JP3071554B2 - 車両の自動制動装置 - Google Patents

車両の自動制動装置

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JP3071554B2
JP3071554B2 JP10172692A JP10172692A JP3071554B2 JP 3071554 B2 JP3071554 B2 JP 3071554B2 JP 10172692 A JP10172692 A JP 10172692A JP 10172692 A JP10172692 A JP 10172692A JP 3071554 B2 JP3071554 B2 JP 3071554B2
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brake
automatic braking
automatic
engine
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敏弘 石川
裕樹 上村
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  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自車の障害物との間
の距離及び相対速度を検出し、その検出結果から、接触
の可能性を判断して、自動的に制動力を発生させる様に
なされた車両の自動制動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の車両の自動制動装置
として、例えば、特公昭39−2565号公報及び特公
昭39−5668号公報に開示される様に、光学的方法
または超音波等を用いて、自車と前方の障害物との間の
距離及び相対速度を連続的に検出すると共に、その検出
された自車と前方障害物との間の距離及び相対速度から
接触の可能性があるか否かを判断し、接触の可能性があ
ると判断された場合には、アクセルペダルの踏み込み量
に関係なくエンジンブレーキを強制的に発動させて各車
輪にエンジンブレーキ力を作用させて、接触を防止する
様に構成されたものは知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】所で、上述した従来の
自動制動装置においては、自車と前方障害物との接触の
可能性が解消されたと判断されると、エンジンブレーキ
の発動を停止すべく、通常のスロットル制御、即ち、基
本的に、アクセルペダルの踏み込みに応じて、スロット
ル弁を開放制御して、エンジン出力を変化させる制御状
態に復帰する事になる。しかしながら、この様な復帰状
態において、仮に、運転者がアクセルペダルを踏み込ん
だ状態を継続させているとすると、この復帰動作に応じ
て、エンジン回転数が急激に高まり、所謂エンジンの吹
き上げ状態が発生する事となる。この様なエンジン吹き
上がり状態は、運転者が一定にアクセルペダルを踏んで
いるにも拘らず発生する事となり、運転者は多大な違和
感を感じることとなり、改善が要望されている。
【0004】この発明は、上述した事情に鑑みなされた
もので、この発明の目的は、自動エンジンブレーキの作
動により自車が前方障害物と接触する可能性が回避され
た状態でも、通常のエンジン制御への復帰動作を滑らか
に達成する事の出来る車両の自動制動装置を提供する事
である。
【0005】
【課題を解決する為の手段】上述した課題を解決し、目
的を達成する為、請求項1に記載のこの発明に係わる車
両の自動制動装置は、自車と障害物との間の距離及び相
対速度を検出する検出手段と、この検出手段で検出され
た自車と障害物との間の距離及び相対速度から、自車が
障害物に接触する可能性の有無を判断する接触可能性判
断手段と、この判断手段で接触の可能性があると判断さ
れた場合に、自動的にエンジン出力を低下させて、エン
ジンブレーキを発生させるエンジンブレーキ自動発生手
段と、自車の変速ギヤ位置を判断するギヤ位置判断手段
と、前記接触可能性判断手段で、接触の可能性がなくな
った判断された場合に、前記ギヤ位置判断手段により判
断される変速ギヤ位置に応じた復帰時間で、前記エンジ
ンブレーキ自動発生手段におけるエンジンブレーキ発生
状態を解除させる解除手段とを具備する事を特徴として
いる。
【0006】また、請求項2に記載のこの発明に係わる
車両の自動制動装置において、前記解除手段は、前記ギ
ヤ位置判断手段により判断された変速ギヤ位置が低速側
ギヤ位置である程、前記復帰時間を長く設定する事を特
徴としている。また、請求項3に記載のこの発明に係わ
る車両の自動制動装置において、前記復帰時間は、前記
自車と障害物との間の距離に応じて、変化設定される事
を特徴としている。また、請求項4に記載のこの発明に
係わる車両の自動制動装置において、前記復帰時間は、
前記距離が増大するに従って短縮される事を特徴として
いる。
【0007】また、請求項5に記載のこの発明に係わる
車両の自動制動装置において、前記復帰時間は、前記自
車と障害物との間の相対速度に応じて、変化設定される
事を特徴としている。また、請求項6に記載のこの発明
に係わる車両自動制動装置において、前記復帰時間は、
前記相対速度が増加するに従って延長される事を事を特
徴としている。また、請求項7に記載のこの発明に係わ
る車両の自動制動装置において、前記解除手段は、前記
アクセルペダルの踏み込み量の平均値に相当するスロッ
トル開度に、スロットル弁を復帰させる事を特徴として
いる。また、請求項8に記載のこの発明に係わる車両の
自動制動装置において、前記解除手段は、前記スロット
ル弁の復帰制御のゲインを徐々に増加させる事を特徴と
している。
【0008】
【作用】以上の様に構成する事により、請求項1に記載
の発明によれば、自車が前方障害物と接触する可能性が
解消と判断された場合でも、先ず、エンジンブレーキを
停止して、通常のスロットル制御に復帰する復帰時間
を、変速ギヤ位置に応じて変化設定している。この結
果、通常のスロットル制御への復帰に要する復帰時間
が、変速ギヤ位置に応じて適切に定まり、この復帰動作
が滑らかに行われる事となる。また、請求項2に記載の
発明によれば、判断された変速ギヤ位置が低速側ギヤ位
置である程、復帰時間が長く設定されている。この結
果、低速側ギヤ位置が設定されている状態での通常のス
ロットル制御への復帰に際してのエンジンの吹き上がり
が確実に防止される事になる。
【0009】また、請求項3乃至請求項6に記載の発明
によれば、復帰時間を障害物との関係に合致した状態で
設定することが出来、通常のスロットル制御動作に円滑
に復帰させる事が出来る事になる。また、請求項7及び
請求項8に記載の発明によれば、アクセルペダルの踏み
込み量に応じたスロットル弁の復帰動作が達成され、更
に、復帰動作がスムースに実行され得る事となる。
【0010】
【実施例】以下に、この発明に係わる車両の自動制動装
置の一実施例の構成を、添付図面を参照して、詳細に説
明する。尚、この一実施例においては、車両は、自動変
速機を備えるものとする。図1に示す様に、この一実施
例の自動制動装置10が備えられた車両Aは、左右の前
輪12FL、12FRが従動輪とされ、左右の後輪12
RL、12RRが駆動輪とされている。即ち、車体前部
に搭載されたエンジン14で発生した駆動トルクが、自
動変速機16、プロペラシャフト18、デファレンシャ
ルギヤ20を順次経た後、左右の駆動軸22L、22R
を夫々介して、左右の後輪12RL、12RRに夫々伝
達される様に構成されている。
【0011】上述した自動変速機16は、トルクコンバ
ータ24と多段式の変速歯車機構26とから構成されて
いる。この自動変速機16における変速動作は、変速歯
車機構26の油圧回路に組み込まれた複数のソレノイド
28の励磁と消磁との組み合わせを変更する事により実
行される。また、トルクコンバータ24は、油圧作動式
のロックアップクラッチ30を備えており、このロック
アップクラッチ30の油圧回路に組み込まれたソレノイ
ド32の励磁と消磁とを切り換える事により、ロックア
ップクラッチ30の締結と締結解除とが夫々実行され
る。
【0012】一方、上述したソレノイド28,32は、
自動変速機16を制御する為の自動変速機制御ユニット
(CAT)33に接続され、これにより制御されるよう
になされている。この自動変速機制御ユニット(CA
T)33は、既知の様に変速特性とロックアップ特性と
を予め記憶した状態で有しており、これら特性に基づい
て、変速制御とロックアップ制御とを自動変速機16に
おいて実行させる様に制御する。この制御の為に、この
自動変速機制御ユニット(CAT)33には、図2に示
す様に、メインスロット弁34のスロットル開度を検出
するメインスロットル開度センサ36と、サブスロット
ル弁38の開度を検出するサブスロットル開度センサ4
0と、車速を検出する車速センサ42とが接続され、こ
れらからメインスロットル開度信号、サブスロットル開
