JP5322752B2 - 配線・配管材用吊具 - Google Patents

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Description

本発明は、建物の合成スラブ等を形成するデッキプレートの凹部空間内に取着され、天井裏空間に配線、配管されるケーブル、電線管、送水管等の配線・配管材を吊持する配線・配管材用吊具に関するものである。
建物の床スラブの形成においては、型枠の取外し作業を省略して施工の省力化、工期の短縮を図るべく、デッキプレートが使用されている。デッキプレートは強度を保持するために波付形状に形成された広幅帯鋼であり、これを鉄骨梁等の上に多数並べて配置された後、その上面にコンクリートが打設することにより、合成構造の床スラブを形成することができる。このような合成スラブの下面を形成するデッキプレートの凹部空間にはその両側壁に形成された補剛溝や段部を利用して吊具が取着され、この吊具には吊り天井の野縁などが吊持されており、また、ケーブル、電線管、送水管等の配線・配管材などが吊持されることもある。
図20はこの種の吊具を示す。図20において、吊具51は吊りボルト52が螺挿されるボルト螺挿部53と、ボルト螺挿部53から両側に斜め下方に向けて延設された一対の翼部54,54とで構成されている。一対の翼部54,54は取着時に両先端がデッキプレート31の両側壁に長手方向に沿って形成された補剛溝39内に嵌入係止される大きさに形成されている。この吊具51をデッキプレート31に取着するには、まず、両翼部54をデッキプレート31の凹部空間36内に強制的に押し入れ、両先端を補剛溝39内に嵌入係止させる。次いで、吊りボルト52を螺挿させてその上先端部を凹部空間36の天壁37に当接させ、更に螺挿を継続する。すると、翼部54におけるボルト螺挿部53側の端部は図20の下方に押し下げられるため、翼部54は、他端部である先端がデッキプレート31の補剛溝39の側壁面に強く押付けられ、突張り状態となる。これにより、吊具51は強固にデッキプレート31の凹部空間36内に取着される。
この種の吊具に関しては、実開平6−37417号公報に記載の吊りボルト係着金具や実開平6−82227号公報に記載のデッキプレート用天井吊り金具等、各種の技術が開示されている。
実開平6−37417号公報 実開平6−82227号公報
しかし、前記公報を含め、この種の吊具は、いずれも、デッキプレート31の凹部空間36内に嵌入した後、吊りボルト52を螺挿して両翼部54の先端をデッキプレート31の両側壁の補剛溝39や段部に押付け突張らせることによりデッキプレート31に取着している。このため、デッキプレート31に取着するには吊りボルト52を螺挿しなければならないから、面倒で手間のかかる作業となっていた。また、通常、デッキプレート31には多数の吊具が取着されるから、全ての取着作業には多大な時間を要した。更に、吊りボルト52が必要であるため、部品数が増え、構成が複雑化するとともにコスト高ともなっていた。
また、天井裏空間において、吊り天井の野縁等でなく、床スラブ面に沿って布設される配線・配管材を所定間隔毎に吊持する場合は、吊具51をデッキプレート31に取着してからでないと配線・配管材を吊持することはできなかった。即ち、先に吊具51の吊りボルト52の下端部に取付具を介して配線・配管材を水平姿勢に保持させてから吊りボルト52を回転し螺挿しようとしても、これに保持されている配線・配管材も共に吊りボルト52を軸に水平方向に回転することになるから、後から吊りボルト52を螺挿することはできない。したがって、先に吊具51をデッキプレート31に取着してから吊りボルト52の下端部に配線・配管材を吊持することが必要である。その結果、作業手順が制約されるとともに、デッキプレート31に取着した吊具51に配線・配管材を保持させる作業も天井裏の高所で行なわなければならないから、作業性が低下したり危険性も伴うこともある。
そこで、本発明は、天井裏空間等において布設される配線・配管材を吊持するものにおいて、デッキプレートに簡単に取着でき、簡易な構成で安価に形成できるとともに、配線・配管材を保持した状態でもデッキプレートに取着できる配線・配管材用吊具の提供を課題とするものである。
請求項1の配線・配管材用吊具は、デッキプレートに形成された、天壁と該天壁の両端から連続する両側壁と該両側壁の先端間に設けられた開口とが長手方向に連続する凹部空間内に取着されるものであって、前記デッキプレートの凹部空間の両側壁に長手方向に連続する凹条部または凸条部により形成された対向する一対の段部に係止する、前記開口の幅より大きく離間して位置する一対の係止部と、該一対の係止部を前記開口の幅より小さく近接させる弾性変形部と、前記天壁に当接する当接部と、を有する本体部を備え、前記本体部には、配線・配管材を直接または別体の吊持部材を介して吊持する吊持部が設けられている。加えて、前記本体部は、帯板状に形成され、長さ方向の略中央に前記吊持部が設けられているとともに、該吊持部の両側に、前記係止部を先端側に備えた前記弾性変形部が設けられ、前記弾性変形部は、係止部側が吊持部側よりも弾性変形し易く設けられている。更に、前記本体部は、前記両係止部を相対的に近接するように前記弾性変形部を変形させて前記デッキプレートの開口から嵌入するとともに、前記弾性変形部の弾性復帰力により前記デッキプレートの段部に前記両係止部を係止させることで、前記当接部を前記天壁に当接または略当接させるようにして前記凹部空間内に取着可能となっている。そして、前記当接部は、前記天壁に当接することで、前記吊具の揺動または前記デッキプレートの長手方向への傾動により前記両係止部の前記段部への係止状態が解除されて前記吊具が該デッキプレートから離脱するのを防止するものである。
