JP2994197B2 - オイルクリーニング部材及びこれを用いた画像形成装置 - Google Patents

オイルクリーニング部材及びこれを用いた画像形成装置

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JP2994197B2 JP5352169A JP35216993A JP2994197B2 JP 2994197 B2 JP2994197 B2 JP 2994197B2 JP 5352169 A JP5352169 A JP 5352169A JP 35216993 A JP35216993 A JP 35216993A JP 2994197 B2 JP2994197 B2 JP 2994197B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複写機、LBP、ファ
クシミリ等の画像形成装置に用い、転写装置の記録材担
持体或いは定着された記録材などの対象部材表面に付着
したオイルを除去するためのオイルクリーニング部材及
びこれを用いた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えばフルカラー画像形成装置と
して、像担持体に像を形成し、この像を、転写材担持体
である紙などの記録材に転写してカラー画像を得るもの
が種々提案され、又製品化されている。
【0003】図2に、電子写真式の一般的なフルカラー
画像形成装置の一例を示す。
【0004】本例にて、カラー画像形成装置は、像担持
体である感光ドラム1が矢印方向に回転自在に担持さ
れ、該感光ドラム1の周りにコロナ帯電器2、光学系
3、現像装置4、転写装置5、クリーニング器6が、更
に、転写装置5の周りには転写クリーニング装置14が
配置される。
【0005】光学系3は、原稿走査部と色分解フィルタ
からなり、色分解された光像、又はこれに相当する光像
Eを感光ドラム1に照射する、例えば図示するようなレ
ーザビーム露光装置である。
【0006】帯電器2により一様に帯電された感光ドラ
ム1に、各分解色ごとに光像Eを照射し、潜像を形成す
る。現像装置4は回転現像器であり、中心軸4bの周り
に回転する回転体4aに4個の現像器、つまりブラック
現像器4K、シアン現像器4C、マゼンタ現像器4M、
イエロー現像器4Yを配置し、所定の現像器を感光ドラ
ム1に対向した現像位置へと回転させて感光ドラム1上
の潜像を現像し、感光ドラム1上に樹脂を基体としたト
ナーによって画像を形成する。
【0007】更に、感光ドラム1上のトナー画像は、記
録材カセット7(7a、7b、7c)より搬送系及び転
写装置5を介して感光ドラム1と対向した位置に、図中
点線で示した紙パスに沿って供給された記録材に転写さ
れる。
【0008】転写装置5は、本例では転写ドラム5a、
転写コロナ帯電器5b、記録材を静電吸着させるための
吸着コロナ帯電器5cと対向する吸着ローラ5g、内側
コロナ帯電器5d、外側コロナ帯電器5eとを有する。
又、回転駆動される、軸支された転写ドラム5aの周面
開口域には誘電体からなる記録材担持シート5fが円筒
状に一体的に張設されている。
【0009】転写ドラム5aが回転するに従って感光ド
ラム1上のトナー像は転写帯電器5bにより順次記録材
担持シート5fに担持された記録材上に転写される。記
録材担持シート5fに吸着搬送された記録材には所望数
の色画像が転写され、フルカラー画像が形成される。
【0010】このようにして所望数のトナー像の転写が
終了すると、記録材は転写ドラム5aから分離手段8に
よって分離され、熱ローラ定着器9を介してトレイ10
に排紙される。
【0011】他方、転写後感光ドラム1及び記録材担持
シート5fの表面の残留トナーをそれぞれのクリーニン
グ手段であるクリーニング器6及び転写クリーナ14で
清掃した後、再度画像形成行程に供せられる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、こうし
たフルカラー画像形成装置に用いられている熱ローラ定
着器9の定着ローラには、一般にその表面にオイルが塗
布される。これは、定着ローラ自身の寿命を延ばすため
と、更には、定着されるトナーのローラへのオフセット
