JP2992336B2 - クラッチ装置 - Google Patents

クラッチ装置

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JP2992336B2
JP2992336B2 JP2336467A JP33646790A JP2992336B2 JP 2992336 B2 JP2992336 B2 JP 2992336B2 JP 2336467 A JP2336467 A JP 2336467A JP 33646790 A JP33646790 A JP 33646790A JP 2992336 B2 JP2992336 B2 JP 2992336B2
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    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D27/00Magnetically- or electrically- actuated clutches; Control or electric circuits therefor
    • F16D27/10Magnetically- or electrically- actuated clutches; Control or electric circuits therefor with an electromagnet not rotating with a clutching member, i.e. without collecting rings
    • F16D27/108Magnetically- or electrically- actuated clutches; Control or electric circuits therefor with an electromagnet not rotating with a clutching member, i.e. without collecting rings with axially movable clutching members
    • F16D27/112Magnetically- or electrically- actuated clutches; Control or electric circuits therefor with an electromagnet not rotating with a clutching member, i.e. without collecting rings with axially movable clutching members with flat friction surfaces, e.g. discs
    • F16D27/115Magnetically- or electrically- actuated clutches; Control or electric circuits therefor with an electromagnet not rotating with a clutching member, i.e. without collecting rings with axially movable clutching members with flat friction surfaces, e.g. discs with more than two discs, e.g. multiple lamellae

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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) この発明はクラッチ装置に関する。
(従来の技術) U.S.P.4412459号登録証に記載の「CONTROLLED DIFFE
RENTIAL」がある。これは油圧アクチュエータにより差
動制限用の多板クラッチを操作するデファレンシャル装
置である。この装置は差動制限力を専ら油圧アクチュエ
ータの押圧力に頼るから、油圧系と大きな油圧源が必要
である。
また、U.S.P.4718303号登録証に記載の「FOUR WHEEL
DRIVE TRANSFER CASE WITH CLUTCH MECHANISM」
がある。これは、電磁クラッチを連結状態にすると伝達
