JP3001441B2 - 半導体装置のレイアウト構造およびその形成方法 - Google Patents

半導体装置のレイアウト構造およびその形成方法

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JP3001441B2
JP3001441B2 JP8326931A JP32693196A JP3001441B2 JP 3001441 B2 JP3001441 B2 JP 3001441B2 JP 8326931 A JP8326931 A JP 8326931A JP 32693196 A JP32693196 A JP 32693196A JP 3001441 B2 JP3001441 B2 JP 3001441B2
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喜伴 沼口
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  • Metal-Oxide And Bipolar Metal-Oxide Semiconductor Integrated Circuits (AREA)
  • Insulated Gate Type Field-Effect Transistor (AREA)
  • Semiconductor Integrated Circuits (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体装置のレイア
ウト構造およびその形成方法に係わり、特にトランジス
タの駆動能力の調整をコンタクト形成工程以降の配線パ
ターン形成工程において行なう半導体装置のレイアウト
構造およびその形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばゲートアレイに代表されるよう
に、短納期が要求される半導体装置においては、あらか
じめ製造工程のうち金属配線工程まで素子形成済みの半
導体基板を用い、金属配線工程において所望の回路を形
成するように配線パターンを形成することで所望の機能
を有する半導体装置を実現する。
【0003】上述した金属配線工程においては、さらに
所望の回路を構成するトランジスタの駆動能力をも併せ
て調整するといった手段が一般的に行われている。
【0004】また、ゲートアレイ以外の特殊用途向けの
ASIC(ApplicationSpecific
IC)でも調整用の余分な素子を形成しておき、期待す
る特性が得られない場合、金属配線パターンのみを変更
し、調整用素子の接続を変えることで所望の機能を得る
ことが行われている。この種の金属配線パターンを変え
ることで、トランジスタの駆動能力を調整する従来技術
の一例を平面図で示した図6(a),(b),(c)お
よび(d)を参照すると、トランジスタを複数個に分割
して形成しておき、トランジスタの駆動能力を大きくす
る場合は、図6(a)に示すように、縦方向にゲート電
極3を共通にする多数個のトランジスタ群を並列に並
べ、それぞれのソースおよびドレイン電極を形成する拡
散層1と金属配線層である第1配線層とをコンタクト6
で接続している。また図6()を参照すると、ゲート
電極を縦方向に複数分岐させることによってトランジス
タを横方向に並べて配置して同様な効果を得ている。ト
ランジスタの駆動能力を小さくする場合は、図6
(a)、(b)に示すように、1個または少数個のトラ
ンジスタのみ接続する。このように、接続するトランジ
スタの個数を変えることでトランジスタの駆動能力を調
整する技術が示されている。
【0005】他の従来例が特開平5−36950号公報
に記載されている。同公報記載のゲートアレイ型半導体
集積回路装置を平面図で示した図7を参照すると、ゲー
ト電極3とソースおよびドレイン電極の拡散層1,2と
で形成するトランジスタまたは回路ブロック(不図示)
に近接して拡散抵抗素子8とこれら双方をスルーホール
7で接続する第1層配線4a,4b,4cおよび第2層
配線5a,5b,5cが形成される。トランジスタの駆
