JP2995546B2 - 床暖房パネル - Google Patents
床暖房パネルInfo
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- JP2995546B2 JP2995546B2 JP9041408A JP4140897A JP2995546B2 JP 2995546 B2 JP2995546 B2 JP 2995546B2 JP 9041408 A JP9041408 A JP 9041408A JP 4140897 A JP4140897 A JP 4140897A JP 2995546 B2 JP2995546 B2 JP 2995546B2
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は面状発熱体が埋設さ
れた台板の表面に床基材を積層一体化してなる床暖房パ
ネルに関する。 【0002】 【従来の技術】床暖房システムは、(1)木質床材の裏
面に切削加工して得た溝にパイプを配管し、連接した後
に該パイプ内に温水を通水するタイプのもの、および
(2)木質床材の内部に面状発熱体を埋設しこれに通電
するよう構成された床暖房パネルの2種に大別される。 【0003】床暖房パネルにおける木質床材は、一般に
合板を基板とし、その木口部に本実等の実加工が施され
ると共に、その表面にナラ、桜、ケヤキ等の銘木突板単
板をブロック模様状に組み合わせて得た突板単板等の化
粧薄板が貼着されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで、一般に床暖
房は化粧薄板の表面温度が40℃前後となるように使用
される。このことは、内部の熱源部分においてはかなり
の高温となることを意味する。また、床暖房は一日中連
続して使用されることはまれであり、通年使用されるも
のでもないので、床暖房パネルは寒熱の繰り返しを受
け、その都度水分の吸放出がなされて膨張収縮を生ず
る。 【0005】合板はそれ自体は水分の吸放出に伴う膨張
収縮を比較的生じにくいものであるが、その表層部分で
は表面単板の導管溝、裏割れ等に起因する挙動による集
中的な干割れ現象が発生し、その干割れ現象が表面の化
粧薄板に無数の干割れを起こし、品質低下並びに表面意
匠性の低下を招く。したがって、合板が床暖房パネルの
基材として用いられる場合、激しい寒熱変化を受けて合
板表層部における干割れが発生しやすく、特に大きな問
題となっていた。 【0006】この問題を解決するために、合板基板と化
粧単板の間に、これらと直交する繊維方向を有する単板
を介在させて干割れ防止効果をもたらすことが提案され
ている(特開昭61−257566号公報)。この構成
によれば、上記問題をある程度解決することが可能であ
る。 【0007】しかしながら、この従来技術において用い
られる干割れ防止材もまた単板であるため、合板基板の
表面単板や化粧単板におけると同様に裏割れを有するも
のである。この干割れ防止単板自体における裏割れも、
床暖房パネルにおける激しい温度変化を受けて膨張収縮
して成長し、さらに床材表面の歩行等により繰り返し荷
重がかかることから、長期的には大きな割れとなってし
まう。この干割れ防止単板における大きな割れは、化粧
単板の裏面において空間溝となり、該空間溝上部の化粧
単板とそれ以外の化粧単板部分とは膨張収縮の動きが異
なることとなり、化粧単板としてのバランスを崩し、化
粧単板に割れを生じさせる原因となる。 【0008】 【課題を解決するための手段】そこで本発明は、上記従
来技術における問題点を解消し、表面木質薄板の干割れ
防止に優れた効果を発揮する新規な床暖房パネルを提供
することを目的とする。 【0009】すなわち本発明は、面状発熱体が台板の表
面側に埋設され、面状発熱体の表面には均熱板が積層さ
れ、さらにその表面には、合板またはパーティクルボー
ドよりなる基板と表面木質薄板との間に該基板より薄い
木質繊維板を介在せしめて積層一体化してなる床基材が
積層されてなり、該木質繊維板は、水分の吸放出に伴っ
て該基板の表層部において生ずる膨張収縮の影響が該表
面木質薄板に伝播されることを防止することのできる拘
束材として働くものであり、且つ、基板よりも台板の方
が厚く設けられることを特徴とする床暖房パネルであ
