JP2006248393A - 車両用走行支援装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 先行車の走行状態に応じて自車の安全を確保するように車両の走行を支援する車両用走行支援装置において、先行車の頻繁な減速、加速の繰り返し、または急減速の繰り返しの影響をできるだけ排除することにより、運転者に不快感を与えないようにする。
【解決手段】走行支援制御ECUは、加速制御手段が、車間距離ΔLが第1の設定車間距離ΔL1より長いときに自車Maを加速制御し、減速制御手段が、車間距離ΔLが第1の設定車間距離ΔL1より短い第2の設定車間距離ΔL2より短いときに自車Maを減速制御し、設定車間距離変更手段(ステップ406またはステップ428)が、減速制御手段が今回以前に行った減速制御の状態に基づいて第1の設定車間距離ΔL1と第2の設定車間距離ΔL2との間隔を長くし、制御手段が車間距離ΔLに応じて自車の走行を制御する。
【選択図】 図8
Description
本発明は、先行車の走行状態に応じて自車の安全を確保するように車両の走行を支援する車両用走行支援装置に関するものである。
従来から、車両用走行支援装置としては、自車と先行車との車間距離を検出する車間距離検出手段と、該車間距離検出手段により検出した車間距離に応じて自車を加減速制御する制御手段と、を備えたものが知られている。
このような車両用走行支援装置の一形式として、特許文献1「走行制御装置」に示されているものがある。特許文献1に記載の走行制御装置はクルーズコントロールを行っている。このクルーズコントロールにおいては、自車と先行車との間の車間距離が選択された車間時間に対応する車間距離に保たれるよう走行状態が制御されるようになっている。具体的には、特許文献1の図6に示されているように、S24において、減速度偏差Δαnが0より大きいか否かが判定される。0より大きい場合には減速制御が行われ、0以下である場合には加速制御が行われるようになっている。
このような車両用走行支援装置の一形式として、特許文献1「走行制御装置」に示されているものがある。特許文献1に記載の走行制御装置はクルーズコントロールを行っている。このクルーズコントロールにおいては、自車と先行車との間の車間距離が選択された車間時間に対応する車間距離に保たれるよう走行状態が制御されるようになっている。具体的には、特許文献1の図6に示されているように、S24において、減速度偏差Δαnが0より大きいか否かが判定される。0より大きい場合には減速制御が行われ、0以下である場合には加速制御が行われるようになっている。
この減速度偏差Δαnは、車間制御ECU12において、運転者によって選択された要求車間時間T*,実際の車間時間T(車間距離Zを自車の速度Vn で割った値),相対速度Vr に基づいて決定された目標減速度αn*(特許文献1図5参照)から実際の減速度αnを引いた値として求められる(特許文献1図6のS23)。減速度偏差Δαnが0より大きい場合には、実際の減速度αnが目標減速度αn*に対して不足しており、減速の必要性がある。そこで、加速域であった減速度偏差Δαnが増大して0より大きくなった場合には、まず、スロットル開度が絞られる。スロットル制御装置36において、スロットル開度が、実減速度αnが目標減速度αn*に近づくようにフィードバック制御される。減速度偏差Δαnが第0しきい値Δαs0以上になるとスロットル開度が0(全閉)にされ、減速度偏差Δαnが第1しきい値Δαs1以上になると変速比が4速にシフトダウンされる。そして、第2しきい値Δαs2以上になると3速にシフトダウンされ、さらに、ブレーキ作動条件(そのうちの一つとして減速度偏差Δαnが第3しきい値Δαs3より大きいことが含まれている)が満たされるとブレーキ62が作動させられる。
そして、この減速によって、減速域である減速度偏差Δαnが減少する場合には、目標減速度αn*が第4しきい値αs4より小さい場合には変速比の制限を解除する情報(変速比通常制御許可指令)が作成され、ブレーキ要求無情報,目標減速度αn*を表す情報とともにエンジンECU14に送信される。第5しきい値αs5より小さい場合にはスロットル全閉を解除する情報(スロットル制御指令)が作成される。これにより、スロットル制御装置36やトランスミッション40の制御によるブレーキ解除後の減速制御が行われるようになっている。そして、減速度偏差Δαnが0以下になると、加速制御が行われるようになっている。
特開2002−67904号公報(第2−14頁、図1−20)
ところで、クルーズコントロール制御されている自車の先行車が頻繁に減速、加速を繰り返したり、急減速を繰り返したりする場合がある。しかし、上述した特許文献1に記載された走行制御装置においては、前者の場合のように走行する先行車の後を自車が走行する場合、先行車が減速・加速を繰り返す度に減速度偏差Δαnが0より大きくなると(すなわち目標減速度α*nが実際の減速度αnより大きくなると)、自車は毎回同様の減速制御を繰り返し実行していた。換言すると、先行車が頻繁に減速・加速を繰り返しても減速制御(スロットル制御装置36やトランスミッション40の制御によるブレーキ解除後の減速制御を含む)の開始条件(開始しきい値)を変更することなく減速制御の開始判定を実行して、毎回同様の減速制御を繰り返し実行していた。このような制御の繰り返しにより運転者に不快感を与えるという問題があった。
また、後者のように急減速した先行車の後を自車が走行する場合、再び先行車が急減速した場合に、減速度偏差Δαnが0より大きくなると、自車は前回同様の急減速制御を実行していた。換言すると、先行車が急減速を実行しても減速制御の開始条件(開始しきい値)を変更することなく減速制御の開始判定を実行して、前回同様の急減速制御を実行していた。このような急制動の繰り返しにより運転者に不快感を与えるという問題があった。
本発明は、上述した各問題を解消するためになされたもので、先行車の走行状態に応じて自車の安全を確保するように車両の走行を支援する車両用走行支援装置において、先行車の頻繁な減速、加速の繰り返し、または急減速の繰り返しの影響をできるだけ排除することにより、運転者に不快感を与えないようにすることを目的とする。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明の構成上の特徴は、自車と先行車との車間距離を検出する車間距離検出手段と、この車間距離検出手段により検出した車間距離に応じて自車の走行を制御する制御手段と、を備えた車両用走行支援装置において、制御手段は、車間距離検出手段により検出した車間距離が第1の設定車間距離より長いときに自車を加速制御する加速制御手段と、車間距離検出手段により検出した車間距離が、第1の設定車間距離より短い第2の設定車間距離より短いときに自車を減速制御する減速制御手段と、減速制御手段が今回以前に行った減速制御の状態に基づいて第1の設定車間距離と第2の設定車間距離との間隔を長くする設定車間距離変更手段と、を備えたことである。
請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1において、減速制御手段が所定の時間内に所定の回数を越えて減速制御を行ったときに、設定車間距離変更手段が第1の設定車間距離と第2の設定車間距離との間隔を長くすることである。
請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項1において、減速制御手段が所定の減速度を越えて減速制御を行ったときに、設定車間距離変更手段が第1の設定車間距離と第2の設定車間距離との間隔を長くすることである。
請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至請求項3の何れか一項において、設定車間距離変更手段が第1の設定車間距離を長く設定変更することにより、第1の設定車間距離と第2の設定車間距離との間隔を長くすることである。
請求項5に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至請求項4の何れか一項において、制御手段は、車間距離検出手段により検出した車間距離が第1の設定車間距離より長い状態から、第1の設定車間距離より短く、かつ、第2の設定車間距離より長い範囲内となったときは、目標車速となるように車速制御を行う車速制御手段を備えたことである。
請求項6に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至請求項4の何れか一項において、制御手段は、車間距離検出手段により検出した車間距離が第2の設定車間距離より短い状態から、第1の設定車間距離より短く、かつ、第2の設定車間距離より長い範囲内となったときは、目標減速度となるように減速制御を行う目標減速制御手段を備えたことである。