度信号、及び、車速信号とが夫々入力される様に構成さ
れている。尚、この一実施例においては、車速センサ4
2は、プロペラシャフト18の回転数に基づき、現在車
速を演算する様に構成されている。
【0013】ここで、図1に示す様に、上述したサブス
ロットル弁38及びメインスロットル弁34は、吸気通
路44内に、吸入空気の流通方向に沿って順次介設され
ており、即ち、サブスロットル弁38は図示しないエア
ークリーナ側に、また、メインスロットル弁34はエン
ジン14側に夫々配設されている。そして、メインスロ
ットル弁34は、アクセルペダル46に機械的に接続さ
れており、運転者のアクセルペダル46の踏み込み量に
応じて、メインスロットル弁34が開放駆動され、吸気
通路44が開放される様に、換言すれば、メインスロッ
トル開度が大きくなる様に設定されている。一方、サブ
スロットル弁38は、サブスロットル弁コントローラ4
8に接続され、これにより駆動制御される様になされて
いる。そして、このサブスロットル弁コントローラ48
は、この一実施例の自動制動装置10の制御系を司る自
動制動制御ユニット(CAB)49に接続され、これに
より駆動制御される様に構成されている。即ち、サブス
ロットル弁38は、メインスロットル弁34と独立した
状態で、サブスロットル弁コントローラ48を介して自
動制動制御ユニット(CAB)49の制御の下で電気的
に駆動制御される様になされている。
【0014】即ち、この自動制動制御ユニット(CA
B)49は、その制御手順を後に詳細に説明するが、基
本的には、運転者によるブレーキペダル50の踏み込み
動作とは無関係に、ブレーキ油圧系52に介設されたブ
レーキ圧調整機構54を駆動制御するものであり、その
基本自動制動制御に加えて、運転状態に基づく燃料噴射
制御とは無関係に、燃料噴射弁56を駆動する噴射弁コ
ントローラ58を駆動制御し、また、サブスロットル弁
コントローラ48を介して、サブスロットル弁38のス
ロットル開度を変更制御し、更に、上述した自動変速機
制御ユニット(CAT)33を介して、自動変速機16
の変速動作を制御する様に構成されている。
【0015】尚、自動制動制御ユニット(CAB)49
による自動制動制御動作時における自動変速機制御ユニ
ット(CAT)33の制御に際しては、変速ギヤ位置に
応じた制御動作を実行する為に、一旦、自動変速機制御
ユニット(CAT)33から現在出されている走行レン
ジ位置情報及び変速ギヤ位置情報を読み取った上で、こ
の読み取った走行レンジ位置情報に及び変速ギヤ位置情
報に応じて、エンジン自動制動制御動作を実行する様に
構成されている。尚、このエンジン自動制動制御動作
は、後に詳細に説明する。
【0016】次に、上述したブレーキ油圧系52の構成
と、このブレーキ油圧系に接続されたブレーキ圧調整機
構54の構成とを、図1と図2とを夫々参照して説明す
る。先ず、図1に示す様に、各車輪12FL,12F
R,12RL,12RRには、ブレーキ装置60FL,
60FR,60RL,60RRが夫々設けられている。
各ブレーキ装置60FL,60FR,60RL,60R
Rは、対応する車輪12FL,12FR,12RL,1
2RRと一体回転する様に取り付けられたブレーキディ
スク62FL,62FR,62RL,62RRを夫々挟
持して、油圧により制動力を発揮するキャリパ(ブレー
キシリンダ)64FL,64FR,64RL,64RR
を夫々備えている。これらキャリパ64FL,64F
R,64RL,64RRには、ブレーキ油圧系52を介
して、所定のブレーキ圧を有するブレーキオイルが供給
される様になされている。
【0017】即ち、このブレーキ油圧系52は、ブレー
キペダル50に接続され、これの踏み込み力を倍力する
為のハイドリックブースタを用いた倍力装置66と、こ
の倍力装置66に接続され、ここで倍力された踏み込み
力が伝達され、ブレーキオイルを加圧する為のタンデム
型のマスターシリンダ68とを備えている。このマスタ
ーシリンダ68は、合計で4個の吐出口70FL,70
FR,70RL,70RRを有している。また、このブ
レーキ油圧系52は、4個の吐出口70FL,70F
R,70RL,70RRとキャリパ64FL,64F
R,64RL,64RRとを夫々連結し、マスターシリ
ンダ68からの所定のブレーキ圧に調圧されたブレーキ
オイルを対応するブレーキ装置60FL,60FR,6
0RL,60RRに夫々供給する為のブレーキオイル配
管72FL,72FR,72RL,72RRを更に備え
ている。
【0018】上述した倍力装置66には、供給配管74
とリターン配管76とが接続されており、エンジンオイ
ルは供給配管74を介してリザーバタンク78からポン
プ80の駆動により倍力装置66に供給され、ここで余
剰となされたブレーキオイルはリターン配管76を介し
てリザーバタンク78へ戻される様に構成されている。
【0019】一方、上述したブレーキ圧調整機構54
は、ブレーキオイル配管72FL,72FR,72R
L,72RRに夫々介設された自動制動バルブユニット
82FL,82FR,82RL,82RRと、ABS
(アンチスキッドブレーキ装置)バルブユニット84F
L,84FR,84RL,84RRとを夫々備え、マス
ターシリンダ68からのブレーキオイルは、自動制動バ
ルブユニット82FL,82FR,82RL,82RR
に先ず供給され、その後、ABSバルブユニット84F
L,84FR,84RL,84RRを通って、対応する
車輪12FL,12FR,12RL,12RRのブレー
キ装置60FL,60FR,60RL,60RRに供給
される様に構成されている。
【0020】ここで、以下に、自動制動バルブユニット
82FL,82FR,82RL,82RRと、ABSバ
ルブユニット84FL,84FR,84RL,84RR
との構成を詳細に説明するが、各自動制動バルブユニッ
ト82FL,82FR,82RL,82RRは夫々同一
に構成され、また、ABSバルブユニット84FL,8
4FR,84RL,84RRも夫々同一に構成されてい
るので、以下の説明においては、左前輪12FLに対応
した自動制動バルブユニット82FL及びABSバルブ
ユニット84FLを代表した状態で説明し、他の説明を
省略する。
【0021】図2に示す様に、自動制動バルブユニット
82FLは、マスターシリンダ68とブレーキ装置60
FLとの間を接続するブレーキオイル配管72FLの連
通状態を遮断可能なシャッタバルブ86FLと、このシ
ャッタバルブ86FLをバイパスする様に、一端をブレ
ーキオイル配管72FLにおける自動制動バルブユニッ
ト82FLとABSバルブユニット84FLとの間の部
分に接続され、他端をマスターシリンダ68に接続され
た増圧用バイパス配管88FLと、この増圧用バイパス
配管88FLに介設され、ブレーキ装置60FLへ供給
されるブレーキオイルのオイル圧を高める為の増圧バル
ブ90FLと、上述したシャッタバルブ86FLをバイ
パスする様に、一端を増圧用バイパス配管88FLにお
ける、これの一端及び増圧バルブ90FLとの間の部分
に接続され、他端をマスターシリンダ68に接続された
減圧用バイパス配管92FLと、この減圧用バイパス配
管92FLに介設され、ブレーキ装置60FLへ供給さ
れるブレーキオイルのオイル圧を低める為の減圧バルブ
94FLとを備えている。
【0022】これら3種類のバルブ86FL,90F
L,94FLは、何れも電磁式の2ポート2位置切り換
えバルブから構成されている。また、上述した増圧用バ
イパス配管88FLにおける増圧バルブ90FLとマス
ターシリンダ68との間には、モータ96FLにより駆
動される油圧ポンプ98FLがマスターシリンダ68側
に、また、この油圧ポンプ98FLから吐出されるブレ
ーキオイルを貯留して一定圧に保持する為のアキュムレ
ータ100FLが増圧バルブ90FL側に夫々介設され
ている。
【0023】ここで、上述したシャッタバルブ86FL
が開位置にある場合には、ブレーキペダル50の踏み込
み力に応じて、対応するブレーキ装置60FLにブレー
キ圧が作用し、通常の制動動作が実行される。一方、シ
ャッタバルブ86FLが閉位置にある場合において、マ
スターシリンダ68からのブレーキ圧が対応するブレー
キ装置60FLに作用しない状態となる。この状態で、
増圧バルブ90FLを開位置に、また、減圧バルブ94
FLを閉位置に夫々切り換える事により、上述したアキ
ュムレータ100FLからのブレーキ圧が対応するブレ
ーキ装置60FLに作用して、自動制動動作が実行され
る事となる。また、この状態で、増圧バルブ90FLを
閉位置に、また、減圧バルブ94FLを開位置に夫々切
り換える事により、対応するブレーキ装置60FLから
ブレーキオイルが戻されて、制動力が弱められる事とな
る。
【0024】上述した3つのバルブ86FL,90F
L,94FLの切り換え動作は、夫々に接続されたアク
チュエータ(図示せず)により実行され、これらアクチ
ュエータは、自動制動制御ユニット(CAB)49から