前記吊具は、弾性変形部が有する弾性復帰力により両係止部をデッキプレートの両段部に圧接させ突張らせて横架取着されるから、弾性変形部を弾性変形させつつ本体部をデッキプレートの開口から強制的に嵌入させるだけで取着することができる。
その一方、両係止部をデッキプレートの両段部に圧接係止させ、本体部を段部間に横架させているから、デッキプレートへの取着の際にまたは取着後において、吊具が揺動し、即ち、吊持された配線・配管材の突き上げによって吊具が凹部空間への嵌入方向に往復移動或いは振動したり、吊具がデッキプレートの長手方向に傾動し、即ち、吊具が両係止部を結ぶ直線を軸としてデッキプレートの長手方向に回動して傾斜すると、デッキプレートの段部に対する係止部の係止状態が解除され、吊具がデッキプレートから離脱し、脱落してしまうことがある。
このため、請求項1の吊具は、特に、この係止部の係止状態が解除されて吊具が離脱するのを防止すべく当接部を設けている。具体的には、例えば本体部の端縁部等により形成された当接部がデッキプレートの天壁に当接することにより前記揺動及び傾動を阻止するようになっている。
ここで、当接部はデッキプレートの天壁に当接することにより吊具の揺動及び傾動を防止するものであるが、その当接部による当接は離脱しない程度に僅かに揺動または傾動してからデッキプレートの天壁に当接する場合を含む。即ち、当接部は、吊具がデッキプレートの凹部空間に嵌入された時点においては天壁から僅かに離間しているが、吊具が僅かに天壁方向等に揺動したりデッキプレートの長手方向に僅かに傾動したときに天壁に当接してそれ以上の揺動及び傾動を阻止する場合を含む。請求項における略当接とは、当接部がこのように当初はデッキプレートの天壁に近接した状態にあるものの、吊具の揺動または傾動に伴ってデッキプレートの天壁に当接することを意味する。
また、請求項1の吊具は、比較的軽量な配線・配管材を適宜間隔をおいて吊持するものに適用されるから、弾性変形部の弾性復帰力によって両係止部がデッキプレートの両段部に圧接され本体部が両段部間に横架された取着状態において、吊具が配線・配管材及び自身の荷重によってデッキプレートから離脱し脱落することはない。
請求項2の配線・配管材用吊具は、本体部が、両端側の係止部がデッキプレートの段部に係止した状態で略中央が天壁に当接または略当接するアーチ状に配置可能な長さを有している。
請求項3の配線・配管材用吊具は、弾性変形部が、略弧状に湾曲形成されている。ここで、本体部は、当然であるが、配線・配管材を吊持するものであるから、吊持側とは反対側が凸となる弧状に形成される。
請求項4の配線・配管材用吊具は、弾性変形部が、本体部の全体に渡って設けられている。
請求項5の配線・配管材用吊具は、係止部が、略弧状に湾曲形成された弾性変形部の先端を、該弾性変形部の弧の凸側方向に折曲形成させて設けられている。即ち、係止部はデッキプレートの両側壁の段部に嵌入する方向に折曲形成されている。本体部が弧状に形成されていると、その両先端に形成された係止部はデッキプレートの両側壁面に沿うような方向に延出し、両側壁の段部との係止が不十分となるおそれがあるので、それを防止するためである。
請求項6の配線・配管材用吊具は、吊持部が、別体の紐状体からなる吊持部材が取付けられてなる。ここで、紐状体には、所定幅のバンド体等も含まれる。これにより、配線・配管材は紐状体を結束して吊持される。
請求項7の配線・配管材用吊具は、本体部の略全体が、デッキプレートの凹部空間内に入り込み、吊持部が、前記凹部空間外で配線・配管材を吊持可能な長さに設けられている。
請求項1の発明は、弾性復帰力により両係止部をデッキプレートの両段部に圧接させ本体部を突張らせて取着する構成となっているから、弾性変形部を弾性変形させつつデッキプレートの開口から強制的に押し込んで凹部空間内に嵌入させるだけで簡単にデッキプレートに取着することができる。
そして、特に、本体部に当接部を備えているので、吊具が上記のように弾性復帰力により両係止部がデッキプレートの両端部に圧接されるだけで取着される簡易な構成のものであるにも拘わらず、吊持されている配線・配管材の揺れ等によって吊具が揺動したりデッキプレートの長手方向に傾動したりして係止部の係止状態が解除され吊具が離脱するのを簡易な構成で確実に防止することができ、吊具を安定してデッキプレートに取着し保持させることができる。
更に、本体部の長さ方向の略中央に吊持部が設けられ、該吊持部の両側に、係止部を先端側に備えた弾性変形部が設けられているので、バランスの良い均等な吊持状態を得ることができる。
加えて、弾性変形部の係止部側が吊持部側よりも弾性変形し易く設けられているので、デッキプレートの段部に弾性的に係止させる必要のある係止部側においては所要の弾性復帰力を確保することができる。反面、吊持部側は係止部側より剛性が大きく、配線・配管材の揺動や引張りによる力によって弾性変形が生じにくいため、前記力が係止部側に伝わりにくく、したがって、係合が解除される方向への弾性変形を抑えることができ、デッキプレートからの離脱をより確実に防止できる。
また、従来の吊具のような吊りボルトを用いることなく取着できるので、構成が簡易であり、安価に製造できる。更に、吊具は回転させたりすることなくそのままの姿勢でデッキプレートの開口から単に強制的に押し込むだけで凹部空間内に取着できるから、吊持部材に配線・配管材を保持した状態でも取着することができ、天井に近い高所に登ることなく吊持部材に配線・配管材を保持させることもできる。それにより、配線・配管材を吊持部材に取付ける作業性が向上し、また、その作業を安全に行なうことができる。