る。 【0010】木質繊維板はそれ自体が全く繊維方向性を
持たないものであるため、床暖房パネルにおいて大きな
寒暖変化を受けても特定方向への膨張収縮の動きは発生
せず、木質繊維板と接する基板表層部が局所的に不均一
に(たとえば合板基板の表面単板の表面部分が繊維の粗
い部分においては大きく、繊維の詰まった部分において
は小さく)膨張収縮しようとする挙動を拘束し、表面木
質薄板における干割れを有効に防止することができる。 【0011】一方、木質繊維板は上記のように均質性に
は優れているものの、その水分の吸放出に伴う膨張収縮
はそれほど小さいとは言えない、たとえば基板として代
表的に用いられる合板と比較すると、合板全体としての
含水率1%当たりの平均収縮膨張率は、その表面単板の
繊維と平行方向において0.02%、表面単板の繊維と
直交方向において0.03%であるのに対し、木質繊維
板の含水率1%当たりの平均収縮膨張率は各方向におい
て0.03〜0.04%であり、合板の繊維方向と直交
方向の収縮膨張率よりもむしろ大きい数値となってい
る。 【0012】このことを考慮して、本発明では、基板と
表面木質薄板との間に干割れ防止のための拘束材として
木質繊維板を介在させて床基材とするが、木質繊維板は
基板よりも薄いものとする。 【0013】すなわち、木質繊維板を介在させることに
よりその均質性により基板の表層部において生ずる膨張
収縮を拘束することができるものの、その厚さが基板よ
りも大きなものとなると、床基材としての諸物性が基板
よりもむしろ木質繊維板に依存することとなるため、曲
げ強度や剛性あるいは反りが生じにくい性質等に優れて
いる合板等基板の主導的役割が損なわれ、床基板として
のこれら諸物性を低下させてしまう。 【0014】したがって、木質繊維板は、上記したよう
な作用ないし機能、すなわち基板として用いられる合板
やパーティクルボードの優れた寸法安定性や強度あるい
は反りが生じにくい性質をそのまま保持しつつその表層
部における不均一な膨張収縮の動きを拘束し、表面木質
薄板への影響を排除するに十分な厚さのものであればよ
く、基板よりも厚いものとすることはその作用・機能を
かえって阻害し、床基板としての諸物性を低下させるこ
とになる。よって、木質繊維板は基板よりも薄いものと
する。好ましくは、基板の厚さの1/3程度もしくはそ
れ以下の厚さの木質繊維板が用いられる。 【0015】 【発明の実施の形態】本発明による床暖房パネルの一実
施例が図1および図2に示されている。 【0016】台板1は合板、木質繊維板、パーティクル
ボード等よりなり、その表面側に任意深さの座掘り11
が切削加工され、また木口両端には横継ぎのための任意
実加工12a、12bが施されている。 【0017】台板1の座掘り11には台板のほぼ全長に
亘って面状発熱体2が埋設される。面状発熱体2にはリ
ード線3を通じて通電されるようになっており、また温
度制御センサー4で床面温度を検知して面状発熱体2の
発熱温度を所定温度に調節し得るよう構成されている。
さらに面状発熱体2の上にはアルミ板5が添着されて、
その熱をパネル全体に伝える。 【0018】このようにして座掘り11内に面状発熱体
2、リード線3や温度制御センサー4等の電気部材およ
びアルミ板5が埋設された台板1の上に、床基材6を任
意接着剤を介して積層接着する。 【0019】なお、台板1に座掘り11を施す代わり
に、図3に示すように、表面平滑な台板1aの両端に、
該座掘り11に対応する厚さの幅木材10、10を載置
し、それら幅木材間に面状発熱体2やアルミ板5等を配
置してもよい。また幅木材を用いることなく台板の中央
部をくり抜いて面状発熱体2やアルミ板5等を配置して
もよい。 【0020】本発明の主たる特徴は床暖房パネルの床基
材6の構成にあり、これは基板7の表面に接着剤を介し
て木質繊維板8および表面木質薄板9を順次積層接着し
てなるものである。 【0021】基板7は、全体的または少なくとも局部的
に繊維方向を有するものであり、具体的には合板または
パーティクルボードである。一般に基板7には合板が用
いられ、この場合に生ずる干割れ現象を防止する必要が
あることは従来技術の説明において既述した通りであ
る。パーティクルボードは合板における表面単板のよう
