JP3000819U - 天井吊りボルトの吊り金具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 部品点数が少なく構造も簡単でありながら、
ビスを安定して保持することができるために、その螺入
操作をなしやすく、しかも、吊りボルトに僅かな範囲で
揺動し得る余裕を与え、それを強力に結合し得る天井吊
りボルトの吊り金具を提供する。 【構成】 吊りボルトＢの上端部が螺入される雌ねじ孔
７を設け、且つ上端の中心に雌ねじ孔よりも小径の止め
孔１１を形成したナット１と、その止め孔から天井横架
材にねじ込むビス３と、ビスに通してナットの雌ねじ孔
にビス頭部と共に納める弾性リング５とからなり、その
弾性リングの内径をビスのねじ回り外径よりも小さく、
外径をナットの雌ねじ孔のねじ回り内径よりも大きく形
成して天井吊りボルトの吊り金具Ｐを構成した。さら
に、ナットの上端に角形鍔部１３を突設することもあ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、吊りボルトを吊り下げるために、天井の木製横架材等に止着する 天井吊りボルトの吊り金具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

天井に天井板を構築したり、シャンデリア等の飾りを下げたりするときには、 予め天井からそのための吊りボルトが吊り下げられる。この場合、吊りボルトの 取り付け対象が木製の横架材であるときには、その吊りボルトの取り付け用とし て横架材に吊り金具が止着される。

【０００３】 従来の天井吊りボルトの吊り金具としては、Ｌ字形の金属板であって、その側 部縦片に横架材の側面へ打ち込む釘の通し孔を、下部横片に吊りボルトの螺入孔 を設けた側部釘付け用のものや、図４に示すように、横架材の下面に止着する下 面ビス止め用のものを挙げることができる。

【０００４】 同図に示す吊り金具は、止着ケース２０に、天井横架材に螺入するビス２２と 、吊りボルトＢが螺入されるナット２４とを保持したもので、ケース２０には、 側壁の切り抜きにより左右一対にビス受け片２７，２７が形成されている。また 、ケース２０の下部は、ナット２４が回転不能に納まるように形成されるととも に、脱出用に突起２９が形成される。そして、このような複雑な構造から、吊り ボルトＢに揺れを許容する融通性があるように図られている。ちなみに、この融 通性に欠けるときには、地震等が起こるとビスに無理な力が加わって、吊りボル トが脱落する危険がある。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

上記のうち、側部釘付け用の吊り金具によれば、吊りボルトの揺動許容機能に 十分であるが、ケースの強度に限度があるために、吊りボルトの支持能力に欠け ていた。また、横架材の側面への釘付けのために、作業者が一段と高く上る必要 があり、しかも、そこにはハンマーを取り扱う空間が存在しない場合もあり、さ らに、叩きにより不衛生に埃が発生するし、横架材に節があると釘がそれに負け てしまう等、作業上において種々の問題がある。

【０００６】 下面ビス止め用の場合であると、このような問題がないけれども、部品点数が 摘みケース２０と、ビス２２と、その座金２６と、ナット２４との４点というよ うに多く、しかも、特にケースの構造が複雑であるために、安価に提供すること ができなかった。また、取り付けるためにビス２２にドライバーを当てるには、 それをナット２４に通す必要があり、しかも、ビス２２が傾きながらぐらつき安 定性がなく、ビスの保持機能に欠けるために、その頭部の溝にドライバーを容易 に掛けることができないという問題があった。

【０００７】 この考案は、上記のような実情に鑑みて、部品点数が少なく構造も簡単であり ながら、ビスを安定して保持することができるために、その螺入操作をなしやす く、しかも、吊りボルトに僅かな範囲で揺動し得る余裕を与え、それを強力に結 合し得る天井吊りボルトの吊り金具を提供することを目的とした。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するために、この考案は、吊りボルトの上端部が螺入される 雌ねじ孔を設け、且つ上端の中心に雌ねじ孔よりも小径の止め孔を形成したナッ トと、その止め孔から天井横架材にねじ込むビスと、ビスに通してナットの雌ね じ孔にビス頭部と共に納める弾性リングとからなり、その弾性リングの内径をビ スのねじ回り外径よりも小さく、外径をナットの雌ねじ孔のねじ回り内径よりも 大きく形成して天井吊りボルトの吊り金具を構成した。

【０００９】 さらに、ナットの上端に角形鍔部を突設することもある。

【００１０】

【作 用】 天井吊りボルトの吊り金具を上記のように構成したから、全体を組み合わせる には、ビスに弾性リングを通してから、そのビスをナットの止め孔に通しながら 、その頭部とともに弾性リングをナットの雌ねじ孔の中に納める。そうすると、 弾性リングを介してナットとビスが外れないように組み合うから、この状態にお いて、ドライバーをナットの中に差し入れて、ビスを天井横架材に螺入して取り 付ける。

【００１１】 ナットをこのようにして横架材に取り付けてから、吊りボルトをナットに螺入 してそれを吊り下げる。この際に、角形鍔部にスパナを掛けて回転を止めること ができる。また、取り付けにより、ビスは横架材に完全に固定されるが、ビスと ナットとの間に弾性リングが介在されているから、吊りボルトには揺動する少し だけの余裕がある。