を防止するために行われている必須技術である。
【0013】従って、定着された紙にも当然微量ながら
オイルが塗布され、特に図2のような転写ドラム5aを
用いるフルカラー画像形成装置においては、そのオイル
が先ず転写ドラム5aの記録材担持シート5f上に転着
し、更にこのオイルが転写部で感光ドラム1と記録材担
持シート5fが接触するときに感光ドラム1表面へと転
着していく。
【0014】そのため、両面の画像形成を特に複数枚連
続して行うと、感光ドラム表面上に相当量のオイルが付
着してしまい、その後に画像形成を行うと、オイルの粘
着力によって本来白地部である領域にトナーが付着しカ
ブリとなって現れたり、一方、本来ベタ部である領域に
ては、オイルの粘着力によって今度は感光ドラム上から
充分にトナーが記録材上に転写されないで淡い画像にな
ってしまうという問題が発生した。
【0015】従って、本発明の目的は、記録材担持体或
いは定着された記録材などの対象部材表面に付着したオ
イルの拭きムラ(クリーニングムラ)の発生を抑制し
て、対象部材表面に付着したオイルを完全に除去するこ
とができ、従来見られたオイル転着に起因した上記問題
を解決することのできるオイルクリーニング部材及びこ
れを用いた画像形成装置を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的は本発明に係る
オイルクリーニング部材及びこれを用いた画像形成装置
にて達成される。要約すれば、本発明の第1の態様によ
ると、像を担持する像担持体と、記録材を担持する移動
可能な記録材担持体と、前記像担持体上の像を前記記録
材担持体に担持された記録材に転写した後、像を記録材
に定着する定着手段であって、オイルが塗布される定着
手段と、を有し、前記定着手段により記録材の第1の面
に像を定着した後、前記像担持体上の像を前記記録材担
持体に担持された記録材の前記第1の面とは反対側の第
2の面に転写可能である画像形成装置において、繊維の
平均太さが10μm以下であり、かつ繊維の密度が0.
05〜0.80g/cm3である不織布を備え、前記記
録材担持体に付着したオイルをクリーニングする移動可
能なオイルクリーニング部材を有し、前記オイルクリー
ニング部材により前記記録材担持体上のオイルをクリー
ニングするとき、前記不織布表面の移動方向は前記記録
材担持体表面の移動方向と同じであることを特徴とする
画像形成装置が提供される。本発明の第2の態様による
と、対象部材表面上のオイルをクリーニングするオイル
クリーニング部材において、繊維の平均太さが10μm
以下であり、かつ繊維の密度が0.05〜0.80g/
cm3である不織布を有し、前記オイルクリーニング部
材により前記対象部材表面上のオイルをクリーニングす
るとき、前記不織布表面の移動方向は前記対象部材表面
の移動方向と同じであることを特徴とするオイルクリー
ニング部材が提供される。
【0017】上記本発明にて、一実施態様によると、前
記不織布の繊維の密度は0.10〜0.50g/cm3
である。
【0018】上記本発明にて他の実施態様によると、前
記オイルクリーニング部材は基層を備え、前記基層は前
記不織布の密度よりも低密度の布を備える。
【0019】本発明の他の実施態様によると、前記オイ
ルクリーニング部材はローラ形状である。
【0020】本発明の更に他の実施態様によると、前記
オイルクリーニング部材は基層を備え、前記不織布は前
記基層にスパイラル状に巻かれている。
【0021】
【0022】
【0023】
【実施例】以下、本発明に係るオイルクリーニング部材
を図面に則して更に詳しく説明する。
【0024】図3に、本発明のオイルクリーニング部材
を使用したクリーニング装置を有する画像形成装置の一
実施例を示す。
【0025】図3に示すフルカラー画像形成装置は、図
2に示す画像形成装置と同様の構成とされ、次にその構
成について簡単に説明する。なお、図2のカラー画像形
成装置と対応する部材、部品、素子等には同一符号を付
して説明する。
【0026】図3に示すカラー画像形成装置はその上部
にディジタルカラー画像リーダー部を有し、また、その
下部にディジタルカラー画像プリンタ部を有する。
【0027】リーダー部において、原稿30を原稿台ガ
