JP2999324B2 - 車両の自動制動装置 - Google Patents

車両の自動制動装置

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JP2999324B2
JP2999324B2 JP4078354A JP7835492A JP2999324B2 JP 2999324 B2 JP2999324 B2 JP 2999324B2 JP 4078354 A JP4078354 A JP 4078354A JP 7835492 A JP7835492 A JP 7835492A JP 2999324 B2 JP2999324 B2 JP 2999324B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自車の障害物との間
の距離及び相対速度を検出し、その検出結果から、接触
の可能性を判断して、自動的に制動力を発生させる様に
なされた車両の自動制動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の車両の自動制動装置
として、例えば、特公昭39−2565号公報及び特公
昭39−5668号公報に開示される様に、光学的方法
または超音波等を用いて、自車と前方の障害物との間の
距離及び相対速度を連続的に検出すると共に、その検出
された自車と前方障害物との間の距離及び相対速度から
接触の可能性があるか否かを判断し、接触の可能性があ
ると判断された場合には、アクチュエータを作動させて
各車輪のブレーキを自動的にかけ、接触を防止する様に
構成されたものは知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】所で、上述した従来の
自動制動装置においては、自車と前方障害物との接触の
可能性があると判断されると、アクチュエータを作動さ
せて各車輪のブレーキを自動的にかける様に構成されて
いる。この為、例えば、自車と前方障害物との間に急に
他の車両または人間が飛び出してきた場合には、この急
に飛び出してきた車両または人間が新たな前方障害物と
して認識される事となるが、このような場合、この新た
な前方障害物と自車との間の距離は極めて短いものであ
り、通常の自動危険回避動作では賄い切れずに、前方障
害物と接触する蓋然性が高まる虞がある。
【0004】一方、このような場合を想定して、自動危
険回避動作において、急ブレーキが発動する様に構成し
ておくと、前方障害物との間の関係が通常の危険状態と
判断される場合においても、自動的に急ブレーキが発動
される事となる。この為、運転者は自身がブレーキペダ
ルを踏み込んでいないにも拘らず、減速感を強く感じ
て、多大な違和感を感じることになる。更に、場合によ
っては、運転者は減速ショックを感じることとなり、改
善が要望されている。
【0005】この発明は、上述した事情に鑑みなされた
もので、この発明の目的は、自車が前方障害物と接触す
る可能性があると判断された場合でも、その危険度を判
断して、危険度が小さい場合には緩やかな減速動作を実
行して、危険度が大きい場合には急激な減速動作を実行
して、運転者に違和感を与えない様になされた車両の自
動制動装置を提供する事である。
【0006】
【課題を解決する為の手段】上述した課題を解決し、目
的を達成する為、請求項1に記載のこの発明に係わる車
両の自動制動装置は、自車と障害物との間の距離及び相
対速度を検出する検出手段と、この検出手段で検出され
た自車と障害物との間の距離及び相対速度から、自車が
障害物に接触する可能性の有無を判断する接触可能性判
断手段と、この判断手段において接触の可能性があるが
その危険度が低いと判断された場合に、先ず自動的にエ
ンジンを制御してエンジンブレーキを発生させ、その
後、必要に応じてブレーキ油圧系を制御してブレーキ力
を発揮させる第1の危険回避手段と、前記判断手段にお
いて接触の可能性があるその危険度が高いと判断された
場合に、自動的にエンジンを制御してエンジンブレーキ
を発生させると共に、ブレーキ油圧系を制御してブレー
キ力を発揮させる第2の危険回避手段とを具備し、前記
第1の危険回避手段は、第1のエンジン制御内容でエン
ジンを制御し、前記第2の危険回避手段は、前記第1の
エンジン制御内容とは異なる第2のエンジン制御内容で
エンジンを制御する事を特徴としている。
【0007】また、請求項2に記載のこの発明に係わる
車両の自動制動装置は、前記第1のエンジン制御内容
は、先ず、吸気通路を閉塞駆動し、この吸気通路が全閉
した後、燃料の供給をカットする様に設定され、前記第
2のエンジン制御内容は、吸気通路を閉塞駆動すると共
に、燃料の供給をカットする様に設定されている事を特
徴としている。
【0008】また、請求項3に記載のこの発明に係わる
車両の自動制動装置は、前記自車は、自動変速機を備
え、前記第1の危険回避手段は、第1の自動変速制御内
容で前記自動変速機を制御し、前記第2の危険回避手段
は、前記第1の自動変速制御内容とは異なる第2の自動
変速制御内容で前記自動変速機を制御する事を特徴とし
ている。
【0009】また、請求項4に記載のこの発明に係わる
車両の自動制動装置は、前記自動変速機はロックアップ
クラッチを備え、前記第1の自動変速制御内容は、前記
ロックアップクラッチを緩やかに締結動作させる様に設
定され、前記第2の自動変速制御内容は、前記ロックア
ップクラッチを即座に締結される様に設定される事を特
徴としている。
【0010】また、請求項5に記載のこの発明に係わる
車両の自動制動装置は、前記自動変速機は、変速ギヤ位
置を固定可能に構成され、前記第1の自動変速制御内容
は、前記変速ギヤ位置を緩やかに固定する様に設定さ
れ、前記第2の自動変速制御内容は、前記変速ギヤ位置
を即座に固定する様に設定されている事を特徴としてい
る。
【0011】また、請求項6に記載のこの発明に係わる
車両の自動制動装置は、前記判断手段は、前記自車と前
方障害物との間の距離が連続的に短くなる方向に変化し
ていると判断される場合に、危険度が低いと判断し、前
記自車と前方障害物との間の距離が非連続的に短くなる
方向に変化していると判断される場合に、危険動が高い
と判断する様構成されている事を特徴としている。
【0012】
【作用】以上の様に構成する事により、請求項1に記載
の発明によれば、前方障害物と自車との間に発生した危
険度に夫々応じて、エンジン制御内容を異なる様に設定
された危険回避動作が実行される事となり、危険回避に
伴う減速動作が運転者へ与える違和感を、効果的に抑制
させることができる事となる。また、請求項2に記載の
発明によれば、危険度の低いと判断される場合の第1の
エンジン制御内容は、先ず吸気通路を閉塞駆動し、この
吸気通路が全閉した後、燃料の供給カットをするので、
エンジンブレーキは徐々に発動する事となり、運転者は
緩やかな減速感を感じるに留まり、一方、危険度の高い
と判断される場合の第2のエンジン制御内容は、吸気通
路の閉塞駆動と燃料供給カットとを実質的に同時に行う
様にしているので、エンジンブレーキは即座に、且つ、
強力に発動する事となる。
【0013】また、請求項3に記載の発明によれば、自
動変速機を備える自車と前方障害物との間に発生した危
険度に夫々応じて、自動変速内容を異なる様に設定され
た危険回避動作が実行される事となり、危険回避に伴う
減速動作が運転者に与える違和感を、更に効果的に抑制
させることができる事となる。また、請求項4に記載の
発明によれば、危険度が低いと判断される場合の第1の
自動変速制御内容は、ロックアップクラッチの締結が緩
やかに実行される様に設定され、運転者への減速ショッ
クが和らげられ、一方、危険度が高いと判断される場合
の第2の自動変速制御内容は、ロックアップクラッチの
締結を即座に実行される様に設定され、急激な減速状態
を達成することができる事となる。
【0014】また、請求項5に記載の発明によれば、自
車と前方障害物との間の距離が連続的に短くなる方向に
変化していると判断される場合には、前方障害物と認識
される対象が同一のままで接近しており、危険度が低い
と判定し、非連続的に短くなる方向に変化している場合
には、今までの前方障害物との間に、新たに前方障害物
として認識されるものが急に入り込んできおりて、危険
度が高いと判定する。
【0015】
【実施例】以下に、この発明に係わる車両の自動制動装
置の一実施例の構成を、添付図面を参照して、詳細に説
明する。尚、この一実施例においては、車両は、自動変
速機を備えるものとする。図1に示す様に、この一実施
例の自動制動装置10が備えられた車両Aは、左右の前
輪12FL、12FRが従動輪とされ、左右の後輪12
RL、12RRが駆動輪とされている。即ち、車体前部
に搭載されたエンジン14で発生した駆動トルクが、自
動変速機16、プロペラシャフト18、デファレンシャ
ルギヤ20を順次経た後、左右の駆動軸22L、22R
を夫々介して、左右の後輪12RL、12RRに夫々伝
達される様に構成されている。
【0016】上述した自動変速機16は、トルクコンバ
ータ24と多段式の変速歯車機構26とから構成されて
いる。この自動変速機16における変速動作は、変速歯
車機構26の油圧回路に組み込まれた複数のソレノイド
28の励磁と消磁との組み合わせを変更する事により実
行される。また、トルクコンバータ24は、油圧作動式
のロックアップクラッチ30を備えており、このロック
アップクラッチ30の油圧回路に組み込まれたソレノイ
ド32の励磁と消磁とを切り換える事により、ロックア
ップクラッチ30の締結と締結解除とが夫々実行され
る。
【0017】一方、上述したソレノイド28,32は、
自動変速機16を制御する為の自動変速機制御ユニット
(CAT)33に接続され、これにより制御されるよう
になされている。この自動変速機制御ユニット(CA
T)33は、既知の様に変速特性とロックアップ特性と
を予め記憶した状態で有しており、これら特性に基づい
て、変速制御とロックアップ制御とを自動変速機16に
おいて実行させる様に制御する。この制御の為に、この
自動変速機制御ユニット(CAT)33には、図2に示
す様に、メインスロット弁34のスロットル開度を検出
