JP2999486B2 - マシナブルセラミックスの製造方法 - Google Patents

マシナブルセラミックスの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ガラス質マトリックス中にフッ素金雲母
(以下F.Pと略称する)の微結晶を分散含有するマシナ
ブルセラミックスの製造方法に関する。
〔従来の技術〕
ガラス質マトリックス中に雲母の微結晶を均一に分散
含有するガラスセラミックスは良好な機械加工性、優れ
た電気的、熱的性質を有し、ファインセラミックスの用
途を拡大できる素材として有望視されており、特にF.P
の微結晶を分散含有するガラスセラミックスは、高温安
定性も優れた良好な素材である。
従来、F.P結晶を含有するマシナブルセラミックスを
製造する方法として、(1)原料混合物を溶融させたの
ち固化させたガラスの再加熱し、ガラス中にF.Pの結晶
を析出させる方法、(2)金属アルコキシド化合物のよ
うな前駆体のゲルを熱処理したものを粉砕、成形後熱処
理し、F.Pの結晶を析出させる方法、などが知られてい
る。
(1)の方法の例としては、所定量の金属酸化物を配
合した原料を密封容器内で溶融して均質なガラス体を作
り、次いで核生成、結晶成長を行わせるために750〜1,1
00℃で熱処理し、ガラス中にF.Pの結晶を析出させる方
法(特開昭47−2427)、あるいは、陶石を主原料とする
フッ素含有混合物を溶融して均質なガラス体を作り、フ
ッ素成分の揮散を防ぐため、気化し易いフッ素化合物と
ともに密閉容器中で1,100〜1,360℃で加熱処理する方法
(特開昭61−72654)などがある。
また、(2)の方法の例としては、アルコキシド化合
物および極性溶媒に可溶な非アルコキシド化合物を極性
溶媒中で混合溶解して加熱し、加水分解反応を行わせて
ゲル状態としたのち乾燥し、800〜1,100℃で熱処理した
ものを成形し、さらに1,100〜1,300℃で熱処理する方法
がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
前記(1)のガラスからF.Pの結晶を析出させる方法
では、1,400℃付近での加熱溶融、冷却固化、750〜1,10
0℃での再熱処理を行うため熱エネルギーの消費が大き
いこと、溶融させるため1,400℃付近の高温まで加熱す
る必要があるが、そのためにフッ素を多量に含有してい
る原料自身の反応性が大きくなり、容器などの損耗が著
しく、また溶融温度を下げるために溶融助剤を多量に添
加するので得られる燒結体の高温での耐熱性が低下する
などの欠点があった。さらにこの方法ではガラス塊の形
で結晶の析出を行わしめ、その塊から必要な形状の製品
を切り出すので、最終の形状に仕上げるためには多量の
端材を生じ、コスト高の原因となる問題点があった。
また、(2)のアルコキシド化合物などのゲルを使用
する方法では、製造工程の一部であるゲル化時の加水分
解反応において、安定した品質のゲルを得るために精密
な反応条件のコントロールを必要とする。また、800〜
1,100℃での熱処理時においては、製品中の不純物やポ
ア発生の原因となるカーボンをなくすために充分な量の
酸素と接触させる必要があるが、他方では高温の酸化雰
囲気中に長時間曝されると析出したF.Pの結晶が変質す
る虞があり条件設定が難しいなど、操作上の問題点があ
る。さらに、出発原料として高価なアルコキシド化合物
を使用すること、製造工程が複雑であることなどにより
コストが高くなるという問題があった。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の目的は、前記従来技術の問題点を解決し、よ
り簡単なプロセスにより、優れた性能を有するマシナブ
ルセラミックスの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、フッ素金雲母系のマシナブルセラミッ
クスの製造方法について鋭意検討の結果、特定の天然鉱
物を主原料とし、特定の条件下で固相反応による処理を