の制御信号に基づき駆動制御される様になされている。
【0025】一方、上述したABSバルブユニット84
FLは、ブレーキオイル配管72FLに介設された3ポ
ート2位置切り換え弁からなるシャッタバルブ102F
Lを備えており、このシャッタバルブ102FLはトラ
クション制御ユニット(CTR)103に接続され、こ
れにより、制動時(運転者がブレーキペダル50を踏み
込む事による通常制動時、及び、ブレーキペダル50の
踏み込みとは無関係に行われる自動制動時を含む)にお
いて、このシャッタバルブ102FLを開位置と閉位置
との間で適宜切り換え制御される事により、対応するブ
レーキ装置60FLに印加される制動圧を調整して、対
応する車輪12FLがロックしない様になされている。
【0026】ここで、このABSのシステム構成は、本
願発明とは直接関係がないので詳述しないが、上述した
シャッタバルブ102FLの他に、モータ駆動式の油圧
ポンプ104FL及び一対のアキュムレータ106F
L,108FL等を備えて構成されている。尚、上述し
たトラクション制御ユニット(CTR)103は、上述
したサブスロットルコントローラ48にも接続されてお
り、詳細は省略するが、トラクション制御時に、エンジ
ン発生トルクを調整する為に、後述する全体制御ユニッ
ト(TCU)113を介してサブスロットル弁38を開
閉制御する様になされている。
【0027】また、このトラクション制御ユニット(C
TR)103には、上述したメインスロットル開度セン
サ36と、サブスロットル開度センサ40と、車速セン
サ42とが接続されると共に、アクセルペダル46の踏
み込み量を検出する為のアクセル開度センサ110と、
各車輪12FL,12FR,12RL,12RRの回転
速度を検出する車輪回転速度センサ112FL,112
FR,112RL,112RR(図1に示す。)と、路
面の摩擦係数を検出する路面μセンサ114とが接続さ
れており、これらからメインスロットル開度信号と、サ
ブスロットル開度信号と、車速信号と、アクセル開度信
号と、各車輪12FL,12FR,12RL,12RR
の回転速度信号と、路面摩擦係数信号とが夫々入力され
る様に構成されている。そして、トラクション制御ユニ
ット(CTR)は、各車輪12FL,12FR,12R
L,12RRの回転速度信号に基づき車輪のスリップ状
態を検出し、メインスロットル開度信号、サブスロット
ル開度信号、車速信号、アクセル開度信号、及び、路面
摩擦係数信号に応じて、所定のトラクション制御を実行
する様になされている。
【0028】ここで、トラクション制御ユニット(CR
T)103に入力されたメインスロットル開度信号、サ
ブスロットル開度信号、車速信号、アクセル開度信号、
各車輪12FL,12FR,12RL,12RRの回転
速度信号、及び路面摩擦係数信号等は、後述する全体制
御ユニット(TCU)113に伝送され、これを介して
自動制動制御ユニット(CAB)49に転送される様に
なされている。
【0029】尚、上述した自動変速機制御ユニット(C
AT)33、自動制動制御ユニット(CAB)49、及
び、トラクション制御ユニット(CTR)103は、全
体制御ユニット(TCU)113に接続されており、こ
の全体制御ユニット(TCU)113により、相互間を
適宜調整制御される様になされている。即ち、この全体
制御ユニット(TCU)は、噴射弁コントローラ58に
接続されており、現在の運転状態に最適な燃料噴射量が
燃料噴射弁56から噴射される様に、この噴射弁コント
ローラ58を駆動制御する基本制御動作を実行する様に
なされている。一方、この全体制御ユニット(TCU)
113は、この基本制御動作を実行するほかに、後に詳
細に説明する自動制動制御ユニット(CAB)49にお
いて前方障害物との相対関係が所定の危険状態に陥った
と判断された場合には、自動制動制御ユニット(CA
B)からの指令(割り込み起動信号)に基づき、自動制
動制御動作をこの基本制御動作に対して割り込み実行さ
せると共に、自動変速機制御ユニット(CAT)の自動
変速制御動作に対しても割り込み実行させる様に構成さ
れている。
【0030】ここで、前方障害物とは、自車の直前方に
存在する物体を指すものであり、自車が走行する車線と
同一車線を同方向に向けて(即ち、前方に向けて)走行
する車両は勿論の事、同一車線を自車に向けて走行して
くる車両や、同一車線上に停止している車両や車両以外
の物体を指すものであり、前方を走行する車両との間に
例えばわき道から他の車両が自車の走行車線に入り込ん
できた場合には、この入り込んできた車両が自車にとっ
ての前方障害物として認識される様に更新される。
【0031】次に図3を参照して、自車と前方障害物と
の間の距離及び両者の相対速度を検出する検出機構11
6の構成を説明する。即ち、この検出機構116は、車
体の前部に設けられた超音波レーダユニット118を備
えている。この超音波レーダユニット118は、詳細は
図示されていないが、周知の様に、超音波を超音波発信
部から自車の前方に位置する車両等の前方障害物に向け
て発信すると共に、この前方障害物に当って反射してく
る反射超音波を超音波受信部で受信するように構成され
ている。この超音波レーダユニット118には、演算ユ
ニット120が接続されている。この演算ユニット12
0は、超音波レーダユニット118からの検出結果を受
けて、超音波レーダ受信波の送信時点からの遅れ時間
(ドップラーシフト)に基づき、自車と前方障害異物と
の間の距離及び両者の相対速度を演算する様に構成され
ている。
【0032】一方、上述した検出機構116は、車体前
部の左右に夫々設けられる一対のレーザレーダユニット
122,124を備えている。各レーザレーダユニット
122,124は、所定波長を有するパルスレーザ光を
レーザ発信部から発信すると共に、上述した前方障害物
に当って反射してくる反射レーザ光をレーザ光受信部で
受信する様に構成されている。各レーザレーダユニット
122,124は、信号処理ユニット126を介して上
述した演算ユニット120に接続されており、この演算
ユニット120は、受信レーザ光の送信時点からの遅れ
時間に基づき、自車と前方障害物との間の距離及び両者
の相対速度を演算する様に構成されている。
【0033】ここで、この演算ユニット120は、一対
のレーザレーダユニット122,124の系統による距
離及び相対速度の演算結果を基本的に用い、前方障害物
との間の距離が、所定距離以下(例えば、約10m以
下)となった場合や、霧等の悪気象条件下における走行
状態で、発信されたレーザ光が散乱して検出精度が保証
されない場合に、超音波レーダユニット118の系統に
よる距離及び相対速度の演算結果を用いる様になされて
いる。
【0034】上述した各レーザレーダユニット122,
124は、各々のレーザ光の発信方向を水平面内で互い
に同期した状態で変更可能に設けられており、各レーザ
レーダユニット122,124を水平面内で移動駆動す
る為に、駆動モータ128が取り付けられている。この
駆動モータ128には、上述した演算ユニット120が
接続されており、駆動モータ128の作動はこの演算ユ
ニット120により実行される様になされている。一
方、この駆動モータ128には、その駆動回転角度を検
出する為の角度センサ130が取り付けられている。こ
の角度センサ130は演算ユニット120に接続されて
いる。この演算ユニット120は、この角度センサ13
0からの検出結果に基づき、各レーザレーダユニット1
22,124におけるレーザ光の送受信方向を検知する
ことができる様になされている。即ち、演算ユニット1
20によるレーザレーダユニット122,124の系統
における距離及び相対速度の演算には、パルスレーザ光
の送受信方向が加味される様になされている。
【0035】この演算ユニット120は、上述した自動
制動制御ユニット(CAB)49に接続され、ここに、
演算結果としての自車と前方障害物との間の距離情報及
び両者の相対速度情報を出力する様になされている。こ
の自動制動制御ユニット(CAB)49は、図1を参照
して上述した様に、ブレーキ圧調整機構54、詳細に
は、各車輪12FL,12FR,12RL,12RRに
対応して設けられた自動制動バルブユニット82FL,
82FR,82RL,82RRに接続されると共に、全
体制御ユニット(TCU)113を介してサブスロット
ル弁コントローラ48と噴射弁コントローラ58と自動
変速機制御ユニット(CAT)とに接続されており、上
述した演算結果に基づき、後述する制御手順に従い、自
動制動制御動作を実行する様に構成されている。
【0036】尚、自動制動制御ユニット(CAB)49
には、図3に示す様に、入力された所の自車と前方障害
物との間の距離情報に基づき、それを表示する離間距離
表示パネル132と、前方障害物との相対関係が危険状
態と判断される場合に警報が発せられる警報ブザー13
3とが接続されており、これら離間距離表示パネル13
2と警報ブザー134とは、共に、車室内のインスツル