請求項2の発明は、本体部をアーチ状に配置して左右対称構造とすることにより、請求項1と同様に、バランスの良い均等な吊持状態を得ることができる。
請求項3及び請求項4の発明は、弾性変形部が弧状に形成されているので、弾性変形部を弾性的に更に湾曲させるだけで所要の弾性復帰力を得ることができ、デッキプレートの開口から嵌入させるだけの操作でかつ簡易な構成で両係止部をデッキプレートの段部の側壁面に圧接させ吊具を保持させることができる。
請求項5の発明は、係止部が、弾性変形部の先端を、該弾性変形部の弧の凸側方向に折曲形成させて設けられているので、両係止部をデッキプレートの両側壁の段部の奥方に当接させて確実に係止させることができる。
請求項6の発明は、吊持部が、別体の紐状体からなる吊持部材が取付けられてなるので、吊持されている配線・配管材に引張り力等の外力が加わってもその力は吊持部材である紐状体が吸収するから、本体部まで伝搬することがない。このため、前記力によって本体部が変形するのが防止され、本体部の変形によって係止部がデッキプレートの段部から離脱してしまうのを防止することができる。
請求項7の発明は、本体部の略全体がデッキプレートの凹部空間内に入り込むので、本体部が外部物体との接触によってデッキプレートから離脱するのを抑えることができる。また、吊持部が凹部空間外で配線・配管材を吊持可能な長さに設けられているので、凹部空間外の広いスペースにおいて配線・配管材の結束作業を円滑かつ楽に行なうことができる。
本発明の実施形態の配線・配管材用吊具を示す斜視図である。 図1の吊具の本体部を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図である。 図1の吊具が取着されるデッキプレートを示す正面図である。 図3のデッキプレートを用いて形成された合成スラブの斜視図である。 図1の吊具をデッキプレートに取着する手順を示す正面図である。 図1の吊具をデッキプレートに取着した後の状態を斜め下方から見た斜視図である。 図1の複数の吊具を使用してケーブルを吊持した状態を示す正面図である。 ケーブルを吊持した図1の吊具に加わる外力の釣合を示す正面図である。 図1の吊具の当接部がデッキプレートの天壁と当接する状態を示す側面図である。 図1の係止部の変形例を示す斜視図である。 図10の吊具をデッキプレートに取着した状態を示す断面図である。 図1の本体部の変形例を示す正面図である。 図1と別の本体部を示す正面図である。 図1と更に別の本体部を示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。 図1と更に別の本体部を示す平面図である。 図1の本体部の別の変形例を示す正面図である。 図1の吊持部の変形例を示す斜視図である。 図17の吊具をデッキプレートに取着し、換気パイプを吊持した状態を示す断面図である。 図1と別の吊具を示す正面図である。 従来の吊具を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態の配線・配管材用吊具を図に基づいて説明する。ここで、図1及び図2は前記吊具を示し、図3及び図4は前記吊具が取着されるデッキプレートを示す。
図1及び図2において、吊具1は、図3及び図4に示す建物の合成スラブ等を構成する波付形状の広幅帯鋼からなるデッキプレート31の凹部空間36に取着され、天井裏に布設される配線・配管材を吊持し保持するものである。吊具1の主体をなす本体部2は、円弧状の帯板で形成され、長さ方向の中央に設けられた吊持部3と、該吊持部3の両側に設けられた弾性変形部4と、該弾性変形部4の先端側に形成され、デッキプレート31の凹部空間36の両側壁38の一対の段部38c,38cに係止する一対の係止部5,5と、デッキプレート31の天壁37に当接する当接部6とを有している。前記吊持部3は別体の吊持部材であるバインド線21を介して配線・配管材としてのケーブルCを吊持するようになっている。前記弾性変形部4は一対の係止部5,5をデッキプレート31の開口35の幅より小さい間隔まで近接させる変形能力を有している。前記当接部6は吊具1が揺動したりデッキプレート31の長手方向に傾動することにより係止部5の係止状態が解除されて本体部2がデッキプレート31から離脱するのを防止すべくデッキプレート31の天壁37に当接する。
したがって、吊具1の本体部2は、デッキプレート31の開口35からデッキプレート31の凹部空間36内に強制的に嵌入された後、弾性変形部4の弾性復帰力により両係止部5がデッキプレート31の段部38cに圧接されるようになっている。また、本体部2は、デッキプレート31の凹部空間36内に嵌入された後、中央部が、図8等に示すように、デッキプレート31の天壁37に当接または略当接した状態で横架されるようになっている。以下、各構成部材について詳細に説明する。
まず、前記本体部2は、ステンレス等を使用したバネ鋼材で一定幅の帯板状に形成され、左右対称をなし、全体が略円弧状に形成され、弾性変形可能となっている。そして、図8に示すように、長手方向の端部間の平面投影寸法L1は、デッキプレート31の開口35の幅寸法L2より大きく形成されており、外方から両端部を弾性的に圧縮して端部間の平面投影寸法L1を縮小させつつ強制的にデッキプレート31の開口35から凹部空間36内に嵌入させ、先端の係止部5をデッキプレート31の段部38cに係止させることができるようになっている。つまりは、本体部2は、両端側の係止部5がデッキプレート31の段部38cに係止した状態で中央が天壁37に当接または略当接するアーチ状に配置可能な長さを有している。ここで、本体部2は、弾性変形するものであるが、剛性が小さ過ぎると、吊具1をデッキプレート31の凹部空間36内に横架状態で取着しても吊持したケーブルCや自身の荷重によって円弧の反りが反対側に反転してしまうので、本体部2はこれらの点を考慮して最適な弾性変形状態が得られるように材質、板厚等が選定される。