動能力を大きくする場合は、拡散抵抗素子8の両端のコ
ンタクト6の間隔を広く接続し、トランジスタの駆動能
力を小さくする場合は、拡散抵抗素子8の両端のコンタ
クト間隔を狭く接続する。すなわち接続する抵抗素子の
両端のコンタクト間隔を変えることでトランジスタの駆
動能力を調整している。
【0006】さらに他の従来例が特開平4−13776
1号公報に記載されている。同公報記載のゲートアレイ
方式の集積回路の平面図を示した図8を参照すると、ト
ランジスタの駆動能力を大きくする場合は、ソース電極
およびドレイン電極を形成する拡散層1と電源配線およ
び接地配線を形成する第1拡散層4とをそれぞれ多数の
コンタクト6で接続し、またはコンタクト面積を広くと
って接続する。トランジスタの駆動能力を小さくする場
合は、ソース電極およびドレイン電極の拡散層1のコン
タクト数を少なく、またはコンタクト面積を小さくして
接続する。すなわち、コンタクトの個数または面積を変
えることで調整している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の半導体
集積回路装置において、図6で説明した従来例は、図6
)に示すように、トランジスタの駆動能力調整のス
テップは、分割するトランジスタのサイズによって決ま
るので、ステップを細かくするためにトランジスタサイ
ズを小さくすると、トランジスタ数が多くなる。そのた
めトランジスタ分離(図6(b)31)または、トラン
ジスタ同士を接続するための配線スペース(図6(d)
32)が大きくなり、その分離または配線スペース分だ
け、面積が大きくなってしまうのでトランジスタのサイ
ズは小さく出来ない。したがって、トランジスタの駆動
能力の調整ステップを細かく出来ないという欠点があ
る。
【0008】また、図7で説明した従来例では、トラン
ジスタの外側に拡散抵抗素子の形成領域を設けているた
め、独立した拡散抵抗領域、およびその抵抗領域とトラ
ンジスタ領域=の分離または、拡散抵抗素子とトランジ
スタとを接続する配線スペース分の面積がそれぞれ余分
に必要になる。したがって、トランジスタの配置面積が
大きくなってしまうという欠点がある。
【0009】さらに、図8で説明した従来例では、ソー
ス電極およびドレイン電極の拡散層抵抗および、コンタ
クト抵抗をそのまま使用しているが、これらの抵抗値は
トランジスタ自身のオン抵抗に比べて小さいため、トラ
ンジスタのオン抵抗値、コンタクト抵抗値および配線抵
抗値を加えた全体的な抵抗値は大きくは変わらない。
【0010】したがって、図8(c)に示すように、ト
ランジスタの最小駆動能力が最大駆動能力の90%程度
しかなく、調整範囲が狭いという欠点がある。
【0011】さらに、通常の駆動能力をもつトランジス
タに対して、駆動能力を最大限引き出せるようにしたコ
ンタクト抵抗および拡散抵抗等は低くするのが一般的で
ある。その場合、この方法によるトランジスタの駆動能
力調整はほとんど期待できない。
【0012】上述したように、いずれの従来例において
も、トランジスタの駆動能力の調整範囲を広く、かつ調
整ステップを細かくすると同時に、トランジスタの配置
面積増を抑えることは出来ない。
【0013】本発明の目的は、上述した従来の欠点に鑑
みなされたものであり、レイアウト面積を増やすことな
く、コンタクト以降の配線工程において高抵抗領域と低
抵抗領域のコンタクト接続位置、個数を変えることによ
り、トランジスタのソース電極およびドレイン電極に形
成される寄生抵抗値を変え、トランジスタの駆動能力調
整範囲を広く、かつ、その調整間隔を細かくできる半導
体装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体装置のレ
イアウト構造は、半導体基板上にゲート電極を挟んで形
成されたソースおよびドレイン拡散層と、前記ソースお
よびドレイン拡散層をその上層の配線層にそれぞれ接続
するコンタクトとから形成される半導体装置のレイアウ
ト構造において、低抵抗領域である前記ソースおよびド
レイン拡散層領域内にこの拡散層とは異なる層抵抗をも