メントパネル(図示せず)に取り付けられた警報表示ユ
ニット136内に配設されている。これらの配設によ
り、運転者は前方障害物と自車との間の距離を離間距離
表示パネル132に表示された数値より認識することが
できると共に、運転者による前方障害物への注意が向け
られていない場合においても、この前方障害物と自車と
の間の距離が所定の危険状態と判断される状態に陥る
と、警報ブザー133が鳴ることにより、前方障害物と
の関係が所定の危険状態にある事を認識することができ
る事になる。
【0037】次に、図4乃至図6を参照して、自動制動
制御ユニット(CAB)における自動制動制御動作の制
御手順を説明する。先ず、図4に示す様に、所定の起動
タイミングで、前方障害物との接触防止の為の自動制動
制御動作が開始される。ここで、この一実施例において
は、上述した説明から明らかな様に、ブレーキ油圧系5
2に設けられたブレーキ圧調整機構54として、自動制
動用の自動制動バルブユニット82FL,82FR,8
2RL,82RRを、トラクション制御用のABSバル
ブユニット84FL,84FR,84RL,84RRと
夫々直列に配設する様に構成している関係上、両者の作
動の釣合を取る為、自動制動制御動作は、トラクション
制御動作と同様に、例えば7msecの周期で繰り返し起動
される様に設定されている。
【0038】即ち、この自動制動制御動作が起動される
と、先ず、ステップS10において、自動制動動作を実
行するに必要な各種の入力情報の読み込み動作が実行さ
れる。尚、この入力情報としては、演算ユニット120
で演算された所の自車の前方障害物との間の離間距離情
報Lxと両者の相対速度情報Vxとを含むほか、全体制
御ユニット(TCU)113を介して路面μセンサ11
4からの路面摩擦係数情報μや、自動変速機制御ユニッ
ト(CAT)からの走行レンジ位置情報RI及び変速ギ
ヤ位置情報GIを含むものである。
【0039】この後、ステップS12において、ステッ
プS10で読み込んだ各種情報に基づき、自動制動制御
動作を実行するに必要となる各種の閾値L0 ,L0 ′,
11 ,L2 ,L2 ′を設定する。ここで、全ての閾
値は、距離として表されるものであり、特に、閾値L0
は、自車が前方障害物に接触する可能性があり、接触防
止の為に自動制動動作の中でブレーキ油圧系52に基づ
く制動力の発動を開始する基準となる値を示している。
また、閾値L0 ′は、自車が前方障害物に接触する可能
性があり、接触防止の為に自動制動動作の中でエンジン
ブレーキに基づく制動力の発動を開始する基準となる値
を示している。尚、この一実施例においては、この閾値
0 ′は、図5に示すマップに基づき規定されるもので
ある。このマップは、後に詳細に説明する。また、閾値
0 は、この一実施例においては閾値L0 ′の80%に
なる様に設定されている。
【0040】即ち、この一実施例においては、後述する
が、基本的には、先ず、エンジンブレーキによる制動力
が発動され、その後、ブレーキ油圧系52による制動力
が発動される様になされている。一方、閾値L1 は、こ
の自動制動動作の開始に先立ち、上述した警報ブザー1
34を介して運転者に警報を発する動作を開始する基準
となる値を示している。尚、この閾値L1 は、閾値L
0 ′よりも所定量だけ長く設定されている。即ち、この
閾値L1 が、この自動制動制御を実施するに際して、自
車と前方障害物との間の距離が危険状態となった事を判
断する為の基準値として用いられる事になる。また、閾
値L2 は、自動制動動作を開始した後において、前方障
害物との接触の可能性がなくなってブレーキ油圧系52
による自動制動動作を解除する際の基準となる値を示し
ており、閾値L2 ′は、同様な条件におけるエンジンブ
レーキに基づく自動制動動作を解除する際の基準となる
値を示している。ここで、閾値L2 は、この一実施例に
おいては閾値L2 ′の80パーセントに設定されてい
る。即ち、この一実施例においては、後述するが、基本
的には、先ず、ブレーキ油圧系52による制動力が解除
され、その後、エンジンブレーキによる制動力が解除さ
れる様になされている。尚、この閾値L2 ,L2 ′は、
上述した閾値L0 ,L0 ′よりも夫々所定量だけ長い長
さに設定されている。
【0041】即ち、この一実施例においては、各閾値
は、以下の不等式で表される大小関係に設定されてい
る: L2 ′>L2 >L0 ′>L01 >L0
【0042】ここで、図5を参照して、閾値L0 ′を決
定する手順について説明する。先ず、図5における線A
は第1の閾値線を示しており、この第1の閾値線Aは、
前方障害物たる車両が、その車両の前方障害物に接触し
て停車した場合に、自車がその車両と接触する事を防止
する為に必要な車間距離を示しており、相対速度Vx
大小に拘らず、常に、前方障害物が停止物である時(即
ち、相対速度Vx が自車の走行速度V0 と同一である
時)と同じ値く、数値式V0 2/2μgで表させる数値を
とる。また、図5における線Bは第2の閾値線を示して
おり、この第2の閾値線Bは、前方障害物たる車両がフ
ル制動をかけた際に、この車両との接触を防止する為に
必要な車間距離を示しており、数値式Vx ・(2V0
x )/2μgで表される数値をとる。
【0043】一方、図5における線Cは第3の閾値線を
示しており、この第3の閾値線Cは、前方障害物たる車
両が減速度μ/2gの緩制動をかけた場合に、この車両
との接触を防止する為に必要な車間距離を示している。
更に、図5における線Dは第4の閾値線を示しており、
この第4の閾値線Dは、前方車両が一定車速を保った場
合に、この車両との接触を防止する為に必要な車間距離
を示しており、数値式Vx /2μgで示される数値をと
る。また、図5における線Eは、の閾値線を示してお
り、この′の閾値線Eは、自車が自動制動をかけても前
方障害物たる車両との接触を防止できないが、接触時に
おける衝撃力をある程度緩和する事のできる車間距離を
示している。この一実施例においては、図示しないモー
ド切り換えスイッチを介して第2の閾値線Bが選択され
ているものとし、この第2の閾値線Bを用いて、現時点
における相対速度Vx に対応する閾値L0 ′が求められ
る事になる。
【0044】この様に、ステップS12において、各種
の閾値L0 ,L0 ′,L11 ,L2 ,L2 ′が設定さ
れた後、ステップS14において、自車と前方障害物と
の間の相対速度Vx が0以上であるか否かが判別され
る。ここで、この一実施例においては、相対速度Vx
は、プラスの値をとる場合に、両者が互いに接近してい
る状態を示し、マイナスの値をとる場合に、両者が互い
に離間している状態を示すものとする。このステップS
14においてYESと判断される場合、即ち、相対速度
x がプラスの値をとり両者が互いに近接している状態
にあると判断される場合、以降、制動力の自動発動ルー
チンが実行される。
【0045】即ち、引き続くステップS16において、
自車と前方障害物との間の距離(以下、単に離間距離と
呼ぶ。)Lx が上述した閾値L1 よりも小さいか否かが
判断される。このステップS16においてNOと判断さ
れる場合、即ち、離間距離L x が不等式Lx ≧L1 で規
定される範囲内にあり、未だ危険状態を規定する領域に
達しておらず、警報ブザー134を鳴らす必要がないと
判断される場合には、自動制動制御動作を実行しなくて
もよいので、制動力の自動発動ルーチンを具体的に実行
することなく、今回の制御手順を終了し、7msec後に設
定された次回の制御手順の起動を待つ。
【0046】一方、このステップS16においてYES
と判断される場合、即ち、離間距離が不等式Lx <L1
で規定される範囲内にあり、危険状態に陥ったと判断さ
れる場合には、ステップS18に進み、警報ブザー13
4を鳴動させ、運転者に前方障害物との離間距離Lx
危険状態に陥った事を報知する。この後、ステップS2
0において離間距離Lx が閾値L0 ′よりも小さいか否
かが判断される。このステップS20においてNOと判
断される場合、即ち、離間距離Lx が不等式L0 ′≦L
x <L1 で規定される範囲内にあり、警報動作を継続す
る必要はあるものの、自動制動動作を実行するまでの事
はないと判断される場合には、今回の制御手順を終了
し、7msec後に設定された次回の制御手順の起動を待
つ。
【0047】ここで、ステップS20においてYESと
判断される場合、即ち、離間距離Lx が不等式Lx <L
0 ′で規定される範囲内にあり、自動制動動作を実行す
る必要があると判断される場合には、ステップS22に
進み、エンジン14においてエンジンブレーキを発生さ
せ、このエンジンブレーキによる制動力を発動させるべ
く、全体制御ユニット(TCU)113に割り込み起動
信号を出力し、ここにおいて割り込みルーチンとして規
定されるエンジン自動制動制御を起動する。尚、このエ
ンジン自動制動制御の制御手順は、後に詳細に説明す
る。
【0048】このステップS22においてエンジン自動
