JP6312403B2 - 床材 - Google Patents

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本発明は床材に関し、特に、表面が単板からなる基板上に、裏面防湿シート、繊維板および表面防湿シートが順次に積層されてなる床材に関する。
このような床材の一例が特許文献1に提案されている。この床材は、繊維板(以下「MDF」と言う。)の表裏両面に防湿シートを貼着することにより、大気中および単板積層材からMDFへの水分移行を抑制し、繊維板の吸湿膨張による床材の反りを防止する効果が得られるものであった。また、少なくとも4枚の単板が接着剤を介して積層された単板積層材において、その最表面側および最裏面側に位置する単板の繊維方向を床板の長手方向に略一致させると共にそれらの間の中間単板の積層方向を床板の短手方向に略一致させたものとすることにより、さらに、長手方向および短手方向のいずれにおいても反りの少ない床材を得ることができるものであった。
特開2009−131993号公報
しかしながら、特許文献1に記載される床材であっても、場合によって、MDFが大きく膨張収縮して床材に反りを生じてしまうことがあった。この原因について実験と考察を重ねた結果、次のような事実を確認した。
特許文献1記載の床材によれば、MDFの表裏にそれぞれ防湿シートが貼着されているので、表面側の防湿シートで大気中の水分がMDFに入り込むことを防止し、裏面側の防湿シートで単板積層材の水分がMDFに入り込むことを防止して、MDFの水分量を一定に保持することによりMDFの反りを防止し、結果として床材全体としての反りも防止することができると考えられていた。そして、これら表面防湿シートおよび裏面防湿シートとしては一般に同一のシート材が使用されていた。
しかしながら、防湿シートは水分の通過を完全に遮断することはできないので、わずかな水分が防湿シートを通過して出入りし、これが原因となってMDFに膨張収縮を生じさせ、床材に反りを生じさせている可能性がある。
MDFは、表面側には接着剤を介して表面防湿シートが貼着されるので、これら接着剤および表面防湿シートを介して大気に通じている。一方、裏面側には接着剤を介して裏面防湿シートが貼着されるので、これら接着剤および裏面防湿シートを介して単板積層材に接している。したがって、MDFへの水分移動およびMDFからの水分移動を考えると、表面側では、接着剤中の水分および大気中の水分がMDFへと侵入し、また、MDF中の水分が接着剤および表面防湿シートを介して大気に放出される。一方、MDFの裏面側では、MDFへの水分移動については、表面側と同様に、接着剤中の水分および単板積層材中の水分がMDFへと侵入するが、MDF中の水分が裏面側から放出されることはほとんどない。これは、接着剤および表面防湿シートを介して大気に開放されている表面側とは異なり、MDFの裏面側は接着剤および裏面防湿シートを介して単板積層材が積層接着されており、単板積層材によって閉塞されているので、裏面側から単板積層材への水分移動が妨げられるためである。
このため、MDFの表裏に同一材質(したがって水蒸気透過度も同一)の防湿シートを貼着した従来技術によると、MDF表裏から侵入した水分は、表面側からはスムーズに放出されるのに対し、裏面側からはほとんど水分放出されずに長時間MDF内に残留するため、MDF内の水分バランスが崩れ、MDFの裏面側が表面側より膨張して、床材に反りを生じさせることが分かった。
また、木材チップを蒸煮・解繊して得られる木質繊維を接着剤を介して熱圧成形して得られるMDFの表面(表裏面)は比較的平滑であるのに対し、単板積層材の表面は最表面単板の表面がそのまま現出されることから、高さ±0.02mm程度の微細な凹凸を有する。このため、単板積層材1の上に、表裏に防湿シート3,4を貼着したMDF2を積層して熱圧接着すると、MDF2の裏面(平滑面)と単板積層材1の表面(凹凸面)との間に挟まれた裏面防湿シート4が単板積層材表面の凸部Aで圧縮されて薄くなる(図6参照)。この薄い部分の防湿性能は、裏面防湿シート4が本来有する防湿性能より低下するので、同一材質の防湿シートをMDFの表裏に貼着した場合、MDF1への水分の浸入は、裏面側から侵入する水分量の方が表面側から侵入する水分量よりも多くなる。