つ高抵抗領域を島状に配置し、この島状に配置した複数
の高抵抗領域に対して選択的に前記コンタクトを形成す
ることを特徴とする。
【0015】また、前記ソースおよびドレイン拡散層領
域およびこの拡散層領域内に形成した前記島状の複数の
前記高抵抗領域のそれぞれに選択的に形成した前記コン
タクトを、予め定める所定の個数に設定することによ
り、前記ソースおよびドレイン拡散層の寄生抵抗値を変
えて駆動能力を調整することができる。
【0016】さらに、前記コンタクトの個数および配置
位置は、前記低抵抗領域および前記島状の複数の高抵抗
領域の各々の領域に、前記コンタクトを形成するか否か
によって前記上層の配線層に接続されて決まるソースお
よびドレイン拡散層領域上の前記寄生抵抗値が所望の抵
抗値になるように設定することもできるい。
【0017】さらにまた、前記半導体基板上に形成され
たMOSトランジスタのソースおよびドレイン拡散領域
の一方または両方の拡散層領域内の一部を任意の形状で
分離し、この任意の形状の領域と前記ソースおよびドレ
イン拡散層領域とは、予め定める細長い形状の高抵抗値
をもたせた拡散領域で接続され、前記任意の形状および
前記細長い形状の拡散領域を少なくとも1個備えるても
よい。
【0018】本発明の半導体装置の形成方法は、半導体
基板上にゲート電極を挟んで形成されたソースおよびド
レイン拡散層と、前記ソースおよびドレイン拡散層をそ
の上層の配線層にそれぞれ接続するコンタクトとを有
し、前記低抵抗領域である前記ソースおよびドレイン拡
散層領域内にこの拡散層とは異なる層抵抗をもつ高抵抗
領域を島状に配置し、この島状に配置した複数の前記高
抵抗領域に対して選択的に前記コンタクトを形成するレ
イアウト構造を有する半導体装置であって、前記半導体
基板上の高抵抗領域とする部分は、Nウェル工程にて第
1のマスクパタンを用いて予め低濃度の反転層を形成し
ておき、その後、ゲート電極を形成後、第2のマスクパ
タンを用いて前記低抵抗領域とする部分にソースおよび
ドレイン電極形成で行なっている選択イオン注入を行
い、高濃度の反転領域を形成することを特徴とする。
【0019】また、前記半導体基板上の前記高抵抗領域
とする部分に、前記第1のマスクパタンを用いてPウェ
ル工程で同型の不純物を追加イオン注入し、基板不純物
濃度を部分的に高くしておき、その後、所定の第3のマ
スクパタンを用いてソースおよびドレイン拡散領域全体
にイオン注入による高濃度ドープを行い、前記基板不純
物濃度の低い部分は高濃度の反転領域に、前記基板不純
物濃度の高い部分は低濃度の反転領域を形成することも
できる。
【0020】所定の第3のマスクパタンを用いて、ソー
スおよびドレイン拡散領域全体に対しソースおよびドレ
イン電極形成で行なっている選択イオン注入を行い、高
濃度の反転領域を形成し、その後、前記第1のマスクパ
タンを用い前記高抵抗領域となる部分に逆導伝型の不純
物をイオン注入し、その濃度を中和し、高濃度の反転領
域内に低濃度の反転領域を形成することもできる。
【0021】シリサイド有りのプロセスにおける、前記
低抵抗領域の拡散層表面のみをシリサイド化することに
より形成する方法であって、選択的にシリサイド化する
ためのマスクパタンとして、静電破壊対策で入出力部の
シリサイドを除去するために用いるマスクを適用するこ
ともできる。
【0022】また、前記半導体基板上に形成されたMO
Sトランジスタのソースおよびドレイン拡散領域の一方
または両方の拡散層領域内の一部を任意の形状で分離
し、この任意の形状の領域と前記ソースおよびドレイン
拡散層領域とは、予め定める細長い形状の高抵抗値をも
たせた拡散領域で接続され、前記任意の形状および前記
細長い形状の拡散領域をゲート酸化膜あるいはフィール
ド酸化膜により分離し前記ソースおよびドレイン拡散領
域との接続を断たれた拡散層領域が少なくとも1個形成
することもできる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の半導体装置の概要は、半
導体基板上に形成されたゲート電極と、このゲート電極