するメインスロットル開度センサ36と、サブスロット
ル弁38の開度を検出するサブスロットル開度センサ4
0と、車速を検出する車速センサ42とが接続され、こ
れらからメインスロットル開度信号、サブスロットル開
度信号、及び、車速信号とが夫々入力される様に構成さ
れている。尚、この一実施例においては、車速センサ4
2は、プロペラシャフト18の回転数に基づき、現在車
速を演算する様に構成されている。
【0018】ここで、図1に示す様に、上述したサブス
ロットル弁38及びメインスロットル弁34は、吸気通
路44内に、吸入空気の流通方向に沿って順次介設され
ており、即ち、サブスロットル弁38は図示しないエア
ークリーナ側に、また、メインスロットル弁34はエン
ジン14側に夫々配設されている。そして、メインスロ
ットル弁34は、アクセルペダル46に機械的に接続さ
れており、運転者のアクセルペダル46の踏み込み量に
応じて、メインスロットル弁34が開放駆動され、吸気
通路44が開放される様に、換言すれば、メインスロッ
トル開度が大きくなる様に設定されている。一方、サブ
スロットル弁38は、サブスロットル弁コントローラ4
8に接続され、これにより駆動制御される様になされて
いる。そして、このサブスロットル弁コントローラ48
は、この一実施例の自動制動装置10の制御系を司る自
動制動制御ユニット(CAB)49に接続され、これに
より駆動制御される様に構成されている。即ち、サブス
ロットル弁38は、メインスロットル弁34と独立した
状態で、サブスロットル弁コントローラ48を介して自
動制動制御ユニット(CAB)49の制御の下で電気的
に駆動制御される様になされている。
【0019】即ち、この自動制動制御ユニット(CA
B)49は、その制御手順を後に詳細に説明するが、基
本的には、運転者によるブレーキペダル50の踏み込み
動作とは無関係に、ブレーキ油圧系52に介設されたブ
レーキ圧調整機構54を駆動制御するものであり、その
基本自動制動制御に加えて、運転状態に基づく燃料噴射
制御とは無関係に、燃料噴射弁56を駆動する噴射弁コ
ントローラ58を駆動制御し、また、サブスロットル弁
コントローラ48を介して、サブスロットル弁38のス
ロットル開度を変更制御し、更に、上述した自動変速機
制御ユニット(CAT)33を介して、自動変速機16
の変速動作を制御する様に構成されている。
【0020】尚、自動制動制御ユニット(CAB)49
による自動制動制御動作時における自動変速機制御ユニ
ット(CAT)33の制御に際しては、変速ギヤ位置に
応じた制御動作を実行する為に、一旦、自動変速機制御
ユニット(CAT)33から現在出されている走行レン
ジ位置情報及び変速ギヤ位置情報を読み取った上で、こ
の読み取った走行レンジ位置情報に及び変速ギヤ位置情
報に応じて、エンジン自動制動制御動作を実行する様に
構成されている。尚、このエンジン自動制動制御動作
は、後に詳細に説明する。
【0021】次に、上述したブレーキ油圧系52の構成
と、このブレーキ油圧系に接続されたブレーキ圧調整機
構54の構成とを、図1と図2とを夫々参照して説明す
る。先ず、図1に示す様に、各車輪12FL,12F
R,12RL,12RRには、ブレーキ装置60FL,
60FR,60RL,60RRが夫々設けられている。
各ブレーキ装置60FL,60FR,60RL,60R
Rは、対応する車輪12FL,12FR,12RL,1
2RRと一体回転する様に取り付けられたブレーキディ
スク62FL,62FR,62RL,62RRを夫々挟
持して、油圧により制動力を発揮するキャリパ(ブレー
キシリンダ)64FL,64FR,64RL,64RR
を夫々備えている。これらキャリパ64FL,64F
R,64RL,64RRには、ブレーキ油圧系52を介
して、所定のブレーキ圧を有するブレーキオイルが供給
される様になされている。
【0022】即ち、このブレーキ油圧系52は、ブレー
キペダル50に接続され、これの踏み込み力を倍力する
為のハイドリックブースタを用いた倍力装置66と、こ
の倍力装置66に接続され、ここで倍力された踏み込み
力が伝達され、ブレーキオイルを加圧する為のタンデム
型のマスターシリンダ68とを備えている。このマスタ
ーシリンダ68は、合計で4個の吐出口70FL,70
FR,70RL,70RRを有している。また、このブ
レーキ油圧系52は、4個の吐出口70FL,70F
R,70RL,70RRとキャリパ64FL,64F
R,64RL,64RRとを夫々連結し、マスターシリ
ンダ68からの所定のブレーキ圧に調圧されたブレーキ
オイルを対応するブレーキ装置60FL,60FR,6
0RL,60RRに夫々供給する為のブレーキオイル配
管72FL,72FR,72RL,72RRを更に備え
ている。
【0023】上述した倍力装置66には、供給配管74
とリターン配管76とが接続されており、エンジンオイ
ルは供給配管74を介してリザーバタンク78からポン
プ80の駆動により倍力装置66に供給され、ここで余
剰となされたブレーキオイルはリターン配管76を介し
てリザーバタンク78へ戻される様に構成されている。
【0024】一方、上述したブレーキ圧調整機構54
は、ブレーキオイル配管72FL,72FR,72R
L,72RRに夫々介設された自動制動バルブユニット
82FL,82FR,82RL,82RRと、ABS
(アンチスキッドブレーキ装置)バルブユニット84F
L,84FR,84RL,84RRとを夫々備え、マス
ターシリンダ68からのブレーキオイルは、自動制動バ
ルブユニット82FL,82FR,82RL,82RR
に先ず供給され、その後、ABSバルブユニット84F
L,84FR,84RL,84RRを通って、対応する
車輪12FL,12FR,12RL,12RRのブレー
キ装置60FL,60FR,60RL,60RRに供給
される様に構成されている。
【0025】ここで、以下に、自動制動バルブユニット
82FL,82FR,82RL,82RRと、ABSバ
ルブユニット84FL,84FR,84RL,84RR
との構成を詳細に説明するが、各自動制動バルブユニッ
ト82FL,82FR,82RL,82RRは夫々同一
に構成され、また、ABSバルブユニット84FL,8
4FR,84RL,84RRも夫々同一に構成されてい
るので、以下の説明においては、左前輪12FLに対応
した自動制動バルブユニット82FL及びABSバルブ
ユニット84FLを代表した状態で説明し、他の説明を
省略する。
【0026】図2に示す様に、自動制動バルブユニット
82FLは、マスターシリンダ68とブレーキ装置60
FLとの間を接続するブレーキオイル配管72FLの連
通状態を遮断可能なシャッタバルブ86FLと、このシ
ャッタバルブ86FLをバイパスする様に、一端をブレ
ーキオイル配管72FLにおける自動制動バルブユニッ
ト82FLとABSバルブユニット84FLとの間の部
分に接続され、他端をマスターシリンダ68に接続され
た増圧用バイパス配管88FLと、この増圧用バイパス
配管88FLに介設され、ブレーキ装置60FLへ供給
されるブレーキオイルのオイル圧を高める為の増圧バル
ブ90FLと、上述したシャッタバルブ86FLをバイ
パスする様に、一端を増圧用バイパス配管88FLにお
ける、これの一端及び増圧バルブ90FLとの間の部分
に接続され、他端をマスターシリンダ68に接続された
減圧用バイパス配管92FLと、この減圧用バイパス配
管92FLに介設され、ブレーキ装置60FLへ供給さ
れるブレーキオイルのオイル圧を低める為の減圧バルブ
94FLとを備えている。
【0027】これら3種類のバルブ86FL,90F
L,94FLは、何れも電磁式の2ポート2位置切り換
えバルブから構成されている。また、上述した増圧用バ
イパス配管88FLにおける増圧バルブ90FLとマス
ターシリンダ68との間には、モータ96FLにより駆
動される油圧ポンプ98FLがマスターシリンダ68側
に、また、この油圧ポンプ98FLから吐出されるブレ
ーキオイルを貯留して一定圧に保持する為のアキュムレ
ータ100FLが増圧バルブ90FL側に夫々介設され
ている。
【0028】ここで、上述したシャッタバルブ86FL
が開位置にある場合には、ブレーキペダル50の踏み込
み力に応じて、対応するブレーキ装置60FLにブレー
キ圧が作用し、通常の制動動作が実行される。一方、シ
ャッタバルブ86FLが閉位置にある場合において、マ
スターシリンダ68からのブレーキ圧が対応するブレー
キ装置60FLに作用しない状態となる。この状態で、
増圧バルブ90FLを開位置に、また、減圧バルブ94
FLを閉位置に夫々切り換える事により、上述したアキ
ュムレータ100FLからのブレーキ圧が対応するブレ
ーキ装置60FLに作用して、自動制動動作が実行され
る事となる。また、この状態で、増圧バルブ90FLを
閉位置に、また、減圧バルブ94FLを開位置に夫々切
り換える事により、対応するブレーキ装置60FLから
ブレーキオイルが戻されて、制動力が弱められる事とな
る。
【0029】上述した3つのバルブ86FL,90F
L,94FLの切り換え動作は、夫々に接続されたアク
チュエータ(図示せず)により実行され、これらアクチ
ュエータは、自動制動制御ユニット(CAB)49から
の制御信号に基づき駆動制御される様になされている。
【0030】一方、上述したABSバルブユニット84
FLは、ブレーキオイル配管72FLに介設された3ポ
ート2位置切り換え弁からなるシャッタバルブ102F
Lを備えており、このシャッタバルブ102FLはトラ
クション制御ユニット(CTR)103に接続され、こ
れにより、制動時(運転者がブレーキペダル50を踏み
込む事による通常制動時、及び、ブレーキペダル50の
踏み込みとは無関係に行われる自動制動時を含む)にお
いて、このシャッタバルブ102FLを開位置と閉位置
との間で適宜切り換え制御される事により、対応するブ
レーキ装置60FLに印加される制動圧を調整して、対
応する車輪12FLがロックしない様になされている。
【0031】ここで、このABSのシステム構成は、本
願発明とは直接関係がないので詳述しないが、上述した
シャッタバルブ102FLの他に、モータ駆動式の油圧
ポンプ104FL及び一対のアキュムレータ106F