制動制御を起動させた後、引き続くステップS24にお
いて、離間距離Lx が閾値L0 よりも小さいか否かが判
断される。このステップS24においてNOと判断され
る場合、即ち、離間距離Lxが不等式L0 ≦Lx <L
0 ′で規定される範囲内にあり、エンジンブレーキによ
る制動力のみで、危険回避動作として充分な制動力がか
けられていると判断される場合には、今回の制御手順を
終了し、7msec後に設定された次回の制御手順の起動を
待つ。
【0049】一方、上述したステップS24においてY
ESと判断される場合、即ち、離間距離Lx が不等式L
x <L0 で規定される範囲にあり、強力な制動力が必要
であると判断された場合には、ステップS26に進み、
割り込みルーチンとして規定される所のブレーキ油圧系
52によるブレーキ自動制動制御動作を起動する。尚、
このブレーキ自動制動動作の制御手順は、後に詳細に説
明する。そして、ステップS28においてブレーキ自動
制動制御動作が実行されている事を示す第1のフラグF
1を「1」にセットし、7msec後に設定された次回の制
御手順の起動を待つ。
【0050】尚、ステップS26におけるブレーキ自動
制動制御動作は、メインルーチンから独立した割り込み
ルーチンとして実行されるものであり、一旦起動される
と、対応する解除動作が実行されない限り、その制御動
作は実行し続ける様に設定されている。一方、上述した
ステップS14においてNOと判断される場合、即ち、
相対速度Vx がマイナス値であると判断され、前方障害
物が自車から徐々に遠ざかっていると判断される場合に
は、制動力の自動解除ルーチンが実行される。即ち、先
ずステップS30に進み、ここで、離間距離Lx が閾値
2 よりも大きいか否かが判断される。このステップS
30においてNOと判断される場合、即ち、離間距離L
x が不等式Lx ≦L2 で規定される範囲内にあり、依然
として、前方障害物との関係が危険状態にあり、自動制
動制御動作を継続する必要があると判断される場合に
は、制動力の自動解除ルーチンを具体的に実行すること
なく、今回の制御手順を終了し、7msec後に設定された
次回の制御手順の起動を待つ。即ち、このステップS3
0においてNOと判断される場合においても、事前にス
テップS22またはステップS26において、エンジン
自動制動制御が起動され、または、ブレーキ自動制動制
御が起動されている場合には、これらが実行され続ける
事となる。
【0051】また、上述したステップS30においてY
ESと判断される場合、即ち、離間距離Lx が不等式L
x >L2 で規定される範囲内にあり、ブレーキ油圧系5
2による制動力が不要であると判断される場合には、ス
テップS32に進み、ここで、ブレーキ油圧系52にお
けるブレーキ自動制動制御動作を解除させるべくブレー
キ自動制動制御解除信号を出力する。この後、ステップ
S34に進み、ここで、ブレーキ自動制動制御動作が実
行されている事を示す第1のフラグF1を「0」にリセ
ットし、ブレーキ自動制動制御動作が解除されている事
を示す。そして、ステップS36において、離間距離L
x が閾値L2 ′よりも大きいか否かが判断される。この
ステップS36においてNOと判断される場合、即ち、
離間距離Lx が不等式L2 <Lx ≦L2 ′で規定される
範囲内にあり、依然として、前方障害物との関係が危険
状態にあるが、ブレーキ油圧系52による強力な制動力
は不必要であるものの、尚、エンジン自動制動制御動作
を継続する必要があると判断される場合には、今回の制
御手順を終了し、7msec後に設定された次回の制御手順
の起動を待つ。
【0052】一方、上述したステップS36においてY
ESと判断される場合、即ち、離間距離Lx が不等式L
x >L2 ′で規定される範囲内にあり、エンジンブレー
キによる制動力をも不要であると判断される場合には、
ステップS38に進み、ここで、エンジン自動制動制御
動作を解除させるべくエンジン自動制動制御解除信号を
全体制御ユニット(TCU)113に出力するエンジン
自動制動制御解除動作を実行する。尚、このエンジン自
動制動制御解除動作の制御手順は、後に詳細に説明す
る。この全体制御ユニット(TCU)113は、このエ
ンジン自動制動制御解除信号を受ける事により、サブス
ロットル弁コントローラ48を介してのサブスロットル
弁38の閉塞動作を中止し、これを全開状態に復帰させ
る。この後、ステップS40に進み、警報動作を解除す
る警報動作解除信号を出力し、即ち、警報ブザー134
における鳴動動作を停止して、一連の制御手順を終了
し、7msec後に設定された次回の制御手順の起動を待
つ。この様にして、自動制動制御動作の一連の手順を終
了する。
【0053】次に、図6を参照して、上述したステップ
S22におけるエンジン自動制動制御動作の制御手順
を、全体制御ユニット(TCU)113における割り込
みルーチンとして説明する。先ず、ステップS22にお
いてエンジン自動制動制御動作が起動されると、ステッ
プS22Aにおいて、ブレーキ自動制動制御が発動され
ている事を示す第1のフラグF1に「1」がセットされ
ているか否かが判断される。このステップS22Aにお
いて、NOと判断される場合、即ち、予めブレーキ自動
制動制御が発動されていないと判断される場合には、現
在の走行レンジ位置または変速ギヤ位置に応じたエンジ
ンブレーキ制御量EBC(後に詳細に説明する。)を設
定する制御手順が実行される。
【0054】即ち、引き続くステップS22Bにおい
て、ステップS10で予め読み込んだ走行レンジ位置情
報RIに基づき、自動変速機16において現在設定され
ている走行レンジ位置が判別される。このステップS2
2Bにおいて、自動変速機16において現在設定されて
いる走行レンジ位置が「L」(即ち、変速ギヤ位置が1
速に固定)であると判断される場合には、ステップS2
2Cにおいて、エンジンブレーキ制御量EBCを最小値
(MIN)に設定する。そして、引き続くステップS2
2Dにおいて、この最小のエンジンブレーキ制御量EB
Cで、サブスロットル弁コントローラ48を介して、サ
ブスロットル弁38を閉塞駆動する。ここで、最小のエ
ンジンブレーキ制御量EBCが設定される事により、サ
ブスロットル弁コントローラ48は、吸気通路44が緩
やかな閉塞速度で閉じられる様に、換言すれば、徐々に
エンジンブレーキが発動される様にサブスロットル弁3
8を駆動する。
【0055】一方、上述したステップS22Bにおい
て、自動変速機16において現在設定されている走行レ
ンジ位置が「S」(即ち、変速ギヤ位置が1速または2
速に設定)であると判断される場合には、ステップS2
2Eにおいて、エンジンブレーキ制御量EBCを中間値
(MED)に設定する。そして、上述したステップS2
2Dに進み、この中間のエンジンブレーキ制御量EBC
で、サブスロットル弁コントローラ48を介して、サブ
スロットル弁38を閉塞駆動する。ここで、中間値のエ
ンジンブレーキ制御量EBCが設定されると、サブスロ
ットル弁コントローラ48は、吸気通路44が通常(中
程度)の閉塞速度で閉じられる様に、サブスロットル弁
38を駆動する。
【0056】更に、上述したステップS22Bにおい
て、自動変速機16において現在設定されている走行レ
ンジ位置が「D」(即ち、変速ギヤ位置が走行状態に最
適の任意の位置に設定)であると判断される場合には、
ステップS22Fにおいて、自動変速機16におけるシ
フトアップ動作を禁止するため、換言すれば、現在の変
速ギヤ位置を一定に保つ為に、自動変速機16における
ワンウエイクラッチ(図示せず)を固定する。即ち、ド
ライブレンジ「D」において吸気通路44を閉じた場合
には、通常、車両はワンウエイクラッチの作用により、
慣性走行状態となる。この慣性走行状態においては、運
転者は前方に引かれる様な不安感のあるフィーリングと
なる。しかしながら、ステップS22Fにおいてワンウ
エイクラッチを固定する事により、現在の変速ギヤ位置
に固定され、エンジンブレーキが確実に発動されると共
に、運転者に対する前に引かれるような不安感を除去す
ることができる事となる。
【0057】そして、引き続くステップS22Gにおい
て、ステップS10で予め読み込んだ変速ギヤ位置情報
GIに基づき、現在の変速ギヤ位置がどこにあるかが判
断される。即ち、このステップS22Gにおいて変速ギ
ヤ位置が「一速」に設定されていると判断される場合に
は、上述したステップS22Cに進み、エンジンブレー
キ制御量EBCを最小値(MIN)に設定し、ステップ
S22Dに進んで、この最小のエンジンブレーキ制御量
EBCでサブスロットル弁38を緩やかに閉塞駆動す
る。一方、ステップS22Gにおいて、変速ギヤ位置が
「二速」に設定されていると判断される場合には、上述
したステップS22Eに進み、エンジンブレーキ制御量
EBCを中間値(MED)に設定し、ステップS22D
に進んで、この中間のエンジンブレーキ制御量EBCで
サブスロットル弁38を通常の閉塞速度で閉塞駆動す
る。