本体部2の長さ方向の中央部に設けられた吊持部3は、ケーブルCを吊持する別体の吊持部材であるバインド線21が取付けられてなり、本体部の円弧線から僅かに図2の下方に段状に後退して形成された収納凹部7内に、バインド線21を取付けるための被取付部材8が収納された状態で固定されている。被取付部材8は樹脂材、金属材等を使用して薄い円盤状に形成されているとともに、裏面中央部には小径の円柱状の突出部8aが一体に形成されており、突出部8aは収納凹部7の中央部に設けられた貫通孔7aを貫通し、下方に突出している。更に、被取付部材8は中央にバインド線21を貫通させて取付けるための小孔8bが2個上下方向に貫設されている。ここで、突出部8aを設けたのは、被取付部材8の固定箇所を位置決めする他、小孔8bから下方に飛び出したバインド線21が鋼板からなる本体部2の収納凹部7の貫通孔7aの周縁角部に接触し、擦られて切断されるのを避けるためである。なお、被取付部材8は接着や圧入等の手段により収納凹部7内に固定される。
次に、弾性変形部4は、円弧状に湾曲形成され、本体部2の吊持部3の両側に設けられ、本体部2のほぼ全体に渡って設けられている。外面には長手方向に沿ってそれぞれ2本の補強突条であるビード9が設けられている。ビード9は吊持部3の周辺から円弧に沿って下方に延び、係止部5から所定距離離間した位置まで設けられている。これにより、弾性変形部4は全体的には弾性変形可能であるものの、ビード9が設けられている吊持部3側の部分は比較的剛性が高められ、比較的撓み変形し難いものとなっており、配線・配管材の揺動や引張りの力による弾性変形が生じにくいため、また、吊持部3に加わるケーブルCや吊具1自身の荷重による弾性変形が生じにくいため、前記力が係止部側に伝わりにくい。したがって、弾性変形部4は係止部5の係合が解除される方向に弾性変形し本体部2の円弧の凸側の向きが反対側に反転してしまうのが防止され、図2(b)において上側が凸となる円弧形状に安定して維持される。これにより、吊具1がデッキプレート31から離脱し落下してしまうのが防止される。その一方、係止部5の部分はビード9が設けられていないので、撓み易くなっており、所要の弾性復帰力を得ることができる。なお、ビード9の形成位置、長さ、数は、本体部2の円弧形状の安定性や弾性復帰力による係止部5の突張り強度等を考慮して設定される。
本体部2の左右一対の係止部5,5は、弾性変形部4の先端側に形成され、相互がデッキプレート31の開口35の幅より大きい間隔で離間する位置に設けられている。そして、弾性変形部4の円弧に対して図2(b)の斜め上方向即ちデッキプレート31の両側壁38の段部38cに嵌入する方向に所定角度折曲されている。係止部5が弾性変形部4の円弧に沿って設けられていると、デッキプレート31の両側壁38の段部38cとの係止が不十分となるおそれがあるからである。この折曲形成により、係止部5はデッキプレート31の両側壁38の段部38cの奥方に当接し確実に係止される。
当接部6は、本体部2の吊持部3の上面即ち円盤形状の被取付部材8の上面8cに形成されており、より具体的には、被取付部材8の上面8cにおいてデッキプレート31の長手方向に沿った直径線上に形成されている。当接部6は、デッキプレート31の天壁37に当接するものであるが、必ずしも本体部2がデッキプレート31の凹部空間36内に嵌入取着された時点で当接するものである必要はない。当接部6が天壁37に近接した状態にあって、本体部2がデッキプレート31の凹部空間36内に嵌入取着された時点では、デッキプレート31の天壁37に当接していなくても、本体部2がケーブルCの突き上げによって上下方向に往復移動、振動する揺動を開始し、または本体部2がデッキプレート31の長手方向に傾動を開始してから、デッキプレート31の天壁37に当接する略当接のものであってもよい。要するところ、ケーブルCの吊持作業中や吊持後において吊具1がケーブルCの突き上げによる揺動やデッキプレート31の長手方向への傾動により係止部5がデッキプレート31の段部38cから離脱し落下してしまうのをデッキプレート31の天壁37との当接により防止するものであればよい。これを別言すれば、当接部6は吊具1の揺動時、傾動時を含めて少なくともデッキプレート31の天壁37と当接することを要する。したがって、当接部6とデッキプレート31の天壁37とが大きく離間していて、吊具1が傾動したときに、当接部6がデッキプレート31の天壁37と全く当接しない場合は除外される。
なお、本体部2がデッキプレート31の凹部空間36内に嵌入取着された当初から中央の吊持部3がデッキプレート31の天壁37と当接している場合は、吊持部3の被取付部材8の上面8cの直径部分が当接し、この直径部分が当接部6の形成箇所となる。また、本体部2がデッキプレート31の凹部空間36内に嵌入取着された時点で中央の吊持部3が僅かにデッキプレート31の天壁37から離間している場合は、吊具1がある程度傾動を開始してから被取付部材8の上面8cの直径部分の端角部8dがデッキプレート31の天壁37と当接することとなるから、この上面8cの端角部8dが当接部6の形成箇所となる。