L,108FL等を備えて構成されている。尚、上述し
たトラクション制御ユニット(CTR)103は、上述
したサブスロットルコントローラ48にも接続されてお
り、詳細は省略するが、トラクション制御時に、エンジ
ン発生トルクを調整する為に、後述する全体制御ユニッ
ト(TCU)113を介してサブスロットル弁38を開
閉制御する様になされている。
【0032】また、このトラクション制御ユニット(C
TR)103には、上述したメインスロットル開度セン
サ36と、サブスロットル開度センサ40と、車速セン
サ42とが接続されると共に、アクセルペダル46の踏
み込み量を検出する為のアクセル開度センサ110と、
各車輪12FL,12FR,12RL,12RRの回転
速度を検出する車輪回転速度センサ112FL,112
FR,112RL,112RR(図1に示す。)と、路
面の摩擦係数を検出する路面μセンサ114とが接続さ
れており、これらからメインスロットル開度信号と、サ
ブスロットル開度信号と、車速信号と、アクセル開度信
号と、各車輪12FL,12FR,12RL,12RR
の回転速度信号と、路面摩擦係数信号とが夫々入力され
る様に構成されている。そして、トラクション制御ユニ
ット(CTR)は、各車輪12FL,12FR,12R
L,12RRの回転速度信号に基づき車輪のスリップ状
態を検出し、メインスロットル開度信号、サブスロット
ル開度信号、車速信号、アクセル開度信号、及び、路面
摩擦係数信号に応じて、所定のトラクション制御を実行
する様になされている。
【0033】ここで、トラクション制御ユニット(CR
T)103に入力されたメインスロットル開度信号、サ
ブスロットル開度信号、車速信号、アクセル開度信号、
各車輪12FL,12FR,12RL,12RRの回転
速度信号、及び路面摩擦係数信号等は、後述する全体制
御ユニット(TCU)113に伝送され、これを介して
自動制動制御ユニット(CAB)49に転送される様に
なされている。
【0034】尚、上述した自動変速機制御ユニット(C
AT)33、自動制動制御ユニット(CAB)49、及
び、トラクション制御ユニット(CTR)103は、全
体制御ユニット(TCU)113に接続されており、こ
の全体制御ユニット(TCU)113により、相互間を
適宜調整制御される様になされている。即ち、この全体
制御ユニット(TCU)は、噴射弁コントローラ58に
接続されており、現在の運転状態に最適な燃料噴射量が
燃料噴射弁56から噴射される様に、この噴射弁コント
ローラ58を駆動制御する基本制御動作を実行する様に
なされている。一方、この全体制御ユニット(TCU)
113は、この基本制御動作を実行するほかに、後に詳
細に説明する自動制動制御ユニット(CAB)49にお
いて前方障害物との相対関係が所定の危険状態に陥った
と判断された場合には、自動制動制御ユニット(CA
B)からの指令(割り込み起動信号)に基づき、自動制
動制御動作をこの基本制御動作に対して割り込み実行さ
せると共に、自動変速機制御ユニット(CAT)の自動
変速制御動作に対しても割り込み実行させる様に構成さ
れている。
【0035】ここで、前方障害物とは、自車の直前方に
存在する物体を指すものであり、自車が走行する車線と
同一車線を同方向に向けて(即ち、前方に向けて)走行
する車両は勿論の事、同一車線を自車に向けて走行して
くる車両や、同一車線上に停止している車両や車両以外
の物体を指すものであり、前方を走行する車両との間に
例えばわき道から他の車両が自車の走行車線に入り込ん
できた場合には、この入り込んできた車両が自車にとっ
ての前方障害物として認識される様に更新される。
【0036】次に図3を参照して、自車と前方障害物と
の間の距離及び両者の相対速度を検出する検出機構11
6の構成を説明する。即ち、この検出機構116は、車
体の前部に設けられた超音波レーダユニット118を備
えている。この超音波レーダユニット118は、詳細は
図示されていないが、周知の様に、超音波を超音波発信
部から自車の前方に位置する車両等の前方障害物に向け
て発信すると共に、この前方障害物に当って反射してく
る反射超音波を超音波受信部で受信するように構成され
ている。この超音波レーダユニット118には、演算ユ
ニット120が接続されている。この演算ユニット12
0は、超音波レーダユニット118からの検出結果を受
けて、超音波レーダ受信波の送信時点からの遅れ時間
(ドップラーシフト)に基づき、自車と前方障害異物と
の間の距離及び両者の相対速度を演算する様に構成され
ている。
【0037】一方、上述した検出機構116は、車体前
部の左右に夫々設けられる一対のレーザレーダユニット
122,124を備えている。各レーザレーダユニット
122,124は、所定波長を有するパルスレーザ光を
レーザ発信部から発信すると共に、上述した前方障害物
に当って反射してくる反射レーザ光をレーザ光受信部で
受信する様に構成されている。各レーザレーダユニット
122,124は、信号処理ユニット126を介して上
述した演算ユニット120に接続されており、この演算
ユニット120は、受信レーザ光の送信時点からの遅れ
時間に基づき、自車と前方障害物との間の距離及び両者
の相対速度を演算する様に構成されている。
【0038】ここで、この演算ユニット120は、一対
のレーザレーダユニット122,124の系統による距
離及び相対速度の演算結果を基本的に用い、前方障害物
との間の距離が、所定距離以下(例えば、約10m以
下)となった場合や、霧等の悪気象条件下における走行
状態で、発信されたレーザ光が散乱して検出精度が保証
されない場合に、超音波レーダユニット118の系統に
よる距離及び相対速度の演算結果を用いる様になされて
いる。
【0039】上述した各レーザレーダユニット122,
124は、各々のレーザ光の発信方向を水平面内で互い
に同期した状態で変更可能に設けられており、各レーザ
レーダユニット122,124を水平面内で移動駆動す
る為に、駆動モータ128が取り付けられている。この
駆動モータ128には、上述した演算ユニット120が
接続されており、駆動モータ128の作動はこの演算ユ
ニット120により実行される様になされている。一
方、この駆動モータ128には、その駆動回転角度を検
出する為の角度センサ130が取り付けられている。こ
の角度センサ130は演算ユニット120に接続されて
いる。この演算ユニット120は、この角度センサ13
0からの検出結果に基づき、各レーザレーダユニット1
22,124におけるレーザ光の送受信方向を検知する
ことができる様になされている。即ち、演算ユニット1
20によるレーザレーダユニット122,124の系統
における距離及び相対速度の演算には、パルスレーザ光
の送受信方向が加味される様になされている。
【0040】この演算ユニット120は、上述した自動
制動制御ユニット(CAB)49に接続され、ここに、
演算結果としての自車と前方障害物との間の距離情報及
び両者の相対速度情報を出力する様になされている。こ
の自動制動制御ユニット(CAB)49は、図1を参照
して上述した様に、ブレーキ圧調整機構54、詳細に
は、各車輪12FL,12FR,12RL,12RRに
対応して設けられた自動制動バルブユニット82FL,
82FR,82RL,82RRに接続されると共に、全
体制御ユニット(TCU)113を介してサブスロット
ル弁コントローラ48と噴射弁コントローラ58と自動
変速機制御ユニット(CAT)とに接続されており、上
述した演算結果に基づき、後述する制御手順に従い、自
動制動制御動作を実行する様に構成されている。
【0041】尚、自動制動制御ユニット(CAB)49
には、図3に示す様に、入力された所の自車と前方障害
物との間の距離情報に基づき、それを表示する離間距離
表示パネル132と、前方障害物との相対関係が危険状
態と判断される場合に警報が発せられる警報ブザー13
3とが接続されており、これら離間距離表示パネル13
2と警報ブザー134とは、共に、車室内のインスツル
メントパネル(図示せず)に取り付けられた警報表示ユ
ニット136内に配設されている。これらの配設によ
り、運転者は前方障害物と自車との間の距離を離間距離
表示パネル132に表示された数値より認識することが
できると共に、運転者による前方障害物への注意が向け
られていない場合においても、この前方障害物と自車と
の間の距離が所定の危険状態と判断される状態に陥る
と、警報ブザー133が鳴ることにより、前方障害物と
の関係が所定の危険状態にある事を認識することができ
る事になる。
【0042】次に、図4乃至図10を参照して、自動制
動制御ユニット(CAB)における自動制動制御動作の
制御手順を説明する。先ず、図4に示す様に、所定の起
動タイミングで、前方障害物との接触防止の為の自動制
動制御動作が開始される。ここで、この一実施例におい
ては、上述した説明から明らかな様に、ブレーキ油圧系
52に設けられたブレーキ圧調整機構54として、自動
制動用の自動制動バルブユニット82FL,82FR,
82RL,82RRを、トラクション制御用のABSバ
ルブユニット84FL,84FR,84RL,84RR
と夫々直列に配設する様に構成している関係上、両者の
作動の釣合を取る為、自動制動制御動作は、トラクショ
ン制御動作と同様に、例えば7msecの周期で繰り返し起
動される様に設定されている。
【0043】即ち、この自動制動制御動作が起動される
と、先ず、ステップS10において、自動制動動作を実
行するに必要な各種の入力情報の読み込み動作が実行さ
れる。尚、この入力情報としては、演算ユニット120
で演算された所の自車の前方障害物との間の離間距離情
報Lxと両者の相対速度情報Vxとを含むほか、全体制
御ユニット(TCU)113を介して路面μセンサ11
4からの路面摩擦係数情報μや、自動変速機制御ユニッ
ト(CAT)からの走行レンジ位置情報RI及び変速ギ
ヤ位置情報GIを含むものである。
【0044】この後、ステップS12において、ステッ
プS10で読み込んだ各種情報に基づき、自動制動制御
動作を実行するに必要となる各種の閾値L0 ,L0 ′,
11 ,L2 ,L2 ′を設定する。ここで、全ての閾
値は、距離として表されるものであり、特に、閾値L0