上記のように構成した請求項1に係る発明においては、加速制御手段が、車間距離検出手段により検出した車間距離が第1の設定車間距離より長いときに自車を加速制御し、減速制御手段が、車間距離検出手段により検出した車間距離が第1の設定車間距離より短い第2の設定車間距離より短いときに自車を減速制御し、設定車間距離変更手段が、減速制御手段が今回以前に行った減速制御の状態に基づいて第1の設定車間距離と第2の設定車間距離との間隔を長くし、制御手段が、車間距離検出手段により検出した車間距離に応じて自車の走行を制御する。これにより、自車の今回以前に行った減速制御の状態に基づいて第1の設定車間距離と第2の設定車間距離との間隔を長く変更することにより、次回以降の減速制御をする際に今回までの減速制御と比較して加速制御終了から減速制御開始までの時間を長くし減速制御開始を遅らせることができる。したがって、先行車の頻繁な減速、加速の繰り返し、急減速の繰り返しなどの走行状態の悪影響をできるだけ排除することにより、運転者への不快感を低減し、ひいては与えないようにすることができる。
上記のように構成した請求項2に係る発明においては、請求項1に係る発明において、減速制御手段が所定の時間内に所定の回数を越えて減速制御を行ったときに、設定車間距離変更手段が第1の設定車間距離と第2の設定車間距離との間隔を長くするので、頻繁に減速、加速を繰り返して走行する先行車の後を自車が走行する場合に、自車は先行車の頻繁な減速、加速の繰り返しに的確に対処することができる。
上記のように構成した請求項3に係る発明においては、請求項1に係る発明において、減速制御手段が所定の減速度を越えて減速制御を行ったときに、設定車間距離変更手段が第1の設定車間距離と第2の設定車間距離との間隔を長くするので、急減速を行う先行車の後を自車が走行する場合に、自車は先行車の急減速に的確に対処することができる。
上記のように構成した請求項4に係る発明においては、請求項1乃至請求項3の何れか一項に係る発明において、設定車間距離変更手段が第1の設定車間距離を長く設定変更することにより、第1の設定車間距離と第2の設定車間距離との間隔を長くするので、第2の設定車間距離を短く設定変更することなく、すなわち減速制御の開始車間距離を短くすることなく、安全性を確保した上で第1の設定車間距離と第2の設定車間距離との間隔を長くすることができる。
上記のように構成した請求項5に係る発明においては、請求項1乃至請求項4の何れか一項に係る発明において、車間距離検出手段により検出した車間距離が第1の設定車間距離より長い状態から、第1の設定車間距離より短く、かつ、第2の設定車間距離より長い範囲内となったときは、車速制御手段が目標車速となるように車速制御を行うので、的確に自車の走行を制御することができる。
上記のように構成した請求項6に係る発明においては、請求項1乃至請求項4の何れか一項に係る発明において、車間距離検出手段により検出した車間距離が第2の設定車間距離より短い状態から、第1の設定車間距離より短く、かつ、第2の設定車間距離より長い範囲内となったときは、目標減速制御手段が目標減速度となるように減速制御を行うので、的確に自車の走行を制御することができる。
以下、本発明に係る車両用走行支援装置を適用した車両の一実施の形態を図面を参照して説明する。図1はその車両の構成を示す概要図であり、図2は車両用走行支援装置の制動力制御装置の構成を示す概要図である。この車両Mは、前輪駆動車であり、車体前部に搭載した駆動源であるエンジン11の駆動力が後輪でなく前輪に伝達される形式のものである。なお車両Mは前輪駆動車でなく、他の駆動方式の車両例えば後輪駆動車、四輪駆動車でもよい。
車両Mは車両用走行支援装置を備えており、この車両用走行支援装置は、エンジン11、変速機12、ディファレンシャル13および左右駆動軸14a,14bを備えている。エンジン11の駆動力は、変速機12で変速されディファレンシャル13および左右駆動軸14a,14bを経て駆動輪である左右前輪Wfl,Wfrにそれぞれ伝達されるようになっている。エンジン11は、エンジン11の燃焼室内に空気を流入する吸気管11aを備えており、吸気管11a内には、吸気管11aの開閉量を調整して同吸気管11aを通過する空気量を調整するスロットルバルブ15aが設けられている。
スロットルバルブ15aは、アクセルペダル16とスロットルバルブ15aがワイヤによって繋がれたワイヤ式でなく、電子制御式である。すなわち、スロットルバルブ15aは、エンジン制御ECU17からの指令によるモータ15bの駆動によって開閉され、スロットルバルブ15aの開閉量はスロットル開度センサ15cによって検出されその検出信号がエンジン制御ECU17に送信されており、エンジン制御ECU17からの指令値となるようにフィードバック制御されている。エンジン制御ECU17は、基本的にはアクセル開度センサ16aが検出するアクセルペダル16の踏込み量を受信してその踏込み量に応じたスロットルバルブ15aの開閉量に相当する指令値をモータ15bに送信する。また、エンジン制御ECU17は、検出されたエンジン11の状態を受信してその状態を勘案して決定したスロットルバルブ15aの開閉量に相当する指令値をモータ15bに送信する。なお、スロットルバルブ15aの開閉量すなわち吸入空気量に合わせてエンジン11への燃料も自動的に供給されるようになっている。これによれば、アクセルペダル16の踏込み量が増大すると、スロットルバルブ15aの開度が増大してエンジン11の出力が増大しこれにより駆動力が増大して車両Mは加速し、また踏込み量が減少すると、スロットルバルブ15aの開度が減少してエンジン11の出力が減少しこれにより駆動力が減少して車両Mの加速度は減少する。
変速機12は、エンジン11の駆動力を変速して駆動輪に出力する自動変速機であり、複数段(例えば4速)の前進段と後進一段の変速段を有するものである。変速機12は、自動変速機制御ECU18と図示しない内蔵の油圧制御装置とによる制御で、運転者により選択されたレンジに応じた変速段の範囲で車両負荷と車速に基づき、変速を行うようになっている。特に変速機12は、自動変速機制御ECU18からの指令を受けて変速段を指令値に応じて減段(例えば3速から2速へ変速)するようにもなっている。これにより、シフトダウンに伴ってエンジンブレーキによる制動力を車両Mに作用させて車両Mを減速することもできる。
このように、駆動力制御装置は、エンジン11と、スロットルバルブ15a、モータ15bおよびスロットル開度センサ15cからなりエンジン11の回転数(出力)を制御する吸入空気量制御装置15と、変速機12とから構成されている。この駆動力制御装置は、上述した説明から明らかなように運転者の操作によらず車両(自車)Mへの駆動力を制御可能である。なお、駆動力制御装置をエンジン11と吸入空気量制御装置15またはエンジン11と変速機12の何れか一方から構成するようにしてもよい。また、本実施の形態の車両Mは変速機12が自動変速機であるが、本発明を手動式変速機の車両に適用してもよく、この場合、駆動力制御装置はエンジン11と吸入空気量制御装置15のみから構成される。
また、車両用走行支援装置は、各車輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrに液圧制動力を直接付与して車両を制動させる液圧ブレーキ装置Aを備えている。液圧ブレーキ装置Aは、図2に示すように、ブレーキペダル21の踏み込みによるブレーキ操作状態に対応した基礎液圧をマスタシリンダ23にて発生し、同発生した基礎液圧を当該マスタシリンダ23と液圧制御弁31,41をそれぞれ介在した油経路Lf,Lrによって連結された各車輪Wfl,Wfr,Wrl,WrrのホイールシリンダWCfl,WCfr,WCrl,WCrrに直接付与することにより、同各車輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrに基礎液圧に対応した基礎液圧制動力を発生させるとともに、ブレーキ操作状態に対応して発生される基礎液圧とは独立してポンプ37,47の駆動と液圧制御弁31,41の制御によって形成される制御液圧を各車輪Wfl,Wfr,Wrl,WrrのホイールシリンダWCfl,WCfr,WCrl,WCrrに付与することにより各車輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrに制御液圧制動力を発生可能に構成されたものである。
