JP3510148B2 - 吊り木 - Google Patents

吊り木

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JP3510148B2
JP3510148B2 JP12001299A JP12001299A JP3510148B2 JP 3510148 B2 JP3510148 B2 JP 3510148B2 JP 12001299 A JP12001299 A JP 12001299A JP 12001299 A JP12001299 A JP 12001299A JP 3510148 B2 JP3510148 B2 JP 3510148B2
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hanging
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正義 高山
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タカヤマ金属工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として木造家屋
内に組み込まれた梁から天井を形成する部材の一つであ
る野縁を吊り下げるために使用される、所謂、吊り木と
呼ばれる建築部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、上記吊り木と呼ばれる建築部材に
関しては、各種構造のものが存在するが、最近のものと
しては、例えば、実公平5−23693号公報所載のも
のがある。
【0003】即ち、上記公報所載の吊り木は、吊り木本
体の一方側に梁へ釘又は木螺子を介して取付けられる吊
り止め具が雄螺子を介して回転可能に設けられ、且つ該
吊り木本体の他方側には野縁に釘又は木螺子を介して取
付けられる受板が回転可能に設けられたものであり、か
かる構成からなる吊り木は、吊り木本体を回転すること
により、吊り止め具と受板との距離寸法を調整すること
が出来るものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成からなる吊り木においては、下記の様な問題が生じて
いた。
【0005】即ち、上記構成からなる吊り木は、釘又は
木螺子を介して梁と野縁との間に取付けられた後、必ず
その最終工程として作業者が吊り木本体を把持して左右
何れかの方向へ回転させて吊り木の吊り止め具と受板と
の距離寸法、即ち、吊り木を介して梁から吊り下げられ
た野縁の梁からの吊り下げ寸法を調整するものである
が、この吊り下げ寸法の調整作業時において、その大半
は、自重によって若干下方に垂れ下がるように湾曲して
なる野縁を上方へと引き上げるように該野縁と梁との距
離間隔を狭めるための調整作業となるのが一般的であ
る。
【0006】尚、上記吊り木本体と受板間には、階上の
床の振動、騒音等が階下の天井に伝わらないように、該
振動を吸収するための弾性体が設けられ、しかも受板
は、自らの抜止め頭部を弾性体に挿通した後、該抜止め
頭部の下部に位置する小径部に装着されるスナップリン
グによって該弾性体に直接抜け止め係止されてなること
から、例えば、前記の如く調整作業を行う場合におい
て、野縁と梁との距離間隔を狭めるべく吊り木本体を回
転させた場合、必然的に吊り木本体は受板に取付けられ
た野縁の自重を該受板の抜止め頭部で押圧されるスナッ
プリングで圧縮された弾性体を介して生じる摩擦抵抗を
有した状態で回転することになる。
【0007】よって、野縁と梁との距離間隔を狭めるた
めの調整作業に極めて強い腕力が要求されることとな
り、しいてはその作業そのものが極めて煩雑で重労働に
なるという問題が生じていた。
【0008】更に、上記吊り木は、梁と野縁の間に所定
の間隔で多数取付けられて使用されるものであることか
ら、施工上より迅速な取付け作業を行うのが望ましい
が、該吊り木は、吊り木本体の一方側の吊り止め具を梁
に、且つ他方側の受板を野縁に夫々釘又は木螺子によっ
て堅固に取付けなければならない。
【0009】よって、吊り木の取付け時においては、吊
り木の取付け位置にズレが生じないように必ず一方の手
のひら又は指で吊り止め具又は受板の一方を梁又は野縁
の側面に押し当てながら、同じ手の指で釘又は木螺子を
摘持し、他方の手でかなづちや螺子回しを把持して個々
の吊り木を順次取付けて行かなければならず、又作業そ
のものも足場の不安定な高所で行われることから、何れ
にしても多数の吊り木をより迅速に、しかも簡単に取付
けることが出来ないという作業上の問題が生じていた。
【0010】それ故に、本発明は上記従来の問題点を全
て解決すべくなされたものであり、吊り木の吊り木本体
を左右何れかの方向へ回転させて吊り木の吊り止め具と
受板との距離寸法を調整する場合であっても、強い腕力
を全く必要とすることなく、誰でも簡単に、野縁の自重
がかかった吊り木本体を回転させて吊り木の吊り止め具
と受板との距離寸法、即ち、吊り木を介して梁から吊り
下げられた野縁の梁からの吊り下げ寸法を調整すること
が出来るだけでなく、極めて簡単に、しかも短時間で迅
速に、且つ堅固に多数の吊り木を梁と野縁の夫々に釘又
は木螺子を介して取付けることが出来る極めて優れた吊
り木を提供することを課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
すべく以下の手段を講じたものである。即ち、本発明に
係る吊り木は、吊り木本体1aの一方側には吊り止め具2
が回転可能に設けられ、且つ他方側には受板3が回転可
能に設けられ、しかも吊り木本体1aの他方面部1cと受板
3の一方面部3aが、夫々の対向する表面1f,3cを離間さ
せた状態で接続体6を介して回転可能に接続され、且つ
該接続体6には、弾性体7が外嵌されると共に該弾性体
7が一方面部3aの表面3cと対向する吊り木本体1aの他方
