JP2995580B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JP2995580B2 JP2314294A JP31429490A JP2995580B2 JP 2995580 B2 JP2995580 B2 JP 2995580B2 JP 2314294 A JP2314294 A JP 2314294A JP 31429490 A JP31429490 A JP 31429490A JP 2995580 B2 JP2995580 B2 JP 2995580B2
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    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
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    • B60C9/0042Reinforcements made of synthetic materials
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  • Tires In General (AREA)
  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、カーカス層が扁平断面のモノフィラメント
から構成されている空気入りタイヤに関する。
〔従来の技術〕
空気入りタイヤの補強コードには金属コードと繊維コ
ードとがある。後者の繊維コードは、前者の金属コード
に比べて軽量性が利点であり、ナイロン,ポリエステル
などの有機重合体からなるマルチフィラメントを撚り合
わせたものが多く使用されているが、このようなマルチ
フィラメントの撚りコードに対し、高い剛性が得られる
モノフィラメントを使用する提案もある。
しかし、モノフィラメントの場合は、円形断面である
と耐疲労性に問題があるため、第7図に示すように矩形
状の扁平断面にしたものが良いとされている。この扁平
断面モノフィラメント50は、耐疲労性の解決と共に、曲
げ剛性に異方性を有していて、タイヤの上下方向の荷重
に対する撓み剛性を小さくする一方で、コーナリング時
に負荷される捩じりに対する剛性を高くするため、乗心
地を損なわずに操縦安定性を向上することができるとい
う特長がある。また、ゴム引きしてシート状のカーカス
シートにしたとき扁平面を面方向にすることにより薄肉
にできるため、タイヤの軽量化に有利にすることもでき
る。
しかしながら、扁平断面モノフィラメントは、このよ
うな利点を有する反面で、横断面におけるコーナがシャ
ープであるため応力を集中しやすく、コートゴムとの間
で界面破壊(剥離)を起こしやすいという欠点がある。
そのため、空気入りタイヤに使用した場合、耐久性が低
いという問題があった。また、扁平断面モノフィラメン
トは表面が平滑であるため、マルチフィラメントの撚り
コードに比べて機械的接着力が低く、この点からも空気
入りタイヤに使用したときの耐久性を悪くしていた。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、カーカス層を扁平断面モノフィラメ
ントから構成する場合、その扁平断面モノフィラメント
が応力集中によるゴムとの界面破壊を起こしにくく、か
つゴムとの機械的接着力を向上するようにした空気入り
タイヤを提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するため、本発明の空気入りタイヤ
は、カーカス層を構成するカーカスコードが有機重合体
のモノフィラメントから構成され、該モノフィラメント
の横断面が、最大径に対する最小径の比が0.4〜1.0の範
囲にある2〜4個の円を1列に並べ、隣接する二つの円
の間を凹状の曲線で連接して描かれる図形の外形線によ
って形成され、該横断面の長径をa,短径をb,前記最大円
の半径をR,前記凹状の連接曲線の深さをHとするとき、 0.1mm≦R≦1.0mm a/b=2〜5 H=(0.3〜0.6)b/2 の条件を満足し、かつ隣接する二つの円の間の中心間距
離Lを小さい方の円の直径の2〜5倍であるようにした
ことを特徴とするものである。
このようにカーカス層のモノフィラメントが、断面形
状を上記のように構成することによって、横断面の輪郭
にシャープなコーナ部分を形成することがないため応力
集中を生ぜず、ゴムとの界面破壊を効果的に解消するこ
とができる。また、ゴムとの接触面積が増大するため、
ゴムとの機械的接着力を向上することができる。
上記扁平断面フィラメントの横断面形状は、さらに好
ましくはその短辺の中心を長辺に平行に通るx軸に対し