ここで、円盤状の被取付部材8は、任意の大きさに形成できるが、小さ過ぎると、デッキプレート31の天壁37との当接長さ、当接面積が小さくなり、傾動防止効果が小さくなるので、その点留意する必要がある。
次に、本体部2の吊持部3を形成する別体の吊持部材は、紐状体により形成されており、凹部空間36の外方においてケーブルCを吊持可能な長さに設けられている。吊持部材は、一端側から本体部2の吊持部3の被取付部材8に設けられた2個の小孔8bに折り返し状態で挿通し、必要に応じて被取付部材8の下方で結束することによりこの被取付部材8に簡単に取付けることができる。紐状体としては、ケーブルCを吊持し得るバインド線や吊バンド、結束バンド等を挙げることができ、本実施形態ではバインド線21を用いている。バインド線21は針金等の金属芯線が樹脂膜で被覆された断面円形状の細線からなる。したがって、吊持部3から垂下している2本を束ねることにより簡単にケーブルCを吊持させることができる。また、バインド線21や吊バンド、結束バンドはその結束を解除することにより簡単にケーブルCの吊持を解除し、これを取り外すことができる。このため、吊持後にケーブルCの吊持位置を簡単に変更することもできる。なお、バインド線としては、金属芯線を偏平な細長の樹脂紐で挟んで形成したものなどを用いることもできる。
次に、吊具1が取着されるデッキプレート31は、図3(a)、(b)に示すような波付形状の広幅帯鋼であり、幅方向の両端部に折曲形成された嵌合部33及び被嵌合部34を互いに嵌合することにより複数を組付けて梁上に敷設される。そして、デッキプレート31の上面にコンクリート42が打設されることにより、図4に示すような建物の合成スラブ41が形成される。図3(a)において、デッキプレート31は略台形状をなし、左右の両下端はフランジ32が水平方向に一体に延設され、更に、その先端部には前記嵌合部33及び被嵌合部34が一体に形成されている。台形状の下辺部分には開口35が形成され、内部は凹部空間36が形成されている。そして、凹部空間36の天壁37及び両側壁38には強度、剛性を確保するため、天壁37の中央に下方に突出する円弧突条37aが長手方向に沿って一体に形成され、両側壁38の下部に、外方に後退する凹条部38a及び内方に突出する凸条部38bによって一対の段部38c、38cが一体に形成されている。一対の段部38cは吊具1の一対の係止部5,5が係止可能となっており、係止部5の先端は段部38cの傾斜面に圧接可能となっている。なお、段部38cは凹条部38aまたは凸条部38bのみによって形成されたものもある。また、デッキプレート31は、図3(b)に示すような、2個の台形が横に並設されたものや、図示しないが、天壁37に間隔をおいて2個の円弧突条37aが並設されたものなど各種形状のものが提供されている。
次に、上記のように構成された吊具1をデッキプレート31に取着する方法を説明する。
合成スラブ41のデッキプレート31の下方の天井裏において、まず、図5(a)に示すように、建物の床面等の低所などにおいて、本体部2の吊持部3から下垂した2本のバインド線21を結束し、天井裏においてデッキプレート31の長手方向と直交して水平方向に引き込まれているケーブルCを吊持する。なお、ケーブルCの吊持は吊具1をデッキプレート31に取着した後に行なうことも可能である。但し、この場合は、天井裏での吊持作業となる。
次いで、手で吊具1を把持し或いは棒状の工具等を使用して下方から、図5(b)に示すように、吊具1の本体部2を傾斜させて、先に、一方の係止部5、図5(b)においては右側の係止部5をデッキプレート31の開口35から凹部空間36内に挿入し、右側の側壁38の段部38cに嵌入させ係止させる。次に、他方の係止部5、図5(b)においては左側の係止部5をデッキプレート31における左側の側壁38の段部38cの下方に当接させ、更にそのまま押し上げて左側の凸条部38bを強制的に乗り越えさせ、段部38cに係止させる。このとき、弾性変形部4は一対の係止部5,5をデッキプレート31の開口35の幅より小さく近接させるように弾性変形するので、円弧状の本体部2を撓ませ曲率半径を更に小さくして左側の係止部5を段部38c側に移動させることができる。
これにより、吊具1は、図5(c)に示すように、本体部2が撓んだ状態でデッキプレート31の一対の段部38cに横架され、凹部空間36内に取着される。但し、上記は一方の係止部5から順にデッキプレート31の段部38cに嵌入させ圧接させているが、本体部2を水平状態として下方から押し上げ、両係止部5を同時にデッキプレート31の両段部38cに圧接し係止させることも可能である。図6は取着後に斜め下方から見た吊具1の取着状態を示す。なお、図6においては、ケーブルCはデッキプレート31の長手方向に沿って敷設されたものを示す。取着後は、本体部2の当接部6である吊持部3の被取付部材8の上面8cはデッキプレート31の天壁37の円弧突条37aの下端と当接し、或いは、そこから僅かに離間する。以上から分かるように、吊具1は単に下方からデッキプレート31に向けて押し上げるのみでその凹部空間36内に取着することができる。
その後は、以上の作業を繰り返すことにより、図7に示すように、複数の吊具1が間隔をおいてデッキプレート31に取着され、ケーブルCはこれら複数の吊具1を介して天井裏に吊持される。なお、その後に、ケーブルCの吊持位置を変更したりする場合は、バインド線21の結束を外して簡単に行なうことができる。