ラス31上に載せ、露光ランプ32により露光走査する
ことによって得られる原稿30からの反射光像を、レン
ズ33によりフルカラーセンサ34に集光し、カラー色
分解画像信号を得る。このカラー色分解画像信号は図示
しない増幅回路で増幅された後、同じく図示しないビデ
オ処理ユニットにて処理を施され、プリンタ部に送出さ
れる。
【0028】プリンタ部において、像担持体である感光
ドラム1は、図示矢印の方向に回転自在に担持されてい
る。この感光ドラム1の周囲には、感光ドラム1表面を
初期化するための前露光ランプ11、感光ドラム1表面
を一様に帯電する帯電器2(本例ではコロナ帯電器)、
感光ドラム1上に画像情報に応じた静電潜像を形成する
像露光手段3、感光ドラム1表面の電位を検出する電位
センサ12、感光ドラム1上に形成された静電潜像を可
視画像に現像する色の異なる現像剤(トナー)を収納す
る4個の現像器4C、4M、4Y、4Kよりなる固定配
置の現像装置、感光ドラム1上のトナー量を検知する光
検知手段13、記録材担持体としての転写ドラム5aを
含む転写装置5、感光ドラム1上に残留する現像剤を除
去するクリーナ6等がそれぞれ配設されている。
【0029】上記像露光手段3は、本例では、ポリゴン
ミラー3a、レンズ3b、ミラー3c等からなり、上記
リーダー部からの色分解された各色毎のカラー画像信号
によって変調されたレーザ出力部からのレーザ光Eをポ
リゴンミラー3aで反射し、レンズ3b及びミラー3c
を通じて感光ドラム1の表面に投影し、各色のカラー画
像信号に対応した静電潜像を形成する。
【0030】プリンタ部での画像形成時には、感光ドラ
ム1を図示矢印方向に回転させ、まず、前露光ランプ1
1によって感光ドラム1表面を除電、初期化し、次いで
帯電器2により、感光ドラム1表面を一様に帯電し、像
露光手段3によって色分解された各色の画像信号に対応
する光像Eを感光ドラム1表面に順次に照射し、所定の
色順で静電潜像を形成する。
【0031】次に、所定の現像器を所定の現像順である
シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラ
ック(K)の順に動作させて、感光ドラム1上の潜像を
現像し、感光ドラム1上に樹脂を基体としたトナー像を
順次に形成する。ここで、現像装置の各現像器4C、4
M、4Y、4Kは、偏心カム24C、24M、24Y、
24Kの動作により、形成された潜像の色に応じて所要
の現像器が択一的に感光ドラム1に接近して現像動作を
行なうように構成されている。
【0032】一方、記録材カセット7a、7b、又は7
cから(手差しの場合もある)、ピックアップローラ、
給紙ガイド、給紙ローラ等よりなる搬送系によって送給
された転写紙のような記録材は、所定タイミングに同期
して、転写装置5に巻き付けられる。
【0033】この転写装置5は、本例では、記録材担持
体としての転写ドラム5a、感光ドラム1上のトナー像
を記録材へ転写するための転写用コロナ帯電器5b、記
録材を転写ドラム5aに吸着させるための吸着帯電手段
である吸着用コロナ帯電器5cと対向極としての吸着用
(当接用)ローラ5g、内側コロナ帯電器5d及び外側
コロナ帯電器5eとを有し、回転駆動されるように軸支
された転写ドラム5aの周面開口域には、記録材担持手
段である誘電体からなる記録材担持シート5fが円筒状
に一体的に張設されている。この記録材担持シート5f
としてはポリカーボネートフィルム等の誘電体シートが
使用されている。
【0034】又、転写用コロナ帯電器5bに代えて、記
録材担持シート5fの裏面に、電圧が印加された導電ブ
ラシを当接させて転写する方式でも良い。このような接
触転写方式とした場合には、感光ドラムへのオイルの転
着が生じ易いので、本発明のオイルクリーニング部材を
用いることは更に有効である。
【0035】転写ドラム5aは感光ドラム1と同期して
図示矢印方向に回転され、シアン現像器4Cで現像され
たシアントナー像は転写部において転写用帯電器5bに
よって記録材担持シート5f上に担持された記録材に転
写される。転写ドラム5bはそのまま回転を継続し、次
の色(例えばマゼンタ)の画像の転写に備える。
【0036】また、トナー像が転写された感光ドラム1
はクリーナ6によって残留トナー等の付着物がクリーニ