トルクがカムに掛りカム力がこのクラッチを介して多板
クラッチを押圧して差動制限を行うデファレンシャル装
置を有するトランスァ・ケースである。このように、カ
ム力により差動制限が行われるから上の従来例のように
大きな油圧源(操作力源)などは不要であるが、上記の
ようにカム力が電磁クラッチを介して多板クラッチに作
用するから、カム力の影響により電磁クラッチの締結力
(滑り)の制御が難しく、従って、多板クラッチの締結
力(差動制限)の制御が難しい。
第8図に示したデファレンシャル装置は、パイロット
クラッチ301が締結されるとカム303に伝達トルクが掛っ
てカム力が発生し、このカム力はプラネタリーギヤ式差
動機構305のキャリヤ307を介してメインクラッチ309に
押圧して締結させ、差動機構305の差動制限を行うよう
に構成されている。
ところが、キャリヤ307のハブ311は車軸にスプライン
連結されているから駆動トルクが掛っているときは軸方
向の移動抵抗が大きく、これに加えてキャリヤ307と共
にピニオンギヤ313も移動する。従って、操作レスポン
スが悪い。
(発明が解決しようとする課題) そこで、この発明は、大きな操作力源が不要であると
共に、クラッチトルクの正確な制御が可能であり、操作
レスポンスのよいクラッチ装置の提供を目的とする。
[発明の構成] (課題を解決するための手段] 請求項1の発明は、回転半径方向に対向する一方の回
転体の外周部分と他方の回転体の内周部分とに回転方向
に係合し、前記何れかの回転体の軸方向受け面に対し軸
方向へ締結することにより前記回転体間を接続する多板
のメインクラッチと、前記軸方向受け面に対し前記メイ
ンクラッチを挟んで対向し軸方向移動により前記メイン
クラッチの締結を行う押圧部材と、一方のカム面が前記
押圧部材側に備えられると共に、他方のカム面が、前記
回転体に対し軸方向に受け止められる別部材に備えられ
て、該別部材の前記回転体に対する回転規制により両カ
ム面が回転方向で相対回転ると、前記別部材に対し前記
押圧部材の前記軸方向移動を行わせるカムと、前記回転
体と前記カム面が備えられた別部材とに回転方向に係合
し、前記回転体の軸方向で向いた面に対し軸方向へ締結
することにより前記別部材を締結力に応じて回転規制す
るパイロットクラッチと、該パイロットクラッチに対し
前記回転体を前記軸方向に向いた面に関し挟んで配置さ
れ前記パイロットクラッチの締結力を調節する電磁石と
を有し、前記パイロットクラッチと前記カムの別部材と
は、軸方向には係合部分がずれて相対移動自在に構成さ
れ、 前記押圧部材は、前記メインクラッチが係合する回転
体の一方に回転方向に係合し軸方向移動自在に連結させ
たことを特徴とする。
請求項2の発明は、デフケースの回転軸心部に同軸状
に回転支持され差動機構を介して該デフケースとの間で
動力伝達可能であり且つ、相互に差動回転可能な一対の
回転体を備え、回転半径方向に対向する前記一方の回転
体の外周部分と前記他方の回転体の内周部分とに回転方
向に係合し、前記デフケースの軸方向受け面に対し軸方
向へ締結することにより前記回転体間を接続する多板の
メインクラッチと、前記軸方向受け面に対し前記メイン
クラッチを挟んで対向し軸方向移動により前記メインク
ラッチの締結を行う押圧部材と、一方のカム面が前記押
圧部材側に備えられると共に、他方のカム面が、前記デ
フケースに対し軸方向に受け止められる別部材に備えら
れ、該別部材の前記デフケースに対する回転規制により
両カム面が回転方向で相対回転すると、前記別部材に対
し前記押圧部材の前記軸方向移動を行わせるカムと、前
記デフケースと前記カム面が備えられた別部材とに回転
方向に係合し、前記デフケースの軸方向に向いた面に対
し軸方向へ締結することにより前記別部材を締結力に応
じて回転規制するパイロットクラッチと、該パイロット
クラッチに対し前記デフケースを前記軸方向に向いた面
に関し挟んで配置され前記パイロットクラッチの締結力
を調節する電磁石とを有し、前記パイロットクラッチと
前記カムの別部材とは、軸方向には係合部分がずれて相
対移動自在に構成され、前記押圧部材は、前記メインク
ラッチが係合する回転体の一方に回転方向に係合し軸方
向移動自在に連結させたことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は2記載のクラッチ装