することにより、ガラス質マトリックス中の雲母の微結
晶を均一に分散含有するガラスセラミックスを製造でき
ることを見出し本発明を完成した。
すなわち、本発明は、カオリンおよび活性白土を主原
料、Mg、K、F含有化合物を副原料、およびB2O3を燒結
助剤として、燒結体とした時点での成分組成が酸化物重
量基準でSiO235〜60%、Al2O310〜20%、MgO10〜25%、
K2O3〜15%、F2〜15%およびB2O31〜3%となるような
割合で前記各原料を配合し、各原料の平均粒子径を5μ
m以下に調整し得られた原料混合物を、最高温度が1,00
0〜1,100℃である温度条件で熱処理して30〜60vol%の
フッ素金雲母の結晶を析出させ、得られた熱処理物を再
度平均粒子径が5μm以下となるように粉砕したのち、
所望の形状に成形したものを、1,100〜1,250℃の温度範
囲で燒結させることを特徴とする、30〜60vol%のフッ
素金雲母の結晶を含有するマシナブルセラミックスの製
造方法である。
本発明の方法においては、主原料としてカオリンおよ
び活性白土を使用する。ここで使用するカオリンはSi
O2,Al2O3を主成分とする粘土鉱物中のカオリン族天然鉱
物である。カオリンの代表的分析値ではSiO2およびAl2O
3はそれぞれ40〜50wt%および30〜45wt%であり、一般
にカオリンとされる天然鉱物であれば用いることができ
る。活性白土は、モンモリロナイト、ハロイサイトなど
のSiO2を主成分としAl2O3,Fe2O3などを含む粘土鉱物を
酸処理しSiO2の含有率を高めたものであれば、製法を問
わずいずれも用いることができ、一般に工業用原料とし
て使用されるものをそのまま使用すればよいが、本発明
の方法においては、好ましくはFe2O3の含有率が0.5wt%
以下のものであり、さらにSiO298wt%以上、Fe2O30.2wt
%以下、Al2O32.0wt%以下のものが特に好ましい。ま
た、カオリン活性白土はいずれもそれらの性状にかかわ
らず用いいることができる。
カオリンおよび活性白土は、主としてSiO2およびAl2O
3源となるものであり、カオリンと活性白土との割合が
重量比(カオリン/活性白土)で0.5〜5.0、好ましくは
1.5〜2.6となるような範囲であり、燒結体(マシナブル
セラミックス)中の化学成分組成でSiO235〜60%、Al2O
310〜20%となるように使用する。カオリンの使用割合
が多すぎるとAl2O3が過剰となり、また、活性白土の割
合が多くなり過ぎるとSiO2が過剰となり、いずれの場合
も本発明の組成範囲からはずれるので好ましくない。
SiO2およびAl2O3源として、カオリンおよび活性白土
の代わりに、通常単一化合物の形で使用されているSiO2
あるいはAl2O3を使用してもフッ素金雲母の合成は可能
であるが、燒結性が悪く、緻密な燒結体を得るためには
高温で燒結することが必要で、その場合には一旦生成し
たF.Pの結晶の分解が起こるので、緻密で加工性に優れ
たマシナブルセラミックスを得ることは困難である。
また、本発明者らが検討した範囲では、カオリン、活
性白土以外の天然鉱物、例えばタルク、ケイ藻土などを
使用してもF.Pの結晶の析出や成長が充分でなかった
り、副生成物の析出などが起こり、緻密で機械加工性に
優れたマシナブルセラミックスは得ることはできなかっ
た。すなわち、本発明において、カオリンおよび活性白
土を主原料とするとは、それらを燒結体中のSiO2および
Al2O3源とするということであり、他の原料、例えば単
一化合物やタルクなどをSiO2およびAl2O3源としないと
いうことであるが、付随的に他の原料からSiO2やAl2O3
が混入することを妨げるものでない。
本発明においては、Al2O3に対するカオリンの寄与率
を95%以上、SiO2に対するカオリンおよび活性白土の合
計の寄与率を80%以上とするものである。
F.Pを生成させるためには、カオリン、活性白土に加
えてMg,KおよびFを含有する化合物を使用する。ここで