【0058】一方、ステップS22Gにおいて、変速ギ
ヤ位置が「三速」、または、「四速」(オーバトップを
含む)に設定されていると判断される場合には、ステッ
プS22Hにおいて、エンジンブレーキ制御量EBCを
最大値(MAX)に設定し、この後、上述したステップ
S22Dに進んで、この最大のエンジンブレーキ制御量
EBCでサブスロットル弁38を急激に閉塞駆動する。
【0059】ここで、上述したステップS22Aにおい
て、YESと判断される場合、即ち、ブレーキ自動制動
制御が発動されていると判断される場合には、現在の走
行レンジ位置または変速ギヤ位置に拘らず、エンジンブ
レーキ制御量EBCを最大値に設定する制御手順を実行
する。即ち、ステップS22AにおいてYESと判断さ
れると、即座にステップS22Hに飛び、エンジンブレ
ーキ制御量EBCを最大値(MAX)に設定して、変速
ギヤ位置が何れにあろうともサブスロットル弁38を急
激に閉塞駆動して、エンジンブレーキを強力に発動す
る。即ち、この様に強力なエンジンブレーキをブレーキ
自動制動制御と同時に発動させる事により、全体として
極めて強い制動力で車両を減速させて、確実な危険回避
動作が達成される様にする。
【0060】上述した様にステップS22Dにおいて、
所定のエンジンブレーキ制御量EBCでサブスロットル
弁38を閉塞駆動する動作が実行されると、引き続くス
テップS22Iにおいて、エンジン自動制動制御解除信
号が出力されているか否かが判断される。このステップ
S22IにおいてNOと判断される場合、即ち、上述し
たステップS38が実行されずに、エンジン自動制動制
御解除信号が出力されていないと判断される場合には、
上述したステップS22Aに戻り、再びエンジン自動制
動制御を起動させる。一方、このステップS22Iにお
いてYESと判断される場合、即ち、上述したステップ
S38においてエンジン自動制動制御解除信号が出力さ
れたと判断される場合には、このエンジン自動制動制御
動作を終了させ、これら一連のエンジン自動制動制御の
制御手順を終了する。
【0061】次に、図7を参照して、ステップS26に
おけるブレーキ自動制動制御動作の制御手順を、自動制
動制御ユニット(CAB)における割り込みルーチンと
して説明する。先ず、ブレーキ自動制動制御動作が実行
される前の状態においては、ブレーキ圧調整機構54に
おける自動制動バルブユニット82FL,82FR,8
2RL,82RRの夫々のシャッタバルブ86FL,8
6FR,86RL,86RRは、全て開放状態にあり、
また、増圧バルブ90FL,90FR,90RL,90
RRと減圧バルブ94FL,94FR,94RL,94
RRとは、共に、閉塞状態にある。この様にして、ブレ
ーキペダル50の踏み込みによりマスタシリンダ68で
発生したブレーキ圧が、各車輪12FL,12FR,1
2RL,12RRに夫々作用して、マニュアル制動動作
が実行され得る様になされている。
【0062】この様なブレーキ自動制動制御動作の実行
される前の状態から、ステップS26においてブレーキ
自動制動制御動作が起動されると、ステップS26Aに
おいて、ブレーキ圧調整機構54における自動制動バル
ブユニット82FL,82FR,82RL,82RRの
夫々のシャッタバルブ86FL,86FR,86RL,
86RRが閉塞駆動される。これにより、ブレーキペダ
ル50の踏み込みによるブレーキ圧は各車輪12FL,
12FR,12RL,12RRのブレーキ装置60F
L,60FR,60RL,60RRに作用し得ない状態
となり、換言すれば、これによりブレーキ自動制動制御
動作が可能な状態となる。
【0063】この後、ステップS26Bにおいて、各車
輪12FL,12FR,12RL,12RRのブレーキ
装置60FL,60FR,60RL,60RRに作用す
るブレーキ圧が所定圧に達しているか否かが判断され
る。このステップS26BにおいてNOと判断される場
合、即ち、現在、ブレーキ装置60FL,60FR,6
0RL,60RRに作用するブレーキ圧が不足している
と判断される場合には、ステップS26Cにおいて、増
圧バルブ90FL,90FR,90RL,90RRが開
放駆動され、引き続くステップS26Dにおいて、減圧
バルブ94FL,94FR,94RL,94RRが閉塞
駆動される。この結果、アキュムレータ100FR,1
00FR,100RL,100RRに蓄圧されていたブ
レーキ圧が、各車輪12FL,12FR,12RL,1
2RRのブレーキ装置60FL,60FR,60RL,
60RRに作用して、所定のブレーキ動作が実行される
事となる。
【0064】一方、上述したステップS26Bにおいて
YESと判断される場合、即ち、現在、ブレーキ装置6
0FL,60FR,60RL,60RRに作用するブレ
ーキ圧が充分であると判断される場合には、ステップS
26Eにおいて、増圧バルブ90FL,90FR,90
RL,90RRが閉塞駆動され、引き続くステップS2
6Fにおいて、減圧バルブ94FL,94FR,94R
L,94RRが開放駆動される。この結果、アキュムレ
ータ100FR,100FR,100RL,100RR
に蓄圧されていたブレーキ圧がブレーキ装置60FL,
60FR,60RL,60RRに作用しなくなり、反対
に、ブレーキ装置60FL,60FR,60RL,60
RRのブレーキ圧が減圧バルブ94FL,94FR,9
4RL,94RRを介して減じられる事になる。
【0065】この様な制御手順を繰り返す事により、各
車輪12FL,12FR,12RL,12RRのブレー
キ装置60FL,60FR,60RL,60RRに作用
するブレーキ圧は、ブレーキペダル50の踏み込みに拘
らず、所定の値に一定に保持される事となる。一方、上
述したステップS26DまたはステップS26Fが実行
されると、ステップS26Gに進み、ここで、ブレーキ
自動制動制御解除信号が出力されているか否かが判断さ
れる。このステップS26GにおいてNOと判断される
場合、即ち、上述したステップS32が実行されずに、
ブレーキ自動制動制御解除信号が出力されていないと判
断される場合には、上述したステップS26Bに戻り、
ここから再びブレーキ自動制動制御を起動させる。一
方、このステップS26GにおいてYESと判断される
場合、即ち、上述したステップS32においてブレーキ
自動制動制御解除信号が出力されたと判断される場合に
は、このブレーキ自動制動制御動作を終了させ、これら
一連のブレーキ自動制動制御の制御手順を終了する。
【0066】次に、図8乃至図11を参照して、上述し
たステップS38におけるエンジン自動制動制御の解除
動作をサブルーチンとして詳細に説明する。先ず、この
ステップS38が実行されて、エンジン自動制動制御解
除動作が起動されると、ステップS38Aにおいて現在
の変速ギヤ位置GPを読み込み、引き続くステップS3
8Bにおいて、この読み込んだ変速ギヤ位置GPに応じ
た基本復帰時間T1を設定する。ここで、この一実施例
においては、この基本復帰時間T1は、読み込んだ変速
ギヤ位置が低速側の変速ギヤ位置である程長く設定され
ており、逆に、高速側の変速ギヤ位置である程短く設定
されている。即ち、変速ギヤ位置が1速であると判断さ
れた場合の基本復帰時間をT11 とし、変速ギヤ位置が
2速であると判断された場合の基本復帰時間をT12
し、変速ギヤ位置が3速であると判断された場合の基本
復帰時間をT13 し、変速ギヤ位置が4速であると判断
された場合の基本復帰時間をT14 とすると、これらT
1 ,T12 ,T13 ,T14 は、 T11 >T12 >T13 >T14 で示される不等式により規定される関係に設定されてい
る。
【0067】次に、ステップS38Cにおいて上述した
相対速度V1を読み込み、引き続くステップS38Dに
おいて、図9に示す様に、この読み込んだ相対速度V1
に応じた第1の補正係数K1を設定する。ここで、この
第1の補正係数K1は、1より小さい数で、且つ、図9
から明らかな様に、相対速度V1が遅くなる程大きな値
となる様に設定されている。即ち、相対速度V1が遅い
程安全状態は担保される事になるので、上述した基本復
帰時間T1を短く補正した状態で規定する様になされて
いる。
【0068】この後、ステップS38Eにおいて上述し
た離間距離Lx を読み込み、引き続くステップS38F
において、図10に示す様に、この読み込んだり感距離
xに応じた第2の補正係数K2を設定する。ここで、
この第2の補正係数K2は、1より小さい数で規定さ
れ、且つ、図10から明らかな様に、離間距離Lx が長
くなればなる程小さな値となる様に設定されている。即
ち、離間距離Lx が長い程、安全状態は担保される事に
なるので、上述した基本復帰時間T1を短く補正した状
態で規定する様になされている。
【0069】そして、引き続くステップS38Gにおい
て、実復帰時間T2を T2=T1×K1×K2 から演算し、これを記憶する。
【0070】一方、ステップS38Hにおいて、現在の
スロットル開度、即ち、危険状態が解消されたと判断さ