置であって、前記電磁石は、前記パイロットクラッチを
前記軸方向に向いた面に対し挟み、電磁力で該面に引き
つけられ該パイロットクラッチの締結力を調節するアー
マチュアを有し、該アーマチュアは、前記カムの別部材
に対し、回転方向に係合し軸方向には係合部分がずれて
相対移動自在に構成されたことを特徴とする。
(作用) 請求項1では、メインクラッチは伝達トルクを受けて
作動するカムのカム力により締結されるから、メインク
ラッチを操作するための操作力源と操作系は不要であ
る。
また、カム力はパイロットクラッチを介さずにメイン
クラッチに作用するから、パイロットクラッチの締結力
の正確な制御が可能であり、従ってメインクラッチのト
ルク調節が可能である。
押圧部材はメインクラッチの一側部材と軸方向移動自
在に連結されているから、カム力の伝達が円滑であり、
操作レスポンスが良い。
メインクラッチ及びパイロットクラッチは共に複数の
クラッチ板で構成されるため、両クラッチの締結が確実
に行なわれる。又、カムリングは対応のクラッチ板に軸
方向に自由に係合してあるため、軸方向の振動に対して
フリーであって、そのクラッチ板に伝達せず、従って、
クラッチ板の摩耗を生じさせない。
請求項2では、前述に加えて、アーマチャの係合部を
パイロットクラッチと共用化できる。
(実施例) 第1図と第2図とにより第1実施例の説明をする。第
1図はこの実施例のクラッチ装置を示し、第2図はこの
クラッチ装置を用いた四輪駆動(4WD)車の動力系を示
す。第1図に右方はこの車両の前方(第2図の上方)に
相当する。
先ず、第2図によりこの動力系の構成を説明する。こ
の動力系は、エンジン1、トランスミッション3、フロ
ントデフ5(前輪側のデファレンシャル装置)、前車輪
7,9、左右の前輪11,13、トランスファ15、プロペラシャ
フト17、この実施例のクラッチ装置19、リヤデフ21(後
輪側のデファレンシャル装置)、後車輪23,25、左右の
後輪27,29などから構成されている。
次に、クラッチ装置19の説明をする。
連結軸31はリヤデフ21を収納するデフキャリヤ33の前
端部を貫通し、ベアリング35によりキャリヤ33に支承さ
れると共に、スプライン部37によりプロペラシャフト17
側に連結されている。プロペラシャフト17はトランスフ
ァ15からフロントデフ5のデフケース39を介してエンジ
ン1側に連結されている。こうして、連結軸31はエンジ
ン1からの駆動力により回転駆動される。
連結軸31の後端にはクラッチドラム41がそのフランジ
部43で一体に固定されている。ドラム41の内側にはハブ
45(回転体の一方)が配置され、軸支部47とベアリング
49とによりドラム41に支承されている。
ハブ45のボス部51にはドライブピニオンシャフト53が
スプライン連結されている。シャフト53はベアリング5
5,55によりキャリヤ33に支承され、その後端にはリヤデ
フ21のリングギヤ58と噛合ったドライブピニオンギヤ59
が一体に形成されている。
クラッチドラム41とハブ45との間にはこれらを連結す
る多板式のメインクラッチ61が配置されており、その前
側では押圧部材63がハブ45に軸方向移動自在にスプライ
ン連結されている。
押圧部材63の前側にはカムリング65が配置され、これ
らの間には、第1図(b)に示すように、ボール67を介
してカム69が形成されている。カムリング65とクラッチ
ドラム41との間にはこれらを連結する多板式のパイロッ
トクラッチ71が配置されている。
クラッチ71の後側にはアーマチャ73が配置されてい
る。ドラム41のフランジ部43の前方にはリング状の電磁
石75が配置されている。電磁石75はボルト77によりキャ
リヤ33の内側に固定されている。フランジ部43には電磁
石75の磁力の短絡を防ぎアーマチャ73へ導くために非磁
性のリング79が埋め込まれている。
電磁石75がアーマチャ73を吸引するとパイロットクラ
ッチ71が押圧されて締結し、カムリング65はクラッチ71
を介してドラム41に連結され、連結軸31側(前輪側)と
ドライブピニオンシャフト53(後輪側)とはクラッチ7
1、カム69、押圧部材63、ハブ45を介して、クラッチ71
の締結力に応じた強さで連結される。
パイロットクラッチ71が締結されるとエンジン1の駆
動力がカム69に作用してスラスト力81,83(カム力)が
生じ、後方向のスラスト力81により押圧部材63が軸方向