各ホイールシリンダWCfl,WCfr,WCrl,WCrrは、各キャリパCLfl,CLfr,CLrl,CLrrに設けられており、液密に摺動するピストン(図示省略)を収容している。各ホイールシリンダWCfl,WCfr,WCrl,WCrrに基礎液圧または制御液圧が供給されると、各ピストンが一対のブレーキパッドを押圧して各車輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrと一体回転するディスクロータDRfl,DRfr,DRrl,DRrrを両側から挟んでその回転を停止するようになっている。なお、本実施の形態においては、ディスク式ブレーキを採用するようにしたが、ドラム式ブレーキを採用するようにしてもよい。この場合、各ホイールシリンダWCfl,WCfr,WCrl,WCrrに基礎液圧または制御液圧が供給されると、各ピストンが一対のブレーキシューを押圧して各車輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrと一体回転するブレーキドラムの内周面に当接してその回転を停止するようになっている。
この液圧ブレーキ装置Aは、図1および図2に示すように、エンジン11の吸気負圧をダイヤフラムに作用させてブレーキペダル21の踏み込み操作により生じるブレーキ操作力を助勢して倍力(増大)する倍力装置である負圧式ブースタ22と、負圧式ブースタ22により倍力されたブレーキ操作力(すなわちブレーキペダル21の操作状態)に応じた基礎液圧である液圧(油圧)のブレーキ液(油)を生成して各ホイールシリンダWCfl,WCfr,WCrl,WCrrに供給するマスタシリンダ23と、ブレーキ液を貯蔵してマスタシリンダ23にそのブレーキ液を補給するリザーバタンク24と、マスタシリンダ23と各ホイールシリンダWCfl,WCfr,WCrl,WCrrとの間に設けられて制御液圧を形成するブレーキアクチュエータ(制動力制御装置)25を備えている。なお、ブレーキペダル21、負圧式ブースタ22、マスタシリンダ23、リザーバタンク24によって基礎液圧制動力発生装置が構成されている。
負圧式ブースタ22は、一般によく知られているものであり、負圧取入れ口がエンジン11の吸気管11aに連通しており、この吸気管11aの負圧を倍力源としている。
マスタシリンダ23は、図2に示すように、タンデム式のマスタシリンダであり、第1および第2液圧室23a,23bを備えている。第1および第2液圧室23a,23bは、第1および第2出力ポート23c,23dを介して一方の系統を構成する油経路Lfおよび他方の系統を構成する油経路Lrと連通している。マスタシリンダ23は、ブレーキペダル21の踏込操作に応じて第1及び第2出力ポート23c,23dからほとんど同一の油圧(液圧)のブレーキ油(液体)を圧送するようになっている。油経路Lfは、第1液圧室23aと右前輪Wfr,左後輪WrlのホイールシリンダWCfr,WCrlとをそれぞれ連通するものであり、油経路Lrは、第2液圧室23bと左前輪Wfl,右後輪WrrのホイールシリンダWCfl,WCrrとをそれぞれ連通するものである。
次に、ブレーキアクチュエータ25について図2を参照して詳述する。このブレーキアクチュエータ25は、一般的によく知られているものであり、液圧制御弁31,41、ABS制御弁を構成する増圧制御弁32,33,42,43および減圧制御弁35,36,45,46、調圧リザーバ34,44、ポンプ37,47、モータ37bなどを一つのケースにパッケージすることにより構成されている。
まず、ブレーキアクチュエータ25の一方の系統の構成について説明する。油経路Lfには、差圧制御弁から構成される液圧制御弁31が備えられている。この液圧制御弁31は、ブレーキ制御ECU26により連通状態と差圧状態を切り替え制御されるものである。液圧制御弁31は通常連通状態(図示状態)とされているが、差圧状態にすることによりホイールシリンダWCrl,WCfr側の油経路Lf2をマスタシリンダ23側の油経路Lf1よりも所定の差圧分高い圧力に保持することができる。この差圧はブレーキ制御ECU26により制御電流に応じて調圧されるようになっている。
油経路Lf2は2つに分岐しており、一方にはABS制御の増圧モード時においてホイールシリンダWCrlへのブレーキ液圧の増圧を制御する増圧制御弁32が備えられ、他方にはABS制御の増圧モード時においてホイールシリンダWCfrへのブレーキ液圧の増圧を制御する増圧制御弁33が備えられている。これら増圧制御弁32,33は、ブレーキ制御ECU26により連通・遮断状態を制御できる2位置弁として構成されている。そして、これら増圧制御弁32,33が連通状態(図示状態)に制御されているときには、マスタシリンダ23の基礎液圧または/およびポンプ37の駆動と液圧制御弁31の制御によって形成される制御液圧を各ホイールシリンダWCrl,WCfrに加えることができる。また、増圧制御弁32,33は減圧制御弁35,36およびポンプ37とともにABS制御を実行することができる。なお、制御液圧は、ポンプ37の駆動と増圧制御弁32,33の制御によっても形成される。
なお、ABS制御が実行されていないノーマルブレーキの際には、これら増圧制御弁32,33は常時連通状態に制御されている。また、増圧制御弁32,33には、それぞれ逆止弁32a,33aが並列に設けられており、ABS制御時においてブレーキペダル21を離したとき、それに伴ってホイールシリンダWCrl,WCfr側からのブレーキ液をマスタシリンダ23に戻すようになっている。
また、増圧制御弁32,33と各ホイールシリンダWCrl,WCfrとの間における油経路Lf2は、油経路Lf3を介して調圧リザーバ34のポンプ側ポート34aに連通されている。油経路Lf3には、ブレーキ制御ECU26により連通・遮断状態を制御できる減圧制御弁35,36がそれぞれ配設されている。これらの減圧制御弁35,36はノーマルブレーキ状態(ABS非作動時)では常時遮断状態(図示状態)とされ、また、適宜連通状態として油経路Lf3を通じて調圧リザーバ34へブレーキ液を逃がすことにより、ホイールシリンダWCrl,WCfrにおけるブレーキ液圧を制御し、車輪がロック傾向にいたるのを防止できるように構成されている。
さらに、液圧制御弁31と増圧制御弁32,33との間における油経路Lf2と調圧リザーバ34のポンプ側ポート34aとを結ぶ油経路Lf4にはポンプ37が逆止弁37aと共に配設されている。そして、調圧リザーバ34のマスタシリンダ側ポート34bを油経路Lf1を介してマスタシリンダ23と接続するように油経路Lf5が設けられている。
調圧リザーバ34は、一般的に知られているものであり、リザーバ室内に収容されているブレーキ液(油)が所定量(所定圧)未満であるときには、調圧弁が開状態となり、調圧弁を挟んで両側に設けられたポンプ側ポート34aとマスタシリンダ側ポート34bが連通して油経路Lf5と油経路Lf4(またはLf3)が連通する。一方、リザーバ室内に収容されているブレーキ液(油)が所定量(所定圧)以上であるときには、調圧弁が閉状態となり、ポンプ側ポート34aとマスタシリンダ側ポート34bが遮断されて油経路Lf5と油経路Lf4(またはLf3)が遮断するようになっている。したがって、ブレーキペダル21が踏み込まれていないときには、調圧リザーバ34にはブレーキ液圧が供給されておらずリザーバ室内の液圧が所定量未満であり調圧リザーバ34の調圧弁は開状態であるので、マスタシリンダ23の第1液圧室23aは、油経路Lf5、調圧リザーバ34、および油経路Lf4を介してポンプ37の吸入口に連通している。また、ブレーキペダル21が踏み込まれて、調圧リザーバ34のリザーバ室内の液圧が所定量以上となると、調圧リザーバ34の調圧弁は閉状態となり、マスタシリンダ23の第1液圧室23aはポンプ37の吸入口と遮断される。
ポンプ37は、ブレーキ制御ECU26の指令によりモータ37bによって駆動されるものである。ポンプ37は、ABS制御の減圧モード時においては、ホイールシリンダWCrl,WCfr内のブレーキ液または調圧リザーバ34のリザーバ室内に貯められているブレーキ液を吸い込んで連通状態である液圧制御弁31を介してマスタシリンダ23に戻している。また、ポンプ37は、ESC(Electronic Stability Control)(横滑り防止制御)、トラクションコントロール、ブレーキアシストなどの車両の姿勢を安定に制御するための制御液圧を形成する際においては、差圧状態に切り替えられている液圧制御弁31に差圧を発生させるべく、マスタシリンダ23内のブレーキ液を油経路Lf1,Lf5および調圧リザーバ34を介して吸い込んで油経路Lf4,Lf2および連通状態である増圧制御弁32,33を介して各ホイールシリンダWCrl,WCfrに吐出して制御液圧を付与している。なお、ポンプ37が吐出したブレーキ液の脈動を緩和するために、油経路Lf4のポンプ37の上流側にはダンパ38が配設されている。
さらに、ブレーキアクチュエータ25の他方の系統も前述した一方の系統と同様な構成であり、他方の系統を構成する油経路Lrは油経路Lfと同様に油経路Lr1〜Lr5から構成されている。油経路Lrには液圧制御弁31と同様な液圧制御弁41、および調圧リザーバ34と同様な調圧リザーバ44が備えられている。ホイールシリンダWCfl,WCrrに連通する分岐した油経路Lr2,Lr2には増圧制御弁32,33と同様な増圧制御弁42,43が備えられ、油経路Lr3には減圧制御弁35,36と同様な減圧制御弁45,46が備えられている。油経路Lr4には、ポンプ37、逆止弁37aおよびダンパ38と同様なポンプ47、逆止弁47aおよびダンパ48が備えられている。なお、増圧制御弁42,43には、それぞれ逆止弁32a,33aと同様な逆止弁42a,43aが並列に設けられている。