使用する化合物には特に制限はなく、通常入手が可能な
MgO、KF、K2SiF6などの化合物を、燒結体中の化学成分
組成が前記範囲内に入るような量で、任意に組み合わせ
て使用することができる。
さらに本発明の方法においては、燒結助剤として、燒
結体とした時点での含有量が酸化物重量基準で1〜3wt
%となる量のB2O3を添加する。B2O3の添加量が1%未満
では燒結が充分進行せず、緻密な燒結体を得ることがで
きず、また3%を超えると得られる燒結体の機械加工性
が悪くなり、さらに燒結中に発泡が起こるなどの弊害が
生ずるので好ましくない。
これらの各原料を、燒結体とした時点での成分組成が
酸化物重量基準でSiO235〜60%、Al2O310〜20%、MgO10
〜25%、K2O3〜15%、F2〜15%およびB2O31〜3%とな
るような割合で配合し、各原料の平均粒子径が5μm以
下になるよう混合、粉砕する。
上記成分のいずれかが限定範囲をはずれた場合、F.P
結晶の析出量および成長量が変化し機械加工性や燒結性
状などが悪化する。例えば、SiO2が多過ぎるとガラス量
が増え、F.Pの結晶が減少するため機械加工性が悪くな
り、耐熱性も悪化し、逆にSiO2が少なくなるとF.P結晶
は増加するが、燒結性が悪くなる。また、成分比によっ
てはMg2SiO4やKAlSi2O6などの副生物が生成するように
なり、得られるガラスセラミックスの物性は劣化する。
混合、粉砕の方法は乾式でもよいが、配合した諸原料
の均一な混合性を考慮すれば、湿式ボールミルなどの湿
式混合、粉砕が好ましい。粉砕が不充分で平均粒子径が
5μmを超えたり、混合が不充分な場合には、次の熱処
理あるいは焼成時にリューサイトなどの燒結体の性状に
悪影響を与える鉱物相が生成し易くなるので好ましくな
い。すなわち、熱処理の効率および均一分散のために各
原料それぞれが5μm以下の平均粒子径であるとよく、
また混合原料全体の平均粒子径が5μm以下でも各原料
間に差があるのは好ましくないので、特に粉砕しやすさ
の異なる原料については別途平均粒径5μm以下に粉砕
したのち混合するのが望ましい。
次に、得られた原料混合物をスプレードライヤーなど
の乾燥機を用いて乾燥したのち、匣に詰め、最高温度が
1,000〜〜1,100℃である温度条件で熱処理して、揮発分
の除去を行うとともに30〜60vol%のF.Pの生成を行わし
める。また、この段階で一部燒結が進行し、あとの焼成
工程における収縮率を減少させる効果がある。
F.Pが均質かつ微細に分散した製品を得るため、熱処
理工程は次のように3段階で行うのが好ましい。すなわ
ち、先ず350〜600℃で1〜10時間保持することにより主
としてカオリンの脱水を行わしめ、次いで700〜900℃で
1〜10時間保持してF.Pの結晶を一部析出させ、さらに
1,000〜1,100℃で1〜10時間保持することによってF.P
の結晶を析出、成長させる。
本発明において最高温度が1,000〜1,100℃である温度
条件とは、1段階処理の他、上記3段階処理および上昇
温度下での処理などにおいて最高温度が1,000〜1,100℃
に達しているということである。
この熱処理工程において、揮発分が揮散したのち、各
粒子の粒界において固相反応が起こり、微粒子状のF.P
が生成する。この熱処理時の最高温度が1,000℃未満で
はF.Pの生成が充分でなく、燒結体中のF.Pの量も少な
く、後の焼成工程における収縮も大きくなり機械加工性
が悪化する。また、最高温度が1,100℃を超えると燒結
が進んで熱処理物の粉砕性が悪くなるとともに、F.Pの
結晶の成長が進み過ぎ、結晶の均一分散が困難となるの
で好ましくない。この熱処理により生成する微粒子状の
F.P結晶の大きさは約1μm大であると。
具体的な熱処理条件は、用いる原料の種類、配合比、
性状、目的とする燒結体の物性などによりF.Pの結晶が
上記範囲に入るように適宜設定すればよい。ここで、カ
オリン、活性白土を用いない原料配合では充分な固相反
応が起こらず、F.Pの析出率が低減する。
次に、得られた熱処理物を再度平均粒子径が5μm以