な全体としての特定の繊維方向を持たないが、構成単位
である木削片はそれぞれ繊維方向を有するものであり、
ランダムではあるが部分的には特定の繊維方向を持って
いる。したがってパーティクルボードを台板として用い
た場合には、水分の吸放出に伴う膨張収縮の動きが各木
削片ごとにその繊維方向と直交する方向に大きく現れ、
この局所的な膨張収縮が表面の木質薄板9に伝搬される
ことを防止する必要がある。 【0022】木質繊維板8は、基板7の水分の吸放出に
伴う膨張収縮の影響が表面木質薄板9にまで及ぶことを
防止する。木質繊維板は水分の吸放出による膨張収縮が
きわめて軽微であり、且つ繊維方向性を全く持たない均
質材料であって、集中的な干割れを起こすことがないの
で、基板の膨張収縮を有効に拘束して表面木質薄板への
伝搬を防止する。また、木質繊維板は基板である合板お
よび表面木質薄板と同室の木質板であるため、これらに
対する接着性およびなじみが良好である。 【0023】本発明による床暖房パネルに使用する床基
材の干割れ防止効果を確認するために次の要領で比較試
験を行った。 【0024】試験材としては、(A)12mm合板の上
に0.3mm厚のナラ材単板を突板貼りしたもの、
(B)12mm合板の上に和紙を貼りさらにその上に
0.4mm厚のナラ材単板を突板貼りしたもの、(C)
12mm合板の上にWPC加工を施した0.3mm厚の
カバ材単板を突板貼りしたもの、および(D)9mm合
板の上に3mm厚の木質繊維板(商品名:ノダベストウ
ッドPタイプ)を貼りさらにその上に0.3mm厚のナ
ラ材単板を突板貼りしたもの、の4種類を準備した。用
いた接着剤はいずれもフェノール系である。 【0025】これらの試験材に対して耐水試験および寒
熱繰り返し試験を行ってそれぞれ発生した干割れの本数
およびその大小を目測した。耐水試験は、60℃の温水
に1時間浸した後60℃で2時間乾燥させる工程を2サ
イクル繰り返して行い、また寒熱繰り返し試験は、80
℃で2時間乾燥させた後−20℃に冷却して2時間保持
する行程を2サイクルおよび8サイクル繰り返して行っ
たものであり、これらの試験をそれぞれ2回行った。そ
の結果は表1に示される通りである。 【表1】 表1に示される試験結果から明らかなように、本発明に
おいて用いられる床基材の一例である試験材(D)はい
ずれの試験においても干割れ発生が全くないかほとんど
無視し得る程度であることが判明した。特に、従来技術
に相当する木質単板を介在させた試験材(C)との比較
から、木質繊維板を介在させた本発明によれば格段に優
れた干割れ防止効果が得られることが確認された。すな
わち、木質繊維板を介在させることによってこれが水分
吸放出に伴う膨張収縮を実質的に完全に拘束し、表面木
質薄板における干割れを有効に防止するよう機能するこ
とが確認された。 【発明の効果】本発明によれば、水分吸放出に伴う膨張
収縮によって生ずる合板基板の表層部における干割れ
が、基板と表面木質薄板との間に介在させた木質繊維板
により完全に拘束され、表面木質薄板に対する影響を排
除することができるため、床材台板に面状発熱体を埋設
してなる床暖房パネルの床基材における干割れ発生を有
効に防止することができる。
れた台板の表面に床基材を積層一体化してなる床暖房パ
ネルに関する。 【0002】 【従来の技術】床暖房システムは、(1)木質床材の裏
面に切削加工して得た溝にパイプを配管し、連接した後
に該パイプ内に温水を通水するタイプのもの、および
(2)木質床材の内部に面状発熱体を埋設しこれに通電
するよう構成された床暖房パネルの2種に大別される。 【0003】床暖房パネルにおける木質床材は、一般に
合板を基板とし、その木口部に本実等の実加工が施され
ると共に、その表面にナラ、桜、ケヤキ等の銘木突板単
板をブロック模様状に組み合わせて得た突板単板等の化
粧薄板が貼着されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで、一般に床暖
房は化粧薄板の表面温度が40℃前後となるように使用
される。このことは、内部の熱源部分においてはかなり
の高温となることを意味する。また、床暖房は一日中連
続して使用されることはまれであり、通年使用されるも
のでもないので、床暖房パネルは寒熱の繰り返しを受
け、その都度水分の吸放出がなされて膨張収縮を生ず