これにより、ポンプ37,47の駆動と液圧制御弁31,41の制御によって形成された制御液圧を各車輪Wfl,Wfr,Wrl,WrrのホイールシリンダWCfl,WCfr,WCrl,WCrrに付与することにより各車輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrに制御液圧制動力を発生させることができる。すなわち、ブレーキアクチュエータ25は、運転者の操作によらず車両(自車)Mへの制動力を制御可能である。
また、油経路Lr1には、マスタシリンダ23内のブレーキ液圧であるマスタシリンダ圧を検出する圧力センサPが設けられており、この検出信号はブレーキ制御ECU26に送信されるようになっている。なお、圧力センサPは油経路Lf1に設けるようにしてもよい。
車両用走行支援装置は、図1に示すように、ブレーキアクチュエータ25を制御するブレーキ制御ECU26を備えている。ブレーキ制御ECU26は、各車輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrの車輪速度をそれぞれ検出する各車輪速センサSfl,Sfr,Srl,Srr、圧力センサPからの各検出信号に基づいて、各制御弁31,32,33,35,36,41,42,43,45,46の状態を切り換え制御または通電電流制御するとともにモータ37bを駆動しポンプ37,47を制御することによりホイールシリンダWCfl〜WCrrに付与する制御液圧すなわち各車輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrに付与する制御液圧制動力を制御する。
また、車両用走行支援装置は、図1に示すように、運転者の操作によらず自車の操舵を制御可能である自動操舵制御装置60を備えている。自動操舵制御装置60は、一般的によく知られているものであり、例えば特開2003−261053号公報に示されているものである。この自動操舵制御装置60は、ステアリングホイール61、アッパステアリングシャフト62、ロアステアリングシャフト63、転舵角可変装置64および電動式パワーステアリング装置65を備えている。ステアリングホイール61は、アッパステアリングシャフト62、転舵角可変装置64、ロアステアリングシャフト63、ジョイント66を介して電動式パワーステアリング装置65のピニオンシャフト65aに相対回転可能に連結されている。
電動式パワーステアリング装置65は、ラック・アンド・ピニオン型のステアリング装置であり、ステアリングホイール61の操作に応答するアッパステアリングシャフト62およびロアステアリングシャフト63の回転に伴うピニオンシャフト65aの回転をラックバー65bの横方向の直線運動とし、タイロッド67L,67Rを介して左右前輪Wfl,Wfrを転舵するものである。また、電動式パワーステアリング装置65はラック同軸型の電動式パワーステアリング装置であり、モータ65cと、モータ65cの回転トルクをラックバー65bの往復動方向の力に変換する例えばボールねじ式の変換機構65dとを有し、ハウジングに対し相対的にラックバー65bを駆動する補助転舵力を発生することにより、運転者の操舵負担を軽減する補助転舵力発生手段として機能する。尚補助転舵力発生手段は当技術分野に於いて公知の任意の構成のものであってよく、また転舵角可変装置64より左右前輪側に設けるようにしてもよい。
転舵角可変装置64は、アッパステアリングシャフト62に対し相対的にロアステアリングシャフト63を回転駆動するモータを含む一般的な構成のものであり、運転者による通常操舵時にはアッパステアリングシャフト62に対するロアステアリングシャフト63の相対回転を阻止する保持電流がモータに通電されることにより、アッパステアリングシャフト62に対するロアステアリングシャフト63の相対回転角度を0に維持するが、自動操舵時にはモータによりアッパステアリングシャフト62に対し相対的にロアステアリングシャフト63を積極的に回転させ、これにより運転者の操舵操作に依存せずに左右前輪Wfl,Wfrを自動操舵する。このように、転舵角可変装置64はアッパステアリングシャフト62に対し相対的にロアステアリングシャフト63を回転駆動することにより、操舵輪である左右前輪Wfl,Wfrをステアリングホイール61に対し相対的に補助転舵駆動する補助転舵手段として機能する。
このように構成した自動操舵制御装置60においては、運転者による通常操舵時には、転舵角可変装置64がアッパステアリングシャフト62とロアステアリングシャフト63を一体回転し、電動式パワーステアリング装置65が操舵アシストトルクを発生する。自動操舵時には、転舵角可変装置64が電動式パワーステアリング装置65と協働して操舵輪を自動操舵し、電動式パワーステアリング装置65がステアリングホイール61に作用する転舵角可変装置64による自動操舵の反力を打ち消すようにもなっている。
また、自動操舵制御装置60は、アッパステアリングシャフト62にそれぞれ設けられて該アッパステアリングシャフトの回転角度を操舵角として検出する操舵角センサ60a及び操舵トルクを検出するトルクセンサ60b、およびロアステアリングシャフト63に設けられて該ロアステアリングシャフトの回転角度を左右前輪の実操舵角として検出する操舵角センサ60cを備えている。これらセンサ60a〜60cの出力は操舵制御ECU68へ供給されている。操舵制御ECU68には、各車輪速センサSfl,Sfr,Srl,Srrにより検出された車輪速度に基づいて算出される車速V及びヨーレートセンサ69により検出された車両のヨーレートγを示す信号も走行支援制御ECU50から入力されている。操舵制御ECU68は、車両前方の障害物を回避するためなどの左右前輪の目標転舵角度を演算し、目標転舵角度に基づきロアステアリングシャフト63の目標回転角度及びステアリングホイール61の目標回転角度を演算し、ロアステアリングシャフト63の回転角度が目標回転角度になるよう自動操舵制御装置60を制御する。
また、車両用走行支援装置は、上述したエンジン制御ECU17、自動変速機制御ECU18、ブレーキ制御ECU26および操舵制御ECU68に互いに通信可能な走行支援制御ECU50を備えている。走行支援制御ECU50は、車間距離検出手段である測距装置51により検出した車間距離に応じて自車の走行の制御(走行支援制御)を行うものである。
さらに、車両用走行支援装置は、走行支援制御ECU50にそれぞれ接続された測距装置51、画像処理装置52、警報装置53、クルーズコントロールスイッチ54およびヨーレートセンサ69を備えている。
測距装置51は、例えばスキャニング式のミリ波レーダから構成されており、車両Mの前端部(例えばフロントグリル内)に配設されて前方に向けてミリ波を送受信する送受信部51aと、図示しないマイクロコンピュータとを備えている。この測距装置51は、送受信部51aから前方に向けてミリ波を照射して前方にある物体(例えば、先行車、対向車、障害物)からの反射波を受信することによりその物体と自車との車間距離、および隣接先行車と隣接先行車の前方の物体との車間距離を測定し、その測定結果を走行支援制御ECU50に送信している。なお、測距装置51は、ミリ波レーダでなく、レーザー光レーダ、マイクロ波レーダで構成するようにしてもよい。
測距装置51は、例えばスキャニング式のミリ波レーダから構成されており、車両Mの前端部(例えばフロントグリル内)に配設されて前方に向けてミリ波を送受信する送受信部51aと、図示しないマイクロコンピュータとを備えている。この測距装置51は、送受信部51aから前方に向けてミリ波を照射して前方にある物体(例えば、先行車、対向車、障害物)からの反射波を受信することによりその物体と自車との車間距離、および隣接先行車と隣接先行車の前方の物体との車間距離を測定し、その測定結果を走行支援制御ECU50に送信している。なお、測距装置51は、ミリ波レーダでなく、レーザー光レーダ、マイクロ波レーダで構成するようにしてもよい。
画像処理装置52は、車両Mの室内前端部(例えばルームミラーの背面)に配設されて前方を撮像するCCDカメラ52aと、図示しないマイクロコンピュータとを備えている。この画像処理装置52は、CCDカメラ52aにより自車の前方を撮像し、その撮像結果である前方の状態を走行支援制御ECU50に送信している。
警報装置53は、電球、LEDなどを点灯したり、液晶パネル、CRTなどに警報メッセージを表示したりすることにより、運転者への警報を行うものである。また、警報装置53は、ブザーを鳴動したり、スピーカから警報アナウンスを知らせたりして、警報を行うもので構成するようにしてもよい。この警報装置53は、走行支援制御ECU50からの指令を受けて警報を行うものである。