下になるように粉砕し、棒状、板状、柱状など任意の形
状に成形した後、燒結工程に処す。本発明においては、
熱処理工程において一部燒結が進行しているため、この
段階で製品の形状に近い形にすることができる。成形方
法は特に限定されないが、気孔のない、緻密な燒結体を
得るためには、均一な充填が可能な成形法が望ましい。
なお、平均粒子径が5μmを超えれば緻密な燒結体が得
られ難い。成形工程において、必要により少量のバイン
ダー、分散剤、離型剤などの成形助剤を添加してもよ
い。成形方法の一例を示せば、まず熱処理物を湿式粉砕
し、成形助剤を添加してスラリー状とし、スプレードラ
イヤーで乾燥して顆粒化し、ラバープレス、一軸成形、
鋳込み成形などにより成形する。所望の形状に成形した
成形体を匣にいれ、1,100〜1,250℃で3〜12時間燒結さ
せる。これにより、5〜20μmのF.P結晶が互いに絡み
合い、その隙間をガラス質のマトリックスが埋めた形の
未密な燒結体が生成する。燒結温度が1,100℃未満では
燒結が充分進行しないので緻密な燒結体を得ることがで
きず、1,250℃を超えるとF.Pの分解が起こり、機械加工
性が悪化するので好ましくない。
本発明の方法によって得られる燒結体は、酸化物重量
基準でSiO235〜60%、Al2O310〜20%、MgO10〜25%、K2
O3〜15%、F2〜15%およびB2O31〜3%の成分組成を有
し、30〜60vol%のF.P結晶を含有するマシナブルセラミ
ックスであって、ガラス質マトリックス中に5〜20μm
のF.P結晶が互いに絡み合って均一に分散した構造を有
している。また、このものの密度は2,48〜2.67g/cm3
気孔率は2〜6%であり、良好な機械加工性を有してい
る。
なお、燒結体(マシナブルセラミックス)中のF.P結
晶の量(vol%)および結晶の大きさは走査型電子顕微
鏡像によって測定されたものである。また、燒結体中の
F.P量(重量%)はX線回折による回折強度から測定が
可能であるが、本発明においてF.P結晶が30〜60vol%と
は、X線回折による概ね30〜65重量%程度に相当する。
しかし、優れたマシナブル性とするためには、結晶の存
在状態、すなわち、5〜20μmの結晶が互いに絡み合っ
ていることが重要であり、その意味からX線回折による
測定よりも電子顕微鏡によるものの方がその状態を反影
し易いため、本発明ではvol%を用いた。
〔実 施 例〕
以下、実施例により本発明の方法をさらに具体的に説
明する。
なお、燒結体の機械加工性については、ドリルによる
切削の容易さで評価した。すなわち、ドリル径5mmφの
超硬ドリルを使用し、荷重5kg、回転数435rpmで10mmの
深さに切削するのに要する時間が50秒以下のものを「良
好」とし、50秒を超えるものを「不良」とした。
〔実施例1〕 カオリンA(分析値を表2に示す)830g、活性白土
(分析値を表2に示す)466g、MgO326g、K2SiF6234g、K
F138gB2O340gを混合し、湿式ボールミルを用いて混合、
粉砕し平均粒径5μm以下とし、スプレードライヤーで
乾燥したのち電気炉中で加熱し、380〜420℃で4時間、
730〜770℃で6時間、さらに1,060〜1,090℃で3時間熱
処理した。得られた熱処理物中のF.P結晶は約50vol%で
その大きさは約1μm大であった。
この熱処理物にPVA系のバインダー1.0wt%および水を
添加し、湿式粉砕により平均粒径5μ以下に粉砕した後
スプレードライヤーで乾燥し、顆粒化した。
得られた顆粒を用いて、300〜700kgf/cm2の圧力で加
圧成形し、260mm×260mm×20mmの成形体とし、1,200〜
1,250℃で5時間加熱し、燒結させた。
得られた燒結体は、酸化物重量基準でSiO245.7%、Al
2O316.1%、MgO16.7%、K2O10.9%、F8.5%およびB2O
32.0%の成分組成を有し、ガラス質マトリックス中に長
さ5〜15μmのF.P結晶を約50vol%含むセラミックスで