を挟んで形成される拡散層と、拡散層および上層の配線
層を接続するコンタクトとから形成されるMOSトラン
ジスタからなる半導体装置において、拡散層領域内にこ
の拡散層とは異なる層抵抗の領域を島状に配置し、この
島状に配置した複数の異なる層抵抗領域に対して選択的
にコンタクトを形成する。
【0024】また、半導体基板上に形成されたMOSト
ランジスタのソース電極およびドレイン電極の拡散領域
の一方または両方の拡散領域内に、一部の狭い領域以外
は、ゲート電極あるいはフィールド分離によりつながり
の断たれた拡散領域が1つあるいは複数個形成される。
【0025】次に、本発明の実施の形態を図面を参照し
ながら説明する。
【0026】図1(a)は本発明の第1の実施の形態に
おける第1のコンタクト配置状態を示すレイアウト図、
図1(b)は第2のコンタクト配置状態を示すレイアウ
ト図、図1(c)は第3のコンタクト配置状態を示すレ
イアウト図、図1(d)は第4のコンタクト配置状態を
示すレイアウト図を示すレイアウト図である。
【0027】図1(a)の第1のコンタクト配置状態を
参照すると、第1層配線4がコンタクト6で接続された
ゲート電極3と、このゲート電極を挟んで形成されたソ
ースおよびドレイン拡散領域1と、ゲート電極とソース
およびドレイン拡散領域1とに形成され第1配線層4を
それぞれ接続するコンタクト6、これらソースおよびド
レイン拡散領域1上のコンタクト6のうち1つおきのコ
ンタクト6を囲んで形成された高抵抗領域10と、これ
らのソースまたはドレイン拡散領域1内の高抵抗領域1
0以外の領域である低抵抗領域11とからなり、図中の
ゲート電極3の左側の拡散領域をソース電極、右側の拡
散領域をドレイン電極とする。
【0028】高抵抗領域10は、その領域内部にコンタ
クト6を1個配置出来る大きさで、隣接する高抵抗領域
10との間の低抵抗領域11にコンタクト6を1個配置
出来る間隔で、ソースおよびドレイン拡散領域4内に形
成されている。この配置状態におけるドレイン電極側の
寄生抵抗接続を等価回路図を示した図5を参照すると、
ドレイン電極には低抵抗22を介して他の低抵抗22お
よび図1(a)に対応する高抵抗21が互いに並列状態
で接続され、それぞれの抵抗の他端はコンタクト23に
接続された状態にあることが理解できる。
【0029】この図1(a)に示すトランジスタは、ト
ランジスタの駆動能力が最大となるようにコンタクトお
よび抵抗素子が接続されたレイアウト図であり、ソース
およびドレイン電極とも低抵抗領域11、高抵抗領域1
0の全ての領域にコンタクト6を配置している。
【0030】図1(b)の第2のコンタクト配置状態を
参照すると、図1(b)の配置状態は、図1(a)より
もトランジスタの駆動能力を小さくする場合のレイアウ
ト図であり、ソース電極側は低抵抗領域11、高抵抗領
域10の全ての領域にコンタクト6を配置し、ドレイン
電極側は低抵抗領域11にコンタクト6を配置せず、高
抵抗領域10の全てにコンタクト6を配置してある。
【0031】したがって、この例におけるドレイン電極
側の寄生抵抗接続の回路図は図示しないが、前述した図
5の回路において、低抵抗22の他端に接続されていた
コンタクト23がないので低抵抗22は機能せず、並列
接続されているのは高抵抗21のみである。ソース電極
側の抵抗値とドレイン電極側の抵抗値とは非対称であ
り、ドレイン電極側の抵抗値が大きくなる。
【0032】図1(c)の第3のコンタクト配置状態を
参照すると、図1(c)の配置状態は、図1(b)より
もトランジスタの駆動能力を小さくする場合のレイアウ
ト図であり、ソースおよびドレイン電極とも低抵抗領域
11にコンタクト6を配置せず、高抵抗領域10の全て
の領域にコンタクト6を配置してある。
【0033】この例におけるドレイン電極側の寄生抵抗
接続の回路は、並列接続されているのは高抵抗21のみ
である。ソース電極側の抵抗値とドレイン電極側の抵抗
値とは対称であり、ソース電極およびドレイン電極側の
抵抗値とも等しい。
【0034】図1(d)はトランジスタの駆動能力を最
小とする場合のレイアウト図で、ソースおよびドレイン