る。 【0005】合板はそれ自体は水分の吸放出に伴う膨張
収縮を比較的生じにくいものであるが、その表層部分で
は表面単板の導管溝、裏割れ等に起因する挙動による集
中的な干割れ現象が発生し、その干割れ現象が表面の化
粧薄板に無数の干割れを起こし、品質低下並びに表面意
匠性の低下を招く。したがって、合板が床暖房パネルの
基材として用いられる場合、激しい寒熱変化を受けて合
板表層部における干割れが発生しやすく、特に大きな問
題となっていた。 【0006】この問題を解決するために、合板基板と化
粧単板の間に、これらと直交する繊維方向を有する単板
を介在させて干割れ防止効果をもたらすことが提案され
ている(特開昭61−257566号公報)。この構成
によれば、上記問題をある程度解決することが可能であ
る。 【0007】しかしながら、この従来技術において用い
られる干割れ防止材もまた単板であるため、合板基板の
表面単板や化粧単板におけると同様に裏割れを有するも
のである。この干割れ防止単板自体における裏割れも、
床暖房パネルにおける激しい温度変化を受けて膨張収縮
して成長し、さらに床材表面の歩行等により繰り返し荷
重がかかることから、長期的には大きな割れとなってし
まう。この干割れ防止単板における大きな割れは、化粧
単板の裏面において空間溝となり、該空間溝上部の化粧
単板とそれ以外の化粧単板部分とは膨張収縮の動きが異
なることとなり、化粧単板としてのバランスを崩し、化
粧単板に割れを生じさせる原因となる。 【0008】 【課題を解決するための手段】そこで本発明は、上記従
来技術における問題点を解消し、表面木質薄板の干割れ
防止に優れた効果を発揮する新規な床暖房パネルを提供
することを目的とする。 【0009】すなわち本発明は、面状発熱体が台板の表
面側に埋設され、面状発熱体の表面には均熱板が積層さ
れ、さらにその表面には、合板またはパーティクルボー
ドよりなる基板と表面木質薄板との間に該基板より薄い
木質繊維板を介在せしめて積層一体化してなる床基材が
積層されてなり、該木質繊維板は、水分の吸放出に伴っ
て該基板の表層部において生ずる膨張収縮の影響が該表
面木質薄板に伝播されることを防止することのできる拘
束材として働くものであり、且つ、基板よりも台板の方
が厚く設けられることを特徴とする床暖房パネルであ
る。 【0010】木質繊維板はそれ自体が全く繊維方向性を
持たないものであるため、床暖房パネルにおいて大きな
寒暖変化を受けても特定方向への膨張収縮の動きは発生
せず、木質繊維板と接する基板表層部が局所的に不均一
に(たとえば合板基板の表面単板の表面部分が繊維の粗
い部分においては大きく、繊維の詰まった部分において
は小さく)膨張収縮しようとする挙動を拘束し、表面木
質薄板における干割れを有効に防止することができる。 【0011】一方、木質繊維板は上記のように均質性に
は優れているものの、その水分の吸放出に伴う膨張収縮
はそれほど小さいとは言えない、たとえば基板として代
表的に用いられる合板と比較すると、合板全体としての
含水率1%当たりの平均収縮膨張率は、その表面単板の
繊維と平行方向において0.02%、表面単板の繊維と
直交方向において0.03%であるのに対し、木質繊維
板の含水率1%当たりの平均収縮膨張率は各方向におい
て0.03〜0.04%であり、合板の繊維方向と直交
方向の収縮膨張率よりもむしろ大きい数値となってい
る。 【0012】このことを考慮して、本発明では、基板と
表面木質薄板との間に干割れ防止のための拘束材として
木質繊維板を介在させて床基材とするが、木質繊維板は
基板よりも薄いものとする。 【0013】すなわち、木質繊維板を介在させることに
よりその均質性により基板の表層部において生ずる膨張
収縮を拘束することができるものの、その厚さが基板よ
りも大きなものとなると、床基材としての諸物性が基板
よりもむしろ木質繊維板に依存することとなるため、曲
げ強度や剛性あるいは反りが生じにくい性質等に優れて
いる合板等基板の主導的役割が損なわれ、床基板として
のこれら諸物性を低下させてしまう。 【0014】したがって、木質繊維板は、上記したよう
な作用ないし機能、すなわち基板として用いられる合板
やパーティクルボードの優れた寸法安定性や強度あるい