移動してメインクラッチ61を締結し、パイロットクラッ
チ71による前輪側と後輪側の連結力が強化される。前方
向のスラスト力83はベアリング85、ワッシャ87を介して
クラッチドラム41に入力し、スラスト力81により相殺さ
れる。
このように、カム力はパイロットクラッチ71に作用し
ないから、締結力(滑り)の正確な制御が可能であり、
カム力調整によるメインクラッチ61の締結力調節が可能
である。従って、各クラッチ61,71による連結力を正確
に制御することができる。又、メインクラッチ61をカム
力で操作するから、従来例のような強力な操作力源と操
作系とが不要であり、低コストである。更に、押圧部材
63をハブ45(トルク伝達部材)と別体にしハブ45と軸方
向間(押圧方向)移動自在に連結させたから、移動が円
滑であり操作レスポンスが良い。
電磁石75による上記のようなクラッチトルク制御は運
転席から手動操作可能か、あるいは路面条件や車両の操
舵条件などに応じて自動操作可能に構成されている。
こうして、クラッチ装置19が構成されている。
次に、クラッチ装置19の機能を第2図の車両の動力性
能に即して説明する。
エンジン1の駆動力はトランスミッション3からフロ
ントデフ5を介して前輪11,13に分配されると共に、ト
ランスファ15を介してプロペラシャフト17を回転させ
る。
このとき、クラッチ装置19を開放すると後輪27,29側
は切離され、車両は前輪駆動車の特性が得られると共
に、燃費が向上する。
クラッチ装置19を連結すると、後輪側が連結され送ら
れた駆動力はリヤデフ21を介して後輪27,29に分配され
車両は4WD状態になる。従って、悪路などで前輪側が空
転状態になっても後輪側の駆動力により走破性が保たれ
る。
又、クラッチ装置19の連結力が大きい程、前後輪間の
差動制限力が大きく、車両の直進安定性が向上する。
パイロットクラッチ71を開放するか滑りを適度に調整
して前後輪間の差動を許容すると、円滑な旋回が行える
と共に、タイトコーナーブレーキング現象が防止され
る。
クラッチ装置19のレスポンスの良さにより、上記各操
作のレスポンスが向上し、操安性が高まる。
次に、第3図ないし第5図により第2実施例の説明を
する。第3図はこの実施例を用いたデファレンシャル装
置を示し、第5図はこのデファレンシャル装置を用いた
車両の動力系を示す。以下、第3図の左右の方向はこの
車両の左右の方向であり、第3図の上方はこの車両の前
方(第5図の上方)に相当する。
先ず、第5図によりこの動力系の構成を説明する。
この動力系は、エンジン89、トランスミッション91、
左右の前輪97,99、プロペラシャフト101、リヤデフ103
(後輪側に配置された第3図のデファレンシャル装
置)、後車軸105,107、左右の後輪109,111などから構成
されている。
次に、リヤデフ103の説明をする。
リヤデフ103のデフケース113はデフキャリヤ115内に
回転自在に支承されている。デフケース113にはリング
ギヤ117が固定されており、ギヤ117はドライブピニオン
ギヤ119と噛合っている。ギヤ119は、ドライブピニオン
シャフト121の後端に一体形成され、シャフト121はプロ
ペラシャフト101側に連結されている。こうして、デフ
ケース113はエンジン89からの駆動力により回転駆動さ
れる。
第3図(a)に示すように、デフケース113の内部に
は同軸上左右に一対のボス123,125がワッシャ127を介し
て相対回転自在に配置されている。ボス123,125にはそ
れぞれ後車軸105,107がスプライン連結されている。
デフケース113の内部にはプラネタリーギヤ型の差動
機構129が配置されている。差動機構129はインターナル
ギヤ131、これと噛合う外側のピニオンギヤ133(第4
図)、これと噛合う内側のピニオンギヤ135、これと噛
合うサンギヤ137を備えている。インターナルギヤ131は
デフケース113に形成され、各ピニオンギヤ133,135はそ
れぞれピニオンシャフト139,141上に回転自在に支承さ
れている。各シャフト139,141は左と右のキャリヤ143,1
45(回転体の一方)にカシメられている。右のキャリヤ
145は右のボス125のフランジ部をなしている。サンギヤ
137は左のボス123に形成されている。各ピニオンギヤ13
3,135とキャリヤ143,145の間にはワッシャ147,147が配
置されている。