ングされ、再び帯電器2によって一様帯電され、次のマ
ゼンタ画像信号により変調されたレーザ光により前述の
ような画像露光を受ける。このマゼンタの潜像はマゼン
タ現像器4Mによって現像され、マゼンタトナー像が形
成され、このマゼンタトナー像は転写部において転写用
帯電器5bによって記録材担持シート5f上に担持され
た記録材に転写され、シアントナー像にマゼンタトナー
像が重ね転写される。転写ドラム5bはそのまま回転を
継続し、次の色(例えばイエロー)の画像の転写に備え
る。
【0037】続いて、以上のようなプロセスをイエロー
及びブラックの画像形成及び転写に対して行ない、4色
分のトナー像の重ね転写が終了すると、記録材は分離用
帯電器5hにより除電され、次いで分離押し上げコロ8
b及び分離爪8aの作用によって転写ドラム5aから分
離され、搬送手段で定着器(本例では熱ローラ定着器)
9に送られて一括定着され、外部のトレイ10上に排紙
される。かくして、一連のフルカラープリントシーケン
スが終了し、所要のフルカラープリント画像が形成され
る。
【0038】次に、記録材の両面に画像を形成する場合
には、記録材が定着器9から排出された後、すぐに搬送
パス切り換えガイド19を駆動し、記録材を搬送縦パス
20を経て反転パス21aにいったん導く。その後、反
転ローラ21bの逆転により、送り込まれた際の記録材
の後端を先頭にして送り込まれた方向と反対向きに記録
材を退出させ、中間トレイ22に収納する。その後、再
び中間トレイ22から転写装置5にこの記録材を搬送
し、上述した画像形成工程によってもう一方の面に画像
を形成する。
【0039】また、転写ドラム5aの記録材担持シート
5f上の粉体の飛散付着、記録材上のオイルの付着等を
防止するために、ファーブラシ14と記録材担持シート
5fを介して該ファーブラシ14に対向するバックアッ
プブラシ15や、後で詳しくは説明するが、オイルクリ
ーニング装置16の作用により清掃を行なう。このよう
な清掃は画像形成前若しくは後に行ない、また、ジャム
(紙づまり)発生時には随時行なう。
【0040】次に、本発明に従って構成されるオイルク
リーニング装置16について説明する。
【0041】参考例1 図1を参照すると、オイルクリーニング装置16にて、
芯金162の周りには、本発明に係る不織布164が巻
かれており、芯金161が矢印方向にこの不織布を巻き
取って行く際、不織布164が転写装置5の記録材担持
シート5f表面を摺擦して、記録材担持シート5の表面
からオイルを払拭する。
【0042】尚、不織布164はその背面に、芯金16
3の周りにスポンジ層163aが巻かれた押圧手段が当
接して配置されており、従って、必要に応じて、クリー
ニング装置16が回転軸(図示せず)を中心として揺動
されることにより、この押圧手段位置における不織布1
64が記録材担持シート5fに押圧され、そして芯金1
61が矢印方向にこの不織布を巻き取ることによってク
リーニング作用がなされる。
【0043】クリーニングするタイミングとしては、記
録材が記録材担持シート5fから分離したのと同周回転
中に行い、オイルが転着した面が感光ドラム表面に触れ
ることがないようにすることが好ましい。
【0044】このとき、もし、芯金161を回転させず
不織布164を送らずに記録材担持シート5fの回転だ
けによりこの記録材担持シート5fの表面を摺擦してク
リーニングしようとすると、多量のオイルが記録材担持
シート5f上に付着している場合には不織布164のオ
イル吸収能力が追いつかず充分にオイル除去が出来な
い。
【0045】これは、不織布164に対するオイルの滲
み込み性が不充分であるために連続してやってくる記録
材担持シート5f上のオイルを吸収し切れなかったこと
が原因である。そのために、不織布164を適当な分だ
け送ってやることが必要であり、本参考例においては、
記録材担持シート5fの線速度が図示されている方向に
160mm/secであるのに対し、不織布164を約
1mm/sec以上の線速度で移動させてやることによ
り完全にオイルをクリーニングすることが出来た。
【0046】なお、オイルクリーニングに関与する不織
布164は、少なくともその表面は、一般には、平均太
さ10μm以下の繊維で構成される密度0.05〜0.