は反りが生じにくい性質をそのまま保持しつつその表層
部における不均一な膨張収縮の動きを拘束し、表面木質
薄板への影響を排除するに十分な厚さのものであればよ
く、基板よりも厚いものとすることはその作用・機能を
かえって阻害し、床基板としての諸物性を低下させるこ
とになる。よって、木質繊維板は基板よりも薄いものと
する。好ましくは、基板の厚さの1/3程度もしくはそ
れ以下の厚さの木質繊維板が用いられる。 【0015】 【発明の実施の形態】本発明による床暖房パネルの一実
施例が図1および図2に示されている。 【0016】台板1は合板、木質繊維板、パーティクル
ボード等よりなり、その表面側に任意深さの座掘り11
が切削加工され、また木口両端には横継ぎのための任意
実加工12a、12bが施されている。 【0017】台板1の座掘り11には台板のほぼ全長に
亘って面状発熱体2が埋設される。面状発熱体2にはリ
ード線3を通じて通電されるようになっており、また温
度制御センサー4で床面温度を検知して面状発熱体2の
発熱温度を所定温度に調節し得るよう構成されている。
さらに面状発熱体2の上にはアルミ板5が添着されて、
その熱をパネル全体に伝える。 【0018】このようにして座掘り11内に面状発熱体
2、リード線3や温度制御センサー4等の電気部材およ
びアルミ板5が埋設された台板1の上に、床基材6を任
意接着剤を介して積層接着する。 【0019】なお、台板1に座掘り11を施す代わり
に、図3に示すように、表面平滑な台板1aの両端に、
該座掘り11に対応する厚さの幅木材10、10を載置
し、それら幅木材間に面状発熱体2やアルミ板5等を配
置してもよい。また幅木材を用いることなく台板の中央
部をくり抜いて面状発熱体2やアルミ板5等を配置して
もよい。 【0020】本発明の主たる特徴は床暖房パネルの床基
材6の構成にあり、これは基板7の表面に接着剤を介し
て木質繊維板8および表面木質薄板9を順次積層接着し
てなるものである。 【0021】基板7は、全体的または少なくとも局部的
に繊維方向を有するものであり、具体的には合板または
パーティクルボードである。一般に基板7には合板が用
いられ、この場合に生ずる干割れ現象を防止する必要が
あることは従来技術の説明において既述した通りであ
る。パーティクルボードは合板における表面単板のよう
な全体としての特定の繊維方向を持たないが、構成単位
である木削片はそれぞれ繊維方向を有するものであり、
ランダムではあるが部分的には特定の繊維方向を持って
いる。したがってパーティクルボードを台板として用い
た場合には、水分の吸放出に伴う膨張収縮の動きが各木
削片ごとにその繊維方向と直交する方向に大きく現れ、
この局所的な膨張収縮が表面の木質薄板9に伝搬される
ことを防止する必要がある。 【0022】木質繊維板8は、基板7の水分の吸放出に
伴う膨張収縮の影響が表面木質薄板9にまで及ぶことを
防止する。木質繊維板は水分の吸放出による膨張収縮が
きわめて軽微であり、且つ繊維方向性を全く持たない均
質材料であって、集中的な干割れを起こすことがないの
で、基板の膨張収縮を有効に拘束して表面木質薄板への
伝搬を防止する。また、木質繊維板は基板である合板お
よび表面木質薄板と同室の木質板であるため、これらに
対する接着性およびなじみが良好である。 【0023】本発明による床暖房パネルに使用する床基
材の干割れ防止効果を確認するために次の要領で比較試
験を行った。 【0024】試験材としては、(A)12mm合板の上
に0.3mm厚のナラ材単板を突板貼りしたもの、
(B)12mm合板の上に和紙を貼りさらにその上に
0.4mm厚のナラ材単板を突板貼りしたもの、(C)
12mm合板の上にWPC加工を施した0.3mm厚の
カバ材単板を突板貼りしたもの、および(D)9mm合
板の上に3mm厚の木質繊維板(商品名:ノダベストウ
ッドPタイプ)を貼りさらにその上に0.3mm厚のナ
ラ材単板を突板貼りしたもの、の4種類を準備した。用
いた接着剤はいずれもフェノール系である。 【0025】これらの試験材に対して耐水試験および寒
熱繰り返し試験を行ってそれぞれ発生した干割れの本数
およびその大小を目測した。耐水試験は、60℃の温水
に1時間浸した後60℃で2時間乾燥させる工程を2サ
イクル繰り返して行い、また寒熱繰り返し試験は、80