このことは、MDF裏面側に残留する水分量ないし残留時間をより大きくし、MDFの裏面側が表面側より大きく膨張して床材に反りを生じさせる傾向が顕著に現れることになる。この問題は、引用文献1記載の床材のように単板積層材を基材とする場合だけでなく、表面が単板からなる基板(合板など)が用いられる場合であっても同様である。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、表面が単板からなる基板の上に、裏面防湿シート、繊維板および表面防湿シートが順次に積層されてなる床材において、繊維板内の水分バランスを安定化させることにより床材の反りを防止することである。
この課題を解決するため、請求項1に係る本発明は、表面が単板からなる基板の上に、裏面防湿シート、繊維板および表面防湿シートが順次に積層されてなる床材であって、表面防湿シートの水蒸気透過度が20g/(m ・24hr)以上であり、且つ、表面防湿シートの水蒸気透過度より裏面防湿シートの水蒸気透過度の方が小さいことを特徴とする。
請求項2に係る本発明は、請求項1記載の床材において、裏面防湿シートの水蒸気透過度が10g/(m・24hr)以下であることを特徴とする。
請求項3に係る本発明は、請求項1または2記載の床材において、表面防湿シートの水蒸気透過度が100g/(m・24hr)以下であることを特徴とする。
本発明によれば、表面が単板からなる基板の上に、裏面防湿シート、繊維板および表面防湿シートが順次に積層されてなる床材において、表面防湿シートの水蒸気透過度より裏面防湿シートの水蒸気透過度の方が小さく設定されているので、裏面側から繊維板への水分侵入を抑制し、且つ、裏面側から若干の水分が裏面防湿シートを介して繊維板へと侵入しても、これを表面側から表面防湿シートを介してスムーズに大気中へと放出させることができ、繊維板内の特に裏面側に残留する水分量が減少すると共にその残留時間が短縮する。したがって、基板の表面が微細な凹凸を有する単板からなるものであって裏面防湿シートが基板表面の凸部で圧縮されて薄くなり、その結果として裏面防湿シートの防湿性能が低下した場合であっても、繊維板に侵入した水分を表面側から表面防湿シートを介してスムーズに放出されるので、繊維板内の水分バランスが長時間崩れることが無くなり、この間に繊維板が膨張することによる床材の反りを防止することができる。
表面防湿シートの水蒸気透過度を20g/(m・24hr)以上とし、および/または、裏面防湿シートの水蒸気透過度を10g/(m・24hr)以下とすることにより、上記効果をより確実に発揮させることができる。
また、水蒸気透過度が100g/(m・24hr)以下である表面防湿シートを用いることにより、表面側から繊維板への水分侵入が抑制されるので、表裏両面側から繊維板内に侵入する水分の絶対量を小さくすることができ、且つ、これを表面側からスムーズに放出することができるので、上記効果をより確実に発揮させることができる。
本発明による床材の積層構成を示す断面図である。 本発明実施例1による床材試験体と比較例による床材試験体について反りの発生を確認するために行なった試験結果を示す表である。 図2に示す結果を受けて、表面防湿シートの水蒸気透過度と裏面防湿シートの水蒸気透過度の最適な組み合わせ条件を確認するために行なった試験結果を示す表である。 本発明実施例2による床材試験体と比較例による床材試験体について反りの発生を確認するために行なった試験結果を示す表である。 図4に示す結果を受けて、表面防湿シートの水蒸気透過度と裏面防湿シートの水蒸気透過度の最適な組み合わせ条件を確認するために行なった試験結果を示す表である。 従来技術による床材において裏面防湿シートが単板積層材表面の単板の凸部で圧縮されて薄くなっている状態を示す部分拡大断面図である。
本発明による床材は、図1に示すように、表面が単板からなる基板1の上に、裏面防湿シート4、繊維板2および表面防湿シート3が順次に積層されてなる床材である。符号5は繊維板2の表面に表面防湿シート3を貼着する接着剤の層、符号6は繊維板2の裏面に裏面防湿シート4を貼着する接着剤の層、符号7は基板1の表面に裏面防湿シート4を貼着する接着剤の層である。