電極とも低抵抗領域11にコンタクト6を配置せず、高
抵抗領域10の1つにのみコンタクト6を配置してい
る。
【0035】上述した図1(a)〜(d)におけるトラ
ンジスタの駆動能力の違いは、低抵抗領域=130Ω/
□、高抵抗領域=680Ω/□、コンタクト=30Ω/
個、トランジスタのオン抵抗(Ion抵抗)=1515
Ω/10umで、高抵抗領域の実効抵抗が70Ω(高抵
抗領域半径をコンタクト半径の2倍として概算)になる
と仮定し、図1(a)を100%とすると、Wが25u
mのとき、(b)は96%、(c)は94%、(d)は
76%であった。
【0036】一方、Wが50umのとき、(b)は94
%、(c)は81%、(d)は47%となる。
【0037】高抵抗領域10が無い場合を同様に計算す
ると、コンタクト数が最小であるから、コンタクト数が
最大の時の90%および83%になり、2.4〜3.3
倍に調整範囲が広がったことになる。
【0038】また、調整範囲内であれば、コンタクト配
置パターンを変えることにより、上記以外のトランジス
タの駆動能力とすることが出来、その間隔は、使用でき
る高抵抗領域数と、各部の抵抗値との組み合わせで決ま
る。上記計算例ではトランジスタのWが大きくなった場
合、調整間隔が荒くなったように見えるが、トランジス
タのWが大きくなると、ソースおよびドレイン電極内に
形成できる高抵抗領域数が増え、組み合わせ条件も増え
るので、調整間隔は殆ど変わらない。
【0039】図2(a)〜(f)は他の高抵抗領域の形
成例を示したレイアウト図である。図2(a)を参照す
ると、ドレイン電極の拡散領域1内に図1に示した抵抗
と同様な大きさの高抵抗領域10aとこの高抵抗領域1
0aよりもさらに大きな高抵抗領域10bが形成されて
いる。
【0040】図2(b)の配置状態は、それぞれ大きさ
の異なる高抵抗領域10a,10c,10dが形成され
ている。
【0041】図2(c)の配置状態は、図1に示した抵
抗と同様な大きさの高抵抗領域10aが1個と、この高
抵抗領域10aよりもさらに大きな高抵抗領域10bが
2個形成されている。
【0042】図2(d)の配置状態は、図2(b)に示
した抵抗と同様な大きさの高抵抗領域10dが1個のみ
である。
【0043】図2(e)の配置状態は、ドレイン電極の
拡散領域1を2倍程度に広くとり、ゲート電極3との間
をすべて低抵抗領域11とし、この低抵抗領域11を挟
んで低抵抗領域11と同じ大きさの面積をもつ高抵抗領
域10eが形成されている。
【0044】図2(f)の配置状態は、図2(e)の高
抵抗領域10eをさらに長くとり低抵抗領域11と平行
に折り曲げて配置し、低抵抗領域11と折り曲げた長方
形の高抵抗領域10eとの間に所定の隙間を設けてあ
る。
【0045】すなわち、上述したレイアウトから理解で
きるように、図1(a)〜(d)においては、ソースお
よびドレイン拡散領域上の高抵抗領域は同じ形状、間隔
で複数並べているが、他の高抵抗領域の形成例を示した
図2(a)〜(f)のように、異なる形状、間隔でも良
い。また、ゲート電極に対し左右対称である必要もな
く、異なるパターンを組み合わせても良い。
【0046】次にソースおよびドレイン拡散領域内に高
抵抗領域10と低抵抗領域11の両方を形成する方法
を、イオン注入を示す工程断面図を示した図3(a)
(i)を参照しながら、P型基板上に形成されたNチャ
ネル型MOSトランジスタの場合について説明する。
【0047】第1の形成方法としては、P型基板12上
にゲート電極とこのゲート電極を挟んでソースおよ
びドレイン電極を形成するための拡散領域を形成し
(図3(a))、この拡散領域に反転層形成のイオン
注入を行って低抵抗領域11をおよび高抵抗領域10
形成する。
【0048】例えば、P型基板12上の高抵抗領域10
とする部分は、Nウェル工程にてマスクパタン13aを
用いて予め低濃度の反転層を形成しておき(図3
(b))、その後、ゲート電極を形成後、マスクパタン
13bを用いて低抵抗領域11とする部分に従来ソース
およびドレイン電極形成で行なっていた選択イオン注入
を行い、高濃度の反転領域を形成する(図3(c))。