面部1cの表面1fに当接する上方弾性部7aを一方側に有
し、且つ他方側には受板3に穿設された挿通孔3eより大
径で、且つ前記受板3の他方側方向への抜け止めをはか
る下方弾性部7bとからなり、しかも該下方弾性部7b又は
上方弾性部7aの少なくとも何れか一方が、前記接続体6
に複数外嵌されたものである。
【0012】よって、上記構成からなる吊り木によれ
ば、吊り木本体1aの他方面部1cと受板3の一方面部3a
が、夫々の対向する表面1f,3cを離間させた状態で接続
体6を介して回転可能に接続されてなることから、調整
作業を行う場合において、野縁と梁との距離間隔を狭め
るべく吊り木本体1aを回転させた場合であっても、接続
体6が受板3に取付けられた野縁の自重を受けることと
なり、よって弾性体7が受板3を介して圧縮されること
で吊り木本体1a回転時に生じる摩擦抵抗をなくすことが
出来る。
【0013】従って、吊り木本体を左右何れかの方向へ
回転させて吊り木の吊り止め具と受板との距離寸法を調
整する場合であっても、強い腕力を全く必要とすること
なく、誰でも簡単に、野縁の自重がかかった吊り木本体
を回転させて吊り木の吊り止め具と受板との距離寸法、
即ち、吊り木を介して梁から吊り下げられた野縁の梁か
らの吊り下げ寸法を簡単に調整することが出来る利点が
ある。
【0014】更に、接続体6には、弾性体7が外嵌さ
れ、且つ該弾性体7が前記他方面部1cと一方面部3aの間
に位置してなり、しかも該弾性体7が一方面部3aの表面
3cと対向する吊り木本体1aの他方面部1cの表面1fに当接
する上方弾性部7aを一方側に有し、且つ他方側には受板
3に穿設された挿通孔3eより大径で、且つ前記受板3の
他方側方向への抜け止めをはかる下方弾性部7bとからな
り、しかも該下方弾性部7b又は上方弾性部7aの少なくと
も何れか一方が、前記接続体6に複数外嵌されてなるこ
とから、例えば、子供等が飛んだり跳ねたりした場合や
足音、音響、その他の振動等を介して梁4又は野縁5の
何れかに衝撃等が生じた場合であっても、弾性体7を介
して衝撃や振動等を効率良く吸収することが出来るだけ
でなく、接続体6に複数外嵌される弾性体7により吊り
木本体1aの回転を滑らかにすることが出来るという利点
がある。
【0015】又、吊り止め具2に、梁4への仮止め手段
が設けられているため、従来の吊り木1の取付け時のよ
うに、吊り木1の取付け位置にズレが生じないように必
ず一方の手のひら又は指で吊り止め具2又は受板3の一
方を梁4又は野縁5の側面に押し当てながら、同じ手の
指で釘又は木螺子を摘持する必要も一切なく、予め梁4
の所定の取付け位置に仮止め手段を介して簡単に、しか
も瞬時に吊り木1を一旦仮止めした後、一方の手で釘又
は木螺子のみを摘持し、他方の手でかなづちや螺子回し
を把持して個々の吊り木1を梁4及び野縁5に順次取付
けて行くのが可能となり、よって極めて簡単に、しかも
短時間で迅速に、且つ堅固に多数の吊り木1を梁4と野
縁5の夫々に釘又は木螺子を介して取付けることが出来
る施工上の利点を有する。
【0016】更に、弾性体7の上方弾性部7aと下方弾性
部7bが別体に設けられてなる場合には、梁4と野縁5の
夫々に釘又は木螺子を介して取付けられた吊り木1の吊
り木本体1aを左右何れかの方向へ回転させて吊り木1の
吊り止め具2と受板3との距離寸法を調整する場合であ
っても、夫々重合状態で摺動する別体の上方弾性部7a及
び下方弾性部7bを介して吊り木本体1aをよりスムーズに
回転させることが出来る操作上の利点がある。
【0017】又、吊り木本体1aの他方面部1cと受板3の
一方面部3aが、夫々の対向する表面1f,3cを離間させた
状態で接続体6を介して回転可能に接続されてなること
から、吊り木1を構成する吊り止め具2、吊り木本体1a
及び受板3の夫々に何ら特別な寸法違いや形状違い等の
種類を増加させることなく全て一種類のみの吊り止め具
2、吊り木本体1a及び受板3を用いると共に、接続体6
の長さ違いを予め数種類用意しておくだけで、各家屋毎
等によって梁4と野縁5との離間寸法に適用する全長を
備えた吊り木1を、最も適した所定長の接続体6を入れ
替えるだけで極めてリーズナブルな価格で市場供給する
ことが出来るという商品上の利点を有する。
【0018】更に、弾性体7の上方弾性部7a又は下方弾
性部7bの少なくとも何れか一方には、前記受板3の挿通
孔3e内に挿入可能な挿入部7cが設けられてなることか
ら、この場合であっても、夫々重合状態で摺動する別体
の上方弾性部7a及び下方弾性部7bを介して吊り木本体1a
をよりスムーズに回転させることが出来る利点がある
が、吊り木本体1aの回転を介して弾性体7の中芯が位置
ズレ等を引き起こすのを挿通孔3e内に挿入される挿入部
7cを介して確実に防止することが可能となり、よって中
芯が位置ズレした場合によって弾性体7が接続体6の外
面部及び挿通孔3eの内周面部との異状摩擦により変形し
たり、又裂断が発生するのを確実に防止することが出来
る利点がある。
【0019】更に、弾性体7の上方弾性部7aと下方弾性
部7bとの間には、前記受板3の挿通孔3e内に挿入可能な
単体の挿入体7eが設けられてなることから、挿入体7eを
挟持状態として夫々回転する上方弾性部7a及び下方弾性
部7bを介して吊り木本体1aをよりスムーズに回転させる
ことが出来る利点があるが、この場合であっても、吊り
木本体1aの回転を介して弾性体7の中芯が位置ズレ等を
引き起こすのを挿通孔3e内に挿入される挿入体7eを介し
て確実に防止することが可能となり、よって中芯が位置
ズレした場合によって弾性体7が接続体6の外面部及び
挿通孔3eの内周面部との異状摩擦により変形したり、又
裂断が発生するのを確実に防止することが出来る利点が
ある。
【0020】更に、吊り木本体1aには、ドライバー等の
工具16を用いて該吊り木本体1aの回転を容易ならしめる
ための工具係止部15が設けられてなることから、梁4と