て実質的に対称であるようにし、さらに望ましくは長辺
の中心を短辺に平行に通るy軸に対しても実質的に対称
であるようにするのがよい。また、上記横断面形状は、
2〜4個の円が1列に並べれた形状において、その両端
部に最大径の円を配置するような形状にするのがよい。
本発明において、モノフィラメントに使用される有機
重合体としては、ナイロン6,ナイロン66,ナイロン11,ナ
イロン12,ナイロン612,ナイロン46などのポリアミド又
はこれらの相互共重合ポリアミド、ポリエチレンテレフ
タレート,ポリエチレンナフタレート,ポリブチレンテ
レフタレートなどのポリエステル又はこれらの相互共重
合ポリエステルおよびその他の溶融紡糸可能な熱可塑性
重合体を使用することができる。そして、この有機重合
体を、所望の断面形状を有する口金から溶融紡糸し、さ
らに延伸、熱固定することにより扁平断面モノフィラメ
ントに成形することができる。
以下、本発明の空気入りタイヤを、図面を参照して説
明する。
第1図は本発明による空気入りタイヤの一例を示すも
のであって、カーカス層10はその両端部がビードコア11
にタイヤ内側から外側に折り返すように巻き上げられ、
またトレッド部12にベルト層13が配置されて構成されて
いる。上記カーカス層10のカーカスコードは、第2図に
詳細を説明するような扁平断面モノフィラメント5が、
その扁平断面の長辺a方向をカーカス層10の面方向に沿
うように配列させて構成されている。
第2図は上記カーカス層10に使用される扁平断面モノ
フィラメントの一例を示すものである。このモノフィラ
メント5の横断面は、二つの同一径からなる円1が並べ
られ、この二つの円1,1の間を凹状の滑らかな曲線2が
接続するように描かれた図形の外形線によって形成さ
れ、全体として扁平状になっている。
このような扁平状横断面を形成する面の数としては、
2〜4個の範囲で任意に選択することができる。第2
図,第3図,第6図に示すモノフィラメント5では、2
個の円1から横断面が形成されているが、第4図,第5
図に示すモノフィラメント5では、4個の円1を1列に
並べて横断面が形成されている。また、この横断面を形
成する円としては、第2図,第5図,第6図のように同
一径のものだけから形成してもよいが、第3図,第4図
のように径の異なる円を組み合わるようにしてもよい。
このように大きさの異なる円を組合せる場合、両端部に
最大径の円を配置するようにすることが好ましい。
隣接する二つの円の間を接続する凹状の曲線2として
は、滑らかな線でなければならない。これが鋭角的な屈
曲線を形成する場合は、その屈曲部分に応力が集中し、
ゴムとの界面破壊を生じやすくする。また、横断面は、
その短辺bの中心を通る横軸(x軸)および/または長
辺aの中心を通る縦軸(y軸)対して、上下および/ま
たは左右に略対称形であることが望ましい。図示の例で
は、第2図,第4図,第5図,第6図の横断面はx軸及
びy軸の両軸に対して対称であるが、第3図の横断面で
はx軸に対してだけ対称になっている。
上述のような形状からなるモノフィラメントの横断面
において、最大円の半径R、横断面の長径aと短径b、
凹状の連接曲線の深さHは、それぞれ、 0.1mm≦R≦1.0mm a/b=2〜5 H=(0.3〜0.6)b/2 の条件を満たしていなければならない。
最大円の半径Rが0.1mm未満では補強用モノフィラメ
ントとして補強効果を小さくするばかりでなく、コーナ
のシャープ化によって応力集中をしやすくなる。また、
1.0mmを越えるとコートゴムに埋設してカーカス層を形
成したときの厚さが大きくなり、軽量化の効果を低減す
るようになる。
比a/bは扁平断面モノフィラメントの扁平比に相当す
る。この比が2以下ではモノフィラメントの扁平化の効
果が薄れてしまうし、また5以上では、モノフィラメン
トを取扱うとき捩じれを生じやすくなり、カーカスシー
トなどに加工するときの作業性を低下するようになる。
凹状の接続曲線の深さHは、隣接する二つの円の共通
接線からの最大深さとして測定される寸法である。この
深さHを大きくすることによってモノフィラメントの表
面積が増加し、機械的接着力を向上することができる。
このため深さHが0.3×b/2よりも小さくしては接着力の
向上を図ることが難しくなる。また、深さHが0.6×b/2
よりも大きくなると、扁平断面において凹状のくびれ部
分を大きくし、モノフィラメントの機械的強度を低下す
るようになる。
また、異なる径の円の組み合わから横断面が形成され
ている場合、その最大径の円に対する最小径の円の比
は、最低0.4までにすべきである。これより小さい最小
径の円を組み合わせると、扁平断面のくびれ部分が大き
くなりすぎ、前述した扁平断面モノフィラメントの特長
を失うようになる。
また、互いに隣接する二つの円の中心間距離Lとして