表面が単板からなる基板1としては、合板または単板積層材が用いられる。合板は、ロータリーレースやスライサーなどで薄く切削された奇数枚(3枚、5枚、7枚など)の単板を繊維方向を互い違いに直交させて積層接着したものである。単板積層材(LVL)は、一般に、複数枚(3〜7枚程度)の単板を繊維方向をすべて平行にして積層接着したもの(この意味から「平行合板」とも呼ばれる)を言うが、本発明では、複数枚の単板を積層接着したもののうち合板を除くものを単板積層材の概念に含めるものとする。したがって、たとえば、4枚の単板のうち最表面単板および最裏面単板の2枚を繊維方向を長手方向とすると共にこれらの間の2枚の単板を繊維方向を直交方向(短手方向ないし幅方向)として積層接着することにより幅方向の変形を抑制するように構成したもの(下記例参照)も、本発明の床材の基板として使用可能である。また、合板および単板積層材のほか、たとえば繊維板やパーティクルボードなどの表面に1枚または複数枚の単板を積層接着してなるような積層板も、本発明の床材の基板として使用することができる。単板は、針葉樹単板でも広葉樹単板のどちらでもよく、これらを複合して用いても良い。基板1の厚さは、一般に、6〜12mmである。本発明の床材に用いる基板1の好ましい一例は、針葉樹単板4枚を、表裏面に位置する針葉樹単板の繊維方向は床材長手方向に沿わせ、中間の針葉樹単板2枚の繊維方向は床材長手方向に対して直交する方向(床材短手方向)に沿わせて積層してなる、厚さ9mmの単板積層材である。
繊維板2は、日本工業規格JIS A 5905:2003に規定される繊維板であり、床材の用途により、ミディアムデンシティファイバーボード(記号MDF)およびハードファイバーボード(記号HB)のいずれかを選定することができる。好ましくは、厚さ1〜5mm、密度0.7〜1.0g/cm、含水率2〜7%のMDFが用いられ、一例として、厚さ3mm、密度0.8g/cm、含水率5%のMDFを用いることができる。通常の繊維板を厚さ方向に二等分して、密度の高い部分(元の繊維板の表裏面側)を床板の表面側に使用しても良い。なお、以下の説明においては繊維板2としてMDFを使用することを前提とする。
表面防湿シート3には、20g/(m・24hr)以上100g/(m・24hr)以下の水蒸気透過度を有するものが用いられる。表面防湿シート3の水蒸気透過度が20g/(m・24hr)未満であると、MDF2の裏面から侵入した水分を十分放出させることができず、MDF2が膨張し、床材に反りが生じる。一方、表面防湿シート3の水蒸気透過度が100g/(m・24hr)より大きいと、大気中から入る水分量が多くなってMDF2が膨張し、床材に反りが生じる。
水蒸気透過度とは、JIS K 7129に規定される方法で測定されるものであり、規定の温度および湿度の条件の下で単位時間中に試験片を通過する単位面積当たりの水蒸気の量を示し、24時間に透過した面積1平方メートル当たりの水蒸気のグラム数で表される。
表面防湿シート3の材質は、オレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂などを含む合成樹脂シート、アルミニウム、銅などの金属シート、アルミ蒸着ペットシート、アスファルトフェルトなどの瀝青質シート、ゴムシートなどであり、これらの中から上述の水蒸気透過度を有するものを選択して用いる。また、これらの防湿シートの表裏にクラフト紙、薄葉紙、再生紙などの紙を積層接着することにより接着剤層5の接着剤の浸透性を高め、MDF2の表面に対する接着性を向上させたものを使用しても良い。
表面防湿シート3は、その表面にあらかじめ化粧が施されていても良く、化粧されていなくても良い。後者の場合は、その表面に化粧材を貼着することができる。化粧材としては、オレフィン樹脂または塩化ビニル樹脂からなる合成樹脂シートを用いることが好ましい。