野縁5の夫々に釘又は木螺子を介して取付けられた吊り
木1の吊り木本体1aを左右何れかの方向へ回転させて吊
り木1の吊り止め具2と受板3との距離寸法を調整する
場合であっても、従来のように、強い腕力を全く必要と
することなく、誰でも簡単に、野縁5の自重が付加され
た吊り木本体1aを、該吊り木本体1aの工具係止部15に係
止されたドライバー等の工具16を把持して回転させるこ
とで変化した力点、作用点を介して得られた増加力を介
して簡単に回転させて吊り木1の吊り止め具2と受板3
との距離寸法、即ち、吊り木1を介して梁4から吊り下
げられた野縁5の梁4からの吊り下げ寸法を容易に調整
することが出来るという施工上の利点を有する。
【0021】
【発明の実施の形態】<第一実施形態>以下、本発明に
係る吊り木の一実施形態について図面に従って説明す
る。
【0022】図1において、1は吊り木を示すと共に、
1aは所定厚みの板金材を加工することによって側面視略
矩形型C字状に形成された吊り木本体1aを示し、1hは吊
り木本体1aの夫々の側面を90°正面側に立ち上げて形
成した補強把持部を示す。
【0023】2は木造家屋内に組み込まれた梁4の側面
に釘や木螺子(図示せず)を介して取付けられる吊り止
め具を示し、かかる吊り止め具2は前記吊り木本体1aと
同様に、所定厚みの板金材を加工することによって側面
視略L字状に形成され、しかも使用時において、前記梁
4の側面に対して略平行となる一方面部2aの垂直面に
は、前記釘や木螺子を挿通するための所定間隔を有した
一対の段違い貫通孔12が穿設されてなる。
【0024】尚、前記一方面部2aの垂直面を介して水平
状態に位置決めされる他方面部2bの水平面の略中央に
は、該吊り止め具2を前記吊り木本体1aの一方面部1bの
水平面の裏面1e側に溶着された六角ナット11へ螺入可能
なボルト10が、前記吊り止め具2の他方面部2bの裏面2d
から表面2c側へと挿通されて固着されてなる。
【0025】3は前記梁4と共に木造家屋内に組み込ま
れ、且つ天井を形成する部材の一つである野縁5の側面
に釘や木螺子(図示せず)を介して取付けられる受板を
示し、かかる受板3も前記吊り木本体1aと同様に、所定
厚みの板金材を加工することによって側面視略L字状に
形成され、しかも使用時において、前記野縁5の側面に
対して略平行となる他方面部3bの垂直面には、前記吊り
止め具2と同様に、釘や木螺子を挿通するための所定間
隔を有した一対の段違い貫通孔12が穿設され、且つ前記
他方面部3bの垂直面を介して水平状態に位置決めされる
一方面部3aの水平面の略中央には、後述するゴム材から
形成された弾性体7が挿通可能な挿通孔3eが穿設されて
なる。
【0026】尚、上記弾性体7は、図5(イ)に示すよ
うに、前記受板3の一方面部3aに穿設された挿通孔3eに
挿通可能な外径を有すると共に該一方面部3aの表面3cと
対向する前記吊り木本体1aの他方面部1cの表面1fに当接
する当接面を有した円柱状の上方弾性部7aを一方側に有
し、且つ他方側には前記受板3の一方面部3aに穿設され
た挿通孔3eの径より大径で、且つ前記受板3の他方側方
向への抜け止めをはかる円柱状の下方弾性部7bを有して
一体成形されてなり、しかも上方弾性部7aと一体成形さ
れた下方弾性部7bの下方には、上方弾性部7aを有しない
もう一つの下方弾性部7bが重合状態で位置決めされて接
続体6に複数外嵌されてなる。
【0027】6は前記受板3の一方面部3aの挿通孔3eに
挿通された弾性体7を吊り木本体1aの他方面部1cに保持
すべく一端側が吊り木本体1aの他方面部1cに頭部6aが抜
け止め保持されたロット棒状の接続体を示すと共に、該
接続体6は前記弾性体7内に挿通され、しかも該接続体
6の他端には前記弾性体7の他方側方向への離脱を阻止
する離脱阻止手段としての円盤状の弾性体抜け止め具8
が、該接続体6の他端に形成された加締部6bを介して抜
け止め状態で取付けられてなる。
【0028】よって、前記吊り木本体1aの他方面部1cの
表面1fと受板3の一方面部3aの表面3cとは、所定の距離
寸法で離間した状態で接続体6を介して回転可能に接続
されてなる。
【0029】14は梁4の側面に対して略平行となる一方
面部2aの梁4側に位置する垂直面の略全体に貼付された
仮止め手段としての両面テープを示す。
【0030】本発明における吊り木は上記構成からな
り、よって係る構成からなる吊り木によれば、吊り木本
体1aの他方面部1cと受板3の一方面部3aが、夫々の対向
する表面1f,3cを離間させた状態で接続体6を介して回
転可能に接続されてなることから、調整作業を行う場合
において、野縁と梁との距離間隔を狭めるべく吊り木本
体1aを回転させた場合であっても、接続体6が受板3に
取付けられた野縁の自重を受けることとなり、よって弾
性体7が受板3を介して圧縮されることで吊り木本体1a
回転時に生じる摩擦抵抗をなくすことが出来る。
【0031】よって、吊り木本体を左右何れかの方向へ
回転させて吊り木の吊り止め具と受板との距離寸法を調
整する場合であっても、強い腕力を全く必要とすること
なく、誰でも簡単に、野縁の自重がかかった吊り木本体
を回転させて吊り木の吊り止め具と受板との距離寸法、
即ち、吊り木を介して梁から吊り下げられた野縁の梁か
らの吊り下げ寸法を簡単に調整することが出来る利点が
ある。
【0032】更に、接続体6には、弾性体7が外嵌さ
れ、且つ該弾性体7が前記他方面部1cと一方面部3aの間
に位置してなり、しかも該弾性体7が一方面部3aの表面
3cと対向する吊り木本体1aの他方面部1cの表面1fに当接
する上方弾性部7aを一方側に有し、且つ他方側には受板
3に穿設された挿通孔3eより大径で、且つ前記受板3の
他方側方向への抜け止めをはかる下方弾性部7bを有して
一体成形され、しかも該下方弾性部7bの下方には、上方
弾性部7aを有しないもう一つの下方弾性部7bが重合状態
で位置決めされることで、前記接続体6に複数外嵌され