80g/cm3、好ましくは、0.10〜0.50g/
cm3の布とされ、本参考例においては不織布164と
して、以下のものを用いた。 ・繊維の材質:ナイロンとポリエステルの合成繊維 ・繊維の太さ:平均太さ4μm ・不織布の密度:0.17g/cm3 ・繊維間の平均間隔:2.5μm ・構造:一層のみ ・不織布の厚み:500μm
【0047】また、不織布164を構成する繊維の材質
としては、他に、ポリプロピレン、レーヨン、アクリ
ル、ナイロン、ポリエステル及びビニロンなどがあり、
これらの合成繊維について検討を行ったところ有意差は
なかった。
【0048】一方、こうしたクリーニング性能を維持す
るための検討を行ったところ、表層の不織布を構成して
いる繊維の平均間隔が、この時使用するトナーの平均粒
径よりも大きいとトナーが繊維間に埋まり易くオイル除
去能力を低下させてしまうことが明らかとなった。
【0049】ここで言う「繊維の平均間隔(平均繊維間
隔)」とは、不織布の表面(1cm2 )をCCDで画像
解析装置のメモリーに取り込み、輝度の差で凹凸を判断
した時の、凹部の内接円直径の平均をいう。
【0050】実際に、表層の不織布を構成している繊維
の平均間隔をこの時使用するトナーの平均粒径(本参考
例では、8.5μm)よりも小さくしてやることによ
り、即ち、本参考例では4.5μmとすることによりオ
イル除去能力を長期に渡って持続させることが出来た。
【0051】更に、これらの材料を不織布としてではな
く、適当に編織した布を使用したが、この場合には、織
方向或いは編方向にオイルの拭き取りムラが生じてしま
い、オイルクリーニング部材として使用するためにはそ
の設定条件の範囲が狭くなってしまい好ましくなかっ
た。
【0052】参考例2 本発明のクリーニング部材の効果をさらに有効的に発揮
するためには、クリーニングしたオイルを表面に残さず
内部に吸収するのが好ましい。図4に、そのための構造
を持った不織布とされるクリーニング部材を示す。
【0053】図4において、オイルクリーニング部材1
64は、オイル除去層164aとオイル吸収層164b
の2層で構成されている。オイル除去層164aとして
は、一般には、上述したように、平均太さ10μm以下
の繊維で構成される密度0.05〜0.80g/c
3、好ましくは、0.10〜0.50g/cm3の布と
され、この参考例では、参考例1で説明した不織布(密
度0.17g/cm3)を用いた。又、オイル吸収層1
64bとしてはオイル除去層164aよりも低密度な不
織布、即ち、本参考例では0.10g/cm3、を用い
た。低密度であるということは、それだけ繊維間の間隔
が広がっており、そのために、その空隙にオイルを保持
することができ、低密度の方がオイル保持性能において
優れている。
【0054】斯る構成により、オイル除去層164aで
除去したオイルが内部で保持され、更に効果的にオイル
を除去することができる。
【0055】実施例1 上記各参考例では、クリーニング部材164は、全て布
をウェブとして用いたものであるが、これに代えて布を
スパイラル状に巻いて、ローラ状としても本発明の効果
を達成し得る。又、このようにローラ化することにより
ウェブ方式の時よりも装置を簡略化できる上、ランニン
グコストも下げられるというメリットがある。又、スパ
イラル状に巻く理由は、芯金の周りに順々に巻いていく
方法によって最後に布一枚分の段差が生じることを防止
するためである。図5にローラとされるクリーニング部
材を示す。
【0056】図5(A)は、芯金165の回りに参考例
1で説明した不織布164が所望の外径になるまでスパ
イラル状に巻いてある。
【0057】又、図5(B)は、参考例2と同様に、芯
金165の周りに先ずオイル吸収層である低密度不織布
164bを巻き付け、その周りに一層だけオイル除去層
である不織布164aが巻かれている。
【0058】更に、図5(C)は、芯金165の周りに
スポンジ166を配置し、その周りにオイル吸収層とし
ての低密度不織布164bを巻き付け、更にその外周に
オイル除去層としての不織布164aが巻き付けられて
いる。このようにスポンジ層166を配置することによ
り、記録材担持シート5fに当たるときのニップ幅が広
くとれ、より一層クリーニング性が向上する。
【0059】例えば、図5(C)のタイプのクリーニン
グ部材で、その外径が20.0mmのローラを用い記録