は、自車が前方障害物に接触する可能性があり、接触防
止の為に自動制動動作の中でブレーキ油圧系52に基づ
く制動力の発動を開始する基準となる値を示している。
また、閾値L0 ′は、自車が前方障害物に接触する可能
性があり、接触防止の為に自動制動動作の中でエンジン
ブレーキに基づく制動力の発動を開始する基準となる値
を示している。尚、この一実施例においては、この閾値
0 ′は、図5に示すマップに基づき規定されるもので
ある。このマップは、後に詳細に説明する。また、閾値
0 は、この一実施例においては閾値L0 ′の80%に
なる様に設定されている。
【0045】即ち、この一実施例においては、後述する
が、基本的には、先ず、エンジンブレーキによる制動力
が発動され、その後、ブレーキ油圧系52による制動力
が発動される様になされている。一方、閾値L1 は、こ
の自動制動動作の開始に先立ち、上述した警報ブザー1
34を介して運転者に警報を発する動作を開始する基準
となる値を示している。尚、この閾値L1 は、閾値L
0 ′よりも所定量だけ長く設定されている。即ち、この
閾値L1 が、この自動制動制御を実施するに際して、自
車と前方障害物との間の距離が危険状態となった事を判
断する為の基準値として用いられる事になる。また、閾
値L2 は、自動制動動作を開始した後において、前方障
害物との接触の可能性がなくなってブレーキ油圧系52
による自動制動動作を解除する際の基準となる値を示し
ており、閾値L2 ′は、同様な条件におけるエンジンブ
レーキに基づく自動制動動作を解除する際の基準となる
値を示している。ここで、閾値L2 は、この一実施例に
おいては閾値L2 ′の80パーセントに設定されてい
る。即ち、この一実施例においては、後述するが、基本
的には、先ず、ブレーキ油圧系52による制動力が解除
され、その後、エンジンブレーキによる制動力が解除さ
れる様になされている。尚、この閾値L2 ,L2 ′は、
上述した閾値L0 ,L0 ′よりも夫々所定量だけ長い長
さに設定されている。
【0046】即ち、この一実施例においては、各閾値
は、以下の不等式で表される大小関係に設定されてい
る: L2 ′>L2 >L0 ′>L01 >L0
【0047】ここで、図5を参照して、閾値L0 ′を決
定する手順について説明する。先ず、図5における線A
は第1の閾値線を示しており、この第1の閾値線Aは、
前方障害物たる車両が、その車両の前方障害物に接触し
て停車した場合に、自車がその車両と接触する事を防止
する為に必要な車間距離を示しており、相対速度Vx
大小に拘らず、常に、前方障害物が停止物である時(即
ち、相対速度Vx が自車の走行速度V0 と同一である
時)と同じ値く、数値式V0 2/2μgで表させる数値を
とる。また、図5における線Bは第2の閾値線を示して
おり、この第2の閾値線Bは、前方障害物たる車両がフ
ル制動をかけた際に、この車両との接触を防止する為に
必要な車間距離を示しており、数値式Vx ・(2V0
x )/2μgで表される数値をとる。
【0048】一方、図5における線Cは第3の閾値線を
示しており、この第3の閾値線Cは、前方障害物たる車
両が減速度μ/2gの緩制動をかけた場合に、この車両
との接触を防止する為に必要な車間距離を示している。
更に、図5における線Dは第4の閾値線を示しており、
この第4の閾値線Dは、前方車両が一定車速を保った場
合に、この車両との接触を防止する為に必要な車間距離
を示しており、数値式Vx /2μgで示される数値をと
る。また、図5における線Eは、の閾値線を示してお
り、この′の閾値線Eは、自車が自動制動をかけても前
方障害物たる車両との接触を防止できないが、接触時に
おける衝撃力をある程度緩和する事のできる車間距離を
示している。この一実施例においては、図示しないモー
ド切り換えスイッチを介して第2の閾値線Bが選択され
ているものとし、この第2の閾値線Bを用いて、現時点
における相対速度Vx に対応する閾値L0 ′が求められ
る事になる。
【0049】この様に、ステップS12において、各種
の閾値L0 ,L0 ′,L11 ,L2 ,L2 ′が設定さ
れた後、ステップS14において、自車と前方障害物と
の間の相対速度Vx が0以上であるか否かが判別され
る。ここで、この一実施例においては、相対速度Vx
は、プラスの値をとる場合に、両者が互いに接近してい
る状態を示し、マイナスの値をとる場合に、両者が互い
に離間している状態を示すものとする。このステップS
14においてYESと判断される場合、即ち、相対速度
x がプラスの値をとり両者が互いに近接している状態
にあると判断される場合、以降、制動力の自動発動ルー
チンが実行される。
【0050】即ち、引き続くステップS16において、
自車と前方障害物との間の関係が第1の危険モードにあ
るか否かが判定される。ここで、この一実施例において
は、第1の危険モードとは、自車と前方障害物との間の
距離の変化状態を検出し、その結果、連続的に短くなる
方向に変化していると判断される場合である。この場合
には、前方障害物となる対象が同一のままで、変わりが
ないと判断されるものであるから、前方障害物が急激に
自車に相対的に近接する虞が無いものとして、危険度が
低い状態と判定する。一方、第2の危険モードとは、上
述した自車と前方障害物との間の距離の変化状態を検出
し、その結果、非連続的に短くなる方向に変化している
と判断される場合である。この場合には、今まで前方障
害物として認識されていたものとの間に、新たに前方障
害物として規定される車両、物体、人間が入り込んだも
のと判断されるものであり、前方障害物が急激に自車に
相対的に近接する虞があるものとして、危険度が極めて
高いと判定する。
【0051】ここで、上述したステップS16において
YESと判断される場合、即ち、前方障害物と自車との
関係が危険度の低い第1の危険モードであると判断され
る場合には、引き続くステップS18において、第1の
危険モード回避動作を実行する。尚、この第1の危険モ
ード回避動作は、サブルーチンとして、図6を参照して
の地に詳細に説明する。一方、上述したステップS16
においてNOと判断される場合、即ち、前方障害物と自
車との関係が危険度の高い第2の危険モードであると判
断される場合には、ステップS20において、第2の危
険回避動作を実行する。尚、この第2の危険モード回避
動作は、サブルーチンとして、図8を参照して詳細に説
明する。
【0052】尚、ステップS16またはステップS18
において第1または第2の危険モード回避動作を実行す
るに際して、変速ギヤ位置の固定動作、ワンウエイ(O
/W)クラッチの無効動作、及び、ロックアップ(L/
U)クラッチの締結動作が実行されるものであるが、こ
のように変速ギヤ位置を固定し、ワンウエイクラッチを
無効とし、ロックアップクラッチを締結しておくと、減
速動作に伴うエンジン回転数の減少により、エンジンが
所謂エンスト状態となり、エンジンブレーキが発動しな
い状態となる虞がある。
【0053】この為、ステップS18またはステップS
20が実行されると、ステップS22に進み、ここで、
エンジン回転数がエンスト限界にあるか否かが判定され
る。このステップS22でYESと判断される場合、即
ち、エンジン回転数がエンスト限界にあると判断される
場合には、引き続くステップS24において変速ギヤ位
置の固定動作を解除し、ステップS26においてワンウ
エイクラッチの無効動作を解除し、そして、ステップS
28において、ロックアップクラッチの締結動作を解除
し、エンジンをフリーな状態となして、エンストが発生
しない様にする。そして、今回の制御手順を終了して、
7msec後に設定された次回の制御手順の起動を待つ。
【0054】一方、上述したステップS22においてN
Oと判断される場合、即ち、エンジン回転数が未だエン
スト限界まで達していないと判断される場合には、ステ
ップS18またはステップS20における第1または第
2の危険モード回避動作におけるを変速ギヤ位置の固定
動作、ワンウエイクラッチの無効動作、及び、ロックア
ップクラッチの締結動作実行し続けてもエンスト状態と
はならないと判断されるものであるから、ステップS2
4,ステップS26,ステップS28を実行することな
く、今回の制御手順を終了して、7msec後に設定された
次回の制御手順の起動を待つ。一方、上述したステップ
S14においてNOと判断される場合、即ち、相対速度
x がマイナス値であると判断され、前方障害物が自車
から徐々に遠ざかっていると判断される場合には、制動
力の自動解除ルーチンが実行される。
【0055】即ち、先ずステップS30に進み、ここ
で、離間距離Lx が閾値L2 よりも大きいか否かが判断
される。このステップS30においてNOと判断される
場合、即ち、離間距離Lx が不等式Lx ≦L2 で規定さ
れる範囲内にあり、依然として、前方障害物との関係が
危険状態にあり、自動制動制御動作を継続する必要があ
ると判断される場合には、制動力の自動解除ルーチンを
具体的に実行することなく、今回の制御手順を終了し、
7msec後に設定された次回の制御手順の起動を待つ。即
ち、このステップS30においてNOと判断される場合
においても、事前にステップS22またはステップS2
6において、エンジン自動制動制御が起動され、また
は、ブレーキ自動制動制御が起動されている場合には、
これらが実行され続ける事となる。
【0056】また、上述したステップS30においてY
ESと判断される場合、即ち、離間距離Lx が不等式L
x >L2 で規定される範囲内にあり、ブレーキ油圧系5
2による制動力が不要であると判断される場合には、ス
テップS32に進み、ここで、ブレーキ油圧系52にお
けるブレーキ自動制動制御動作を解除させるべくブレー
キ自動制動制御解除信号を出力する。この後、ステップ
S34に進み、ここで、ブレーキ自動制動制御動作が実
行されている事を示すフラグFを「0」にリセットし、
ブレーキ自動制動制御動作が解除されている事を示す。
そして、ステップS36において、離間距離Lx が閾値
2 ′よりも大きいか否かが判断される。このステップ
S36においてNOと判断される場合、即ち、離間距離