てなることから、例えば、子供等が飛んだり跳ねたりし
た場合や足音、音響、その他の振動等を介して梁4又は
野縁5の何れかに衝撃等が生じた場合であっても、弾性
体7を介して衝撃や振動等を効率良く吸収することが出
来るだけでなく、接続体6に複数外嵌される弾性体7に
より吊り木本体1aの回転を滑らかにすることが出来ると
いう利点がある。
【0033】更に、吊り木本体1aの一方側には梁4へ取
付けられる吊り止め具2が、吊り木本体1aの一方面部1b
の水平面の裏面1e側に溶着された六角ナット11へ螺入可
能なボルト10を介して回転可能に設けられ、且つ吊り木
本体1aの他方側には野縁5に取付けられる受板3が接続
体6を介して回転可能に設けられてなり、しかも前記吊
り止め具2の梁4側に位置する一方面部2aの垂直面に
は、仮止め手段として両面テープ14が貼付された構成か
らなるものである。
【0034】よって、従来の吊り木の取付け時のよう
に、吊り木の取付け位置にズレが生じないように必ず一
方の手のひら又は指で吊り止め具2又は受板3の一方を
梁4又は野縁5の側面に押し当てながら、同じ手の指で
釘又は木螺子を摘持する必要も一切なく、予め梁4の所
定の取付け位置に両面テープ14を介して簡単に、しかも
瞬時に吊り木1を一旦仮止めした後、一方の手で釘又は
木螺子のみを摘持し、他方の手でかなづちや螺子回しを
把持して個々の吊り木1を梁4及び野縁5に順次取付け
て行くのが可能となり、よって極めて簡単に、しかも短
時間で迅速に、且つ堅固に多数の吊り木1を梁4と野縁
5の夫々に釘又は木螺子を介して取付けることが出来る
施工上の利点がある。
【0035】従って、上記の如く釘又は木螺子を介して
梁4と野縁5との間に取付けられた吊り木1は、吊り木
本体1aを把持して左右何れかの方向へ回転(矢印A,
C)させると吊り木1の吊り止め具2と受板3との距離
寸法は伸び縮み(矢印D,B)することとなり、しいて
は吊り木1を介して梁4から吊り下げられた野縁5の梁
4からの吊り下げ寸法を調整することが出来る。
【0036】更に、吊り木本体1aの他方面部1cと受板3
の一方面部3aが、夫々の対向する表面1f,3cを離間させ
た状態で接続体6を介して回転可能に接続されてなるこ
とから、吊り木1を構成する吊り止め具2、吊り木本体
1a及び受板3の夫々に何ら特別な寸法違いや形状違い等
の種類を増加させることなく全て一種類のみの吊り止め
具2、吊り木本体1a及び受板3を用いると共に、接続体
6の長さ違いを予め数種類用意しておくだけで、各家屋
毎等によって梁4と野縁5との離間寸法に適用する全長
を備えた吊り木1を、最も適した所定長の接続体6を入
れ替えるだけで極めてリーズナブルな価格で市場供給す
ることが出来るという商品上の利点を有する。
【0037】更に、弾性体7が一方面部3aの表面3cと対
向する吊り木本体1aの他方面部1cの表面1fに当接する当
接面を有した上方弾性部7aを一方側に有し、且つ他方側
には受板3に穿設された挿通孔3eより大径で、且つ前記
受板3の他方側方向への抜け止めをはかる下方弾性部7b
とからなり、しかも該弾性体7内には、一端側が吊り木
本体1aの他方面部1cに抜け止め保持された接続体6が挿
通されると共に該接続体6の他端には弾性体7の他方側
方向への離脱を阻止する弾性体抜け止め具8が設けられ
てなることから、受板3に穿設された挿通孔3eより弾性
体7の上方弾性部7aを吊り木本体1aの他方面部1cへと挿
通し、その後接続体6を介して吊り木本体1aの他方面部
1cに弾性体7を保持するだけで、受板3を該弾性体7を
介して吊り木本体1aの他方面部1cに取付けることが出
来、よって従来の吊り木と比べて極めて簡単に吊り木の
組み立て作業を行うことが出来るという製造上の利点が
ある。
【0038】<第二実施形態>上記実施形態において、
吊り止め具2の梁4側に位置する一方面部2aの垂直面に
は、仮止め手段として両面テープ14が貼付されてなる
が、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば、
図2に示すように、仮止め手段が吊り止め具2の一方面
部2aの垂直面の上方から下方へかけて梁4と反する方向
に切り起こすと共に、その先端を梁4側へと屈曲させる
ことで該一方面部2aに設けられた梁打ち込み部14a であ
ってもよく、又図3に示すように、仮止め手段が吊り止
め具2の一方面部2aの垂直面の上方を梁4側へと先鋭に
切り起こすことで該一方面部2aに設けられた梁打ち込み
部14a であってもよく、よって何れの場合であっても仮
止め手段に何ら他の部材を用いることなく安価に、しか
も他の部材を用いた仮止め手段を吊り止め具2に取付け
るといった煩雑な作業も一切行う必要もなく、確実に仮
止め手段を吊り止め具2の製造時に該吊り止め具2に一
体的に具備させることが出来るという利点があり、よっ
て作業者は梁4の側面に吊り止め具2の一方面部2aの垂
直面を押し当て、その後かなづち等を介して梁打ち込み
部14a を梁4に打ち込むだけで、瞬時に、しかも確実に
吊り止め具2を梁4に仮止めすることが可能となるが、
要は吊り止め具2に梁4への仮止め手段が設けられてい
れば、仮止め手段の具体的な構造、種類等も決して限定
されないのは言うまでもない。
【0039】<第三実施形態>更に、上記実施形態にお
いて、吊り木本体1aには、該吊り木本体1aの夫々の側面
を90°正面側に立ち上げて形成した補強把持部1hが設
けられてなるが、例えば、かかる補強把持部1hに、図4
(イ),(ロ)で示す如く、吊り木本体1aの回転を容易
ならしめるべくドライバー等の工具16を挿通可能な挿通
孔を工具係止部15として具備させてもよく、この場合に
は、梁4と野縁5の夫々に釘又は木螺子を介して取付け
られた吊り木1の吊り木本体1aを左右何れかの方向へ回
転させて吊り木1の吊り止め具2と受板3との距離寸法
を調整する際において、従来のように、強い腕力を全く
必要とすることなく、誰でも簡単に、野縁5の自重が付