表面防湿シート3の厚さは、材質および水蒸気透過度によって異なるが、好ましい一例として、オレフィン樹脂からなる表面防湿シート3であれば、厚さ0.10〜0.20mm、より好ましくは0.17mmとし、その際の水蒸気透過度は30g/(m・24hr)である。また、塩化ビニル樹脂からなる表面防湿シート3であれば、厚さ0.05〜0.10mm、より好ましくは0.07mmとし、その際の水蒸気透過度は30g/(m・24hr)である。
裏面防湿シート4には、10g/(m・24hr)以下の水蒸気透過度を有するものが用いられる。裏面防湿シート4の水蒸気透過度が10g/(m・24hr)より大きいと、MDF2が膨張し、床材に反りが生じる。MDF2の裏面(平滑面)と基板1の単板表面(凹凸面)との間に挟まれた裏面防湿シート4が、基板1の単板表面の凸部Aによって圧縮されて薄くなり(図6参照)、その部分の防湿性能が低下しても、水蒸気透過度を10g/(m・24hr)以下としておくことにより、MDF2の膨張収縮に与える影響を小さくすることができる。
裏面防湿シート4の材質は、表面防湿シート3と同じく、オレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂などを含む合成樹脂シート、アルミニウム、銅などの金属シート、アルミ蒸着ペットシート、アスファルトフェルトなどの瀝青質シート、ゴムシートなどであり、これらの中から上述の水蒸気透過度を有するものを選択して用いる。
裏面防湿シート4の厚さは、材質および水蒸気透過度によって異なるが、好ましい一例として、アルミ蒸着PETシートであれば、厚さ0.005〜0.020mm、より好ましくは0.012mmとし、その際の水蒸気透過度は10g/(m・24hr)である。裏面防湿シート4の表裏面にはプライマー処理、コロナ放電処理、またはプラズマ処理を施しておくと、接着剤層6によるMDF2に対する接着性および接着剤層7による基板1の表面単板に対する接着性を向上させることができ、好ましい。
なお、防湿シートの水蒸気透過度は材質により異なり、また同じ材質であれば厚さが大きくなると水蒸気透過度が小さくなるので、これらを勘案して、上述の水蒸気透過度を有するものを選択して表面防湿シート3および裏面防湿シート4として用いることができる。たとえば、いずれも市販品である、厚さ0.025mmのポリ塩化ビニル(塩化ビニル樹脂)シートは水蒸気透過度が45g/(m・24hr)であり、厚さ0.012mmのPET(ポリエステル樹脂)シートは水蒸気透過度が55g/(m・24hr)であり、厚さ0.050mmのポリエステル(ポリエステル樹脂)シートは水蒸気透過度が30g/(m・24hr)であるから、これらを本発明において表面防湿シート3として好適に用いることができる。また、市販品として、厚さ0.025mmのポリエチレン(オレフィン樹脂)シートは水蒸気透過度が5g/(m・24hr)であり、厚さ0.025mmの塩酸ゴム(ゴム)シートは水蒸気透過度が2g/(m・24hr)であり、厚さ0.012mmのアルミ蒸着PETシートは水蒸気透過度が10g/(m・24hr)であるから、これらを本発明において裏面防湿シート4として好適に用いることができる。
接着剤層5,6,7となる接着剤には、酢酸ビニル樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、変性酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、イソシアネート樹脂などの熱硬化性または熱可塑性樹脂接着剤、ホットメルト接着剤などから任意選択される一種または複数種の混合物を使用することができる。
本発明の実施例1による試験体1,2および比較例1による試験体3,4について、反りの発生を確認するため、環境試験を行なった。各試験体に共通の条件は下記の通りである。
試験体寸法:幅303mm、長さ1818mm、厚さ12mm
接着剤層5,6,7に使用した接着剤:いずれも変性酢酸ビニル系接着剤
MDF2:厚さ3mm、密度0.8g/cm、含水率5%
基板1:針葉樹単板4枚を積層(表裏単板繊維方向が長手方向、中間単板2枚繊維方向が短手方向)した単板積層材、厚さ9mm