℃で2時間乾燥させた後−20℃に冷却して2時間保持
する行程を2サイクルおよび8サイクル繰り返して行っ
たものであり、これらの試験をそれぞれ2回行った。そ
の結果は表1に示される通りである。 【表1】 表1に示される試験結果から明らかなように、本発明に
おいて用いられる床基材の一例である試験材(D)はい
ずれの試験においても干割れ発生が全くないかほとんど
無視し得る程度であることが判明した。特に、従来技術
に相当する木質単板を介在させた試験材(C)との比較
から、木質繊維板を介在させた本発明によれば格段に優
れた干割れ防止効果が得られることが確認された。すな
わち、木質繊維板を介在させることによってこれが水分
吸放出に伴う膨張収縮を実質的に完全に拘束し、表面木
質薄板における干割れを有効に防止するよう機能するこ
とが確認された。 【発明の効果】本発明によれば、水分吸放出に伴う膨張
収縮によって生ずる合板基板の表層部における干割れ
が、基板と表面木質薄板との間に介在させた木質繊維板
により完全に拘束され、表面木質薄板に対する影響を排
除することができるため、床材台板に面状発熱体を埋設
してなる床暖房パネルの床基材における干割れ発生を有
効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による床暖房パネルを示す一
部破断斜視図である。 【図2】図1の床暖房パネルの端面図である。 【図3】台板構成についての変形例を示す端面図であ
る。 【符号の説明】 1 台板 2 面状発熱体 5 アルミ板 6 床基材 7 基板 8 木質繊維板 9 表面木質薄板
部破断斜視図である。 【図2】図1の床暖房パネルの端面図である。 【図3】台板構成についての変形例を示す端面図であ
る。 【符号の説明】 1 台板 2 面状発熱体 5 アルミ板 6 床基材 7 基板 8 木質繊維板 9 表面木質薄板
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.面状発熱体が台板の表面側に埋設され、面状発熱体
の表面には均熱板が積層され、さらにその表面には、合
板またはパーティクルボードよりなる基板と表面木質薄
板との間に該基板より薄い木質繊維板を介在せしめて積
層一体化してなる床基材が積層されてなり、該木質繊維
板は、水分の吸放出に伴って該基板の表層部において生
ずる膨張収縮の影響が該表面木質薄板に伝播されること
を防止することのできる拘束材として働くものであり、
且つ、基板よりも台板の方が厚く設けられることを特徴
とする床暖房パネル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9041408A JP2995546B2 (ja) | 1997-02-12 | 1997-02-12 | 床暖房パネル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9041408A JP2995546B2 (ja) | 1997-02-12 | 1997-02-12 | 床暖房パネル |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09324923A JPH09324923A (ja) | 1997-12-16 |
JP2995546B2 true JP2995546B2 (ja) | 1999-12-27 |
Family
ID=12607540
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9041408A Expired - Lifetime JP2995546B2 (ja) | 1997-02-12 | 1997-02-12 | 床暖房パネル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2995546B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN111113616A (zh) * | 2019-12-30 | 2020-05-08 | 湖州练市皇盛木业有限公司 | 一种发热地板板材用加工工艺 |
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