加された吊り木本体1aを、該吊り木本体1aの工具係止部
15に係止されたドライバー等の工具16を把持して回転さ
せることで変化した力点、作用点を介して得られた増加
力を介して簡単に回転させて吊り木1の吊り止め具2と
受板3との距離寸法、即ち、吊り木1を介して梁4から
吊り下げられた野縁5の梁4からの吊り下げ寸法を容易
に調整することが出来るという施工上の利点を付するこ
とが出来る。
【0040】尚、工具係止部15は必ずしも補強把持部1h
にドライバー等の工具16を挿通可能な挿通孔である必要
はなく、例えば、図4(ハ)のように、補強把持部1hの
上方にドライバー等の工具16を上下方向で挿脱可能とす
る凹状部からなる工具係止部15a が設けられていてもよ
く、又同図(ニ)に示すように、補強把持部1hを除く吊
り木本体1aの略中央部にドライバー等の工具16を挿通可
能とする挿通孔からなる工具係止部15であってもよく、
更に、同図(ホ)に示すように、補強把持部1hを除く吊
り木本体1aの略中央部を切り起こすことによってドライ
バー等の工具16を上下方向で挿脱可能とする突起体から
なる工具係止部15a であってもよく、要は吊り木本体1a
に工具16を用いて吊り木本体1aの回転を容易ならしめる
ための工具係止部が設けられていれば、工具係止部の具
体的な構造及び形成箇所も一切限定されるものではな
く、更に使用される工具16も決してドライバーに限定さ
れないのは言うまでもないが、工具16を工具係止部に係
止させて吊り木本体1aを回転させることを考慮すればド
ライバーの如く柄を有した工具16を用いるのが好適であ
る。
【0041】<第四実施形態>更に、上記実施形態にお
いて、弾性体は、図5(イ)に示すように、受板3の一
方面部3aに穿設された挿通孔3eに挿通可能な外径を有す
ると共に該一方面部3aの表面3cと対向する前記吊り木本
体1aの他方面部1cの表面1fに当接する当接面を有した円
柱状の上方弾性部7aを一方側に有し、且つ他方側には前
記受板3の一方面部3aに穿設された挿通孔3eの径より大
径で、且つ前記受板3の他方側方向への抜け止めをはか
る円柱状の下方弾性部7bを有して一体成形されてなり、
しかも上方弾性部7aと一体成形された下方弾性部7bの下
方には、上方弾性部7aを有しないもう一つの下方弾性部
7bが重合状態で位置決めされてなるが、必ずしもこれに
限るものではなく、例えば、図5(ロ)に示すように、
下方弾性部7bと一体成形された上方弾性部7aの上方に、
別の円柱状の上方弾性部7aを重合状態で位置決めして接
続体6に複数外嵌される構成であってもよく、この場合
であっても、弾性体7を介して衝撃や振動等を効率良く
吸収することが出来るだけでなく、接続体6に複数外嵌
される弾性体7により吊り木本体1aの回転を滑らかにす
ることが出来るという利点がある。
【0042】<第五実施形態>尚、上記実施形態におい
て、弾性体7は、円柱状の上方弾性部7aを一方側に有
し、且つ他方側には前記受板3の一方面部3aに穿設され
た挿通孔3eの径より大径で、且つ前記受板3の他方側方
向への抜け止めをはかる円柱状の下方弾性部7bを有して
一体成形され、しかも上方弾性部7aと一体成形された下
方弾性部7bの下方に、上方弾性部7aを有しないもう一つ
の下方弾性部7bを重合状態で位置決めした場合や下方弾
性部7bと一体成形された上方弾性部7aの上方に、別の円
柱状の上方弾性部7aを重合状態で位置決めして接続体6
に複数外嵌する構成について説明したが、例えば、図6
に示すように、弾性体7を別体の上方弾性部7aと下方弾
性部7bとで構成し、且つ少なくとも何れか一方を接続体
6に複数外嵌する構成であってもよい。
【0043】即ち、同図(イ)に示すように、下方弾性
部7bを重合状態で二個(複数)用いる場合、更に、同図
(ロ)に示すように、上方弾性部7a及び下方弾性部7bの
夫々を重合状態で共に二個(複数)用いる夫々の場合
に、上方弾性部7aの下方が挿入部7cとして受板3の挿通
孔3eに挿入される構成であってもよく、この場合には、
梁4と野縁5の夫々に釘又は木螺子を介して取付けられ
た吊り木1の吊り木本体1aを左右何れかの方向へ回転さ
せて吊り木1の吊り止め具2と受板3との距離寸法を調
整する際において、夫々重合状態で摺動する別体の各上
方弾性部7a及び各下方弾性部7bの夫々を介して吊り木本
体1aをより滑らかに、しかもスムーズに回転させること
が出来るという操作上の利点がある。
【0044】尚、上記の如く弾性体7の上方弾性部7aと
下方弾性部7bが別体に設けられ、しかも少なくとも何れ
か一方が接続体6に複数外嵌される場合において、例え
ば、図7(イ)に示すように、上方弾性部7aを重合状態
で二個(複数)用いる場合に限らず、同図(ロ)のよう
に、上方弾性部7a及び下方弾性部7bの夫々を重合状態で
共に二個(複数)用いる夫々の場合や、図8(イ)に示
すように、下方弾性部7bを重合状態で二個(複数)用い
たり、又、同図(ロ)のように、上方弾性部7a及び下方
弾性部7bの夫々を重合状態で共に二個(複数)用いる場
合等において、弾性体7の上方弾性部7a又は下方弾性部
7bの少なくとも何れか一方に、上方弾性部7a又は下方弾
性部7bの外径より小径の挿入部7cを形成して受板3の挿
通孔3e内に挿入する構成であってもよい。
【0045】よって、上記の如く受板3の挿通孔3e内に
挿入部7cを挿入した場合には、夫々重合状態で摺動する
別体の上方弾性部7a及び下方弾性部7bを介して吊り木本
体1aをよりスムーズに回転させることが出来る利点があ
るが、吊り木本体1aの回転を介して弾性体7の中芯が位
置ズレ等を引き起こすのを挿通孔3e内に挿入される挿入
部7cを介して確実に防止することが可能となり、よって
中芯が位置ズレした場合によって弾性体7が接続体6の
外面部及び挿通孔3eの内周面部との異状摩擦により変形
したり、又裂断が発生するのを確実に防止することが出
来るという利点がある。