このように取着された吊具1に係る力は、図8に示す釣合状態となる。図8において、吊具1の本体部2を撓ませて円弧の曲率半径を小さくしたことにより本体部2に発生した弾性復帰力はデッキプレート31の側壁38の段部38cに矢印で示すように作用している。これに伴い、デッキプレート31の側壁38には白抜き矢印で示す反力が発生している。また、吊具1の吊持部3には吊具1自身の荷重及びケーブルCの荷重により白抜き矢印で示す垂直下方の力が作用している。吊具1は、縦断面内においてこれらの力が釣合い、デッキプレート31の凹部空間36内の一定位置に保持されている。
一方、デッキプレート31の長手方向即ち図8の紙面と直交する方向に関しては、吊具1が単にデッキプレート31の両段部38c間に横架されているのみであると、本体部2が帯板状に形成されていてその保持が不安定であることから、取着作業中や取着後においてケーブルCの揺れなどにより吊具1が揺動し或いはデッキプレート31の長手方向に傾動し、それが大きければ、係止部5がデッキプレート31の段部38cから離脱し、更には吊具1がデッキプレート31から落下するおそれがある。
しかし、本発明の吊具1においては、本体部2の中央の吊持部3に当接部6が設けられているので、上記不具合を回避することができる。即ち、当接部6が吊具1の嵌入当初からデッキプレート31の天壁37の円弧突条37aと当接している場合は、図9(a)に示すように、当接部6である被取付部材8の上面8cがデッキプレート31の天壁37の円弧突条37aと干渉するため、二点鎖線で示す矢印のいずれの方向への傾動も阻止される。ここで、図9は吊具1を側方から見た状態を示す。また、当接部6が取着後において、図9(b)に示すように、デッキプレート31の天壁37の円弧突条37aから僅かに距離Sだけ離間している場合は、吊具1が例えば二点鎖線で示す左方向に僅かに傾きかけたとき、当接部6である被取付部材8の上面8cの端角部8dがデッキプレート31の天壁37の円弧突条37aと干渉するため、それ以上の傾動が阻止される。そして、本体部3の上下方向の揺動時においても、当接部6がデッキプレート31の天壁37に当接するため、揺動が抑えられる。したがって、吊具1は揺動及びデッキプレート31の長手方向への傾動も防止され、安定してデッキプレート31の凹部空間36内に保持される。
次に、本実施形態の吊具1の作用を説明する。
吊具1は、弾性変形部4の弾性復帰力により両係止部5をデッキプレート31の両段部38cに圧接させ突張らせて取着するものであるから、全体を更に円弧状に撓ませ弾性変形させつつデッキプレート31の開口35から強制的に嵌入させるだけの操作で簡単にデッキプレート31に取着することができる。このとき、本体部2は円弧状に更に湾曲させて弾性的に撓ませることにより簡単に弾性復帰力を得ることができる。
そして、特に、吊具1は、本体部2に当接部6を備えているから、施工中や取着後に吊持されているケーブルCが揺動し、即ちケーブルCの突き上げによって上下方向等に往復移動したり振動しても、また、ケーブルCの引張り等によってデッキプレート31の長手方向に傾動しかけても、前記当接部6がデッキプレート31の天壁37の円弧突条37aに当接し干渉するため前記揺動及び傾動が阻止され、係止部5の係止状態が解除され係止部5がデッキプレート31の段部38cから離脱し更には吊具1が脱落するのが簡易な構成によって防止される。その結果、吊具1は円滑にデッキプレート31に取着されるとともに、いずれの方向にも安定して保持される。
また、吊具1は、本体部2が帯板状に形成されているとともに、従来の吊具のような吊りボルトを用いることなく取着できるので、この部材が不要であって構成が簡易なものとなり、安価に製造できる。
更に、本体部2は回転させたりすることなくそのままの姿勢で単にデッキプレート31の開口35から強制的に押し込むだけで凹部空間36内に取着されるから、バインド線21にケーブルCを保持した状態でも取着することができ、天井に近い高所に登ることなくケーブルCを吊持することもできる。勿論、ケーブルCは吊具1をデッキプレート31に取着してからバインド線21に吊持させることもできる。
加えて、本体部2は、吊持部3が長さ方向の略中央に設けられ、その両側に弾性変形部4が設けられた左右対称構造となっているので、バランスの良い均等な吊持状態が得られる。
また、吊具1は、比較的軽量なケーブルCを適宜間隔をおいて吊持するものに適用されるから、本体部2の弾性復帰力によって両係止部5をデッキプレート31の両段部38c間に圧接しアーチ状に横架させた取着状態であっても、吊具1がケーブルC及び自身の荷重によってデッキプレート31から脱落してしまうのを防止することができる。
更には、吊持部3の吊持部材としてバインド線21が用いられているので、吊具1がケーブルCの引張り力等によってデッキプレート31から脱落するのが防止される。即ち、仮に、吊持部材が吊りボルトなどであった場合は、布設作業時等においてケーブルCが布設方向に引張られたりすると、それにより吊持している吊りボルトが傾動し、その傾動の力が直接本体部に作用して本体部も傾き、係止部が離脱するおそれがある。しかし、本実施形態の吊持部材は変形自在なバインド線21が用いられているから、ケーブルCに引張り力等が加わってもその力はバインド線21により吸収され、本体部2には伝搬しない。したがって、本体部2が傾くのが防止され、上述のように、係止部5がデッキプレート31の段部38cから離脱して吊具1がデッキプレート31から脱落してしまうのが防止される。
加えて、本体部2は全体がデッキプレート31の凹部空間36内に入り込むので、本体部2が外部物体との接触によってデッキプレート31から離脱するのが抑えられる。また、吊持部3のバインド線21は凹部空間36の外方においてケーブルCを吊持可能な長さに設けられているから、凹部空間36の外方の広いスペースにおいてケーブルCの結束作業を円滑かつ楽に行なうことができる。