こうして、差動機構129が構成されており、デフケー
ス113(インターナルギヤ131)の回転はピニオンギヤ13
3,135を介してサンギヤ137(ボス123)とキャリヤ145
(ボス125)とに分配され、左右の後輪109,111に伝達さ
れる。
差動機構129の左側には左のボス123と左のキャリヤ14
3のボス部149とを連結する多板式のメインクラッチ151
が配置されている。キャリヤ143とクラッチ151の間には
スペーサ153が配置されている。
クラッチ151とデフケース113の左側壁155との間には
ワッシャ157が配置されており、ワッシャ157は外周部の
爪159を左側壁155の係合孔161に折り込んで廻り止めさ
れている。
キャリヤ145の右側には押圧部材163が配置されてい
る。第4図に示すように、押圧部材163は左右のキャリ
ヤ143,145を軸方向移動自在に貫通した腕165によりスペ
ーサ153を介してメインクラッチ151を押圧可能である。
押圧部材163とキャリヤ145との間には押圧部材163を右
方へ付勢する皿バネ167が配置されている。
押圧部材163の右側にはカムリング169が配置されてお
り、リング169とデフケース113との間にはこれらを連結
する多板式のパイロットクラッチ171が配置されてい
る。クラッチ171の左側にはアーマチャ173が配置され、
カムリング169に軸方向移動自在にスプライン連結され
ている。
第3図(b)に示すように、押圧部材163とカムリン
グ169との間にはボール175を介してカム177が形成され
ている。
デフケース113の右側壁179の右方にはリング状の電磁
石181が配置され、デフキャリヤ115に固定されると共
に、ベアリング183,183によりデフケース113のボス部18
5上に支承されている。右側壁179には電磁石181の磁力
の短絡を防ぎアマーチャ173へ導くために非磁性のリン
グ187が埋め込まれている。
電磁石181がアーマチャ173を吸引するとパイロットク
ラッチ171が締結され、カムリング169はデフケース113
に連結される。リング169はカム177と押圧部材163を介
してキャリヤ143,145と回転方向に連結されているか
ら、クラッチ171の締結力(滑り)に応じて差動機構129
の差動制限が行われる。
又、クラッチ171が締結されると差動機構129の差動ト
ルクがカム177に掛り、第3図(b)に示すように左右
のスラスト力189,191(カム力)が発生し、左のスラス
ト力189により押圧部材163が左右に移動してメインクラ
ッチ151がデフケース113(ワッシャ157)との間で押圧
されて締結する。こうして、クラッチ171の締結力にク
ラッチ151の締結力が加わって、差動機構129の差動制限
力が強化される。なお、右のスラスト力191はベアリン
グ193、ワッシャ195を介してデフケース113に入力し左
のスラスト力189に相殺される。
電磁石181によりパイロットクラッチ171の締結力(滑
り)を調節すると、カム177に掛る差動トルクの変化に
よりメインクラッチ151の締結力が変化し、差動制限力
の制御が行える。各クラッチ151,171の締結力が充分大
きいと差動はロックされ、適度に小さいと差動は許容さ
れる。クラッチ171を開放するとカム力が消失し皿バネ1
67によって押圧部材163が右方へ戻る。クラッチ151が開
放されて差動はフリーになる。
電磁石181によるこのような差動制限力の操作は運転
席から手動操作可能か、あるいは路面条件や車両の操舵
条件などに応じて自動操作可能に構成されている。
上記のように、カム力はパイロットクラッチ171に作
用しないから締結力(滑り)の正確な制御が可能であ
り、カム力調整によるメインクラッチ151の締結力が調
整可能である。従って、各クラッチ151,171による差動
制限力を正確に制御することができる。又、メインクラ
ッチ151をカム力で操作するから、従来例のような強力
な操作力源と操作系とは不要であり、低コストである。
更に、押圧部材163をトルク伝達部材(キャリヤ143,14
5)と別体にしこれらと軸方向(押圧方向)移動自在に
連結させたから、従来例のようなスプライン部とギヤ噛
合い部での摺動がなく、移動が円滑であり、操作レスポ
ンスが良い。
なお、アーマチャ173はカムリング169に対して、パイ
ロットクラッチ171の内側クラッチ板と共にスプライン