【0049】第2の形成方法としては、高抵抗領域10
の基板不純物濃度を予め高くしておき(図3(d))、
その後、反転層形成のイオン注入を低抵抗領域11、高
抵抗領域10とも同条件で行うことにより形成する(図
3(e))。
【0050】例えば、P型基板上の高抵抗領域10とす
る部分に、図3(b)の時と同様にマスクパタン13a
を用いてPウェル工程で同型の不純物を追加イオン注入
し、基板不純物濃度を部分的に高くしておき(図3
(d))、その後、マスクパタン13cを用いてソース
およびドレイン拡散領域全体にイオン注入による高濃度
ドープを行い、基板不純物濃度の低い部分は高濃度の反
転領域に、基板不純物濃度の高い部分は低濃度の反転領
域を形成する(図3(e))。
【0051】第3の形成方法としては、反転層形成のイ
オン注入を低抵抗領域11、高抵抗領域10とも同条件
で行なった後、高抵抗領域10にのみ逆導伝型のイオン
注入を行うことにより形成する。
【0052】例えば、マスクパタン13cを用いてソー
スおよびドレイン拡散領域全体に従来ソースおよびドレ
イン電極形成で行なっていた選択イオン注入を行い、高
濃度の反転領域を形成する(図3(f))。その後、マ
スクパタン13aを用い高抵抗領域10となる部分に逆
導伝型の不純物をイオン注入し、その濃度を中和し、高
濃度の反転領域内に低濃度の反転領域を形成する(図3
(g))。
【0053】第4の形成方法としては、シリサイド有り
のプロセスにおいては、低抵抗領域11の拡散層表面の
みをシリサイド化する(図3(i))ことにより形成す
る方法がある。この場合、選択的にシリサイド化するた
めのマスクパタンが必要であるが、静電破壊(ESD)
対策で入出力部のシリサイドを除去するために、同様な
マスクを使用していることが多いので、新たに工程を追
加することはない。
【0054】第5の形成方法としては、高抵抗領域10
の他の形状例を示した図4を参照すると、出力バッファ
のように拡散領域が十分に広くとれる場合は、ソースお
よびドレイン電極形成のための拡散層領域11のうち、
高抵抗にしたい拡散層領域の一部分の周囲を一部がソー
スおよびドレイン電極側に接続されたまま残るように任
意の形に切り取り、ソースおよびドレイン電極側に接続
されて残った部分(図中点線10で囲まれた部分)の拡
散層幅を狭く、長くして両端(電極側および高抵抗にし
たい拡散領域側)の抵抗値を大きくすることで、高抵抗
領域10を得ることができる。すなわち、予め定める狭
い領域10を形成して高抵抗値をもたせ、この高抵抗値
をもつ狭い領域10以外は、ゲート酸化膜あるいはフィ
ールド酸化膜により分離しソースおよびドレイン拡散領
域との接続を一部を残して断たれた拡散層領域が少なく
とも1個形成される。
【0055】上述の各方法は、工程を増やさずに形成す
る方法であるが、それぞれのマスクに対応した固有のマ
スクを追加(工程を追加)すれば、容易に形成できるこ
とは明らかである。
【0056】
【発明の効果】上述したように本発明の半導体装置は、
半導体基板上に形成されたMOSトランジスタのソース
およびドレイン拡散領域の一方または両方の拡散領域内
に、より層抵抗の大きい高抵抗領域を1つあるいは複数
個形成し、一つの拡散領域内に低抵抗領域と、高抵抗領
域を形成し、高抵抗領域と低抵抗領域のコンタクト接続
位置、およびコンタクトの個数により、MOSトランジ
スタの駆動能力を調整するようにしたので、第1の効果
は、トランジスタの駆動能力の調整範囲を広く、かつ調
整ステップを細かくできることである。
【0057】その理由は、高抵抗領域と低抵抗領域をM
OSトランジスタの同じソースおよびドレイン電極内に
形成することにより、高抵抗領域のみを介して接続した
場合と低抵抗領域を介して接続した場合とで、ソースお
よびドレイン電極の寄生抵抗値を大きく変更することが
でき、さらにその寄生抵抗値は、高抵抗領域のサイズ、
形状、配置、数およびその高抵抗領域の接続のそれぞれ
の組み合わせを変えることにより、細かく調整出来、ト
ランジスタの駆動能力はその寄生抵抗値に連動して変わ
