、成形時に
発生するスプール、ランナーのリサイクルは困難であっ
た。本発明者は、カテキンによって表面処理した無機粒
子を前述のごとき樹脂に添加することによって該樹脂の
加熱、溶融時の分子量低下を抑制し樹脂の劣化を防ぐこ
とのできる樹脂添加剤を提供することを目的とする。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らはカテキンに
よる樹脂添加剤を鋭意研究の結果、無機粒子をカテキン
によって表面処理して得られた樹脂添加剤を熱可塑性樹
脂に添加することにより、加熱、溶融時の樹脂の分子量
低下を抑制することができることを見出し本発明を完成
したものである。
【0004】本発明で用いられる無機粒子は特に限定さ
れず、本発明の目的に有効に使用し得るものであればい
かなる無機粒子でもよく、具体的に例示すればシリカ、
無水シリカ、シリカゲルあるいはタルク、クレー、マイ
カ、ケイ酸アルミニウム、カオリナイトなどのシリカ
塩、のほかアルミナやアルミン酸塩などのその塩などが
挙げられる。なお無機材料としてガラス状態にある無機
物質すなわちガラスも本発明で使用することができ、酸
化物ガラス特にケイ酸塩ガラス、ガラス繊維の粉末、ガ
ラスビーズ、ガラスバルーン、フライアッシュなど各種
のものが使用できる。またカーボンやカーボン繊維の粉
末なども無機粒子として使用することができる。これら
のうちシリカ粉末などは天然にも産出することから経済
性に優れ特に好ましく使用される。また使用される無機
粒子の粒径や形状などは特に限定されず、その種類、使
用目的に応じて適宜選択して使用される。
【0005】次に本発明で用いられるカテキンは3−オ
キシフラバンのポリオキシ誘導体であって多価フェノー
ル化合物であり、広く自然界の植物に含まれる。カテキ
ンは天然化合物であるため構造の異なるカテキンが多数
存在する。本発明で用いられるカテキンは特に限定はな
く、本発明の目的に有効に使用し得るカテキンであれば
いかなるものであっても構わない。現在カテキンは、医
薬用としては抗ガン剤、工業用としてはナイロンの色止
め、媒染剤として用いられている。カテキンは水や低級
アルコールにきわめて良く溶けるため、高濃度の溶液と
して用いることが出来る。
【0006】代表的なカテキンをそれぞれ下式に示し
た。このようにカテキンは広く自然界の植物に含まれる
化合物であるため、部分的に化学構造が異なることは、
容易に類推される。
【0007】
【化1】 無機粒子のカテキンによる処理は、カテキンの溶液に無
機粒子を加えて撹拌することによりカテキンを吸着させ
た後、処理された無機粒子を濾別、乾燥することにより
行なわれる。この場合カテキンの使用量は、処理される
無機粒子に対して0.5〜6.0重量%(wt%)のカ
テキンを含む溶液で処理することが望ましい。カテキン
の量が0.5wt%より少ないと樹脂の熱安定効果がな
く、また6.0wt%より多くても効果は変わらず、そ
れ以上の使用は無意味である。カテキンによる処理で用
いられる溶媒としては、水、低級アルコール類、テトラ
ヒドロフラン、トルエン、ベンゼン、アセトン、アセト
ニトリル、各種ケトン類、エステル類などが用いられる
が、好ましくは、水、低級アルコールが用いられる。本
発明で用いられるカテキン溶液の濃度としては、無機粒
子表面に吸着させる際の温度におけるカテキンの飽和濃
度以下で有れば、特に限定は無く、いかなる濃度のもの
でも使用できる。また、無機粒子にカテキンを吸着させ
る際の温度は特に限定されないが、通常室温で実施され
る。またカテキンは2種類以上を使用することもでき
る。
【0008】本発明の樹脂添加剤が添加される対象とな
る樹脂は特に限定されないがポリカーボネート樹脂、あ
るいは熱可塑性ポリエステル、中でもポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレートなどが好都合
である。更にこれらどうしのブレンド、及びこれらの1
つ、または複数の組み合わせと他の樹脂とのブレンド樹