クルーズコントロールスイッチ54は、一般によく知られているものであり、クルーズコントロールのオン・オフを切り替えるとともに自車の速度(自車速度)を設定できるものである。クルーズコントロールがオン状態であるとき、走行支援制御ECU50は、基本的に自車の速度を設定した自車速度に維持し、先行車との車間距離を一定に維持するように走行を制御する。クルーズコントロールのオン状態中に、アクセルペダル16が踏まれるとクルーズコントロール状態が解除されて踏込み量に応じて自車は加速し、ブレーキペダル21が踏まれるとクルーズコントロール状態が解除されて踏込み量に応じて自車は減速する。
ヨーレートセンサ69は、車両Mのほぼ中心に配設されており、車両のヨーレートを検出してその検出結果を走行支援制御ECU50に送信している。
クルーズコントロールスイッチ54は、一般によく知られているものであり、クルーズコントロールのオン・オフを切り替えるとともに自車の速度(自車速度)を設定できるものである。クルーズコントロールがオン状態であるとき、走行支援制御ECU50は、基本的に自車の速度を設定した自車速度に維持し、先行車との車間距離を一定に維持するように走行を制御する。クルーズコントロールのオン状態中に、アクセルペダル16が踏まれるとクルーズコントロール状態が解除されて踏込み量に応じて自車は加速し、ブレーキペダル21が踏まれるとクルーズコントロール状態が解除されて踏込み量に応じて自車は減速する。
ヨーレートセンサ69は、車両Mのほぼ中心に配設されており、車両のヨーレートを検出してその検出結果を走行支援制御ECU50に送信している。
そして、走行支援制御ECU50は、マイクロコンピュータ(図示省略)を有しており、マイクロコンピュータは、バスを介してそれぞれ接続された入出力インターフェース、CPU、RAMおよびROM(いずれも図示省略)を備えている。CPUは、図5〜図8のフローチャートに対応したプログラムを実行して、車間距離検出手段により検出した車間距離が第1の設定車間距離より長いときに自車を加速制御し、車間距離検出手段により検出した車間距離が第1の設定車間距離より短い第2の設定車間距離より短いときに自車を減速制御し、減速制御手段が今回以前に行った減速制御の状態に基づいて第1の設定車間距離と第2の設定車間距離との間隔を長くし、車間距離検出手段により検出した車間距離に応じて自車の走行を制御(走行支援制御)する。RAMは同プログラムの実行に必要な変数を一時的に記憶するものであり、ROMは前記プログラムを記憶するものである。
また、走行支援制御ECU50は、図3に示すように、先行車と自車との車間距離(相対距離)ΔL、自車速度Vと、自車の走行制御との相関関係を示す第1マップ(制御判定マップ)または演算式を記憶している。このマップは、車間距離ΔLと自車速度Vの組を曲線f1およびf2を境界線として曲線f2の下方領域A1と曲線f1とf2の間の中間領域A2と曲線f1の上方領域A3の組に分けて、各領域A1,A2,A3をそれぞれ減速制御領域、定常制御領域および加速制御領域として車間距離ΔLと自車速度Vの組と関連付けるものである。
曲線f1およびf2は、自車速度Vにそれぞれ対応した第1の設定車間距離ΔL1および第2の設定車間距離ΔL2を示すものである。第1の設定車間距離ΔL1は、自車の走行制御が加速制御から定常制御へ(または定常制御から加速制御へ)移行するしきい値であり、第2の設定車間距離ΔL2は、自車の走行制御が定常制御から減速制御へ(または減速制御から定常制御へ)移行するしきい値である。曲線f1およびf2は、自車速度Vが高くなるほど各設定車間距離ΔL1,ΔL2が長くなるようになっている。曲線f1と曲線f2(第1の設定車間距離ΔL1および第2の設定車間距離ΔL2)はほぼ並列の関係にありf1>f2なる関係にある(第2の設定車間距離ΔL2は第1の設定車間距離ΔL1より短い)。
なお、減速制御領域A1においては、後述する自車を減速する制御を実行し、定常制御領域A2においては、後述する自車を定常走行する制御を実行し、加速制御領域A3においては、後述する自車を加速または設定車速走行する制御を実行する。
さらに、第1マップは、第1の設定車間距離ΔL1より長く設定された変更後の第1の設定車間距離ΔL1を示す曲線f1aを有している。この曲線f1aは、曲線f1とほぼ並列の関係にありf1a>f1なる関係にある。
また、走行支援制御ECU50は、図4に示すように、先行車の相対速度ΔVと自車の減速度との相関関係を示す第2マップ(減速度マップ)または演算式を記憶している。このマップは、曲線f3にて示されており、曲線f3は相対速度ΔVが高くなるほど減速度が高くなるように設定されている。この第2マップは、先行車の相対速度ΔVから自車の減速度を導出するためのものである。この第2マップと先行車の相対速度ΔVとから自車の減速度を導出することができる理由を下記に説明する。自車の減速制御のしきい値は、図3に示す第1マップの曲線f2に示すとおりであり、この曲線f2から自車速度Vに応じた減速制御開始の車間距離ΔLを導出することができる。したがって、減速制御開始時点における自車速度Vに対する車間距離ΔLは一義的に決定され、減速制御開始時点の相対速度ΔVの高低によって減速度が決定される。
また、走行支援制御ECU50は、図4に示すように、減速度のしきい値を記憶している。このしきい値は、第2マップと先行車の相対速度ΔVから導出される減速度と比較されるものであり、減速度がしきい値より大きい場合には、上述した第1の設定車間距離ΔL1を曲線f1に示すものから曲線f1aに示すものに変更し、減速度がしきい値以下である場合には、上述した第1の設定車間距離ΔL1を曲線f1に示すものから曲線f1aに示すものに変更しない。
次に、上記のように構成した車両用走行支援装置の作動を図5乃至図8のフローチャートに沿って説明する。走行支援制御ECU50は、例えば車両のイグニションスイッチ(図示省略)がオン状態にあるとき、上記フローチャートに対応したプログラムを実行する。走行支援制御ECU50は、プログラムの実行を開始すると、その度にタイマTおよびカウンタCを0に初期化するとともに、第1の設定車間距離Δ1を図3にて曲線f1で示すものに初期化する(ステップ102)。そして、運転者がクルーズコントロールスイッチ54をオンにして、自車速度をV1に設定すると、走行支援制御ECU50は自車速度をV1に設定する(ステップ104)。走行支援制御ECU50はプログラムをステップ106以降に進め、ステップ106からステップ126の処理を実行してクルーズコントロール制御を実行する。なお、図9に示すように、先行車Mbと自車Maが同一走行路上を車間距離ΔLにて走行する場合を例に挙げて説明する。
走行支援制御ECU50は、自車速度Vに基づいて第1および第2の設定車間距離ΔL1,ΔL2を設定し(ステップ106,108)、これら第1および第2の設定車間距離ΔL1,ΔL2と自車Maと先行車Mbとの車間距離ΔLとを比較し(ステップ112)、その比較結果に基づいて自車Maの走行を制御している(ステップ116〜122)。
具体的には、走行支援制御ECU50は、ステップ106において、各車輪速センサSfl,Sfr,Srl,Srrにより検出された車輪速度に基づいて、それらの値の平均を算出などして自車速度Vを算出(検出)する。なお、別に設けた車速センサ(図示省略)により自車速度Vを検出するようにしてもよい。ステップ108において、図3に示す第1マップからステップ106にて算出した自車速度Vに基づいて第1および第2の設定車間距離ΔL1,ΔL2をそれぞれ設定する。これにより、自車速度Vに対する第1および第2の設定車間距離ΔL1,ΔL2が設定される。ステップ110において、画像処理装置52から入力する前方の状態情報に基づいて先行車Mbを検出する。この検出した先行車Mbと自車Maとの車間距離ΔLを測距装置51によって測定する。そして、測定した車間距離ΔLに基づいて、例えばその車間距離ΔLを微分することにより、相対速度ΔVを算出する。