は、小さい円の方の直径cの2〜5倍の範囲にすべきで
ある。その理由は、前述した扁平比a/bと同じである。
上述した構成からなる扁平断面モノフィラメントは、
断面の輪郭が滑らかになり、応力の集中をすることがな
くなるので、ゴムとの界面破壊を効果的に解消すること
ができる。また、ゴムとの接触面積が増大して機械的接
着力を向上することができる。したがって、前述した扁
平断面モノフィラメントが有する特徴を発揮させ、乗心
地性を損なうことなく操縦安定性を向上させながら、し
かも耐久性に優れたものにすることができる。
〔実施例〕
第2図に示すような横断面形状を有し、各寸法がR=
0.3mm、a=1.2mm、b=0.4mm、L=0.6mm、H=0.15mm
であり、かつ強度特性が表に示すような値を有する3900
デニールのナイロン66からなる扁平断面モノフィラメン
トを溶融紡糸法によって製糸した。次いで、この生コー
ドをレゾルシン・ホルマリン・ゴムラテックス(RFL)
接着剤によって処理し、熱処理して接着処理コードにし
た。この接着処理コードの強度特性は表中に括弧で示す
通りであった。
この接着処理コードを第1図の構造からなるラジアル
タイヤのカーカス層の補強コードとして使用し、タイヤ
サイズ165/80 R13のタイヤAを試作した。
一方、比較として、第7図に示す横断面形状を有し、
長径a=1.2mm、短径b=0.4mmであり、かつ強度特性が
表に示すような値を有する4340デニールのナイロン66か
らなる扁平断面モノフィラメントを溶融紡糸法によって
製糸した。次いで、この生コードをレゾルシン・ホルマ
リン・ゴムラテックス(RFL)接着剤によって処理し、
熱処理して接着処理コードにした。この接着処理コード
の強度特性は表中に括弧で示す通りであった。
この接着処理コードを第1図の構造からなるラジアル
タイヤのカーカス層の補強コードとして使用し、タイヤ
サイズ165/80 R13のタイヤAを試作した。
なお、カーカスエンドはタイヤA及びタイヤBとも同
一にした。
これら2種類のタイヤA,Bについて、下記条件の耐久
性試験を行い、それぞれ外観故障とコード近傍における
コード/コードゴム間の界面破壊の状況を調べたとこ
ろ、表に示すような結果が得られた。
耐久性試験: 試験タイヤをリムサイズ13×5−J、空気圧1.9kgf/c
m2にして、室内ドラム試験により速度を80km/hrにし、
荷重条件を下記のステップ1〜4に変化させて走行し、
その走行完了後のタイヤ外観及びコード/コートゴム間
の界面破壊の状況を調べた。
ステップ1: 4時間 425kg ステップ2: 6時間 470kg ステップ3: 24時間 490kg ステップ4: 90時間 555kg 〔発明の効果〕 上述したように、本発明の空気入りタイヤは、カーカ
ス層を構成するモノフィラメントの断面形状を複数の円
と凹状の曲線から形成し、かつその形状を一定条件に特
定したことによって断面の輪郭を滑らかにし、応力集中
が発生しないようにしたから、ゴムとの界面破壊を効果
的に防止することができ、さらにゴムとの接触面を増大
してゴムとの機械的接着力を向上することができる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の実施例からなる空気入りタイヤの半断
面図、第2図は本発明に使用される扁平断面モノフィラ
メントの一例を示す横断面図、第3図乃至第6図は、そ
れそれ他の実施態様からなる扁平断面モノフィラメント
の横断面図、第7図は従来の扁平断面モノフィラメント
の横断面図である。 1……円、2……凹状の接続曲線、5……扁平断面モノ
フィラメント、10……カーカス層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D02G B60C D01D

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カーカス層を構成するカーカスコードが有
    機重合体のモノフィラメントから構成され、該モノフィ
    ラメントの横断面が、最大径に対する最小径の比が0.4
    〜1.0の範囲にある2〜4個の円を1列に並べ、隣接す
    る二つの円の間を凹状の曲線で連接して描かれる図形の
    外形線によって形成され、該横断面の長径をa,短径をb,
    前記最大円の半径をR,前記凹状の連接曲線の深さをHと
    するとき、 0.1mm≦R≦1.0mm a/b=2〜5 H=(0.3〜0.6)b/2 の条件を満足し、かつ隣接する二つの円の間の中心間距
    離Lを小さい方の円の直径の2〜5倍である空気入りタ
    イヤ。
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