【0046】更に、上記の如く受板3の挿通孔3e内に挿
入部7cを挿入する場合に限らず、例えば、図9(イ)に
示すように、下方弾性部7bを重合状態で二個(複数)用
いる場合に限らず、同図(ロ)のように、上方弾性部7a
を重合状態で二個(複数)用いる場合等において、受板
3の挿通孔3e内、即ち、弾性体7の上方弾性部7aと下方
弾性部7bとの間に、前記受板3の挿通孔3e内に挿入可能
な単体の挿入体7eを設けてもよく、この場合には、挿入
体7eを挟持状態として夫々回転する上方弾性部7a及び下
方弾性部7bを介して吊り木本体1aをよりスムーズに回転
させることが出来る利点があるが、この場合であって
も、吊り木本体1aの回転を介して弾性体7の中芯が位置
ズレ等を引き起こすのを挿通孔3e内に挿入される挿入体
7eを介して確実に防止することが可能となり、よって中
芯が位置ズレした場合によって弾性体7が接続体6の外
面部及び挿通孔3eの内周面部との異状摩擦により変形し
たり、又裂断が発生するのを確実に防止することが出来
る利点がある。
【0047】<第六実施形態>更に、上記実施形態で
は、吊り木本体1aの一方側に回転可能に設けられた吊り
止め具2に仮止め手段を設けた場合と吊り木本体1aに工
具係止部15を設けた場合について夫々説明したが、必ず
しも仮止め手段と工具係止部15が夫々別々に吊り木に具
備される必要はなく、例えば、図10(イ)に示すよう
に、吊り止め具2に、梁4への仮止め手段が設けられ、
且つ前記吊り木本体1aに、ドライバー等の工具16を用い
て該吊り木本体1aの回転を容易ならしめるための工具係
止部15が共に設けられた構成であってもよい。
【0048】従って、仮止め手段と工具係止部15が一つ
の吊り木1に設けられた場合には、予め梁4の所定の取
付け位置に仮止め手段を介して簡単に、しかも瞬時に吊
り木1を一旦仮止めした後、一方の手で釘又は木螺子の
みを摘持し、他方の手でかなづちや螺子回しを把持して
個々の吊り木1を梁4及び野縁5に順次取付けて行くの
が可能となり、よって極めて簡単に、しかも短時間で迅
速に、且つ堅固に多数の吊り木1を梁4と野縁5の夫々
に釘又は木螺子を介して取付けることが出来ると共に、
強い腕力を全く必要とすることなく、誰でも簡単に、野
縁5の自重が付加された吊り木本体1aを、該吊り木本体
1aの工具係止部15に係止されたドライバー等の工具16を
把持して回転させることで変化した力点、作用点を介し
て得られた増加力を介して簡単に回転させて吊り木1の
吊り止め具2と受板3との距離寸法、即ち、吊り木1を
介して梁4から吊り下げられた野縁5の梁4からの吊り
下げ寸法を容易に調整することが出来るという利点の夫
々を一つの吊り木に具備して顧客に提供することが出来
るという商品上の利点を有する。
【0049】尚、上記実施形態において、吊り止め具2
の他方面部2bの水平面の略中央には、該吊り止め具2を
前記吊り木本体1aの一方面部1bの水平面の裏面1e側に溶
着された六角ナット11へ螺入可能なボルト10が、前記吊
り止め具2の他方面部2bの裏面2dから表面2c側へと挿通
されて固着されてなるが、必ずしもこれに限定されるも
のではなく、例えば、図10(ロ)に示すように、吊り
止め具2の他方面部2bの水平面の略中央に六角ナット17
が固着され、且つ吊り木本体1aの一方面部1bの水平面に
ボルト10が取付けられると共に前記六角ナット17がボル
ト10に螺着されることで吊り木本体1aの一方側に吊り止
め具2が回転可能に設けられてもよく、この場合であっ
ても吊り木本体1aを回転させて吊り止め具2と受板3と
の距離寸法を調整することが出来る。
【0050】更に、吊り止め具2の他方面部2bの水平面
又は吊り木本体1aの一方面部1bの水平面の一方には必ず
六角ナット17が設けられた場合について説明したが、要
は吊り止め具2又は吊り木本体1aの一方に設けられたボ
ルト10に螺着可能であれば、吊り止め具2の他方面部2b
の水平面又は吊り木本体1aの一方面部1bの水平面の一方
にバーリングやカーリングを介して雌螺子が形成された
場合であってもよい。
【0051】更に、図6(ハ)及び(ニ)に示すよう
に、必ずしも吊り木本体1aが、側面視略矩形型C字状に
形成される必要はなく、生産性のみならず施工時の作業
性を考慮すれば側面視略コの字状に形成されていてもよ
い。
【0052】更に、吊り木本体1aに設けられた補強把持
部1hの有無も決して限定されないのは言うまでもない
が、吊り木本体1aは作業者が把持又は工具16を用いて回
転させるものであり、よって吊り木本体1aが板金材を用
いて形成されてなる場合において、回転負荷時の強度面
を考慮すれば補強把持部1hを有しているのが好ましい。
【0053】更に、上記実施形態において、下方弾性部
7b又は上方弾性部7aの少なくとも何れか一方が、接続体
6に複数外嵌されて吊り木本体1aの他方面部1cと受板3
の一方面部3aの間に位置することから、例えば、子供等
が飛んだり跳ねたりした場合や足音、音響、その他の振
動等が梁4又は野縁5の何れかに衝撃等が生じた場合で
あっても、弾性体7を介して衝撃や振動等を効率良く吸
収することが出来る利点がある。
【0054】更に、上記実施形態において、吊り木本体
1aは、所定厚みの板金材を加工することによって側面視
略矩形型C字状に形成され、しかも吊り止め具2及び受
板3も所定厚みの板金材を加工することによって側面視
略L字状に形成されてなるが、必ずしもこれに限定され
ないのは言うまでもなく、例えば、吊り木本体1a、吊り
止め具2及び受板3の夫々が、O字状、矩形状、その他
多角形状等に形成されていてもよく、更に材質も決して
板金材に限らず、硬質樹脂、ダイキャスト等であっても
よいが、製造コスト面や生産性を考慮すれば板金材を所
定の形状に切断又は折曲等して用いるのが最も好まし
い。
【0055】更に、上記実施形態において、吊り止め具
2及び受板3の夫々には、釘や木螺子を挿通するための