ある。このものの主な物性値は表1に示す通りであり、
いずれも良好な特性を有している。また、機械加工性に
ついても通常の加工設備であるフライス、旋盤、ボール
盤で評価した結果、切断、切削、旋削穴あけ、研磨など
に良好な加工性を示した。
表 1 かさ密度(g/cm3) 2.55 吸水率(%) 0.0 曲げ強度(kgf/cm2) 1,100 ビッカース強度(kgf/cm2) 245 体積抵抗率(Ω・cm) 2.3×1015 誘電率(f=1MHz) 6 誘電正接(f=1MHz) 0.004 熱膨張計数(/℃) 10.3×10-6 (R.T→800℃) 〔実施例2〜5〕 原料の種類および使用割合を表3に示すように変えた
ほかは実施例絵と同様に操作し、燒結体を得た。得られ
た燒結体の成分組成および性状は表4のとおりであり、
いずれも良好な特性を有するマシナブルセラミックスで
あった。なお、カオリンBの分析値は表2に示した。
〔実施例6〕 実施例1と同じ条件で成形体を得、これを1,150〜1,2
00℃で12時間加熱し燒結させた。得られた燒結体の性状
を表4に示す。このものは良好な特性を有するマシナブ
ルセラミックスであった。
〔比較例1〜10〕 原料の使用割合を、表5に示すように本発明の範囲外
で変化させたほかは、実施例1と同様に操作し、燒結体
を製造した結果を表6に示した。いずれの場合も、燒結
が充分進行せず燒結体の密度が低い、F.Pの生成量が少
なく機械加工性が悪いなどの欠点を有していることがわ
かる。
〔発明の効果〕 本発明の方法は、次のような効果を有しており、工業
的に極めて有利な方法である。
1)原料としてカオリンおよび活性白土を使用すること
により、低温の固相反応でF.Pを生成させることが可能
となり、溶融法に比較して熱処理温度が低くできるの
で、エネルギーコストが低くなり、また、フッ素成分の
揮発による容器や加熱炉の損傷の虞もない。さらに多量
の溶融助剤を添加する必要もないので、製品の高温耐熱
性を低下させることもない。
2)低温の固相反応でF.Pを生成させるため燒結中にフ
ッ素成分の揮散がないので、容器内をフッ素雰囲気に保
つ必要がなく、大気(酸化雰囲気)中で燒結させること
ができる。
3)製造プロセスが簡単になり、安定した品質の製品を
大量生産することができる。
4)溶融状態とする必要がなく、任意の形状に成形して
燒結することが可能なので、目的とする製品の形状に近
い形の燒結体を得ることができ、従来の柱状、板状、塊
状の燒結体から目的とする形状の製品を切り出す場合に
比較して、端材の発生を著しく減少させることができ
る。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カオリンおよび活性白土を主原料、Mg、
    K、F含有化合物を副原料、およびB2O3を燒結助剤とし
    て、燒結体とした時点での成分組成が酸化物重量基準で
    SiO235〜60%、Al2O310〜20%、MgO10〜25%、K2O3〜15
    %、F2〜15%およびB2O31〜3%となるような割合で前
    記各原料を配合し、各原料の平均粒子径を5μm以下に
    調整し得られた原料混合物を、最高温度が1,000〜1,100
    ℃である温度条件で熱処理して30〜60vol%のフッ素金
    雲母の結晶を析出させ、得られた熱処理物を再度平均粒
    子径が5μm以下となるように粉砕したのち、所望の形
    状に成形したものを、1,100〜1,250℃で燒結させること
    を特徴とする、30〜60vol%のフッ素金雲母の結晶を含
    有するマシナブルセラミックスの製造方法。
  2. 【請求項2】前記原料混合物の平均粒子径の調整を湿式
    混合、粉砕で行い、得られた原料混合物の熱処理を350
    〜600℃、700〜900℃および1,000〜1,100℃の3段階の
    温度条件で行うことを特徴とする請求項1に記載の方
    法。
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