脂例えばPC/ABS、PBT/ABS、PC/PB
T、PC/PET及びPC/ポリスチレンなどのブレン
ド樹脂が好ましく用いられる。
【0009】なお、本発明の樹脂添加剤は、一般に樹脂
に対して0.5〜3.5wt%添加して使用される。
【0010】カテキンによって表面処理された無機粒子
は表面にカテキンの分子が強固に付着している。一方、
樹脂が熱分解する場合ラジカル分子を発生させるが、こ
のラジカル分子を安定な分子に変化させれば樹脂の分解
を抑制できる。カテキンは多くの水酸基を持ち、この水
酸基が樹脂の分解によって発生するラジカルを補足す
る。しかし本発明はかかる理由によって制約されるもの
ではない。
【0011】このようにして得られた本発明のカテキン
処理無機粒子は熱可塑性樹脂の加熱、溶融時の分子量低
下を抑制し、更に分子量低下を抑制するだけでなく、機
械的強度を安定させる。
【0012】
【実施例】以下さらに実施例及び比較例により本発明を
詳しく説明する。
【0013】実施例1 300mlビーカーに純水200ml取り、これにカ
テキン(富士化学工業(株)製 局方カテキン)を3g
溶解した。これにシリカ粉末(Unimin Speciality Mine
rals Inc. 製 IMSIL A−25;平均粒径3.2
μm)を100g投入した。カテキンの量はこの場合3
wt%に当たる。これをガラス棒で10分間撹拌した。さ
らにブッフナーロートを用いて吸引ろ過し、乾燥機(大
和科学(株)製D−30型)にて60℃ 24Hr乾燥
した。これをPC樹脂(帝人化成(株)製パンライトL
−1250 Mn;24700、Mw;60800、M
w/Mn;2.46、IZO衝撃強度;66kgfc
m/cm)10kgに加え紙袋の中で混合したところ、
多少袋の底の方で粉とペレットが別れたところがあった
が、概ねペレットをまぶすような状態で混合することが
できた。この樹脂を射出成形機(東芝機械IS−170
型)のホッパーに全量投入し、ノズル温度280℃、射
出圧995kgf/cm、保圧595kgf/c
、射出時間、1.61sec、保圧時間21.4s
ecで各種試験片が共取り可能な金型を用いて成形して
各種試験片を製造した。この時の成形品を図1に示す。
【0014】同成形条件でPC材料の100%のリサイ
クルを試み、成形した試験片を総て粉砕機(日水化工
(株)FNSK−15D 1.5kw)を用いて粉砕し
た。粉砕された樹脂は再度、除湿乾燥機((株)カワタ
製DR−30Z型)、及び温調機((株)加藤理器製作
所製DN2−20−3型)を用いて110℃、4Hr乾
燥し、同条件で射出成形を4回繰り返した。この試験片
の一部を採取しこれを共栓付き三角フラスコにテトラヒ
ドロフラン(THF)溶媒と共に入れ、複合系を0.0
5wt%の濃度となる様に調整後、室内に一昼夜放置し
て複合系を溶解した。これを、マイクロフィルター(倉
敷紡績(株)製、GLクロマトディスク13N、非水
系)を用いてシリカ粒子を濾過・除去し、PC分子量測
定試料とした。平均分子量の測定は、あらかじめ標準ポ
リスチレン(PRESSURE CHEMICAL Co. 製Standar
d PS、 Mw/Mn=1.06)をTHF溶媒に試
料と同濃度で溶解し、分子量とカラム排出時間の検量線
から相対的に換算して求めた。結果を表1に記載した。
【0015】比較例1 なにも入れないPCを用いて射出成形した以外は実施例
1と同条件で分子量を測定した。結果を表1に併せて記
載した。
【0016】実施例2 無水シリカに対し実施例1と同様に同じ操作でカテキン
処理量を0.5、1.0、2.0、4.0、5.0、
6.0wt%とした試料を作成した。便宜上これをKN
0.5、KN1.0、KN2.0、KN4.0、KN
5.0、KN6.0、と呼ぶ。これを実施例1と同様に
して分子量を測定した結果を表1に併せて記載する。
【0017】比較例2 実施例2の中で行っていなかった0.2並びに6.5w
t%のカテキンを加えたものの分子量を測定したとこ
ろ、表1のようになった。このようにカテキンの量が少
ない場合PCの劣化は大きく、多くてもあまり効果が得