【００１２】

【実施例】

次に、この考案の実施例を図面に基づいて説明する。

【００１３】 図１ないし図３は、一実施例を示したもので、その天井吊りボルトの吊り金具 Ｐは、吊りボルトＢを螺入するナット１と、ナット１を横架材Ｍにねじ止めする ビス３と、ナツト１とビス３との間に介在させる弾性リング５との組み合わせか らなっている。この弾性リング５がビスの保持機能と、吊りボルトの揺動許容機 能とを果たす。

【００１４】 ナット１は、所謂ネールナットと称されるもので、内部が雌ねじ孔７となる上 下に長い筒状であり、その雌ねじ孔７が径においてビス３の頭部３ａが納まる大 きさであるが、上端にその頭部３ａが抜けない小さい径の止め孔１１が設けられ ている。また、スパナを掛けるために、上端部に普通のナツトの六角形において 角形鍔部１３が形成されている。

【００１５】 ナツト１の形状については、ストレートに全体的に角形であっても良い。しか し、このように、上端部にのみ角形鍔部１３を設けたときには、スパナを着脱し やすいし、製造上材料の節約となり、軽量で取り扱いやすい等の利点がある。

【００１６】 ビス３には、ねじの傾斜の強い木工用のものを使用したが、その種類の如何に かかわらず弾性リング５が止まるものであれば、特にその種類を問うものではな い。

【００１７】 弾性リング５は、ゴムまたはプラスチックにより成形するもので、扁平な座金 形であるが、Ｏリング形であっても良い。いずれにしても、外径がナット１の雌 ねじ孔７のねじ回り内径よりも小さく、また、ビス３のねじに弾性的に掛かるよ うに、そのねじの回り外周径よりも内径が小さく形成される。

【００１８】 ナット１にビス３を組み合わせるときには、まず、ビス３に弾性リング５を挿 入した状態において、ビス３をナット１に通しながら弾性リング５を雌ねじ孔７ に押し込む（図２）。そうすると、弾性リング５がビス３のねじとナット１のね じの両方に掛かるために、ナット１にビス３が抜けないように保持されるし、ビ ス３がぐらつかないように且つ垂直に保持される。この組み合わせ状態において 、横架材Ｍに取り付け、それから、吊りボルトＢをナットに螺入する（図３）。

【００１９】 ナット１の取り付けにより、ビス頭部３ａにより弾性リング５が圧縮されるが 、それでも少し弾力を保持しているから、吊りボルトＢに少し揺動する余裕があ り、この余裕によりビス３へ無理な力が波及する不都合が防止される。そして、 ナット１と吊りボルトＢとの結合が強力であるために、吊りボルトＢの安定した 取り付け状態が保持される。

【００２０】

【考案の効果】

以上説明したように、この考案の天井吊りボルトの吊り金具によれば、次のよ うな優れた効果がある。

【００２１】 部品点数が少ないだけでなく、その部品に既成のものを使用できるというよう に、構造が非常に簡単であるから、安価に提供することができる。また、構造が 簡単であるにもかかわらず、横架材に対する下面ビス止め用として、ビスの保持 機能と、吊りボルトの揺動許容機能を都合良く兼有している。

【００２２】 ビスの保持機能については、部品の組合わせ状態において、弾性リングにより 、ビスの脱落が防止されるだけでなく、それが直立にして中心に確実に保持され るために、ビスを真っ直ぐに天井横架材に当てながら、ドライバーを確実にビス 頭部の溝に掛けることができるから、取り付け作業が非常に容易でその作業能率 を向上させることができる。

【００２３】 吊りボルトの揺動許容機能については、弾性リングにより、吊りボルトが少し の範囲において揺動する余裕があるから、ビスに無理な力が加わらなく、しかも 、ナツトに対する吊りボルトの結合力が大であることから、地震等の振動に対し ても、吊りボルトの安定した取り付け状態が保持される。

【００２４】 ナットの上端に、スパナを掛け得る角形鍔部を突設したときには（請求項２） 、吊りボルトの取り付けがさらに容易となり、また、全体を角形にする場合に比 して、材料の節約になることはもちろん、小さくなるために、運搬や保管に有利 となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】天井吊りボルトの吊り金具の一部切欠した斜視
図である。

【図２】組み立て状態を示す同天井吊りボルトの吊り金
具の断面図である。

【図３】使用状態を示す同天井吊りボルトの吊り金具の
断面図である。

【図４】従来例を示す斜視図である。

【符号の説明】

Ｂ 吊りボルト Ｐ 天井吊りボルトの吊り金具 Ｍ 横架材 １ ナット ３ ビス ３ａ ビス頭部 ５ 弾性リング ７ 雌ねじ孔 １１ 止め孔 １３ 角形鍔部

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 吊りボルトの上端部が螺入される雌ねじ
   孔を設け、且つ上端の中心に雌ねじ孔よりも小径の止め
   孔を形成したナットと、その止め孔から天井横架材にね
   じ込むビスと、ビスに通してナットの雌ねじ孔にビス頭
   部と共に納める弾性リングとからなり、その弾性リング
   の内径をビスのねじ回り外径よりも小さく、外径をナッ
   トの雌ねじ孔のねじ回り内径よりも大きく形成したこと
   を特徴とする天井吊りボルトの吊り金具。
2. 【請求項２】 ナットの上端に角形鍔部を突設したこと
   を特徴とする請求項１記載の天井吊りボルトの吊り金
   具。