所定間隔を有した一対の段違い貫通孔12が穿設されてな
るが、要は吊り止め具2及び受板3を梁4及び野縁5に
釘や木螺子を介して取付け可能であれば、貫通孔12の大
きさ、形状、数量、穿設箇所等も決して限定されないの
は言うまでもない。
【0056】更に、上記実施形態において、上方弾性部
7a及び下方弾性部7bを備えた弾性体7はゴム材から形成
されてなるが、要は吊り木本体1aの他方面部1cと受板3
の一方面部3aの間に位置することで、梁4又は野縁5の
何れかに衝撃や振動等が生じた場合であっても、衝撃や
振動等を効率良く吸収可能であれば、天然ゴム、合成ゴ
ム、その他樹脂材の何れであってもよい。尚、例えば弾
性体7がコイルバネ、板バネ、皿バネ等から形成されて
いてもよく、この場合であっても、梁4又は野縁5の何
れかに衝撃や振動等が生じた場合に効率良く衝撃や振動
等を吸収可能である。
【0057】更に、上記実施形態において、接続体6の
他端には前記弾性体7の他方側方向への離脱を阻止する
離脱阻止手段としての円盤状の弾性体抜け止め具8が、
該接続体6の他端に形成された加締部6bを介して抜け止
め状態で取付けられてなるが、必ずしも離脱阻止手段
が、弾性体抜け止め具8が加締部6bを介して接続体6の
他端に抜け止め状態で取付けられる構成である必要はな
く、例えば、弾性体抜け止め具8が接続体6の他端に雄
螺子を介して抜け止め状態で取付けられてもよく、又弾
性体抜け止め具8が接続体6の他端に溶接や接着によっ
て取付けられてもよく、要は、接続体6の他端に、弾性
体7の他方側方向への離脱を阻止する離脱阻止手段が設
けられていれば、離脱阻止手段の具体的な構造等も決し
て限定されないのは言うまでもない。
【0058】
【発明の効果】叙上のように、本発明は、吊り木本体の
一方側には吊り止め具が回転可能に設けられ、且つ他方
側には受板が回転可能に設けられ、しかも吊り木本体の
他方面部と受板の一方面部が、夫々の対向する表面を離
間させた状態で接続体を介して回転可能に接続され、且
つ該接続体には弾性体が外嵌されると共に該弾性体が一
方面部の表面と対向する吊り木本体の他方面部の表面に
当接する上方弾性部を一方側に有し、且つ他方側には受
板に穿設された挿通孔より大径で、且つ前記受板の他方
側方向への抜け止めをはかる下方弾性部とからなり、し
かも該下方弾性部又は上方弾性部の少なくとも何れか一
方が、前記接続体に複数外嵌されたものである。
【0059】従って、係る吊り木によれば、調整作業を
行う場合において、野縁と梁との距離間隔を狭めるべく
吊り木本体を回転させた場合であっても、接続体が受板
に取付けられた野縁の自重を受けることとなり、よって
弾性体が受板を介して圧縮されることで吊り木本体の回
転時に生じる摩擦抵抗をなくすことが可能となり、しい
ては、吊り木本体を左右何れかの方向へ回転させて吊り
木の吊り止め具と受板との距離寸法を調整する場合であ
っても、強い腕力を全く必要とすることなく、誰でも簡
単に、野縁の自重がかかった吊り木本体を回転させて吊
り木の吊り止め具と受板との距離寸法、即ち、吊り木を
介して梁から吊り下げられた野縁の梁からの吊り下げ寸
法を簡単に調整することが出来るという効果を奏する。
【0060】更に、接続体には、弾性体が外嵌され、且
つ該弾性体が前記他方面部と一方面部の間に位置してな
り、しかも該弾性体が一方面部の表面と対向する吊り木
本体の他方面部の表面に当接する上方弾性部を一方側に
有し、且つ他方側には受板に穿設された挿通孔より大径
で、且つ前記受板の他方側方向への抜け止めをはかる下
方弾性部とからなり、しかも該下方弾性部又は上方弾性
部の少なくとも何れか一方が、前記接続体に複数外嵌さ
れてなることから、例えば、子供等が飛んだり跳ねたり
した場合や、足音、音響、その他の振動等を介して梁又
は野縁の何れかに衝撃等が生じた場合であっても、弾性
体を介して衝撃や振動等を効率良く吸収することが出来
るだけでなく、接続体に複数外嵌される弾性体により吊
り木本体の回転を滑らかにすることが出来る効果をも有
し、しかも弾性体の上方弾性部と下方弾性部が別体に設
けられてなる場合には、梁と野縁の夫々に釘又は木螺子
を介して取付けられた吊り木の吊り木本体を左右何れか
の方向へ回転させて吊り木の吊り止め具と受板との距離
寸法を調整する場合であっても、夫々重合状態で摺動す
る別体の上方弾性部及び下方弾性部を介して吊り木本体
をよりスムーズに回転させることが出来る操作上の格別
な効果を奏する。
【0061】更に、吊り木本体の一方側に梁へ取付けら
れる吊り止め具が、且つ他方側に野縁に取付けられる受
板が夫々回転可能に設けられ、しかも吊り木本体に、ド
ライバー等の工具を用いて該吊り木本体の回転を容易な
らしめるための工具係止部が設けられてなる場合には、
梁と野縁の夫々に釘又は木螺子を介して取付けられた吊
り木の吊り木本体を左右何れかの方向へ回転させて吊り
木の吊り止め具と受板との距離寸法を調整する場合であ
っても、従来のように、強い腕力を全く必要とすること
なく、誰でも簡単に、野縁の自重が付加された吊り木本
体を、該吊り木本体の工具係止部に係止されたドライバ
ー等の工具を把持して回転させることで変化した力点、
作用点を介して得られた増加力を介して簡単に回転させ
て吊り木の吊り止め具と受板との距離寸法、即ち、吊り
木を介して梁から吊り下げられた野縁の梁からの吊り下
げ寸法を容易に調整することが出来るという施工上の効
果がある
【0062】従って、極めて簡単に、しかも短時間で迅
速に、且つ堅固に多数の吊り木を梁と野縁の夫々に釘又
は木螺子を介して取付けることが出来るだけでなく、例
え、吊り木の吊り木本体を左右何れかの方向へ回転させ
て吊り木の吊り止め具と受板との距離寸法を調整する場
合であっても、強い腕力を全く必要とすることなく、誰
でも簡単に、野縁の自重がかかった吊り木本体を回転さ
せて吊り木の吊り止め具と受板との距離寸法、即ち、吊
り木を介して梁から吊り下げられた野縁の梁からの吊り