x が不等式L2 <Lx ≦L2 ′で規定される範囲内に
あり、依然として、前方障害物との関係が危険状態にあ
るが、ブレーキ油圧系52による強力な制動力は不必要
であるものの、尚、エンジン自動制動制御動作を継続す
る必要があると判断される場合には、今回の制御手順を
終了し、7msec後に設定された次回の制御手順の起動を
待つ。
【0057】一方、上述したステップS36においてY
ESと判断される場合、即ち、離間距離Lx が不等式L
x >L2 ′で規定される範囲内にあり、エンジンブレー
キによる制動力をも不要であると判断される場合には、
ステップS38に進み、ここで、エンジン自動制動制御
動作を解除させるべくエンジン自動制動制御解除信号を
全体制御ユニット(TCU)113に出力する。この全
体制御ユニット(TCU)113は、このエンジン自動
制動制御解除信号を受ける事により、サブスロットル弁
コントローラ48を介してのサブスロットル弁38の閉
塞動作を中止し、これを全開状態に復帰させる。この
後、ステップS40に進み、警報動作を解除する警報動
作解除信号を出力し、即ち、警報ブザー134における
鳴動動作を停止して、一連の制御手順を終了し、7msec
後に設定された次回の制御手順の起動を待つ。この様に
して、自動制動制御動作の一連の手順を終了する。
【0058】次に、図6を参照して、上述したステップ
S18における第1の危険モード回避動作、即ち、危険
度が小さいと判断された場合の危険回避のための制御手
順をサブルーチンとして詳細に説明する。ステップS1
8が起動されると、先ず、ステップS18Aにおいて、
自車と前方障害物との間の距離(以下、単に離間距離と
呼ぶ。)Lx が上述した閾値L1よりも小さいか否かが
判断される。このステップS18AにおいてNOと判断
される場合、即ち、離間距離Lx が不等式Lx ≧L1
規定される範囲内にあり、未だ危険状態を規定する領域
に達しておらず、警報ブザー134を鳴らす必要がない
と判断される場合には、自動制動制御動作を実行しなく
てもよいので、制動力の自動発動ルーチンを具体的に実
行することなく、今回の制御手順を終了し、7msec後に
設定された次回の制御手順の起動を待つ。
【0059】一方、このステップS18AにおいてYE
Sと判断される場合、即ち、離間距離が不等式Lx <L
1 で規定される範囲内にあり、危険状態に陥ったと判断
される場合には、ステップS18Bに進み、警報ブザー
134を鳴動させ、運転者に前方障害物との離間距離L
x が危険状態に陥った事を報知する。この後、ステップ
S18Cにおいて離間距離Lx が閾値L0 ′よりも小さ
いか否かが判断される。このステップS18Cにおいて
NOと判断される場合、即ち、離間距離Lx が不等式L
0 ′≦Lx <L1 で規定される範囲内にあり、警報動作
を継続する必要はあるものの、自動制動動作を実行する
までの事はないと判断される場合には、今回の制御手順
を終了し、7msec後に設定された次回の制御手順の起動
を待つ。
【0060】ここで、ステップS18CにおいてYES
と判断される場合、即ち、離間距離Lx が不等式Lx
0 ′で規定される範囲内にあり、自動制動動作を実行
する必要があると判断される場合には、ステップS18
Dに進み、エンジン14においてエンジンブレーキを発
生させ、このエンジンブレーキによる制動力を発動させ
るべく、全体制御ユニット(TCU)113に割り込み
起動信号を出力し、ここにおいて割り込みルーチンとし
て規定される第1のエンジン自動制動制御を起動する。
尚、このエンジン自動制動制御の制御手順は、後に図7
を参照して詳細に説明する。
【0061】このステップS18Dにおいて第2のエン
ジン自動制動制御を起動させた後、引き続くステップS
18Eにおいて、離間距離Lx が閾値L0 よりも小さい
か否かが判断される。このステップS18EにおいてN
Oと判断される場合、即ち、離間距離Lx が不等式L0
≦Lx <L0 ′で規定される範囲内にあり、エンジンブ
レーキによる制動力のみで、危険回避動作として充分な
制動力がかけられていると判断される場合には、今回の
制御手順を終了し、7msec後に設定された次回の制御手
順の起動を待つ。
【0062】一方、上述したステップS18Eにおいて
YESと判断される場合、即ち、離間距離Lx が不等式
x <L0 で規定される範囲にあり、強力な制動力が必
要であると判断された場合には、ステップS18Fに進
み、割り込みルーチンとして規定される所のブレーキ油
圧系52によるブレーキ自動制動制御動作を起動する。
尚、このブレーキ自動制動動作の制御手順は、後に詳細
に説明する。そして、ステップS18Gにおいてブレー
キ自動制動制御動作が実行されている事を示すフラグF
を「1」にセットし、7msec後に設定された次回の制御
手順の起動を待つ。
【0063】尚、ステップS18Fにおけるブレーキ自
動制動制御動作は、メインルーチンから独立した割り込
みルーチンとして実行されるものであり、一旦起動され
ると、対応する解除動作が実行されない限り、その制御
動作は実行し続ける様に設定されている。このようにし
てステップS18Gの実行が終了すると、このサブルー
チンにおける全ての制御手順の実行を終了し、元のメイ
ンルーチンに復帰する。
【0064】次に、図7を参照して、上述したステップ
S18Dにおける第1のエンジン自動制動制御動作の制
御手順を、全体制御ユニット(TCU)113における
割り込みルーチンとして説明する。先ず、ステップS1
8Dにおいて第1のエンジン自動制動制御動作が起動さ
れると、ステップS42において、ブレーキ自動制動制
御が発動されている事を示すフラグFに「1」がセット
されているか否かが判断される。このステップS42に
おいて、NOと判断される場合、即ち、予めブレーキ自
動制動制御が発動されていないと判断される場合には、
現在の走行レンジ位置または変速ギヤ位置に応じたエン
ジンブレーキ制御量EBC(後に詳細に説明する。)を
設定する制御手順が実行される。
【0065】即ち、引き続くステップS44において、
上述したメインルーチンにおけるステップS10で予め
読み込んだ走行レンジ位置情報RIに基づき、自動変速
機16において現在設定されている走行レンジ位置が判
別される。このステップS44において、自動変速機1
6において現在設定されている走行レンジ位置が「L」
(即ち、変速ギヤ位置が1速に固定)であると判断され
る場合には、ステップS46において、エンジンブレー
キ制御量EBCを最小値(MIN)に設定する。そし
て、引き続くステップS48において、危険度が小さい
状態であるので緩やかにロックアップクラッチを締結さ
せる。このようにロックアップクラッチを緩やかに締結
させる事により、ロックアップ時に発生するショックを
効果的に抑制する事が可能となり、この結果、運転者に
対する減速ショックを可及的に抑えることができるもの
である。
【0066】一方、引き続くステップS50において
は、上述したステップS46で設定した最小のエンジン
ブレーキ制御量EBCで、サブスロットル弁コントロー
ラ48を介して、サブスロットル弁38を閉塞駆動す
る。ここで、最小のエンジンブレーキ制御量EBCが設
定される事により、サブスロットル弁コントローラ48
は、吸気通路44が緩やかな閉塞速度で閉じられる様
に、換言すれば、徐々にエンジンブレーキが発動される
様にサブスロットル弁38を駆動する。
【0067】一方、上述したステップS44において、
自動変速機16において現在設定されている走行レンジ
位置が「S」(即ち、変速ギヤ位置が1速または2速に
設定)であると判断される場合には、ステップS52に
おいて、エンジンブレーキ制御量EBCを中間値(ME
D)に設定する。そして、上述したステップS48に進
み、緩やかにロックアップクラッチを締結させ、その後
ステップS50において、ステップS52で設定した所
の中間のエンジンブレーキ制御量EBCで、サブスロッ
トル弁コントローラ48を介して、サブスロットル弁3
8を閉塞駆動する。ここで、中間値のエンジンブレーキ
制御量EBCが設定されると、サブスロットル弁コント
ローラ48は、吸気通路44が通常(中程度)の閉塞速
度で閉じられる様に、サブスロットル弁38を駆動す
る。
【0068】更に、上述したステップS44において、
自動変速機16において現在設定されている走行レンジ
位置が「D」(即ち、変速ギヤ位置が走行状態に最適の
任意の位置に設定)であると判断される場合には、ステ
ップS54において、自動変速機16におけるシフトア
ップ動作を禁止するため、換言すれば、現在の変速ギヤ
位置を一定に保つ為に、緩やかに変速ギヤ位置を固定す
る。このように変速ギヤ位置を緩やかに固定する事によ
り、この固定動作によるショックが和らぐ事となり、運
転者はそのショックを感じることなく、従って、固定動
作に伴う違和感を感じることなく、極めて自然な状態で
運転動作を続行することができる事となる。
【0069】そして、ステップS56において、自動変
速機16におけるワンウエイクラッチ(図示せず)を無
効に(固定)する。即ち、ドライブレンジ「D」におい
て吸気通路44を閉じた場合には、通常、車両はワンウ
エイクラッチの作用により、慣性走行状態となる。この
慣性走行状態においては、運転者は前方に引かれる様な
不安感のあるフィーリングとなる。しかしながら、ステ
ップS56においてワンウエイクラッチを固定する事に
より、運転者に対する前に引かれるような不安感を除去
することができる事となる。
【0070】そして、引き続くステップS58におい
て、上述したステップS10で予め読み込んだ変速ギヤ
位置情報GIに基づき、現在の変速ギヤ位置がどこにあ
るかが判断される。即ち、このステップS58において
変速ギヤ位置が「一速」に設定されていると判断される
場合には、上述したステップS46に進み、エンジンブ
レーキ制御量EBCを最小値(MIN)に設定し、ステ
ップS48,ステップS50と進んで、この最小のエン
ジンブレーキ制御量EBCでサブスロットル弁38を緩
やかに閉塞駆動する。一方、ステップS58において、
変速ギヤ位置が「二速」に設定されていると判断される
場合には、上述したステップS52に進み、エンジンブ