材担持シート5f上のオイルをクリーニングしたが、こ
のクリーニング部材の回転速度を10rpm、好ましく
は40rpm以上とすることにより、記録材担持シート
5f上のオイルをほぼ完全に除去することができた。
【0060】又、この時ローラの回転方向について検討
を行ったが、記録材担持シート5fの移動方向とは逆方
向に、即ち、ローラ表面が記録材担持シート5fの移動
方向と反対方向に移動するように、このローラを回転さ
せたところ、除去されるオイルの重量においては、ロー
ラを記録材担持シートと同方向に回転させたときとほぼ
同じであるが、顕微鏡で記録材担持シート5f上を観察
すると回転方向に若干の縦筋の拭きムラが生じていた。
オイル転着の問題を解決するためには特に回転方向にお
ける差違はみられなかったが、実験観察の結果、ローラ
の回転は、記録材担持シート5fの移動方向と同一方向
にローラ表面が移動するように回転させるのが好ましい
ことが分かった。
【0061】実施例2 以上説明してきた上記参考例及び実施例では、本発明の
クリーニング部材は、所謂、転写ドラム5aを有するフ
ルカラー画像形成装置においてその記録材担持シート5
fのクリーニング装置としてのものであったが、これに
代えて紙搬送部にこのローラを設けて搬送される記録材
からオイルを除去するのに使用することもできる。
【0062】図6に、そうしたフルカラー画像形成装置
の一例を示す。この画像形成装置は、図3に示す画像形
成装置と同じ構成とされ、詳しい説明は省略し、ここで
は必要な両面画像形成時だけに限って説明する。
【0063】上述したように、記録材の両面に画像を形
成する場合には、定着器9を排出後、すぐに搬送パス切
替ガイド19を駆動し、搬送縦パス20を経て、反転パ
ス21aにいったん導いた後、反転ローラ21bの逆転
により、送り込まれた際の後端を先頭にして送り込まれ
た方向と反対向きに退出させ、中間トレイ22に収納す
る。その後再び上述した画像形成工程によってもう一方
の面に画像を形成する。
【0064】このとき縦搬送パス20における搬送ロー
ラ20a、20bに本発明のローラ状のクリーニング部
材を適用することができる。
【0065】斯る構成とすることにより、定着後すぐに
記録材上からオイルを除去できるため転写シート表面に
オイルが付着しなくなる。ただし、この時搬送ローラ2
0a、20bの線速度は、紙の搬送速度とほぼ同一、好
ましくは全く同一でなければならない。これは、ローラ
が回転しないと充分にオイルを除去しきれないだけでは
なく、記録材上に定着したトナー画像表面を摺擦するこ
とにより乱さないためである。
【0066】又、勿論、縦搬送パス20における搬送ロ
ーラ20a、20bに本発明のローラ状のクリーニング
部材を適用すると共に、実施例1などに示したように、
転写装置クリーニング装置16として、本発明に係るク
リーニング部材を記録材シートクリーナとして用いれ
ば、より一層のオイル除去の効果が発揮される。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
記録材担持体或いは定着された記録材などの対象部材表
面上のオイルをクリーニングするオイルクリーニング部
材は、繊維の平均太さが10μm以下であり、かつ繊維
の密度が0.05〜0.80g/cm3である不織布を
有し、オイルクリーニング部材により対象部材表面上の
オイルをクリーニングするとき、不織布表面の移動方向
は対象部材表面の移動方向と同じである構成とされるの
で、記録材担持体或いは定着された記録材などの対象部
材表面に付着したオイルの拭きムラ(クリーニングム
ラ)の発生を抑制して、対象部材表面に付着したオイル
を完全に除去することができ、斯かるオイルクリーニン
グ部材を使用した画像形成装置においては、従来見られ
たオイル転着に起因した問題、即ち、本来白地部である
領域にトナーが付着しカブリとなって現れたり、一方、
本来ベタ部である領域にては、オイルの粘着力によって
今度は像担持体上から充分にトナーが紙上に転写されな
いで淡い画像になると言った問題を解決することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のオイルクリーニング部材の作用効果を
説明するための一参考例に係るオイルクリーニング装置
の拡大図である。
【図2】従来のフルカラー画像形成装置の一例を示す構