試験条件は、各試験体を、加湿(温度40℃、湿度90%)、乾燥(温度40℃、湿度30%)、常態(温度20℃、湿度60%)の順に、10日間ずつ合計30日間、床下地上に設置して、各条件(10日後、20日後、30日後)での反り量を測定し、反りの発生を確認した。
床材の反りの測定において、幅方向の反り量は、幅方向中央の位置で湾曲部分に定規をあて、床材と定規の隙間に隙間ゲージを差し込んで、測定した。長さ方向の反り量は、床材表裏面の長さ方向の両端部に水糸を張り、長さ方向中央の位置で、糸と床材表裏面との間に生じた隙間を測定した。
この試験結果が図2に示されており、本発明実施例である試験体1,2では、加湿時、乾燥時、常態時のいずれにおいても凸状となる反りが生じたものの、その反り量は極小であったのに対し、比較例である試験体3,4では、加湿時、乾燥時、常態時のいずれにおいても非常に大きな凹状の反りが生じた。比較例である試験体3,4で大きな凹状の反りが生じた理由については必ずしも解明されてはいないが、試験体3では、表裏の防湿シート3,4の水蒸気透過度が同じ10g/(m・24hr)であるため、MDF2の表面側および裏面側から同程度に水分が浸入しようとするが、基板(単板積層材)1の表面に位置する単板表面の凸部に圧縮されて裏面防湿シート4の防湿性能が低下していることから、MDF2の裏面側から水分が侵入しやすく、しかもその水分が表面側からも裏面側からも抜けにくくなり、MDF2の裏面側が表面側より膨張して凹反りを生じたものと推測される。また、試験体4では、表面防湿シート3の水蒸気透過度が120g/(m・24hr)と高いため、MDF2の表面側から水分が入りやすく且つ抜けやすいものとなるが、裏面防湿シート4の水蒸気透過度が4g/(m・24hr)と低いため、MDF2の表面側から侵入した水分が裏面側に移行しても裏面側からは抜けにくくなり、MDF2の裏面側が表面側より膨張して凹反りを生じたものと推測される。
上記の結果を踏まえて、次に、水蒸気透過度が10g/(m・24hr)から150g/(m・24hr)まで10g/(m・24hr)間隔で異なる計15種類の表面防湿シート3と、水蒸気透過度が2g/(m・24hr)から20g/(m・24hr)まで2g/(m・24hr)間隔で異なる計10種類の裏面防湿シート4(2,4・・・20g/(m・24hr))の組み合わせを変化させて、MDF2の表裏に貼った床材について、上記と同様の環境試験を実施し、MDF2が膨張収縮せず、床材の反りが発生しない表裏面の防湿シート3,4の最適な組み合わせを確認するための試験を行った。このときの試験体共通条件は下記の通りである。
表面防湿シート3:オレフィン樹脂シート(厚さ0.17mm)
裏面防湿シート4:アルミ蒸着ペットシート(厚さ0.012mm)
接着剤層5,6,7に使用した接着剤:いずれも変性酢酸ビニル系接着剤
MDF2:厚さ:3mm、密度0.8g/cm、含水率5%
基板1:針葉樹単板4枚を積層(表裏単板繊維方向が長手方向、中間単板2枚繊維方向が短手方向)した単板積層材、厚さ9mm
この試験結果が図3に示されており、水蒸気透過度が20g/(m・24hr)以上100g/(m・24hr)以下の表面防湿シート3と、水蒸気透過度が10g/(m・24hr)以下の裏面防湿シート4を組み合わせたときに、床材の反り量が極小となることが確認された。
この結果は、表面防湿シート3の水蒸気透過度が20g/(m・24hr)以上100g/(m・24hr)以下であり、裏面防湿シート4の水蒸気透過度が10g/(m・24hr)以下であれば、MDF2の表裏面から浸入した水分がMDF2内に長時間残留せず、したがってMDFが膨張する前に、MDF2の表面側の防湿シート3のみから透過させて大気中に放出することができ、MDF2の膨張によって床材に反りが発生することを防止できる効果が顕著に得られることを示している。
本発明の実施例2による試験体5,6および比較例2による試験体7,8について、反りの発生を確認するため、環境試験を行なった。各試験体に共通の条件は下記の通りである。
試験体寸法:幅303mm、長さ1818mm、厚さ12mm
接着剤層5,6,7に使用した接着剤:いずれも変性酢酸ビニル系接着剤
MDF2:厚さ3mm、密度0.8g/cm、含水率5%
基板1:針葉樹単板5枚を積層した合板、厚さ9mm