下げ寸法を調整することが出来るという極めて優れた吊
り木を提供することが出来るという効果がある。
【0063】更に、吊り木本体の一方側には梁へ取付け
られる吊り止め具が、又他方側には野縁に取付けられる
受板が夫々回転可能に設けられ、しかも吊り止め具に
は、梁への仮止め手段が設けられてなることから、従来
の吊り木の取付け時のように、吊り木の取付け位置にズ
レが生じないように必ず一方の手のひら又は指で吊り止
め具又は受板の一方を梁又は野縁の側面に押し当てなが
ら、同じ手の指で釘又は木螺子を摘持する必要も一切な
く、予め梁の所定の取付け位置に仮止め手段を介して簡
単に、しかも瞬時に吊り木を一旦仮止めした後、一方の
手で釘又は木螺子のみを摘持し、他方の手でかなづちや
螺子回しを把持して個々の吊り木を梁及び野縁に順次取
付けて行くのが可能となる。
【0064】よって、極めて簡単に、しかも短時間で迅
速に、且つ堅固に多数の吊り木を梁と野縁の夫々に釘又
は木螺子を介して取付けることが出来るという今までに
全く存在し得ない施工上の効果を有するに至った。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における吊り木の一実施形態を示し、
(イ)は正面図、(ロ)は側面図、(ハ)は背面図。
【図2】吊り木の吊り止め具に設けられる仮止め手段の
他の実施形態を示し、(イ)は要部拡大側面図、(ロ)
は平面図、(ハ)は要部拡大背面図。
【図3】吊り木の吊り止め具に設けられる仮止め手段の
他の実施形態を示し、(イ)は要部拡大側面図、(ロ)
は平面図、(ハ)は要部拡大背面図。
【図4】吊り木の吊り木本体に設けられる工具係止部の
他の実施形態を示し、(イ)は要部拡大側面図、(ロ)
は(イ)の要部拡大背面図、(ハ),(ニ),(ホ)は
吊り木本体の要部拡大側面図。
【図5】弾性体の他の実施形態を示し、(イ),(ロ)
は受板近傍の要部拡大側面図。
【図6】弾性体の他の実施形態を示し、(イ),(ロ)
は受板近傍の要部拡大側面図。
【図7】弾性体の他の実施形態を示し、(イ),(ロ)
は受板近傍の要部拡大側面図。
【図8】弾性体の他の実施形態を示し、(イ),(ロ)
は受板近傍の要部拡大側面図。
【図9】弾性体の他の実施形態を示し、(イ),(ロ)
は受板近傍の要部拡大側面図。
【図10】本発明における吊り木の他の実施形態を示
し、(イ),(ロ),(ハ),(ニ)は側面図。
【符号の説明】
1…吊り木 1a…吊り木本体 2…吊り止め具 2a…一方面部 2b…他方面部 3…受板 3a…一方面部 3b…他方面部 4…梁 5…野縁 6…接続体 7…弾性体 7a…上方弾性部 7b…下方弾性部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−208535(JP,A) 実開 平6−20652(JP,U) 実開 昭51−75018(JP,U) 実開 昭49−108205(JP,U) 実公 平5−23693(JP,Y2)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吊り木本体(1a)の一方側には梁(4) へ取
    付けられる吊り止め具(2) が回転可能に設けられ、且つ
    該吊り木本体(1a)の他方側には野縁(5) に取付けられる
    受板(3) が回転可能に設けられてなり、しかも吊り木本
    体(1a)の他方面部(1c)と受板(3) の一方面部(3a)が、夫
    々の対向する表面(1f),(3c)を離間させた状態で接続体
    (6) を介して回転可能に接続されると共に該接続体(6)
    には、弾性体(7) が外嵌され、且つ該弾性体(7) が一方
    面部(3a)の表面(3c)と対向する吊り木本体(1a)の他方面
    部(1c)の表面(1f)に当接する上方弾性部(7a)を一方側に
    有し、且つ他方側には受板(3) に穿設された挿通孔(3e)
    より大径で、且つ前記受板(3) の他方側方向への抜け止
    めをはかる下方弾性部(7b)とからなり、しかも該下方弾
    性部(7b)又は上方弾性部(7a)の少なくとも何れか一方
    が、前記接続体(6) に複数外嵌されてなり、前記吊り止
    め具(2) には、梁(4)への仮止め手段が設けられ、該仮
    止め手段は、吊り止め具(2)の垂直面を切り起すことで
    得られた梁打ち込み部(14a)によって形成されてなるこ
    とを特徴とする吊り木。
  2. 【請求項2】 前記弾性体(7) の上方弾性部(7a)と下方
    弾性部(7b)が別体に設けられてなることを特徴とする請
    求項1記載の吊り木。
  3. 【請求項3】 前記弾性体(7) の上方弾性部(7a)又は下
    方弾性部(7b)の少なくとも何れか一方には、前記受板
    (3) の挿通孔(3e)内に挿入可能な挿入部(7c)が設けられ
    てなることを特徴とする請求項2記載の吊り木。
  4. 【請求項4】 前記弾性体(7) の上方弾性部(7a)と下方
    弾性部(7b)との間には、前記受板(3) の挿通孔(3e)内に
    挿入可能な単体の挿入体(7e)が設けられてなることを特
    徴とする請求項2記載の吊り木。
  5. 【請求項5】 前記吊り木本体(1a)には、ドライバー等
    の工具(16)を用いて該吊り木本体(1a)の回転を容易なら
    しめるための工具係止部(15)が設けられてなることを特
    徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の吊り木。
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CN102390512A (zh) * 2011-09-28 2012-03-28 张晓荣 一种弹性吊架

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