連結での係合がなされているために、アーマチャ173の
係合部をパイロットクラッチ171と共用化できる。
こうして、リヤデフ103が構成されている。
次に、リヤデフ103の機能を第5図の車両の動力性能
に即して説明する。
悪路などで後輪109,111の一方が空転状態になって
も、リヤデフ103の差動制限力によって他方の後輪に送
られる駆動力により走破性が向上する。リヤデフ103の
差動制限力を強めると車両の直進安定性が高く保たれ、
差動制限力を弱めると後輪間の差動回転が許容されて円
滑な旋回が行える。
次に、第6図と第7図及び第5図により第3実施例の
説明をする。第6図はこの実施例を用いたデファレンシ
ャル装置を示し、このデファレンシャル装置は第5図の
車両において上記のリヤデフ103と同様にリヤデフ197と
して配置されている。以下、同等の部材等には同一の番
号を付して引用しながら第3図の実施例との相異点を主
に説明する。なお、第6図の左右の方向は第5図の車両
の左右の方向に相当する。
差動機構129の左のキャリヤ144と右のキャリヤ199は
キャリヤ199の腕201を介して一体に連結されている。
又、ピニオンシャフト203(押圧部材)は左のキャリヤ1
44及び右のキャリヤ199を軸方向移動自在に貫通し、右
方に突き出ている。油溝205で供給されるオイルにより
シャフト203の移動は円滑に行われる。
キャリヤ199の右側には押圧部材207が配置されてお
り、第7図に示したように押圧部材207はキャリヤ199に
連結部209Aを介して軸方向移動自在に連結されている。
押圧部材207とキャリヤ199との間には押圧部材207を右
方へ付勢する皿バネ169が配置されている。
押圧部材207の右方にはカムリング209が配置され、第
6図(b)に示すようにこれらの間にはボール211を介
してカム213が形成されている。
カムリング209とデフケース113との間にはこれらを連
結するパイロットクラッチ171が配置されている。
パイロットクラッチ171が締結されると、差動機構129
の差動トルクがカム213に掛り左右のスラスト力215,217
が発生する。左のスラスト力215により押圧部材207が左
へ移動しピニオンシャフト203を介してメインクラッチ1
51を押圧し締結させ、クラッチ151,171の締結力により
差動機構129の差動制限が行われる。
ピニオンシャフト203と押圧部材207とを軸方向移動自
在にしたから移動抵抗が小さく、操作レスポンスが良
い。他の効果は第1と第2の各実施例と同じであるかた
説明を省く。
[発明の効果] この発明のクラッチ装置は、メインクラッチをカム力
で締結するから強力な操作力源と操作系とが不要であ
り、カム力がパイロットクラッチに作用しないからクラ
ッチトルクの正確な制御が可能であると共に、メインク
ラッチの押圧部材を押圧方向移動自在に配置したから操
作レスポンスが良い。
【図面の簡単な説明】
第1図は第1実施例に係り、同図(a)はこの実施例を
用いたクラッチ装置の断面図、同図(b)は同図(a)
のA−A断面図、第2図は第1図のクラッチ装置を用い
た車両の動力系を示すスケルトン機構図、第3図及び第
4図は第2実施例に係り、第3図(a)はこの実施例を
用いたデファレンシャル装置の断面図、第3図(b)は
第3図(a)のA−A断面図、第4図は要部の斜視図、
第5図は第3図と第6図のデファレンシャル装置を用い
た車両の動力系を示すスケルトン機構図、第6図及び第
7図は第3実施例に係り、第6図(a)はこの実施例を
用いたデファレンシャル装置の断面図、第6図(b)は
第6図(a)のA−A断面図、第7図は要部の斜視図、
第8図は従来例の断面図である。 45……ハブ(回転体の一方) 61,151……メインクラッチ 63,163,207……押圧部材 69,177,213……カム 71,171……パイロットクラッチ 81,189,215……スラスト力(カム力) 143,144,145,199……キャリヤ(一側部材)、203……ピ