成図である。
【図3】本発明のオイルクリーニング部材を適用した他
の参考例に係るオイルクリーニング装置を備えたフルカ
ラー画像形成装置の一例を示す構成図である。
【図4】本発明の一実施例のオイルクリーニング部材の
作用効果を説明するためのオイルクリーニング装置の拡
大図である。
【図5】本発明の他の実施例のオイルクリーニング部材
を示す図である。
【図6】本発明のオイルクリーニング部材を適用したオ
イルクリーニング装置を備えたフルカラー画像形成装置
の一例を示す構成図である。
【符号の説明】
1 像担持体(感光ドラム) 5 転写装置 5a 転写ドラム 5f 記録材担持シート 16 オイルクリーニング装置 20a、20b オイルクリーニング部材(ローラ) 164 オイルクリーニング部材

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 像を担持する像担持体と、記録材を担持
    する移動可能な記録材担持体と、前記像担持体上の像を
    前記記録材担持体に担持された記録材に転写した後、像
    を記録材に定着する定着手段であって、オイルが塗布さ
    れる定着手段と、を有し、前記定着手段により記録材の
    第1の面に像を定着した後、前記像担持体上の像を前記
    記録材担持体に担持された記録材の前記第1の面とは反
    対側の第2の面に転写可能である画像形成装置におい
    て、 繊維の平均太さが10μm以下であり、かつ繊維の密度
    が0.05〜0.80g/cm3である不織布を備え、
    前記記録材担持体に付着したオイルをクリーニングする
    移動可能なオイルクリーニング部材を有し、 前記オイルクリーニング部材により前記記録材担持体上
    のオイルをクリーニングするとき、前記不織布表面の移
    動方向は前記記録材担持体表面の移動方向と同じである
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記不織布の繊維の密度は0.10〜
    0.50g/cm3であることを特徴とする請求項1の
    画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記オイルクリーニング部材は基層を備
    え、前記基層は前記不織布の密度よりも低密度の布を備
    えることを特徴とする請求項1又は2の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記オイルクリーニング部材はローラ形
    状であることを特徴とする請求項1、2又は3の画像形
    成装置。
  5. 【請求項5】 前記オイルクリーニング部材は基層を備
    え、前記不織布は前記基層にスパイラル状に巻かれてい
    ることを特徴とする請求項4の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 対象部材表面上のオイルをクリーニング
    するオイルクリーニング部材において、 繊維の平均太さが10μm以下であり、かつ繊維の密度
    が0.05〜0.80g/cm3である不織布を有し、 前記オイルクリーニング部材により前記対象部材表面上
    のオイルをクリーニングするとき、前記不織布表面の移
    動方向は前記対象部材表面の移動方向と同じであること
    を特徴とするオイルクリーニング部材。
  7. 【請求項7】 前記不織布の繊維の密度は0.10〜
    0.50g/cm3であることを特徴とする請求項6の
    オイルクリーニング部材。
  8. 【請求項8】 前記オイルクリーニング部材は基層を備
    え、前記基層は前記不織布の密度よりも低密度の布を備
    えることを特徴とする請求項6又は7のオイルクリーニ
    ング部材。
  9. 【請求項9】 前記オイルクリーニング部材はローラ形
    状であることを特徴とする請求項6、7又は8のオイル
    クリーニング部材。
  10. 【請求項10】 前記オイルクリーニング部材は基層を
    備え、前記不織布は前記基層にスパイラル状に巻かれて
    いることを特徴とする請求項9のオイルクリーニング部
    材。
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