そして、自車Maが先行車Mbに後から近づいている途中であって、両車Ma,Mbの車間距離ΔLが第1の設定車間距離ΔL1より長く、かつ、自車速度Vが設定速度V1より小さい場合には、走行支援制御ECU50は、ステップ112にて「ΔL>ΔL1」と判定し、ステップ114にて「YES」と判定し、ステップ116にて加速制御(後述する)を実行する。また、自車Maが先行車Mbに後から近づいている途中であって、両車Ma,Mbの車間距離ΔLが第1の設定車間距離ΔL1より長く、かつ、自車速度Vが設定速度V1以上である場合には、走行支援制御ECU50は、ステップ112にて「ΔL>ΔL1」と判定し、ステップ114にて「NO」と判定し、ステップ118にて設定車速制御(後述する)を実行する。また、自車Maが先行車Mbの後を走行する際に、両車Ma,Mbの車間距離ΔLが第1の設定車間距離ΔL1以下であり、かつ、第2の設定車間距離ΔL2以上である場合には、走行支援制御ECU50は、ステップ112にて「ΔL2≦ΔL≦ΔL1」と判定し、ステップ120にて定常制御(後述する)を実行する。そして、自車Maが先行車Mbの後を走行する際に、両車Ma,Mbの車間距離ΔLが第2の設定車間距離ΔL2より短い場合には、走行支援制御ECU50は、ステップ122にて「ΔL<ΔL2」と判定し、ステップ122にて減速制御(後述する)を実行する。なお、ステップ112において、自車Maと先行車Mbとの車間距離ΔLを第1および第2の設定車間距離ΔL1,ΔL2と比較しその関係を判定する。また、ステップ114において、ステップ106にて検出した自車速度Vがステップ104にて設定した設定車速V1より小さいか否かを判定する。
そして、走行支援制御ECU50は、ステップ116〜120の各走行制御処理の実行後、プログラムをステップ106に戻して上述したステップ106〜122の処理を繰り返し実行する。また、走行支援制御ECU50は、ステップ122の減速制御処理の実行後、プログラムをステップ124に進め、ステップ124において第1の設定車間距離ΔL1が未変更であるか否かを判定する。第1の設定車間距離ΔL1が変更されていなければ、「YES」と判定して、プログラムをステップ126に進め、ステップ126においてタイマTのカウントアップを開始し、その後、プログラムをステップ106に戻して上述したステップ106〜122の処理を繰り返し実行する。一方、第1の設定車間距離ΔL1が変更されていれば、「NO」と判定して、プログラムをステップ106に戻して上述したステップ106〜122の処理を繰り返し実行する。なお、タイマTのカウントアップは別のルーチンにて実行されている。
さらに、上述した各走行制御について詳述する。走行支援制御ECU50は、ステップ116において、自車Maを加速する加速制御を実行する。具体的には、先に検出した自車速度Vが設定車速V1に到達するように、エンジン制御ECU17により駆動力制御装置すなわち吸入空気量制御装置15を制御して、スロットルバルブ15aの開度を増大して自車Maを加速する。
走行支援制御ECU50は、ステップ118において、自車Maを設定した自車速度V1で走行させる設定車速制御を実行する。具体的には、先に検出した自車速度Vが設定車速V1を維持するように、エンジン制御ECU17により吸入空気量制御装置15を制御して、スロットルバルブ15aの開度を増減する。
走行支援制御ECU50は、ステップ120において、プログラムを図6に示す定常制御ルーチンに進め、定常制御を実行する。この定常制御は、加速制御から車速制御への移行制御や減速制御から目標減速制御への移行制御または定常制御の継続制御であり、主としてエンジン制御ECU17により吸入空気量制御装置15を制御して、スロットルバルブ15aの開度を増減して自車Maを加減速する制御である。
具体的には、走行支援制御ECU50は、定常制御ルーチンを開始する度に、前回の走行制御に基づいて車速制御または目標減速制御を実行する。自車Maの状態が図3に示す加速制御領域A3から定常制御領域A2となった場合、すなわち設定車速制御または加速制御から定常制御となった場合には、ステップ202にて「設定車速制御または加速制御」と判定し、目標車速V2を設定し(ステップ204)、車速制御を実行する(ステップ206)。また、自車Maの状態が図3に示す減速制御領域A1から定常制御領域A2となった場合、すなわち減速制御から定常制御となった場合、またはスタートした初回に定常制御領域A2であった場合には、ステップ202にて「初回または減速制御」と判定し、目標減速制御を実行する(ステップ208)。さらに、前回も定常制御であった場合には、ステップ202にて「定常制御」と判定し、プログラムをステップ210に進め、前回の定常制御が車速制御であったか目標減速制御であったかを判定し、前回が車速制御であればステップ210にて「YES」と判定して今回も車速制御を実行し(ステップ206)、前回が目標減速制御であればステップ210にて「NO」と判定して今回も目標減速制御を実行する(ステップ208)ことにより、それらの制御を継続する。
ステップ202において、記憶されている前回の走行制御を読み出し、その前回の走行制御が、設定車速制御または加速制御であったか、初回または減速制御であったか、定常制御であったかを判定する。なお、走行支援制御ECU50は、上述した各ステップ116〜122の処理直後にその制御を前回の走行制御として記憶するのが望ましい。
ステップ204において、先にステップ106にて検出した自車速度Vからステップ110にて算出した相対速度ΔVを減算した値を目標車速V2として設定する。これにより、目標車速V2を自車速度Vより相対速度ΔVだけ低い速度に設定することができる。
ステップ206において、走行支援制御ECU50は、プログラムを図7に示す車速制御ルーチンに進め、自車Maを設定した目標車速V2で走行させる車速制御を実行する。具体的には、車速制御ルーチンを開始する度に、ステップ302にて、先にステップ106にて検出した自車速度Vとステップ204にて設定した目標車速V2を比較する。自車速度Vが目標車速V2より低ければ、ステップ302にて「自車速度V<目標車速V2」と判定し、ステップ304において、エンジン制御ECU17により吸入空気量制御装置15を制御して、スロットルバルブ15aの開度を所定量増大して自車Maを加速する。また、自車速度Vが目標車速V2より高ければ、ステップ302にて「自車速度V>目標車速V2」と判定し、ステップ308において、エンジン制御ECU17により吸入空気量制御装置15を制御して、スロットルバルブ15aの開度を所定量減少して自車Maを減速する。さらに、自車速度Vが目標車速V2と等しくなれば、ステップ302にて「自車速度V=目標車速V2」と判定し、ステップ306において、エンジン制御ECU17により吸入空気量制御装置15を制御して、スロットルバルブ15aの開度を保持して自車Maの速度を保持する。そして、走行支援制御ECU50は、ステップ304〜308の各処理を実行した後、プログラムをステップ310に進めてこのルーチンを一旦終了する。
ステップ208において、シフトダウンに伴うエンジンブレーキまたは液圧ブレーキ装置Aによるブレーキではなく、エンジン制御ECU17により吸入空気量制御装置15を制御して、スロットルバルブ15aの開度を減少して、これによるエンジンブレーキによって所定の減速度となるように調整する。この所定の減速度は、減速制御領域A1における減速度より小さいものであり、例えば0.5m/s2程度に設定するのが望ましい。
そして、走行支援制御ECU50は、上述したステップ206または208の処理を実行した後、プログラムをステップ212に進めて定常制御ルーチンを一旦終了する。
そして、走行支援制御ECU50は、上述したステップ206または208の処理を実行した後、プログラムをステップ212に進めて定常制御ルーチンを一旦終了する。
走行支援制御ECU50は、図5に示すステップ122において、プログラムを図8に示す減速制御ルーチンに進め、自車Maを液圧ブレーキ装置Aによって減速する減速制御を実行する。具体的には、減速制御ルーチンを開始する度に、ステップ402にて、ステップ110にて算出した相対速度ΔVに応じた減速度を図4に示す第2マップから導出する。
次に、ステップ404にて、走行支援制御ECU50はその導出した減速度がしきい値より大きいか否かを判定する。減速度がしきい値より大きければ、ステップ404にて「YES」と判定し、ステップ406にて第1の設定車間距離ΔL1を曲線f1から曲線f1aに変更して長くする。これにより、次回以降の図5に示すステップ106以降の処理において、第1の設定車間距離ΔL1を長くすることにより、定常制御領域A2を車間距離ΔL方向に拡張することができる。また、走行支援制御ECU50は減速度がしきい値より大きいと判定することにより、先行車Mbの急激な減速の影響を受けて自車Maが急激な減速をしたことを検出する。
さらに、ステップ408にて、走行支援制御ECU50は、ステップ402にて導出した減速度となるように、制動力制御を実行する。すなわち、走行支援制御ECU50は、導出した減速度を制御減速度として設定する。そして、この制御減速度となるように、制御液圧指令値を演算し、演算した制御液圧指令値をブレーキ制御ECU26に出力する。ブレーキ制御ECU26は制御液圧指令値となるように制動力制御装置25を制御する。したがって、制動力制御装置25による制動力により減速制御が実行される。