ニオンシャフト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−209229(JP,A) 特開 昭63−97425(JP,A) 特開 昭63−195449(JP,A) 特開 平2−37035(JP,A) 特開 昭62−4671(JP,A) 特開 平1−206126(JP,A) 特開 昭50−116853(JP,A) 実開 平1−72415(JP,U) 特表 昭62−500255(JP,A) 米国特許2933171(US,A) 米国特許3000479(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16D 47/00 F16D 27/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転半径方向に対向する一方の回転体の外
    周部分と他方の回転体の内周部分とに回転方向に係合
    し、前記何れかの回転体の軸方向受け面に対し軸方向へ
    締結することにより前記回転体間を接続する多板のメイ
    ンクラッチと、 前記軸方向受け面に対し前記メインクラッチを挟んで対
    向し軸方向移動により前記メインクラッチの締結を行う
    押圧部材と、 一方のカム面が前記押圧部材側に備えられると共に、他
    方のカム面が、前記回転体に対し軸方向に受け止められ
    る別部材に備えられて、該別部材の前記回転体に対する
    回転規制により両カム面が回転方向で相対回転すると、
    前記別部材に対し前記押圧部材の前記軸方向移動を行わ
    せるカムと、 前記回転体と前記カム面が備えられた別部材とに回転方
    向に係合し、前記回転体の軸方向に向いた面に対し軸方
    向へ締結することにより前記別部材を締結力に応じて回
    転規制するパイロットクラッチと、 該パイロットクラッチに対し前記回転体を前記軸方向に
    向いた面に関し挟んで配置され前記パイロットクラッチ
    の締結力を調節する電磁石とを有し 前記パイロットクラッチと前記カムの別部材とは、軸方
    向には係合部分がずれて相対移動自在に構成され、 前記押圧部材は、前記メインクラッチが係合する回転体
    の一方に回転方向に係合し軸方向移動自在に連結させた
    ことを特徴とするクラッチ装置。
  2. 【請求項2】デフケースの回転軸心部に同軸状に回転支
    持され差動機構を介して該デフケースとの間で動力伝達
    可能であり且つ、相互に差動回転可能な一対の回転体を
    備え、 回転半径方向に対向する前記一方の回転体の外周部分と
    前記他方の回転体の内周部分とに回転方向に係合し、前
    記デフケースの軸方向受け面に対し軸方向へ締結するこ
    とにより前記回転体間を接続する多板のメインクラッチ
    と、 前記軸方向受け面に対し前記メインクラッチを挟んで対
    向し軸方向移動により前記メインクラッチの締結を行う
    押圧部材と、 一方のカム面が前記押圧部材側に備えられると共に、他
    方のカム面が、前記デフケースに対し軸方向に受け止め
    られる別部材に備えられて、該別部材の前記デフケース
    に対する回転規制により両カム面が回転方向で相対回転
    すると、前記別部材に対し前記押圧部材の前記軸方向移
    動を行わせるカムと、 前記デフケースと前記カム面が備えられた別部材とに回
    転方向に係合し、前記デフケースの軸方向に向いた面に
    対し軸方向へ締結することにより前記別部材を締結力に
    応じて回転規制するパイロットクラッチと、 該パイロットクラッチに対し前記デフケースを前記軸方
    向に向いた面に関し挟んで配置され前記パイロットクラ
    ッチの締結力を調節する電磁石とを有し、 前記パイロットクラッチと前記カムの別部材とは、軸方
    向には係合部分がずれて相対移動自在に構成され、 前記押圧部材は、前記メインクラッチが係合する回転体
    の一方に回転方向に係合し軸方向移動自在に連結させた
    ことを特徴とするクラッチ装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載のクラッチ装置であっ
    て、 前記電磁石は、前記パイロットクラッチを前記軸方向に
    向いた面に対し挟み、電磁力で該面に引きつけられ該パ
    イロットクラッチの締結力を調節するアーマチュアを有
    し、 該アーマチュアは、前記カムの別部材に対し、回転方向
    に係合し軸方向には係合部分がずれて相対移動自在に構
    成されたことを特徴とするクラッチ装置。
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