られない。
【0018】
【表1】 実施例3 実施例1の中でPCをPBT樹脂(ポリプラスチック
(株)製 ジュラネックス3200)、PET((株)
クラレ製クラペット1030)、PC/ABSアロイ
(宇部サイコン(株)製ウベロイCX10A)、PBT
/ABS(ダイセル化学工業(株)製ノバロイ−B、B
1500)に変えた以外は全く実施例1と同様に行っ
た。なお、これらの樹脂は有機溶媒に極めて溶けにくい
ため、溶融粘度をメルトフローレート(MFR)として
比較し評価した。MFRは、東洋精機製作所(株)製C
−5059型を用い、加重5kg、温度240℃として
測定した。結果を表2に併せて記す。
【0019】
【表2】 比較例3 実施例3で用いたそれぞれの樹脂を、そのまま実施例1
と同様に成形を繰り返しMFRを測定した。結果を表1
に併せて記載する。このように、無添加のものはMFR
の値が上昇し、即ち、分子量の低下していることが分か
る。
【0020】
【発明の効果】上記の実施例及び比較例で示されたよう
にカテキン処理を行った無機粒子はPC、PBT、PE
T、或いはこれらのブレンド樹脂などの熱可塑性樹脂に
対し優れた熱安定剤となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で用いられた射出形成品で、各
種試験片の共取り品である。
【符号の説明】
(a) 落錘試験板 (b) 引張試験片 (c) 熱変形温度試験片 (d) IZO衝撃強度試験片 (e) 圧縮試験片 (f) 曲げ強度試験片 (g) 色見本板 (h) 樹脂溜り (i) 溶融樹脂の導入口
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09C 3/08 C08L 101/00 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 1/00 - 101/16 C08K 3/00 - 13/08 C09C 3/08

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機粒子の表面をカテキンで表面処理し
    たことを特徴とする熱可塑性樹脂の加熱、溶融時の熱安
    定化用の樹脂添加剤。
  2. 【請求項2】 無機粒子の表面を無機粒子に対し、0.
    5〜6.0wt%のカテキンで表面処理したことを特徴
    とする請求項1記載の樹脂添加剤。
  3. 【請求項3】 無機粒子がシリカ、アルミナ、ケイ酸
    塩、アルミン酸塩及びガラスから選択されるものである
    ことを特徴とする請求項1記載の樹脂添加剤。
  4. 【請求項4】 添加する樹脂が熱可塑性カーボネート系
    樹脂、またはこのカーボネート系樹脂を含んだ熱可塑性
    樹脂であることを特徴とする請求項1記載の樹脂添加
    剤。
  5. 【請求項5】 添加する樹脂が熱可塑性ポリエステル系
    樹脂、またはこの樹脂を含む熱可塑性樹脂であることを
    特徴とする請求項1記載の樹脂添加剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112447316A (zh) * 2019-08-28 2021-03-05 日立金属株式会社 无卤素阻燃性绝缘电线和无卤素阻燃性电缆

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US6624258B1 (en) 2002-04-26 2003-09-23 Tohoku Munekata Co., Ltd. Agent for imparting flame retardancy to thermoplastic resin
CN112447316A (zh) * 2019-08-28 2021-03-05 日立金属株式会社 无卤素阻燃性绝缘电线和无卤素阻燃性电缆

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