るからである。前述した実施の形態における、W=25
μmの場合では、調整範囲最大駆動能力の76%とな
り、本発明を適用しない場合の2.4倍に拡大され、調
整ステップは、図1(b),(c)間の駆動能力差では
2%と小さい。
【0058】第2の効果は、面積増加を全く、あるいは
殆ど必要としないことである。
【0059】その理由は、同じソースおよびドレイン拡
散領域内に高抵抗領域と低抵抗領域を設けることによ
り、素子分離領域を必要とせず、また、高抵抗領域とト
ランジスタ間を接続する配線も必要としないためであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の第1の実施の形態における第1
のコンタクト配置状態を示すレイアウト図である。 (b)第1の実施の形態における第2のコンタクト配置
状態を示すレイアウト図である。 (c)第1の実施形態における第3のコンタクト配置状
態を示すレイアウト図である。 (d)第1の実施形態における第4のコンタクト配置状
態を示すレイアウト図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における高抵抗領域
形状の他の例を示すレイアウト図である。
【図3】ソースおよびドレイン拡散領域内にイオン注入
を行う工程断面図を示した図である。
【図4】高抵抗領域10の他の形状例を示したレイアウ
ト図である。
【図5】本発明の第1の実施例のドレイン電極側の寄生
抵抗接続を等価回路で示した図である。
【図6】従来例におけるトランジスタの駆動能力を調整
できるようにしたレイアウト図である。
【図7】他の従来例におけるトランジスタの駆動能力を
調整できるようにしたレイアウト図である。
【図8】(a)さらに他の従来例におけるトランジスタ
の駆動能力を調整できるようにしたレイアウト図であ
る。 (b)他のレイアウト図である。 (c)コンタクト数と動作速度の関係をグラフで示した
図である。
【符号の説明】
1,2 ソースおよびドレイン拡散領域 3 ゲート電極 4,4a〜4d 第1層配線 5a〜5c 第2層配線 6,23 コンタクト 7 スルーホール 8 拡散抵抗領域 10 高抵抗領域 11 低抵抗領域 12 P型半導体基板 13a,13b,13c マスクパターン 14 高濃度P型基板領域 20 MOSトランジスタ 21高抵抗素子 22 低抵抗素子 31 素子分離領域 32 配線領域
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 29/78 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/8234 - 21/8238 H01L 21/8249 H01L 27/06 H01L 27/088 - 27/092 H01L 29/78

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上にゲート電極を挟んで形成
    されたソースおよびドレイン拡散層と、前記ソースおよ
    びドレイン拡散層をその上層の配線層にそれぞれ接続す
    るコンタクトとから形成される半導体装置のレイアウト
    構造において、低抵抗領域である前記ソースおよびドレ
    イン拡散層領域内にこの拡散層とは異なる層抵抗をもつ
    高抵抗領域を島状に配置し、この島状に配置した複数の
    高抵抗領域に対して選択的に前記コンタクトを形成する
    ことを特徴とする半導体装置のレイアウト構造。
  2. 【請求項2】 前記ソースおよびドレイン拡散層領域お
    よびこの拡散層領域内に形成した前記島状の複数の前記
    高抵抗領域のそれぞれに選択的に形成した前記コンタク
    トを、予め定める所定の個数に設定することにより、前
    記ソースおよびドレイン拡散層の寄生抵抗値を変えて駆
    動能力を調整する請求項1記載の半導体装置のレイアウ
    ト構造。
  3. 【請求項3】 前記コンタクトの個数および配置位置
    は、前記低抵抗領域および前記島状の複数の高抵抗領域