そして、走行支援制御ECU50は、ステップ410からステップ416の処理によって自車Maの状態が減速制御領域A1から定常制御領域A2に入ったか否かを判定する。具体的には、ステップ410において、上述したステップ106と同様に自車速度Vを算出(検出)する。ステップ412において、上述したステップ108と同様に、図3に示す第1マップからステップ410にて算出した自車速度Vに基づいて第1および第2の設定車間距離ΔL1,ΔL2をそれぞれ設定する。ステップ414において、上述したステップ110と同様に先行車Mbを検出し、この検出した先行車Mbと自車Maとの車間距離ΔLを測距装置51によって測定し、この測定した車間距離ΔLに基づいて相対速度ΔVを算出する。そして、ステップ416において、ステップ414にて算出した自車Maと先行車Mbとの車間距離ΔLが第2の設定車間距離ΔL2より短いか否かを判定する。車間距離ΔLが第2の設定車間距離ΔL2より短ければ、ステップ416にて「YES」と判定し、プログラムをステップ402に戻し、車間距離ΔLが第2の設定車間距離ΔL2以上となるまで上述したステップ402〜416を繰り返し実行する(場合によってステップ406の処理を実行する)。車間距離ΔLが第2の設定車間距離ΔL2以上となれば、すなわち自車Maの状態が減速制御領域A1から脱すれば(減速制御が終了すれば)、ステップ416にて「NO」と判定し、プログラムをステップ418に進める。
走行支援制御ECU50は、ステップ418からステップ430の処理によって、上述したステップ402からステップ416の一連の減速制御が所定時間間隔内で所定回数以上実行されたか否かを検出(判定)する。この条件で減速制御が実行されていれば、上述したステップ406と同様にステップ428にて第1の設定車間距離ΔL1を曲線f1から曲線f1aに変更して長くする。この条件で減速制御が実行されていなければ、第1の設定車間距離ΔL1を曲線f1から曲線f1aに変更しないでそのままにしておく。
具体的には、ステップ418において、今回以前の処理で第1の設定車間距離ΔL1を曲線f1aに変更した否かを判定する。例えば、直前の一連の減速制御中に先行車Mbの急激な減速の影響を受けて自車Maが急激な減速をした場合、同一先行車に対してすでに一連の減速制御を所定時間間隔内で所定回数以上実行した場合など第1の設定車間距離ΔL1を曲線f1aに変更した場合には、ステップ418にて「NO」と判定し、プログラムをステップ432に進めて減速制御ルーチンを一旦終了する。第1の設定車間距離ΔL1を曲線f1aに変更しなかった場合には、ステップ418にて「YES」と判定し、プログラムをステップ420に進めてステップ420以降の処理を実行する。
すなわち、図5に示すフローチャートを開始して初めて減速制御を実行した直後である場合には、タイマTは0のままであるため所定時間KT(この所定時間KTは0より大きい)より小さいので、走行支援制御ECU50は、ステップ420にて「NO」と判定し、プログラムをステップ422に進める。カウントCは0のままであるので、走行支援制御ECU50は、ステップ422にて「YES」と判定し、プログラムをステップ424に進める。ステップ424にて、タイマTを0にリセットするとともに、カウントCを1だけ増加して1に設定する。これにより、図5に示すフローチャートを開始して初めて実行した一連の減速制御は第1回目の減速制御としてカウントされる。
この第1回目の減速制御が終了した後、所定時間KT経過した後に、次の一連の減速制御を実行した場合には、タイマTは所定時間KTより大きいので、走行支援制御ECU50は、ステップ420にて「YES」と判定し、プログラムをステップ426に進める。ステップ426にて、タイマTを0にリセットするとともに、カウントCを1に設定する。したがって、第1回目の減速制御から所定時間KT経過した後に実行した一連の減速制御を第1回目の減速制御としてカウントする。すなわち、前回の一連の減速制御から所定時間KT経過した後に実行した一連の減速制御を第1回目の減速制御としてカウントする。これにより、同一先行車に対して一連の減速制御を所定時間間隔内で所定回数以上実行したか否かの次の判定をするためにカウントCをリセットすることができる。
また、第1回目の減速制御が終了した後、所定時間KT経過する前に、次の一連の減速制御を実行した場合には、タイマTは所定時間KTより小さいので、走行支援制御ECU50は、ステップ420にて「NO」と判定し、プログラムをステップ422に進める。カウントCは1であるので、走行支援制御ECU50は、ステップ422にて「YES」と判定し、プログラムをステップ424に進める。ステップ424にて、タイマTを0にリセットするとともに、カウントCを1だけ増加して2に設定する。これにより、第1回目の減速制御から所定時間KT経過する前に実行した一連の減速制御を第2回目の減速制御としてカウントする。
また、第2回目の減速制御が終了した後、所定時間KT経過する前に、次の一連の減速制御を実行した場合には、タイマTは所定時間KTより小さいので、走行支援制御ECU50は、ステップ420にて「NO」と判定し、プログラムをステップ422に進める。カウントCは2であるので、走行支援制御ECU50は、ステップ422にて「NO」と判定し、プログラムをステップ428以降に進める。ステップ428にて、上述したステップ406と同様に第1の設定車間距離ΔL1を曲線f1から曲線f1aに変更して長くする。そして、ステップ430にて、次回以降の処理のためにタイマTおよびカウントCをそれぞれ0にリセットする。したがって、第2回目の減速制御から所定時間KT経過する前に実行した一連の減速制御を第3回目の減速制御としてカウントする。
これにより、一連の減速制御が所定時間KT間隔内で所定回数(例えば3回)以上実行されていれば、第1の設定車間距離ΔL1を曲線f1から曲線f1aに変更して長くする。したがって、次回以降の図5に示すステップ106以降の処理において、第1の設定車間距離ΔL1を長くすることにより、定常制御領域A2を車間距離ΔL方向に拡張することができる。また、走行支援制御ECU50は、一連の減速制御が所定時間KT間隔内で所定回数(例えば3回)以上実行されたと判定することにより、先行車Mbの頻繁な加減速の繰り返しの影響を受けて自車Maが頻繁に減速をしたことを検出する。
そして、走行支援制御ECU50は、上述したステップ424、426、または430の処理を実行した後、プログラムをステップ432に進めて減速制御ルーチンを一旦終了する。
そして、走行支援制御ECU50は、上述したステップ424、426、または430の処理を実行した後、プログラムをステップ432に進めて減速制御ルーチンを一旦終了する。
上述した説明から明らかなように、本実施の形態によれば、加速制御手段(ステップ116)が、車間距離検出手段(測距装置51)により検出した車間距離ΔLが第1の設定車間距離ΔL1より長いときに自車Maを加速制御し、減速制御手段(ステップ122)が、車間距離検出手段(測距装置51)により検出した車間距離ΔLが第1の設定車間距離ΔL1より短い第2の設定車間距離ΔL2より短いときに自車Maを減速制御し、設定車間距離変更手段(ステップ406またはステップ428)が、減速制御手段(ステップ122)が今回以前に行った減速制御の状態に基づいて第1の設定車間距離ΔL1と第2の設定車間距離ΔL2との間隔を長くし、制御手段(ステップ106からステップ126)が、車間距離検出手段(測距装置51)により検出した車間距離ΔLに応じて自車の走行を制御する。これにより、自車Maの今回以前に行った減速制御の状態に基づいて第1の設定車間距離ΔL1と第2の設定車間距離ΔL2との間隔を長く変更することにより(定常制御領域A2を車間距離方向に拡張することにより)、次回以降の減速制御をする際に今回までの減速制御と比較して加速制御終了から減速制御開始までの時間を長くし減速制御開始を遅らせることができる。したがって、先行車Mbの頻繁な減速、加速の繰り返し、急減速の繰り返しなどの走行状態の悪影響をできるだけ排除することにより、運転者への不快感を低減し、ひいては与えないようにすることができる。
具体的には、クルーズコントロール制御されている自車Maの先行車Mbが頻繁に減速、加速を繰り返す場合には、自車Maは、一連の減速制御を所定時間KT間隔内で所定回数(例えば3回)以上実行すると、第1の設定車間距離ΔL1を長く変更することにより(ステップ428)、定常制御領域A2を車間距離ΔL方向に拡張する。これにより、自車Maは、3回目の減速制御が終了すると、従来より長い変更後の第1の設定車間距離ΔL1をおいて先行車Mbの後を走行することになる。その後、先行車Mbが減速、加速を行っても、自車Maの定常制御領域A2が拡張されているので、定常制御の時間(距離)を長く確保でき、車間距離ΔLが第2の設定車間距離ΔL2より短くなることを回避して先行車Mbの減速、加速の繰り返しの影響を吸収し、液圧ブレーキ装置Aによる減速制御を実行しなくてすむ。したがって、頻繁に減速、加速を繰り返して走行する先行車Mbの後を自車Maが走行する場合に、自車Maは先行車Mbの頻繁な減速、加速の繰り返しに的確に対処することができる。