レーキ制御量EBCを中間値(MED)に設定し、ステ
ップS48,ステップS50と進んで、この中間のエン
ジンブレーキ制御量EBCでサブスロットル弁38を通
常の閉塞速度で閉塞駆動する。
【0071】一方、ステップS58において、変速ギヤ
位置が「三速」、または、「四速」(オーバトップを含
む)に設定されていると判断される場合には、ステップ
S60において、エンジンブレーキ制御量EBCを最大
値(MAX)に設定し、この後、ステップS48,ステ
ップS50と進んで、この最大のエンジンブレーキ制御
量EBCでサブスロットル弁38を急激に閉塞駆動す
る。このように急激にサブスロットル弁38を閉塞駆動
する事により、強力なエンジンブレーキが発動される事
となる。
【0072】上述した様にステップS50において、所
定のエンジンブレーキ制御量EBCでサブスロットル弁
38を閉塞駆動する動作が実行されると、引き続くステ
ップS62において、吸気通路44がサブスロットル弁
38により全閉状態となったか否かが判断される。この
ステップS62においてNOと判断される場合、即ち、
吸気通路44がサブスロットル弁38により未だ全閉状
態となっていないと判断される場合には、上述したステ
ップS60に戻り、サブスロットル弁38の閉塞動作を
継続して、全閉状態となるのを待つ。一方、ステップS
62においてYESと判断される場合、即ち、吸気通路
44がサブスロットル弁38により全閉状態となった事
が確認されると、引き続くステップS64において、噴
射弁コントローラ58を介して燃料噴射弁56からの燃
料噴射をカットする。
【0073】この後、引き続くステップS66におい
て、エンジン自動制動制御解除信号が出力されているか
否かが判断される。このステップS66においてNOと
判断される場合、即ち、上述したステップS38が実行
されずに、エンジン自動制動制御解除信号が出力されて
いないと判断される場合には、上述したステップS42
に戻り、再びエンジン自動制動制御を起動させる。一
方、このステップS66においてYESと判断される場
合、即ち、上述したステップS38においてエンジン自
動制動制御解除信号が出力されたと判断される場合に
は、このエンジン自動制動制御動作を終了させ、これら
一連のエンジン自動制動制御の制御手順を終了する。
【0074】ここで、上述したステップS42におい
て、YESと判断される場合、即ち、フラグFに「1」
がセットされていてブレーキ自動制動制御が発動されて
いると判断される場合には、現在の走行レンジ位置また
は変速ギヤ位置に拘らず、エンジンブレーキ制御量EB
Cを最大値に設定する制御手順を実行する。即ち、ステ
ップS42においてYESと判断されると、即座にステ
ップS68に飛び、即座に変速ギヤ位置を固定し、引き
続くステップS70においてワンウエイクラッチを無効
にし、ステップS72においてエンジンブレーキ制御量
EBCを最大値(MAX)に設定し、ステップS74に
おいて、この最大のエンジンブレーキ制御量EBCで、
変速ギヤ位置が何れにあろうともサブスロットル弁38
を急激に閉塞駆動して、エンジンブレーキを強力に発動
する。この後、ステップS76において、即座にロック
アップクラッチを締結させる。
【0075】即ち、ステップS68からステップS76
を実行する事により、強力なエンジンブレーキをブレー
キ自動制動制御と同時に発動させると共に、変速ギヤ位
置を即座に固定し、ワンウエイクラッチを無効とし、ロ
ックアップクラッチを即座に締結させる事により、全体
として極めて強い制動力で車両を減速させて、短い停止
距離で確実な危険回避動作が達成される様にする。一
方、このようにフラグFに「1」がセットされた状態
で、既にブレーキ自動制動制御動作が実行されている状
態にあっては、上述したステップS76を実行した後、
直接にステップS64に進み、ここで、燃料カット動作
を実行する。即ち、未だブレーキ自動制動制御動作が実
行されていない状態においては、ステップS62を経て
ステップS64が実行される事により、吸気通路44が
サブスロットル弁38により全閉となされる事を待って
燃料供給カット動作を実行する様に設定されてたが、既
にブレーキ自動制動制御動作が実行されており、更に強
力なブレーキ力が必要であるので、吸気通路44が全閉
となる事を待つことなく、吸気通路44の閉塞動作の途
中であったとしても、燃料供給カット動作を実行して、
早急にブレーキ力が発揮される様になされている。
【0076】このようにして、危険度が小さいと判断さ
れる第1の危険モードを回避する為の第1の危険モード
回避制御における第1のエンジン自動制動制御手順にお
いては、未だブレーキ自動制動制御動作が起動されてい
ない状態においては、実質的に変速ギヤ位置に応じたエ
ンジンブレーキ制御量EBCで減速ショックを可及的に
抑制した状態でエンジンブレーキを発揮させ、しかも、
変速ギヤ位置の固定動作やロックアップクラッチの締結
動作を緩やかに実行させる事により、その際のショック
が運転者に伝わらない様に考慮されている。
【0077】一方、既にブレーキ自動制動制御動作が起
動された場合には、運転者に減速ショックを与えない考
慮よりも、緊急に自車を停止させて危険回避を実効ある
もとのしなければならない為、変速ギヤ位置に拘らず最
大のエンジンブレーキ制御量EBCで吸気通路44を閉
塞し、この閉塞動作と同時に燃料供給カットを実行し、
エンジンブレーキの発動を緊急に行うと共に、変速ギヤ
位置を即座に固定し、ワンウエイクラッチを無効とし、
且つ、ロックアップクラッチを即座に締結する事によ
り、エンジンブレーキが即座に発揮され得る状態を達成
している。このようにして、状況に応じたエンジンブレ
ーキの発動が可能となる。
【0078】次に、図8を参照して、上述したステップ
S20における第2の危険モード回避動作、即ち、危険
度が大きいと判断された場合の危険回避のための制御手
順をサブルーチンとして詳細に説明する。先ず、ステッ
プS20が起動されると、ステップS20Aにおいて、
警報ブザー134を鳴動させ、運転者に前方障害物が危
険度の高い状態で危険状態に陥った事を報知する。この
後、ステップS20Bにおいて、エンジン14において
エンジンブレーキを発生させ、このエンジンブレーキに
よる制動力を発動させるべく、全体制御ユニット(TC
U)113に割り込み起動信号を出力し、ここにおい
て、割り込みルーチンとして規定される第2のエンジン
自動制動制御動作を起動する。尚、この第2のエンジン
自動制動制御の制御手順は、図9を参照して、後に詳細
に説明する。
【0079】次に、引き続くステップS20Cにおい
て、強力な生動力を発動させる為に、割り込みルーチン
として規定される所のブレーキ油圧系52によるブレー
キ自動制動制御動作を起動する。尚、このステップS2
0Cにおけるブレーキ自動制動制御動作は、上述したス
テップS18Fにおけるブレーキ自動制動制御動作と同
一であるので、ここでの説明を省略する。そして、ステ
ップS20Dにおいて、ブレーキ自動制動制御動作が実
行されている事を示すフラグFを「1」にセットし、メ
インルーチンに復帰する。
【0080】即ち、この第2の危険モード回避制御動作
においては、運転者の減速感への考慮を一切捨てて、接
触の虞から確実に回避する為、短い停止距離で自車を確
実に停止させる為の強力な制動制御動作が実行される。
具体的には、第2のエンジン自動制御とブレーキ自動制
動制御とを実質的に同時に実行する様に、この第2の危
険モード回避制御動作は構成されている。
【0081】次に、図9を参照して、ステップS20B
において実行される第2のエンジン自動制動制御動作の
制御手順を、全体制御ユニット(TCU)113におけ
る割り込みルーチンとして説明する。即ち、ステップS
20Bにおいて第2のエンジン自動制動制御動作が起動
されると、ステップS78において、即座に変速ギヤ位
置を固定し、引き続くステップS80においてワンウエ
イクラッチを無効にし、ステップS82においてエンジ
ンブレーキ制御量EBCを最大値(MAX)に設定し、
ステップS84において、この最大のエンジンブレーキ
制御量EBCで、変速ギヤ位置が何れにあろうともサブ
スロットル弁38を急激に閉塞駆動して、エンジンブレ
ーキを強力に発動する。この後、ステップS86におい
て、即座にロックアップクラッチを締結ささる。そし
て、ステップS88において、燃料供給カットを実行す
る。
【0082】即ち、ステップS78からステップS88
を実行する事により、強力なエンジンブレーキをブレー
キ自動制動制御と同時に発動させると共に、変速ギヤ位
置を即座に固定し、ワンウエイクラッチを無効とし、ロ
ックアップクラッチを即座に締結させる事により、全体
として極めて強い制動力で車両を減速させて、短い停止
距離で確実な危険回避動作が達成される様にする。
【0083】このようにして、危険度が大きいと判断さ
れる第2の危険モードを回避する為の第2の危険モード
回避制御における第2のエンジン自動制動制御手順にお
いては、運転者に減速ショックを与えない考慮よりも、
緊急に自車を停止させて危険回避を実効あるもとのしな
ければならない為、変速ギヤ位置に拘らず最大のエンジ
ンブレーキ制御量EBCで吸気通路44を閉塞し、この
閉塞動作と同時に燃料供給カットを実行し、エンジンブ
レーキの発動を緊急に行うと共に、変速ギヤ位置を即座
に固定し、ワンウエイクラッチを無効とし、且つ、ロッ
クアップクラッチを即座に締結する事により、エンジン
ブレーキが即座に発揮され得る状態を達成している。
【0084】このようにして、発生した危険度に応じた
制動力の発動が可能となる。換言すれば、この一実施例
によれば、発生した危険度が小さい場合には、危険回避
の為の減速動作が運転者に違和感を与えない程度に減速
度を抑え、良好な走行状態を達成し、一方、発生した危
険度が大きい場合には、運転者の感じる違和感を無視し
て、確実な危険回避の為に、即座の、且つ、充分な減速
動作を実行して、短い停止距離で自車を停止させること
ができる事になる。
【0085】次に、図10を参照して、ステップS18
Fにおけるブレーキ自動制動制御動作の制御手順を、自
動制動制御ユニット(CAB)における割り込みルーチ