これらの試験体を、実施例1と同様の試験条件で、実施例1と同様にして床材の反り量を測定した。
この試験結果が図4に示されており、本発明実施例である試験体5,6では、加湿時、乾燥時、常態時のいずれにおいても凸状となる反りが生じたものの、その反り量は極小であったのに対し、比較例である試験体7,8では、加湿時、乾燥時、常態時のいずれにおいても非常に大きな凹状の反りが生じた。比較例である試験体7,8で大きな凹状の反りが生じた理由については必ずしも解明されてはいないが、試験体7では、表裏の防湿シート3,4の水蒸気透過度が同じ10g/(m・24hr)であるため、MDF2の表面側および裏面側から同程度に水分が浸入しようとするが、基板(合板)1の表面に位置する単板表面の凸部に圧縮されて裏面防湿シート4の防湿性能が低下していることから、MDF2の裏面側から水分が侵入しやすく、しかもその水分が表面側からも裏面側からも抜けにくくなり、MDF2の裏面側が表面側より膨張して凹反りを生じたものと推測される。また、試験体8では、表面防湿シート3の水蒸気透過度が120g/(m・24hr)と高いため、MDF2の表面側から水分が入りやすく且つ抜けやすいものとなるが、裏面防湿シート4の水蒸気透過度が4g/(m・24hr)と低いため、MDF2の表面側から侵入した水分が裏面側に移行しても裏面側からは抜けにくくなり、MDF2の裏面側が表面側より膨張して凹反りを生じたものと推測される。
上記の結果を踏まえて、次に、水蒸気透過度が10g/(m・24hr)から150g/(m・24hr)まで10g/(m・24hr)間隔で異なる計15種類の表面防湿シート3と、水蒸気透過度が2g/(m・24hr)から20g/(m・24hr)まで2g/(m・24hr)間隔で異なる計10種類の裏面防湿シート4(2,4・・・20g/(m・24hr))の組み合わせを変化させて、MDF2の表裏に貼った床材について、上記と同様の環境試験を実施し、MDF2が膨張収縮せず、床材の反りが発生しない表裏面の防湿シート3,4の最適な組み合わせを確認するための試験を行った。このときの試験体共通条件は下記の通りである。
表面防湿シート3:オレフィン樹脂シート(厚さ0.17mm)
裏面防湿シート4:アルミ蒸着ペットシート(厚さ0.012mm)
接着剤層5,6,7に使用した接着剤:いずれも変性酢酸ビニル系接着剤
MDF2:厚さ:3mm、密度0.8g/cm、含水率5%
基板1:針葉樹単板5枚を積層した合板、厚さ9mm
この試験結果が図5に示されており、水蒸気透過度が20g/(m・24hr)以上100g/(m・24hr)以下の表面防湿シート3と、水蒸気透過度が10g/(m・24hr)以下の裏面防湿シート4を組み合わせたときに、床材の反り量が極小となることが確認された。
この結果は、表面防湿シート3の水蒸気透過度が20g/(m・24hr)以上100g/(m・24hr)以下であり、裏面防湿シート4の水蒸気透過度が10g/(m・24hr)以下であれば、MDF2の表裏面から浸入した水分がMDF2内に長時間残留せず、したがってMDF2が膨張する前に、MDF2の表面側の防湿シート3のみから透過させて大気中に放出することができ、MDF2の膨張によって床材に反りが発生することを防止できる効果が顕著に得られることを示している。
1 表面が単板からなる基板
2 繊維板(MDF)
3 表面防湿シート
4 裏面防湿シート
5 接着剤層
6 接着剤層
7 接着剤層
A 単板積層材表面の凸部

Claims (3)

  1. 表面が単板からなる基板の上に、裏面防湿シート、繊維板および表面防湿シートが順次に積層されてなる床材であって、表面防湿シートの水蒸気透過度が20g/(m ・24hr)以上であり、且つ、表面防湿シートの水蒸気透過度より裏面防湿シートの水蒸気透過度の方が小さいことを特徴とする床材。
  2. 裏面防湿シートの水蒸気透過度が10g/(m・24hr)以下であることを特徴とする、請求項1記載の床材。
  3. 表面防湿シートの水蒸気透過度が100g/(m・24hr)以下であることを特徴とする、請求項1記載の床材。
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