ところで、上記実施形態の係止部5は、弾性変形部4の先端側の端部に設けられているが、図10に示す本体部2のように、弾性変形部4の先端側において幅方向の中央部分を1辺を残してコ字状に切欠して細長の係止片5aを形成し、その先端部を円弧の凸側方向に折曲形成させて設けたものとすることもできる。この場合、係止部5は、厳密には、本体部2の両端ではなく本体部2の両端側に設けたものとなる。この吊具1をデッキプレート31に取着すると、図11に示すように、係止片5aの先端部に設けられた係止部5は、デッキプレート31の段部38cに係止するとともに、弾性変形部4の先端側における係止片5aの外側の外枠部5bは、デッキプレート31の凸条部38bの突出端部に弾性的に当接する。したがって、本体部2は、係止部5に加え、外枠部5bにおいてもデッキプレート31の側壁38に当接するので、係止部5をより安定して係止させることができる。また、係止部5の係止状態を解除するときは、外枠部5bを把持してデッキプレート31の開口35の中央側に引張って行なうことができる。なお、図11において、デッキプレート31は、天壁37に2本の円弧突条37aが長手方向に沿って並列に形成されており、これと当接する当接部6は本体部2において弾性変形部4の吊持部3側の部分に形成されたものとなる。
また、上記実施形態の弾性変形部4は、全体的に円弧状に形成されているが、本発明を実施する場合は、これに限られるものではなく、例えば、図12に示すように、中間部分は直線状に形成され、その両側のみ円弧状に形成されたものとしてもよい。この場合、直線状の中間部分も弾性的に円弧状に撓む。また、弾性変形部4は円弧状に限らず楕円弧状に形成してもよい。更には、弾性変形部4は全体的に直線状に形成し、平面帯状のものとすることを妨げない。この場合、直線状の弾性変形部4は本体部2がデッキプレート31の凹部空間36内に嵌入されたときに全体的に円弧状に弾性変形し、弾性復帰力が発生する。
そして、上記実施形態の本体部2は、計4本のビード9を設けて係止部5の周辺以外の部分における剛性をやや大きくし、これにより、配線・配管材の揺動や引張りの力等による弾性変形を生じ難くして、係止部5の係合が解除され、吊具1がデッキプレート31から離脱し落下してしまうのを防止しているが、図13(a)に示すように、本体部2の幅方向の両端縁部にフランジ10を設けることにより本体部2の一部の剛性をやや大きくすることもできる。或いは、図13(b)に示すように、本体部2の一部に板材11を積層した構造とすることにより剛性をやや大きくすることもできる。
なお、上記実施形態の図8や図11等において、円盤状の被取付部材8の外径を吊持部3の収納凹部7における対向する一対の側壁面の間隔と略同一寸法に形成すれば、被取付部材8の外周側面が収納凹部7の側壁面と当接し干渉するため、弾性変形部4が逆方向に撓むのが防止され、これにより、弾性変形部4の撓み方向が反転して係止部5の係止状態が解除される方向に弾性変形するのを防止することもできる。
また、上記実施形態の本体部2は、ステンレス等を使用したバネ鋼材で形成しているが、所要の弾性が得られれば、合成樹脂材で形成してもよい。
加えて、上記実施形態の当接部6は、本体部2の吊持部3の被取付部材8の上面8cに形成しているが、図14(a)に示すように、本体部2の両弾性変形部4の途中に、デッキプレート31の天壁37との当接部12aを屈折させてなる所定幅の板状部材12を突設させ、当接部12aをデッキプレート31の天壁37に当接させるようにして、本体部2が上下方向に揺動したりデッキプレート31の長手方向に傾動するのを防止するようにしてもよい。
また、図14(b)に示すように、本体部2の各弾性変形部4に複数、図14(b)では2本のピン等の棒状部材13を突設し、その先端をデッキプレート31の天壁37に当接させるようにして、本体部2が上下方向に揺動したりデッキプレート31の長手方向に傾動するのを防止するようにしてもよい。ここで、複数の棒状部材13はデッキプレート31の長手方向に所定の間隔をおいて並置されている。
更には、図示しないが、本体部2の吊持部3等に磁石を取付けて磁力により本体部2の傾動を防止することも可能である。
或いは、図示しないが、本体部2の吊持部3にコイルばね等の付勢部材をデッキプレート31の天壁37に向けて突設してもよい。この場合、当接部6としての付勢部材の先端は常にデッキプレート31の天壁37と当接する。
そして、上記実施形態の本体部2は、幅寸法が一定の帯板状に形成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、図15(a)に示すように、吊持部3から係止部5に向けて次第に幅が大きくなるように形成してもよい。或いは、図示しないが、幅寸法が一定の帯板で形成し、係止部5のみ幅を広く形成してもよい。これらの場合は、デッキプレート31の段部38cへの係止部5の係止長さ及び圧接力を大きくすることができ、係止部5のデッキプレート31の段部38cからの離脱防止効果を高めることができる。
また、図15(b)に示すように、本体部2は、2本の帯状板14を並置し、各中央を吊持部3で連結した構造とすることもできる。
加えて、吊持部3の円盤状の被取付部材8は、収納凹部7に収納された状態で固定されているが、図16に示すように、本体部2の中央部に収納凹部7を設けることなく、円弧面上に載置し固定したものとしてもよい。