ンとして説明する。先ず、ブレーキ自動制動制御動作が
実行される前の状態においては、ブレーキ圧調整機構5
4における自動制動バルブユニット82FL,82F
R,82RL,82RRの夫々のシャッタバルブ86F
L,86FR,86RL,86RRは、全て開放状態に
あり、また、増圧バルブ90FL,90FR,90R
L,90RRと減圧バルブ94FL,94FR,94R
L,94RRとは、共に、閉塞状態にある。この様にし
て、ブレーキペダル50の踏み込みによりマスタシリン
ダ68で発生したブレーキ圧が、各車輪12FL,12
FR,12RL,12RRに夫々作用して、マニュアル
制動動作が実行され得る様になされている。
【0086】この様なブレーキ自動制動制御動作の実行
される前の状態から、ステップS18Fにおいてブレー
キ自動制動制御動作が起動されると、ステップS92に
おいて、ブレーキ圧調整機構54における自動制動バル
ブユニット82FL,82FR,82RL,82RRの
夫々のシャッタバルブ86FL,86FR,86RL,
86RRが閉塞駆動される。これにより、ブレーキペダ
ル50の踏み込みによるブレーキ圧は各車輪12FL,
12FR,12RL,12RRのブレーキ装置60F
L,60FR,60RL,60RRに作用し得ない状態
となり、換言すれば、これによりブレーキ自動制動制御
動作が可能な状態となる。
【0087】この後、ステップS94において、各車輪
12FL,12FR,12RL,12RRのブレーキ装
置60FL,60FR,60RL,60RRに作用する
ブレーキ圧が所定圧に達しているか否かが判断される。
このステップS94においてNOと判断される場合、即
ち、現在、ブレーキ装置60FL,60FR,60R
L,60RRに作用するブレーキ圧が不足していると判
断される場合には、ステップS96において、増圧バル
ブ90FL,90FR,90RL,90RRが開放駆動
され、引き続くステップS98において、減圧バルブ9
4FL,94FR,94RL,94RRが閉塞駆動され
る。この結果、アキュムレータ100FR,100F
R,100RL,100RRに蓄圧されていたブレーキ
圧が、各車輪12FL,12FR,12RL,12RR
のブレーキ装置60FL,60FR,60RL,60R
Rに作用して、所定のブレーキ動作が実行される事とな
る。
【0088】一方、上述したステップS94においてY
ESと判断される場合、即ち、現在、ブレーキ装置60
FL,60FR,60RL,60RRに作用するブレー
キ圧が充分であると判断される場合には、ステップS1
00において、増圧バルブ90FL,90FR,90R
L,90RRが閉塞駆動され、引き続くステップS10
2において、減圧バルブ94FL,94FR,94R
L,94RRが開放駆動される。この結果、アキュムレ
ータ100FR,100FR,100RL,100RR
に蓄圧されていたブレーキ圧がブレーキ装置60FL,
60FR,60RL,60RRに作用しなくなり、反対
に、ブレーキ装置60FL,60FR,60RL,60
RRのブレーキ圧が減圧バルブ94FL,94FR,9
4RL,94RRを介して減じられる事になる。
【0089】この様な制御手順を繰り返す事により、各
車輪12FL,12FR,12RL,12RRのブレー
キ装置60FL,60FR,60RL,60RRに作用
するブレーキ圧は、ブレーキペダル50の踏み込みに拘
らず、所定の値に一定に保持される事となる。
【0090】一方、上述したステップS98またはステ
ップS102が実行されると、ステップS104に進
み、ここで、ブレーキ自動制動制御解除信号が出力され
ているか否かが判断される。このステップS104にお
いてNOと判断される場合、即ち、上述した図4に示す
メインルーチンにおけるステップS32が実行されず
に、ブレーキ自動制動制御解除信号が出力されていない
と判断される場合には、上述したステップS94に戻
り、ここから再びブレーキ自動制動制御を起動させる。
一方、このステップS104においてYESと判断され
る場合、即ち、上述したステップS32においてブレー
キ自動制動制御解除信号が出力されたと判断される場合
には、このブレーキ自動制動制御動作を終了させ、これ
ら一連のブレーキ自動制動制御の制御手順を終了する。
【0091】以上詳述した様に、この一実施例において
は、自車と前方障害物との間の関係が危険状態に入った
と判断された場合に、自動制動制御が開始される事にな
るが、この自動制動制御動作においては、先ず、危険状
態における危険度が判断され、この危険度が小さい(第
1の危険モード)と判断される場合には、第1の危険モ
ード回避動作が実行される。具体的には、この第1の危
険モード回避動作においては、警報動作が起動され、運
転者に前方障害物との間で危険状態に入った事を報知せ
しめ、この報知動作にも拘らず、前方障害物に対する危
険度が増した場合には、先ず、エンジンブレーキを発動
させるべく第1のエンジン自動制動制御手順を実行し、
自車の速度を低下させ、このエンジンブレーキの発動に
よっても、更に前方障害物に対する危険度が増し、衝突
の危険性が高まった場合には、更にブレーキ装置による
ブレーキ力を発動させるべくブレーキ自動制動制御手順
を実行してフル制動をかけ、自車の速度を実質的に停止
する状態まで低下させる動作が実行される。
【0092】ここで、このような第1の危険モード回避
動作における第1のエンジン自動制動制御においては、
ブレーキ自動制動制御が実行されない限りにおいて、実
質的に変速ギヤ位置に応じて設定されたサブスロットル
弁38の閉塞速度で吸気通路44を閉塞動作すると共
に、緩やかに変速ギヤ位置を固定し、且つ、緩やかにロ
ックアップクラッチを締結する様に設定されている。ま
た、吸気通路44が完全に閉塞(全閉)してから、燃料
の供給カットを実行するように設定されている。このよ
うにして、危険回避の為の減速動作は緩やかに実行さ
れ、運転者の感じる減速感を小さく設定して、運転者が
自身がブレーキペダルを踏み込んでいないにも拘らず自
動的に実行される減速動作に対して違和感を感じる事が
少なくなる様になされている。
【0093】尚、この第1の危険モード回避動作におい
ては、このような緩やかな減速動作を自動的に実行して
も、尚、危険状態が高まり危険度が大きくなった場合に
は、ブレーキ自動制動制御動作を起動して、ブレーキ装
置60を介しての強いブレーキ力を発揮して、自車を急
停止させる様に設定されている。ここで、このようにブ
レーキ自動制動制御動作が起動された場合には、強いブ
レーキ力を確実に発動させる為に、エンジン自動制動制
御動作の内容が変更され、具体的には、変速ギヤ位置が
何れにあろうとも最大の閉塞速度でサブスロットル弁3
8を閉塞駆動し、即座に吸気通路44を閉塞すると共
に、吸気通路44が全閉される前の状態であっても、即
座に燃料の供給カットを実行し、更に、変速ギヤ位置を
即座に固定すると共に、ロックアップクラッチを即座に
締結する様に動作する様に変更される。このように変更
された第1のエンジン自動制動制御動作により、第1の
危険モード回避状態において、危険度が高まった場合に
おいても、強力なブレーキ力が確実に発動される事とな
る。
【0094】一方、この自動制動制御動作において、危
険状態における危険度が判断された結果、この危険度が
大きい(第2の危険モード)と判断される場合には、第
2の危険モード回避動作が実行される。具体的には、こ
の第2の危険モード回避動作においては、警報動作が起
動され、運転者に前方障害物との間で危険状態に入った
事を報知せしめ、これと同時に、エンジンブレーキを強
力に発動させるべく第2のエンジン自動制動制御手順を
実行し、またこれと同時に、ブレーキ装置によるブレー
キ力を発動させるべくブレーキ自動制動制御手順を実行
してフル制動をかけ、自車の速度を実質的に停止する状
態まで低下させる動作が実行される。即ち、この第2の
危険モード回避動作においては、警報動作とエンジンブ
レーキ力の発動動作とブレーキ装置によるブレーキ力の
発動動作とが実質的に同時に実行される。
【0095】この第2のエンジン自動制動制御手順にお
いては、上述した危険度が低い場合の第1のエンジン自
動制動制御手順とは異なり(換言すれば、第1のエンジ
ン自動制動制御手順における危険度が高まった場合と同
様に)、強いブレーキ力を確実に発動させる為に、変速
ギヤ位置が何れにあろうとも最大の閉塞速度でサブスロ
ットル弁38を閉塞駆動し、即座に吸気通路44を閉塞
すると共に、吸気通路44が全閉される前の状態であっ
ても、即座に燃料の供給カットを実行し、更に、変速ギ
ヤ位置を即座に固定すると共に、ロックアップクラッチ
を即座に締結する様に動作する。このようにして、強い
エンジンブレーキ力が即座に発動されて、これと同時に
発動されるブレーキ装置でのブレーキ力をあいまって、
強力が制動力(フル制動)が自車に作用して、短い停止
距離で自車を停止させることができる事になり、突然に
発生した高い危険度を有する危険状態に、確実に対処す
ることができ、自車を緊急に停止させることができる事
になる。
【0096】この発明は、上述した一実施例の構成に限
定されることなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲で
種々変形可能である事は言うまでもない。例えば、上述
した一実施例においては、車両Aは自動変速機16を備
える様に説明したが、この発明は、このような構成に限
定されることなく、手動式変速機を備える車両にも適用
することができるものである。
【0097】また、上述した一実施例においては、走行
レンジ位置や変速ギヤ位置を自動変速機制御ユニット
(CAT)33から自動変速機16に出力される走行レ
ンジ位置情報RIや変速ギヤ位置情報GIに基づき認識
する様に説明したが、この発明は、このような構成に限
定されることなく、自動変速機16において実際に設定
されている走行レンジ位置や変速ギヤ位置を検出する検
出手段を用いて、その検出手段における検出結果に基づ
き、自動変速機16で現在設定されている走行レンジ位
置や変速ギヤ位置を認識する様に構成してもよい。
【0098】また、上述した一実施例においては、各種