れる時点におけるスロットル開度TVOPを、サブスロ
ットル開度センサ40から読み込み、引き続くステップ
S38Iにおいて、サブスロットル弁38における復帰
目標スロットル開度TVOMを設定する。ここで、この
復帰目標スロットル開度TVOMは、図11に示す様
に、アクセル開度センサ110を介して読み込まれたア
クセル開度情報の危険状態解消時を含むこれの前後の期
間に渡る平均値を算出し、この平均アクセル開度に対応
するスロットル開度を復帰目標スロットル開度TVOM
と規定する様に設定されている。
【0071】この後、ステップS38Jにおいて、スロ
ットル開放速度VTVを VTV=(TVOM−TVOP)/T2 から演算し、これを記憶する。そして、ステップS38
Kにおいて、このスロットル開放速度VTVでサブスロ
ットル弁38を開放駆動し、ステップS38Lにおい
て、上述したエンジン自動制動制御解除信号を出力し
て、一連の制御手順を終了して、メインルーチンに復帰
する。
【0072】以上詳述した様に、この一実施例において
は、ステップS38が起動される事により、この起動と
実質的に同時にエンジン自動制動制御解除信号が出力さ
れて、エンジン制御は通常のスロットル制御状態に復帰
する事になるが、そのスロットル制御状態への復帰に際
して、現在の変速ギヤ位置GPに応じた復帰時間T1に
基づく復帰速度VTVで、復帰目標スロットル開度TV
OMにサブスロットル弁38は復帰動作される事にな
る。この様にして、例えば、現在の変速ギヤ位置GPが
低速側に設定されていれば、この復帰時間T1は長めに
設定され、従って、復帰速度VTVは遅めに規定される
事になる。この結果、仮に復帰目標スロットル開度TV
OMが高めに設定されていようとも、この高めに設定さ
れた復帰目標スロットル開度TVOMに対して徐々に近
づく状態で復帰動作が実行されるので、エンジン回転数
の急激な高まり、即ち、エンジンの吹き上がり状態が確
実に回避され、通常のエンジン制御状態への円滑な移行
が達成される事になる。
【0073】また、上述した一実施例においては、上述
した復帰時間T1の設定に際して、前方障害物との関
係、具体的には、離間距離Lx 、相対速度V1に応じ
て、適宜補正される様になされている。この様にして、
安全性が担保される状態で、一刻も早い状態での通常の
エンジン制御への復帰動作が促進され、運転者の意志を
無視した状態での自動制動制御動作の実行が極力早く終
了される事になり、運転者への違和感を和らげることが
出来るものである。
【0074】また、上述した一実施例においては、復帰
目標スロットル開度TVOMを、危険状態解消時を含む
これの前後の期間に渡るアクセル開度情報の平均値に基
づくスロットル開度から規定される様に設定されてい
る。この様にして、自動制動制御動作の実行中に、運転
者がアクセルペダル46を繰り返し踏み込み駆動したと
しても、その最大踏み込み量/最小踏み込み量を均した
状態で目標値が規定される事となり、おおむね運転者の
意図に合致した状態で、且つ、アクセルペダル46のた
またまの最大踏み込み量に基づく目標スロットル開度が
設定される事によるエンジンの吹き上がりを防止した状
態で、適切に復帰目標スロットル開度が設定される事に
なる。
【0075】更に、この一実施例においては、自車と前
方障害物との間の関係が危険状態に入ったと判断された
場合に、自動制動制御が開始される事になるが、この自
動制動制御動作においては、先ず、警報動作が起動さ
れ、運転者に前方障害物との間で危険状態に入った事を
報知せしめる。この報知動作にも拘らず、前方障害物に
対する危険度が増した場合には、先ず、エンジンブレー
キを発動させるべくエンジン自動制動制御手順を実行
し、自車の速度を低下させる。このエンジンブレーキの
発動によっても、更に前方障害物に対する危険度が増
し、衝突の危険性が高まった場合には、更にブレーキ装
置によるブレーキ力を発動させるべくブレーキ自動制動
制御手順を実行してフル制動をかけ、自車の速度を実質
的に停止する状態まで低下させる。
【0076】この様に、この一実施例では、自動制動制
御に際して、先ず、エンジンブレーキを発動させ、この
エンジンブレーキによる制動力のみでは危険性を回避す
ることができない場合に、ブレーキ装置によるブレーキ
力を発動させてフル制動をかける様に構成されている。
この様にして、自動制動制御が実行されたとしても、当
初はエンジンブレーキによる緩やかな制動力のみがかけ
られるので、運転者が感じる減速感は少なくて済み、運
転者に違和感やショック・恐怖心を与える虞が可及的に
減少させる事のできる効果を得ることができる。また、
急激な減速感により運転者がショック・恐怖心を受けた
場合には、運転者が慌てて間違った危険回避動作を行
い、別の危険性が発生する虞があるが、上述した様に、
この一実施例においては、緩やかな減速動作が実行され
るので、運転者に対してショック・恐怖心を与える虞が
少なく、この様な別の危険性が発生する虞がない。
【0077】また、この一実施例においては、即座にこ
のエンジン自動制動制御解除信号を出力することなく、
このエンジン自動制動制御状態の解除が規定された後に
おいて、アクセルペダル46の充分な開放を待ち、具体
的には、この開放されてからの時間を計測して、この計
測時間が基準時間以上経過したと判断される場合に、初
めて、エンジン自動制動制御解除信号を出力する様に構
成されている。この様にして、仮に、危険回避動作が自
動的に実行されている最中においておいても、運転者が
この危険回避動作の実行に気づかずに、アクセルペダル
46を踏み続けている状況で、上述した危険回避動作の
実行により危険状態が解除され、通常のエンジン制御状
態に復帰した場合であっても、このアクセルペダル46
の踏み込みに基づくエンジン回転数の急激な上昇動作
(所謂、エンジンの吹き上がり)が確実に防止され、上
述した危険回避動作の終了が運転者に違和感を与えるこ
となく実行される事になる。
【0078】また、この様なエンジンの吹き上がりが発
生すると、車速が急激に増大して、走行状態の安全性が
損なわれる虞があるが、上述した様に、このエンジンの
吹き上がりが確実に防止される事になる為、危険回避動
作の終了時における走行安全性が確実に担保される事に
なる。
【0079】この発明は、上述した一実施例の構成に限
定されることなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲で
種々変形可能である事は言うまでもない。例えば、上述
した一実施例においては、車両Aは自動変速機16を備
える様に説明したが、この発明は、このような構成に限
定されることなく、以下に他の実施例として説明する様
に、手動式変速機を備える車両にも適用することができ
るものである。
【0080】また、上述した一実施例においては、通常
のエンジン制御状態への復帰に際して、アクセル開度情
報の平均値から復帰目標スロットル開度TVOMを設定
し、この復帰目標スロットル開度TVOMと現在のスロ
ットル開度TVOPとの差を実復帰時間T2で割る事に
より復帰速度VTVを設定する様に説明したが、以下
に、他の実施例として示す様に、このアクセル開度情報
の平均値から復帰目標スロットル開度TVOMを設定せ
ずに、現在のスロットル開度TVOPに所定のゲインG
を掛け合せる事により、復帰目標スロットル開度TVO
Mを設定する様に構成しても良い。
【0081】以下に、図12及び図13を参照して、こ
の発明に係わる他の実施例の構成を説明する。この実施
例においては、上述した一実施例におけるステップS3
8でのエンジン自動制動制御解除手順の一部が異なって
構成されている為、その異なっている部分のみを取り出
した状態で説明し、同一部分(同一ステップ)には同一
符号を付してその説明を省略する。
【0082】先ず、この実施例におけるステップS38
においては、上述した一実施例におけるステップS38
を構成する複数の制御手順の中で、ステップS38A乃
至ステップS38H並びにステップS38K及びステッ
プS38Lは同一であるので、ここでの説明は省略す
る。そして、上述したステップS38Hにおいて、現在
のスロットル開度TVOPが読み込まれると、この実施
例においては、ステップS38Mに進み、ここで、この
ステップS38が起動された時点からの経過時間、即
ち、危険状態が解消されてからの経過時間tを計測す
る。この後、引き続くステップS38Nにおいて、上述
した実復帰時間T2とに応じたゲインGの値を設定す
る。
【0083】ここで、この実施例においては、このゲイ
ンGの値はパーセントとして規定され、図13に示す様
に、実復帰時間T2を所定数nに分割し、この分割され
た所定数の期間の番号順に、ゲイン値が徐々に大きくな
る様に、即ち、m番目の分割期間においては、ゲイン値
は100÷n×(m−1)になる様に設定されている。
具体的には、n=10に分割された最初の分割期間(即
ち、m=1)においては、ゲイン値は0{=100÷1