また、クルーズコントロール制御されている自車Maの先行車Mbが頻繁に急減速を繰り返す場合には、自車Maは、所定の減速度を越えて減速制御を実行すると、第1の設定車間距離ΔL1を長く変更することにより(ステップ406)、定常制御領域A2を車間距離ΔL方向に拡張する。これにより、自車Maは、現在の減速制御が終了すると、従来より長い変更後の第1の設定車間距離ΔL1をおいて先行車Mbの後を走行することになる。その後、先行車Mbが急減速を行っても、自車Maの定常制御領域A2が拡張されているので、定常制御の時間(距離)を長く確保でき、車間距離ΔLが第2の設定車間距離ΔL2より短くなることを回避して先行車Mbの急減速の影響を吸収し、液圧ブレーキ装置Aによる減速制御を実行しなくてすむ。したがって、急減速を行う先行車Mbの後を自車Maが走行する場合に、自車Maは先行車Mbの急減速に的確に対処することができる。
また、設定車間距離変更手段(ステップ406またはステップ428)が第1の設定車間距離ΔL1を長く設定変更することにより、第1の設定車間距離ΔL1と第2の設定車間距離ΔL2との間隔を長くするので、第2の設定車間距離ΔL2を短く設定変更することなく、すなわち減速制御の開始車間距離を短くすることなく、安全性を確保した上で第1の設定車間距離ΔL1と第2の設定車間距離ΔL2との間隔を長くすることができる。
また、車間距離検出手段(測距装置51)により検出した車間距離ΔLが第1の設定車間距離ΔL1より長い状態(加速制御領域A3)から、第1の設定車間距離ΔL1より短く、かつ、第2の設定車間距離ΔL2より長い範囲(定常制御領域A2)内となったときは、車速制御手段(ステップ206)が目標車速V2となるように車速制御を行うので、的確に自車Maの走行を制御することができる。
また、車間距離検出手段(測距装置51)により検出した車間距離ΔLが第2の設定車間距離ΔL2より短い状態(減速制御領域A1)から、第1の設定車間距離ΔL1より短く、かつ、第2の設定車間距離ΔL2より長い範囲(定常制御領域A2)内となったときは、目標減速制御手段(ステップ208)が目標減速度となるように減速制御を行うので、的確に自車Maの走行を制御することができる。
なお、上述した実施の形態においては、減速制御領域A1内における減速制御の実行は、制動力制御装置25による制動力を単独で付与するようにしたが、これに代えて、駆動力制御装置による制動力(シフトダウンに伴うエンジンブレーキによる制動力)を単独で付与した後に制動力制御装置25による制動力を付与する(合わせて付与してもよいし、単独で付与してもよい)ようにしてもよい。この場合、制御減速度となるように、変速指令値を演算して、その指令値を自動変速機制御ECU18に出力する。自動変速機制御ECU18は、変速指令値となるように駆動力制御装置を制御する。
また、上述した実施の形態においては、ブレーキ配管系はX配管方式にて構成されているが、前後分割方式にて構成されるようにしてもよい。
また、上述した実施の形態においては、倍力装置として負圧式ブースタを用いているが、ポンプにより発生した液圧をアキュムレータに蓄圧し、この液圧をピストンに作用させてブレーキペダル21に作用するペダル踏力を倍力してもよい。
また、本発明はいわゆるブレーキバイワイヤ式のブレーキ装置に適用することが可能である。
また、上述した実施の形態においては、倍力装置として負圧式ブースタを用いているが、ポンプにより発生した液圧をアキュムレータに蓄圧し、この液圧をピストンに作用させてブレーキペダル21に作用するペダル踏力を倍力してもよい。
また、本発明はいわゆるブレーキバイワイヤ式のブレーキ装置に適用することが可能である。
11…エンジン、12…変速機、13…ディファレンシャル、15…吸入空気量制御装置、15a…スロットルバルブ、15b…モータ、15c…スロットル開度センサ、16…アクセルペダル、16a…アクセル開度センサ、17…エンジン制御ECU、18…自動変速機制御ECU、21…ブレーキペダル、22…負圧式ブースタ、23…マスタシリンダ、23a,23b…第1および第2液圧室、23c,23d…第1および第2出力ポート、24…リザーバタンク、25…ブレーキアクチュエータ、26…ブレーキ制御ECU、31,41…液圧制御弁、32,33,42,43…増圧制御弁、35,36,45,46…減圧制御弁、34,44…調圧リザーバ、37,47…ポンプ、50…走行支援制御ECU、51…測距装置、52…画像処理装置、53…警報装置、60…自動操舵制御装置、68…操舵制御ECU、69…ヨーレートセンサ、A…液圧ブレーキ装置、M…車両、Wfl,Wfr,Wrl,Wrr…車輪、Lf,Lr…油経路、P…圧力センサ、Sfl,Sfr,Srl,Srr…車輪速センサ、WCfl,WCfr,WCrl,WCrr…ホイールシリンダ。
Claims (6)
- 自車と先行車との車間距離を検出する車間距離検出手段と、
該車間距離検出手段により検出した車間距離に応じて自車の走行を制御する制御手段と、を備えた車両用走行支援装置において、
前記制御手段は、
前記車間距離検出手段により検出した車間距離が第1の設定車間距離より長いときに自車を加速制御する加速制御手段と、
前記車間距離検出手段により検出した車間距離が、前記第1の設定車間距離より短い第2の設定車間距離より短いときに自車を減速制御する減速制御手段と、
前記減速制御手段が今回以前に行った減速制御の状態に基づいて前記第1の設定車間距離と前記第2の設定車間距離との間隔を長くする設定車間距離変更手段と、を備えたことを特徴とする車両用走行支援装置。 - 請求項1において、前記減速制御手段が所定の時間内に所定の回数を越えて減速制御を行ったときに、前記設定車間距離変更手段が前記第1の設定車間距離と前記第2の設定車間距離との間隔を長くすることを特徴とする車両用走行支援装置。
- 請求項1において、前記減速制御手段が所定の減速度を越えて減速制御を行ったときに、前記設定車間距離変更手段が前記第1の設定車間距離と前記第2の設定車間距離との間隔を長くすることを特徴とする車両用走行支援装置。
- 請求項1乃至請求項3の何れか一項において、前記設定車間距離変更手段が前記第1の設定車間距離を長く設定変更することにより、前記第1の設定車間距離と前記第2の設定車間距離との間隔を長くすることを特徴とする車両用走行支援装置。
- 請求項1乃至請求項4の何れか一項において、前記制御手段は、前記車間距離検出手段により検出した車間距離が前記第1の設定車間距離より長い状態から、前記第1の設定車間距離より短く、かつ、前記第2の設定車間距離より長い範囲内となったときは、目標車速となるように車速制御を行う車速制御手段を備えたことを特徴とする車両用走行支援装置。
- 請求項1乃至請求項4の何れか一項において、前記制御手段は、前記車間距離検出手段により検出した車間距離が前記第2の設定車間距離より短い状態から、前記第1の設定車間距離より短く、かつ、前記第2の設定車間距離より長い範囲内となったときは、目標減速度となるように減速制御を行う目標減速制御手段を備えたことを特徴とする車両用走行支援装置。
Priority Applications (1)
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Applications Claiming Priority (1)
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Cited By (5)
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---|---|---|---|---|
JP2008137593A (ja) * | 2006-12-05 | 2008-06-19 | Mazda Motor Corp | 車両の走行制御装置 |
JP2009166727A (ja) * | 2008-01-17 | 2009-07-30 | Toyota Motor Corp | 車両走行制御装置 |
JP2009248597A (ja) * | 2008-04-01 | 2009-10-29 | Toyota Motor Corp | 車間距離制御装置 |
JP2016159807A (ja) * | 2015-03-03 | 2016-09-05 | 富士重工業株式会社 | 自動車 |
US9682653B2 (en) | 2015-08-31 | 2017-06-20 | Hyundai Motor Company | Vehicle and method for controlling the same |
-
2005
- 2005-03-11 JP JP2005068459A patent/JP2006248393A/ja active Pending
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