の閾値を不等式で表される関係に設定される様に説明し
たが、この発明は、このような関係に限定されることな
く、種々の態様で規定されるものである。例えば、上述
した一実施例においては、閾値L2 は閾値L0 よりも大
きく(L2 >L0 )、また、閾値L2′は閾値L0 ′よ
りも大きい(L2 ′>L0 ′)と説明しがた、このよう
な制約に限定されることなく、閾値L2 は閾値L0 以下
(L2 ≦L0 )であってもよいし、また、閾値L2 ′は
閾値L0 ′以下(L2 ′≦L0 ′)であってもよい。
【0099】また、上述した一実施例においては、エン
ジン出力を低下させてエンジンブレーキを発生させる為
に、吸気通路44を閉塞駆動すると共に燃料噴射弁56
に接続された噴射弁ドライバ58を駆動制御して、エン
ジン14への燃料供給をカットする様に説明したが、こ
の発明は、このような構成に限定されることなく、何れ
か一方のみを実行する事により、エンジン出力を低下さ
せてエンジンブレーキを発動する様に構成してもよい
し、また、燃料の供給をカットするのでは無く、供給量
を減少させる様に動作させる様に構成しても良い。
【0100】
【発明の効果】以上詳述した様に、この発明に係わる車
両の自動制動装置は、自車と障害物との間の距離及び相
対速度を検出する検出手段と、この検出手段で検出され
た自車と障害物との間の距離及び相対速度から、自車が
障害物に接触する可能性の有無を判断する接触可能性判
断手段と、この判断手段において接触の可能性があるが
その危険度が低いと判断された場合に、先ず自動的にエ
ンジンを制御してエンジンブレーキを発生させ、その
後、必要に応じてブレーキ油圧系を制御してブレーキ力
を発揮させる第1の危険回避手段と、前記判断手段にお
いて接触の可能性があるその危険度が高いと判断された
場合に、自動的にエンジンを制御してエンジンブレーキ
を発生させると共に、ブレーキ油圧系を制御してブレー
キ力を発揮させる第2の危険回避手段とを具備し、前記
第1の危険回避手段は、第1のエンジン制御内容でエン
ジンを制御し、前記第2の危険回避手段は、前記第1の
エンジン制御内容とは異なる第2のエンジン制御内容で
エンジンを制御する事を特徴としている。
【0101】また、この発明に係わる車両の自動制動装
置は、前記第1のエンジン制御内容は、先ず、吸気通路
を閉塞駆動し、この吸気通路が全閉した後、燃料の供給
をカットする様に設定され、前記第2のエンジン制御内
容は、吸気通路を閉塞駆動すると共に、燃料の供給をカ
ットする様に設定されている事を特徴としている。
【0102】また、この発明に係わる車両の自動制動装
置は、前記自車は、自動変速機を備え、前記第1の危険
回避手段は、第1の自動変速制御内容で前記自動変速機
を制御し、前記第2の危険回避手段は、前記第1の自動
変速制御内容とは異なる第2の自動変速制御内容で前記
自動変速機を制御する事を特徴としている。
【0103】また、この発明に係わる車両の自動制動装
置は、前記自動変速機はロックアップクラッチを備え、
前記第1の自動変速制御内容は、前記ロックアップクラ
ッチを緩やかに締結動作させる様に設定され、前記第2
の自動変速制御内容は、前記ロックアップクラッチを即
座に締結される様に設定される事を特徴としている。
【0104】また、この発明に係わる車両の自動制動装
置は、前記自動変速機は、変速ギヤ位置を固定可能に構
成され、前記第1の自動変速制御内容は、前記変速ギヤ
位置を緩やかに固定する様に設定され、前記第2の自動
変速制御内容は、前記変速ギヤ位置を即座に固定する様
に設定されている事を特徴としている。
【0105】また、この発明に係わる車両の自動制動装
置は、前記判断手段は、前記自車と前方障害物との間の
距離が連続的に短くなる方向に変化していると判断され
る場合に、危険度が低いと判断し、前記自車と前方障害
物との間の距離が非連続的に短くなる方向に変化してい
ると判断される場合に、危険動が高いと判断する様構成
されている事を特徴としている。
【0106】従って、この発明によれば、自車が前方障
害物と接触する可能性があると判断された場合でも、そ
の危険度を判断して、危険度が小さい場合には緩やかな
減速動作を実行して、危険度が大きい場合には急激な減
速動作を実行して、運転者に違和感を与えない様になさ
れた車両の自動制動装置が提供される事になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係わる車両の自動制動装置の一実施
例の構成を概略的に示すシステム構成図である。
【図2】自動制動装置に適用されるブレーキ油圧系の構
成を示す油圧回路図である。
【図3】自車と前方障害物との間の距離及び両者の相対
速度を検出する為の検出機構の構成を示すブロック図で
ある。
【図4】自動制動制御ユニットにおける自動制動制御動
作の全体的な制御手順を示すフローチャートである。
【図5】自動制動制御動作において用いられる閾値設定
用のマップを示す線図である。
【図6】第1の危険モード回避制御動作の制御手順を示
すフローチャートである。
【図7】第1の危険モード回避制御動作における第1の
エンジン自動制動制御動作の制御手順を示すフローチャ
ートである。
【図8】第2の危険モード回避制御動作の制御手順を示
すフローチャートである。
【図9】第2の危険モード回避制御動作における第2の
エンジン自動制動制御動作の制御手順を示すフローチャ
ートである。
【図10】ブレーキ自動制動制御動作の制御手順を示す
フローチャートである。
【符号の説明】
A 車両 10 自動制動装置 33 自動変速機制御ユニット 38 サブスロットル弁 48 サブスロットル弁コントローラ 49 自動制動制御ユニット 54 ブレーキ圧調整機構 56 燃料噴射弁、 60 ブレーキ装置 72 ブレーキ配管、 82 自動制動バルブユニット 84 ABSバルブユニット 113 全体制御ユニット、 116 検出機構である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F02D 43/00 301 F02D 43/00 301K 45/00 312 45/00 312M 374 374Z F16H 61/14 F16H 61/14 (56)参考文献 特開 昭57−33048(JP,A) 特開 平3−224858(JP,A) 特開 平4−11523(JP,A) 特開 昭59−231157(JP,A) 特開 平4−219429(JP,A) 特開 平2−310800(JP,A) 実開 昭60−135229(JP,U) 実開 平2−102834(JP,U) 特公 昭39−2565(JP,B1) 特公 昭39−5668(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 29/02 301 B60K 41/20

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自車と障害物との間の距離及び相対速度
    を検出する検出手段と、 この検出手段で検出された自車と障害物との間の距離及
    び相対速度から、自車が障害物に接触する可能性の有無
    を判断する接触可能性判断手段と、 この判断手段において接触の可能性があるがその危険度
    が低いと判断された場合に、先ず自動的にエンジンを制
    御してエンジンブレーキを発生させ、その後、必要に応
    じてブレーキ油圧系を制御してブレーキ力を発揮させる
    第1の危険回避手段と、 前記判断手段において接触の可能性があるその危険度が
    高いと判断された場合に、自動的にエンジンを制御して
    エンジンブレーキを発生させると共に、ブレーキ油圧系
    を制御してブレーキ力を発揮させる第2の危険回避手段
    とを具備し、 前記第1の危険回避手段は、第1のエンジン制御内容で
    エンジンを制御し、 前記第2の危険回避手段は、前記第1のエンジン制御内
    容とは異なる第2のエンジン制御内容でエンジンを制御
    する事を特徴とする車両の自動制動装置。
  2. 【請求項2】 前記第1のエンジン制御内容は、先ず、
    吸気通路を閉塞駆動し、この吸気通路が全閉した後、燃
    料の供給をカットする様に設定され、 前記第2のエンジン制御内容は、吸気通路を閉塞駆動す
    ると共に、燃料の供給をカットする様に設定されている
    事を特徴とする請求項1に記載の車両の自動制動装置。
  3. 【請求項3】 前記自車は、自動変速機を備え、 前記第1の危険回避手段は、第1の自動変速制御内容で
    前記自動変速機を制御し、 前記第2の危険回避手段は、前記第1の自動変速制御内
    容とは異なる第2の自動変速制御内容で前記自動変速機
    を制御する事を特徴とする請求項1または2に記載の車
    両の自動制動装置。
  4. 【請求項4】 前記自動変速機はロックアップクラッチ
    を備え、 前記第1の自動変速制御内容は、前記ロックアップクラ
    ッチを緩やかに締結動作させる様に設定され、 前記第2の自動変速制御内容は、前記ロックアップクラ
    ッチを即座に締結される様に設定される事を特徴とする
    請求項2または3に記載の車両の自動制動装置。
  5. 【請求項5】 前記自動変速機は、変速ギヤ位置を固定
    可能に構成され、 前記第1の自動変速制御内容は、前記変速ギヤ位置を緩
    やかに固定する様に設定され、 前記第2の自動変速制御内容は、前記変速ギヤ位置を即
    座に固定する様に設定されている事を特徴とする請求項
    3または4に記載の車両の自動制動装置。
  6. 【請求項6】 前記判断手段は、前記自車と前方障害物
    との間の距離が連続的に短くなる方向に変化していると
    判断される場合に、危険度が低いと判断し、前記自車と
    前方障害物との間の距離が非連続的に短くなる方向に変
    化していると判断される場合に、危険動が高いと判断す
    る様構成されている事を特徴とする請求項前記何れか1
    項に記載の車両の自動制動装置。
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