また、図示しないが、吊持部3は、被取付部材8を取付けず、単に吊持部3における本体部2に挿通孔を形成してこの挿通孔にバインド線21を挿通させただけの構成としてもよい。この場合、バインド線21が挿通孔の周縁で擦られて断裂しないよう、挿通孔の周縁に保護部材を嵌着したり、挿通孔の周縁をカーリング加工しておくのが望ましい。
更には、上記実施形態の吊持部3は、図17及び図18に示す形態としてもよい。図17及び図18に示す吊持部3は、本体部2の長さ方向の中央部において凹状に折曲形成され、デッキプレート31の開口35付近まで下方に突出する凹部3aの底部の側壁に左右一対の挿通孔3b,3bが設けられてなる。この吊具1は、図18に示すように、吊持部3の挿通孔3b,3bに所定幅の吊バンド22等を挿通させて配線・配管材としての例えば換気パイプPを縛り、結束することにより直接吊持させることができる。この吊具1においては、換気パイプPは直接吊持部3の凹部3aの底部に取着されるから、左右上下にぶれたりすることなく一定位置に保持される。なお、図18においては、吊具1によって吊持された換気パイプPは、デッキプレート31の長手方向に沿って敷設されたものを示すが、例えば、吊持部3の凹部3aの底面に2個の挿通孔を本体部2の幅方向に並設する、即ち前記一対の挿通孔3b,3bの並設方向と直交する方向に並設することにより、デッキプレート31の長手方向と直交する水平方向に敷設させることもできる。
加えて、上記実施形態の本体部2は、基本的には1枚の円弧状に湾曲した帯板状のバネ鋼材で形成され、1部材で構成されているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、図19に示すように、吊持部3を備えた中央部は樹脂材や金属材でブロック体15に形成し、弾性変形部4は帯板状のバネ鋼材で円弧状に湾曲形成した2部材で構成したものとしてもよく、或いは3部材以上で構成することを妨げない。
また、上記実施形態においては、吊具1に吊持される配線・配管材としてケーブルCを挙げているが、本発明の吊具1は、他に、信号線、電線管、通水管などの比較的軽量な各種の長尺物の吊持に適用できることは言うまでもない。
1 吊具 21 バインド線
2 本体部 31 デッキプレート
3 吊持部 35 開口
4 弾性変形部 36 凹部空間
5 係止部 37 天壁
6 当接部 38 側壁
8 被取付部材 38a 凹条部
8c 上面 38b 凸条部
8d 端角部 38c 段部
12 板状部材 C ケーブル
13 棒状部材 P 換気パイプ

Claims (7)

  1. デッキプレートに形成された、天壁と該天壁の両端から連続する両側壁と該両側壁の先端間に設けられた開口とが長手方向に連続する凹部空間内に取着される配線・配管材用吊具であって、
    前記デッキプレートの凹部空間の両側壁に長手方向に連続する凹条部または凸条部により形成された対向する一対の段部に係止する、前記開口の幅より大きく離間して位置する一対の係止部と、該一対の係止部を前記開口の幅より小さく近接させる弾性変形部と、前記天壁に当接する当接部と、を有する本体部を備え、
    前記本体部には、配線・配管材を直接または別体の吊持部材を介して吊持する吊持部が設けられ、
    前記本体部は、帯板状に形成され、長さ方向の略中央に前記吊持部が設けられているとともに、該吊持部の両側に、前記係止部を先端側に備えた前記弾性変形部が設けられ、
    前記弾性変形部は、係止部側が吊持部側よりも弾性変形し易く設けられており、
    前記本体部は、前記両係止部を相対的に近接するように前記弾性変形部を変形させて前記デッキプレートの開口から嵌入するとともに、前記弾性変形部の弾性復帰力により前記デッキプレートの段部に前記両係止部を係止させることで、前記当接部を前記天壁に当接または略当接させるようにして前記凹部空間内に取着可能であり、
    前記当接部は、前記天壁に当接することで、前記吊具の揺動または前記デッキプレートの長手方向への傾動により前記両係止部の前記段部への係止状態が解除されて前記吊具が該デッキプレートから離脱するのを防止することを特徴とする配線・配管材用吊具。
  2. 前記本体部は、両端側の前記係止部が前記デッキプレートの段部に係止した状態で略中央が前記天壁に当接または略当接するアーチ状に配置可能な長さを有することを特徴とする請求項1に記載の配線・配管材用吊具。
  3. 前記弾性変形部は、略弧状に湾曲形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の配線・配管材用吊具。
  4. 前記弾性変形部は、前記本体部の全体に渡って設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の配線・配管材用吊具。
  5. 前記係止部は、略弧状に湾曲形成された前記弾性変形部の先端を、該弾性変形部の弧の凸側方向に折曲形成させて設けられていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の配線・配管材用吊具。
  6. 前記吊持部は、別体の紐状体からなる吊持部材が取付けられてなることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の配線・配管材用吊具。
  7. 前記本体部は、略全体が前記デッキプレートの凹部空間内に入り込み、前記吊持部は、前記凹部空間外で前記配線・配管材を吊持可能な長さに設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の配線・配管材用吊具。
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