0×(1−1)}%に設定され、次の分割期間(即ち、
m=2)においては、10{=100÷10×(2−
1)}%に設定され、更に次の分割期間(即ちm=3)
においては、20{=100÷10×(3−1)}%に
設定され、この様にしてゲイン値は徐々に大きくなさ
れ、10番目(即ち、最終)の分割期間においては、9
0{=100÷10×(10−1)}%に設定されてい
る。
【0084】この様にステップS38Nにおいてゲイン
Gの値を設定した後、引き続くステップS38Oにおい
て、上述した経過時間tに対応する分割期間を判断し、
この分割期間におけるゲインGの値を読み込む。この
後、ステップS38Pにおいて、復帰速度VTVを VTV=VTOP×G/100 から演算し、上述した一実施例におけるステップS38
Kと同様に、この演算結果としての復帰速度VTVでサ
ブスロットル弁38を閉塞駆動する。この後、上述した
一実施例と同様に、図示していないが、ステップS38
Lにおいてエンジン自動制動制御解除信号を出力して、
一連の制御手順を終了し、元のメインルーチンに復帰す
る。
【0085】この様に他の実施例を構成する事により、
図13に実線で示す様に、スロットル開度は、現在のア
クセル開度に対応して変化しつつも、設定された実復帰
時間T2に渡り徐々に開放駆動される事となり、実質的
に上述した一実施例と同様な効果を奏することが出来る
事になる。
【0086】
【発明の効果】以上詳述した様に、この発明に係わる車
両の自動制動装置は、この発明に係わる車両の自動制動
装置は、自車と障害物との間の距離及び相対速度を検出
する検出手段と、この検出手段で検出された自車と障害
物との間の距離及び相対速度から、自車が障害物に接触
する可能性の有無を判断する接触可能性判断手段と、こ
の判断手段で接触の可能性があると判断された場合に、
自動的にエンジン出力を低下させて、エンジンブレーキ
を発生させるエンジンブレーキ自動発生手段と、自車の
変速ギヤ位置を判断するギヤ位置判断手段と、前記接触
可能性判断手段で、接触の可能性がなくなった判断され
た場合に、前記ギヤ位置判断手段により判断される変速
ギヤ位置に応じた復帰時間で、前記エンジンブレーキ自
動発生手段におけるエンジンブレーキ発生状態を解除さ
せる解除手段とを具備する事を特徴としている。
【0087】また、この発明に係わる車両の自動制動装
置において、前記解除手段は、前記ギヤ位置判断手段に
より判断された変速ギヤ位置が低速側ギヤ位置である
程、前記復帰時間を長く設定する事を特徴としている。
また、請求項3に記載のこの発明に係わる車両の自動制
動装置において、前記復帰時間は、前記自車と障害物と
の間の距離に応じて、変化設定される事を特徴としてい
る。また、この発明に係わる車両の自動制動装置におい
て、前記復帰時間は、前記距離が増大するに従って短縮
される事を特徴としている。
【0088】また、この発明に係わる車両の自動制動装
置において、前記復帰時間は、前記自車と障害物との間
の相対速度に応じて、変化設定される事を特徴としてい
る。また、この発明に係わる車両自動制動装置におい
て、前記復帰時間は、前記相対速度が増加するに従って
延長される事を事を特徴としている。また、この発明に
係わる車両の自動制動装置において、前記解除手段は、
前記アクセルペダルの踏み込み量の平均値に相当するス
ロットル開度に、スロットル弁を復帰させる事を特徴と
している。また、この発明に係わる車両の自動制動装置
において、前記解除手段は、前記スロットル弁の復帰制
御のゲインを徐々に増加させる事を特徴としている。
【0089】従って、この発明によれば、自動エンジン
ブレーキの作動により自車が前方障害物と接触する可能
性が回避された状態でも、通常のエンジン制御への復帰
動作を滑らかに達成する事の出来る車両の自動制動装置
が提供される事になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係わる車両の自動制動装置の一実施
例の構成を概略的に示すシステム構成図である。
【図2】自動制動装置に適用されるブレーキ油圧系の構
成を示す油圧回路図である。
【図3】自車と前方障害物との間の距離及び両者の相対
速度を検出する為の検出機構の構成を示すブロック図で
ある。
【図4】自動制動制御ユニットにおける自動制動制御動
作の全体制御手順を示すフローチャートである。
【図5】自動制動制御動作において用いられる閾値設定
用のマップを示す線図である。
【図6】ステップS22におけるエンジン自動制動制御
動作の制御手順を示すフローチャートである。
【図7】ステップS26におけるブレーキ自動制動制御
動作の制御手順を示すフローチャートである。
【図8】ステップS38におけるエンジン自動制動制御
解除動作の制御手順を示すフローチャートである。
【図9】ステップS38Cにおける相対速度と第1の補
正係数との相関関係を示す線図である。
【図10】ステップS38Eにおける離間距離と第2の
補正係数との相関関係を示す線図である。
【図11】ステップS38Iにおける復帰目標スロット
ル開度の設定態様を示す線図である。
【図12】この発明に係わる車両の自動制動装置の他の
実施例におけるエンジン自動制動解除動作の制御手順を
示すフローチャートである。
【図13】図12に示すステップS38Nにおける実復
帰時間に応じたゲインGの値の設定態様を示す線図であ
る。
【符号の説明】 A 車両 10 自動制動装置 33 自動変速機制御ユニット 38 サブスロットル弁 48 サブスロットル弁コントローラ 49 自動制動制御ユニット 54 ブレーキ圧調整機構 60 ブレーキ装置 72 ブレーキ配管、 82 自動制動バルブユニット 84 ABSバルブユニット 116 検出機構である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−92436(JP,A) 特開 平3−943(JP,A) 特開 平4−11523(JP,A) 特開 昭62−71727(JP,A) 特開 平5−240074(JP,A) 特開 平3−213438(JP,A) 特開 平2−125935(JP,A) 実開 昭64−22838(JP,U) 実開 昭59−190948(JP,U) 実開 平5−63957(JP,U) 特公 昭39−5668(JP,B1) 特公 昭39−2565(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 29/02 301 B60K 31/02

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自車と障害物との間の距離及び相対速度
    を検出する検出手段と、 この検出手段で検出された自車と障害物との間の距離及
    び相対速度から、自車が障害物に接触する可能性の有無
    を判断する接触可能性判断手段と、 この判断手段で接触の可能性があると判断された場合
    に、自動的にエンジン出力を低下させて、エンジンブレ
    ーキを発生させるエンジンブレーキ自動発生手段と、 自車の変速ギヤ位置を判断するギヤ位置判断手段と、 前記接触可能性判断手段で、接触の可能性がなくなった
    判断された場合に、前記ギヤ位置判断手段により判断さ
    れる変速ギヤ位置に応じた復帰時間で、前記エンジンブ
    レーキ自動発生手段におけるエンジンブレーキ発生状態
    を解除させる解除手段とを具備する事を特徴とする車両
    の自動制動装置。
  2. 【請求項2】 前記解除手段は、前記ギヤ位置判断手段
    により判断された変速ギヤ位置が低速側ギヤ位置である
    程、前記復帰時間を長く設定する事を特徴とする請求項
    1に記載の車両の自動制動装置。
  3. 【請求項3】 前記復帰時間は、前記自車と障害物との
    間の距離に応じて、変化設定される事を特徴とする請求
    項2に記載の車両の自動制動装置。
  4. 【請求項4】 前記復帰時間は、前記距離が増大するに
    従って短縮される事を特徴とする請求項4に記載の車両
    の自動制動装置。
  5. 【請求項5】 前記復帰時間は、前記自車と障害物との
    間の相対速度に応じて、変化設定される事を特徴とする
    請求項2に記載の車両自動制動装置。
  6. 【請求項6】 前記復帰時間は、前記相対速度が増加す
    るに従って延長される事を事を特徴とする請求項5に記
    載の車両の自動制動装置。
  7. 【請求項7】 前記解除手段は、前記アクセルペダルの
    踏み込み量の平均値に相当するスロットル開度に、スロ
    ットル弁を復帰させる事を特徴とする請求項1に記載の
    車両の自動制動装置。
  8. 【請求項8】 前記解除手段は、前記スロットル弁の復
    帰制御のゲインを徐々に増加させる事を特徴とする請求
    項7に記載の車両の自動制動装置。
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