    の各々の領域に、前記コンタクトを形成するか否かによ
    って前記上層の配線層に接続されて決まるソースおよび
    ドレイン拡散層領域上の前記寄生抵抗値が所望の抵抗値
    になるように設定される請求項1記載の半導体装置のレ
    イアウト構造。
  4. 【請求項4】 前記半導体基板上に形成されたMOSト
    ランジスタのソースおよびドレイン拡散領域の一方また
    は両方の拡散層領域内の一部を任意の形状で分離し、こ
    の任意の形状の領域と前記ソースおよびドレイン拡散層
    領域とは、予め定める細長い形状の高抵抗値をもたせた
    拡散領域で接続され、前記任意の形状および前記細長い
    形状の拡散領域を少なくとも1個備える請求項1記載の
    半導体装置のレイアウト構造。
  5. 【請求項5】 半導体基板上にゲート電極を挟んで形成
    されたソースおよびドレイン拡散層と、前記ソースおよ
    びドレイン拡散層をその上層の配線層にそれぞれ接続す
    るコンタクトとを有し、前記低抵抗領域である前記ソー
    スおよびドレイン拡散層領域内にこの拡散層とは異なる
    層抵抗をもつ高抵抗領域を島状に配置し、この島状に配
    置した複数の前記高抵抗領域に対して選択的に前記コン
    タクトを形成するレイアウト構造を有する半導体装置で
    あって、前記半導体基板上の高抵抗領域とする部分は、
    Nウェル工程にて第1のマスクパタンを用いて予め低濃
    度の反転層を形成しておき、その後、ゲート電極を形成
    後、第2のマスクパタンを用いて前記低抵抗領域とする
    部分にソースおよびドレイン電極形成で行なっている選
    択イオン注入を行い、高濃度の反転領域を形成すること
    を特徴とする半導体装置の形成方法。
  6. 【請求項6】 前記半導体基板上の前記高抵抗領域とす
    る部分に、前記第1のマスクパタンを用いてPウェル工
    程で同型の不純物を追加イオン注入し、基板不純物濃度
    を部分的に高くしておき、その後、所定の第3のマスク
    パタンを用いてソースおよびドレイン拡散領域全体にイ
    オン注入による高濃度ドープを行い、前記基板不純物濃
    度の低い部分は高濃度の反転領域に、前記基板不純物濃
    度の高い部分は低濃度の反転領域を形成る請求項5記
    載の半導体装置の形成方法。
  7. 【請求項7】 所定の第3のマスクパタンを用いて、ソ
    ースおよびドレイン拡散領域全体に対しソースおよびド
    レイン電極形成で行なっている選択イオン注入を行い、
    高濃度の反転領域を形成し、その後、前記第1のマスク
    パタンを用い前記高抵抗領域となる部分に逆導伝型の不
    純物をイオン注入し、その濃度を中和し、高濃度の反転
    領域内に低濃度の反転領域を形成する請求項5記載の半
    導体装置の形成方法。
  8. 【請求項8】 シリサイド有りのプロセスにおける、前
    記低抵抗領域の拡散層表面のみをシリサイド化すること
    により形成する方法であって、選択的にシリサイド化す
    るためのマスクパタンとして、静電破壊対策で入出力部
    のシリサイドを除去するために用いるマスクを適用す
    請求項5記載の半導体装置の形成方法。
  9. 【請求項9】 前記半導体基板上に形成されたMOSト
    ランジスタのソースおよびドレイン拡散領域の一方また
    は両方の拡散層領域内の一部を任意の形状で分離し、こ
    の任意の形状の領域と前記ソースおよびドレイン拡散層
    領域とは、予め定める細長い形状の高抵抗値をもたせた
    拡散領域で接続され、前記任意の形状および前記細長い
    形状の拡散領域をゲート酸化膜あるいはフィールド酸化
    膜により分離し前記ソースおよびドレイン拡散領域との
    接続を断たれた拡散層領域が少なくとも1個形成される
    請求項5記載の半導体装置の形成方法。
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